JP2010002028A - 多段変速遊星歯車列の摩擦要素 - Google Patents

多段変速遊星歯車列の摩擦要素 Download PDF

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Abstract

【課題】前進8段の多段変速遊星歯車列において、動力伝達効率を上げて燃費をよくする。
【解決手段】入力軸10と出力軸12との間に配置した多段変速遊星歯車列の第1反力部材52を静止部63に固定可能か、または出力部材112と出力軸12とを連結可能な摩擦要素64、66、68、114、116であって、
前進第1速乃至第5速および後進において締結される第1の摩擦要素64、114と、
該第1の摩擦要素と並列に配置した第2の摩擦要素66、116を有して、
少なくとも前進第1速と第2速および後進において第1の摩擦要素64、114と第2の摩擦要素66、116の両者を締結するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用自動変速機に用いる、多段変速が可能な遊星歯車列の摩擦要素に関するものである。
車両用自動変速機に用いる遊星歯車列としては、車両の燃費、排気特性、加速性能等を向上することを主眼に、前進8段の多段変速が可能なものが本出願人をはじめ多数提案されている。
このような多段変速が可能な従来の遊星歯車列としては、4組の遊星歯車と5個の摩擦要素からなる多段変速遊星歯車列があり、この歯車列は、5個の摩擦要素のうち常に3個の摩擦要素を締結するように切り替えることにより前進8段の変速比を得ている。(特許文献1を参照)。
しかし、上記従来の遊星歯車列は、前進第1速乃至第5速および後進において締結する摩擦要素が、特に発進時に大きなトルクが作用するため大きな容量が必要であり、この摩擦要素が解放される前進第6速以上の高速段の走行において、大きな容量であるが故に大きな引きずり抵抗(ドラッグトルク)を発生させる要因となり、これが燃費の悪化や発熱を来すという問題があった。
特願2008−150203
解決しようとする問題点は、前進第1速乃至第5速および後進において締結する摩擦要素が、高速段の走行において大きな引きずり抵抗を発生させ、燃費の悪化や発熱を来すことである。
本発明の目的は、前進8速を達成可能な多段変速遊星歯車列において、前進第1速乃至第5速および後進において締結される摩擦要素が、発進時に作用する大きな締結トルクを満足させながら、前進6速以上の高速段の走行における引きずり抵抗を少なくして、燃費の悪化や発熱を低減できる多段変速遊星歯車列の摩擦要素を提供することにある。
本発明の多段遊星歯車列の摩擦要素は、
入力軸と出力軸の間に配置した多段変速遊星歯車列の第1反力部材を静止部に固定可能か、または出力部材と出力軸とを連結可能であって、前進第1速乃至第5速および後進において締結される第1の摩擦要素と、
該第1の摩擦要素と並列に配置した第2の摩擦要素とを有して、
少なくとも前進第1速、第2速および後進において第1の摩擦要素と第2の摩擦要素の両者を締結するようにした。
本発明の多段変速遊星歯車列の摩擦要素は、上記のように構成したため、前進8段を達成可能な多段変速遊星歯車列において、前進第1速乃至第5速および後進において締結される摩擦要素が、発進時に作用する大きなトルクを満足させるとともに、前進6速以上の高速段の走行における引きずり抵抗が減るので、燃費の悪化や発熱を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る多段変速遊星歯車列の摩擦要素を、実施例に基づき図とともに説明する。
図1は、本発明の実施例1の多段変速遊星歯車列とその摩擦要素とを表すスケルトン図である。
図1に示した実施例の多段変速遊星歯車列では、エンジン1からトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸10および出力軸12が、エンジン1の出力軸1aと同じ軸上にあり、出力軸12は図示しない駆動輪を駆動する。
歯車列を構成する第1遊星歯車組14と第2遊星歯車組16と第3遊星歯車組18と第4遊星歯車組19とは、いずれも一般的にシングルピニオン型と呼ばれるものであり、それぞれが同じ構成になっている。
すなわち、第1遊星歯車組14は、第1サンギヤ20と、第1リングギヤ22と、第1リングギヤ22および第1サンギヤ20に噛み合った複数の第1ピニオン24と、第1ピニオン24を回転自在に軸支する第1キャリア28といった回転メンバーで構成されている。
同様に、第2遊星歯車組16は、第2サンギヤ30、第2リングギヤ32、複数の第2ピニオン34、第2キャリア38といった回転メンバーで構成されており、第3遊星歯車組18は、第3サンギヤ40、第3リングギヤ42、複数の第3ピニオン44、第3キャリア48といった回転メンバーで構成されており、第4遊星歯車組19は、第4サンギヤ50、第4リングギヤ52、複数の第4ピニオン54、第4キャリア58といった回転メンバーで構成されている。
続いて、第1遊星歯車組14と、第2遊星歯車組16と、第3遊星歯車組18と、第4遊星歯車組19の連結関係につき、以下に説明する。
入力軸10は、第1キャリア28と連結されるとともに、第1クラッチ60を介して互いに連結された第2リングギヤ32および第3サンギヤ40と連結可能である。
第1リングギヤ22は、第2サンギヤ30と連結されるとともに、第2クラッチ62を介して互いに連結された第2リングギヤ32および第3サンギヤ40と連結可能である。
なお、第2クラッチ62を締結すると第2サンギヤ30と第2リングギヤ32が連結されるため、第2遊星歯車組16は一体になる(第2遊星歯車組16の回転メンバが一体となって回転可能となる)。
第3キャリア48は、第4サンギヤ50と連結されている。
第4リングギヤ52は、第1ブレーキ64により変速機のケース(静止部)63に固定可能であるとともに、第2ブレーキ66によってもケース63に固定可能である。
なお、後述するように、第2ブレーキ66は円錐摩擦面を有する補助ブレーキであり、第4リングギヤ52を第1ブレーキ64のみの締結により変速機のケース63に固定する場合と、第1ブレーキ64と第2ブレーキ66の両者を締結して固定する場合とがある。
第1サンギヤ20は、第3リングギヤ42と一体的に連結されるとともに、第3ブレーキ68によりケース63に固定可能である。
出力軸12は、第4キャリア58と連結されるとともに、第3クラッチ70を介して第2キャリア38と連結可能である。
ここで、第4リングギヤ52は本発明の第1反力部材であり、第1ブレーキ64が本発明の第1の摩擦要素を、第2ブレーキ66が本発明の第2の摩擦要素を、それぞれ構成する。
また、第1サンギヤ20と第3リングギヤ42とは本発明の第2反力部材である。
つぎに、図1に示した実施例の遊星歯車列とその摩擦要素の作動を、図2に示した作動表を参考にしながら説明する。
以下の説明では、クラッチやブレーキを摩擦要素と呼ぶ。
図2の作動表において、横方向の欄にはクラッチやブレーキといった摩擦要素が割り当ててあり、C−1は第1クラッチ60を、B−1は第1ブレーキ64をといった具合に、それぞれ表す。なお、これらの記号と各摩擦要素の符号との関係は、図1に記してある。
作動表の縦方向の欄には、図示しない操作レバーの「P」「R」「N」「D」「L」などのレンジのうち「Dレンジ」「Rレンジ」を取り上げて、Dレンジは前進第1速(1st)乃至第8速(8th)の、Rレンジは後進の、各変速段を割り当ててある。
図2の作動表中、○印は各締結要素の締結を、空欄は各締結要素の解放を、それぞれ表す。
詳細な説明は省略するが、図1に示した本発明の実施例は図2に示したように、各摩擦要素60、62、64、66、68、70を締結することにより前進8段、後進1段の変速比を得ることができる。
例えば、変速比に関係する各遊星歯車組の歯数比を、リングギヤの歯数(Zr)に対するサンギヤの歯数(Zs)の比(Zs/Zr)をαで表現し、第1遊星歯車組14ではα1、第2遊星歯車組16ではα2、第3遊星歯車組18ではα3、第4遊星歯車組19にあってはα4とし、それぞれの歯数比を、α1を0.60、α2を0.60、α3を0.60、α4を0.55とした場合について変速比を例示すると、以下のようになる。
第1速 7.515
第2速 4.697
第3速 2.818
第4速 2.091
第5速 1.481
第6速 1.000
第7速 0.816
第8速 0.625
後進 −6.162
ここで、第1ブレーキ64、第2ブレーキ66、第3ブレーキ68に作用するトルクについて説明する。以下の数値は入力トルクを1とした場合の値である。
前進第1速の場合、上記の変速比から出力トルクは7.515になり、入力トルクとの差−6.515が反力トルクとして第1ブレーキ64、第2ブレーキ66、第3ブレーキ68に作用する。
このとき、第3リングギヤ42には−1/α3のトルクが作用するので、第3ブレーキ68に作用するトルクは−1.667であり、前述の−6.515との差、−4.848が第4リングギヤ52に作用することになる。
同様に第2速の場合は、出力トルクが4.697で入力トルクとの差−3.697が反力トルクとして第1ブレーキ64、第2ブレーキ66、第3ブレーキ68に作用する。
そのうち第3ブレーキ68には、第1サンギヤ20に作用するトルクと第3リングギヤ42に作用するトルクが相殺されて、α1/(1+α1)−1/α2(1+α1)のトルクが作用するので−0.667のトルクになり、前述の−3.697との差、−3.030のトルクが第4リングギヤ52に作用することになる。
第3速以降は、第4リングギヤ52にのみ反力トルクが作用するので、第5速までの各変速段における第4リングギヤ52に作用する反力トルクは以下のようになる。
第1速 4.848
第2速 3.030
第3速 1.818
第4速 1.091
第5速 0.481
これを見ると、第4リングギヤ52に作用する反力トルクは、第1速と第5速では大きな差があることが分かる。
一般に自動車用の自動変速機では第3リングギヤ42、第4リングギヤ52のように反力トルクを受ける部材をケース63に固定するのに、油圧で作用する多板ブレーキが用いられるが、第4リングギヤ52を1個の多板ブレーキでケース63に固定するとした場合、以下の2点の問題がある。
すなわち、第1速の反力トルクを満足するために、4.848を超える大きなブレーキ容量が必要であり、これが第6速以上の高速段において遊転するので、高速段ではそれだけ大きな引きずりトルクを生じることになる。
第1の問題点は高速段での走行における大きな引きずりトルクによる燃費の悪化と発熱である。
第2の問題は、第6速以上の高速段から第5速や第4速に変速する場合に、第5速や第4速で必要とするトルクに対して非常に大きなブレーキ容量を有することになるので、いわゆる変速ショックの制御が難しいという点である。
そこに、第4リングギヤ52をケース63に固定するのに、第1ブレーキ64と第2ブレーキ66を併用するメリットが生じる。
すなわち、特に大きなブレーキトルクを必要とする第1速と第2速において、多板ブレーキの第1ブレーキ64と円錐摩擦ブレーキの第2ブレーキ66の両者を締結する。このため、第1ブレーキ64と第2ブレーキ66の両者の合計容量が第1速の反力トルクを満足すればよいことになる。
一般的に円錐摩擦ブレーキは、同じ押圧力で大きな摩擦トルクを得ることができる一方、同じ容量とした場合に遊転時の引きずり抵抗が少ないという特性がある。
これは摩擦面の有効半径が同じとして、平板の多板クラッチ1面に対して1面の円錐クラッチは6倍程度の摩擦トルクを得ることができて、遊転時の引きずり抵抗はほぼ同じということがいえるからである。
同じ押圧力に対して摩擦トルクが大きいということは、油圧を制御して変速ショックを抑えることが難しいという面があるが、図2の作動表に見るように第2ブレーキ66が締結・解放の切り替えを行うのは第3速または第4速から第2速へ変速する際であり、第4リングギヤ52は固定したままの状態における締結であるため、第2ブレーキ66の締結が変速ショックに影響を及ぼす恐れはない。
したがって、第1ブレーキ64は第3速以上の変速段における反力トルクを満足する容量があれば済むことになるので、必要ブレーキトルクは1.818ということになる。
第2ブレーキ66がなかった場合には第1ブレーキ64の必要ブレーキトルクは4.848なので、約40%の容量で済むことになる。
したがって、高速段での走行において第2ブレーキ66自体で生ずる引きずり抵抗を考慮しても、第4リングギヤ52を固定するブレーキに関わる引きずり抵抗は、第2ブレーキ66を設けることで半分程度に減らすことが可能になる。
さらに、前述のように第1ブレーキ64の容量が小さくなった分、第6速また第7速から第5速や第4速に変速する場合の変速ショックの制御がやりやすくなるメリットが生ずる。
つぎに、第1ブレーキ64と第2ブレーキ66の具体的な構造について図3に基づいて説明する。
図3は、図1における第1ブレーキ64と第2ブレーキ66と第3ブレーキ68の要部を示す断面図である。
ケース63にはスプライン63aと第1シリンダ63bが形成され、第1シリンダ63bには第1ピストン72が挿入され、図示しない油路から第1シリンダ63bに供給される油圧で第1ピストン72が図中左側へ動いて、一部のみを描いた第4リングギヤ52とケース63のスプライン63aとの間に設けられた多板の摩擦プレート74、76を押圧可能である。
詳細の説明は省略するが、摩擦プレート74はケース63のスプライン63aと回転方向に一体になっており、摩擦プレート76は第4リングギヤ52に形成したスプライン52aと回転方向に一体になっているとともに、両摩擦プレート74、76のいずれか一方に摩擦材が貼付されていて、第1ピストン72に押圧されることで両摩擦プレート74、76間の摩擦により第4リングギヤ52をケース63に固定する作用を行う。
一方、両摩擦プレート74、76の左側にはスナップリング78により軸方向に端部をケース63に固定された皿バネ80があり、皿バネ80と両摩擦プレート74、76の間に連結部材82とが設けられている。
ここで、両摩擦プレート74、76が第1ピストン72に押圧されると、皿バネ80が平板になるように撓み、皿バネ80の変形量だけ連結部材82が両摩擦プレート74、76とともに左側へ移動することになる。
連結部材82の左端にはインナーコーン84が2個のスナップリング86によって固定されている。インナーコーン84の外側は円錐摩擦面84aが形成されている。
図3の左側には、第2シリンダ90がケース63に固定されており、その中に第2ピストン92が挿入されている。
第2ピストン92とケース63との間には、前述の第1ブレーキ64とほぼ対称形に多板の摩擦プレート94、96が設けられて、一部のみを描いた第3リングギヤ42をケース63に固定可能になっている。
すなわち、図示しない油路から第2シリンダ90に供給される油圧により、第2ピストン92が図中右側へ移動することで両摩擦プレート94、96を押圧可能である。
第1ブレーキ64の説明と同様に、スナップリング98、連結部材102と皿バネ104が設けられ、連結部材102には肩部102aが形成され、肩部102aに当接したアウターコーン106がスナップリング108により連結部材102と軸方向に一体になっている。
アウターコーン106にはスプライン63aと噛み合ったスプライン106aと円錐摩擦面106bが形成され、円錐摩擦面106bには摩擦材106cが貼付してあり、インナーコーン84の円錐摩擦面82aに対応している。
インナーコーン84とアウターコーン106とで第2ブレーキ66を構成する。
すなわち、円錐摩擦面82aと円錐摩擦面106bとの間に押圧力が作用すると、両者の摩擦により第4リングギヤ52をケース63に固定する作用を行うことができる。
上述のように、第1ピストン72が左側へ移動し、第2ピストン92が右側へ移動することで円錐摩擦面82aと円錐摩擦面106bとの間が圧接されるが、第1ピストン72と第2ピストン92のどちらか一方が移動しただけでは円錐摩擦面86aと円錐摩擦面106bとが接触しないように、関係部品の寸法および位置関係になっている。
つぎに、図3に示した第1ブレーキ64と第2ブレーキ66と第3ブレーキ68の作用を説明する。
第1ブレーキ64と第3ブレーキ68は、上述したように第1シリンダ63bおよび第2シリンダ90に油圧を供給することにより、それぞれ単独に第1ブレーキ64は第4リングギヤ52を、第3ブレーキ68は第3リングギヤ42をケース63に固定することができる。
したがって、図2の作動表に見るように、第4リングギヤ52と第3リングギヤ42のいずれか一方をケース63に固定する場合は、それぞれ単独に固定作用を行う。
一方、前進第1速、第2速および後進のように、第1ブレーキ64と第3ブレーキ68の両者がともに締結されると、上述したように円錐摩擦面86aと円錐摩擦面106bとの間が圧接され、第4リングギヤ52は第1ブレーキ64と第2ブレーキ66の両者の作用でケース63に固定されることになる。
したがって、前進第1速、第2速および後進のように大きなブレーキトルクが必要な場合に、第1ブレーキ64と第2ブレーキ66の両者の合計した容量が必要なブレーキトルクを満たせばいいので、結果として第1ブレーキ64は第3速の反力トルクを満たす容量で済むことになる。
以上のように説明した実施例1の多段遊星歯車列の摩擦要素によれば、第6速以上の高速段における引きずりトルクをその分減らして、燃費の悪化と変速機の温度上昇を低減できるとともに、高速段から第5速への変速において変速ショックが出にくくなるというメリットがある。
また、上述したように第2ブレーキ66は、第1ブレーキ64と第3ブレーキ68の両者が締結するのと連動して作用するので、自身の締結のためのピストンや油圧回路を必要としないことになり、第2ブレーキ66を設けるのに要する製造コストを抑えることができる。
図4は、本発明における第2の実施例に係る多段遊星歯車列とその摩擦要素のスケルトン図を表している。
ここでは、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と実質的に同じ部分については同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
実施例2における実施例1との違いは、遊星歯車列が異なるとともに摩擦要素の構成が異なる。
まず、遊星歯車列については、入力軸10と出力軸12とが平行に配置され、入力軸10上に配置された第1遊星歯車組14は、第1サンギヤ20と、第1リングギヤ22と、第1リングギヤ22および第1サンギヤ20に噛み合った複数の第1ピニオン24と、第1ピニオン24を回転自在に軸支する第1キャリア28といった回転メンバーで構成されている。
同様に、第2遊星歯車組16は、第2サンギヤ30、第2リングギヤ32、複数の第2ピニオン34、第2キャリア38といった回転メンバーで構成されている。
また、第3遊星歯車組18は、いわゆるダブルピニオン型であり、第3サンギヤ40、第3リングギヤ42、該第3リングギヤ42に噛み合ったアウターピニオン44、該アウターピニオン44および第3サンギヤ40と噛み合ったインナーピニオン46、該アウターピニオン44およびインナーピニオン46を回転自在に軸支する第3キャリア48で構成されている。
続いて、第1遊星歯車組14と、第2遊星歯車組16と、第3遊星歯車組18と、入力軸10および出力軸12との連結関係につき説明する。
入力軸10は、第1キャリア28と連結されるとともに、第1クラッチ60を介して互いに連結された第2リングギヤ32および第3サンギヤ40と連結可能である。
第1リングギヤ22は、第2サンギヤ30と連結されるとともに、第2クラッチ62を介して互いに連結された第2リングギヤ32および第3サンギヤ40と連結可能である。
第2キャリア38は連結歯車対110および第3クラッチ70を介して出力軸12と連結可能である。
第3キャリア48は、第1サンギヤ20と連結されるとともに、第3ブレーキ68によりケース63に固定可能である。
第3リングギヤ42は減速歯車対112および第4クラッチ114を介して出力軸12と連結可能であるとともに、該第4クラッチ114と並行して設けられた第5クラッチ116でも出力軸12と連結可能である。
出力軸12には出力軸歯車12aが一体に設けられ、出力軸歯車12aは図示しない相手歯車を介して自動車の車輪を駆動する。
ここで、減速歯車対112は本発明の出力部材であり、実施例1における第1反力部材に相当する役目を有し、第4クラッチ114が本発明の第1の摩擦要素を、第5クラッチ116が本発明の第2の摩擦要素を、それぞれ構成する。
つぎに、図4に示した実施例2の遊星歯車列の作動を、図5に示した作動表を参考にしながら説明する。
実施例2の遊星歯車列も図5に示した作動表に従って各摩擦要素の締結を切り替えることにより前進8段、後進1段の変速を行うことができる。
詳細な説明は省略するが、実施例2における第4クラッチ114が実施例1における第1ブレーキ64と、実施例2の第5クラッチ116が実施例1における第2ブレーキ66と、それぞれ同様の作用である。
すなわち、前進第1速乃至第5速および後進において、本発明の出力部材である減速歯車対112から出力軸12へ出力トルクを伝達する第4クラッチ116には、低速段および後進の出力トルクに応じた大きなトルクが作用し、これと並列に設けた第5クラッチ116が第4クラッチ116のトルク伝達を加勢するという点で同じである。
実施例1でも説明したように、減速歯車対112から出力軸12へ伝達する出力トルクは、変速比に応じた大きさであり低速段ほど大きい。このため、第4クラッチ114のみでこれを伝達しようとすると、前進第1速の出力トルクを伝達する容量が必要であり、しかも前進第5速の小さい出力トルクも伝達する必要があって、高速段における引きずりトルクとこれに関連した燃費悪化と発熱の問題や、高速段から第5速への変速における変速ショックの問題は、実施例1で説明した第1ブレーキ64と同様である。
ただ、実施例1と異なり、第5クラッチ116は他の摩擦要素との連動はなく、独立した油圧で締結されるので、第1ブレーキ64とともに締結する変速段は第1速、第2速および後進に限ることなく、これ加えて第3速においても第5クラッチ116は第1クラッチ64とともに締結する。
したがって、第4クラッチ64は第4速の出力トルクを伝達できればよいことになるので、それだけ高速段における引きずりトルクとこれに関連した燃費悪化と発熱の問題が低減できることになる。
このように、本発明の実施例2に係る多段遊星歯車列とその摩擦要素も、第6速以上の高速段における引きずりトルクを減らすことで、燃費の悪化と変速機の温度上昇を低減できるとともに、高速段から第5速への変速において変速ショックが出にくくなるので制御がやりやすくなるというメリットがある。
以上説明したように、本発明の各実施例に係る多段遊星歯車列とその摩擦要素は、前進8段の変速機において燃費が優れ、発熱の少なく、変速ショックが少ない自動変速機を得ることが可能になる。
燃費が優れ、発熱の少ない自動変速機を得ることが可能になるので、燃費が重視される中型乗用車から大型商用車などに幅広く適用することができる。
本発明の多段変速遊星歯車列とその摩擦要素を示したスケルトン図である。(実施例1) 実施例1の摩擦要素の作動表を示す図である。 実施例1の要部断面図である。 本発明の多段変速遊星歯車列とその摩擦要素を示したスケルトン図である。(実施例2) 実施例2の摩擦要素の作動表を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 トルクコンバータ
10 入力軸
12 出力軸
14 第1遊星歯車組
16 第2遊星歯車組
18 第3遊星歯車組
19 第4遊星歯車組
20 第1サンギヤ
22 第1リングギヤ
24 第1ピニオン
28 第1キャリア
30 第2サンギヤ
32 第2リングギヤ
34 第2ピニオン
38 第2キャリア
40 第3サンギヤ
42 第3リングギヤ
44 第3ピニオン、アウターピニオン
46 インナーピニオン
48 第3キャリア
50 第4サンギヤ
52 第4リングギヤ
54 第4ピニオン
58 第4キャリア
60 第1クラッチ
62 第2クラッチ
63 ケース
64 第1ブレーキ
66 第2ブレーキ
68 第3ブレーキ
70 第3クラッチ
72 第1ピストン
74、76 摩擦プレート
80 皿バネ
82 連結部材
84 インナーコーン
90 第2シリンダ
92 第2ピストン
94、96 摩擦プレート
102 連結部材
104 皿バネ
106 アウターコーン
110 連結歯車対
112 減速歯車対
114 第4クラッチ
116 第5クラッチ

Claims (3)

  1. 入力軸と出力軸の間に配置した前進8段を達成可能な多段変速遊星歯車列の第1反力部材を静止部に固定可能か、または出力部材と出力軸とを連結可能であって、前進第1速乃至第5速および後進において締結される第1の摩擦要素と、
    該第1の摩擦要素と並列に配置した第2の摩擦要素とを有して、
    少なくとも前進第1速、第2速および後進において前記第1の摩擦要素と前記第2の摩擦要素の両者を締結するようにしたことを特徴とする多段変速遊星歯車列の摩擦要素。
  2. 前記第1の摩擦要素を構成する第1ブレーキと、前記第2の摩擦要素を構成する第2ブレーキと、前進第1速、第2速および後進において第2反力部材を前記静止部に固定する第3ブレーキを有し、前記第1ブレーキと前記第3ブレーキの両者が締結された場合に、この連結に連動して前記第2ブレーキが締結されることを特徴とする請求項1に記載の多段変速遊星歯車列。
  3. 前記第2の摩擦要素が円錐摩擦を用いたものであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の多段変速遊星歯車列。
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