JP2009523705A - 3−アミノ−1−アリールプロピルインドールの合成方法 - Google Patents
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Abstract
式hのインドールプロピオンアミド化合物をビトライドで水素化して式I(式中、m、Ar、R1およびR2は明細書中で定義されたとおりである)のアミノプロピルインドール化合物を形成することを含む方法。本発明の方法で製造される化合物は、CNS症状の処置に有用なモノアミン再取り込み阻害剤として有用である。
Description
本発明は、モノアミン再取り込み阻害剤として使用できる3−アミノ−1−アリールプロピル置換ヘテロアリール化合物およびその中間体の製造方法を提供するものであり、該方法は、式h:
(式中、
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立に、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)rRa;または−C(=O)NRbRc(式中、rは、0〜2の整数であり、Ra、RbおよびRcの各々は、独立に、水素またはアルキルである)であり;そして
R2は、アルキルである)
のインドールプロピオンアミドをビトライド(vitride)で水素化して、式i:
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立に、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)rRa;または−C(=O)NRbRc(式中、rは、0〜2の整数であり、Ra、RbおよびRcの各々は、独立に、水素またはアルキルである)であり;そして
R2は、アルキルである)
のインドールプロピオンアミドをビトライド(vitride)で水素化して、式i:
(式中、m、Ar、R1およびR2は本明細書中で定義されたとおりである)
のアミノプロピルインドール化合物を形成することを含む。
のアミノプロピルインドール化合物を形成することを含む。
モノアミン欠乏は、長い間、うつ、不安および他の障害に関連しているとされている(例えば、Charneyら、J. Clin. Psychiatry (1998) 59, 1-14; Delgadoら、J. Clin. Psychiatry (2000) 67, 7-11; Resserら、Depress. Anxiety (2000) 12 (Suppl 1) 2-19;およびHirschfeldら、J. Clin. Psychiatry (2000) 61, 4-6 参照)。特に、セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)およびノルエピネフリンは、気分調節に重要な役割を果たす、鍵となる調節性神経伝達物質として認識されている。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、例えば、フルオキセチン(fluoxetine)、セルトラリン(sertraline)、パロキセチン(paroxetine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、シタロプラム(citalopram)、およびエスシタロプラム(escitalopram)は、うつ障害の処置を提供している(Masandら、Harv. Rev. Psychiatry (1999) 7, 69-84)。ノルアドレナリンまたはノルエピネフリン再取り込み阻害剤、例えば、レボキセチン(reboxetine)、アトモキセチン(atomoxetine)、デシプラミン(desipramine)、およびノルトリプチリン(nortryptyline)は、うつ、注意欠陥多動性障害に対する有効な処置を提供している(Scatesら、Ann. Pharmacother. (2000) 34, 1302-1312; Tatsumiら、Eur. J. Pharmacol. (1997) 340, 249-258)。
セロトニンおよびノルエピネフリン神経伝達の増強は、セロトニンまたはノルエピネフリン神経伝達のみの増強と比較して、うつおよび不安障害の薬物療法において、相乗的であることが認められる(Thaseら、Br. J. Psychiatry (2001) 178, 234, 241; Tranら、J. Clin. Psychopharmacology (2003) 23, 78-86)。セロトニンおよびノルエピネフリンの双方の二重再取り込み阻害剤、例えば、ジュロキセチン(duloxetine)、ミルナシプラン(milnacipran)およびベンラファキン(venlafaxine)は、現在、うつおよび不安障害の処置用に開発中である(Mallinckrodtら、J. Clin. Psychiatry (2003) 5(1) 19-28; Bymasterら、Expert Opin. Investig. Drugs (2003) 12(4) 531-543)。セロトニンおよびノルエピネフリンの二重再取り込み阻害剤は、また、統合失調症および他の精神疾患、運動障害、薬物中毒、認知障害、アルツハイマー病、強迫−強制挙動、注意欠陥障害、パニック発作、対人恐怖症;肥満、食欲不振、大食および「過食」等の摂食障害;ストレス、高血糖症、高脂血症、非インスリン依存性糖尿病、てんかん等の発作性疾患に対する可能性のある処置法、ならびに卒中、脳外傷、脳虚血、頭部損傷および出血に由来する神経損傷に関連する状態の処置法を提供する。セロトニンおよびノルエピネフリンの二重再取り込み阻害剤は、また、尿管の障害および疾患状態ならびに疼痛および炎症に対する可能性のある処置法を提供する。
よって、セロトニン再取り込み阻害剤、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、および/またはセロトニンとノルエピネフリンの二重再取り込み阻害剤として有効な化合物、ならびに、うつ、不安、泌尿生殖器、および他の障害の処置において、そのような化合物を製造および使用する方法の必要性がある。そのような化合物を製造する方法への対応する必要性がある。
他に記載がない限り、明細書および特許請求の範囲を包む本願で使用される下記の用語は、下記の定義を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、単数形の「ある(a)」、「一つの(an)」および「この(the)」は、文脈が明確に他のことを述べていない限り、複数形を包含するものとする。
「アゴニスト」は、別の化合物または受容体部位の活性を増強する化合物をいう。
「アルキル」は、炭素原子および水素原子のみからなり、1〜12個の炭素原子を有する、1価の直鎖状または分岐状の飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基、すなわち、C1〜C6アルキルをいう。アルキル基の例は、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシル等を包含する。「分岐状アルキル」は、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチルを意味する。
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の、直鎖状の2価の飽和炭化水素基または3〜6個の炭素原子の、分岐状の2価の飽和炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン等を意味する。
「アルコキシ」は、式−ORの部分を意味し、ここで、Rは、本明細書中で定義されたアルキル基である。アルコキシ基の例は、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ等を包む。
「アルコキシアルキル」は、式−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は、本明細書中で定義されたアルキレンであり、R”は、本明細書中で定義されたアルコキシである。例示的アルコキシアルキル基は、例として、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルおよび1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルを含む。
「アルキルカルボニル」は、式−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は、オキソであり、R”は、本明細書中で定義されたアルキルである。
「アルキルスルホニル」は、式−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は、−SO2−であり、R”は、本明細書中で定義されたアルキルである。
「アルキルスルホニルアルキル」は、式Ra−SO2−Rb−の部分を意味し、ここで、Raは、本明細書中で定義されたアルキルであり、Rbは、本明細書中で定義されたアルキレンである。例示的アルキルスルホニルアルキル基は、例として、3−メタンスルホニルプロピル、2−メタンスルホニルエチル、2−メタンスルホニルプロピル等を含む。
「アルキルスルホニルオキシ」は、式Ra−SO2−O−の部分を意味し、ここで、Raは、本明細書中で定義されたアルキルである。
「アンタゴニスト」は、別の化合物または受容体部位の作用を減少させるか、または阻害する化合物をいう。
「アリール」は、単環式、二環式または三環式芳香環よりなる、1価の環状芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、場合により、本明細書中で定義したように置換されていてもよい。アリール基の例は、限定されるものではないが、場合により置換されている、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル(benzopiperadinyl)、ベンゾピペラジニル(benzopiperazinyl)、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等を含み、これらの部分水素化誘導体を包含する。
「アリールオキシ」は、式−ORの部分を意味し、ここで、Rは、本明細書中で定義されたアリール部分である。
互換的に使用されうる、「アリールアルキル」および「アラルキル」は、基−RaRbを意味し、ここで、Raは、本明細書中で定義されたアルキレン基であり、Rbは、本明細書中で定義されたアリール基であり;例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチル等のフェニルアルキルがアリールアルキルの例である。
「アラルコキシ」は、式−ORの部分を意味し、ここで、Rは、本明細書中で定義されたアラルキル部分である。
「シアノアルキル」は、式−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は、本明細書中で定義されたアルキレンであり、R”は、シアノまたはニトリルである。
「シクロアルキル」は、単環または二環からなる、1価の飽和炭素環部分を意味する。シクロアルキルは、場合により、1以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、他に特記されない限り、各々の置換基は、独立に、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。シクロアルキル部分の例は、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等を含み、これらの部分不飽和誘導体を包含する。
互換的に使用されうる、「シクロアルキルオキシ」および「シクロアルコキシ」は、式−ORの基を意味し、ここで、Rは、本明細書中で定義されたシクロアルキルである。シクロアルキルオキシの例は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等を含む。
「シクロアルキルアルキル」は、式−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は、本明細書中で定義されたアルキレンであり、R”は、本明細書中で定義されたシクロアルキルである。
互換的に使用されうる、「シクロアルキルアルキルオキシ」および「シクロアルキルアルコキシ」は、式−ORの基を意味し、ここで、Rは、本明細書中で定義されたシクロアルキルアルキル基である。シクロアルキルオキシの例は、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシ等を含む。
「ヘテロアルキル」は、分岐状のC4〜C7−アルキルを包含する、本明細書中で定義されたアルキル基であり、ここで、1、2または3個の水素原子が、独立に、−ORa、−NRbRcおよび−S(O)nRd(ここでnは、0〜2の整数である)からなる群から選択される置換基で置き換えられ、ヘテロアルキル基の結合点は、炭素原子を通してであると理解され、ここで、Raは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり;RbおよびRcは、互いに独立に、水素、アシル、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり;nが0である場合、Rdは水素、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、nが1または2である場合、Rdはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノである。代表的な例は、限定されるものではないが、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピル等を包含する。
「ヘテロアリール」は、N、OまたはSから選択される1、2または3個の環ヘテロ原子を含む、少なくとも1個の芳香環を有し、残りの環原子が炭素である、5〜12個の環原子の、単環式または二環式基を意味し、ヘテロアリール基の結合点は、芳香環上であると理解される。ヘテロアリール環は、場合により、本明細書中で定義したように置換されていてもよい。ヘテロアリール部分の例は、限定されるものではないが、場合により置換されている、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニル等を含み、これらの部分水素化誘導体を包含する。
互換的に使用されうる、「ヘテロアリールアルキル」および「ヘテロアラルキル」は、基−RaRbを意味し、ここで、Raは、本明細書中で定義されたアルキレン基であり、Rbは、本明細書中で定義されたヘテロアリール基である。
互換的に使用される、「ハロ」または「ハロゲン」は、置換基、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードをいう。
「ハロアルキル」は、1以上の水素が同一または異なるハロゲンで置き換えられた、本明細書中で定義されたアルキルを意味する。ハロアルキルの例は、−CH2Cl、−CH2CF3、−CH2CCl3、ペルフルオロアルキル(例えば、−CF3)等を包含する。
「ハロアルコキシ」は、式−ORの部分を意味し、ここで、Rは、本明細書中で定義されたハロアルキル基である。ハロアルコキシ部分の例は、限定されるものではないが、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ等を包含する。
「ヒドロキシアルキル」は、ヘテロアルキルの下位集合をいい、特に、1個以上の、好ましくは、1個、2個または3個のヒドロキシ基で置換されているが、同じ炭素原子が1個より多いヒドロキシ基を有しない、本明細書中で定義されたアルキル部分である。代表例は、限定されるものではないが、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチルおよび2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルを包含する。
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子がN、NHまたはN−アルキルであり、残りの環原子がアルキレン基を形成する、飽和の環を意味する。
「ヘテロシクリル」は、1〜3個の環からなり、1、2または3または4個のヘテロ原子(窒素、酸素または硫黄から選択される)を組込んだ1価の飽和基である。ヘテロシクリル環は、場合により、本明細書中で定義したように置換されていてもよい。ヘテロシクリル部分の例は、限定されるものではないが、場合により置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等を包含する。
「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」(インドール−1−イル、インドール−2−イルおよびインドール−3−イル等のインドリル、2,3−ジヒドロインドール−1−イル、2,3−ジヒドロインドール−2−イルおよび2,3−ジヒドロインドール−3−イル等の2,3−ジヒドロインドリル、インダゾール−1−イル、インダゾール−2−イルおよびインダゾール−3−イル等のインダゾリル、ベンズイミダゾール−1−イルおよびベンズイミダゾール−2−イル等のベンズイミダゾリル、ベンゾフラン−2−イルおよびベンゾフラン−3−イル等のベンゾフラニル、ベンゾチオフェン−2−イルおよびベンゾチオフェン−3−イル等のベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、チエニル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびキノリニルを含む)または「ヘテロシクリル」に関連して使用される、「場合により置換されている」は、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヘテロアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ベンジルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルキルスルホニルオキシ、場合により置換されているチエニル、場合により置換されているピラゾリル、場合により置換されているピリジニル、モルホリノカルボニル、−(CH2)q−S(O)rRf;−(CH2)q−NRgRh;−(CH2)q−C(=O)−NRgRh;−(CH2)q−C(=O)−C(=O)−NRgRh;−(CH2)q−SO2−NRgRh;−(CH2)q−N(Rf)−C(=O)−Ri;−(CH2)q−C(=O)−Ri;または−(CH2)q−N(Rf)−SO2−Rg;(ここで、qは0または1であり、rは0〜2であり、Rf、Rg、およびRhは、各々、独立に、水素またはアルキルであり、かつ各々のRiは、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシである)から選択される、1〜4個の置換基、好ましくは、1または2個の置換基で、独立して、場合により置換されている、アリール、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを意味する。
「脱離基」は、合成有機化学で、慣用的に、それに関連する意味を有する基、すなわち、置換反応条件下で置換され得る原子または基を意味する。脱離基の例は、限定されるものではないが、ハロゲン、アルカン−またはアリーレンスルホニルオキシ、例えばメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシおよびチエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシ等を包含する。
「モジュレーター」は、ターゲットと相互作用する分子を意味する。相互作用は、限定されるものではないが、本明細書中で定義された、アゴニスト、アンタゴニスト等を包含する。
「場合による」または「場合により」は、続いて記載される出来事または状況が、起こる必要はないが、その記載が、その出来事または状況が起こる場合の例と、起こらない場合の例とを包含することを意味する。
「極性非プロトン性溶媒」は、極性基を有するが、可動性プロトンを持たない分子よりなる溶媒を意味する。極性非プロトン性溶媒の例は、限定されるものではないが、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、テトラヒドロピラン、ピリジン、アセトン、2−プロパノン、2−ブタノン、エチレングリコールジメチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム等を包含する。
「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、それに関連して説明されている反応条件下で不活性である溶媒を意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンまたはジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジン等を包含する。特記のない限り、本発明の反応で使用する溶媒は、不活性溶媒である。
「疾患」および「疾患状態」は、すべての、疾患、状態、症状、障害、または徴候を意味する。
「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、それに関連して説明されている反応条件下で不活性である溶媒を意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンまたはジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジン等を包含する。特記のない限り、本発明の反応で使用する溶媒は、不活性溶媒である。
「薬学的に許容しうる」は、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にも、または他の意味でも好ましくないものではない、医薬組成物の製造に有用であるものを意味し、獣医学的、ならびに、ヒト医薬用途に好ましいものを含む。
ある化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、本明細書中で定義されたとおりに、薬学的に許容しうるとともに、親化合物の望ましい薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩は、 無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等とで形成される酸付加塩;または有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸等とで形成される酸付加塩;あるいは
親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置き換えられるか;または有機もしくは無機塩基と配位する場合に形成される塩を包含する。許容しうる有機塩基は、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミン等を包含する。許容しうる無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを包含する。
親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置き換えられるか;または有機もしくは無機塩基と配位する場合に形成される塩を包含する。許容しうる有機塩基は、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミン等を包含する。許容しうる無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを包含する。
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛およびマグネシウムから形成される塩である。
薬学的に許容しうる塩への言及は、すべて、同じ酸付加塩の、本明細書中で定義される、溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形態(多形)を含むものと理解されるべきである。
本明細書で互換的に使用される、「プロ−ドラッグ」およびは「プロドラッグ」は、そのようなプロドラッグを哺乳動物被験対象に投与したときに、生体内で式Iの活性な親ドラッグを放出するいずれかの化合物をいう。式Iの化合物のプロドラッグは、その修飾部が生体内で開裂し、親化合物を放出するように、式Iの化合物中に存在する1個以上の官能基を修飾することにより製造される。プロドラッグは、式Iの化合物中の、ヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基が、生体内で開裂して、遊離のヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基をそれぞれ再生することができるいずれかの基に結合している式Iの化合物を包含する。プロドラッグの例は、限定されるものではないが、式Iの化合物中のヒドロキシ官能基の、エステル(例えば、アセタート、ホルマート、およびベンゾアート誘導体)、カルバマート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)、アミノ官能基の、N−アシル誘導体(例えば、N−アセチル)、N−マンニッヒ塩基、シッフ塩基およびエナミノン、式Iの化合物中のケトンおよびアルデヒド官能基の、オキシム、アセタール、ケタールおよびエノールエステル等を包含する。Bundgaard H., "Design of Prodrugs", p1-92, Elsevier, New York-Oxford (1985)等を参照されたい。
「保護基」または「保護する基」は、合成化学で、慣用的に関連する意味で、化学反応が別の保護されていない反応性部位で選択的に起こり得るように、多官能性化合物における反応性部位の一つを選択的にブロックする基を意味する。本発明の特定の工程は、反応物中に存在する、反応性窒素および/または酸素原子をブロックする保護基に依存している。例えば、用語「アミノ保護基」および「窒素を保護する基」は、本明細書で互換的に使用され、合成工程の際に、好ましくない反応に対して窒素原子を保護するための有機基を指す。窒素を保護する基の例は、限定されるものではないが、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)等を包含する。当業者は、容易に除去でき、引き続く反応に耐えることができる基の選択方法をよく知っている。
本明細書で使用される「溶液」は、試薬または反応体は(溶質として)溶解形態で溶媒中に存在するか、あるいは粒子状、非溶解形態、または双方で存在する液体を包含することを意味する。そこで、「溶液」中に、溶質は、その中に完全には溶解せずともよく、固体溶質が、分散またはスラリー形態で存在してもよいと考えられる。したがって、特定の試薬または反応体の「溶液」は、そのような試薬または反応体の溶液と共に、スラリーおよび分散液を包含することを意味する。「溶液」および「スラリー」は、本明細書中で、互換的に使用しうる。
「溶媒和物」は、化学量論的または非化学量論的量の溶媒を含む溶媒付加形態を意味する。ある種の化合物は、結晶性固体状態において、特定モル比の溶媒分子をトラップし、それによって溶媒和物を形成する傾向を有する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1個以上の水分子と物質の一つとの組合せにより形成され、そこでは、水がH2Oとしてのその分子状態を維持しており、そのような組合せは一以上の水和物を形成することができる。
「被験対象」は、哺乳動物および非哺乳動物を意味する。哺乳動物は、限定されるものではないが、ヒト;非ヒト霊長目、例えば、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種;家畜動物、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタ;家庭動物、例えば、ウサギ、イヌおよびネコ;実験動物、例えば、ラット、マウスおよびモルモットのような齧歯類等を含む哺乳綱区分のすべてのメンバーを意味する。非哺乳動物の例は、限定されるものではないが、鳥類などを含む。用語「被験対象」は、特定の年齢または性別を指定しない。
セロトニンおよびノルエピネフリン神経伝達に関連する「疾患状態」は、うつおよび不安障害を含み、その外、統合失調症および他の精神疾患、運動障害、薬物中毒、認知障害、アルツハイマー病、ADHD等の注意欠陥障害、強迫−強制挙動、パニック発作、対人恐怖症、肥満、食欲不振、大食および「過食」等の摂食障害、ストレス、高血糖症、高脂血症、非インスリン依存性糖尿病、てんかん等の発作性疾患、ならびに脳卒中、脳外傷、脳虚血、頭部損傷および出血に由来する神経損傷に関連する状態の処置、ならびに尿管の障害および疾患状態を含む。
本明細書で使用される「うつ」は、限定されるものではないが、大鬱病、長期抑うつ、気分変調、悲しみ、絶望、落胆といった感情、「憂鬱」、哀愁、低い自己評価、罪および自責の感情によって特徴付けられる抑うつ気分の心理状態;人間同士の交流からの引きこもり、ならびに摂食および睡眠障害のような身体的症状を包含する。
本明細書で使用される「不安」は、限定されるものではないが、非現実的で、想像のまたは誇張された危険または損害の予知に対する精神生理学的応答に関連する、不快なまたは望ましくない感情状態、ならびに、心拍増加、呼吸数変化、発汗、震え、衰弱および疲労、差し迫った危険の感情、無力感、懸念および緊張等の身体的付随症状を包含する。
「尿管の症状」と互換的に使用される「尿管の障害」または「尿路疾患」は、尿管での病的変化を意味する。尿管障害の例は、限定されるものではないが、緊張性尿失禁、急迫性尿失禁、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、排尿開口部閉塞、頻尿、夜間多尿、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、突発性膀胱過敏症等を包含する。
「尿管の症状」と互換的に使用される「尿管に関連する疾患状態」または「尿管疾患状態」または「尿路疾患」は、尿管での病的変化、あるいは尿膀胱平滑筋の機能障害または尿蓄積もしくは尿***障害をもたらす、その神経支配の機能障害を意味する。尿管の症状は、限定されるものではないが、過活動膀胱(排尿筋過活動としても知られている)、排尿開口部閉塞、排尿開口部不全、および骨盤過敏症を包含する。
「過活動膀胱」または「排尿筋過活動」は、限定されるものではないが、切迫した、頻繁な、変化した膀胱容量、失禁、排尿閾値、不安定な膀胱収縮、括約筋痙性、排尿筋過反射(hyperreflexia)(神経性膀胱)、排尿筋不安定等として現れる臨床的に示される変化を包含する。
「排尿開口部閉塞」は、限定されるものではないが、良性前立腺肥大(BPH)、尿道狭窄症、腫瘍、低流速、排尿開始困難、切迫、恥骨疼痛等を包含する。
「排尿開口部不全」は、限定されるものではないが、尿道過可動性、内因性括約筋不全、混合失禁、ストレス失禁等を包含する。
「骨盤過敏症」は、限定されるものではないが、骨盤疼痛、間質性(細胞)膀胱炎、前立腺痛、前立腺炎、外陰炎、尿道炎、睾丸痛、過活動膀胱等を包含する。
「痛み」は、分化した神経終末の刺激からもたらされる、不快感、苦痛、または苦闘の、多かれ少なかれの、局所的な感覚を意味する。限定されるものではないが、電撃痛(lighting pain)、幻想痛、疼くような痛み、急性痛、炎症痛、神経因性疼痛、複合局所痛、神経痛、神経障害等を包含する、多くのタイプの痛みがある(Dorland’s Illustrated Medical Dictionary, 28版、W. B. Saunders Company, Philadelphia, PA)。痛みの処置のゴールは、処置対象により知覚される痛みの重篤度を和らげることである。
「神経因性疼痛」は、機能障害および/または病的変化から、その外に、末梢神経系における非炎症性病変からもたらされる痛みを意味する。神経因性疼痛の例は、限定されるものではないが、熱的または機械的痛覚過敏、熱的または機械的異痛(allodynia)、糖尿病性疼痛、絞扼性(entrapment)疼痛等を包含する。
「治療有効量」は、疾患状態を処置するために被験対象に投与した時に、その疾患の状態を処置するのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、処置される疾患の状態、処置される疾患重症度、被験対象の年齢および相対的な健康状態、投与の経路および形態、担当する医師または獣医師の判断、およびその他の因子により変動する。
変数に関しての用語「上で定義されるもの」および「本明細書中で定義されるもの」は、その変数の広い定義、ならびに、もしあるならば、好ましい、より好ましいおよび最も好ましい定義を参照により組み入れられる。
疾患状態を「処置すること」または疾患状態の「処置」は、
(1)疾患状態を予防すること、すなわち、疾患状態にさらされうるか、またはさらされる前であるが、まだ疾患状態を経験していないか、または症状を示していない被験対象に、疾患状態の臨床的症状を引き起こさないこと、
(2)疾患状態を抑制すること、すなわち、疾患状態またはその臨床的症状の進行を抑えること、または
(3)疾患状態を緩和すること、すなわち、疾患状態またはその臨床的症状を、一時的または永久的に退行させること
を包含する。
(1)疾患状態を予防すること、すなわち、疾患状態にさらされうるか、またはさらされる前であるが、まだ疾患状態を経験していないか、または症状を示していない被験対象に、疾患状態の臨床的症状を引き起こさないこと、
(2)疾患状態を抑制すること、すなわち、疾患状態またはその臨床的症状の進行を抑えること、または
(3)疾患状態を緩和すること、すなわち、疾患状態またはその臨床的症状を、一時的または永久的に退行させること
を包含する。
化学反応に関しての用語、「処理する」、「接触する」および「反応する」は、適切な条件下に、2種以上の試薬を添加または混合して、指示されたおよび/または所望の生成物を製造することを意味する。指示されたおよび/または所望の生成物を製造する反応は、必ずしも、最初に添加した2種の試薬の組合せから直接得られるものではなくてもよく、すなわち、最終的には、指示されたおよび/または所望の生成物の生成に導く、混合物中で製造される1以上の中間体が存在していてもよいと認識されるべきである。
命名および構造
一般的に、本願で使用する命名法は、IUPAC系統的命名法の生成のためのBeilestein Instituteコンピュータ化方式、AUTONOM(商標)v.4.0に基づく。本明細書中に示す化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を用いて作成した。本明細書中の構造における、炭素、酸素および窒素原子上の全ての空いている結合価は、水素原子の存在を意味する。便宜のために、本明細書中に記載される、代表的なインドールおよび関連化合物の位置のIUPAC番号付けを式で示す。
一般的に、本願で使用する命名法は、IUPAC系統的命名法の生成のためのBeilestein Instituteコンピュータ化方式、AUTONOM(商標)v.4.0に基づく。本明細書中に示す化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を用いて作成した。本明細書中の構造における、炭素、酸素および窒素原子上の全ての空いている結合価は、水素原子の存在を意味する。便宜のために、本明細書中に記載される、代表的なインドールおよび関連化合物の位置のIUPAC番号付けを式で示す。
不斉炭素が化学構造中に存在する場合はいつでも、その不斉炭素に関連する全ての立体異性体は、その構造に包含されるものである。本明細書中に明示した全ての特許および刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の方法は、以下のスキームAを参照して、より完全に理解される(式中、
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、任意のC1-4アルキルであり;
各々のR1は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシアルキル、ベンジルオキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、場合により置換されているチエニル、場合により置換されているピラゾリル、モルホリノカルボニル、−(CH2)q−S(O)rRf;−(CH2)q−NRgRh;−(CH2)q−C(=O)−NRgRh;−(CH2)q−C(=O)−C(=O)−NRgRh;−(CH2)q−SO2−NRgRh;−(CH2)q−N(Rf)−C(=O)−Ri;−(CH2)q−C(=O)−Ri;または−(CH2)q−N(Rf)−SO2−Rgであり、ここで、qは、0または1であり、rは、0〜2であり、Rf、Rg、およびRhの各々は、独立に、水素またはアルキルであり、各々のRiは、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシである)。
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、任意のC1-4アルキルであり;
各々のR1は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシアルキル、ベンジルオキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、場合により置換されているチエニル、場合により置換されているピラゾリル、モルホリノカルボニル、−(CH2)q−S(O)rRf;−(CH2)q−NRgRh;−(CH2)q−C(=O)−NRgRh;−(CH2)q−C(=O)−C(=O)−NRgRh;−(CH2)q−SO2−NRgRh;−(CH2)q−N(Rf)−C(=O)−Ri;−(CH2)q−C(=O)−Ri;または−(CH2)q−N(Rf)−SO2−Rgであり、ここで、qは、0または1であり、rは、0〜2であり、Rf、Rg、およびRhの各々は、独立に、水素またはアルキルであり、各々のRiは、独立に、水素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシである)。
スキームAの手順の工程1において、場合により置換されているインドールaを、1,1’−ビス[2−(4−(S)−イソプロピル−1,3−オキサゾリニル)]エタンおよびトリフルオロメタンスルホン酸銅(II)から生成されるキラル触媒cの存在下に、アリールマロナートbと反応させると、インドールマロナート化合物dが形成される。この反応は、sec−ブタノール等のアルコールの存在下のような、極性プロトン性溶媒条件下に実施しうる。このインドールマロネナート化合物dは、(S)−立体異性体として示されている。所望により、銅トリフラート触媒のキラリティを変化させて、(R)異性体をもたらしうることは容易に理解されよう。
インドールマロナートdは、工程2で加水分解されると、インドールマロン酸化合物eを与える。工程2の反応は、極性プロトン性溶媒条件下に、塩基、例えばKOH、NaOH等でマロナートdを処理することにより実施しうる。工程2に対する一つの好ましい溶媒系は、塩基として使用されるKOHとを伴う、テトラヒドロフランと水の混合物である。
工程3において、インドールマロン酸化合物eを、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノン(カルボニルジイミダゾール)で処理すると、イミダゾロン化合物fが形成される。多くの実施態様において、イミダゾロン化合物fは、単離する必要はなく、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノンに続いて、アルキルアミンgを、直接反応混合物に添加してもよく、インドールプロピオンアミド化合物hが得られる。工程3の反応は、ジクロロメタンのような極性非プロトン性溶媒条件下に実施しうる。特定の実施態様において、ジイソプロピルエチルアミンのようなトリアルキルアミン触媒が存在していてもよい。
工程4において、インドールプロピオンアミドhは、水素化/還元に付されてプロピオンアミドhのカルボニル基がメチレンに還元され、そこで、アミノプロピルインドールiが得られる。工程4の反応は、テトラヒドロフラン中でのような極性非プロトン性溶媒条件下に実施しうる。多くの実施態様において、水素放出試薬、例えばビトライド(ジヒドロ−ビス−(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム)を、工程4における水素化に使用しうる。他の実施態様において、水素化リチウムアルミニウム等の還元剤を使用しうる。さらに他の実施態様において、工程4の水素化は、水素ガスの存在下に白金またはパラジウム触媒を使用することにより達成しうる。
したがって、特定の実施態様において、本発明の方法は、式h:
(式中、
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立に、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)rRa;または−C(=O)NRbRc(式中、rは、0〜2の整数であり、Ra、RbおよびRcの各々は、独立に、水素またはアルキルである)であり;そして
R2は、アルキルである)
のインドールプロピオンアミド化合物をビトライドで水素化して、式i:
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立に、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)rRa;または−C(=O)NRbRc(式中、rは、0〜2の整数であり、Ra、RbおよびRcの各々は、独立に、水素またはアルキルである)であり;そして
R2は、アルキルである)
のインドールプロピオンアミド化合物をビトライドで水素化して、式i:
のアミノプロピルインドール化合物を形成することを含む。
特定の実施態様において、mは、0、1または2であり、各々のR1は、独立に、アルコキシ、ハロまたはシアノである。
特定の実施態様において、mは1であり、R1は、アルコキシ、ハロまたはシアノである。
特定の実施態様において、mは1であり、R1はメトキシである。
特定の実施態様において、Arは、場合により置換されているフェニルである。
特定の実施態様において、R2はメチルである。
特定の実施態様において、mは1であり、R1は、インドール環系の4位に位置する。
特定の実施態様において、mは1であり、R1は、インドール環系の4位に位置する、アルコキシ、ハロまたはシアノである。
特定の実施態様において、mは1であり、R1は、インドール環系の4位に位置するメトキシであり、R2はメチルである。
特定の実施態様において、インドールプロピオンアミドhの水素化は、極性非プロトン性溶媒条件下に実施しうる。好ましくは、インドールプロピオンアミドhの水素化は、テトラヒドロフラン中で実施される。
特定の実施態様において、インドールプロピオンアミドhの水素化は、水素化/還元剤としてビトライドを用いて実施しうる。
多くの実施態様において、本発明の方法は、式e:
(式中、m、R1およびArは、本明細書中で定義したとおりである)
のインドールマロン酸化合物を、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノンで、続いてアルキルアミンR2NH2 gで処理して、式hのインドールプロピオンアミドを形成することをさらに含みうる。
のインドールマロン酸化合物を、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノンで、続いてアルキルアミンR2NH2 gで処理して、式hのインドールプロピオンアミドを形成することをさらに含みうる。
特定の実施態様において、インドールマロン酸eの、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノンで、続いてアルキルアミンR2NH2 gでの処理は、極性非プロトン性溶媒条件下に実施しうる。一つの好ましい実施態様において、インドールマロン酸eの、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノンで、続いてアルキルアミンR2NH2 gでの処理は、ジクロロメタン中で実施される。
特定の実施態様において、インドールマロン酸eの、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノンで、続いてアルキルアミンR2NH2 gでの処理は、ジイソプロピルエチルアミンのようなトリアルキルアミン触媒の存在下に実施しうる。
特定の実施態様において、本発明の方法は、式d:
(式中、各々のRは、アルキルであって、同一であっても異なっていてもよく;
m、R1およびArは、本明細書中で定義されたとおりである)
のインドールマロナート化合物を加水分解して、インドールマロン酸化合物eを形成することをさらに含む。
m、R1およびArは、本明細書中で定義されたとおりである)
のインドールマロナート化合物を加水分解して、インドールマロン酸化合物eを形成することをさらに含む。
特定の実施態様において、インドールマロナート化合物dの加水分解は、塩基性条件下に実施しうる。
特定の実施態様において、インドールマロナート化合物dの加水分解は、KOHの存在下に実施しうる。
特定の実施態様において、インドールマロナート化合物dの加水分解は、極性プロトン性溶媒条件下に実施しうる。
特定の実施態様において、インドールマロナート化合物dの加水分解は、エチレンジアミン四酢酸塩の存在下に実施しうる。
特定の実施態様において、インドールマロナート化合物dの加水分解は、テトラヒドロフランと水の混合物中で実施しうる。
特定の実施態様において、本発明の方法は、式a:
(式中、mおよびR1は、本明細書中で定義されたとおりである)
のインドール化合物を、式b:
のインドール化合物を、式b:
(式中、ArおよびRは、本明細書中で定義されたとおりである)
のアリールマロナートと、式c:
のアリールマロナートと、式c:
の銅トリフラート触媒の存在下に反応させ、式d:
のインドールマロナート化合物を形成することをさらに含む。
特定の実施態様において、触媒cの存在下に式aのインドール化合物を式bのアリールマロナートと反応させることは、極性プロトン性溶媒条件下に実施しうる。
特定の実施態様において、触媒cの存在下に式aのインドール化合物を式bのアリールマロナートと反応させることは、アルコール溶媒中で実施しうる。一つの好ましい溶媒は、2−ブタノールである。
本発明は、また、式h:
(式中、
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立に、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)rRa;または−C(=O)NRbRc(式中、rは、0〜2の整数であり、Ra、RbおよびRcの各々は、独立に、水素またはアルキルである)であり;そして
R2は、アルキルである;
ただし、R2がメチルである場合には、mは0ではないか、あるいはR2がメチルである場合には、Arはピリジン−4−イルではない)
の化合物を提供する。
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のR1は、独立に、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)rRa;または−C(=O)NRbRc(式中、rは、0〜2の整数であり、Ra、RbおよびRcの各々は、独立に、水素またはアルキルである)であり;そして
R2は、アルキルである;
ただし、R2がメチルである場合には、mは0ではないか、あるいはR2がメチルである場合には、Arはピリジン−4−イルではない)
の化合物を提供する。
式hの化合物は、本発明の方法における中間体として有用である。
式hの特定の実施態様において、mは、0、1または2であり、各々のR1は、独立に、アルコキシ、ハロまたはシアノである。
式hの特定の実施態様において、mは1であり、R1は、アルコキシ、ハロまたはシアノである。
式hの特定の実施態様において、mは1であり、R1はメトキシである。
式hの特定の実施態様において、Arは、場合により置換されているフェニルである。
式hの特定の実施態様において、R2はメチルである。
式hの特定の実施態様において、mは1であり、R1は、インドール環系の4位に位置する。
式hの特定の実施態様において、mは1であり、R1は、インドール環系の4位に位置する、アルコキシ、ハロまたはシアノである。
式hの特定の実施態様において、mは1であり、R1は、インドール環系の4位に位置するメトキシであり、R2はメチルである。
本発明は、また、式d:
(式中、
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRはアルキルであって、同一であっても異なっていてもよく;
各々のR1は、独立に、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)rRa;または−C(=O)NRbRc(式中、rは、0〜2の整数であり、Ra、RbおよびRcの各々は、独立に、水素またはアルキルである)である)
の化合物を提供する。
mは、0〜4であり;
Arは、場合により置換されているアリールまたは場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRはアルキルであって、同一であっても異なっていてもよく;
各々のR1は、独立に、アルコキシ、シアノ、アルキル、ハロ、−S(O)rRa;または−C(=O)NRbRc(式中、rは、0〜2の整数であり、Ra、RbおよびRcの各々は、独立に、水素またはアルキルである)である)
の化合物を提供する。
式dの化合物は、本発明の方法における中間体として有用である。
式dの特定の実施態様において、mは、0、1または2であり、各々のR1は、独立に、アルコキシ、ハロまたはシアノである。
式dの特定の実施態様において、mは1であり、R1は、アルコキシ、ハロまたはシアノである。
式dの特定の実施態様において、mは1であり、R1はメトキシである。
式dの特定の実施態様において、Arは、場合により置換されているフェニルである。
式dの特定の実施態様において、mは1であり、R1は、インドール環系の4位に位置する。
式dの特定の実施態様において、mは1であり、R1は、インドール環系の4位に位置するアルコキシ、ハロまたはシアノである。
式dの特定の実施態様において、mは1であり、R1は、インドール環系の4位に位置するメトキシである。
式dの特定の実施態様において、各々のRは、独立に、メチルまたはエチルである。好ましくは、Rはエチルである。
本明細書中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgまたはRhのいずれかは、アルキルであるか、またはアルキル部分を含有する場合、そのようなアルキルは、好ましくは低級アルキル、すなわちC1〜C6アルキル、より好ましくはC1〜C4アルキルである。
本主題の方法は、セロトニン神経伝達および/またはノルエピネフリン神経伝達に関連する疾患または症状の処置に有用である化合物を提供する。このような疾患および症状は、鬱病および不安障害を含み、その外に統合失調症および他の精神病、運動障害、薬物中毒、認知障害、アルツハイマー病、ADHDなどの注意力欠陥障害、強迫−強制挙動、パニック発作、対人恐怖症、肥満、食欲不振、大食および「過食」等の摂食障害、ストレス、高血糖症、高脂血症、インスリン非依存性糖尿病、てんかん等の発作性疾患、ならびに脳卒中、脳外傷、脳虚血、頭部損傷および出血に由来する神経障害に関連する症状の処置を含む。
本発明の方法は、また、緊張性尿失禁、急迫性尿失禁、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、排尿開口部閉塞、頻尿、夜間多尿、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、突発性膀胱過敏症などの尿路の障害および疾患状態の処置に有用である化合物をも提供する。
本発明の方法は、また、インビボにおいて抗炎症性および/または鎮痛性を有し、したがって、限定されるものではないが、炎症性疼痛、外科的疼痛、内臓痛、歯科的疼痛、月経前疼痛、中心性疼痛、熱傷による疼痛、片頭痛または群発性頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血性傷害、間質性膀胱炎、ガン疼痛、ウイルス性、寄生虫性または細菌性感染症、外傷後障害(骨折およびスポーツ負傷を含む)および過敏性腸症候群のような腸機能障害に関連する疼痛を含む、広範囲の原因による疼痛症状に関連する疾患状態の処置において、有用性が見出されると期待される化合物をも提供する。
本発明の方法を使用して調製しうる追加の有用な化合物は、参照により本明細書に組み入れられる、2005年12月1日に出願された米国特許出願第11/142,076号に開示されている。
投与および医薬組成物
本発明の方法で調製される化合物は、少なくとも1個のそのような化合物または薬学的に許容しうるその塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1種の薬学的に許容しうる担体、ならびに場合により他の治療および/または予防成分と一緒に含む医薬組成物中で使用しうる。
本発明の方法で調製される化合物は、少なくとも1個のそのような化合物または薬学的に許容しうるその塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1種の薬学的に許容しうる担体、ならびに場合により他の治療および/または予防成分と一緒に含む医薬組成物中で使用しうる。
一般に、本発明の方法に従って調製される化合物は、同様の効用をもつ薬剤で許容されている、あらゆる投与方法によって、治療有効量で投与される。適切な用量範囲は、処置されるべき疾患の重篤度、被験対象の年齢および相対的な健康状態、使用する化合物の効力、投与経路および形態、投与が目的とする適応症、ならびに関与する医師の選択および経験のような数多くの要因に応じて、典型的には、1日当たり1〜500mg、好ましくは、1日当たり1〜100mg、最も好ましくは、1〜30mgである。そのような疾患を処置する当該技術における通常の技術のうちの1つにより、必要以上に試験を行うことなく、かつ個人的な知識および本出願の開示に依存して、所与の疾患に対する、本発明の化合物の治療有効量を確認することが可能となる。
本発明の方法で製造される化合物は、経口(口腔および舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所、経肺、経膣もしくは非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内(intrathecal)、皮下および静脈内を含む)投与に適切なものを含む医薬製剤としてまたは吸入もしくは通気による投与に適切な形態で投与される。好ましい投与方法は、一般的に、苦痛の程度に従って調整できる、都合の良い1日用量レジメンを使用する経口である。
本発明の方法で製造される化合物の1個または複数を、従来の補助薬、担体または希釈剤の1種以上と一緒に医薬組成物および単位用量の形態にしてよい。医薬組成物および単位投薬形態は、従来の成分を従来の割合で、追加の活性化合物もしくは有効成分と共にまたはなしで含むことができ、単位投薬形態は、使用される1日用量の意図される範囲に相応する有効成分の任意の適切な有効量を含むことができる。医薬組成物は、錠剤もしくは充填カプセル剤、半固形剤、粉末剤、持続性放出製剤のような固体として、または液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤のような液体として、または経口用の充填カプセル剤として;または直腸内もしくは膣内投与用の坐剤の形態で;または非経口的使用の滅菌注射用液剤の形態で使用することができる。したがって、1錠当たり、活性成分を約1mg、より広くは、約0.01〜約100mg含有する製剤が、適切な、代表的な単位投薬形態である。
本発明の方法で製造される化合物は、多種多様の経口投与投薬形態で調合することができる。医薬組成物および投薬形態は、活性成分として、1個もしくは複数の本発明の化合物、または薬学的に許容しうるその塩を含むことができる。薬学的に許容しうる担体は、固体または液体のいずれかであってよい。固体形態の製剤は、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤および分散性顆粒剤を含む。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩解剤またはカプセル化材料としても作用することができる1種以上の物質であってよい。粉末剤では、担体は、一般に微粉化した活性成分との混合物である微粉化した固体である。錠剤では、活性成分は、一般的に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状および大きさに圧縮成形される。粉末剤および錠剤は、好ましくは、活性化合物を約1〜約70%含有する。適切な担体は、限定されるものではないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココアバター等を含む。用語「製剤」は、担体としてのカプセル化材料を有する活性化合物の調合物を含むことを意図し、担体を有するかまたは有しない活性成分がそれに関連する担体により周囲を囲まれているカプセル剤を提供する。同様に、カシェ剤およびトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤およびトローチ剤は、経口投与のための適切な固体形態であってもよい。
経口投与に適切な他の形態は、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含む液体形態の製剤、または使用の直前に液体形態の製剤に変換されることが意図されている固体形態の製剤を含む。乳剤は、溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液で調製されることができるか、または、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレアートもしくはアカシアのような乳化剤を含有することができる。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、風味剤、安定剤および増粘剤を加えることにより調製できる。水性懸濁剤は、微粉化した活性成分を、天然または合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび他の周知の懸濁剤のような粘性材料と共に水に分散することにより調製できる。固体形態の製剤は、液剤、懸濁剤および乳剤を含み、活性成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有することができる。
本発明の方法で製造される化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としては、ボーラス注射または持続注入による)用に調合することができ、アンプル剤、充填済注射器、小容量注入容器中に単位投薬形態で、または添加された防腐剤を有する頻回投与用容器中に存在することができる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の、懸濁剤、液剤または乳剤、例えば、ポリエチレングリコール水溶液中の液剤のような形態をとることができる。油性または非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)および注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)を含み、防腐剤、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁剤、安定剤および/または分散剤のような調合剤を含有することができる。あるいはまた、活性成分は、滅菌固体の無菌分離によるか、または適切なビヒクル、例えば、滅菌した、発熱物質を含まない水を用いて、使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってよい。
本発明の方法で製造される化合物を、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤としてまたは経皮パッチ剤として表皮に局所投与するために、調合することができる。例えば、軟膏剤およびクリーム剤を、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を加え、水性または油性基剤を用いて調合することができる。ローション剤を、水性または油性基剤を用いて調合することができ、また一般的に、1種以上の、乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤または着色剤も含有する。口腔内の局所投与に適切な調合物は、風味付けした基剤、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性剤を含むトローチ剤;ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口剤を含む。
本発明の方法で製造される化合物は坐剤として投与するために調合することができる。脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物のような低融点ロウを、最初に溶融して、活性成分を、例えば、撹拌により均質に分散する。次に、均質溶融混合物を、適切な大きさの成形型に注ぎ、冷却させ、凝固させる。
本発明の方法で製造される化合物は膣内投与用に調合することができる。活性成分に加えて、そのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーが適切であることは、当該技術で既知である。
本発明の方法で製造される化合物は鼻腔内投与用に調合することができる。液剤または懸濁剤を、従来の方法、例えば、滴瓶、ピペットまたはスプレーを用いて、直接鼻腔に適用する。製剤は単回投与または多回投与形態で提供することができる。後者の滴瓶またはピペットの場合、液剤または懸濁剤の適切で所定の容量を患者が投与することで、それを達成することができる。スプレーの場合、例えば、計量噴霧スプレーポンプを用いて達成することができる。
本発明の方法で製造される化合物は、鼻内投与を含む、特に気道へのエアゾール投与用に調合することができる。化合物は、一般的に、例えば、5μ以下のオーダーの小さい粒径を有する。そのような粒径は、当該技術で既知の方法、例えば、微粉砕により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタン、または二酸化炭素、あるいは他の適切なガスのような適切な噴射剤を用いた加圧パックで提供される。エアゾールは、また、レシチンのような界面活性剤を好都合に含有することができる。薬剤の用量は、計量弁により制御されうる。あるいはまた、活性成分は、乾燥粉末の形態で、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリジン(PVP)のような適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物で提供されうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えば、粉末剤が吸入器により投与されうる、例えば、ゼラチンのカプセルもしくはカートリッジ、またはブリスターパックのような単位投薬形態で存在することができる。
所望であれば、製剤は、活性成分の持続的または制御的放出投与に適合するように、腸溶被覆を用いて調製できる。例えば、本発明の化合物は、経皮または皮下薬剤送達装置に調合できる。これらの送達系は、化合物の持続放出が必要であり、処置レジメンの患者コンプライアンスが極めて重要である場合に有利である。経皮送達系における化合物は、多くの場合、皮膚付着性固体支持体に結合されている。目的の化合物は、また、浸透向上剤、例えば、エイゾン(Azone)(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。持続的放出送達系は、手術または注入により、皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂質可溶膜、例えば、シリコーンゴムまたは生物分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸で化合物を包み込む。
医薬製剤は、好ましくは単位投薬形態である。そのような形態では、製剤は、活性成分の適切な量を含有する単位用量に細分化されている。単位投薬形態は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤およびバイアルまたはアンプル中の粉末剤のような製剤の別個の分量を含有する。また、単位投薬形態は、それ自体、カプセル剤、錠剤、カシェ剤またはトローチ剤であることができるか、またはパッケージ形態での、適切な数のこれらのいずれかであることができる。
他の適切な医薬担体およびその製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995,edited by E. W. Martin,Mack Publishing Company,19th edition,Easton,Pennsylvaniaに記載されている。以下、本発明の化合物を含んでいる、代表的な医薬製剤について説明する。
実施例
下記の製造例および実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるために示されている。それらは、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単に、本発明の例示的および代表的なものとして見なされるべきである。以下の略語を実施例で使用しうる。
下記の製造例および実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるために示されている。それらは、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単に、本発明の例示的および代表的なものとして見なされるべきである。以下の略語を実施例で使用しうる。
略語
DCM ジクロロメタン/塩化メチレン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
gc ガスクロマトグラフィー
HMPA ヘキサメチルリン酸アミド
hplc 高速液体クロマトグラフィー
mCPBA m−クロロ過安息香酸
MeCN アセトニトリル
NMP N−メチルピロリジノン
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
LDA リチウムジイソプロピルアミン
TLC 薄層クロマトグラフィー
DCM ジクロロメタン/塩化メチレン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
gc ガスクロマトグラフィー
HMPA ヘキサメチルリン酸アミド
hplc 高速液体クロマトグラフィー
mCPBA m−クロロ過安息香酸
MeCN アセトニトリル
NMP N−メチルピロリジノン
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
LDA リチウムジイソプロピルアミン
TLC 薄層クロマトグラフィー
調製例1
ビス−(4−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−オキサゾロ)−メタンCu(OTf)2触媒錯体調製
銅(II)トリフラート(614.9g)および2−ブタノール(35L)を、100Lの反応器に加えた。混合物を、35℃で20分間撹拌した。その後、混合物を24℃に冷却し、20分間撹拌した。2−ブタノール(2L)中のリガンドi−PrBOX(Chem. Comm. 2004, p. 432に記載のように、1,1’−ビス[2−(4−(S)−イソプロピル−1,3−オキサゾリニル)]エタンと銅(II)トリフルオロメタンスルホナートより生成、686.4g)の溶液を加え、続いて、リガンド溶液を含むフラスコを濯ぐのに使用された2−ブタノール3Lを加えた。触媒錯体を、以下の実施例で使用する前に、24℃で30分間撹拌した。
ビス−(4−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−オキサゾロ)−メタンCu(OTf)2触媒錯体調製
銅(II)トリフラート(614.9g)および2−ブタノール(35L)を、100Lの反応器に加えた。混合物を、35℃で20分間撹拌した。その後、混合物を24℃に冷却し、20分間撹拌した。2−ブタノール(2L)中のリガンドi−PrBOX(Chem. Comm. 2004, p. 432に記載のように、1,1’−ビス[2−(4−(S)−イソプロピル−1,3−オキサゾリニル)]エタンと銅(II)トリフルオロメタンスルホナートより生成、686.4g)の溶液を加え、続いて、リガンド溶液を含むフラスコを濯ぐのに使用された2−ブタノール3Lを加えた。触媒錯体を、以下の実施例で使用する前に、24℃で30分間撹拌した。
実施例1
この実施例の合成手順を、スキームBに概説する。
この実施例の合成手順を、スキームBに概説する。
工程1 2−[(S)−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステル
N2雰囲気下に、200Lの反応器に、4−メトキシインドール(5kg)と2−ブタノール(20L)を入れた。上の調製例1からの前もって作られた触媒錯体1,1’−ビス[2−(4−(S)−イソプロピル−1,3−オキサゾリニル)]エタンCu(OTf)2を反応器に加え、触媒移動ラインを2−ブタノール(5L)で濯ぎ、それもまた、反応器に加えた。反応器を−15℃に冷却し、ジエチルベンジリデンマロナート(9.28kg)を30分間かけて加え、移動ラインを2−ブタノールで濯ぎ、それを、反応器に加えた。反応物を−10℃で一晩撹拌した。10mLのアリコートを取り、HPLCにかけると、1.5%未満の出発4−メトキシインドールが存在することが示され、反応が完結していることを表した。次いで、反応器の内容物を、0℃まで温め、水(60L)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、5℃まで温めると、その間に、結晶性2−[(S)−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステルが析出により生成した。その後、結晶をローゼンムンドフィルター(Rosenmund filter)上にろ過により集め、エタノールと水の1:1混合物で洗浄した。次いで、オフホワイトの結晶を、約70℃で24時間乾燥して、2−[(S)−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステル12.085kgを得た(90.0%収率)。
工程2 2−[(S)−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸
N2雰囲気下に、200Lの反応器に、2−[(S)−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸ジエチルエステル(12kg)とTHF(53kg)を入れた。冷水道水20L中のEDTA四ナトリウム10水和物(8kg)の溶液を、振盪しながら別個に調製して、固体を溶解した。EDTA四ナトリウム10水和物溶液の半量を反応器に加え、混合物を10分間撹拌した。20分かけて層を分離させ、水相を抜き取った。残りのEDTA四ナトリウム10水和物溶液を反応器に加え、混合物を10分間撹拌し、その後、20分かけて層を分離させた。水相を抜き取り、飽和NaCl水溶液(14.4kg)を反応器に加えた。混合物を5分間撹拌し、その後、20分かけて層を分離させた。水相を反応器から抜き取り、冷水道水(55L)を反応器に加えて、撹拌した。KOH(50wt%、27.2kg)を加え、反応器を還流用に設定した。混合物を60〜65℃(ジャケット温度)で一晩加熱した。反応混合物のアリコート10mLを取ると、HPLCは、出発原料とモノエステルの量が2%未満であることを示した。次いで、反応混合物を22℃に冷却し、トルエン(52kg)を加え、内容物を5分間撹拌し、その後、層を分離させた。水性生成物層を分離し、イソプロパノール(37.9kg)と混合し、その後、濃HCl(41.4kg)で酸性化した。添加している間、冷却および撹拌を行って、30℃未満の反応器内部温度を維持した。生成物が、徐々に溶液から析出した。濃厚なスラリーが一旦生成すると、冷水道水(72L)を加え、反応器のジャケット温度を5℃に設定し、スラリーを1時間エージングした。混合物をローゼンムンドフィルターで濾過し、集めた固体を冷水道水(50L)で2回洗浄した。生成物を真空オーブン中、70℃でN2ブリードと共に乾燥して、2−[(S)−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸をオフホワイトの結晶性固体として得た(8.772kg、86%収率)。
工程3 (S)−3−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミド
N2雰囲気下に、200Lの反応器に、2−[(S)−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸(8.0kg)と塩化メチレン(53kg)を入れた。ジイソプロピルエチルアミン(3.35kg)を、反応器内部温度が30℃を超えないように徐々に反応器に加え、添加ラインを塩化メチレン(1kg)で反応器に向けて濯いだ。混合物を15分間撹拌し、次いで、カルボニルジイミダゾール(4.01kg)を加えた。添加している間、CO2が放出され、添加の速度は、CO2が排気される間の発泡が限定されるように調節した。混合物を22℃で1時間撹拌した。反応器の内容物のアリコート10mLをHPLCにかけたところ、2−[(S)−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−フェニル−メチル]−マロン酸出発原料の95%が(S)−1−イミダゾール−1−イル−3−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−3−フェニル−プロパン−1−オン(単離せず)に変換されていることが示された。メチルアミン塩酸塩(2.04kg)を加え、反応器の内容物を22℃で一晩撹拌した。反応器の内容物のアリコート10mLを取り、そのHPLCから、反応の完結((S)−1−イミダゾール−1−イル−3−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−3−フェニル−プロパン−1−オンが1%未満)が示された。冷水道水(64L)、続いて、イソプロピルアルコール(8.2kg)を加えた。反応器を、常圧蒸留用に設定し、反応器ジャケトを85℃に加熱し、反応器温度が70℃に達するまで塩化メチレンを留去した。反応器を徐々に22℃まで冷却し、得られたスラリーを1時間撹拌した。生成物をヌッチェフィルター(Nutsche filter)で濾過し、集められた固体を水−イソプロピルアルコール(1:1)で洗浄し、70℃で乾燥して、(S)−3−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミドをオフホワイトの結晶性固体として得た(7.094kg、98%収率)。
工程4 [(S)−3−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン
N2雰囲気下に、200Lの反応器に、(S)−3−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−N−メチル−3−フェニル−プロピオンアミド(7.09kg)とTHF(63kg)を入れ、混合物を、5℃に冷却しながら撹拌した。ビトライド(ジヒドロ−ビス−(2−メトキシエトキシ)アルミン酸ナトリウム、17.85kg)を1.5時間かけて加えると、その間に、H2が発生した。添加は、過剰な発泡を回避し、反応器内部温度を15℃未満に保つように調節した。ビトライドの添加が終了したのち、反応器温度を50℃に上げた。50℃で1時間後、反応器を2時間加熱還流(68℃)した。反応器の内容物のアリコート10mLを取り、HPLCにかけると、3%未満のプロピオンアミド出発原料が残っていることが示された。反応物を、N2雰囲気下に一晩、室温に冷却した。
第二の200Lの反応器に、ロッシェル塩(Rochelle salt、58.3kg)および水道水(58.3L)を入れた。混合物を、固体が溶液になるまで、30〜40℃で撹拌した。次いで、混合物を15℃に冷却した。第一反応器の内容物を、流通N2雰囲気下に、徐々にロッシェル塩溶液に加えると、その間に、水素ガスが発生した。クエンチした反応混合物を分離させ、水層を除去した。水層を酢酸エチル(64kg)で再抽出し、水層を抜き取った。酢酸エチル層とTHF層を合わせて、水道水(28.4kg)で2回洗浄した。相を分離させ、溶媒を、反応器温度が78℃に達するまで、大気圧で有機層から蒸留した。酢酸エチル(53L)を加えて、酢酸エチル:生成物が7.5:1の混合物を得た。蒸留を、反応器温度が再び78℃に達するまで続けた。次いで、反応器を10時間かけて10℃まで冷却し、ヘプタンを加えた。反応器を10℃で2時間維持し、その後、得られた析出物をローゼムンドフィルターで濾過して集めた。集めた固体を酢酸エチル/ヘプタン(6.4kg/9.7kg)で洗浄し、ハウス真空下に70℃で乾燥して、4−[(S)−3−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミン4.8030kgをオフホワイトの結晶性固体として得た(72.3%収率)。
実施例2
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いる、ヒトセロトニントランスポーター(hSERT)アンタゴニストのスクリーニング
この実施例のスクリーニングアッセイを、[3H]−シタロプラム(Citalopram)との競合によるhSERTトランスポーターでのリガンドの親和性を決定するために使用した。
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いる、ヒトセロトニントランスポーター(hSERT)アンタゴニストのスクリーニング
この実施例のスクリーニングアッセイを、[3H]−シタロプラム(Citalopram)との競合によるhSERTトランスポーターでのリガンドの親和性を決定するために使用した。
シンチレーション近接アッセイ(SPA)は、放射性リガンドをビーズのシンチラントに極めて近接させて発光を誘起させることにより機能する。このアッセイにおいては、受容体含有膜を、SPAビーズに予め結合させ、適切な放射性リガンドのトランスポーターへの結合を測定した。発光は、結合した放射性リガンドの量に比例した。非結合放射性リガンドは、シンチラントへの離れた近接度の結果、シグナルを生じなかった(エネルギー移動の欠如)。
組換えhSERTを安定して発現するHEK−293細胞(Tatsumiら、Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を培地(10% FBS、300μg/ml G418および2mM L−グルタミンを含む高グルコースDMEM)で維持し、5%CO2、37℃でインキュベートした。細胞を、1〜2分でPBSを用いて、培養フラスコから取り出す。続いて、細胞を、1000gで5分間遠心分離し、膜調製で使用する前に、PBS中に再懸濁した。
細胞膜を、50mMトリス(TRIS)(pH7.4)の膜調製用バッファーを用いて、製造した。細胞膜を、単一キューブ(合計7.5x109細胞)から製造した。細胞を、ポリトロンを用いてホモジナイズした(媒体を4秒破裂に設定)。次いで、ホモジネートを48,000xgで15分間遠心分離し、続いて上清を除去し、廃棄し、ペレットを新たなバッファーで再懸濁した。二回目の遠心分離の後、ペレットを再度ホモジナイズし、アッセイの間で定められた最終容積にした。典型的には、膜部分は、3mg/ml(w:v)に等分し、−80℃で保存した。
シンチレーション近接アッセイでのIC50/Kiの決定には、50mMトリス−HClおよび300mM NaCl(pH7.4)バッファーを使用した。本発明の化合物を、逐次的希釈プロトコルを用いて、Beckman Biomek 2000を介して、10mM〜0.1nM FACに希釈した(10点曲線、全対数/片対数希釈)。次いで、試験化合物を移し(20μl/穴)、[3H]−シタロプラム放射性リガンドを、50μl/穴で加えた。膜およびビーズは、1穴あたり0.7mgのPVT−WGA Amershamビーズ(カタログ番号 RPQ0282V)を加えて、10μg:0.7mgの比に調製した。130μlの膜:ビーズ混合物をアッセイプレートに加えた。混合物を室温で1時間放置し、次いで、Packard TopCount LCS、一般的なシンチレーション近接アッセイカウントプロトコル設定でカウントした(エネルギー範囲:低い、効率モード:ノーマル、領域A:1.50〜35.00、領域B:1.50〜256.00、カウント時間(分):0.40、バックグラウンド減算:なし、半減期補正:なし、クエンチインジケーター:tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)。
阻害%を、各々の試験化合物について算出した[(最大濃度での化合物の1分あたりのカウント(CPM)−非特異的CPM)/総CPM*100]。50%阻害をもたらす濃度(IC50)を、以下の式:
(式中、max=総結合、min=非特異的結合、x=試験化合物の濃度(M)およびn=ヒル勾配)
を用いて、活性ベース/Xlfitでの反復非線形曲線フィッティング法を使用して決定した。各々の化合物の阻害解離定数(Ki)を、Cheng-Prusoffの方法に従って決定し、次いで、そのKiの負の対数(pKi)に変換した。
を用いて、活性ベース/Xlfitでの反復非線形曲線フィッティング法を使用して決定した。各々の化合物の阻害解離定数(Ki)を、Cheng-Prusoffの方法に従って決定し、次いで、そのKiの負の対数(pKi)に変換した。
上記の方法を用いて、本発明の方法で製造される化合物が、ヒトセロトニントランスポーターに対する親和性を有することが見出された。例えば、[3−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミンは、上記のアッセイを用いると、約8.9のIC50を示した。
実施例3
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いる、ヒトノルエピネフリントランスポーター(hNET)に活性な化合物のスクリーニング
このアッセイを、[3H]−ニソキセチン(Nisoxetine)との競合によるhNETトランスポーターに対するリガンドの親和性を決定するために使用した。上記の実施例のhSERTアッセイと同様に、受容体含有膜をSPAビーズに予め結合し、適切な放射性リガンドのトランスポーターへの結合を測定した。発光は、結合した放射性リガンドの量に比例し、非結合放射性リガンドは、シグナルを生じなかった。
シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いる、ヒトノルエピネフリントランスポーター(hNET)に活性な化合物のスクリーニング
このアッセイを、[3H]−ニソキセチン(Nisoxetine)との競合によるhNETトランスポーターに対するリガンドの親和性を決定するために使用した。上記の実施例のhSERTアッセイと同様に、受容体含有膜をSPAビーズに予め結合し、適切な放射性リガンドのトランスポーターへの結合を測定した。発光は、結合した放射性リガンドの量に比例し、非結合放射性リガンドは、シグナルを生じなかった。
組換えhNET(クローン:HEK-hNET #2)を安定して発現するHEK−293細胞(Tatsumiら、Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を培地(10%FBS、300μg/ml G418および2mM L−グルタミンを含む高グルコースDMEM)で維持し、5% CO2、37℃でインキュベートした。細胞を、1〜2分でPBSを用いて培養フラスコから取り出した。続いて、細胞を、1000gで5分間遠心分離し、膜調製で使用する前に、PBS中に再懸濁した。
細胞膜を、50mMトリス(pH7.4)の膜調製用バッファーを用いて調製した。細胞膜を、単一キューブ(合計7.5x109細胞)から調製した。細胞を、ポリトロンを用いてホモジナイズした(媒体を4秒破裂に設定)。次いで、ホモジネートを48,000xgで15分間遠心分離し、続いて上清を除去し、廃棄し、ペレットを新たなバッファーで再懸濁した。二回目の遠心分離の後、ペレットを再度ホモジナイズし、アッセイの間で定められた最終容積にした。典型的には、膜部分は、3〜6mg/ml(w:v)に等分し、−80℃で保存した。
シンチレーション近接アッセイでのIC50/Kiの決定には、[3H]−ニソキセチン放射性リガンド(Amershamカタログ番号 TRK942またはPerkin Elmerカタログ番号 NET1084、比活性:70〜87Ci/mmol、原液濃度:1.22e−5 M、最終濃度:8.25e−9 M)および50mMトリス−HCl、300mM NaCl(pH7.4)バッファーを使用した。本発明の化合物を、逐次的希釈プロトコルを用いて、Beckman Biomek 2000を介して10mM〜0.1nM FACに希釈した(10点曲線、全対数/片対数希釈)。次いで、試験化合物を移し(20μl/穴)、放射性リガンドを、50μl/穴で加えた。膜およびビーズは、1穴あたり0.7mgのPVT−WGA Amershamビーズ(カタログ番号 RPQ0282V)を加えて、10μg:0.7mgの比に調製した。130μlの膜:ビーズ混合物をアッセイプレートに加えた。混合物を室温で1時間放置し、次いで、Packard TopCount LCS、一般的なSPAカウントプロトコル設定でカウントした(エネルギー範囲:低い、効率モード:ノーマル、領域A:1.50〜35.00、領域B:1.50〜256.00、カウント時間(分):0.40、バックグラウンド減算:なし、半減期補正:なし、クエンチインジケーター:tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)。
阻害%を、各々の試験化合物について算出した[(最大濃度での化合物のCPM−非特異的CPM)/総CPM*100]。50%阻害をもたらす濃度(IC50)を、以下の式:
(式中、max=総結合、min=非特異的結合、x=試験化合物の濃度(M)およびn=ヒル勾配)
を用いて、活性ベース/Xlfitでの反復非線形曲線フィッティング法を使用して決定した。各々の化合物の阻害解離定数(Ki)は、Cheng-Prusoffの方法に従って決定し、次いで、そのKiの負の対数(pKi)に変換した。
を用いて、活性ベース/Xlfitでの反復非線形曲線フィッティング法を使用して決定した。各々の化合物の阻害解離定数(Ki)は、Cheng-Prusoffの方法に従って決定し、次いで、そのKiの負の対数(pKi)に変換した。
上記の方法を用いて、本発明の方法で製造される化合物が、ヒトノルエピネフリントランスポーターに対する親和性を有することが見出された。例えば、[3−(4−メトキシ−1H−インドール−3−イル)−3−フェニル−プロピル]−メチル−アミンは、上記のアッセイを用いると、約8.19のIC50を示した。
本発明を、その特定の実施態様を参照して記載したが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされてもよく、同等物が置き換えられてもよいことが、当業者によって、理解されるべきである。さらに、本発明の客観的精神および範囲に対して、多くの修飾が、特別な状況、物質、組成物、プロセス、プロセス工程または工程に適合させるためになされてもよい。すべてのこのような修飾は、ここに添付される特許請求の範囲の範囲内にあるものであると意図される。
Claims (19)
- mが、0、1または2であり、各々のR1が、独立に、アルコキシ、ハロまたはシアノである、請求項1記載の方法。
- mが1であり、R1が、アルコキシ、ハロまたはシアノである、請求項1記載の方法。
- mが1であり、R1がメトキシである、請求項1記載の方法。
- Arが場合により置換されているフェニルである、請求項1記載の方法。
- R2がメチルである、請求項1記載の方法。
- mが1であり、R1が、インドール環系の4位に位置する、請求項1記載の方法。
- mが1であり、R1が、インドール環系の4位に位置する、アルコキシ、ハロまたはシアノである、請求項5記載の方法。
- mが1であり、R1が、インドール環系の4位に位置するメトキシであり、R2がメチルである、請求項5記載の方法。
- インドールプロピオンアミドhの水素化を、極性非プロトン性溶媒条件下に行う、請求項1記載の方法。
- インドールプロピオンアミドhの水素化を、テトラヒドロフラン中で行う、請求項10記載の方法。
- インドールプロピオンアミドhの水素化を、水素化剤としてビトライドを用いて行う、請求項10記載の方法。
- 請求項1〜15のいずれか一項記載の方法における、請求項16または17に記載の式dまたはhの中間体の使用。
- 本明細書中に記載の発明。
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