JP2009542974A - 航空機のタービン・エンジン - Google Patents

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Abstract

本発明による吸気口(２)の内壁とファン(３)のハウジングとは繊維とレジンとの複合体から作製された単一筒状片(30)を形成する。
【選択図】 図３

Description

本発明は航空機のタービン・エンジン、特にこのようなタービン・エンジンの吸気口とファン・ケーシングとに関する。
既知のタービン・エンジンでは、吸気口の内壁とファン・ケーシングは金属製であり、上記吸気口の内壁の後端と上記のファン・ケーシングの前端とは協働作用をする周方向突出フランジを有し、固定具(螺子、ボルト等)を用いて結合でき、上記固定具は上記のフランジを通過する。
レジンと繊維との複合体の機械的、熱的および質量特性があれば、上記吸気口の内壁とファン・ケーシングとはそのような複合体で作製された構成要素の形態で全体を作製することは望ましい。然し、この目的でなされたテストにより、上記の繊維は使用中、上記の周方向フランジと、上記の内壁と上記のファン・ケーシングとの残りの筒状部分が合致する９０度のエルボで薄層に剥離し、この剥離により上記の構成要素の機械的強度がかなり落ち、この構成要素を破壊さえするので望ましくないことが証明された。
本発明の目的はこの短所を解消することである。
このため、本発明によれば、航空機のタービン・エンジンは長手方向の軸を有し、
− 筒状内壁を備えた吸気口と、
− 上記の吸気口により空気が供給され、同様に筒状であるケーシングに包まれているファンとからなり、
上記吸気口の内壁と上記ファン・ケーシングとがレジンと繊維との複合体で作製された単一の筒状構成要素を形成することを特徴とする。
よって、本発明によれば、上記の吸気口の内壁の後端と上記ファン・ケーシングの前端にそれぞれ位置するフランジをなくすことができ、従って、これらフランジの存在に伴う上記の短所は完全に無くなる。加えて、質量および費用の面で特に魅力的な吸気口の内壁とファン・ケーシングとが一体となったアセンブリが得られる。
複合体で作成される上記の単一の筒状構成要素は炭素繊維、ホウ素繊維、グラス・ファイバー、炭化珪素繊維等を用いて作製されているが、炭素繊維が好ましい。この構成要素はどの既知の方法 (フィラメントの巻回、コイル状の巻回、ひだ状繊維あるいはプリプレグ(prepregs)織物等)により得られる。
上記の複合体製筒状構成要素は、その後端で、フランジおよびボルトにより上記のタービン・エンジンのファン・ダクトの外側カウルに連結されている。
そのような場合、上記の薄層剥離の欠点を回避するため、上記の複合体製筒状構成要素の後端が一様で、上記のフランジが上記の後端に取り付けられて、固定されるのが望ましい。
添付図面の図により本発明がどのように実施されるかがより簡単に理解される。これらの図中同一符号は同一要素を示す。
その前部分が図１に部分的に略示されている既知のタイプのタービン・エンジン１は長手方向軸Ｌ−Ｌを有する。上記の前部分は本質的に筒状吸気口２とファン３とからなる。
上記の筒状吸気口２は前縁４を有し、例えば、アルミニウムである、金属製筒状内壁５を備え、この内壁５は内側で防音筒状カバー６を支持する。外側カウル７が上記の吸気口を囲み、上記の内壁５と共に、上記の前縁４の反対端で環状後方隔壁８により閉鎖されている、断面環状の室８を形成する。
ファン３はブレード10を有し、例えば、アルミニウムである、金属製筒状構成要素12からなるファン・ケーシング11により囲まれており、上記の筒状構成要素12は内側で防音筒状カバー13を支持する。
吸気口２の後端２Ｒとファン・ケーシング11の前端11Ａとは結合面Ｊ１に沿って結合されている。
図２に拡大表示されているように、後端２Ｒと前端11Ａとは、内壁５と筒状構成要素から外側に突出する２つの協働する環状フランジ14と15とを用いて組み合わされていて、ボルト16により押圧され、このボルト16は上記のフランジ14と15とに開けられた、対向する穿孔17と18とを貫通する。図２の既知の例では、環状フランジ14は内壁15に取り付けられ、ボルト19と20とによりこれに結合されている。その反対に、この例では、フランジ15は筒状構成要素12との単一品として機械加工されている。
更に、各ボルト16とスリーブ21が組み合わされており、このスリーブ21にはボルト16が貫通していて、このボルト16により上記のフランジ15にスリーブ21が固定されている。上記のスリーブ21は軸方向に可塑的に圧縮されるように作製されている。よって、ファン３のブレード10が破壊し、ケーシング11を打撃すると、その衝撃エネルギーは、上記のスリーブ21により少なくとも部分的に吸収される。
ファン・ケーシング11はその後端11Ｒでファン・ダクト23の外側カウル22の前端22Ａに結合面Ｊ２に沿って組み合わせられている。このようなアッセンブリはフランジ14、15のシステムに類似するフランジ24、25のシステムを用いて得られ、筒状構成要素12によって支持されているフランジ24は、例えば、フランジ15と同一で、外側カウル22のフランジ25はどの適切な形状(図５参照)をも有することができる。勿論、ボルト(図示略)が上記のフランジ24と25とを結合するため設けられている。
外側ファン・カウル22は内側で防音筒状カバー26を支持する。
本発明によるエンジンの前部分を略示する図３は再度上記の要素２から４、７から10、22、22Ａ、23、25、26およびＪ２を示す。それに反し、吸気口２の内壁５とファン・ケーシング11は、レジンと繊維との複合体製単一筒状構成要素30と換わっており、この構成要素30は、カバー６、13と換わっている防音筒状カバー31を内側で支持する(同様に図４参照)。その結果、フランジ14、15と、ボルト16、19、20と、結合面Ｊ１はなくなっている。図４は、又、結号面Ｊ１が省略されない場合それを辿るであろう線を示す。
構成要素30の後端30Ｒには、ファン・ダクト23の外側カウル22のフランジ25と協働するようになされたフランジ32が設けられており、上記の構成要素30を上記のカウルに連結する。
図５に示されているように、フランジ32は上記の構成要素30の一様の後端30Ｒに取り付けられて、ボルト33、34によりこれに固定された環からなる。ボルト35がフランジ25と32とを結合し、よって上記の筒状構成要素30とファン・ダクト・カウル22とを結合する。
ブレード10がファン３から破壊して外れ、この壊れたブレードが構成要素30を打撃すると、この構成要素30はその形状と性質により衝撃エネルギーを吸収できる。
筒状カバー31はエンジンに対し配置させるのに適した色々の領域を有する。例えば、この筒状カバー31は
− 純粋に防音のため、吸気口２に、
− (上記のブレードの膨張を相殺するため) 防音と摩損可能のため、ファン３のブレード10に対面して、
− (上記のブレードから離れる、氷片のような物体からの衝撃に耐えるために)防音と機械的強度のため、ブレード10の後方に、
位置する。
本発明による吸気口はインピーダンスを破壊しないので、全体的な防音性能を向上させる。
既知のタービン・エンジンの前部分の特に、部分略半断面図である。 図１に示す既知のタービン・エンジンにおける、吸気口の後端とファン・ケーシングの前端とがどのように結合されているかの一例を示す同様の部分略半断面図である。 本発明による、タービン・エンジンの前部分の図１に類似の図である。 図３に示すタービン・エンジンの吸気口の内壁とファン・カウルを形成する複合体製単一筒状構成要素を示す図２に匹敵する拡大部分断面図である。 上記の複合体製単一筒状構成要素とファン・ダクトの外側カウルとの間の連結を示す拡大部分断面図である。
符号の説明
２…吸気口、３…ファン、22…外側カウル、23…ファン・ダクト、30…筒状構成要素、30Ｒ…複合体製筒状構成要素の後端、32…フランジ、35…ボルト。

Claims (4)

  1. 航空機のタービン・エンジンは
    − 筒状内壁を備えた吸気口(２)と、
    − 上記の吸気口により空気が供給され、同様に筒状であるケーシングに包まれているファン(３)とからなり、
    上記吸気口の内壁と上記ファン・ケーシングとがレジンと繊維との複合体で作製された単一の筒状構成要素(30)を形成することを特徴とするタービン・エンジン。
  2. 上記の複合体が炭素繊維に基づくことを特徴とする請求項１に記載のタービン・エンジン。
  3. 上記の複合体製筒状構成要素(30)がその後端(30Ｒ)でフランジ(32)とボルト(35)とによりファン・ダクト(23)の外側カウル(22)に連結されていることを特徴とする請求項１あるいは２に記載のタービン・エンジン。
  4. 上記の筒状構成要素(30)の後端(30Ｒ)が一様であって、上記のフランジ(32)が上記の後端(30Ｒ)に取り付けられて、固定されていることを特徴とする請求項３に記載のタービン・エンジン。
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