JP2009536028A - 遺伝子発現制御用のエピジェネティック調節複合体 - Google Patents
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Abstract
Description
図2は、免疫沈降したマウスBlimp1複合体がアルギニンメチルトランスフェラーゼ活性を呈することを示す。(a)Myc標識マウスBlimp1又はその対照を、293T細胞において発現した。Myc抗体を用いるウエスタンブロッティングで、Myc免疫沈降物を分析した。(b)同じ免疫沈降物を用いて、精製ヒストンH3、H2Aおよび組換えH2A(rH2A)に対するHMTaseアッセイを行った。各々について、蛍光像(F)およびポンソー染色膜(P)を示す。(c)放射標識rH2Aのマイクロシークエンシングを示す。x軸はrH2Aのアミノ酸1〜14、y軸は1分あたりの各アミノ酸残基の[3H]取り込み(cpm)を表す。(d)H4およびH2AのN最末端の配列保存の配列比較を示す。
図3は、生殖細胞におけるBlimp1およびPrmt5の重複発現がH2A/H4R3meの特有パターンとなることを示す。(a、b、c)発達の様々な段階でのPGCにおいてBlimp1、Prmt5およびPrmt1の発現パターンが、Blimp1(a)、Prmt5(b)およびPrmt1(c)特異的抗体を用いた免疫染色によって検出された。生殖細胞は、図示するように、stella/PGC7、Oct4又はTG1/SSEA1に対する抗体を用いて検出した。DAPIで染色したDNAとの合成像を示す。(d、e)Myc標識マウスBlimp1又はその対照を293T細胞において発現し、図示するように、Prmt5、Myc又はPrmt1抗体を用いるウエスタンブロッティングで、Myc、Prmt5又はPrmt1免疫沈降物を分析した。星印は非特異的シグナルを示す。(f)生殖細胞におけるH2A/H4R3メチル化を、発達の様々な段階でのPGCにおいて、H4R3me2s抗体を用いる免疫染色によって評価した。生殖細胞を、段階特異的なマーカー、すなわちOct4又はTG1/SSEA1に対する抗体で共染色した。DAPIで染色したDNAとの合成像を示す。スケールバーは10μmである(各画像のスケールは同一)。
図4は、Dhx38のゲノム遺伝子座内のBlimp1/Prmt5結合因子のインヴィヴォ同定を示す。(a)Dhx38転写開始(TS)および開始コドン(ATG)、ChIPアッセイの増幅配列近傍の推定Blimp1結合部位の位置を示す(A、B、C、D)。(b)ChIPアッセイによる、内在性Prmt5とDhx38遺伝子座のゲノムDNAとの相互作用を示す。E10.5胚から単離した生殖***細胞からの細胞抽出物としての上澄み液(s)又は核画分(n)をPrmt5又はIgG抗体のいずれかで免疫沈降した。尾部ゲノムDNA(+)および水(−)を対照として用いた。
図5は、核から細胞質へBlimp1およびPrmt5が移行する際に、生殖細胞においてDhx38が発現上昇し、その結果H2A/H4R3me2s修飾のレベルが低下したことを示す。(a)Dhx38、(b)Blimp1およびPrmt5ならびに(c)H2A/H4R3me2sの免疫染色を、図示する発達段階における生殖***の凍結切片について行った。生殖細胞を、特異的抗体stella/Pgc7、Oct4又はTG1/SSEA1を用いて検出した。DAPIで染色したDNAとの合成像を示す。スケールバーは10μmである(各画像のスケールは同一)。
図6は、多能性EGおよび胚性癌腫(EC)細胞におけるBlimp1、Prmt5およびDhx38の分析を示す。(a)Blimp1、Prmt5およびDhx38の免疫染色を、EG細胞について行った。DAPIで染色したDNAとの合成像を示す。なお、Dhx38およびBlimp1の発現に逆相関関係がある。(b)Blimp1およびOct4についてのES、EG又はEC(P19)抽出物のウエスタンブロット分析を示す。(c)Myc標識マウスBlimp1をP19多能性EC細胞において発現した。Prmt5免疫沈降物を、図示するようにPrmt5、Blimp1又はDhx38抗体を用いるウエスタンブロッティングによって分析した。入力レーンの充填量が同等であることを示すチューブリンレベルが、抗チューブリン抗体を用いて検出された。なお、Blimp1がEC(P19)細胞に導入された場合、Dhx38は抑制される。(d)Myc−Blimp1トランスフェクトEC(P19)細胞におけるDhx38遺伝子座上のH4R3me2s量の増加を、ChIPにより検定した。P19細胞由来の細胞抽出物をMyc又はH4R3me2s抗体のいずれかで免疫沈降した。A、B、C、Dは、図4で説明した、Blimp1結合部位を含むDhx38遺伝子座における領域を意味する。
図7は、(a)図1に示したE7.5でのPCR発現スクリーニングで得た候補SET/PRドメイン遺伝子の免疫蛍光分析を示す。図示するように特定のヒストンメチルトランスフェラーゼに特異的な抗体を用いて、E8.5胚からの単離細胞の免疫染色を行った。生殖細胞特異的抗体Oct4又はStella/PGC7を用いて生殖細胞を検出した。(b)E8.5でのPGCにおいて対応する抗体を用いたBlimp1およびPrmt5の免疫共染色を示す。組織非特異的アルカリホスファターゼ(AP)によって生殖細胞を標識した。DAPIで染色したDNAとの合成像を示す。スケールバーは10μmである(各画像のスケールは同一)。
図8は、H4R3me2s抗体の特徴検討を示す。アルギニンは、1個のメチル基で修飾することができ(a)、あるいは対称的に配置した2個のメチル基(b)、非対称的に配置した2個のメチル基(c)で修飾することもできる。H4R3me2sに対する抗体(Abcam(登録商標))は、R3対称性脱メチル化したH4合成ペプチドを用いて作成されており、その特異性を調べるためにウエスタンブロット分析を行った。(d)免疫沈降したMyc−Blimp1と共に、あるいは無しで、ウシ胸腺ヒストン(H4、H3、H2A、H2B)を保温した。(e)非修飾、R3me2sおよびR3me2aのH4ペプチドについて競合アッセイを行ったところ、抗体は対称性ジメチル化ペプチドを顕著に認識した。
Blimp1は、5個のDNA結合ジンクフィンガーモチーフを有する100kDaのタンパクである(GENBANK受入番号:NM_007548)。Blimp1のヒト相同体は、PRDI−BF1又はPRDM1のいずれかで表される(GENBANK受入番号:NM_000198)。Blimp1のcDNAは元来、B細胞リンパ腫細胞株(BCL1)をサブアトラクティブスクリーニングにかけ、サイトカインIL−2およびIL−5で処理して単離されていた。Blimp1を異所性発現すると、BCL1細胞の最終分化が十分に引き起こされる。Blimp1は最終B細胞発達の「主要制御因子」であると考えられている(Yu J.他 (2000) MoI. Cell. Biol. 20(7): 2592-2603)。
ヒストンメチルトランスフェラーゼ(HMTase)は、2種類あることが知られており、リシン特異的メチラーゼ活性を有するタンパク質に主に見られるSET(Suvar3−9、zesteのエンハンサーおよびTrithorax)ドメイン、あるいはPRMTに見られるアルギニン特異的メチラーゼ触媒ドメインのいずれかを有する。PRMTにはI型とII型がある。I型のPRMTは、アルギニン残基のモノメチル化と非対称脱メチル化を触媒し、一方II型のPRMTは、モノメチル化と対称性ジメチル化アルギニンの形成を触媒する。公知の6種のPRMTのうち、PRMT5(GENBANK受入番号:NM_006109(ヒト);NM_013768(マウス))のみが、ヒストンを標的とするII型PRMTとして挙動する。具体的には、PRMT5は、H3およびH4N末端尾部の特定のアルギニン残基を標的とすることが示されている。
これまでのところBlimp1自体による特定のヒストンメチルトランスフェラーゼ活性が存在しないため、本発明者らは、Blimp1SET/PRドメインが有しうる活性の同定に着手した。本発明者らは、Blimp1がPRMT5と新規な複合体を形成可能であることを実証した。この複合体はマウス生殖細胞系列においてPGCが生殖***に入るまでにインヴィヴォに存在しており、Blimp1が初期の哺乳類生殖細胞系列において継続して役割を果たしていることを示唆している。さらなる分析の結果(後に詳述する)、新規なBlimp1/Prmt5複合体は、ヒストンH2AおよびH4をメチル化することによって独特のエピジェネティックなサインを与えることが示された。これは、ヒストンH2A尾部のメチル化がエピジェネティック調節機構であることを示した最初の例であると思われる。さらに、実験の結果(後に詳述する)、Prmt5は多能性EGおよびES細胞に存在するが、Blimp1は存在しないことが示された。
5’CTCATTTGCTGACAATGAA 3’[配列番号1]
5’GGACCTGAGAGATGATATA 3’[配列番号2]
5’GTTTCAAGAGGGAGTTCAT 3’[配列番号3]
胚の単離。発達の様々な段階で、非近交系のMF1マウスの胚から始原生殖細胞を単離した。膣栓形成の日をE0.5とした。出版されている文献(Saitou, M., Barton, S. C.およびSurani, M. A. (2002) Nature 418, 293-300)に従って単一細胞cDNAライブラリーを作成した。
マウスPGCの特異化の直後、メチルトランスフェラーゼ(HMTase)およびアセチルトランスフェラーゼ(HAT)それぞれによるヒストン尾部のメチル化およびアセチル化などの顕著なエピジェネティック修飾が起きる。PGCにおけるこれらのエピジェネティックな変化の調節で役割を担うと思われる候補遺伝子の1つとして、保存SET/PRドメインタンパク質ファミリーに属するHMTaseが挙げられる。遺伝子を含む25個の候補SET/PRドメインを、E7.5でのPGCとその周辺の体細胞の発現について分析したところ、Blimp1、G9a、Set1、Ezh2およびPfm1は、PGCを含む胚性領域において発現することが判明した(図1bおよび図7)。しかし、Blimp1発現のみがE7.5のPGCに限定されており、その発現はその後、生殖細胞において持続した。
SET/PRドメインが、リシン残基のみにおいてヒストンメチルトランスフェラーゼ活性に関連しているので、上記で検出されたアルギニンメチル化活性はBlimp1によるものではなく、免疫沈降物に存在する他のHMTaseに関係があるとするのが妥当である。2個のタンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼである、Prmt1およびPrmt5は、ヒストンH4R3メチル化を媒介することがこれまでに報告されている。Prmt1は、多様な種類の基質上でNGモノメチルアルギニン(Rme1)および非対称性NG,N’Gジメチルアルギニン(Rme2a)を導くクラスIアルギニンメチルトランスフェラーゼである。上記したように、Prmt5は、アルギニンのモノメチル化(Rme1)および対称性NG,N’Gジメチル化(Rme2s)を導くクラスIIアルギニンメチルトランスフェラーゼに属している(図8)20。これらのタンパク質がインヴィヴォでBlimp1に関連しているかを調べるために、新生PGCおよびその周辺の体細胞中でのそれらの発現を、上記したように単一細胞cDNAライブラリーを用いて分析した。Prmt1はE7.5のPGCには見られず、一方Prmt5はPGCおよび体細胞の両方に存在することが判明した(データ示さず)。しかしタンパク質レベルについては、Prmt5は核染色を示し、E8.5以降の体細胞と比較して、PGCにおいて高レベルで存在している(図3a、b;図S1bおよび下記参照)。一方Prmt1は、これらの段階において、主に生殖細胞の細胞質において検出された(図3c)。
H4R3me2sに対して作成した抗体の特異性を調べたところ、ウシ胸腺由来のヒストンH2AとH4との両方を効果的に認識することが示された(図8b)、図面左側。H2AおよびH4は、H3およびH2B調製物中の混入物としても存在する)。競合アッセイにおいて、この抗体はR3me2sを含むH4(1−9C)ペプチドによって効率的に滴定された(図S2c)。その上この抗体は、H4とH2Aとの両方のBlimp1/Prmt5HMTaseアッセイの産物を認識し(図S2b、図面右側)、従って複合体に寄与するのは、Prmt5の対称性ジメチル化活性であってPrmt1の非対称性ジメチル化活性ではない、ということの更なる証拠となっている。
これまでに示したように、Blimp1は、相互作用因子を特定部位に補充することで、細胞分化中に遺伝子制御を引き起こすことができる。推定Blimp1標的を同定するために、クロマチン免疫沈降クローニング法を用い、まずMyc標識化したBlimp1を293T細胞で過発現した。これら293T細胞からの核抽出物をMyc抗体で免疫沈降し、免疫沈降したDNAを抽出し、精製し、連結リンカーにより平滑末端化し、PCR増幅してクローニングした。多数のクローンを選択して配列決定で分析し、次いでBLAST分析によりクローン挿入片をマッピングした。32個のクローンのうち11個が、公知遺伝子の制御配列と思しき配列の近辺およびその内部に位置する領域に対応していた(表1参照)。
同定された推定Blimp1標的のうち、さらなる研究用にDhx38を選択した。Dhx38は、DEAHボックス含有RNAヘリカーゼをコードする保存遺伝子(Prp16としても知られる)で、線虫においては、***から卵母細胞への切換え間に性決定遺伝子の翻訳後調節に必須なものである(Graham, P. L.およびKimble, J. (1993). Genetics 133, 919-31)。
Blimp1/Prmt5複合体の役割についてさらに洞察を得るために、多能性胚性生殖(EG)細胞を調べた。EG細胞は、インヴィトロでの単離PGCに由来するものであってもよく、従ってPGCに同等な、最も密接する細胞株であると考えられる。EG細胞はPrmt5について陽性であるが、PGCとは異なり、Blimp1を有していないことが判明した(図6a、b)。この観察結果と一致して、EG細胞はDhx38についても陽性であることが判明しており、この遺伝子の発現は、Blimp1が存在しないことによるものであることを示唆している(図6a、b)。Blimp1/Prmt5抑制複合体を再生するために、Myc標識Blimp1をEG細胞において過発現させた。しかしその結果、細胞トランスフェクションの僅か12時間後には強い細胞毒性が現れ、pCMV−Mycトランスフェクト対照EG細胞の細胞生存能力は阻害された(データ示さず)。同様の結果が、多能性胚性幹(ES)細胞についても得られた(データ示さず)。
Claims (51)
- 部位特異的DNA結合活性を有する第1ドメイン、及びアルギニンメチルトランスフェラーゼ活性を有する第2ドメインとを少なくとも含む単離ポリペプチド複合体であって、前記第2ドメインは、ヒストンH2Aの尾部領域に位置するアルギニン残基をメチル化可能である、ポリペプチド複合体。
- 前記第2ドメインは、アルギニン残基の対称的なNG,N’Gジメチル化を供するアルギニンメチルトランスフェラーゼ活性を有する請求項1に記載のポリペプチド複合体。
- 前記第2ドメインは、ヒストンH2Aの尾部領域の第3位に位置するアルギニン残基(H2AR3)をメチル化可能である請求項1又は2に記載のポリペプチド複合体。
- 前記第2ドメインは、ヒストンH4の尾部領域に位置するアルギニン残基をメチル化可能である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド複合体。
- 前記第2ドメインは、ヒストンH4の尾部領域の第3位に位置するアルギニン残基(H4R3)をメチル化可能である請求項4に記載のポリペプチド複合体。
- 前記アルギニンメチルトランスフェラーゼ活性は、Prmt5アルギニンメチルトランスフェラーゼドメイン、若しくはその誘導体又は相同体内で呈される請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド複合体。
- 前記第1ドメインは、哺乳類のゲノムDNAにおける遺伝子発現の制御に関連する1以上のコンセンサス配列への結合を特異的に対象とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチド複合体。
- 前記第1ドメインは、PRDI/Blimp1型コンセンサス結合部位に特異的に結合する請求項7に記載のポリペプチド複合体。
- 前記第1ドメインは、PRDI/Blimp1ポリペプチド、前記PRDI/Blimp1ポリペプチドのDNA結合部、又はその誘導体を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリペプチド複合体。
- 部位特異的DNA結合活性を有する第1ドメインとアルギニンメチルトランスフェラーゼ活性を有する第2ドメインとを少なくとも含む単離ポリペプチドであって、前記第1ドメインは、哺乳類のゲノムDNAにおける遺伝子発現の制御に関与する1以上のコンセンサス配列への結合を特異的に対象とし、前記第2ドメインは、アルギニン残基の対称的なNG,N’Gジメチル化を供するアルギニンメチルトランスフェラーゼ活性を有する単離ポリペプチド。
- 前記第1ドメインは、PRDI/Blimp1型コンセンサス結合部位に特異的に結合する請求項10に記載の単離ポリペプチド。
- 前記アルギニンメチルトランスフェラーゼ活性は、Prmt5アルギニンメチルトランスフェラーゼドメイン、若しくはその誘導体又は相同体内で呈される請求項10又は11に記載の単離ポリペプチド。
- 哺乳類細胞におけるポリペプチド複合体の発現を誘導するのに好適な核酸発現ベクター構築体であって、
前記ベクターは、プロモーター配列に操作可能に連結した1以上のコード配列を備え、
ここで、前記1以上のコード配列は、部位特異的DNA結合活性を有する第1のポリペプチドドメインとを少なくとも、そして、アルギニンメチルトランスフェラーゼ活性を有する第2のポリペプチドドメインを少なくともコードし、前記第1ドメインは、哺乳類のゲノムDNAにおける遺伝子発現の制御に必要な1以上のコンセンサス配列への結合を特異的に対象とし、前記第2ドメインは、ポリペプチド基質内に位置するアルギニン残基の対称性NG,N’Gジメチル化を呈するアルギニンメチルトランスフェラーゼ活性を有してなる発現ベクター。 - 前記ポリペプチド基質は、ヒストンである請求項13に記載の発現ベクター。
- 前記第2のポリペプチドドメインは、ヒストンH2Aの尾部領域の第3位に位置するアルギニン残基(H2AR3)をメチル化可能である請求項13又は14に記載の発現ベクター。
- 前記第2のポリペプチドドメインはさらに、ヒストンH4の尾部領域に位置するアルギニン残基をメチル化可能である請求項13〜15のいずれか一項に記載の発現ベクター。
- 前記第2ドメインは、ヒストンH4の尾部領域の第3位に位置するアルギニン残基(H4R3)をメチル化可能である請求項16に記載の発現ベクター。
- 前記アルギニンメチルトランスフェラーゼ活性は、Prmt5アルギニンメチルトランスフェラーゼドメイン、若しくはその誘導体又は相同体内で備える請求項13〜17のいずれか一項に記載の発現ベクター。
- 前記第1ドメインは、遺伝子発現の制御に関連する哺乳類のゲノムDNAにおける1以上のコンセンサス配列への結合を特異的に対象とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の発現ベクター。
- 前記第1ドメインは、PRDI/Blimp1型コンセンサス結合部位に特異的に結合する請求項19に記載の発現ベクター。
- 前記第1ドメインは、PRDI/Blimp1ポリペプチド、前記PRDI/Blimp1ポリペプチドのDNA結合部、又はその誘導体を含む請求項20に記載の発現ベクター。
- 前記プロモーターは、誘導性プロモーターである請求項13〜21のいずれか一項に記載の発現ベクター。
- 前記プロモーターは、構成的活性化プロモーターである請求項13〜21のいずれか一項に記載の発現ベクター。
- 第1のコード配列が前記第1のポリペプチドドメインをコードし、第2のコード配列が前記第2のポリペプチドドメインをコードする発現カセットを含む請求項13〜23のいずれか一項に記載の発現ベクター。
- 前記第1のコード配列は、PRDI/Blimp1ポリペプチドをコードし、前記第2のコード配列は、Prmt5ポリペプチドをコードする請求項24に記載の発現ベクター。
- 前記第1および第2のコード配列は、1個以上の介在配列によって隔てられている請求項13〜24のいずれか一項に記載の発現ベクター。
- 前記1以上の介在配列は、少なくとも1の内部リボソーム進入配列(IRES)を含む請求項26に記載の発現ベクター。
- 選択マーカー、抗生物質耐性マーカーおよびレポーターから選択されるポリペプチドをコードする核酸配列を1以上含む請求項13〜27のいずれか一項に記載の発現ベクター。
- 部位特異的DNA結合活性を有する第1ドメインと、ヒストンH2Aの尾部領域に位置するアルギニン残基をメチル化可能であるアルギニンメチルトランスフェラーゼ活性を有する第2ドメインとを、少なくとも含むポリペプチド複合体の形成を哺乳類細胞内で誘導する工程を含む、哺乳類細胞における遺伝子発現を制御する方法。
- 前記細胞内における前記ポリペプチド複合体の形成は、前記細胞内におけるPRDI/Blimp1ポリペプチド、もしくはその相同体又は誘導体の発現の誘導によって誘導される請求項29に記載の方法。
- 前記細胞内における前記PRDI/Blimp1ポリペプチドの発現は、Blimp1ポリペプチド、もしくはその誘導体又は相同体をコードする発現ベクターを用いて前記細胞をトランスフェクトすることによって誘導される請求項30に記載の方法。
- 前記細胞内における前記PRDI/Blimp1ポリペプチドの発現は、請求項13〜28のいずれか一項に記載の発現ベクターを用いて前記細胞をトランスフェクトすることによって誘導される請求項30に記載の方法。
- 前記哺乳類細胞は、ヒト細胞である請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法。
- 前記哺乳類細胞は、腫瘍性細胞又は癌性細胞である請求項29〜33のいずれか一項に記載の方法。
- インヴィトロで行う請求項29〜34のいずれか一項に記載の方法。
- インヴィヴォで行う請求項29〜34のいずれか一項に記載の方法。
- 前記遺伝子発現制御の結果、c−Myc、Dhx38、Pcdh7、Q8C9T7、Xylt1、DnaH1、Baip2、Nek7、Dusp2、ENSMUSG00000027041、Sirt4およびBlimp1からなる群より選択される1以上の遺伝子の発現が制御される請求項29〜36のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細胞における前記ポリペプチド複合体の誘導は、請求項37に記載の遺伝子1以上の発現を低減させる請求項37に記載の方法。
- 幹細胞内でのBlimp1/Prmt5複合体の形成を阻害する工程を含む、幹細胞における自己再生を促進し分化を阻害する方法。
- 前記幹細胞は、哺乳類幹細胞である請求項39に記載の方法。
- 前記幹細胞は、ヒト幹細胞である請求項39又は40に記載の方法。
- 前記幹細胞は、成体幹細胞、幹細胞前駆体および多能性幹細胞からなる群より選択される請求項39〜41のいずれか一項に記載の方法。
- 前記幹細胞内におけるBlimp1/Prmt5複合体の形成の阻害は、前記細胞を、Blimp1阻害化合物、Prmt5阻害化合物および/又はBlimp1/Prmt5複合体阻害化合物に曝露することによって行われる請求項39〜42のいずれか一項に記載の方法。
- 前記阻害化合物は、小分子阻害剤、Blimp1又はPrmt5 mRNAに結合するsiRNA分子、Blimp1又はPrmt5mRNAに結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド、およびBlimp1又はPrmt5ポリペプチドのドミナントネガティブ体からなる群より選択される請求項43に記載の方法。
- 細胞内におけるBlimp1ポリペプチドの発現を誘導し、これにより前記細胞内におけるBlimp1/Prmt5複合体の形成を誘導する工程を含む、細胞内におけるPrmt5の局在化を制御する方法。
- 前記細胞は、哺乳類幹細胞である請求項45に記載の方法。
- 癌処置に用いる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の単離ポリペプチド複合体。
- 癌処置用の薬物の作成における請求項1〜12のいずれか一項に記載の単離ポリペプチド複合体の使用。
- 請求項13〜28のいずれか一項に記載の発現ベクターを含む細胞。
- 哺乳類細胞である請求項49に記載の細胞。
- ヒト細胞である請求項50に記載の細胞。
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