JP2009517704A - 倍率及び/又は収差を計算するための方法及び倍率及び/又は収差が低い眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

倍率及び/又は収差を計算するための方法及び倍率及び/又は収差が低い眼鏡レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】眼の屈折率の不足を補正するように設計された、少なくとも一つの物体側表面(10)及び一つの眼側表面(20)を持つ眼鏡レンズの、少なくとも一つの所定の又は予め決定できる観察方向での局所倍率及び/又は局所収差の計算方法を提供する。
【解決手段】本方法は、所定の又は予め決定できる極微小な物体から発せられた主ビーム(HS)の経路の、眼鏡レンズによって屈折し、眼(30)の回転点(Ζ’)を通過し、眼(30)の入射瞳を通過し、又は眼(30)の主平面を通過した後の所定の又は予め決定できる観察方向についての、計算を行う工程と、
眼鏡レンズによす屈折時の主ビーム(HS)と関連した局所波面の主曲率及び方向を決定する工程と、
局所波面の決定された主曲率及び方向、主ビーム(HS)の経路、及び眼鏡レンズと関連したデータから、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算する工程とを含む。

Description

本発明は、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算するための方法、眼鏡レンズの評価方法、並びに対応するコンピュータプログラム製品、データキャリヤ、及びシステムに関する。本発明は、更に、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮した眼鏡レンズの製造方法、及び眼鏡レンズを製造するための対応するコンピュータプログラム製品、データキャリヤ、及びシステムに関する。
欧州特許第EP−A−0 809 126号には、近焦点距離(near focusing distance)と遠焦点距離(far focusing distance) との間の倍率の差を減少しようとする多重焦点眼鏡レンズが記載されている。倍率は、クラッシック方程式(classical formulas)に従って計算される。この理由により、&(第1頁第2パラグラフ第8行目乃至第9行目)&2002年版のハインツディープス及びラルフブレンドフスキの「眼鏡の光学的及び技術的特徴」を参照されたい。出典を明示することにより、この出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
国際特許出願WO01/81985には、眼鏡レンズの倍率を計算するための数値的方法が記載されている。この方法により、任意の眼鏡レンズの倍率を任意の点で又は任意の観察方向で計算できる。この数値的方法によれば、所定の観察方向の中央主ビームの他に少なくとも一つ又はそれ以上の光線を追跡する必要がある。しかしながら検眼用眼鏡の分野では、光線追跡は、概して、非常に時間のかかるプロセスである。このことは、特に、眼鏡レンズの表面が、単なる球面でなく、非球面又は多重焦点面として形成されている場合にいえる。この場合、光線追跡には平面的反復法が使用される。
非対称面の場合には、数値的方法のため、最大で180の追加のビームが必要とされる。これは、倍率が観察方向の関数であるばかりでなく、観察される物体の整合によっても変化するためである。このことは、二つの異なる主倍率が存在し、たとえ一つの観察方向についても、それらの値及び位置を高い経費を掛けて決定しなければならないということを意味する。多重焦点レンズの場合には、5000以上の評価点又は観察方向があるため、この方法を使用する場合、計算に非常に長い時間がかかる。
従来の眼鏡レンズを最適化する場合、考慮した後に最小にされるのは屈折率や屈折誤差及び乱視誤差しかない。所与の眼鏡レンズの倍率及び収差は、眼鏡レンズの前面及び/又は後面のベース湾曲又は曲率の深さを選択することによって、及びレンズの材料を選択することによってしか行われない。しかしながら、従来技術によれば、眼鏡レンズの倍率及び収差は、眼鏡レンズの最適化を行う場合、又は表面の最適化を行う場合、直接的には、又は所定の目的を持った方法では考慮されない。
欧州特許第EP−A−0 809 126号 国際特許出願WO01/81985
本発明の目的は、眼鏡レンズの場合の倍率及び/又は収差を迅速に計算するための方法、又は眼鏡レンズの評価、検討、又は分析を迅速に行うための方法を提供することである。これにより、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を正確に計算できる。
更に、本発明の目的は、眼鏡レンズに関する許容差を改善し、及び従って、眼鏡レンズの受容性を改善する、眼鏡レンズの製造方法を提供することである。
この目的は、請求項1の特徴を持つ眼鏡レンズの局所倍率の計算方法、請求項12の特徴を持つ眼鏡レンズ評価方法、請求項13の特徴を持つコンピュータプログラム製品、請求項14の特徴を持つデータキャリヤ、請求項15の特徴を持つ眼鏡レンズ、請求項16の特徴を持つ眼鏡レンズ製造方法、請求項15の特徴を持つコンピュータプログラム製品、請求項21の特徴を持つデータキャリヤ、及び請求項22の特徴を持つ眼鏡レンズ製造システムによって達成される。好ましい実施例は従属項に記載されている。
本発明を詳細に論じる前に、欧州特許第EP−A−0 809 126号で使用された、眼鏡レンズの倍率を計算するためのクラッシック方程式を簡単に説明する。しかしながら、本発明に従って理解されるように、欧州特許第EP−A−0 809 126号に記載されたこれらの方程式は、任意の眼鏡レンズの倍率の計算には適しておらず、特に、非球面を持つ眼鏡レンズの任意の点の倍率の計算には適していない。
眼鏡レンズの倍率Γは、眼鏡レンズがある場合の網膜像の大きさの、眼鏡レンズがない場合の網膜像の大きさに対する商と定義される。従来技術に従って倍率を計算する上での基礎は、近軸近似が適用されるアフォーカル中心(afocal centered) 眼鏡レンズ−眼システムである。このモデルでは、眼の所定の屈折率の不足を補正するように設計された眼鏡レンズの倍率Γは、眼鏡レンズ及び屈折率の不足を完全に補正するアフォーカルシステムの全倍率Nと等しい。
アフォーカル眼鏡レンズ−屈折率不足システムの全倍率は、以下のクラッシック方程式に従って計算される。
Figure 2009517704
全倍率Nは、
中央の厚さがdで、屈折率がnで、物体が前面の表面パワーがDの仮想の厚い眼鏡レンズを含むアフォーカルシステムの固有倍率N、及び
頂パワー(vertex power) がS'で屈折率不足の薄い眼鏡レンズを含むアフォーカルシステムのシステム倍率Nを含む。
固有倍率N及びシステム倍率Nは、以下の式に従って計算される。
Figure 2009517704
以下の式は、仮想の薄い眼鏡レンズの頂パワーS' に適用される。
Figure 2009517704
式1乃至式5において、eは有効角膜頂距離を示し、
Figure 2009517704
これは、使用されるモデルに応じて変化する。
変化させた角膜頂距離は、好ましくは、e=HSA+3.05mmの式に従って決定される。即ち、変化させた角膜頂距離eは、本質的に、眼鏡レンズの像側頂から眼の入射瞳までの距離と対応する。しかしながら、変化させた角膜頂距離eは、他のモデルに従って、例えば、眼鏡レンズの像側頂から眼の主平面までの距離として計算してもよい(即ち、δ=1.35mm)。
更に、Dは、以下の式に従って計算した眼鏡レンズのi番目の表面の表面パワーを占めす。
Figure 2009517704
ここで、
i a,b、i=1、2は、眼鏡レンズのi番目の表面の曲率半径である。
本発明によれば、倍率を計算するためのクラッシック方程式(1)乃至(7)は、任意の眼鏡レンズの倍率を眼鏡レンズの任意点で、又は任意の観察方向で計算するのに適していないということがわかった。
本発明は、眼の屈折率の不足を補正するように設計された、少なくとも物体側第1表面及び眼側第2表面を持つ眼鏡レンズの、少なくとも一つの所定の又は予め決定できる観察方向での局所倍率及び/又は局所収差の計算方法において、
前記所定の又は予め決定できる観察方向に対して主ビームの経路を計算する工程であって、主ビームは、所定の又は予め決定できる極微小な物体から発せられ、眼鏡レンズにより屈折された後、眼の回転点を通過し、前記眼の入射瞳を通過し、又は、前記眼の主平面を通過する工程と、
眼鏡レンズによる屈折時の主ビームと関連した局所波面の主曲率及び方向を決定する工程と、
局所波面の決定された主曲率及び方向、主ビームの経路、及び眼鏡レンズと関連したデータから、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算する工程とを含み、局所倍率及び/又は局所収差の計算を行うとき、眼鏡レンズからの物体の有限距離を考慮する、方法を提供する。
眼鏡レンズのデータは、眼鏡レンズの屈折率、前面及び後面の局所曲率を得ることができる眼鏡レンズの前面及び後面の立ち上がり高さ、及び/又は眼鏡レンズの(斜行)厚さに関する複数のデータを含む。主ビームのデータには、好ましくは、焦点距離、眼鏡レンズの夫々の表面での入射角及び反射角、主ビームと眼鏡レンズの夫々の表面との交点、及び/又は眼の回転点の位置、眼の入射瞳及び/又は主平面に関するデータが含まれる。局所波面の計算は、好ましくは、波面追跡によって行われる。
局所波面のデータ、主ビームのデータ、並びに眼鏡レンズのデータによる倍率の計算は、主ビームと隣接した第2の追加の光線の光線追跡なしで分析的に行われる。詳細には、眼鏡レンズの倍率を計算するための本発明による方法は、中央主ビームだけを計算した後、局所波面の特徴から倍率を計算できる。このことは、中央主ビームのデータから、倍率を直接計算できるということを意味する。データには、眼鏡レンズの表面での中央主ビームの入射角及び反射角、斜行厚さ、来入波面の主曲率及び方向及び/又は交点での眼鏡レンズ表面の主曲率及び方向が含まれる。
従って、費用の掛かるビーム反復法を各観察方向について一度行うだけでよい。これによって、コンピュータによる計算の費用を少なくとも半分に削減でき、概して、500のファクタ(factor of 500) だけ低減できる。
従って、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算する本発明による方法により、眼鏡レンズの実際の倍率特性及び収差特性の夫々を正確に且つ現実的に決定できると同時に、コンピュータによる計算の費用を大幅に低減できる。所定の眼鏡レンズの倍率及び/又は収差に関するデータを決定するための手段によって、これに続いて、眼鏡レンズの評価(例えば、眼鏡レンズを通して見た場合の静的な又は動的な視覚的印象に関する評価)を行うことができる。更に、眼鏡レンズの実際の倍率及び収差に関する受け取った情報を、例えば性能関数によって考慮に入れることができるようになる。
好ましくは、局所倍率及び/又は局所収差を計算するとき、物体の眼鏡レンズからの有限の距離を考慮する。
更に、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を計算するとき、標準的な眼(いわゆるガルストランド眼(Gullstrang eye)の平均パラメータ(眼の回転点、入射瞳及び/又は主平面、等)、標準的使用情況(フレーム部品角度、前方傾斜、角膜頂距離、等)、及び/又は標準的物体モデル又は標準的物体距離の夫々を考慮に入れることができる。
しかしながら、本発明による方法の場合には、眼鏡着用者の眼の個々のパラメータ、個々の使用情況、及び/又は個々の物体距離モデルを考慮して、倍率及び/又は収差を計算できる。かくして、眼鏡の具体的な着用者が眼鏡レンズを通して見たときの倍率及び/又は収差の正確な印象を考慮に入れることができる。
眼鏡レンズに関するデータ(厚さ、前面及び後面の立ち上がり高さ、及び/又は局所曲率)は、屈折率の不足を補正するのに必要な処方値(即ち、所定の球面効果、円筒面効果、多重焦点効果、及び/又は角柱効果)を持つ参照眼鏡レンズに関する理論的データであってもよい。
しかしながら、眼鏡レンズに対するデータは、例えばスキャニングデバイス又は干渉計によって前面及び/又は後面の立ち上がり高さを計測することによって得られる。好ましくは、計測は、所定距離のところに配置されたグリッドの点のところで行われる。次いで、例えば、スプライン機能によって完全で標準的な再構成ができる。その結果、製造と関連した立ち上がり高さのずれを、倍率及び/又は収差の計算中に考慮に入れることができるようになる。
眼鏡レンズの第1及び第2の表面は回転対称であり、好ましくは、球面である。
しかしながら眼鏡レンズの表面の少なくとも一方は、回転非対称面であってもよい。少なくとも一方の回転非対称表面は、例えば、
遠参照点と近参照点との間で屈折力が連続的に変化する多重焦点表面、又は
非球面又は非トーリック面であってもよい。
局所倍率及び/又は局所収差の計算は、近軸近似によって生じる。しかしながら、局所倍率及び/又は局所収差を計算するとき、主ビームの非近軸経路を考慮できる。
計算工程及び/又は最適化工程は、好ましくは、局所波面の特徴から局所倍率行列Nを計算する工程を含む。眼鏡レンズの倍率を、倍率行列Nの固有値の平均値として計算でき、収差を、倍率行列Nの固有値間の相違として計算できる。
近軸近似によって、個々の局所ファクタ即ち量を、常に、主ビームと眼鏡レンズの夫々の表面との交点のところで評価し、局所倍率行列Nを以下の式に従って計算し、即ち、
Figure 2009517704
ここで、
σは、有限焦点距離sを考慮するための、次の式に従って計算される換算係数を示し、
Figure 2009517704
は、所定の観察方向で観察された物体と、主ビームと第1表面との交点との間の、物体側主ビームの光方向での長さsのベクトルを示し、
dは、主ビームHSと第1表面との交点と、主ビームと第2表面との交点との間の、主ビームの光方向での長さdのベクトルを示し、
eは、主ビームと第2表面との交点と眼の入射瞳、即ち眼又は眼の主平面の回転点との間の、像側主ビームHSの光方向での長さeのベクトルを示し、
e -1 は、固有倍率の局所逆行列を示し、
s -1 は、システム倍率の局所逆行列を示し、
は、眼鏡レンズの第1表面に入射した球面波面の局所曲率行列即ち輻輳行列(vergency matrix)を示し、
S'、i=1、2は、眼鏡レンズのi番目の表面で屈折した後の波面の局所曲率行列即ち輻輳行列を示し、
は、眼鏡レンズの第2表面に入射した球面波面の局所曲率行列即ち輻輳行列を示し、
、i=1、2は、以下の式によって計算した眼鏡レンズのi番目の表面の局所表面パワー行列を示し、
Figure 2009517704
ここで、
i a,b、i=1、2は、主ビーム(HS)と眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)との夫々の交点でのi番目の表面の局所主曲率半径を示し、
Ψは、i番目の表面(10、20)での屈折平面の法線ベクトルpiと、大きく湾曲した主区分が延びる方向qとの間の角度を示す。
ベクトルeは、クラッシック方程式1乃至5による倍率の計算で代入される有効角膜頂距離(e)と対応する。倍率の使用されたモデル(角度フィールド倍率(angular field magnification)、視覚倍率、等) に応じて、ベクトルeは、主ビームと第2表面との交点と、眼の入射瞳(例えば視覚倍率の場合)との間のベクトルであってもよいし、眼の回転点(例えば角度フィールド倍率の場合)との間のベクトルであってもよいし、又は眼の主平面との間のベクトルであってもよい。
回転対称表面を仮定した場合、近軸近似によって、局所倍率行列N、固有倍率の局所逆行列Ne -1 、システム倍率の逆行列Ns -1 、眼鏡レンズの第1表面に入射した球面波面Sの局所曲率又は輻輳行列、眼鏡レンズのi番目の表面で屈折した後の波面の局所曲率又は輻輳行列S'、i=1、2、及び眼鏡レンズの第2眼側表面に入射した球面の曲率又は輻輳行列Sは、単位行列lと比例するということができる。
しかしながら、以上の式は、更に、眼鏡レンズの有限焦点距離s及び任意の非球面に加え、主ビームの任意の経路(即ち、任意の入射角及び反射角)を考慮するように拡げることができる。
この一般的な場合には、倍率行列Nは、以下の式に従って計算でき、ここで、個々の局所ファクタ又は量は、常に、主ビームと眼鏡レンズの夫々の表面との交点のところで評価され、
Figure 2009517704
ここで、
σは、以下の式による有限焦点距離sを考慮するための換算係数を示し、
Figure 2009517704
は、所定の観察方向で観察された物体と、主ビームと第1表面との交点との間の、物体側主ビームの光方向での長さsのベクトルを示し、
dは、主ビームHSと第1表面との交点と、主ビームと第2表面との交点との間の、主ビームの光方向での長さd1 のベクトルを示し、
eは、主ビームと第2表面との交点と眼の入射瞳、即ち眼又は眼の主平面の回転点との間の、像側主ビームの光方向での長さ(e)のベクトルを示し、
nは、眼鏡レンズの屈折率を示し、
e -1 は、固有倍率の局所逆行列を示し、
s -1 は、システム倍率の局所逆行列を示し、
ここで、
Figure 2009517704
は、第1表面での屈折面に対して垂直な法線ベクトルpによって、参照方向ベクトルpによって形成された適当な参照方向に形成された、第1表面のシステムからの物体側主ビームsに対して垂直な平面内の2×2回転行列を示し、
φは、法線ベクトルpと参照方向ベクトルpとの間の角度を示し、
Figure 2009517704
は、第2表面での屈折面に対して垂直な法線ベクトルpによって、適当な参照方向p上に形成された、第2表面のシステムからの物体側主ビームeに対して垂直な平面内の2×2回転行列を示し、
φは、法線ベクトルpと参照方向ベクトルpとの間の角度を示し、
Figure 2009517704
は、眼鏡レンズの表面間の主ビームdに対して垂直な平面内の2×2回転行列であって、法線ベクトルpを法線ベクトルpに変換する行列を示し、
φ12は、法線ベクトルpとpとの間の角度を示し、
Figure 2009517704
は、眼鏡レンズのi番目の表面での主ビームの斜入射が倍率に及ぼす影響を考慮するための2×2傾斜行列を示し、
αは、i番目の表面から出る主ビームに沿ったベクトルと眼鏡レンズのi番目の表面に対して垂直な法線ベクトルni 、i=1、2との間の角度として定義される、i番目の表面での入射角を示し、
α’は、i番目の表面から出る主ビームに沿ったベクトルとi番目の表面に対して垂直な法線ベクトルni 、i=1、2との間の角度と定義される、i番目の表面での反射角を示し、
Figure 2009517704
は、第1表面に入射する球面波面の曲率即ち輻輳行列を示し、
Figure 2009517704
は、主ビームの斜入射角度を考慮して屈折の法則に従って計算した、眼鏡レンズのi番目の表面での屈折後の波面の局所曲率即ち輻輳行列を示し、
Figure 2009517704
は、第1表面からの伝達後に計算した、第2表面に入射した波面の局所曲率即ち輻輳行列を示し、
Figure 2009517704
は、波面の非近軸入射を考慮した、i番目の表面の補正後の局所表面パワー行列を示し、
Figure 2009517704
は、眼鏡レンズのi番目の表面の局所表面パワー行列を示し、
Ψは、眼鏡レンズのi番目の表面の屈折面の法線ベクトルpiと、比較的大きく湾曲した主区分が延びる方向qとの間の角度を示し、
Figure 2009517704
は、眼鏡レンズのi番目の表面の球面の等価物を示し、
Figure 2009517704
は、眼鏡レンズのi番目の表面の円筒面を示し、
i a,b、i=1、2は、眼鏡レンズのi番目の表面の主曲率半径を示し、
Figure 2009517704
は、第1表面での主ビームの斜入射角度を考慮に入れるための補正ファクタを示し、
Figure 2009517704
は、第2表面での主ビームの斜入射角度を考慮に入れるための補正ファクタを示す。
眼鏡レンズの局所倍率及び/又は収差の計算は、複数の所定の又は予め決定可能な観察方向について行うことができる。これにより、好ましくは、眼鏡レンズ全体局所倍率及び/又は収差の正確な分布が得られる。
従って、本発明によれば、眼鏡レンズの評価、検討、又は分析を行うための方法が提供される。この方法は、眼鏡レンズに関するデータ、特に、厚さに関するデータ、眼鏡レンズの前面及び後面の立ち上がり高さ、及び/又は眼鏡レンズの前面及び後面の局所倍率に関するデータを収集する工程と、
眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算するための上文中に説明した方法に従って、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算する工程とを含む。
眼鏡レンズを評価する方法は、好ましくは、更に、計算によって得られた、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を、例えば等値線又は色分けによって視覚化する視覚化工程を含む。
本発明による評価方法は、正確に且つコンピュータを使用する大きな費用なしで、周囲を含む眼鏡レンズの全面に亘る実際の局所倍率の分布及び/又は局所収差を検査できる。従って、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は収差の特徴の計算は、実時間で及びオンラインでの夫々で行うことができる。検査されるべき眼鏡レンズの実際の倍率及び収差の夫々の特性を考慮するため、眼鏡レンズの評価を更に正確に且つ実際的に行うことができ、更に詳細には、眼鏡レンズを通して見たときの静止した及び/又は動きのある視覚的印象を更に正確に評価でき、これによって、眼鏡の着用者の眼鏡レンズの許容差及び受容性を更に正確に評価できる。
本発明によれば、コンピュータにローディングして実行するとき、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差の上述の計算方法を実施するため、及び眼鏡レンズの評価及び検査又は分析を行う方法を実施するように設計されたコンピュータプログラム製品が提供される。
更に、コンピュータにローディングして実行したとき、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算する上述の方法、及び眼鏡レンズの評価及び検査又は分析を行う方法を実施するように設計されたコンピュータプログラムを記憶する、本発明によるデータキャリヤを提供する。
本発明によれば、更に、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算する上述の方法、及び眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を考慮して眼鏡レンズの評価及び検査又は分析を行う上述の方法を実施するように設計されたシステムが記載されている。眼の屈折率の不足を補正するように設計されており、少なくとも第1物体側表面及び第2眼側表面を持つ眼鏡レンズの、少なくとも一つの所定の又は予め決定可能な観察方向での局所倍率及び局所収差を計算するための本発明によるシステムは、
眼鏡レンズに関するデータを収集するための収集デバイスと、
所定の又は予め決定可能な極微小な物体から発せられ、眼鏡レンズによって屈折した後、眼の回転点を通過し、眼の入射瞳を通過し、又は眼の主平面を通過する主ビームの、所定の又は予め決定可能な観察方向についての経路を、眼鏡レンズに対するデータによって計算するための計算デバイスと、
眼鏡レンズによる屈折中に主ビームに合わせて伝播する局所波面の主曲率及び方向を計算するための計算デバイスと、
眼鏡レンズの局所倍率及び局所収差を、局所波面の所定の主曲率及び方向、主ビームの経路のデータ、及び眼鏡レンズに対するデータから計算するための計算デバイスとを含む。
本発明によれば、眼の屈折率の不足を補正するように設計されており、少なくとも第1物体側表面及び第2眼側表面を有する眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して眼鏡レンズを製造する方法であって、
計算工程又は最適化工程を含み、該計算工程又は最適化工程は性能関数Fを最小にするように行われ、
ここで、
Figure 2009517704
により、
ここで、
actual(i)は、i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の倍率を示し、
des(i) は、i番目の評価点での眼鏡レンズの所望の倍率を示し、
v,jは、i番目の評価点での眼鏡レンズの倍率の加重を示し、
actual(i)は、i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の収差を示し、
des(i) は、i番目の評価点での眼鏡レンズの所望の収差を示し、
z,jは、i番目の評価点での収差の加重を示す、方法が提供される。
i番目の評価点は、夫々の主ビームと眼鏡レンズの前面又は後面との夫々の交点に関する。様々な主ビームを示すのに数Iを使用した。Iは、最適化を行う場合、性能関数を計算するために連続的に使用される。
上文中に説明したように、従来の眼鏡レンズの最適化を行うとき、又は従来の眼鏡レンズの前面及び後面の最適化を行う場合、屈折力又は屈折誤差又は乱視誤差だけを考慮し、次いでさいしょうにする。所定の眼鏡レンズの倍率及び/又は収差は、眼鏡レンズの前面及び後面の基本的曲線即ち湾曲を選択し、レンズ材料を選択するだけで考慮される。しかしながら、当該技術によれば、眼鏡レンズの倍率及び収差は、眼鏡レンズの最適化行うとき、又は表面の最適化行うとき、直接的に、即ちターゲットを定めた方法で考慮されることはない。
しかしながら、眼鏡レンズを通して像を見るとき、及び網膜像を形成するとき、倍率及び収差は決定的な役割を果たす。即ち、眼鏡レンズを通して見た場合の物体の寸法的変化を定量する。乱視誤差の寸法は、明瞭さを損なう計測値を提供するが、収差は、物体距離及び像の類似性のための計測値である。左右の眼鏡レンズの間で収差の相違が大きいと、二つの網膜像を脳で重ね合わせる上で障害となる。これは、左右の眼の像が幾何学的に類似していないためである。その結果、空間歪曲が生じ、像が二重になる程眼精疲労が重篤になる。眼鏡レンズ内の倍率及び特に収差の大幅な変化もまた望ましくない。これは、物を見ようとする動き中(直接視)並びに頭部の動き中(間接視)に視角を大幅に損なうためである。
本発明によれば、所定の性能関数を最小にすることによる眼鏡レンズの最適化中、又は眼鏡レンズの前面及び/又は後面の表面最適化中、倍率及び/又は収差を直接的に考慮する最適化方法が提供される。これによって眼鏡レンズの中央領域と周囲領域との間の、又は多重焦点レンズ等の場合の遠部分と近部分との間の倍率の差が最小の眼鏡レンズを得ることができる。その結果、眼鏡レンズの許容差及び受容性を更に大幅に改良できる。
本発明による上述の最適化方法に従って倍率及び/又は収差を考慮して最適化した眼鏡レンズ又は眼鏡レンズ表面を、例えば、数値制御工具によって、ミネラルガラス又はプラスチック材料から製造できる。
好ましくは、収差の倍率の加重Gv,j及び/又は収差の加重Gz,jは、1に等しい。更に、倍率及び収差の所望の値Ndes(i) 及びZdes(i) は、好ましくは、ゼロに等しい。驚くべきことに、眼鏡レンズの最適化時に倍率又は収差の一方しか考慮しなくても、考慮されなかった他方のパラメータの分布もまた大幅に改善されるのである。
最適化中、倍率及び/又は収差を性能関数の一つのパラメータとして又は追加のパラメータとして含もうとする場合、コンピュータによる計算時間が決定的な役割を果たす。このことは、特に、非球面を最適化しなければならず、注文に合わせてオンラインで計算する個々の眼鏡レンズについていえる。この場合、コンピュータによる計算時間は、最大で、一分間乃至数分間に過ぎない。従って、眼鏡レンズのi番目の評価点での倍率及び/又は収差は、好ましくは、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算する上文中に説明した計算方法に従ってコンピュータにより計算される。
更に好ましくは、計算又は最適化工程は、更に、眼鏡レンズの屈折誤差及び/又は乱視誤差を最小にするように実施される。
本発明によれば、コンピュータにローディングして実行するとき、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して上述の眼鏡レンズの最適化方法を実施するように設計されたコンピュータプログラム製品において、
眼鏡レンズの最適化方法は、性能関数Fを最小にするように実施される計算又は最適化工程を含み、
Figure 2009517704
により、
ここで、
actual(i)は、i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の倍率を示し、
des(i) は、i番目の評価点での眼鏡レンズの所望の倍率を示し、
v,jは、i番目の評価点での眼鏡レンズの倍率の加重を示し、
actual(i)は、i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の収差を示し、
des(i) は、i番目の評価点での眼鏡レンズの所望の収差を示し、
z,jは、i番目の評価点での収差の加重を示す、コンピュータプログラム製品が提供される。
更に、本発明によれば、コンピュータにローディングして実行するとき、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して眼鏡レンズの最適化を行う上述の方法を実施するように設計されたコンピュータプログラムが記憶されるデータキャリヤ媒体において、眼鏡レンズの最適化方法は、計算又は最適化工程を含み、計算又は最適化工程は、性能関数Fを最小にするように実施され、
ここで、
Figure 2009517704
により
ここで、
actual(i)は、i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の倍率を示し、
des(i) は、i番目の評価点での眼鏡レンズの所望の倍率を示し、
v,jは、i番目の評価点での眼鏡レンズの倍率の加重を示し、
actual(i)は、i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の収差を示し、
des(i) は、i番目の評価点での眼鏡レンズの所望の収差を示し、
z,jは、i番目の評価点での収差の加重を示す、データキャリヤ媒体が提供される。
本発明によれば、眼鏡レンズを、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して製造するための上述した方法を補うために設計されたシステムも提案される。本発明による、眼鏡レンズを、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して製造するためのシステムは、眼の屈折率の不足を補正するように設計されており、少なくとも第1物体側表面及び第2眼側表面を有し、
眼鏡レンズのターゲットデータを収集するための収集デバイスと、
眼鏡レンズの少なくとも一方の表面の計算又は最適化を、性能関数Fを最小にするように行うための計算デバイス及び最適化デバイスとを含み、
により、
ここで、
Figure 2009517704
ここで、
actual(i)は、i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の倍率を示し、
des(i) は、i番目の評価点での眼鏡レンズの所望の倍率を示し、
v,jは、i番目の評価点での眼鏡レンズの倍率の加重を示し、
actual(i)は、i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の収差を示し、
des(i) は、i番目の評価点での眼鏡レンズの所望の収差を示し、
z,jは、i番目の評価点での収差の加重を示す。
眼鏡レンズのターゲットデータは、詳細には、眼の屈折率の不足を補正するように設計された眼鏡レンズの所望の処方データである。従って、眼鏡レンズの処方データは、眼鏡レンズの所望の球面効果、円筒面効果、角柱効果、及び/又は多重焦点効果を含む。更に、眼鏡レンズのターゲットデータは、詳細には、屈折率、前面及び/又は後面の湾曲、及び/又は中央部の厚さを含む。眼鏡レンズのターゲットデータは、更に、眼鏡着用者の眼の前方の眼鏡レンズの構成に関するデータ、又は使用情況に関するデータを含む。使用情況は、詳細には、眼鏡レンズの側方傾斜及び前方傾斜、角膜頂距離、等を特徴とする。同様に、眼鏡レンズのターゲットデータは、観察されるべき物体空間のモデル又は物体距離に関する。
使用情況は、平均的使用情況又は特定の眼鏡着用者について個々に決定された使用情況である。観察されるべき物体空間のモデルは、更に、平均的モデルであってもよいし、特定の眼鏡着用者について視認タスク(seeing task) の関数として個々に決定されたモデルであってもよい。
眼鏡レンズの倍率及び/又は収差の計算は、好ましくは、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は収差を計算するための上文中に説明した計算方法に従って行われる。
下文において、本発明を添付図面を参照して一例として実施例によって説明する。
眼鏡レンズの倍率は、眼鏡レンズがある状態の網膜像と、眼鏡レンズがない状態の網膜像との間の商と定義される。
倍率を計算するため、先ず最初に適当な座標系を導入する。観察角倍率の場合、所与の観察方向についての座標系を以下の工程によって決定できる。
a)先ず最初に主位置の仮想眼(例えばモデル眼)に関してデカルト座標系を決定する。これは、z方向が光方向に向き、y方向が空間の上方に向き、x方向が観察者の右方に向くように行われる。点(x、y、z)=(0、0、0)は、眼Z’の回転点に配置される。
b)以下の変換式に従って極座標を各点(x、y、z)に割り当てる
Figure 2009517704
c)眼を所与の観察方向に回転させる。これに従って極座標系を回転させ、捩じりの参照方向についてのモデルと対応する。捩じりのモデルを式9と関連して詳細に論じる。
d)眼の回転点Z’を中心とした標準球を通る主ビームの穿孔点の極座標は、(r=1、φ=0、θ=0)である。角度座標(φ、θ)の全ての他の隣接したビームは、ゼロでない。
視角倍率の場合、同じ座標系を使用でき、相違点は、デカルト座標系についての回転中心(x、y、z)=(0、0、0)を眼の回転点に置く代りに、入射瞳に、即ち使用されたモデルと対応する点に配置するということである(例えば、場合によっては主平面に配置される)。
眼鏡レンズの倍率Γは、以下のように計算できる。観察角に基づく平面座標系では、眼鏡レンズを通して見た場合の極微小な対象の変化を、眼鏡レンズなしで見た場合と比較する。
眼鏡なしの場合には、下端の座標が(φ、θ)=(0、0)の矢印で示す極微小な対象の先端の座標は、(dφ、dθ)である。(’)が付けてない座標は、眼鏡又は眼鏡レンズなしで見た座標と対応する。この情況は、眼が眼鏡なしで仮定する観察方向の部分であり、捩じれ位置は、使用された参照方向モデルによれば、この観察方向の部分である。比較すると、一般的には、眼の観察方向及び従って捩じれ位置の相違は、プリズム効果による、眼鏡を通した同じ対象の観察の部分である。(’)を付けた座標系では、対象は異なるように見える。下端の座標が(φ’、θ’)=(0、0)であると、先端の座標は、(dφ’、dθ’)である。一般的には、このような変化は、(dφ、dθ)を(dφ’、dθ’)に変換する線型画像(linear image)によって表すことができる。
Figure 2009517704
式9では、Nは、眼鏡レンズの倍率行列を示す。
捩じれの参照方向を決定するために様々なモデルを使用できる。捩じれの参照方向は、好ましくは、距離についてのリスティングの規則(Listing's Rule for the Distance) に従って決定される。しかしながら、捩じれの参照方向は、近接性についてのリスティングの規則(Listing's Rule for the Proximity)に基づいてもよく、即ち水平方向平面と主ビームに対して垂直な平面との交線を参照方向として定めてもよい。この目的のため、式を式35乃至37の組とともに表示する。しかしながら、ここで重要なことは、様々なモデルは、入力側及び出力側での捩じれ移動に関してしか異なっておらず、倍率又は収差についての値Γ及びΖは、このような回転中、不変量である。
倍率行列Nは、2行2列行列として以下の形態で表現できる。
Figure 2009517704
倍率行列Nの対称形態の固有値が主倍率であり、その平均値により倍率Γが求められ、その差により収差Ζが求められる。従って、以下の式は、眼鏡レンズの倍率(ファクタとして又はパーセンテージとして表示される)に適用される。
Figure 2009517704
対応して、収差を以下の式に従って計算できる。
Figure 2009517704
図1は、眼鏡レンズによる屈折中の眼鏡レンズの局所倍率を計算する本発明による方法を例示するフローチャートである。
第1工程S1において、参照物体点から発した主ビームの経路を光線追跡によって決定する。その結果、入射角や反射角の夫々、境界面との交点等の主ビームのパラメータを決定できる。
視角倍率の場合、主ビームは、眼鏡レンズによる屈折後、眼の入射瞳を通過し、網膜に入射する光線と定義される。観察角倍率の場合、主ビームは、眼鏡レンズによる屈折後、眼の回転点Ζ’を通過し、網膜に入射する光線と定義される。眼の主平面を通過する主ビームを考慮することも考えられる。
図2は、眼鏡レンズを通過する主ビームHSの経路の概略図である。眼鏡レンズは、第1面即ち物体側前面10と、第2面即ち眼側後面20とを含む。これらの二つの表面は、任意の表面(例えば球面、非球面、トーリック面、非トーリック面、又は多重焦点面)であってもよい。図2に示す例では、前面10は 多重焦点面であり、後面20は非トーリック面である。
主ビームHSは、以下の成分及びベクトルの夫々の和として表現できる。
−ベクトルs;物体側主ビームHSの光の方向での、所定の観察方向で観察した物体点Oと、主ビームHSと前面10との交点D1との間のベクトル、
−ベクトルd;主ビームHSの光の方向での、主ビームHSと前面10との交点D1と、主ビームHSと後面20との交点D2との間のベクトル、
−ベクトルe;像側主ビームHSの光の方向での、主ビームHSと後面20との交点D2と、好ましくは、視角倍率の場合には眼30の入射瞳との間の、又は観察角倍率の場合には眼30の回転点との間のベクトル。
ベクトルeは、全ての主ビームが通過する点に関する。この点は、選択した倍率モデルに応じて変化してもよい。観察角倍率の場合、倍率の定義における角度比は、物体の下端から物体のチップまでの観察の変化中に眼が実施しなければならない観察偏向角度に関する。これとは対照的に、視角倍率の場合、前記角度は、眼が静止状態に保持されている場合に入射瞳から網膜像が見える角度と関連している。両方の種類の倍率を、一つの同じ式に従って計算できる。各場合において、ベクトルeは、全ての主ビームが通過する点に関する。視角倍率の場合、これは眼の回転中Ζ’であり、視角倍率の場合には、入射瞳の中心である。
ベクトルs(方向、長さs)、ベクトルd(方向、長さd)、及びベクトルe(方向、長さd)の対応するパラメータを光線追跡によって決定できる。ベクトルsの長さsは、焦点距離とも呼ばれる。
主ビームの経路の光線追跡によって、以下の事項を決定できる。
−主ビームHSと前面及び後面との交点D1及びD2、
−主ビームが、交点D1において前面10に関する法線ベクトルn1 に関して形成する入射角α及び反射角α’、
−主ビームが、交点D2において後面20に関する法線ベクトルn2 に関して形成する入射角α及び反射角α’。
法線ベクトルの値の前の符号(preceding sign)は、法線ベクトルが光方向に向かうように決定される。
主ビームの経路が決定されると直ぐに、第2工程S2において、眼鏡レンズによる屈折中の主ビームに関する局所波面の変化を計算する。眼鏡レンズによる屈折中の主ビームに関する波面の特徴を、波追跡によって、以下のデータから直接的に計算できる。
−既に決定された中央主ビームの特徴(眼鏡レンズでの入射角及び反射角、眼鏡レンズの夫々の表面との交点)、
−眼鏡レンズの所定の特徴(屈折率、厚さ、主曲率、及び主ビームと眼鏡レンズの夫々の表面との交点における眼鏡レンズの夫々の表面の方向)、及び
主曲率及び、所定の又は予め決定可能な観察方向での物体距離の仮定されたモデルで決まる来入波面の方向。
第3工程S3において、主ビームと隣接した光線の新たな光線計算なしで、眼鏡レンズの倍率を、主ビームと関連した局所波面の決定された特徴(主曲率及び主方向)から、決定する。
この場合、特に、当該技術分野から外れているが、有限の焦点距離又は有限の物体距離sを考慮に入れる。換言すると、来入局所波面の少なくとも一つの主曲率がゼロと等しくないことを考慮する。
好ましい実施例では、来入波面は、主曲率がゼロでなく同じ球である。
波面追跡による局所波面の特徴の決定を図3及び図4に示す。図3は、境界面又は屈折面40(例えば、眼鏡レンズの前面又は後面)での主ビームの経路及び局所波面の変化を示す概略図である。図4は、屈折面40を通過するときに屈折面で観察した、主ビームHSからの隣接光線NSの距離の変化を示す概略図である。図4では、αは、主ビームHSの入射角を示し、α’は屈折角を示し、n1 は、主ビームと屈折面40との交点での屈折面40に対する法線ベクトルを示す。
重要な倍率計算工程は、主ビームHSからの仮想隣接光の(極微小な)距離を考慮する工程と、境界面での屈折中に主ビームがどれ程変化するのかを追跡する工程とを含む。この距離を図3に矢印P1乃至P4で示す。矢印P1は、主ビーム及び隣接光が眼から見える角度を決定し、及びかくして倍率の定義に直接導入される。矢印P2は、屈折面の後側でのこの距離を表し、矢印P3は、境界面40での屈折直前である。矢印P4は、所定距離での、又は屈折面40の前方の所定位置での間隔を表す。実際の計算では、この位置は、例えば、別の屈折面の後側に又は物体自体に配置される。矢印P4は、全体として、長さが異なり、必要に応じて矢印P3と方向が異なる。これは、主ビーム及び隣接光が、全体として、屈折面の前方で捩じれをなして延びているためである。
屈折面での屈折中の極微小な物体の変化を図4に更に詳細に示す。
図4に示すように、
Figure 2009517704
ここで、
h1は、屈折前の主ビームと隣接光との間の距離を示し、
h1’は、屈折後の主ビームと隣接光との間の距離を示す。
※hは、屈折面40と主ビームHSとの交点(点D1)と、屈折面40と隣接光NSとの交点(点D1’)との間の距離を示す。
第1近似において、眼鏡レンズの倍率は、眼鏡レンズ−眼システムの簡略化したモデルに基づいて計算できる。このモデルでは、同軸の光線を考慮する。しかしながら、本発明によれば、物体距離に対して何の要求もない。
図5は、主ビームが表面に垂直に入射する場合の近軸近似における主ビームの経路及び波面の変化を示す。
図5では、HSは主ビームを示す。主ビームは、その経路が表面に関して垂直であるため、物体からレンズを通って光方向Lに屈折なしで前進する。Sは、物体から入射する波面の、眼鏡レンズの前面10の位置のところでの曲率行列を示し、これに対しS’は、前面10から延びてレンズの内部で終端する波面の曲率行列を示す。更に、図5では、sは、焦点距離を示し、dは眼鏡レンズの中心の厚さを示す。
は、眼鏡レンズの前面10の表面パワー行列に関し、Dは、後面20の表面パワー行列に関する。
波面Sは未だに球形であり、及び従って、標準行列と比例するけれども、S’は、前面10又はDが球形である場合だけ全体として球形であり、そうでない場合には、S’は、円筒形である。眼鏡レンズを通るその経路中、波面の曲率が大きくなればなる程、カバーされるべき距離dが長くなる。従って、曲率行列Sの波面が後面20に到達する。後面20での屈折中、波面は、最終的には、曲率行列S’になる。
好ましい実施例では、眼鏡レンズは第1及び第2の回転対称面(例えば球面)を有する。i番目(i=1、2)の表面の表面パワーは、以下の式に従って決定できる。
Figure 2009517704
ここで、
nは、眼鏡レンズの屈折率を示し、
i a,b、i=1、2は、i番目の表面の主曲率を示す。
上文中に詳細に説明したように、光線追跡によって、主ビームの経路、及び詳細には上述のベクトルs、d、及びeの成分を決定できる。
倍率行列Nは、眼鏡レンズのデータ、来入波面のデータ、並びに主ビームの決定されたデータに基づいて分析的に計算できる。近軸近似では、ここで説明する回転的に対称な場合には、倍率行列Nは、標準行列1と比例し、及び従って、スカラー量として以下のように記述できる。
Figure 2009517704
ここで、Nは、眼鏡レンズの求めるスカラー倍率を表す。
有限の焦点距離sを考慮すると、倍率Nは、以下の式に従って計算できる。
Figure 2009517704
σは、有限の焦点距離sを考慮した換算係数を示し、以下の式19に従って計算される。
Figure 2009517704
ベクトルs、d、及びeは、上文中に説明したように、主ビームの光線追跡によって決定される。
局所波面の変化は、以下の式に従って表される。
Figure 2009517704
ここで、
=1/sは、主ビームと前面との交点に入射した局所波面の曲率を示し、
は、主ビームと後面との交点に入射した局所波面の曲率を示す。
近軸の場合には、現実的な物体モデル又は観察される物体空間のモデルを考慮して球形の前面及び後面を持つ眼鏡レンズの倍率を簡単に且つ正確に計算する上で式16乃至23が特に適している。
本発明の別の好ましい実施例によれば、眼鏡レンズの倍率を計算するとき、有限の焦点距離に加え、眼鏡レンズの回転対称でない表面形態も考慮する。眼鏡レンズの倍率について得られた表現が、トーリック面又は局所トーリック面等の回転非対称表面を持つ眼鏡レンズについて同軸近似で任意の有限物体距離について、正確な結果を提供する。
図6は、屈折面での全ての角度及びベクトルの概略図である。これらの角度及びベクトルは、屈折面の屈折率及び主曲率の説明と関連する。一例として、図6の屈折面は、眼鏡レンズの第1(i=1)面即ち前面10である。図6では、参照番号12は、眼鏡レンズの前面の屈折面を示し、参照番号14は、湾曲が小さい主断面を示し、参照番号16は、方向qに延びる湾曲が大きい主断面を示し、全ての量は、主ビームHSと前面との交点での局所量と関連する。ベクトルpは、前面10での屈折面12に対する法線ベクトルを示し、ベクトルn1 は、主ビームHSと前面との交点での前面10の法線ベクトルを示す。
眼鏡レンズのi番目(i=1、2)の回転対称表面の所定の点での局所表面パワーを、表面パワー行列Dによって決定できる。
Figure 2009517704
式24では、sphi、i=1、2は、球形の等価物を示し、zyli、i=1、2は、眼鏡レンズのi番目の表面の円筒体を示す。
Figure 2009517704
ここで、
i a,b、i=1、2は、眼鏡レンズのi番目の表面の主曲率半径であり、
Ψは、i番目の表面の屈折面の法線ベクトルpiと、湾曲が大きい主断面16が延びる方向qとの間の角度を示す。この場合、この方向での値の前の符号は、qのx成分が正であることによって決定される。
前面10の一例である図6に示す角度ψiの回転方向は、図示の座標系のx−y平面に関して数学的に正の方向に延びる。i番目の表面の法線ベクトルをni で示す場合には、角度Ψは、以下の式によって明瞭に定義される。
Figure 2009517704
任意の表面(これらの表面は、しかしながら、主ビームによって垂直に貫かれるように空間内に配置されている)の場合には、近軸近似では、倍率行列Nを以下の式に従って計算できる。これらの式では、N -1 、Ne -1 、Ns -1 、S1,2、S'1,2、D1,2は、各々、行列の形態で表される。
Figure 2009517704
ここで、
e -1 は、固有倍率の逆行列を示し、
s -1 は、システム倍率の逆行列を示し、
換算係数σは式19に従って計算される。
局所波面の変化を以下のように説明できる。
Figure 2009517704
ここで、
は、局所曲率、即ち眼鏡レンズの物体側表面上での球状入射波面の輻輳行列を示し、
S'、i=1、2は、局所曲率、即ち眼鏡レンズのi番目の表面で屈折の法則に従って屈折した後の波面の輻輳行列を示し、
は、眼鏡レンズの第2面即ち眼側表面に入射した波面の曲率の行列を示し、これは、前面からの伝達後に計算されるべきである。
上掲の式28乃至34において、全ての局所量(S'、D、S 、等)は、主ビームと眼鏡レンズの夫々の表面との交点での対応する局所量に関する。式28乃至34は、式16乃至23の直接的行列拡張(direct matrix expansion) と考えることができる。近軸の場合には、式28乃至34により、任意の眼鏡レンズの、即ち回転非対称表面、詳細には非球面、非トーリック面、及び多重焦点面を持つ眼鏡レンズの倍率を、現実的な物体モデルを考慮して簡単に且つ迅速に計算できる。
倍率N及び収差Ζを、式11及び12に従って、倍率行列Nのパラメータから夫々計算する。
式16乃至23並びに式28乃至34を近軸近似、即ち、眼鏡レンズの前面10上への局所波面の垂直入射に適用する。しかしながら、これらの式を、眼鏡レンズの有限焦点距離s及び任意の非球面に加え、図2に示すように、主ビームの任意の経路(即ち任意の入射角及び反射角)を考慮するように、更に展開してもよい。
一般的な場合、倍率行列Nを逆行列として表すのが最も実際的である。
Figure 2009517704
換算係数σは、式19に従って、主ビームのパラメータ及び光線追跡によって夫々決定されたベクトルS 、d、eを考慮して決定される。
固有倍率の逆行列Ne -1 及びシステム倍率の逆行列Ns -1 を、以下の式に従って計算する。
Figure 2009517704
眼鏡レンズのi番目の表面での屈折後の波面の曲率行列S'1についての表現、又は眼鏡レンズの第2面即ち物体側表面に入射した波面の曲率行列S についての表現をNe -1 及びNs -1 の計算に入れ、主ビームの任意の傾斜した入射又は近軸でない到達波面の入射もまた考慮されるように補正する(表1参照)。
同様に、i番目の表面と主ビームとの交点でのi番目の表面の局所表面パワー行列についての表現を、近軸でない波面の入射もまた考慮されるように補正する(表1参照)。
表1は、式35、36、及び37の個々のファクタの重要性を示す。ここでは、添え字i=1、2は、眼鏡レンズの前面(i=1)又は後面(i=2)を示す。主ビームと眼鏡レンズの夫々の表面との交点で個々のファクタ又は量を常に評価する。(’)が付してないファクタ又は量は、夫々の表面の物体側で評価されたものであり、(’)を付したファクタ又は量は、夫々の表面の画像側で評価されたものである。
倍率及び収差についての結果(式11及び12参照)が、眼側又は画像側主ビームを中心とした回転の参照方向を決定するモデルの選択とは関係がないとしても、距離についてのリスティングの法則の好んで使用されたモデルをここに示す。距離についてのリスティングの法則に従って、眼を、主位置から、回転後の主ビームの成分(x、y、z)によって特徴付けられる特定の観察方向に回転させたとき、新たなx方向は、全体として、i番目の表面での屈折面に対して垂直な標準ベクトルpi=(pi,x 、pi,y 、pi,z )i=1、2を持つ有限角度を形成する。この場合、piの値の前の符号は、クロス乗積pi=HS×ni、i=1、2によって決定される。ここで、ni は光方向に配向されたi番目の表面の法線ベクトルであり、HSは夫々の表面に向かって延びる主ビームの部分であり、即ちHS=sであり、HS =dである。倍率行列の計算中に生じる行列Ri 、i=1、2には、眼システムから、新たなx方向によって与えられる、屈折追跡を行うためのシステムへの変換する役割がある。表1で提供された行列の定義は、以下の式によって与えられる関連回転角度と関連する。
Figure 2009517704
換言すると、式35のコントリビューション(contribution)の相似アサインメント(analogous assignment)は、回転行列R1 、R2 が、主ビームを中心とした式8によって定義された参照方向と、屈折面の座標系との間の変換を記載するということを含む。R12は、眼鏡レンズの二つの表面10及び20の屈折面の座標系間の変換を説明する。Ne -1 は、前面から後面までの変換中の波面の曲率の変化、並びに主ビームと隣接光との間の捩じれ配向による二つの表面間の方向矢印の転回を説明する。最後に、T1-1 及びT2-1 は、 夫々の表面での屈折中のこの距離の変化を説明する。これらの行列は、対角優位であり、屈折面に対して垂直な成分が1である。これは、屈折面に対して垂直な成分の主ビームと隣接光との間の距離が変化しないためである。これとは対照的に、図4に示すように、入射角及び反射角のコサインの比が屈折面内で生じる。
表1は、式35、36、及び37における結果を評価するための式の組である。
R1=R(φ)は、前面のシステムからの物体側主ビームsに対して垂直な平面内の2×2回転行列であって、この行列は、選択されたモデルの部分である適当な参照方向pでの、前面の屈折面に対して垂直な法線ベクトルpによって形成される。
φは、法線ベクトルpと参照方向ベクトルpとの間の角度である。
R2=R(φ)は、後面のシステムからの物体側主ビームeに対して垂直な平面内の2×2回転行列であって、この行列は、回転行列R1 と同じモデルの部分である対応する参照方向pでの、後面の屈折面に対して垂直な法線ベクトルpによって形成される。
φは、法線ベクトルpと参照方向ベクトルpとの間の角度である。
R12=R(φ12)は、表面間の主ビームdに対して垂直な平面内の2×2回転行列であって、この行列は、前面の屈折面に対して垂直な法線ベクトルpを、後面での対応する法線ベクトルp(即ち、後面の屈折面に対して垂直なベクトル)に変換する。
φ12は、法線ベクトルpとpとの間の角度である。
Figure 2009517704
は、2×2回転行列の一般的な式である。
Figure 2009517704
は、i番目の表面での主ビームの斜入射が倍率に及ぼす影響を考慮するための2×2傾斜行列である。
αは、i番目の表面での入射角であり、即ち、i番目の表面に入射した主ビームに沿ったベクトルとi番目の表面に対して垂直な法線ベクトルni、i=1、2との間の角度である。
α’は、i番目の表面での反射角であり、即ちi番目の表面から出る主ビームに沿ったベクトルとi番目の表面に対して垂直な法線ベクトルni、i=1、2との間の角度である。
Figure 2009517704
は、前面に入射する球形波面の局所曲率即ち輻輳行列である。
Figure 2009517704
は、主ビームの斜入射角度を考慮して屈折の法則に従って計算した、i番目の表面での屈折後の波面の局所曲率即ち輻輳行列である。
Figure 2009517704
は、前面からの伝達後に計算した、後面に入射した波面の局所曲率即ち輻輳行列である。
Figure 2009517704
は、波面の非近軸入射を考慮した、i番目の表面と主ビームとの交点でのi番目の表面の補正した局所面パワー行列である。
は、式24、25、及び26に従って計算したi番目の表面の局所面パワー行列である。
Figure 2009517704
は、前面での主ビームの斜入射角度を考慮するための補正ファクタである。
Figure 2009517704
は、後面での主ビームの斜入射角度を考慮するための補正ファクタである。
簡単な球の場合には、倍率行列Nについての一般的な表現は、式35に従って、倍率Nについての従来の式(図1乃至図7を比較されたい)に変化する。
詳細には、以下のことがいえる。
a)近軸の場合には、円筒形表面を仮定すると、全ての入射角及び反射角がゼロになる。従って、全てのC行列、T行列、及びRは、標準行列1と等しくなり、ν補正ファクタが1に等しくなる。
b)有限物体距離について、入射波面の曲率Sがゼロになり、S'2がS'になる。これと対応して、以下の式が成立する。
e -1=1−(d/n)D及びNs -1=1−eS'
換算係数σは1に等しくなる。
c)更なる簡略化として、表面は円筒形表面でなく、更に純粋な球であり、Ne -1 及びNs -1 及び従って、N -1 に標準行列を乗じ、スカラーで、特に詳細には、眼鏡レンズの倍率についての従来の式1の形態で表現できる。
式35は、任意の数の表面について展開できる。例えば四つの表面の場合には、倍率行列は、以下の式に従って計算できる。
Figure 2009517704
ここで、個々のファクタの重要性は、夫々の表面に対して表1に示してある。表1では、
−式47は、第1表面での屈折後の倍率行列N1-1 及び局所波面S'を示し、
−式48は、第2表面での屈折後の倍率行列N2-1 及び局所波面S'を示し、
−式49は、第3表面での屈折後の倍率行列N3-1 及び局所波面S3'を示し、
−式50は、第4表面での屈折後の倍率行列N4-1 及び局所波面S4'を示す。
図7a、図7b、及び図7cは、近参照点で有限局所長sが多重焦点眼鏡レンズの倍率に及ぼす影響を示す。図7a、図7b、及び図7cは、従来の眼鏡レンズ、商業的に入手可能な眼鏡レンズ、及び多重焦点眼鏡レンズの三つの異なる種類の眼鏡レンズに関する。これらのレンズは、ローデンストック社の多重焦点LIFE1(図7a参照)、多重焦点LIFE2(図7b参照)、及びインプレッションILT(図7c参照)である。全ての多重焦点眼鏡レンズは、5.0dptの球面効果を有し、2.0dptが追加される。
表2は、図7a、図7b、及び図7cに示す多重焦点眼鏡レンズの幾何学的パラメータと、近参照点Bnでの様々な眼鏡レンズ(多重焦点LIFE1、多重焦点LIFE2、インプレッションILT)についての式11b(類似)と関連した、夫々の式35、36、及び37による、研鑽した、固有の及び全倍率(%)と、仮想無限物体距離s→−∞についての限度値を示す。
Figure 2009517704
近参照点Bでの全倍率N(s)の数値の順序は、全ての眼鏡レンズの場合に僅かしか変化せず、同様に物体距離sの関数として変化する。全倍率をシステム倍率N(s)及び固有倍率N(s)に分割することにより、有限物体距離の場合の厳密な意味を失う。これは、仮想量N及びNが、無限物体距離の場合のアフォーカルシステムの近軸モデルと適合する。しかしながら、一般的な条件では、N(s)に対する追加のコントリビューションがあり、これはNにもNにもアサインできない。これは、例えば斜入射の効果又は有限物体距離の場合の換算精度σの効果による。それにも拘わらず、部分行列N(s)及びN(s)から、固有値及び方程式(11a、b)と等価の夫々の平均値を形成し、次いで数値をシステム倍率N(s)及び固有倍率N(s)へのコントリビューションとして解釈するのが非常に興味深い。従って、これらの数値は、N(s)に加え、図7a乃至図7cにおいて、物体距離の関数として含まれる。ボトムライン「斜入射」によって、物体距離とは無関係であり且つ行列Ti から始まり、以下の式の関係で定義される影響が表示される。
Figure 2009517704
図7a乃至図7cで「コンシステンシー(consistency) 」で表す部分は残りを示し、これは、詳細には、以下の関数によって表される。
Figure 2009517704
夫々の眼鏡レンズの倍率を計算するときに考慮した物体距離は、各場合において、図7a乃至図7cの横座標でメートル単位で表される。値の前の符号が(−)であるのは、物体側距離を示す。量
Figure 2009517704
を図7a乃至図7cの夫々の縦座標に(上方に)とる。
図8は、前面の湾曲が眼鏡レンズの全倍率に及ぼす影響を、使用した倍率モデルの関数として示す。
図9は、眼鏡レンズの中央部の厚さが眼鏡レンズの全倍率に及ぼす影響を、使用した倍率モデルの関数として示す。
図8及び図9に示す眼鏡レンズは、ローデンストック社のインプレッションILT型設計の商業的に入手可能な眼鏡レンズであり、以下のパラメータを有する。即ち、sph=0.5dpt、Cly=0.0dpt、add=2.0dptである。
前面の湾曲即ち表面輪郭を図8の横座標にdptで入力する。倍率Γを縦座標に%で入力する。(式11bと比較されたい)。眼鏡レンズの中央部の厚さの眼鏡レンズの屈折率に対する比を図9の横座標にmmで入力する。倍率Γを縦座標に%で入力する。(式11bと比較されたい)。
図8及び図9において、線L1は、クラッシック方程式1に従って計算した眼鏡レンズの全倍率に関する。線L2は、式16と関連して式11bに従って計算した倍率(即ち、スカラー近似での倍率)に関する。線L3は、式35と関連して式11に従って計算した倍率についての正確な表現に関する。
図8及び図9に示すように、クラッシック方程式1に従って計算した眼鏡レンズの倍率は、特に比較的高い前面の曲率深度について、又は比較的大きな中央部の厚さについて、現実の物体モデルを考慮して計算された眼鏡レンズの実際の倍率から部分的に大幅にずれる。この場合、スカラー近似(式16)によって計算した倍率と正確な式(式35)に従って計算した倍率との間の差は比較的小さい。
眼鏡レンズの評価を行う場合、上掲の式に従って計算した眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を、眼鏡レンズを通した静的に及び動的に見た印象を考慮に入れることができる。評価されるべき眼鏡レンズのデータ(厚さ、立ち上がり高さ、及び/又は前面及び後面の局所曲率)は、所定の眼鏡レンズの理論的データであってもよいし、計測したデータであってもよい。コンピュータによる高い費用なしで倍率及び/又は収差の計算が行われるため、実際の局所倍率及び/又は局所収差を考慮に入れた眼鏡レンズの評価を、複雑な非球面眼鏡レンズ、非トーリック眼鏡レンズ、及び多重焦点眼鏡レンズについて、実時間で、又はオンラインで行うことができる。等値線又は色分けによって視覚化された眼鏡レンズの局所倍率及び/又は収差の分布を、例えば、眼鏡士が顧客にアドバイスする上で、又は最適(材料、フレーム、曲率、厚さ、等)の眼鏡レンズを選択する上で役立つ方法で使用できる。本発明による計算方法及び評価方法の夫々の別の利点は、局所倍率及び/又は収差を計算し、眼鏡レンズを評価する場合に、眼鏡着用者の眼の個々のパラメータ(処方値、瞳孔間距離、角膜頂距離、等)、使用位置(前方傾斜、フレームピース角度、等)のパラメータ、及び/又は物体モデル(行われるべき仕事の関数としての物体距離)のパラメータも考慮に入れることができるということである。その結果、具体的な眼鏡着用者が眼鏡レンズを通して見る場合に感じる倍率及び/又は収差の正確な印象を考慮できる。
同様に、眼鏡レンズの最適化を行う場合、及び詳細には表面の最適化を行う場合、上掲の式のうちの一つの式に従って計算した倍率及び/収差を考慮に入れることができる。
眼鏡レンズの最適化又は眼鏡レンズの表面の最適化は、性能関数Fが最小になるように行われる。
Figure 2009517704
ここで、
actual(i)は、i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の倍率を示し、
des(i) は、i番目の評価点での眼鏡レンズの所望の倍率を示し、
z,jは、i番目の評価点での眼鏡レンズの倍率の加重を示し、
Ζactual(i)i番目の評価点での眼鏡レンズの実際の収差を示し、
Ζdes(i) i番目の評価点での所望の収差を示し、
z,jは、i番目の評価点での収差の加重を示す。
最適化方法は、幾つかの反復工程を含んでいてもよい。
好ましい実施例では、本発明による最適化は、眼鏡レンズの倍率又は収差を考慮に入れる場合にのみ行われる。この場合、性能関数Fの倍率の加重Gv,j又は性能関数Fの収差の加重Ζactual(i)は、ゼロに等しい。
眼鏡レンズの倍率及び/又は収差に加え、好ましくは、眼鏡レンズの最適化を行うことができる。この最適化は、パワーの分配又は屈折誤差及び/又は乱視誤差の分布を考慮に入れるように行われる。屈折誤差及び/又は乱視誤差に関する最適化は、好ましくは、使用値及び/又は眼鏡レンズの使用位置での乱視の値を考慮に入れることによって行われる。
眼鏡レンズの局所倍率及び/又は収差を計算するとき、並びに眼鏡レンズの最適化を行うとき、標準的な眼の特性(瞳孔間距離、主平面の位置、眼の回転点の位置、入射瞳の位置、等)についての平均値を考慮に入れてもよい。更に、眼鏡レンズを平均的な使用位置(眼鏡レンズの側方への傾斜及び前方への傾斜、角膜頂距離、等を特徴とする)に配置できる。同様に、観察されるべき物体の平均的なモデル又は物体距離を考慮してもよい。好ましくは、眼鏡レンズの最適化は、このモデルで計算した眼鏡レンズ−眼システムの局所倍率及び/収差の分布、並びに、好ましくは、使用位置の眼鏡レンズの使用値(即ち使用位置の眼鏡レンズのパワー)及び/又は乱視の分布を考慮に入れて行われる。最適化の目的は、眼鏡レンズの倍率及び収差の最小値の局所変化をできるだけ小さくすることであり、並びに、及びこれに加えて、屈折誤差及び/又は乱視誤差を、特に、好ましくは、使用値又は使用位置における乱視に対してできるだけ小さくすることである。
このようにして最適化した眼鏡レンズは、倍率及び/又は収差に関して有利な特徴を持つばかりでなく、屈折誤差及び乱視誤差に関して有利な特徴を持つ。
別の特に好ましい実施例では、眼鏡着用者の眼の個々のパラメータ(瞳孔間距離、主平面の位置、眼の回転点の位置、入射瞳の位置、等)、眼鏡レンズが配置された個々の使用情況(眼鏡フレームに配置した眼鏡レンズの側方傾斜及び前方傾斜、角膜頂距離、瞳孔間距離、等)、眼鏡レンズの所期の使用(読書用眼鏡、スポーツ用眼鏡、等)、及び/又は観察されるべき物体空間の個々のモデルを考慮して局所倍率及び/又は局所収差の計算並びに眼鏡レンズの最適化又は眼鏡レンズの表面最適化を行う。例えば、眼鏡の注文時に眼鏡士が個々のデータを決定してもよいし、眼鏡レンズの処方データ(球形、円筒形、角柱形、及び/又は多重焦点効果)とともに、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を計算するための本発明によるシステム及び/又は好ましくは遠隔データ伝送即ちオンラインによって眼鏡レンズを製造するための本発明によるシステムに伝達してもよい。
これによって、所定のフレームに配置した眼鏡レンズを通して見るとき場合に眼鏡着用者が感じる実際の倍率及び/又は収差を決定でき、及びかくして特定の眼鏡レンズ及び/又は特定の眼鏡フレームの選択を補助できるようになる。
更に、個々のデータを、眼鏡レンズの処方データとともに、遠隔データ伝送即ちオンラインによって、眼鏡レンズを製造するための本発明によるシステムに伝送することが考えられる。倍率及び/又は収差の分布を(単一の又は追加のパラメータとして)考慮した眼鏡レンズの最適化が、伝送された個々のデータ及び処方データに基づいて行われる。好ましくは、眼鏡レンズの二つの表面の一方、好ましくは前面の物体側は、簡単な回転対称面である。眼鏡レンズの最適化は、反対側の表面、好ましくは後面の眼側の表面を、上掲の性能関数が最小になるように最適化することを含む。かくして最適化がなされた表面は、概して、回転対称でない表面であり、例えば、非球面又は非トーリック面である。倍率及び/又は収差を考慮して最適化した眼鏡レンズ又は眼鏡レンズ表面は、ミネラルガラス又はプラスチック材料から、例えば数値制御工具によって製造できる。
図10a乃至図13bは、単一強度レンズの局所倍率及び局所収差の分布を、同じ%の倍率又は収差の 等値線として示す。二つの等値線間の距離は1%である。局所倍率及び局所収差は、各場合において、式11b又は12bに従って、式35と関連して計算される。この場合、計算中、眼の入射瞳を通過する主ビームを考慮する。換言すると、図示の倍率及び収差は、視角の倍率及び収差である。
更に、図10a乃至図13bに示す倍率及び収差を計算するとき、眼鏡レンズの所定の使用情況を考慮する。これは、以下のパラメータを特徴とする。
角膜頂距離(HAS)=15.00mm
前方傾斜=0.0°
フレームピース角度=0.0°
瞳孔間距離=63.0mm
眼の回転点距離e=28.5mm
物体距離モデルは以下の通りである。
図10a、b、図11a、b、図12a、b、及び図13a、b:物体が全ての観察方向について無限である
図10c、d、及び図12c、d:眼鏡レンズの上区分の無限物体距離が、多段階で、x=0mm、y=−20mmのところで−2.6dptの物体距離に変化する。
図10a乃至図13bの全ての図は、眼鏡レンズの前面に関して接線をなして配置した、原点を眼の前方のゼロ観察方向に配置したデカルト座標系に関する。x−y平面はゼロ観察方向に対して垂直であり、x及びyの全ての座標値は、mmで示してある。
図10a−d及び図11a、bに示す眼鏡レンズは、球面効果が−4.0dpt(sph=−4.0dpt)であり、円筒形効果が0.0dpt(cyl=0.0dpt)であり、角柱効果が0.0cm/mであり、屈折率がn=1.597であり、前面の曲率がD=2.0dptであり、並びに中央部厚さがd=1.5mmである。
図11a及び図11bは、後面が球面として形成された従来の単一強度眼鏡レンズに関する。この眼鏡レンズの結果的最大収差は、眼鏡レンズの縁部で約19%にのぼる(図11bと比較されたい)。眼鏡レンズのレンズ中心の倍率は約−7%であり、眼鏡レンズの周囲では約−17%である(図11aと比較されたい)。
図10a乃至図10dは、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して後面を本発明の最適化方法に従って最適化した単一強度レンズに関し、眼鏡レンズの最適化中、全ての観察方向での無限物体距離を考慮した。
図10a、bは、本発明の方法に従って最適化したこの眼鏡レンズの局所倍率(%)及び局所収差(%)を示す。これらの計算は、各々、式11b及び12bの夫々に従って、式35と関連して、全ての観察方向での無限物体距離(s→∞)を考慮して行われた。図10c、dは、本発明に従って最適化した同じ眼鏡レンズの局所倍率(%)及び局所収差(%)の夫々を示す。これらの計算は、各々、式11b及び12bの夫々に従って、式35と関連して、物体距離モデルを考慮して行われた。眼鏡レンズの上区分の無限物体距離は、計算に従って多段階に変化し、x=0mm、y=−20mmでの物体距離は−2.6dptである。
図10bに示すように、最大収差値が4%以下に減少する。眼鏡レンズの周囲での倍率は、−2%の値に達する(図10aと比較されたい)。
眼鏡レンズの上領域で無限物体距離を提供する選択された物体距離モデルのため、局所倍率及び局所収差の図示の分布が、一方では図10a、bにおいて、他方では図10c、dにおいて、本質的に同じである。しかしながら、図10a、bを図10c、dと比較すると、y<0mmの領域に相違が見られる。図10dの収差の最大値もまた4%よりも小さい(図10dと比較されたい)。眼鏡レンズの周囲の倍率は、−1%の値に達する(図10cと比較されたい)。
円筒形処方の単一強度レンズについて、対応する改良を行うことができる。図12a乃至図13bは、−4.0dpt(sph=4.0dpt)の球形処方、及び0°の軸線を持つ2.0dpt(cyl=2.0dpt、軸線=0°)の円筒形処方の単一強度眼鏡レンズに関する。図12a乃至図13bに示す単一強度眼鏡レンズは、更に、屈折率がn=1.597であり、前面の曲率がD=2.0dptであり、並びに中央部厚さがd=1.5mmである。
図13a及び図13bは、後面が従来技術に従ってトーリック面として形成された従来技術の単一強度眼鏡レンズの倍率を%で示し(図13a参照)、収差を%で示す(図13b参照)(%は、同じ倍率又は収差の等値線として示してある)。この従来の眼鏡レンズは、収差が最大24%であり(図13bと比較されたい)、倍率が最大−15%である(図13aと比較されたい)。図13a及び図13bに示す倍率及び収差の計算は、眼鏡レンズの使用位置で、全ての観察方向での無限物体距離を考慮して行われた。
図12a乃至図12dは、眼鏡レンズの最適化中の収差及び全ての観察方向での無限物体距離を考慮して本発明に従って最適化した単一強度眼鏡レンズの倍率(図12a、図12c参照)及び収差(図12b、12d参照)を示す(これらは、同じ倍率又は収差の等値線として示してある)。
図12a及び図12bに示す局所倍率(%)及び局所収差(%)の計算は、各場合において、各々、式11b及び12bの夫々に従って、式35と関連して、全ての観察方向での物体距離を考慮して行われた。本発明に従って最適化した、図12c及び図12dに示す眼鏡レンズの倍率及び収差を計算するとき、物体距離モデルを考慮する。この物体距離モデルに従って、眼鏡レンズの上区分の無限物体距離が、段階的に、x=0mm、y=−20mmで−2.6dptの物体距離に変化する。
眼鏡レンズの収差の最適化を考慮して眼鏡レンズを本発明に従って最適化する場合、最大倍率の値は−7%まで低下する(図12a、図12cと比較されたい)。最大収差は−4%の値に達する(図12b、図12dと比較されたい)。驚くべきことに、性能関数に収差しか含まれていないけれども、倍率の大幅な改善を行うこともできるということがわかった。本発明に従って最適化した眼鏡レンズの比較的大きな領域では、倍率の量は6%以下に過ぎない(図12aと比較されたい)。
図14は、眼鏡レンズの局所倍率及び局所収差を計算するための、及び眼鏡レンズの少なくとも一方の表面を計算するための又は最適化するための好ましいシステムの一例を示す概略図である。
好ましいシステムは、少なくとも一つの第1コンピュータ100を持つコンピュータシステム50を含む。しかしながら、コンピュータシステム50は、随意であるが、(単方向性、双方向性、及び/又は多方向性)ネットワーク300によって互いに接続された複数のコンピュータ10q、q=1、2、・・・を含んでいてもよい。
コンピュータ100は、プロセッサ110、メモリー120、及びバス130を有する。更に、コンピュータ100は、入力デバイス120及び/又は出力デバイス150を含んでいてもよい。コンピュータ100のエレメント110乃至170は、コンピュータ101、102、等の対応するエレメントを概略に示すものである。コンピュータ100は、例えば、従来のパソコン(PC)、マルチプロセッサコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ポータブルPC(ラップトップ型)、又は定置のPC、等である。
更に、コンピュータにローディングして実行したとき、眼鏡レンズの局所倍及び/又は局所収差を計算するためのプロセスを実施できるように設計されたコンピュータプログラム製品200が提供される。コンピュータプログラム製品200は、物理データキャリヤ即ちプログラムキャリヤ210に記憶できる。コンピュータプログラム製品は、プログラム信号として提供されてもよい。
コンピュータ100のプロセッサ110は、例えば、中央演算処理ユニット(CPU)、マイクロ制御ユニット(MCU)、又はデジタル信号プロセッサ(DSP)である。
メモリー120は、データやコマンドを、時間的に限定された態様で、又は永久的に記憶するエレメントを象徴するものである。しかしながら、更によく理解するため、メモリー120をコンピュータ100の部分として示す。記憶機能は、例えばプロセッサ自体(キャッシュメモリーやレジスター等)及び/又はネットワーク300、例えばコンピュータ101/102等の他の場所で行うことができる。記憶デバイスは、読取専用メモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、プログラム可能又はプログラム不能PROMであってもよいし、記憶デバイスに他のアクセスオプションが設けられていてもよい。メモリー120は、物理的に実施されてもよいし、コンピュータ読取可能プログラムキャリヤに記憶されていてもよく、例えば、
(a)磁気キャリヤ(ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ)、
(b)光学式キャリヤ(CD−ROM、DVD)、
(c)半導体キャリヤ(DRAM、SRAM、EPROM、EEPROM)
に記憶されていてもよい。
メモリー120は、随意であるが様々なメディアに亘って分配されている。メモリー120の部分は、固定的に取り付けられていてもよいし、交換自在に取り付けられていてもよい。コンピュータ100について、読取り及び書き込みを行うためのフロッピーディスクドライバー等の周知のデバイスが使用される。
メモリー120は、基本入出力システム(BIOS)、オペレーティングシステム(OS)、プログラムライブラリ、コンパイラ、翻訳機、及び/又はスプレッドシートプロセスプログラム及び/又はワードプロセスプログラム等の支援システムを記憶する。明瞭化を図る目的のため、これらの構成要素は図示しない。支援構成要素は商業的に入手可能であり、コンピュータ100に設置でき、及び/又は当業者が実施できる。
プロセッサ110、メモリー120、及び入出力デバイスを少なくとも一つのバス130によって接続し、及び/又は随意であるが(単方向性、双方向性、及び/又は多方向性)ネットワーク300(例えばインターネット)によって接続し、又は互いに接続する。バス130並びにネットワーク300は、コマンド並びにデータ信号を伝達する論理的及び/又は物理的接続部を提供する。コンピュータ100内の信号は主として電気信号であり、これに対し、ネットワーク内の信号は、電気信号であってもよいし、磁気信号であってもよいし、光学的信号であってもよく、又は無線信号であってもよい。
ネットワーク環境(ネットワーク300等)は、通常は、オフィス、ビジネスコンピュータネットワーク、イントラネット、及びインターネット(即ちワールドワイドウェブ)内にある。ネットワーク内のコンピュータ間の物理的距離は意味を持たない。ネットワーク300は、ワイヤレスネットワークであってもよいし有線ネットワークであってもよい。ネットワーク300の実施例の考えられる例は、以下の通りである。ローカルネットワーク(LAN)、無線ローカルネットワーク(WLAN)、広域ネットワーク(WAN)ISDNネットワーク、赤外線接続(IR)、ユニバーサルモバイル通信システム(UMTS)や衛星接続等の無線接続。伝送プロトコル及びデータフォーマットは周知である。その例は、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ハイパーネットトランスファープロトコル(HTTP)、ユニークリソースロケーター(URL)、ハイパーテキストメイクアップ言語(HTML)、拡張可能メイクアップ言語(XML)、無線アプリケーションメイクアップ言語(WML)、無線アプリケーションプロトコル(WAP)、等である。
入力デバイス及び出力デバイスは、使用者インターフェース160の部分であってもよい。
入力デバイス140は、コンピュータ100によって演算処理を行うためのデータ及び指令を提供するデバイスを表す。例えば、入力デバイス140は、キーボード、指示デバイス(マウス、トラックボール、カーソル矢印)、マイクロホン、ジョイスティック、又はスキャナである。例は、好ましくはグラフィックユーザーインターフェースにより人間が介在するシステムを含むけれども、デバイス140は、人間の介在なしでも機能できる。例えば、無線受信機(例えば衛星アンテナ又は地上アンテナ)、センサ(例えば、温度計)、計数器(例えば工場の部品点数計数器)。入力デバイス140は、データキャリヤ又はキャリヤ170を読み取るために使用できる。
出力デバイス150は、演算処理を終えた指令及びデータを表示するデバイスである。例は、モニタ、又は他の表示デバイス(ブラウン管、フラットスクリーン、LCDディスプレー、スピーカー、プリンター、振動アラーム)である。入力デバイス140と同様に、出力デバイス150は、好ましくはグラフィックユーザーインターフェースにより人間と通信する。出力デバイスは、更に、他のコンピュータ101、102、等と通信できる。
入力デバイス140及び出力デバイス150を単一のシステムで組み合わせることができる。両デバイス140、150は、随意の方法で提供できる。
コンピュータプログラム製品200は、とりわけ、本発明又はその好ましい実施例による方法のプロセス工程をプロセッサに実施させるプログラム指令及び随意のデータを含む。換言すると、コンピュータプログラムは、コンピュータ100の機能及びネットワーク300とのその相互作用を決定する。コンピュータプログラム製品200は、例えば、任意のプログラム言語のソースコードとして及び/又はコンパイル形態(即ち機械でよみとることができる形態)のバイナリコードとして提供されてもよい。当業者は、コンピュータプログラム製品200を、従来説明された支援構成要素(例えばコンパイラー、翻訳機、及びオペレーティングシステム)のうちの任意のものと関連して使用できる。
コンピュータプログラム製品200をメモリー120に記憶されたものとして示したが、コンピュータプログラム100もまた、この他の任意の位置に記憶されていてもよい。コンピュータプログラム製品200もまた、データキャリヤ又はプログラムキャリヤ170に記憶されていてもよい。
一例として、データキャリヤ170をコンピュータ100の外側に示す。コンピュータプログラム製品200をコンピュータ100に伝達するため、データキャリヤ170を入力デバイス140に導入してもよい。データキャリヤ170は、上文中で説明したメディアの一つ(メモリー120を比較されたい)等のコンピュータで読み取ることができる任意のキャリヤとして実施できる。好ましくはネットワーク300によってコンピュータ100に伝達されたプログラム信号180もまた、コンピュータプログラム製品200を含んでいてもよいし、その一部であってもよい。
コンピュータシステム50の個々の構成要素を連結するためのインターフェースもまた周知である。簡略化を図る目的で、インターフェースが周知である。一つのインターフェースは、例えば、シリアルインターフェース、パラレルインターフェース、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)、内部モデム又は外部モデム、グラフィックアダプター、及び/又はサウンドカードを有する。局所倍率及びディスプレーを考慮して最適化した眼鏡レンズ又は眼鏡レンズ表面を、例えばミネラルガラス又はプラスチック材料から、例えば数値制御工具によって製造できる。
図1は、本発明による方法のフローチャートである。 図2は、眼鏡レンズでの屈折中の主ビームの経路の概略図である。 図3は、境界面での屈折中の局所波面の特徴の変化を示す概略図である。 図4は、屈折面で観察した、屈折面の通過中の隣接ビームの主ビームからの距離の変化を示す概略図である。 図5は、近軸近似での主ビームの経路及び波面の変化の概略図である。 図6は、屈折面の屈折方向及び主湾曲方向の説明と関連した、屈折面での全ての角度及びベクトルの概略図である。 図7a乃至図7cは、有限焦点距離sが近参照点の三つの多重焦点眼鏡レンズの倍率に及ぼす影響を示す概略図である。 図8は、前面の曲率が眼鏡レンズの倍率に及ぼす影響を示す概略図である。 図9は、眼鏡レンズの厚さが眼鏡レンズの倍率に及ぼす影響を示す概略図である。 図10a乃至図10dは、本発明に従って最適化した、球面効果が−4.0dptで円筒面効果が0.0dptの眼鏡レンズの倍率(図10a、c参照)及び収差(図10b、d参照)の分布を示す図であり、 図10a及び図10bは、無限物体距離を考慮して計算した、倍率及び収差の分布の図であり、 図10c及び図10dは、眼鏡レンズの上区分の無限物体距離を、x=0mm、y=−20mmでの−2.6dptの物体距離まで多段階で変化させる物体距離モデルを考慮して計算した、倍率及び収差の分布の図である。 図11a及び図11bは、球面効果が−4.0dptで円筒面効果が0.0dptの従来の眼鏡レンズの、無限物体距離で計算した倍率(図11a参照)及び収差(図11b参照)の分布を示す図である。 図12a乃至図12dは、本発明に従って最適化した、球面効果が−4.0dptで円筒面効果が2.0dpt、軸線0°の眼鏡レンズの倍率(図12a、c参照)及び収差(図12b、d参照)の分布を示す図であり、 図12a及び図12bは、無限物体距離を考慮して計算した、倍率及び収差の分布の図であり、 図12c及び図12dは、眼鏡レンズの上区分の無限物体距離を、x=0mm、y=−20mmでの−2.6dptの物体距離まで多段階で変化させる物体距離モデルを考慮して計算した、倍率及び収差の分布の図である。 図13a及び図13bは、球面効果が−4.0dptで円筒面効果が2.0dpt、軸線0°の従来の眼鏡レンズの、無限物体距離で計算した倍率(図13a参照)及び収差(図13b参照)の分布を示す図である。 図14は、眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算するための、及び/又は眼鏡レンズの少なくとも一方の表面を計算するための又は最適化するための 好ましいシステムの一例を示す概略図である。
符号の説明
10 眼鏡レンズの前側即ち物体側表面
12 屈折面
14 湾曲が小さい主区分
16 湾曲が大きい主区分
20 眼鏡レンズの後側、即ち眼側、即ち像側の表面
30 モデル眼
40 屈折面即ち境界面
50 コンピュータシステム
100、10q コンピュータ
110 プロセッサ
120 メモリー
130 バス
140 入力デバイス
150 出力デバイス
160 使用者インターフェース
170 データキャリヤ
180 プログラム信号
200 コンピュータプログラム製品
300 ネットワーク
s1−s2 計算工程
HS 主ビーム
NS 二次光線
0 物体点
D1 主ビームと前面との交点
D1’ 二次光線と前面との交点
D2 主ビームと後面との交点
Ζ 眼の回転点
P1−P4 極微小な物体

Claims (22)

  1. 眼の屈折率の不足を補正するように設計された、少なくとも物体側第1表面(10)及び眼側第2表面(20)を持つ眼鏡レンズの、少なくとも一つの所定の又は予め決定できる観察方向での局所倍率及び/又は局所収差の計算方法において、
    前記所定の又は予め決定できる観察方向に対して主ビーム(HS)の経路を計算する工程であって、主ビーム(HS)は、所定の又は予め決定できる極微小な物体から発せられ、眼鏡レンズにより屈折された後、眼(30)の回転点(Z’)を通過し、前記眼(30)の入射瞳を通過し、又は、前記眼(30)の主平面を通過する工程と、
    前記眼鏡レンズによる屈折時の前記主ビーム(HS)と関連した局所波面の主曲率及び方向を決定する工程と、
    前記局所波面の前記決定された主曲率及び方向、前記主ビーム(HS)の経路、及び前記眼鏡レンズと関連したデータから、前記眼鏡レンズの局所倍率及び/又は局所収差を計算する工程とを含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記局所倍率及び/又は局所収差の計算を行うとき、前記眼鏡レンズからの前記物体の有限距離を考慮する、方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法において、
    前記第1及び第2の表面の少なくとも一方が回転非対称表面であり、前記眼鏡レンズについての前記データは、前記少なくとも一方の回転非対称表面の立ち上がり高さ及び/又は局所曲率に関するデータを含む、方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、
    前記少なくとも一方の回転非対称表面は、
    遠参照点と近参照点との間で屈折力が連続的に変化する多重焦点表面、又は
    非球面又は非トーリック面である、方法。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記局所倍率及び/又は局所収差は、近軸近似によって生じる、方法。
  6. 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記局所倍率及び/又は局所収差を計算するとき、前記主ビーム(HS)の非近軸経路を考慮する、方法。
  7. 請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記計算工程及び/又は最適化工程は、前記局所波面の特徴から局所倍率行列Nを計算する工程を含み、
    前記眼鏡レンズの倍率を、前記倍率行列Nの固有値の平均値として計算し、前記収差を、前記倍率行列Nの固有値間の相違として計算する、方法。
  8. 請求項7に記載の方法において、
    個々の局所ファクタ即ち量を、常に、前記主ビーム(HS)と前記眼鏡レンズの夫々の表面(10、20)との交点(D1、D2)のところで評価し、前記局所倍率行列Nを以下の式、即ち、
    Figure 2009517704
    ここで、
    σは、有限焦点距離sを考慮するための、次の式に従って計算される換算係数を示し、
    Figure 2009517704
    は、所定の観察方向で観察された物体と、前記主ビーム(HS)と前記第1表面(10)との交点との間の、前記物体側主ビームの光方向での長さsのベクトルを示し、
    dは、前記主ビーム(HS)と前記第1表面(10)との交点(D1)と、前記主ビーム(HS)と前記第2表面(20)との交点(D2)との間の、前記主ビーム(HS)の光方向での長さdのベクトルを示し、
    eは、前記主ビーム(HS)と前記第2表面(20)との交点(D2)と眼(30)の入射瞳、即ち眼又は眼(30)の主平面の回転点(Ζ’)との間の、前記像側主ビーム(HS)の光方向での長さeのベクトルを示し、
    nは、眼鏡レンズの屈折率を示し、
    e -1 は、固有倍率の局所逆行列を示し、
    s -1 は、システム倍率の局所逆行列を示し、
    、i=1、2は、眼鏡レンズのi番目の表面に入射した球面波面の局所曲率行列を示し、
    S'、i=1、2は、眼鏡レンズのi番目の表面で屈折した後の波面の局所曲率行列を示し、
    、i=1、2は、眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)の局所表面パワー行列を示し、
    Figure 2009517704
    i a,b、i=1、2は、前記主ビーム(HS)と眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)との夫々の交点(D1、D2)でのi番目の表面の局所主曲率半径を示し、
    Ψは、i番目の表面(10、20)での屈折平面の法線ベクトルpiと、大きく湾曲した主区分が延びる方向qとの間の角度を示す、
    に従って計算する、方法。
  9. 請求項8に記載の方法において、
    局所倍率行列N、固有倍率の局所逆行列Ne -1 、システム倍率の局所逆行列Ns -1 、眼鏡レンズの第1表面(10)に入射した球面波面Sの局所曲率又は輻輳行列、眼鏡レンズのi番目の表面で屈折した後の波面の局所曲率又は輻輳行列S'、i=1、2、及び眼鏡レンズの第2表面(20)に入射した球面の局所曲率又は輻輳行列Sは、単位行列lと比例する、方法。
  10. 請求項7に記載の方法において、
    前記倍率行列Nは、以下の式に従って計算され、
    ここで、個々の局所ファクタ又は量は、常に、前記主ビームと眼鏡レンズの夫々の表面(10、20)との交点(D1、D2)のところで評価され、
    Figure 2009517704
    ここで、
    σは、以下の式に従って計算された有限焦点距離sを考慮するための換算係数を示し、
    Figure 2009517704
    は、所定の観察方向で観察された物体と、前記主ビーム(HS)と前記第1表面(10)との交点との間の、前記物体側主ビームの光方向での長さsのベクトルを示し、
    dは、前記主ビーム(HS)と前記第1表面(10)との交点(D1)と、前記主ビーム(HS)と前記第2表面(20)との交点(D2)との間の、前記主ビーム(HS)の光方向での長さdのベクトルを示し、
    eは、前記主ビーム(HS)と前記第2表面(20)との交点(D2)と眼(30)の入射瞳、即ち眼又は眼(30)の主平面の回転点(Ζ’)との間の、前記像側主ビーム(HS)の光方向での長さeのベクトルを示し、
    nは、眼鏡レンズの屈折率を示し、
    e -1 は、固有倍率の局所逆行列を示し、
    s -1 は、システム倍率の局所逆行列を示し、
    ここで、
    Figure 2009517704
    は、第1表面(10)での屈折面に対して垂直な法線ベクトルpによって、参照方向ベクトルpによって形成された適当な参照方向に形成された、第1表面(10)のシステムからの物体側主ビームsに対して垂直な平面内の2×2回転行列を示し、
    φは、法線ベクトルpと参照方向ベクトルpとの間の角度を示し、
    Figure 2009517704
    は、第2表面(20)での屈折面に対して垂直な法線ベクトルpによって、適当な参照方向p上に形成された、第2表面(20)のシステムからの物体側主ビームeに対して垂直な平面内の2×2回転行列を示し、
    φは、法線ベクトルpと参照方向ベクトルpとの間の角度を示し、
    Figure 2009517704
    は、眼鏡レンズの表面(10、20)間の主ビームdに対して垂直な平面内の2×2回転行列であって、法線ベクトルpを法線ベクトルpに変換する行列を示し、
    φ12は、法線ベクトルpとpとの間の角度を示し、
    Figure 2009517704
    は、眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)での主ビーム(HS) の斜入射が倍率に及ぼす影響を考慮するための2×2傾斜行列を示し、
    αは、i番目の表面から出る主ビーム(HS)に沿ったベクトルと眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)に対して垂直な法線ベクトルni 、i=1、2との間の角度として定義される、眼鏡レンズのi番目の表面での入射角を示し、
    α’は、眼鏡レンズのi番目の表面から出る主ビーム(HS)に沿ったベクトルと眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)に対して垂直な法線ベクトルni 、i=1、2との間の角度と定義される、眼鏡レンズのi番目の表面での反射角を示し、
    Figure 2009517704
    は、第1表面(10)に入射する球面波面の曲率即ち輻輳行列を示し、
    Figure 2009517704
    は、主ビーム(HS)の斜入射角度を考慮して屈折の法則に従って計算した、眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)での屈折後の波面の局所曲率即ち輻輳行列を示し、
    Figure 2009517704
    は、第1表面(10)からの伝達後に計算した、第2表面(20)に入射した波面の局所曲率即ち輻輳行列を示し、
    Figure 2009517704
    は、波面の非近軸入射を考慮した、i番目の表面(10、20)の補正後の局所表面パワー行列を示し、
    Figure 2009517704
    は、眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)の局所表面パワー行列を示し、
    Ψは、眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)の屈折面の法線ベクトルpiと、比較的大きく湾曲した主区分が延びる方向qとの間の角度を示し、
    Figure 2009517704
    は、眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)の球面の等価物を示し、
    Figure 2009517704
    は、眼鏡レンズのi番目の表面(10、20)の円筒面を示し、
    i a,b、i=1、2は、眼鏡レンズのi番目の表面の主曲率半径を示し、
    Figure 2009517704
    は、第1表面(20)での主ビームの斜入射角度を考慮に入れるための補正ファクタを示し、
    Figure 2009517704
    は、第2表面(20)での主ビーム(HS)の斜入射角度を考慮に入れるための補正ファクタを示す、
    方法。
  11. 請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の方法において、
    前記眼鏡レンズの局所倍率及び/又は収差は、複数の所定の又は予め決定可能な観察方向について決定される、方法。
  12. 眼鏡レンズを評価するための方法において、
    前記眼鏡レンズに関するデータ、特に、厚さに関するデータ、眼鏡レンズの前面及び後面の立ち上がり高さ、及び/又は眼鏡レンズの前面及び後面の局所倍率に関するデータを収集する工程と、
    請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の方法に従って、前記眼鏡レンズの前記局所倍率及び/又は前記収差を計算する工程とを含む、方法。
  13. 請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の特徴を持つ方法を実施するため、コンピュータにローディングして実行するように設計された、コンピュータプログラム製品。
  14. 請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の特徴を持つ方法を実施するため、コンピュータにローディングして実行するように設計されたコンピュータプログラムを記憶したデータキャリヤ。
  15. 眼の屈折率の不足を補正するように設計された、少なくとも物体側第1表面(10)及び眼側第2表面(20)を持つ眼鏡レンズの、少なくとも一つの所定の又は予め決定できる観察方向での局所倍率及び/又は局所収差を計算するシステムにおいて、
    前記眼鏡レンズに関するデータを収集するための収集デバイスと、
    前記眼鏡レンズに対するデータによって、所定の又は予め決定可能な観察方向に対して、所定の又は予め決定できる極微小な物体から発せられ、前記眼鏡レンズにより屈折された後、眼(30)の回転点(Z’)を通過し、前記眼(30)の入射瞳を通過し、又は、前記眼(30)の主平面を通過する主ビーム(HS)の経路を計算するための計算デバイス
    前記眼鏡レンズによる屈折中に前記主ビーム(HS)に合わせて伝播する局所波面の主曲率及び方向を計算するための計算デバイスと、
    前記眼鏡レンズの局所倍率及び局所収差を、前記局所波面の前記所定の主曲率及び方向、前記主ビーム(HS)の経路のデータ、及び前記眼鏡レンズに対するデータから計算するための計算デバイスとを含む、ことを特徴とするシステム。
  16. 眼の屈折率の不足を補正するように設計されており、少なくとも第1物体側表面及び第2眼側表面を有する眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して眼鏡レンズを製造する方法であって、
    計算工程又は最適化工程を含み、該計算工程又は最適化工程は性能関数Fを最小にするように行われ、
    ここで、
    Figure 2009517704
    により、
    ここで、
    actual(i)は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの実際の倍率を示し、
    des(i) は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの所望の倍率を示し、
    v,jは、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの倍率の加重を示し、
    actual(i)は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの実際の収差を示し、
    des(i) は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの所望の収差を示し、
    z,jは、i番目の評価点での収差の加重を示す、方法。
  17. 請求項15に記載の方法において、
    性能関数Fの倍率の加重Gv,j又は性能関数Fの加重Zactualはゼロに等しい、方法。
  18. 請求項15又は16に記載の方法において、
    i番目の評価点での倍率及び/又は収差を請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載の方法に従って計算した、方法。
  19. 請求項15、16、又は17に記載の方法において、
    前記計算又は最適化工程は、更に、前記眼鏡レンズの屈折誤差及び/又は乱視誤差を最小にするように実施される、方法。
  20. コンピュータにローディングして実行するとき、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して眼鏡レンズの最適化方法を実施するように設計されたコンピュータプログラム製品において、
    前記眼鏡レンズの最適化方法は、性能関数Fを最小にするように実施される計算又は最適化工程を含み、
    Figure 2009517704
    により、
    ここで、
    actual(i)は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの実際の倍率を示し、
    des(i) は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの所望の倍率を示し、
    v,jは、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの倍率の加重を示し、
    actual(i)は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの実際の収差を示し、
    des(i) は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの所望の収差を示し、
    z,jは、i番目の評価点での収差の加重を示す、コンピュータプログラム製品。
  21. コンピュータにローディングして実行するとき、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して眼鏡レンズの最適化方法を実施するように設計されたコンピュータプログラムを記憶したデータキャリヤにおいて、
    前記眼鏡レンズの最適化方法は、計算又は最適化工程を含み、当該計算又は最適化工程は、性能関数Fを最小にするように実施され、
    ここで、
    Figure 2009517704
    により、
    ここで、
    actual(i)は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの実際の倍率を示し、
    des(i) は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの所望の倍率を示し、
    v,jは、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの倍率の加重を示し、
    actual(i)は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの実際の収差を示し、
    des(i) は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの所望の収差を示し、
    z,jは、i番目の評価点での収差の加重を示す、データキャリヤ。
  22. 眼の屈折率の不足を補正するように設計されており、少なくとも第1物体側表面及び第2眼側表面を有する眼鏡レンズを、眼鏡レンズの倍率及び/又は収差を考慮して製造するためのシステムであって、
    眼鏡レンズのターゲットデータを収集するための収集デバイスと、
    前記眼鏡レンズの少なくとも一方の表面を計算する計算デバイス及び最適化する最適化デバイスであって、計算および最適化の各々が性能関数Fを最小にするように行われる計算デバイス及び最適化デバイスと、を含み、
    ここで、
    Figure 2009517704
    により、
    ここで、
    actual(i)は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの実際の倍率を示し、
    des(i) は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの所望の倍率を示し、
    v,jは、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの倍率の加重を示し、
    actual(i)は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの実際の収差を示し、
    des(i) は、i番目の評価点での前記眼鏡レンズの所望の収差を示し、
    z,jは、i番目の評価点での収差の加重を示す、システム。
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