JP2009515936A - エチレン性不飽和化合物のカルボニル化 - Google Patents

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Abstract

ビニルエステルを含むエチレン性不飽和化合物をカルボニル化するための方法、および3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは3−ヒドロキシプロパン酸を生成するための方法。該方法は、ヒドロキシル基の供給源、および触媒系の存在下において、前記化合物を一酸化炭素と反応させる工程を備える。前記触媒系は、(a) 第8族、第9族もしくは第10族の金属、またはそれらの化合物と、(b)一般式(I)の二座配位子:X(X)−Q−A−R−B−Q−X(X)とを組み合わせることによって得ることができる。

Description

本発明は、エチレン性不飽和化合物のカルボニル化に関する。
多数の欧州特許および特許出願、例えば、特許文献1〜13には、アルコールまたは水、並びに第6族、第8族、第9族、または第10族金属、例えばパラジウムと、ホスフィン配位子、例えばアルキルホスフィン、シクロアルキルホスフィン、アリールホスフィン、ピリジルホスフィン、二座ホスフィンとを含む触媒系の存在下における、一酸化炭素を用いたエチレン性不飽和化合物のカルボニル化が記載されている。特に、特許文献11〜13は、二座ホスフィン配位子が、高い反応速度が得られることを可能にする触媒系を提供することを開示している。特許文献14には、リン原子間におけるC3アルキルブリッジが、そのリン上の第三級ブチル置換基と共に、例示されている。
続いて、特許文献15は、置換されたアリールブリッジを有する二座ホスフィン化合物の特定の基が、補充を殆どまたは全く必要としない著しく安定した触媒を提供し得ることを開示した。そのような二座触媒の使用は、先に開示されたものより、有意に高い反応速度をもたらし、高転化率で不純物は、殆どまたは全く生成されない。
特許文献16は、高級アルケンに用いられる場合、および外部から追加された非プロトン性溶媒の存在下にある場合における、特許文献15と同じ方法に対する速度を開示している。
特許文献17は、C3架橋ホスフィン1,3ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)
プロパンを使用する酢酸ビニルのカルボニル化の例を挙げている。示された速度は、毎時Pdの1mol当たり、生成物200molであり、その結果、40:60(直鎖:分枝鎖)の比率で1および2−アセトキシメチルプロパノアートの生成である。
特許文献18は、特許文献14において用いられる二座ホスフィンへの変更を開示する。前記公報において、一方または双方のリン原子(phosphorous atoms)は、炭素原子の1
つ以上がヘテロ原子と置き換えられている(「2−PA」基)任意に置換された2−ホスファ−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体に組み込まれている。実施例は、多数の、エテン、プロペンおよびいくつかの高級な末端オレフィンおよび内部オレフィンのアルコキシカルボニル化を含む。さらに、10:1の直鎖生成物:分枝鎖生成物の比を与える酢酸ビニルのヒドロホルミル化も開示されている。酢酸ビニルのアルコキシまたはヒドロキシ−カルボニル化は明らかに開示されていない。
特許文献19は、特許文献18の教示を、特許文献15に開示された種類の1,2置換アリールブリッジを有する二座ホスフィンに拡大している。開示された適当なオレフィン基質は、様々な置換基を有するいくつかの種類を含む。明らかに、ビニルエステルは、一般的にも、特定的にも、言及されていない。
特許文献20は、上記の種類の配位子ブリッジを双方ともブタジエンのカルボニル化に有用なものとして記載している。また、特許文献21は、第三炭素置換基が各リン原子上で異なる場合の特許文献20の選択について記載している。
欧州特許出願公開第EP−A−0055875号 欧州特許出願公開第EP−A−04489472号、 欧州特許出願公開第EP−A−0106379号 欧州特許出願公開第EP−A−0235864号 欧州特許出願公開第EP−A−0274795号 欧州特許出願公開第EP−A−0499329号 欧州特許出願公開第EP−A−0386833号 欧州特許出願公開第EP−A−0441447号 欧州特許出願公開第EP−A−0489472号 欧州特許出願公開第EP−A−0282142号 欧州特許出願公開第EP−A−0227160号 欧州特許出願公開第EP−A−0495547号 欧州特許出願公開第EP−A−0495548号 欧州特許出願第EP0495548号 国際公開第WO96/19434号 国際公開第WO01/68583号 欧州特許第EP0495548B1号 国際公開第WO98/42717号 国際公開第WO03/070370号 国際公開第WO04/103948号 国際公開第WO05/082830号
本発明の第1態様によれば、ヒドロキシル基の供給源および触媒系の存在下で、エチレン性不飽和化合物を一酸化炭素と反応させることを含むエチレン性不飽和化合物をカルボニル化する方法が提供される。
前記触媒系は、
(a)第8族、第9族もしくは第10族金属、またはそれらの化合物と、
(b)一般式(I)の二座配位子と
(I)X(X)−Q−A−R−B−Q−X(X
を組み合わせることによって得られ得る。
前記式中、
AおよびBは、各々独立して、低級アルキレンを表わし、
Rは、少なくとも1つの非芳香環を有する環式ヒドロカルビル構造を表わす。前記環式ヒドロカルビル構造には、QおよびQ原子が、前記少なくとも1つの環の利用可能な隣接する環原子(以下、「隣接環原子」と称する)に連結されており、かつ、前記環式ヒドロカルビル構造は、前記少なくとも1つの環の少なくとも1つのさらなる隣接していない環原子(以下、「非隣接環原子」と称する)において少なくとも1つの置換基で置換されている。
前記式中、前記利用可能な隣接環原子に対する各隣接環原子は、少なくとも1つの環の前記利用可能な隣接環原子に対するもう一方の隣接環原子を介して、または前記もう一方の隣接原子に隣接しているが前記少なくとも1つの環の外部に位置する原子を介して、さらなる3〜8原子の環構造を形成するように、非置換である。
、X、XおよびX基は、独立して、少なくとも1つの第三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表わすか、または、XおよびX、かつ/またはXおよびXは、少なくとも2つの第三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを一緒に形成する。前記式中、前記一価または二価のラジカルの各々は、前記少なくと
も1つまたは2つの第三級炭素原子を介して、適切なQまたはQ原子にそれぞれ結合されており、
およびQは、各々独立して、リン、ヒ素、またはアンチモンを表わす。
1つのさらなる非隣接環原子という用語は、QおよびQ原子が連結される前記利用可能な隣接環原子のうちのいずれかに隣接していない、環内のさらなる環原子を意味する。
疑問を避けるために、第8族、第9族、または第10族金属は、本願では、現代の周期表命名法における第8族、第9族、または第10族を含むと解釈されるべきである。「第8族、第9族、または第10族」という用語により、好ましくは、Ru、Rh、O、Ir、PtおよびPdのような金属が選択される。好ましくは、前記金属は、Ru、PtおよびPdから選択される。より好ましくは、前記金属はPdである。
有利には、本発明におけるR−基の環構造は、前記利用可能な隣接環原子に直接隣接している環原子、またはそのような隣接原子に隣接している非環原子に関連する環構造またはブリッジを回避することによって、不適当な剛性を防止する。驚いたことに、本発明者は、活性部位に非常に近い環構造に剛性を導入することは不利であり、環内におけるより高い近位の剛性よりも、(適切な環置換によって供給される)柔軟な立体的影響によって、有益な効果が観察されることを発見した。これは、柔軟性がない環剛性と比較して、立体的影響によって与えられる比較的柔軟な制約によるものであり得る。そのような柔軟な立体的制約は、入来する金属原子が最も好ましい相互作用位置をとることを可能にし得る。そのような相互作用位置は、前記利用可能な隣接環原子に近接した環剛性がより高いと、拒絶されるであろう。従って、1,8−シネオリル(Cineolyl)のような、利用可能な隣接環原子に隣接する環原子におけるノルボルニル型ブリッジまたは同種のものは、本発明のこの態様から除外される。これらの構造は活性部位に近い環に対して、過大な剛性を導入する。
従って、前記利用可能な隣接環原子に隣接している環原子は、それらの環原子が本願において定義されるようなさらなる隣接環構造の一部を形成しない限り、それら自身置換されていてもよい。適当な置換基は、さもなければ、本願において定義した前記少なくとも1つの非隣接環原子に対して定義された置換基から選択され得る。
疑問を避けるために、前記利用可能な隣接環原子または同種のものに隣接する環原子と言う場合は、前記2つの利用可能な隣接環原子自身のうちの一方を示すようには意図されない。例として、環の1位によってQ原子に結合され、環の2位によってQ原子に結合されたシクロヘキシル環は、環の4位および5位において2つの定義された前記さらなる非隣接環原子と、3位および6位に位置する前記利用可能な隣接環原子に対する2つの隣接環原子とを有する。
非芳香環という用語は、QおよびQ原子がBおよびAを介してそれぞれ連結される少なくとも1つの環が非芳香性であることを意味する。また、芳香族化合物は、フェニル型構造だけでなく、フェロセニルのシクロペンタジエニル環に見られるような芳香族性を有する他の環を含むように広く解釈されるべきである。しかしながら、前記用語は、いかなる場合も、この非芳香族の少なくとも1つの環上における芳香族置換基を排除するものではない。
有利には、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ペンテンニトリル、オクテンなどのようなエチレン性不飽和化合物のカルボニル化において本発明の触媒系を使用することによ
り、アルコキシカルボニル化およびヒドロキシカルボニル化の双方に対して、しかしながら特にヒドロキシカルボニル化に対して、高い反応率を与える。本発明のカルボニル化反応のさらなる利点は、アルコキシカルボニル化およびヒドロキシカルボニル化の双方における、しかしながら特にアルコキシカルボニル化における、TON(触媒回転数)の大幅な増大である。
有利には、ペンテンニトリルまたはビニルエステルのような直鎖生成物または分枝鎖生成物を提供することができるエチレン性不飽和化合物のカルボニル化において本発明の触媒系を使用することにより、アルコキシカルボニル化およびヒドロキシカルボニル化の双方に対して、しかしながら特にヒドロキシカルボニル化に対して、主に直鎖生成物が与えられる。国際公開第WO98/42717号においてプロパンブリッジを有する2−ホスファアダマンチル配位子を用いた酢酸ビニルのヒドロホルミル化は主に分枝鎖生成物を与えたので、これは驚くべきことである。本発明のカルボニル化反応のさらなる利点は、アルコキシカルボニル化およびヒドロキシカルボニル化の双方における、しかしながら特にアルコキシカルボニル化における、反応速度およびTONの大幅な増大である。
本願においてエチレン性不飽和化合物と言う場合は、アルケン、アルキン、共役および非共役ジエン、並びに官能性アルケンなどで見られるような、1つ以上の不飽和C−C結合を含むものと解釈されるべきである。
前記少なくとも1つのさらなる非隣接環原子における置換基は、環式ヒドロカルビル構造において、より大きな安定性を促進するが、立体配座の剛性は助長しないように選択され得る。従って、前記置換基は、非芳香環の立体配座の変化の速度を抑制または低下させる適切な大きさのものとなるように選択される。そのような基は、低級アルキル、アリール、ヘト(het)、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−
C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28または−CF、より好ましくは低級アルキルまたはヘテロ、最も好ましくはCrC6アルキルから独立して選択され得る。少なくとも1つの環に2つ以上の前記さらなる非隣接環原子が存在する場合、本願において詳述するように、それらの非隣接環原子は各々独立して置換され得る。従って、2つのそのようなさらなる非隣接環原子が置換されている場合、それらの置換基は結合して、3〜20原子の環構造のようなさらなる環構造を形成してもよい。そのようなさらなる環構造は、飽和していても不飽和であってもよく、置換されていなくてもよいし、またはハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−NR2324、−C(O)NR2526、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)NR2728、非置換もしくは置換アリール、低級アルキル(アルキル基自身は、本願において定義されるように、置換されていなくても、置換されていてもよく、あるいは終端されていてもよい)、または非置換もしくは置換Hetから選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。前記式中、R19〜R30は、各々独立して、水素、非置換もしくは置換アリール、または非置換もしくは置換低級アルキルを表し、かつ/または、1つ以上(好ましくは合計4つ未満)の酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子によって割り込まれているか、あるいはシラノ基もしくはジアルキルケイ素基またはそれらの混合物によって割り込まれている。
特に好ましいさらなる非隣接環原子の置換基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、シアノおよびカルボキシである。2つ以上のさらなる非隣接環原子が置換されている場合、特に好ましい置換基は、x,y−ジメチル、x,y−ジエチル、x,y−ジプロピル、x,y−ジイソプロピル、x,y−ジフェニル、x,y−メチル/エチル、x,y−メチル/フェニル、飽和または不飽和シクロペンチル、飽和または不飽和シクロヘキシル、1,3置換または非置換1,
3H−フリル、非置換シクロヘキシル、x,y−オキソ/エチル、x,y−オキソ/メチルであり、単環原子における脱置換も考えられ、典型的にはx,x−低級ジアルキルである。より典型的な置換基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、またはオキソであり、最も一般的にはメチルもしくはエチル、またはオキソあり、最も一般的にはメチルである。前記式中、xおよびyは、少なくとも1つの環における原子位置を表わす。
典型的には、カルボニル化反応、特に、第1態様のヒドロキシカルボニル化またはアルコキシカルボニル化に対する最高速度(生成物のモル数/第8族、第9族、または第10族金属のモル数/時間)は、同じ条件下で反応させられた1,3−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパンに近いか、またはそれより大きい。一般的には、第8族、第9族、または第10族金属は、パラジウムである。
好適には、前記環式ヒドロカルビル構造のさらなる置換は、前記QおよびQ原子が連結される前記利用可能な隣接炭素原子上には存在しない。環式のヒドロカルビル構造は、少なくとも1つの環の1つ以上の前記さらなる環原子において置換されていてもよいが、好ましくは、少なくとも1つの環の、1つ、2つ、3つまたは4つのそのような環原子において、より好ましくは、1つ、2つ、または3つ、最も好ましくは、1つまたは2つのそのような環原子において、置換されている。置換環原子は、炭素またはヘテロであり得るが、好ましくは炭素である。例えば、Q原子およびQ原子が環原子1および2にそれぞれ連結されている環原子の環において、好ましくは、4位からn−1位の1つ以上において置換が行われる。つまり、6員環(6位がnである)では4位および/または5位において、7員環では4位、5位および/または6位において、並びに5員環では4位のみにおいて置換が行われる。
前記少なくとも1つの環上に2つ以上の置換基がある場合、本願において除外されない限り、それらの置換基同士が遭遇して、さらなる環構造を形成してもよい。しかしながら、前記利用可能な隣接環原子に対する前記隣接環原子に付着した置換基は、これらが活性部位をあまりに剛直にしてしまうことがあるので、他の前記隣接環原子上の置換基に遭遇して、さらなる環構造を形成することが全くないことが好ましい。
好適には、少なくとも1つの環上における利用可能な隣位においてAおよびBによって置換されている環式ヒドロカルビル構造は、関連する環結合および置換基Aおよび置換基Bに関して、シス配座を有する。
好適には、環式ヒドロカルビル構造は、5〜30個までの環原子、より好ましくは4〜18個までの環原子、最も好ましくは4〜12個までの環原子、特に単環式の場合には、5〜8個の環原子を有し、いずれの場合も、単環式であっても多環式であってもよい。環原子は炭素であってもよいし、またはヘテロであってもよい。ここで、本願においてヘテロと言う場合は、硫黄、酸素および/または窒素を指す。一般的には、環式ヒドロカルビル構造は、2〜30個までの環炭素原子、より好ましくは3〜18個までの環炭素原子、最も好ましくは3〜12個の環炭素原子、特に単環式の場合には3〜8個の環炭素原子を有し、いずれも場合も、単環式であっても多環式であってもよく、また、1つ以上のヘテロ原子によって割り込まれていてもよいし、割り込まれていなくてもよい。典型的には、環式ヒドロカルビル構造が多環式である場合、該構造は、好ましくは二環式のまたは三環式である。本願において定義されるような環式ヒドロカルビル構造は、Q原子およびQ原子が連結される前記利用可能な隣接環原子が飽和している限りにおいて、不飽和結合を含み得る。不飽和環式ヒドロカルビル構造と言う場合には、そのように理解されるべきである。環原子とは、環式骨格の一部を形成する原子を意味する。
ヘテロ原子によって割り込まれ得ることは別として、本願における定義に従う環式ヒドロカルビル構造は、飽和していてもよいし、または不飽和であってもよい。
環式ヒドロカルビル構造は、4位および/または5位置換低級アルキルシクロヘキサン−1,2−ジイル、4位置換低級アルキルシクロペンタン−1,2−ジイル、4位,5位および/または6位置換低級アルキルシクロヘプタン−1,2−ジイル、4位,5位,6位および/または7位置換低級アルキルシクロオクタン−1,2−ジイル、4位,5位,6位,7位および/または8位置換低級アルキルシクロノナン−1,2−ジイル、5位および/または6位置換低級アルキルピペリジナン−2,3−ジイル、5位および/または6位置換低級アルキルモルホリナン−2,3−ジイル、O−2,3−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−エタン−2,3−ジイル、シクロペンタン−オン−3,4−ジイル、シクロヘキサノン−3,4−ジイル、6−低級アルキルシクロヘキサノン−3,4−ジイル、1−低級アルキルシクロペンテン−3,4−ジイル、1および/または6低級アルキルシクロヘキセン−3,4−ジイル、2および/または3低級アルキルシクロヘキサジエン−5,6−ジイル、5低級アルキルシクロヘキセン−4−オン−1,2−ジイル、アダマンチル−1−2−ジイル、5および/または6低級アルキルテトラヒドロピラン−2,3ジイル、6−低級アルキルジヒドロピラン−2,3ジイル、2−低級アルキル1,3ジオキサン−5,6−ジイル、5および/または6低級アルキル−1,4ジオキサン−2,3−ジイル、2−低級アルキルペンタメチレンスルフィド4,5−ジイル、2−低級アルキル−1,3ジチアン−5,6−ジイル、2および/または3−低級アルキル1,4ジチアン−5,6−ジイル、テトラヒドロ−フラン−2−オン−4,5−ジイル、デルタ−バレロラクトン4,5−ジイル、ガンマ−ブチロラクトン3,4−ジイル、2H−ジヒドロピロン5,6−ジイル、グルタル酸無水物3,4−ジイル、1−低級アルキルピロリジン−3,4−ジイル、2,3ジ低級アルキルピペラジン−5,6−ジイル、2−低級アルキルジヒドロイミダゾール−4,5−ジイル、2,3,5および/または6低級アルキル−1,4,7トリアザシクロノナン−8,9−ジイル、2,3,4および/または10低級アルキル−1,5,9トリアザシクロデカン6,7−ジイル、2,3−ジ低級アルキルチオモルホリン−5,6−ジイル、2−低級アルキル−チアゾリジン−4,5−ジイル、4,5−ジフェニル−シクロヘキサン−1,2−ジイル、4および/または5−フェニル−シクロヘキサン−1,2−ジイル、4,5−ジメチル−シクロヘキサン−1,2−ジイル、4または5−メチルシクロヘキサン−1,2−ジイル、2,3,4および/または5低級アルキル−デカヒドロナフタレン8,9−ジイル、ビシクロ[4.3.0]ノナン−3,4ジイル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−ジイル、1,2および/または3メチル−3a,4,5,6,7,7aヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−ジイル、オクタヒドロ−4,7メタノ−インデン−1,2−ジイル、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−5,6−ジイル、1,2および/または3−ジメチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン5,6−ジイル、1,3−ビス(トリメチルシリル)−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−イソベンゾフラン−5,6−ジイルから選択され得る。
これに代わって、前記少なくとも1つのさらなる非隣接環原子における置換基は、基Yであってもよい。前記式中、Yは、少なくともフェニルと同じくらい立体障害性である基を表し、2つ以上の置換基Yがある場合、それらは各々フェニルと同じくらい立体障害性であり、かつ/または結合してフェニルよりも立体障害性である基を形成する。
本願において本発明の状況における立体障害は、シー.マスターズ(C. Masters)による「Homogenous Transition Metal Catalysis-A Gentle Art」、Chapman and Hall発行、1981年の14頁以下参照において論じられている。
好ましくは、Yは−SR404142を表わし、前記式中、SはSi、C、N、S、Oまたはアリールを表し、R404142は本願において定義した通りである。好
ましくは、各Yおよび/または2つ以上の基Yの組み合わせは、少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性である。
より好ましくは、1つの置換基Yのみが存在する場合、該置換基Yは、少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性である。一方、2つ以上の置換基Yが存在する場合には、それらの置換基Yは各々、少なくともフェニルと同じくらい立体障害性であり、単一の基に結合される場合には少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性である。
好ましくは、Sがアリールである場合、R40、R41およびR42は、独立して、水素、アルキル、−BQ−X(X)(前記式中、B、XおよびXは本願において定義した通りであり、Qは上記でQまたはQとして定義される)、リン、アリール、アリーレン、アルカリール、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘト、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273、またはアルキル亜リン酸である。
好ましくは、SがSi、C、N、SまたはOである場合、R40、R41およびR42は、独立して、水素、アルキル、リン、アリール、アリーレン、アルカリール、アラルキル、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘト、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273、またはアルキル亜リン酸である。前記式中、R40〜R42のうちの少なくとも1つは水素ではなく、R19〜R30は本願において定義した通りであり、R71〜R73はR40〜R42として定義されるが、好ましくは、C〜Cアルキルまたはフェニルである。
好ましくは、Sは、Si、Cまたはアリールである。しかしながら、複合基中の1つ以上の基Yとして、N、SまたはOもまた好ましい場合もある。疑問を避けるために、酸素または硫黄が二価であり得るとき、R40〜R42も非共有電子対となり得る。
好ましくは、基Yに加えて、芳香族構造は、置換されていなくてもよいし、またはY、アルキル、アリール、アリーレン、アルカリール、アラルキル、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘト、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273、またはアルキル亜リン酸のうちから選択される基でさらに置換されていてもよい。前記式中、R19〜R30は本願において定義した通りであり、R71〜R73は、R40〜R42として定義されるが、好ましくはC〜Cアルキルまたはフェニルである。
さらに、Sがアリールである場合、該アリールは、R40、R41、R42に加えて、上記で芳香族構造に対して定義したさらなる置換基のいずれで置換されていてもよい。
より好ましい置換基Yは、−t−ブチル、−SiMe3、または2−フェニルプロパ−2−イルのようなt−アルキルまたはt−アルキルアリール、−フェニル、アルキルフェニル−、フェニルアルキル−、あるいはホスフィノメチルのようなホスフィノアルキルから選択され得る。
好ましくは、SがSiまたはCであり、かつR40〜R42のうちの1つ以上が水素である場合、R40〜R42の少なくとも1つは、必要な立体障害を与えるために十分に嵩
高くなければならず、そのような基は、好ましくは、リン、ホスフィノアルキル−、−t−ブチルのような第三炭素を有する基、アリール、アルカリール、アラルキルまたは第三シリルである。
一部の実施形態において、芳香族構造のさらなる芳香族環原子上に2つ以上の前記置換基Yが存在してもよい。任意で、前記2つ以上の置換基は結合して、脂環式環構造のようなさらなる環構造を形成してもよい。
一部の典型的な構造を以下に示す。式中、R’、R”、R’’’、R’’’’などは、上記の少なくとも1つのさらなる非隣接環原子における置換基と同様に定義されるが、水素であってもよいし、あるいは、ヘテロ原子に直接連結されている場合には非置換であるヘテロ原子を表わしてもよく、さらに同一であっても異なっていてもよい。前記式中、少なくとも1つのR’原子は水素ではないか、またはヘテロ原子に直接連結されている場合には、非置換であるヘテロ原子を表わす。各場合において、リンへのジイルメチレン結合(図示せず)が見られる。

Figure 2009515936
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Figure 2009515936
Figure 2009515936
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本願における構造において、可能な立体異性体が2つ以上ある場合、そのような立体異性体がすべて意図される。しかしながら、少なくとも1つの環の少なくとも1つのさらなる非隣接環原子上の少なくとも1つの置換基は、A原子またはB原子に対してトランス方向に延びる、つまり、環の反対側において外側に延びることが望ましい。
好ましくは、環式ヒドロカルビル構造は、シス−1,2−環式ヒドロカルビル構造として、または、どのような場合でも、AおよびBがそれぞれ結合されている2つの利用可能な隣接環原子間の結合に関してシス形として、AおよびBに関連付けられる。
一般的には、基XはCR(R)(R)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R
)を表わす。前記式中、R〜R12は、低級アルキル、アリールまたはヘトを表わす。
特に好ましいのは、有機基R〜R、R〜R、R〜Rおよび/またはR10〜R12、あるいは、これに代わって、それらの各第三級炭素原子と関連付けられているときのR〜Rおよび/またはR〜R12が、少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性である複合基を形成する場合である。この状況における立体障害は、シー.マスター(C. Masters)による「Homogenous Transition Metal Catalysis-A Gentle Art」、Chapman and Hall発行、1981年の14頁以下参照において論じられている。これらの立体基(steric groups)は、環式、部分環式、または非環式であり得る。環式または部分環
式である場合、前記基は、置換されていても、置換されていなくてもよく、あるいは、飽和していても、不飽和であってもよい。環式基または部分環式基は、好ましくは、環状構造中に、第三級炭素原子を含めて、C〜C34、より好ましくはC〜C24、最も好ましくはC10〜C20炭素原子を含み得る。環状構造は、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR29、C(O)SR30、C(S)NR2728、アリールまたはヘトから選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。前記式中、R19〜R30は、各々独立して、水素、アリール、または低級アルキルを表わし、かつ/または、1つ以上の酸素または硫黄原子によって、あるいはシラノ基またはジアルキルケイ素基によって割り込まれている。
特に、環式である場合、X、X、Xおよび/またはXは、コングレッシル、ノルボルニル、1−ノルボルナジエニルまたはアダマンチルを表わし得るか、または、XおよびXは、それらが結合されているQと共に、任意に置換された2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体を形成するか、または、XおよびXは、それらが結合されているQと共に、下記式1aの環系を形成する。
Figure 2009515936
同様に、XおよびXは、それらが結合されているQと共に、任意に置換された2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基または誘導体を形成してもよいし、あるいは、XおよびXは、それらが結合されているQと共に、下記式1bの環系を形成してもよい。
Figure 2009515936
これに代わって、1つ以上の基X、X、Xおよび/またはXは、配位子が結合されている固相を表わしてもよい。
特に好ましいのは、X、X、XおよびX、またはそれらの各Q原子を伴うXおよびX、並びにそれらの各Q原子を伴うXおよびXが同一である場合、またはXおよびXは同一であり、一方、XおよびXはそれとは異なるが、互いに同一である。
前記式中、R〜R12は、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、アリール、ハロ、またはヘトを表わし、好ましくは低級アルキル、アリール、ハロまたはヘトを表す。
19〜R30は、各々独立して、水素、低級アルキル、アリールまたはヘトを表わし、1つ以上の酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子によって、あるいは、シラノ基もしくはジアルキルケイ素基、またはそれらの混合物によって、割り込まれていてもよい。
49、R54およびR55は、存在する場合には、各々独立して、水素、低級アルキルまたはアリールを表わす。
50〜R53は、存在する場合には、各々独立して、水素、低級アルキル、アリールまたはヘトを表わす。
、Y、Y、YおよびYは、存在する場合には、各々独立して、酸素、硫黄またはN−R55を表わし、ここで、R55は水素、低級アルキルまたはアリールを表わす。
好ましくは、R〜R12は、各々独立して、低級アルキルまたはアリールを表す。より好ましくは、R〜R12は、各々独立して、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルフェニル(前記式中、フェニル基は本願で定義されるように任意に置換される)またはフェニル(前記式中、フェニル基は本願において定義されるように任意に置換される)を表す。さらにより好ましくは、R〜R12は、各々独立して、C〜Cアルキルを表わし、前記C〜Cアルキルは本願において定義されるように任意に置換される。最も好ましくは、R〜R12は、各々、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシル、特にメチルのような非置換C〜Cアルキルを表わす。
本発明特に好ましい実施形態において、R、R、RおよびR10は、各々、本願において定義されるような同一の低級アルキル、アリールまたはヘト部分を表わし、R、R、RおよびR11は、各々、本願において定義されるような同一の低級アルキル、アリールまたはヘト部分を表わし、かつ、R、R、RおよびR12は、各々、本願において定義されるような同一の低級アルキル、アリールまたはヘト部分を表わす。より好ましくは、R、R、RおよびR10は、各々同一のC〜Cアルキル、特に
、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはシクロヘキシルのような非置換C〜Cアルキルを表わし、R、R、RおよびR11は、各々独立して、上記で定義した通りの、同一のC〜Cアルキルを表わし、R、R、RおよびR12は、各々独立して、上記で定義した通りの、同一のC〜Cアルキルを表わす。例えば、R、R、RおよびR10は各々メチルを表わし、R、R、RおよびR11は各々エチルを表わし、R、R、RおよびR12は各々n−ブチルまたはn−ペンチルを表わす。
本発明の特に好ましい実施形態において、各R〜R12は、本願において定義されるような同一の低級アルキル、アリールまたはヘト部分を表わす。好ましくは、各R〜R12は、アルキル基である場合には、同一のC〜Cアルキル基、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルのような非置換C〜Cアルキルを表わす。より好ましくは、各R〜R12は、メチルまたはtert−ブチルを表し、最も好ましくはメチルを表す。
式Iの化合物においてAおよびBが表わす「低級アルキレン」という用語は、本願で用いられる場合には、その基の二箇所において結合され得ることによって、Q基またはQ基をR基に接続するC〜C10基を含み、他の点では下記の「低級アルキル」と同様に定義される。しかしながら、メチレンが最も好ましい。
「低級アルキル」という用語は、本願で用いられる場合、C〜C10アルキルを意味し、メチル基、エチル基、エテニル基、プロピル基、プロペニル基、ブチル基、ブテニル基、ペンチル基、ペンテニル基、ヘキシル基、ヘキセニル基およびヘプチル基を含む。別段の定めがない限り、低級アルキル基を含むアルキルは、十分な数の炭素原子が存在する場合、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよく、飽和していても、不飽和であってもよく、非環式であっても、環式であっても、あるいは部分的に環式/非環式であってもよく、置換されていなくてもよいし、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR29、C(O)SR30、C(S)NR2728、非置換もしくは置換アリール、または非置換もしくは置換ヘトから選択される1つ以上の置換基によって置換または終端されていてもよい。前記式中、R19〜R30は、各々独立して、水素、非置換もしくは置換アリール、または非置換もしくは置換低級アルキルを表わし、かつ/または1つ以上(好ましくは4つ未満)の酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子によって、あるいは、シラノ基もしくはジアルキルケイ素基(dialkylsilcon group)、またはそれらの混合物によって、割
り込まれていてもよい。
「アルケニル」という用語は、本願で用いられる場合、C〜C10アルケニルを意味し、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基およびヘキセニル基を含む。
別段の定めがない限り、アルケニル基は、十分な数の炭素原子が存在する場合、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよく、飽和していても、不飽和であってもよく、非環式であっても、環式であってもよく、あるいは部分的に環式/非環式であってもよく、置換されていなくてもよいし、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR29、C(O)SR30、C(S)NR2728、非置換もしくは置換アリール、または非置換もしくは置換ヘトから選択される1つ以上の置換基によって置換または終端されていてもよい。前記式中、R19〜R30は、各々独立して、水素、非置換もしくは置換アリール、または非置換もしくは置換低級アルキルを表し、かつ/または、1つ以上(好ましくは合計4つ未満)の酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子によって割り込まれているか、あるいはシラノ基もしくはジアルキルケイ素基(dialkylsilcon group)またはそれら
の混合物によって割り込まれている。
「アルキニル」という用語は、本願で用いられる場合、C〜C10アルキニルを意味し、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基およびヘキシニル基を含む。
別段の定めがない限り、アルキニル基は、十分な数の炭素原子が存在する場合、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよく、飽和していても、不飽和であってもよく、非環式であっても、環式であってもよく、あるいは部分的に環式/非環式であってもよく、置換されていなくてもよいし、またはハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR29、C(O)SR30、C(S)NR2728、非置換もしくは置換アリール、または非置換もしくは置換ヘトから選択される1つ以上の置換基によって置換または終端されていてもよい。前記式中、R19〜R30は、各々独立して、水素、非置換もしくは置換アリール、または非置換もしくは置換低級アルキルを表し、かつ/または、1つ以上(好ましくは合計4つ未満)の酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子によって割り込まれているか、あるいはシラノ基もしくはジアルキルケイ素基)またはそれらの混合物によって割り込まれている。
「アルキル」、「アラルキル」「アルカリール」、「アリーレンアルキル」などの用語は、それとは反対の情報が存在しない場合、その基のアルキル部分またはアルク(alk)部
分に関する限り、上記「低級アルキル」の定義に従うべきである。
「Ar」または「アリール」という用語は、本願で用いられる場合、フェニル、フェロセニルおよびナフチルのような、5〜10員の、好ましくは6〜10員の炭素環式芳香族基または擬芳香族基を含む。前記炭素環式芳香族基または擬芳香族基は、置換されていなくてもよいし、あるいは非置換または置換アリール、低級アルキル(その基は、本願において定義されるように、それ自体が置換されていなくても、置換されていてもよく、または終端されていてもよい)、ヘト(その基は、本願において定義されるように、それ自体が置換されていなくても、置換されていてもよく、または終端されていてもよい)、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR29、C(O)SR30またはC(S)NR2728から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。前記式中、R19〜R30は、各々独立して、水素、非置換もしくは置換アリールまたは低級アルキル(そのアルキル基は、本願において定義されるように、それ自体が置換されていなくても、置換されていてもよく、または終端されていてもよい)を表わす。
上記のArまたはアリール基は1つ以上の共有結合によって付着され得る。しかしながら、本願におけるアリーレンまたはアリーレンアルキルなどへの言及は、2つの共有結合の付着として理解されるべきであるが、他の点では、その基のアリーレン部分に関する限り、上記のArまたはアリールのように定義される。アルカリール、アラルキルなどへの言及は、その基のArまたはアリール部分に関する限り、上記のArまたはアリールへの言及として解釈されるべきである。
前述の基がそれによって置換または終端され得るハロ基は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
「ヘト」という用語は、本願で用いられる場合、4〜12員、好ましくは4〜10員環系を含み、前記環系の環は、窒素、酸素、硫黄およびそれらの混合物から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有し、かつ前記環系の環は、二重結合を全く含有しないか、または1つ以上の二重結合を含有し、あるいはその性質において、非芳香族性であってもよいし、部分的に芳香族性であってもよいし、完全に芳香族性であってもよい。前記環系は、単環式であっても、二環式であってもよく、または縮合されていてもよい。本願において識
別される各「ヘト」基は、置換されていなくてもよいし、またはハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、低級アルキル(そのアルキル基は、本願において定義されるように、それ自体が置換されていなくても、置換されていてもよく、または終端されていてもよい)、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、SR29、−C(O)SR30、または−C(S)N(R27)R28から選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。前記式中、R19〜R30は、各々独立して、水素、非置換もしくは置換アリールまたは低級アルキル(そのアルキル基自身は、本願において定義されるように、置換されていなくても、置換されていてもよく、または終端されていてもよい)を表わす。よって、「ヘト」という用語は、任意に置換されたアゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサトリアゾリル、チアトリアゾリル、ピリダジニル、モルホリニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピペリジニル、ピラゾリルおよびピペラジニルのような基を含む。ヘトにおける置換は、ヘト環の炭素原子にあってもよいし、または、適切な場合にはヘテロ原子の1つ以上にあってもよい。
「ヘト」基はまた、Nオキシドの形態にあってもよい。
本願で言及されるヘテロという用語は、窒素、酸素、硫黄またはそれらの混合物を意味する。
アダマンチル基、コングレッシル基、ノルボルニル基、または1−ノルボルナジエニル(1-norborndienyl)基は、水素原子の他に、低級アルキル、−OR19、−OC(O)R
20、ハロ、ニトロ、−C(O)R21、−C(O)OR22、シアノ、アリール、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−C(S)(R27)R28、−SR29、−C(O)SR30、−CF、−P(R56)R57、−PO(R58)(R59)、−PO、−PO(OR60)(OR61)、または−SO62から選択される1つ以上の置換基を任意に備えてもよい。前記式中、R19〜R30、低級アルキル、ハロ、シアノおよびアリールは本願において定義した通りであり、R56〜R62は、各々独立して水素、低級アルキル、アリールまたはヘトを表わす。
適切には、アダマンチル、コングレッシル、ノルボルニルまたは1−ノルボルナジエニル基が上記に定義されるような1つ以上の置換基で置換される場合、非常に好ましい置換基としては、非置換C〜Cアルキル、−OR19、−OC(O)R20、フェニル、−C(O)OR22、フルオロ、−SOH、−N(R23)R24、−P(R56)R57、−C(O)N(R25)R26、および−PO(R58)(R59)、−CFが挙げられる。前記式中、R19は、水素、非置換C〜Cアルキルまたはフェニルを表わし、R20、R22、R23、R24、R25、およびR26は、各々独立して、水素または非置換C〜Cアルキルを表わし、R56〜R59は、各々独立して、非置換C〜Cアルキルまたはフェニルを表す。特に好ましい実施形態において、前記置換基は、C〜Cアルキルであり、より好ましくは、1,3−ジメチルアダマンチルに見られるようなメチルである。
適切には、アダマンチル基、コングレッシル基、ノルボルニル基、または1−ノルボルナジエニル基は、水素原子の他に、最大10個の上記に定義した通りの置換基、好ましくは最大5個の上記に定義した通りの置換基、より好ましくは最大3個の上記に定義した通りの置換基を備え得る。適切には、アダマンチル基、コングレッシル基、ノルボルニル基、または1−ノルボルナジエニル基が、水素原子の他に、本願において定義されるような1つ以上の置換基を備える場合、好ましくは、各置換基は同一である。好ましい置換基は、非置換C〜Cアルキルおよびトリフルオロメチル、特に、メチルのような非置換C〜Cアルキルである。非常に好ましいアダマンチル基、コングレッシル基、ノルボル
ニル基、または1−ノルボルナジエニル基は水素原子のみを備える。すなわちアダマンチル基、コングレッシル基、ノルボルニル基、または1−ノルボルナジエニル基は置換されていない。
好ましくは、式Iの化合物中に2つ以上のアダマンチル基、コングレッシル基、ノルボルニル基、または1−ノルボルナジエニル基が存在する場合、そのような各基は同一である。
2−Q(またはQ)−トリシクロ[3.3.1.1.{3,7}デシル基(以下、便宜上、2−メタ−アダマンチル基と称する。ここで、2−メタ−アダマンチルは、QまたはQがヒ素原子、アンチモン原子またはリン原子であるもの、すなわち、2−アルサ−アダマンチルおよび/または2−スチバ−アダマンチル、および/または2−ホスファ−アダマンチル、好ましくは、2−ホスファ−アダマンチルを示す)は、水素原子の他に、1つ以上の置換基を任意に備えてもよい。適当な置換基は、本願においてアダマンチル基に関して定義したようなそれらの置換基を含む。非常に好ましい置換基としては、低級アルキル、特に非置換C〜Cアルキル、とりわけメチル、トリフルオロメチル、−OR19が挙げられ、前記式中、R19は、本願において定義されるように、特に非置換C〜Cアルキルまたはアリール、および4−ドデシルフェニルである。2−メタ−アダマンチル基が2つ以上の置換基を備える場合、好ましくは、各置換基は同一である。
好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、本願において定義されるような置換基によって、1位、3位、5位、または7位のうちの1つ以上の位置において置換される。より好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、1位、3位および5位の各々において置換される。適切には、このような配置は、2−メタ−アダマンチル基のQ原子が、アダマンチル骨格内の水素原子を有さない炭素原子に結合されていることを意味する。最も好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、1位、3位、5位および7位の各々において置換される。2−メタ−アダマンチル基が2つ以上の置換基を備える場合、好ましくは、各置換基は同一である。とりわけ好ましい置換基は、非置換C〜Cアルキルおよびハロアルキル、特に、メチルのような非置換C〜Cアルキル、およびトリフルオロメチルのようなフッ素化C〜Cアルキルである。
好ましくは、2−メタ−アダマンチルは、非置換2−メタ−アダマンチルを表すか、または1つ以上の非置換C〜Cアルキル置換基またはそれらの組み合わせによって置換された2−メタ−アダマンチルを表わす。
好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、2−メタ−アダマンチル骨格中に、2−Q原子以外に、付加的なヘテロ原子を含む。適当な付加的なヘテロ原子としては、酸素原子および硫黄原子、とりわけ酸素原子が挙げられる。より好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、6位、9位および10位において、1つ以上の付加的なヘテロ原子を含む。さらにより好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、6位、9位および10位の各々において、付加的なヘテロ原子を含む。最も好ましくは、2−メタ−アダマンチル基が2−メタ−アダマンチル骨格中に2つ以上の付加的なヘテロ原子を含む場合、付加的なヘテロ原子の各々は同一である。本願において定義されるような1つ以上の置換基で任意に置換され得る特に好ましい2−メタ−アダマンチル基は、2−メタ−アダマンチル骨格の6位、9位、および10位の各々において酸素原子を含む。
好ましくは、2−メタ−アダマンチルは2−メタ−アダマンチル骨格に1つ以上の酸素原子を含んでいる。
非常に好ましい本願において定義されるような2−メタ−アダマンチル基としては、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル、
2−ホスファ−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、および2−ホスファ−1,3,5−トリ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサアダマンチル基が挙げられる。最も好ましくは、2−ホスファ−アダマンチルは、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、または2−ホスファ−1,3,5,−トリメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基から選択される。
好ましくは、2つ以上の2−メタ−アダマンチル基が式Iの化合物中に存在する場合、各2−メタ−アダマンチル基は同一である。
2−メタ−アダマンチル基は当業者に周知の方法によって調製され得る。適切には、特定の2−ホスファアダマンチル化合物は、カナダ所在のサイテック カナダ インコーポレテッド(Cytec Canada Inc,)から入手可能である。同様に類似する式Iなどの2−メタ
−アダマンチル化合物は、同一の供給者から入手してもよいし、または類似の方法によって調製されてもよい。
本発明の好ましい実施形態は、前記式中において以下の通りである式(I)の化合物を含む:
はCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R12)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わす;
はCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R12)を表わし、かつ、XおよびXはそれらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する;
はCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R12)を表わし;かつ、XおよびXは、それらが結合されているQと共に、式1aの環系を形成する;
Figure 2009515936
はCR(R)(R)を表わし、Xはアダマンチルを表わし、かつ、XおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する;
はCR(R)(R)を表わし、Xはアダマンチルを表わし、かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、式1aの環系を形成する;
Figure 2009515936
はCR(R)(R)を表わし、Xはアダマンチルを表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わす;
はCR(R)(R)を表わし、Xはコングレッシルを表わし、かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する;
はCR(R)(R)を表わし、Xはコングレッシルを表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わす;
およびXは独立してアダマンチルを表わし、かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する;
およびXは独立してアダマンチルを表わし、かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、式1aの環系を形成する;
Figure 2009515936
およびXは独立してアダマンチルを表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わす;
、X、XおよびXはアダマンチルを表わす;
およびXは、それらが結合されているQと共に、式1bの環系を形成してもよく、
Figure 2009515936
かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、式1aの環系を形成する;
Figure 2009515936
およびXは独立してコングレッシルを表わし、かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する;
およびXは、それらが結合されているQと共に、式1bの環系を形成してもよく、
Figure 2009515936
かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する;
およびXは独立してコングレッシルを表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わす;
およびXは、それらが結合されているQと共に、式1bの環系を形成してもよく、
Figure 2009515936
はCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わす;
およびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成し、かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
本発明の非常に好ましい実施形態は、前記式中において以下の通りである前記化合物を含む:
はCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R12)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わし;とりわけ、R〜R12はメチルである。
好ましくは、式Iの化合物において、XはXと同一であり、かつ/またはXはXと同一である。
本発明において特に好ましい組み合わせは、前記式中において以下の通りである前記化合物を含む:
(1) XはCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R12)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わし;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
およびQの双方は、環の1位および2位においてR基に連結されたリンを表わし;
R−は、1,2cis−5,6−ジメチルシクロヘキシルを表す。
(2) XはCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R12)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わし;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
およびQの双方は、環の1位および2位においてR基に連結されたリンを表わし;
Rは1,2−cis−5−メチルシクロペンチルを表わす。
(3) XおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成し、かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成し;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
およびQの双方は、環の1位および2位においてR基に連結されたリンを表わし;
Rは1,2cis−5,6−ジメチルシクロヘキシルを表わす。
(4) X、X、XおよびXはアダマンチルを表わし;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
およびQの双方は、環の1位および2位においてR基に連結されたリンを表わし;
Rは1,2cis−5,6−ジメチルシクロヘキシルを表わす。
好ましくは、式Iの化合物において、AおよびBは、各々独立して、例えば低級アルキル基により、本願において定義されるように任意に置換されたC〜Cアルキレンを表わす。好ましくは、AおよびBが表わす低級アルキレン基は、非置換である。AおよびBが独立して表わし得る特に好ましい低級アルキレンは−CH−または−C−である。最も好ましくは、AおよびBの各々は本願において定義されるような同一の低級アルキレン、特に−CH−を表わす。
さらに好ましい式Iの化合物は、前記式中において以下の通りである化合物を含む:
〜R12はアルキルであり、かつ同一であり、好ましくは、それぞれC〜Cアルキル、特にメチルを表わす。
とりわけ好ましい特定の式(I)の化合物は、前記式中において以下の通りである化合物を含む:
〜R12は同一であり、かつメチルを表わし;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
R−は4,5ジメチル−cis−1,2−シクロヘキシルを表わす。
適当な二座配位子の例は、cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)5−メチルシクロペンタン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(P,Pアダマンチル,t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(P,Pアダマンチル,t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン ;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメ
チル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}−デシル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)−5−メチルシクロペンタンであり、そのようなエナンチオマーが可能な場合には、上記二座配位子のすべてのシス形エナンチオマーを含む。
置換された配位子の例としては以下のものが挙げられる:

Figure 2009515936
Figure 2009515936
好ましくは、Qはリンであり、かつ、好ましくは、Qは独立してリンである。
好ましくは、前記二座配位子は、二座のホスフィン配位子、アルシン配位子またはスチビン配位子であり、好ましくはホスフィン配位子である。
式(I)または式(V)の化合物と組み合わされ得る適当な第8族、第9族もしくは第10族金属、またはそれらの化合物は、コバルト、ニッケル、パラジウム、ロジウムおよ
び白金を含む。好ましくは、前記第8族、第9族もしくは第10族金属は、パラジウムまたはその化合物である。そのような第8族、第9族もしくは第10族金属の適当な化合物としては、そのような金属の、硝酸;硫酸;酢酸およびプロピオン酸のような低級アルカン(C12までの)酸;メタンスルホン酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸、t−ブチルスルホン酸、および2−ヒドロキシプロパンスルホン酸のようなスルホン酸類;スルホン化イオン交換樹脂(低い酸レベルのスルホン樹脂を含む)過ハロゲン酸、例えば過塩素酸など;トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸のようなハロゲン化されたカルボン酸類;オルトリン酸;ベンゼンホスホン酸のようなホスホン酸類;およびルイス酸とブレンステッド酸との間における相互作用から誘導される酸類との塩、または、前記酸およびスルホン化イオン交換樹脂に由来する弱い配位アニオンを含有する化合物が挙げられる。適当なアニオンを提供し得る他の供給源としては、任意にハロゲン化されたテトラフェニルボラート誘導体、例えばパーフルオロテトラフェニルボラートが挙げられる。加えて、ゼロ価パラジウム錯体、特に不安定な配位子を有するもの、例えば、トリフェニルホスフィン、またはジベンジリデンアセトンもしくはスチレンのようなアルケン、またはトリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを用いてもよい。
アルコキシカルボニル化反応において、アニオンは、4未満、より好ましくは3未満の18°Cの水溶液中で測定されたpKaを有する酸、反応に干渉しないカチオンを有する塩、例えば、金属塩またはアルキルアンモニウムのような広義な意味で有機性の塩、および反応条件下において分解し、インサイチューでアニオンを生成するエステルのような前駆物質のうちの1つ以上のものに由来するか、またはそのようなものとして導入され得る。適当な酸および塩としては、非置換のカルボン酸塩以外に、上記に列記した酸および塩が挙げられる。
ヒドロキシカルボニル化反応において、アニオンは、6未満、より好ましくは5未満の18°Cの水溶液中で測定されたpKaを有する酸、反応に干渉しないカチオンを有する塩、例えば、金属塩またはアルキルアンモニウムのような概して有機性の塩、および反応条件下において分解し、インサイチューでアニオンを生成するエステルのような前駆物質のうちの1つ以上のものに由来するか、またはそのようなものとして導入され得る。適当な酸および塩としては、上記に列記した酸および塩が挙げられる。
1つの特定の好ましい実施形態において、ヒドロキシカルボニル化反応におけるアニオンはカルボン酸に由来し得る。前記カルボン酸は、少なくとも1つのカルボン酸基を有する任意に置換されたC〜C30有機化合物であり、より好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を有する任意のC〜C16有機化合物である。酸のpKaは、18°Cの水溶液中で測定して、約2より大きいことが好ましい。酸のpKaは、18°Cの水溶液中で測定して、約5.0未満であることが好ましい。有機化合物は、下記もの、すなわち、ヒドロキシ基、例えばメトキシのようなC〜Cアルコキシ基;アミン基、または、例えばCl、I、およびBrのようなハロゲン化物基のうちの1つ以上によって置換されていてもよい。適当なカルボン酸の例としては、安息香酸、置換安息香酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、ブタン酸、シクロヘキシルプロピオン酸またはノナン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ヒドロキシカルボニル化反応において用いられ得る適当な立体障害を有するカルボン酸の例としては、例えば、2,6−ジメチル安息香酸または2,4,6−トリメチル安息香酸のような、例えばC〜Cアルキル置換安息香酸を含む、立体的に障害された安息香酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらはまた、例えば2,6−ジフルオロ安息香酸または2,4,6−トリブロモ安息香酸のような、例えば、m−および
p−ヒドロキシ安息香酸および他の置換安息香酸のようなヒドロキシ置換安息香酸を含む。
アルコキシカルボニル化のための特に好ましい酸促進剤は、以前に列記したスルホン酸およびスルホン化イオン交換樹脂である。用いられ得る低濃度酸イオン交換樹脂は、好ましくは、35mol/mol未満、より好ましくは25mol/mol未満、最も好ましくは15mol/mol未満の、反応におけるSOH/Pdの濃度比を与える。樹脂によって与えられるSOH濃度の典型的な範囲は、範囲は、1〜40mol/mol Pdであり、より典型的には2〜30mol/mol Pdであり、最も典型的には3〜20mol/mol Pdである。
好ましくは、ヒドロキシカルボニル化反応において、溶媒は、5未満のpKaを有する酸、より好ましくは3以上5未満のpKaを有する酸であり得る。適当な酸溶媒は、先に列挙した酸、より好ましくは、酢酸およびプロパン酸のような(C12までの)低級アルカン酸、最も好ましくは酢酸から選択され得る。
アルコキシカルボニル化反応において、存在するアニオンの量は触媒系の触媒現象の挙動に対して重要ではない。アニオンの第8族、第9族、または第10族金属または化合物に対するモル比は、1:1〜500:1、好ましくは2:1〜100:1、特に3:1〜30:1であり得る。アニオンが酸および塩によって与えられる場合、酸および塩の相対的な割合は重要ではない。しかしながら、アニオンが酸によって与えられるか、部分的に酸によって与えられる場合、酸の第8族、第9族、または第10族金属に対する比率は、好ましくは、少なくとも1:1 mol(H)/mol(C2+)であり、かつ好ましくは少なくとも5:1 mol(H)/mol(C2+)未満であり、より好ましくは、前記比率は少なくとも2:1であり、かつ好ましくは少なくとも3:1未満であり、最も好ましくは、2:1くらいの比率が好ましい。Hは活性酸性サイトの量を意味し、よって、1molの一塩基酸は1molのHを有するのに対し、1molの二塩基酸は2molのHを有する。三塩基酸などはこれに従って解釈されるべきである。同様に、C2+は、は2カチオン電荷を有する金属のモル数を意味し、よって、Mイオンについて、金属カチオンの比率はこれに従って調整されるべきである。例えば、Mカチオンは、1molのM当たり0.5molのC2+を有していると解釈されるべきである。
ヒドロキシカルボニル化反応において、存在するアニオンの量は触媒系の触媒現象の挙動に対して重要ではない。アニオンの第8族、第9族、または第10族金属/化合物に対するモル比は、1:1〜10000:1、好ましくは2:1〜1000:1、特に3:1〜100:1であり得る。アニオンが酸および塩によって与えられる場合、酸および塩の相対的な割合は重要ではない。
アルコキシカルボニル化反応において、好ましくは、二座配位子の酸に対する比は、少なくとも1:2 mol/mol(H)であり、かつ好ましくは、二座配位子の第8族、第9族、または第10族金属に対する比は、少なくとも1:1mol/mol(C2+)である。好ましくは、前記配位子は、金属を上回るmol/mol(C2+)で、かつ好ましくは酸に対して1:2 mol/mol(H)の比を上回って存在する。過剰な配位子は、配位子自身が塩基として作用して、反応における酸濃度を緩衝して、基質の分解を防止するため、有利である。他方では、酸の存在は反応混合物(reaction mix)を活性化し、反応の全体的な速度を改善する。
ヒドロキシカルボニル化反応において、好ましくは、二座配位子の酸に対する比は、少なくとも1:2 mol/mol(H)であり、かつ好ましくは、二座配位子の第8族、第9族、または第10族金属に対する比は、少なくとも1:1 mol/mol(C
)である。好ましくは、配位子は、金属を上回るmol/mol(C2+)で存在する。過剰な配位子は、配位子自身が塩基として作用して、反応における酸濃度を緩衝して、基質の分解を防止するため、有利であり得る。他方では、酸の存在は反応混合物を活性化し、反応の全体的な速度を改善する。
前述したように、本発明の触媒系は均一系または不均系で用いられ得る。好ましくは、触媒系は均一系で用いられる。
上述したように、基質に対して適切な場合には、本発明の方法は直鎖生成物の生成に特に効果的である。
従って、本発明は、特に、不飽和エステル、特にビニルエステルのカルボニル化にも関連し、具合的には、乳酸メチル、3−ヒドロキシメチルプロパノアートまたは3−ヒドロキシプロピオン酸の生成における第1工程を提供するカルボニル化の使用に関するが、これらに限られるものではない。
現在、乳酸メチルは乳酸のエステル化によって生成され、乳酸は合成法または発酵のいずれかによって生成される。
主な合成経路はアセトアルデヒドの反応に基づく。1つの方法において、アセトアルデヒドをシアン化水素と反応させてラクトニトリルを生成し、次に、そのラクトニトリルを加水分解する。これに代わって、アセトアルデヒドを、ニッケル(II)ヨウ化物または硫酸触媒の存在下で、一酸化炭素および水と反応させることができる。合成経路は、乳酸のラセミ混合物を生成する。したがって、乳酸メチルのラセミ混合物が結果として生じる。近年、発酵法における改善により、これが乳酸およびその誘導体への好ましい経路となった。光学的に純粋な乳酸は、注意深く選択した細菌による糖の発酵によって生成することができる。乳酸桿菌(Lactobacilli)は、熱に強い傾向があり、したがって、50℃付近の温度における発酵は、二次反応を抑制する。その進行は遅く、pH、温度および酸素濃度の注意深い監視を必要とするが、適切な細菌培養の選択によって、R型およびS型の双方の光学的に純粋な乳酸を生成することができる。
乳酸メチルは高沸点溶媒として用いられ、洗剤、脱脂剤、化粧品および食品香味料のような様々な物質中に存在する。乳酸メチルは生物分解性であり、環境に非常にやさしい。
1,3−プロパンジオールへの経路は産業上好ましいであろう。既存の経路は、合成ガスによるエチレンオキシドのヒドロホルミル化およびそれに続く水素添加と、トウモロコシ糖の発酵とを含む。1980年代に、デーヴィー プロセス テクノロジー(Davy Process Technology)は、固体酸触媒上でブタンからマレイン酸ジエチルを形成し、次に、そ
のマレイン酸ジエチルをジオールに脱水素化することにより、1,4−ブタンジオールへの経路を発見した。1,4−ブタンジオールは、現在、ポリマー成分として、また繊維の生産において、および高沸点溶媒として、広く用いられている。多価アルコールは、多くの場合、ウレタンを生成するイソシアナートとの反応、および(ポリ)エステルを生成する酸および酸無水物との反応において用いられる。1,3−プロパンジオールは、ポリマー成分および高沸点溶媒として用途を有すると思われる。
ビニルエステルは、対応する酸またはアルデヒドに容易に加水分解すると知られている。従って、ビニルエステルを酸に晒すことは避けるべきである。二座ホスフィンによるヒドロキシカルボニル化反応またはアルコキシカルボニル化反応は、第6族、第8族、第9族または10族金属の存在下において進行し得る。しかしながら、このような金属は、一般に、例えば5未満のpKaを有する酸に由来するアニオンの供給源の存在下において用いられる。従って、そのような酸の存在下におけるビニルエステルの酸分解のために、ヒドロキシカルボニル化またはアルコキシカルボニル化は、ビニルエステルのカルボニル化には適さないと考えられる。
本発明のさらにさらなる態様によれば、ヒドロキシル基の供給源および触媒系の存在下において、ビニルエステルを一酸化炭素と反応させることを含むビニルエステルのカルボニル化の方法が与えられる。前記触媒系は、
(a) 第8族、第9族もしくは第10族の金属、またはそれらの化合物と、
(b) 一般式(V)の二座配位子
(V)X(X)−Q−A−R−B−Q−X(X
とを組み合わせることによって得ることができる。
前記式中、
AおよびBは、各々独立して、低級アルキレンを表わし、
Rは、Q原子およびQ原子が利用可能な隣接する環炭素原子に連結される任意に置換されたシクロアルキル部分を表わし、
、X、XおよびX基は、独立して、少なくとも1つの第三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表わすか、または、XおよびX、かつ/またはXおよびXは、少なくとも2つの第三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを一緒に形成し、前記一価または二価のラジカルの各々は、前記少なくとも1つまたは2つの第三級炭素原子を介して、適切なQまたはQ原子にそれぞれ結合されており、
およびQは、各々独立して、リン、ヒ素、またはアンチモンを表わす。
上記の式(V)において、他に示されていない限り、基X、X、XおよびX;AおよびB;並びにQまたはQは本願において既に定義した通りである。
従って、本発明の第2態様では、下記式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは3−ヒドロキシプロパン酸を生成するための方法が提供される。
CH(OH)CHC(O)OR31 (II)
前記方法は、
ヒドロキシル基の供給源および触媒系の存在下において、酢酸ビニルを一酸化炭素でカルボニル化する工程であって、前記触媒系は、
(a) 第8族、第9族もしくは第10族の金属、またはそれらの化合物と、
(b) 本願において定義されるような一般式(I)または(V)の二座配位子とを組み合わせることによって得ることができ、
前記式中、R31は、H、またはC〜C30のアルキル部分もしくはアリール部分のうちから選択され、前記部分は、置換されていても、置換されていなくてもよく、かつ分枝鎖であっても、直鎖であってもよい、工程と、その直鎖(n)生成物の1−アシルオキシCH−CHC(O)OR31に対して処理工程を行なって、式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは3−ヒドロキシプロパン酸を生成する工程とを備える。
カルボニル化の直鎖(n)生成物および分枝鎖(iso)生成物は、前記処理工程の前または後に分離されてもよい。好ましくは、前記生成物は蒸留によって反応生成物から分離される。
本発明の第3態様によれば、式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルの生成、好ましくは工業的生産のための本発明の態様のうちのいずれかに定義されるような触媒系の使用が提供される。前記生成は、ビニルエステルをカルボニル化する工程、およびそれに続いてカルボニル化の直鎖(n)生成物を処理する工程を含む。
上記にかかわらず、本発明は、反応の分枝鎖生成物を利用する可能性を除外しない。
従って、本発明の第4態様によれば、式IIIの乳酸エステルまたは乳酸を生成するための方法が提供される。
Figure 2009515936
前記方法は、ヒドロキシル基の供給源および触媒系の存在下において、ビニルエステルを一酸化炭素でカルボニル化する工程であって、前記触媒系は、分枝鎖(イソ)生成物2−アシルオキシ(CH).CH.C(O)OR31を含む生成物を生成するために、
(a) 第8族、第9族もしくは第10族の金属、またはそれらの化合物と、
(b) 本願において定義されるような一般式(I)または(V)の二座配位子、好ましくはホスフィン配位子とを組み合わせることによって得ることができ、前記式中、R31は、H、またはC〜C30のアルキル部分もしくはアリール部分のうちから選択され、前記部分は、置換されていても、置換されていなくてもよく、かつ分枝鎖であっても、直鎖であってもよい、工程と、前記分枝鎖(イソ)生成物を処理して、式IIIの対応する乳酸エステルまたは乳酸を生成する工程とを備える。
本願において、処理するまたは処理とは、アシルオキシ基を開裂させてヒドロキシ酸またはエステルを生成するのに適した、カルボニル化のアシルオキシ生成物に対する加水分解またはエステル交換反応のような所定の化学処理を行うことを意味する。
カルボニル化の直鎖(n)生成物および分枝鎖(iso)生成物は、前記処理工程の前または後に分離され得る。好ましくは、反応生成物は蒸留によって分離される。分枝鎖生成物および直鎖生成物は、大抵の場合、広く異なる沸点を有する。これにより、蒸留が反応生成物に対する有効な分離手法となる。
好ましくは、カルボニル化方法からの直鎖生成物:分枝鎖生成物の比は、0.5:1以上、より好ましくは0.9:1以上、より好ましくは1:1以上、より好ましくは1.5:1以上、より好ましく2:1以上、最も好ましくは2.5:1以上である。
本発明の第5態様によれば、式(III)の乳酸エステルまたは乳酸の生成、好ましくは工業的生産のための本発明の態様のうちのいずれかに定義されるような触媒系の使用が提供される。前記生成は、ビニルエステルをカルボニル化する工程、およびそれに続いてカルボニル化の分枝鎖(iso)生成物を処理して前記エステルまたは酸を生成する工程を備える。
有利には、本発明の乳酸エステルもしくは3−ヒドロキシプロパン酸エステル、または乳酸もしくは3−ヒドロキシプロパン酸は、水素添加されて、それぞれ1,2ジオールおよび1,3ジオールを生成してもよい。
アシルオキシとは、式(IV)に関して以下に定義されるような基R32−C(O)O−を意味する。
好ましくは、上述した処理は加水分解またはエステル交換反応であり、当業者に周知の任意の適当な技術によって行われる。そのような技術は、例えば、「Kirkothmer Encyclopaedia of Chemical Technology」、 第9巻、第4版、783頁の「Hydrolysis of Organic Esters」に詳述されている。そのような方法としては、塩基加水分解、酸加水分解、蒸気加水分解、および酵素加水分解が挙げられる。好ましくは、前記加水分解は塩基加水分解であり、より好ましくは、前記加水分解は過剰塩基中において実行され、次に、酸性
化されて、酸生成物を生成する。加水分解生成物の水素添加は、当業者に周知の任意の適当な方法によって実行され得る。好ましくは、ヒドロキシアルカン酸エステルの気相水素添加が行われる。適当な技術は、クラブトリーらによる国際公開第WO01/70659号に例示されている。適当な実験の詳細は、公開公報の実施例1〜9に述べられており、3−ヒドロキシプロパン酸エステルから1,3プロパンジオールへの経路が示されている。好ましくは、水素添加は、不均一な水素化触媒を含有する水素添加ゾーンにおいて行われる。適当な条件および触媒は、国際公開第WO01/70659号に述べられている。前記公報の内容は、3−ヒドロキシプロパン酸エステルの水素添加に関係する限り、参照によって本願に援用される。しかしながら、本出願の目的のために、このような水素添加反応は、1,2プロパンジオールを生成する乳酸エステルの水素添加にも適用可能であると考えられる。好ましくは、エステル交換反応は、必要なアルキルエステル生成物のアルキル基に対応するアルカノール、例えばアシルオキシアルキルエステルをヒドロキシメチルエステルに転化するためにはメタノール、およびアシルオキシアルキルエステルをヒドロキシエチルエステルに転化するためにはエタノールなど、によって行なわれる。有利には、これはアシルオキシ基を開裂させるが、ヒドロキシアルキルアルカン酸エステルは変化させない。好ましくは、エステル交換反応は、例えばメタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸のような適当な触媒の存在下において生じる。
参照し易くするために、本発明の態様の任意の1つ以上は、本願において本発明の方法と称され得る。
本発明のビニルエステル副生成物に対する酸対応物(acid counterparts)は、ヒドロキ
シカルボニル化反応におけるアニオンの供給源として用いられ得ることも分かっている。そのような酸はエステル副生成物の加水分解によって容易に得ることができるので、そのような酸の使用は有利である。そのような酸加水分解生成物の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、メタクリル酸およびクロトン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの酸は、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、メタクリル酸ビニル、およびクロトン酸ビニルなどの対応するビニルエステルの加水分解およびカルボニル化生成物の加水分解に由来し得る。
適切には、本発明の方法は、一酸化炭素およびヒドロキシル基含有化合物の存在下において、ビニルエステルまたはエチレンのようなエチレン性不飽和化合物のカルボニル化を触媒するために用いられ得る。例えば、本発明の方法は、ビニルエステルの対応するアシルオキシカルボン酸エステルへの転化を触媒し得る。好都合なことに、本発明の方法は、典型的なカルボニル化反応条件下において非常に安定した化合物を使用することができ、そのため、それらの化合物は補充をほとんどまたはまったく必要としない。好都合なことに、本発明の方法は、エチレンまたはビニルエステルのようなエチレン性不飽和化合物のカルボニル化反応に対して高い速度を有し得る。好都合なことに、本発明の方法は、エチレンまたはビニルエステルのようなエチレン性不飽和化合物の高い転化率を増進し、それにより、ほとんどまたは全く不純物を含まない所望の生成物を高収率で与える。従って、本発明の方法の使用により、エチレンまたはビニルエステルのカルボニル化のようなカルボニル化方法の商業的利用可能性が増大され得る。
本発明の非エチレン性の特定の態様に適したエチレン性不飽和化合物は、1分子当たり2〜50の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物またはその混合物である。適当なエチレン性不飽和化合物は、1分子当たり、1つ以上の孤立不飽和結合または共役不飽和結合を有し得る。2〜20個の炭素原子を有する化合物またはその混合物が好ましく、多くとも18個の炭素原子、より好ましくは多くとも16の炭素原子を有する化合物がさらに好ましい。さらにより好ましい化合物は多くとも10個の炭素原子を有する。エチレン性不飽和化合物は、窒素、硫黄、または酸化物のような、官能基またはヘテロ原子をさらに備えてもよい。官能基の例としては、カルボン酸、エステル、またはニトリルが挙げられ
る。好ましい実施形態において、エチレン性不飽和化合物はオレフィンまたはオレフィンの混合物である。そのようなオレフィンは、一酸化炭素、並びに、適切な場合には直鎖カルボニル化生成物への、高い位置選択性を有する共反応物との反応よって転化され得る。適当なエチレン性不飽和化合物としては、アセチレン、メチルアセチレン、プロピルアセチレン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、ペンテンニトリル、3−ペンテン酸メチルのようなペンテン酸アルキル、ペンテン酸(2−および3−ペンテン酸)、酢酸ビニル、およびオクテンが挙げられる。
特に好ましいエチレン性不飽和化合物は、エチレン、酢酸ビニル、ブタジエン、ペンテン酸アルキル、ペンテンニトリル、ペンテン酸(3ペンテン酸など)、アセチレン、およびプロピレンである。
とりわけ、エチレン、酢酸ビニル、ブタジエンおよびペンテンニトリルが好ましい。
本願においてビニルエステルと言う場合には、下記式(IV):
32−C(O)OCR33=CR3435
の置換または非置換のビニルエステルを指すことを含む。
前記式中、R32は、水素、低級アルキル、アリール、ヘト、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2728、SR29、C(O)SR30のうちから選択され得、ここで、R19〜R30は本願において定義した通りである。
好ましくは、R32は、水素、低級アルキル、フェニル、または低級アルキルフェニル、より好ましくは、水素、フェニル、C〜Cアルキルフェニル、またはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルのようなC〜Cアルキル、さらに好ましくは、C〜Cアルキル、とりわけメチルから選択される。
好ましくは、R33〜R35は、各々独立して、水素、本願において定義されるような低級アルキル、アリールまたはヘトを表す。最も好ましくは、R33〜R35は、独立して水素を表わす。
上述のように、R31は、好ましくは、本願において定義されるような低級アルキル、アリール、ヘト、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2728、SR29またはC(O)SR30から選択される1つ以上の置換基によって、任意に置換されていてもよい。
31は、最も好ましくは、水に由来するHラジカル、またはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブチルアルコール、n−ブタノール、フェノールおよびクロロカプリルアルコールのようなC〜Cアルカノールに由来するアルキル/アリール基である。最も好ましい基はH、メチルおよびエチルであり、最もとりわけ好ましい基は水素である。
好ましくは、R31は水素、低級アルキルまたはアリールを表わす。より好ましくは、R31は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキルフェニル(ここで、フェニル基は本願で定義されるように任意に置換される)またはフェニル(ここで、フェニル基は本願において定義されるように任意に置換される)を表す。さらにより好ましくは、R31は、水素、C〜Cアルキルを表わし、前記C〜Cアルキルは本願において定義されるように任意に置換される。最も好ましくは、R31は、水素、またはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペ
ンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルのような非置換C〜Cアルキルを表し、特に水素またはメチル、最も特定的には水素を表わす。
本願の式(例えば式I〜IV)の化合物は、定義したようにアルケニル基またはシクロアルキル部分を含む場合には、シス(E)およびトランス(Z)異性も生じ得る。しかしながら、シクロアルキル部分Rは、A基およびB基に関連付けられている場合には、好ましくはシス(E)異性体である。本発明は、本願において定義される式のうちのいずれかの化合物の個々の立体異性体、および、適切な場合にはそれらの個々の互変異性体、並びにそれらの混合物を含む。ジアステレオ異性体またはシスおよびトランス異性体の分離は、従来技術よって、例えば、前記式のうちの1つの化合物の立体異性体混合物またはそれらの適当な塩または誘導体の分別結晶、クロマトグラフィーまたはH.P.L.C.によって行われ得る。前記式のうちの1つの化合物の個々のエナンチオマーはまた、必要に応じて、対応する光学的に純粋な中間物から調製されてもよいし、または適当なキラルの支持体を用いた対応するラセミ化合物のH.P.L.C.によるような分割によって調製されてもよいし、または対応するラセミ化合物の適当な光学活性な酸または塩基との反応によって形成されるジアステレオマー塩の分別結晶によって調製されてもよい。
すべての立体異性体は本発明の方法の範囲内に含まれる。
好ましくは、ビニルエステルのカルボキシル化について、少なくとも1つの環上の隣位においてAおよびBによって置換されているシクロアルキル部分は、置換基Aおよび置換基Bに関して、シス配座を有する。
好ましくは、シクロアルキル部分は、3〜20個までの環原子、より好ましくは4〜18個までの環原子、最も好ましくは4〜12個までの環原子、とりわけ5〜8個の環原子を有し、単環式であってもよいし、または多環式であってもよい。前記環原子は炭素であってもよいし、またはヘテロであってもよく、ここで、ヘテロと言う場合は、硫黄、酸素および/または窒素を指す。典型的には、シクロアルキル部分は、2〜20個までの環炭素原子、より好ましくは3〜18個までの環炭素原子、最も好ましくは3〜12個までの環炭素原子、とりわけ3〜8個の環炭素原子を有し、単環式であってもよいし、または多環式であってもよく、1つ以上のヘテロ原子によって割り込まれていてもよいし、割り込まれていなくてもよい。典型的には、シクロアルキル部分が多環式である場合、該部分は、好ましくは二環式のまたは三環式である。前記隣接環炭素原子が飽和している限りにおいて、本願で定義されるようなシクロアルキル部分は不飽和結合を含んでもよく、不飽和シクロアルキル部分と言う場合には、そのように理解されるべきである。環原子とは、環式骨格の一部を形成する原子を意味する。
シクロアルキル部分は、ヘテロ原子によって割り込まれ得ることは別として、置換されていなくてもよく、またはアリール、低級アルキル(そのアルキル基は、それ自体が以下で定義されるように任意に置換されてもよいし、終端されていてもよい)、ヘテロ(好ましくは酸素)、ヘト、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、または−CFから選択される1つ以上のさらなる置換基によって置換されていてもよい。前記式中、R19〜R28は本願において既に定義した通りである。
ビニルエステルカルボニル化については、シクロアルキル部分は、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、トリシクロデシル、ピペリジニル、モルホリニル、ノルボルニル、イソノルボルニル、ノルボルネニル、イソノルボルネニル、ビシクロ[2,2,2]オクチル、テトラヒドロフリル、ジオキサニル、O−2,3−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ
−エチル、シクロペンタノニル、シクロヘキサノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロブテニル、シクロペンテノニルシクロヘキセノニル、アダマンチル、フラン、ピラン、1,3ジオキサン、1,4ジオキサン、オキソセン、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ペンタメチレンスルフィド、1,3ジチアン、1,4ジチアン、フランオン、ラクトン、ブチロラクトン、ピロン、無水コハク酸、cisおよびtrans1,2−シクロヘキサンジカルボン無水物、グルタル酸無水物、ピロリジン、ピペラジン、イミダゾール、1,4,7トリアザシクロノナン、1,5,9トリアザシクロデカン、チオモルホリン、チアゾリジン、4,5−ジフェニル−シクロヘキシル、4または5−フェニル−シクロヘキシル、4,5−ジメチル−シクロヘキシル、4または5−メチルシクロヘキシル、1,2−デカリニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、1,2または3メチル−3a,4,5,6,7,7aヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、トリメチレンノルボルナニル、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、1,2または3−ジメチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、1,3−ビス(トリメチルシリル)−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−イソベンゾフランから選択され得る。
本発明において特に好ましい組み合わせは、前記式中において以下の通りである前記化合物を含む:
(1) XはCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R12)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わし;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
およびQは双方ともリンを表わし;
Rはシス−シクロヘキシルを表わす。
(2) XはCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R12)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、かつXはCR(R)(R)を表わし;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
およびQは双方ともリンを表わし;
Rはシス−シクロペンチルを表わす。
(3) XおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成し、かつXおよびXは、それらが結合されているQと共に、2−ホスファ−アダマンチル基を形成し;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
およびQは双方ともリンを表わし;
Rはシス−シクロヘキシルを表わす。
(4) X、X、XおよびXはアダマンチルを表わす;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
およびQは双方ともリンを表わし;
Rはシス−シクロヘキシルを表わす。
ビニルエステルカルボニル化のためにさらに好ましい式IまたはVの化合物は、前記式中、
〜R12はアルキルであり、かつ同一であり、好ましくは、それぞれC〜Cアルキル、特にメチルを表わす前記化合物を含む。
ビニルエステルのカルボニル化のために特に好ましい式IまたはVの特定の化合物は、前記式中、
〜R12は同一であり、かつメチルを表わし;
AおよびBは同一であり、かつ−CHを表わし;
R−は4,5ジメチル−cis−1,2−シクロヘキシルを表わす前記化合物を含む。
適当な二座配位子の例は、cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)シクロブタン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(P,P−アダマンチル,t−ブチル−ホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(P,P−アダマンチル,t−ブチル−ホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(P,P−アダマンチル,t−ブチル−ホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロブタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デ
シル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}−デシル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロブタン;cis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロブタンがあり、そのようなエナンチオマーが可能な場合には、上記もののすべてのシス形エナンチオマーが含まれる。
ビニルエステルカルボニル化のためのノルボルニル架橋配位子の例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2009515936
置換された配位子の例としては以下のものが挙げられる。

Figure 2009515936
Figure 2009515936
式(I)または式(V)の化合物は、第8族、第9族もしくは第10族金属またはそれらの化合物と配位結合して本発明で使用される化合物を形成する配位子として機能し得ることが、当業者によって認識されるであろう。一般的には、第8族、第9族もしくは第10族金属またはそれらの化合物は、式(I)または式(V)の化合物の1つ以上のリン原子、ヒ素原子および/またはアンチモン原子に配位する。
本発明は、ビニルエステルまたはエチレンのようなエチレン性不飽和化合物をカルボニ
ル化するための方法を提供する。前記方法は、本発明において定義されるような触媒化合物の存在下において、エチレン性不飽和化合物を一酸化炭素、および水またはアルカノールのようなヒドロキシル基の供給源と接触させることを含む。
適切には、前記ヒドロキシル基の供給源は、ヒドロキシル官能基を有する有機分子を含む。好ましくは、ヒドロキシル官能基を有する有機分子は、分枝していてもよいし、または直鎖状であってもよく、アルカノール、特にアリールアルカノールを含むC〜C30アルカノールを含む。前記アルカノールは、本願において定義されるような、低級アルキル、アリール、ヘト、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、C(S)R2728、SR29またはC(O)SR30から選択される1つ以上の置換基によって、任意に置換されていてもよい。非常に好ましいアルカノールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブチルアルコール、n−ブタノール、フェノールおよびクロロカプリルアルコールのようなC〜Cアルカノールである。モノアルカノールが最も好ましいが、好ましくはジオール、トリオール、テトラオールのようなジオール〜オクタオールおよび糖から選択される、ポリアルカノールも用いられ得る。一般的には、そのようなポリアルカノールは、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、1,2,4ブタントリオール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6トリヒドロキシヘキサン、ペンタエリトリトール、1,1,1トリ(ヒドロキシメチル)エタン、ナンノース(nannose)、ソルバース(sorbase)、ガラクトースおよび他の糖類から選択される。好ましい糖類としては、スクロース、フルクトースおよびグルコースが挙げられる。とりわけ好ましいアルカノールは、メタノールおよびエタノールである。最も好ましいアルカノールは、メタノールである。
アルコールの量は重要ではない。一般に、カルボニル化されるべきビニルエステル化合物の量より過剰な量が用いられる。したがって、アルコールは反応溶媒としても同様に機能し得るが、所望により別の溶媒を用いてもよい。
反応の最終生成物は、少なくともある程度は、用いられるアルカノールの供給源によって決定されることが認識されるであろう。例えば、メタノールを使用することにより、対応するメチルエステルを生成する。例えばビニルエステルと共に、メタノールは2−アセトキシメチルプロパノアートまたは3−アセトキシメチルプロパノアートを生成する。反対に、水を使用することにより、対応する酸を生成する。
従って、本発明はエチレン性不飽和結合を介して−C(O)OR31基または−C(O)OH基を付加する好都合な方法を提供する。
本発明による方法において、一酸化炭素は、純粋な形態で用いられてもよいし、または、窒素、二酸化炭素のような不活性ガスまたはアルゴンのような貴ガスで希釈されてもよい。少量の、一般的には5体積%の、水素も存在してもよい。
エチレン性不飽和化合物のヒドロキシル基供給源に対する比(容積/容積)は、広い範囲にわたって変化し得、適切には1:0.1〜1:10、好ましくは2:1〜1:2の間の範囲にあり、アルカノールまたは水が反応溶媒でもある場合には、最大で50:1の過剰アルカノールまたは水のような、大過剰のアルカノールまたは水までの範囲にある。
ビニルエステルのカルボニル化方法において用いられる本発明の触媒の量は重要ではない。好ましくは、第8族、第9族または第10族金属の量が、好ましくは、ビニルエステルの1mol当たり、10−7〜10−1molの範囲にあるとき、より好ましくは、エステルの1mol当たり10−6〜10−2molの範囲にあるとき、最も好ましくは、エステル1mol当たり10−5〜10−2molの範囲にあるとき、良好な結果が得ら
れ得る。好ましくは、不飽和化合物に対する式Iまたは式Vの二座化合物の量は、エチレン性不飽和化合物の1mol当たり、10−7〜10−1mol、より好ましくは10−6〜10−2mol、最も好ましくは10−5〜10−2molの範囲にある。
本発明に対して本質的ではないが、適切には、本願において定義されるようなエチレン性不飽和化合物のカルボニル化は、1種以上の非プロトン性溶媒中において行われ得る。適当な溶媒としては、例えば、メチルブチルケトンのようなケトン類;例えば、アニソール(メチルフェニルエーテル)、2,5,8−トリオキサノナン(ダイグライム)、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよびジ−エチレン−グリコールのジメチルエーテルのようなエーテル類;例えば、酢酸メチル、アジピン酸ジメチル、安息香酸メチル、フタル酸ジメチルおよびブチロラクトンのようなエステル類;例えば、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびジメチルホルムアミドのようなアミド類;例えば、ジメチルスルホキシド、ジ−イソプロピルスルホン、スルホラン(テトラヒドロチオフェン−2,2−ジオキシド)、2−メチルスルホラン、ジエチルスルホン、テトラヒドロチオフェン1,1−ジオキシド、および2−メチル−4−エチルスルホランのようなスルホキシド類およびスルホン類;そのような化合物のハロゲン変異体を含む芳香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン:そのような化合物のハロゲン変異体を含むアルカン、例えば、ヘキサン、ヘプタン、2,2,3−トリメチルペンタン、塩化メチレン、四塩化炭素;例えば、ベンゾニトリルおよびアセトニトリルのようなニトリル類が挙げられる。
非常に適しているものは、298.15Kかつ1×10Nm−2において、50の値を下回る、より好ましくは3〜8の範囲内にある誘電率を有する非プロトン性溶媒である。本状況において、所与の溶媒に対する誘電率は、誘電体としてのその物質によるコンデンサーの容量の、誘電体の真空による同一のコンデンサーの容量に対する比を表わす、その通常の意味において用いられる。一般的な有機液体の誘電率の値は、Handbook of Chemistry and Physics、第76版、デービッド アール.ライド(David R. Lide)ら編集、シーアールシー プレス(CRC press)発行、1995年のような一般的な参考図書において
見つけることができ、通常、約20℃または25°C、すなわち約293.15kまたは298.15Kの温度、および大気圧、すなわち約1×10Nm−2に対して示される、または引用された換算係数を用いてその温度および圧力に容易に変換することができる。特定の化合物に対する文献データが入手可能でない場合には、確立した物理化学的方法を用いて、誘電率を容易に測定し得る。
例えば、アニソールの誘電率は4.3(294.2 Kにおいて)であり、ジエチルエーテルの誘電率は4.3(293.2 Kにおいて)であり、スルホランの誘電率は43.4(303.2 Kにおいて)であり、ペンタン酸メチル(methylpentanoate)の誘電率は5.0(293.2 Kにおいて)であり、ジフェニルエーテルの誘電率は3.7(283.2 Kにおいて)であり、アジピン酸ジメチルの誘電率は6.8(293.2 Kにおいて)であり、テトラヒドロフランの誘電率は7.5(295.2 Kにおいて)であり、ノナン酸メチルの誘電率は3.9(293.2 Kにおいて)である。好ましい非プロトン性溶媒はアニソールである。
アルカノールの存在下において、エチレン性不飽和化合物、一酸化炭素およびアルカノールのエステルカルボニル化の生成物が非プロトン性溶媒であるとき、非プロトン性溶媒は反応によって生成されるであろう。
その方法は、過剰の非プロトン性溶媒中、すなわち、少なくとも1:1の非プロトン性
溶媒対アルカノールの比(v/v)で、行なわれ得る。好ましくは、この比は、1:1〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1の範囲にわたる。最も好ましくは、前記比(v/v)は1.5:1〜3:1の範囲にわたる。
前述にもかかわらず、前記反応は、外部から添加される非プロトン性溶媒が存在しない状態、すなわち、反応自体によって生成されたのではない非プロトン性溶媒が存在しない状態で行われることが好ましい。
ヒドロキシカルボニル化中において、プロトン性溶媒が存在することも好ましい。プロトン性溶媒は、カルボン酸またはアルコールを含み得る。ビニルエステルの場合、特に適当なプロトン性溶媒は、ビニルエステルの酸補体(acid complement)である。非プロトン
性溶媒およびプロトン性溶媒の混合物も使用され得る。
カルボニル化反応に水素を添加して、反応速度を向上してもよい。使用されるときの適当な水素濃度は、一酸化炭素の0.1〜20%vol/volの割合であり、より好ましくは一酸化炭素の1〜20%vol/vol、より好ましくは一酸化炭素の2〜15%vol/vol、最も好ましくは一酸化炭素の3〜10%vol/volであり得る。
本発明の触媒化合物は、「不均一系」触媒として作用してもよいし、または「均一系」触媒として作用してもよく、好ましくは均一系触媒として作用し得る。
「均一系」触媒という用語により、担持されていないが、好ましくは本願において記載されるような適当な溶媒中において、カルボニル化反応の反応物(例えばエチレン性不飽和化合物、ヒドロキシル基含有化合物、および一酸化炭素)と単に混合されるか、またはそれらの反応物と共にインサイチューで形成される触媒、すなわち本発明の化合物を意味する。
「不均一系」触媒という用語により、支持体上に担持される触媒、すなわち本発明の化合物を意味する。
したがって、さらなる態様によれば、本発明は、本願において定義されるようなエチレン性不飽和化合物をカルボニル化するための方法であって、支持体、好ましくは不溶性支持体を含む触媒によって行なわれる方法を提供する。
好ましくは、前記支持体は、ポリオレフィン、ポリスチレンのようなポリマー、またはジビニルベンゼンコポリマーのようなポリスチレンコポリマーまたは当業者に公知の他の適当なポリマーポリマーまたはコポリマー;官能化シリカ、シリコーンまたはシリコーンゴムのようなケイ素誘導体;または、例えば無機酸化物、無機塩化物のような他の多孔性粒状物質を含む。
好ましくは、前記支持材は、10〜700m/gの範囲の表面積、0.1〜4.0cc/gの範囲の総細孔容積、および10〜500μmの範囲の平均粒径を有する多孔性シリカである。より好ましくは、表面積は、50〜500m/gの範囲にあり、細孔容積は0.5〜2.5cc/gの範囲にあり、平均粒径は20〜200μmの範囲にある。最も望ましくは、表面積は100〜400m/gの範囲にあり、細孔容積は0.8〜3.0cc/gの範囲にあり、平均粒径は30〜100μmの範囲にある。典型的な多孔質支持層物質の平均細孔径は10〜1000オングストローム(A°´)の範囲にある。好ましくは、50〜500オングストローム、最も望ましくは75〜350オングストロームの平均細孔径を有する支持材が用いられる。シリカを100℃〜800℃の温度で、概して3〜24時間にわたって脱水することが特に望ましい場合がある。
適切には、前記支持体は可撓性支持体であってもよいし、硬質支持体であってもよく、
不溶性支持体は、当業者に周知の技術によって、本発明の方法の化合物で被覆かつ/または含浸させられる。
これに代わって、本発明の方法の化合物は、任意で共有結合を介して、不溶性支持体の表面に固定され、該構成は、任意で不溶性支持体から前記化合物を離間するために、二官能性スペーサー分子を備える。
本発明の化合物は、式Iまたは式Vの化合物の中に存在する官能基、例えば、支持体上に存在するか、または支持体に予め挿入された相補的な(complimentary)反応性基を有す
るシクロアルキル部分の置換基の反応を増進することによって、不溶性支持体の表面に固定され得る。支持体の反応性基と本発明の化合物の相補的置換基とを組み合わせることにより、本発明の化合物および支持体が、エーテル、エステル、アミド、アミン、尿素、ケト基のような結合を介して連結される不均一触媒を提供する。
本発明の方法の化合物を支持体に連結する反応条件の選択は、エチレン性不飽和化合物と支持体の基とに依存する。例えば、カルボジイミド、1,1−カルボニルジイミダゾールのような試薬、並びに混合無水物の使用、還元的アミノ化のような方法が用いられ得る。
さらなる態様によれば、本発明は、触媒が支持体に結合されている本発明の任意の態様の方法または触媒の使用を提供する。
加えて、二座ホスフィンは、(環原子を含む)ブリッジ置換基、架橋基R、連結基Aまたは連結基Bのうちの少なくとも1つを介して適当なポリマーの基質に結合されてもよい。例えば、cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサンは、好ましくはシクロヘキサン基の3,4,5または6環炭素を介して、ポリスチレンに結合されて、固定された不均一系触媒を与え得る。
使用される二座配位子の量は広い範囲にわたって変動し得る。好ましくは、二座配位子は、存在する二座配位子のモル数の、存在する第8族、第9族または第10族金属のモル数に対する比が、金属1mol当たり、1〜50mol、例えば1〜10mol、特に1〜5molとなるような量で存在する。好ましくは、式Iまたは式Vの化合物対第8族、第9族または第10族金属のmol:molの範囲は、1:1〜3:1の範囲にあり、最も好ましくは1:1〜1.5:1の範囲にある。好都合なことに、これらの低いモル比を適用する可能性は、過剰の式Iまたは式Vの化合物の使用を回避し、従ってこれらの通常高価な化合物の消費を最小限にするので、有利である。適切には、本発明の触媒は、カルボニル化反応における該触媒のインサイチューの使用に先立った別の工程で調製される。
好都合なことに、本発明の方法は、第8族、第9族もしくは第10族金属または本願において定義されるようなそれらの化合物を、先に記載したアルカノールまたは非プロトン性溶媒のうちの1つのような適当な溶媒(特に好ましい溶媒は、特定のカルボニル化反応のエステル生成物または酸生成物、例えば酢酸ビニルのカルボニル化に対しては乳酸メチルであろう)に溶解する工程と、続けて、本願において定義されるような式Iまたは式Vの化合物と混合する工程とによって行われ得る。
一酸化炭素は、反応において不活性である他の気体の存在下において用いられてもよい。そのような気体の例としては、水素、窒素、二酸化炭素、およびアルゴンのような希ガスが挙げられる。
反応において用いられるビニルエステルまたはエチレンのようなエチレン性不飽和化合物の量の、アルカノールの量に対するモル比は重要ではなく、広い範囲、例えば、0.0
01:1〜100:1 mol/molにわたって変動し得る。
反応の生成物は、任意の適当な手段によって他の成分から分離され得る。しかしながら、一般に非常に高い選択性からも分かり得るように、著しく少ない副生成物しか形成されないことにより、生成物の初期の分離後におけるさらなる精製の必要性が低減されることは本の方法の利点である。さらなる利点は、触媒系を含有する他の成分はさらなる反応に再循環および/または再使用することができ、新規な触媒の補給は最小限となることである。
好ましくは、カルボニル化は−30〜170℃、より好ましくは−10℃〜160℃、最も好ましくは、20℃〜150℃の温度で行なわれる。とりわけ好ましい温度は、40℃〜150℃の間で選択される温度である。有利には、カルボニル化は中温で行なうことができ、反応を室温(20℃)で実施することができることは特に有利である。
好ましくは、低温カルボニル化を作用させる場合、該カルボニル化は、−30℃〜49℃、より好ましくは−10℃〜45℃、さらに好ましくは0℃〜45℃、最も好ましくは10℃〜45℃において行われる。とりわけ、10〜35℃の範囲が好ましい。
好ましくは、カルボニル化は、0.80×10N.m−2〜90×10N.m−2、好ましくは1×10N.m−2〜65X10N.m−2、最も好ましくは1〜50×10N.m−2のCO分圧で行なわれる。とりわけ好ましいのは、5〜45×10N.m−2のCO分圧である。
好ましくは、低圧カルボニル化も想定される。好ましくは、低圧カルボニル化を作用させる場合、カルボニル化は、0.1〜5×10N.m−2、より好ましくは0.2〜2×10N.m−2、最も好ましくは0.5〜1.5×10N.m−2のCO分圧で行なわれる。
商業的に許容できる時間スケールにおけるカルボニル化が明らかに好ましい以外は、カルボニル化の継続時間における制限は特にない。バッチ反応でのカルボニル化は、48時間以内、より一般的には24時間以内、最も一般的には12時間以内で行われる。一般的には、カルボニル化は、少なくとも5分間、より一般的には少なくとも30分間、最も一般的には少なくとも1時間にわたる。連続反応においては、そのような時間スケールは明らかに関連性がない。連続反応は、触媒が補充を必要とする前においてTONが商業的に許容可能である限り、継続することができる。
本発明の触媒系は、好ましくは、反応物の1つ以上により、または適当な溶媒の使用により形成され得る液相中において構成される。
エチレン性不飽和化合物がビニルエステルであるとき、上述したように、そのビニルエステルは置換されてもよいし、非置換であってもよい。しかしながら、ビニルエステルは非置換であることが好ましい。適当なビニルエステルは、酢酸ビニル、プロパン酸ビニル、ギ酸ビニル、クロロギ酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル(Vinyl-methacryate)、クロトン
酸ビニル、酪酸ビニル、ピバル酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、デカン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ドデカン酸ビニル、安息香酸ビニル、4−tert−ブチル安息香酸ビニル、およびサリチル酸ビニルである。
触媒系と共に安定化化合物を使用することもまた、触媒系から失われた金属の回収の改善に有益な場合がある。触媒系が液体反応媒体中において用いられる場合、そのような安定化化合物は、第8族、第9族または第10族金属の回収を支援し得る。
従って、好ましくは、触媒系は、液体反応媒体中において、液体担体において溶解したポリマー分散剤を含有してもよい。前記ポリマー分散剤は、液体担体内において、第8族、第9族または第10族金属の粒子または触媒系の金属化合物のコロイド懸濁液を安定させることができる。
液体反応媒体は、反応のための溶媒であってもよいし、あるいは反応物または反応生成物自身の1つ以上からなってもよい。液体形態にある反応物および反応生成物は、溶媒または液体希釈剤と混和されてもよいし、あるいは溶媒または液体希釈剤中に溶解されてもよい。
ポリマー分散剤は液体反応媒体中に可溶であるが、反応速度論または熱伝導に対して不都合となってしまうように、反応媒体の粘度を著しく増大すべきではない。温度および圧力の反応条件下の液体媒体中における分散剤の溶解度は、金属粒子上における分散剤分子の吸着を著しく阻止するほど大きくてはならない。
ポリマー分散剤は、前記第8族、第9族または第10族金属または金属化合物の粒子のコロイド懸濁液を液体反応媒体中で安定させることができ、そのため、触媒分解の結果として形成された金属粒子は、液体反応媒体中において懸濁液中に保持され、再生および任意でさらなる量の触媒を製造する際の再使用のために、液体と共に反応装置から放出される。金属粒子は、通常、コロイド状の寸法であり、5〜100nmの範囲の平均粒径であるが、場合により、より大きな粒子が生じることがある。ポリマー分散剤の一部分は金属粒子の表面上に吸着されるが、分散剤分子の残りは、液体反応媒体によって部分的に溶媒和され続ける。このように分散された第8族、第9族または第10族金属粒子は、反応装置の壁の上、または反応装置の空所に沈降すること、並びに粒子の衝突によって成長し、最終的に、凝結し得る金属粒子の集塊を形成することに対して安定化される。適当な分散剤粒子の存在下においてさえ、ある程度の粒子の凝集は起こり得るが、分散剤の種類および濃度が最適化される場合、そのような凝集は比較的低いレベルにあるに違いなく、また、撹拌によってそれらの集塊が破壊され、粒子が再度分散され得るように、集塊は緩く形をなすにすぎないことがある。
ポリマーの分散剤は、グラフトコポリマーおよび星形高分子のようなポリマーを含むホモポリマーまたはコポリマーを含有し得る。
好ましくは、ポリマー分散剤は、前記第8族、第9族、または第10族金属または金属化合物のコロイド懸濁液を実質的に安定させるための酸性または塩基性の官能性(acidic or basic functionality)を十分に有する。
実質的に安定させるとは、第8族、第9族または第10族金属の溶液相からの析出が実質的に回避されることを意味する。
この目的に対して特に好ましい分散剤としては、カルボン酸、スルホン酸、ポリアクリレートのようなアミンおよびアミド、または複素環、特に窒素複素環、ポリビニルピロリドンのような置換ポリビニルポリマー、または前記のもののコポリマーを含む酸性または塩基性ポリマーが挙げられる。
そのようなポリマーの分散剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、ポリグリシン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ−L−ロイシン、ポリ−L−メチオニン、ポリ−L−プロリン、ポリ−L−セリン、ポリ−L−チロシン、ポリ(ビニルベンゼンスルホン酸)およびポリ(ビニルスルホン酸)、アシル化ポリエチレンイミンから選択され得る。適当なアシル化ポリエチレンイミンは、バスフ(BASF)の欧州特許出願公開第EP13
30309A1号および米国特許第US6,723,882号に記載されている。
好ましくは、ポリマー分散剤は、ポリマー骨格にペンダントして、またはポリマー骨格内に、酸性部分または塩基性部分を組み込んでいる。好ましくは、酸性部分は、6.0未満の、より好ましくは5.0未満の、最も好ましくは4.5未満の解離定数(pKa)を有する。好ましくは、塩基性部分は、6.0未満の、より好ましくは5.0未満の、最も好ましくは4.5未満の塩基解離定数(pKb)を有する。pKaおよびpKbは25℃の希釈水溶液において測定される。
適当なポリマー分散剤は、反応条件において反応媒体に可溶であることに加えて、ポリマー骨格内に、またはペンダント基として、少なくとも1つの酸性部分または塩基性部分を含有する。ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrollidone(PVP))、およびポリアクリル酸(PAA)などのポリアクリレートのような酸部分およびアミド部分を組み込んだポリマーが特に適当であることを見出した。本発明で使用するのに適したポリマーの分子量は、反応媒体の性質および反応媒体中でのポリマーの溶解度に依存する。通常、平均分子量は100,000未満であることを見出した。好ましくは、平均分子量は、1,000〜200,000の範囲、より好ましくは5,000〜100,000の範囲、最も好ましくは10,000〜40,000の範囲にあり、例えば、Mvは、PVPが用いられる場合には、好ましくは10,000〜80,000の範囲、より好ましくは20,000〜60,000の範囲にあり、PAAの場合には約1,000〜10,000のオーダーの範囲にある。
反応媒体中における分散剤の効果的な濃度は、用いられることになっている各反応/触媒系に対して決定されるべきである。
分散された第8族、第9族または第10族金属は、反応装置から除去された液体流から、例えば濾過によって、回収され、次いで、廃棄されるか、あるいは触媒または他の用途として再使用するために処理されるかのいずれかであり得る。連続法においては、液体流は外部熱交換器を介して循環されてもよく、そのような場合、これらの循環装置内にパラジウム粒子用フィルタを設置することが好都合であり得る。
好ましくはポリマー:金属の質量比は、g/gにおいて、1:1〜1000:1であり、より好ましくは1:1〜400:1であり、最も好ましくは1:1〜200:1である。好ましくは、ポリマー:金属の質量比は、g/gにおいて、最大1000であり、より好ましくは最大400であり、最も好ましくは最大200である。
本発明の第1態様において述べた特徴のうちのいずれも、本発明の第2態様、第3態様、第4態様、第5態様、または他の態様の好ましい特徴と見なされてもよく、その逆も同様であることが認識されるであろう。
本発明はまた、式(I)または(V)の新規な二座配位子、およびそのような配位子の第8族、第9族もしくは第10族の金属またはそれらの化合物との新規な錯体に及ぶ。
ここで、本発明を以下の非限定的な実施例および比較例によって説明および例示する。
比較および調製の例1 cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサンの調製
Figure 2009515936
1.a)cis−(1,2ジブロモメチル)シクロヘキサンの調製
cis−シクロヘキサンジメタノール(30.0g、210mmol)を、HBr(48%、55ml、486mmol)中に部分的に溶解し、これにHSO(98%、88ml、1618mmol)をゆっくりと添加した。次に、結果として生じた褐色懸濁液を5時間にわたって100℃に加熱した。褐色懸濁液を室温に冷まし、水(100ml)およびジエチルエーテル(2×200ml)で希釈した。分離により有機層を収集して、水(200ml)および10%炭酸ナトリウム溶液(100ml)および水(2×150ml)で洗浄した。次に、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過した。次に、濾液を真空下で乾燥させると、茶色の油を生じた。収量=47.0g、83%。HNMRによる純度99%。FW=270.00。
1.b)cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサンの調製
Bu PH.BH(19.6g、122mmol)をTHF(100ml)中に溶解し、これにBuLi(ヘキサン中2.5M、48.9ml、122mmol)をゆっくりと添加した。次に、結果として生じた溶液を室温で2時間にわたって撹拌した。次に、これを、例1a)からのcis−(1,2−ジブロモメチル)シクロヘキサン(15.0g、55.6mmol)のTHF(100ml)中溶液に滴下して加えた。次に、結果として生じた溶液を4時間撹拌した後、16時間放置した。反応をメタノール(50ml)でクエンチし、その量を真空下で除去した。結果として生じた橙色の油状固体をジエチルエーテル(200ml)中に懸濁し、これにテトラフルオロホウ酸(ジエチルエーテル中54%、367mmol、50.5ml)を添加した。これは急速な気体の発生を生じ、溶液を加熱して2時間にわたって還流させた後、窒素に開放して16時間放置した。次に、溶媒を真空下で除去し、残留物をメタノール(100ml)中に懸濁して、その懸濁液を2時間撹拌した。いくらかの気体の発生が観察された。次に、メタノールを真空下で除去した。別のシュレンクフラスコに水酸化カリウム(30.0g、454mmol)を加え、これを水(100ml)に溶解し、その結果生じた溶液を窒素で30分間にわたって脱気した。次に、該KOH溶液を前記ホスフィン残留物に滴下して添加した。これは発熱および白い懸濁液を生じた。ペンタン(2×100ml)を添加した。カニューレによって有機抽出物を別のシュレンクに取り出した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。次に、濾液を真空下で乾燥すると、無色の油が得られた。収量=11.8g、53%。31P{H}NMR:δ=25ppm、純度>95%。
比較および調製の例2 trans−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチルシクロヘキサンの調製
Figure 2009515936
2.a)trans−シクロヘキサンジメタノールの調製
trans−1,2−シクロヘキサンカルボン酸(25.0g、145mmol)をシュレンクフラスコに入れて、LiAlH(THF中1M、290mmol、290ml)をゆっくりと添加した。次に、結果として生じた無色溶液を16時間にわたって75°Cに加熱した。次に、その溶液を室温に冷却し、水(200ml)でクエンチして、発熱性付加(exothermic addition)を行った。これは多量の白色固体を与えた。THF層を濾
過によって収集し、白色沈殿物をジエチルエーテル(2×200ml)で洗浄した。合一した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過した。次に、濾液を真空下で乾燥すると、無色の油を生じた。収量=16.8g、81%。
2.b)trans−(1,2ジブロモメチル)シクロヘキサンの調製
例2aからのジオール(16.8g、117.6mmol)をHBr(48%、30.8ml、272mmol)で希釈し、これにHSO(98%、49ml、906mmol)をゆっくりと添加した。これは橙色の懸濁液を与えた。次にこれを5時間にわたって100℃に加熱すると、暗褐色/黒色の液体を生じた。次いで、その懸濁液を室温に冷まし、水(100ml)で希釈した。生成物をジエチルエーテル(2×200ml)中に抽出した。合一した有機抽出物を、水(2×200ml)、10%炭酸ナトリウム溶液(250ml)、および水(250ml)で洗浄した。次に、有機抽出物層を硫酸ナトリウム上で乾燥させて濾過した。次に、濾液を真空下で乾燥させると、茶色の油を生じた。収量=23.0g、72%。
2.c)trans−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサンの調製
Bu PH.BH(13.0g、81.5mmol)をTHF(50ml)中に溶解し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、32.6ml、81.5mmol)を添加した。次に、結果として生じた黄色溶液を室温で1時間にわたって撹拌した。例2.b)からのジブロミド(10.0g、37mmol)をTHF(50ml)中に溶解して、リチウムリン化物を滴下して加えた。次に、結果として生じた溶液を50℃で30分間加熱した。次に、橙色/赤色の溶液を室温に冷却した。次に、その溶液をメタノール(50ml)でクエンチし、30分間撹拌した。次に、真空下で溶媒を除去した。次に、そのホスフィンをジエチルエーテル(200ml)中に懸濁して、HBF4(ジエチルエーテル中54%、30.5ml、222mmol)をゆっくりと添加した。
これは気体および熱の発生を生じた。次に、結果として生じた懸濁液を16時間にわたって加熱して還流した。次に、過剰な溶媒を真空下で除去し、残留物をメタノール(50ml)中に懸濁した。次に、メタノール懸濁液を30分間撹拌した。次に、メタノールを真空下で除去し、KOH(13g、231.7mmol)の水(75ml、窒素ガスで30分間脱気済み済み)中溶液をゆっくりと添加した。これは発熱および白い懸濁液を生じた。次に、これをペンタン(2×250ml)で洗浄し、合一したペンタン洗浄液を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、ペンタン洗浄液をカニューレによって清潔なシュレンクフラスコ中に移動させた後、真空下で乾燥させた。これをペンタン(50ml)中に抽出すると、いくらかの不溶性の白色物質が観察された。ペンタン可溶物質を、カニューレ
によって清潔なシュレンクフラスコ中に移動させ、溶媒を真空下で除去した。これは黄色の油状固体を生じた。収量=5.35g、36%。31P{H}NMR:δ=22.3ppm、純度>95%
比較および調製の例3 (2−exo,3−exo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)の調製
Figure 2009515936
3.a)(2−exo,3−exo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(p−トルエンスルホニル−メチル)の調製
当量の(2−exo−,3−exo)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジメタノール(市販)(21g、134.6mmol)をピリジン(50ml)で希釈し、0℃に冷却した。これに、p−トルエンスルホクロリド(TsCl、56.46g、296mmol)のピリジン(100ml)中溶液を5分間かけて添加した。結果として生じた懸濁液を室温に暖め、さらに50mlのピリジンで希釈した。次に、その懸濁液を室温で一晩撹拌した。次に、その懸濁液を、HCl(濃厚、100ml)および水(500ml)を入れたビーカーに注いだ。これにより、溶液の上面に浮かんだ白色固体を生じた。この固体をフリット上に隔離して、水(4×250ml)で洗浄した。次に、白色固体を真空下で乾燥した。収量=24.0g、41%。
3.b)(2−exo,3−exo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ジボランの調製
Bu PH.BH(19.2g、120mmol)をTHF(150ml)中に溶解し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、52.8ml、120mmo)を添加した。次に、結果として生じた黄色溶液を室温で1時間にわたって撹拌した。ジトシラート(3a)(24.0g、54.54mmol)をTHF(100ml)中に懸濁して、前記リチウムリン化物溶液を滴下して加えた。これにより灰色の懸濁液を生じた。これを1時間撹拌した後、一晩放置した。前記懸濁液を、水(100ml)でクエンチし、生成物をジエチルエーテル(2×200ml)中に抽出した。合一したエーテル抽出物を水(4×250ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。次に、エーテル抽出物を濾過して、真空下で乾燥させた。これにより淡黄色の固体を生じた。収量=16.4g、73%。
3.c)(2−exo,3−exo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)の調製
ホウ素化ホスフィン(3b)(16.4g、39.8mmol)をジエチルエーテル(200ml)中に溶解し、HBF4(ジエチルエーテル中54%、44ml、318mmol)をゆっくりと添加した。これは気体および熱の発生を生じた。次に、その溶液を3日間加熱して還流した。これにより大量の白色沈殿物の形成をもたらした。次に、その懸濁液を室温に冷却し、エーテル溶液をカニューレによって除去した。残留物を真空下で乾燥し、次に、メタノール(50ml)中に懸濁した。次に、メタノール懸濁液を30分間撹拌した後、メタノールを真空下で除去した。残留物に、水酸化カリウム(10g、178.2mmol)の水(100ml、窒素ガスで30分間脱気済み)中溶液を添加した。これにより発熱および白色沈殿物の形成を生じた。これをペンタン(2×250ml)で
洗浄した。合一したペンタン洗浄液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に、カニューレによって清潔なシュレンクフラスコに移した。次に、ペンタンを真空下で除去すると、白色固体を生じた。収量=8.4g、51%。31P{H}NMR:δ=26.4ppm、純度>95%。
比較および調製の例4 (2−endo,3−endo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)の調製
Figure 2009515936
4.a)(2−endo,3−endo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)の調製
当量の無水物(cis−5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン無水物)(22.2g、133.33mmol)をTHF(100ml)中に溶解し、LiAlH(THF中1M、200mmol、200ml)をゆっくりと添加した。次に、結果として生じた無色溶液を16時間にわたって70°Cに加熱した。次に、その溶液を室温に冷却し、水(100ml)でクエンチして、発熱性付加を行った。これは多量の白色固体を与えた。THF層を濾過によって収集し、白色沈殿物をジエチルエーテル(2×100ml)で洗浄した。合一した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過した。次に、濾液を真空下で乾燥すると、無色の油を生じた。収量=18.9g、91%。
4.b)(2−endo,3−endo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(p−トルエンスルホニル−メチル)の調製
ジオール(4a、18.9g、120.8mmol)をピリジン(100ml)で希釈し、水浴中で冷却した。これに、p−トルエンスルホクロリド(TsCl、50.7g、266mmol)のピリジン(100ml)中溶液を5分間にわたって添加した。結果として生じた懸濁液を室温に暖め、室温で一晩撹拌した。次に、その懸濁液を、HCl(濃厚、100ml)および水(500ml)を入れたビーカーに注いだ。有機生成物をジエチルエーテル(2×200ml)で抽出した。合一したエーテル抽出物を水(4×250ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、エーテル抽出物を濾過し、濾液を真空下で乾燥させた。これは黄色の油状固体を生じた。収量=23.4g、48%。
4.c)(2−endo,3−endo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ジボランの調製
Bu PH.BH(18.7g、117mmol)をTHF(100ml)中に溶解して、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、46.8ml、117mmol)を添加した。次に、結果として生じた黄色溶液を室温で1時間撹拌した。ジトシラート(4b)(23.4g、53.24mmol)をTHF(100ml)中に溶解して、前記リチウムリン化物溶液を滴下して加えた。これにより、鮮黄色懸濁液を生じた。これを2時間撹拌した後、一晩放置した。その懸濁液を水(100ml)でクエンチして、生成物をジエチルエーテル(2×300ml)に抽出した。合一したエーテル抽出物を水(5×250ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、エーテル抽出物を濾過して、真空下で乾燥させた。これにより、黄色の油を生じた。収量=13.1g、60%。
4.d)(2−endo,3−endo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)の調製
ホウ素化ホスフィン(4.c)(13.1g、31.8mmol)をジエチルエーテル(200ml)中に溶解し、HBF4(ジエチルエーテル中54%、35ml、254mmol)をゆっくりと添加した。これにより、気体および熱の発生を生じた。次に、その溶液を3日間にわたって加熱して還流した。これにより、大量の白色沈殿物の形成を生じた。次に、その懸濁液を室温に冷却して、カニューレによってエーテル溶液を除去した。残留物を真空下で乾燥させた後、メタノール(50ml)中に懸濁した。次に、メタノール懸濁液を30分間撹拌した後、メタノールを真空下で除去した。残留物に、水酸化カリウム(10g、178.2mmol)の水(100ml、窒素ガスにより30分間脱気済み)溶液を添加した。これにより、発熱および白色沈殿物の形成を生じた。これをペンタン(2×250ml)で洗浄した。合一したペンタン洗浄液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に、カニューレによって清潔なシュレンクフラスコに移した。次に、ペンタンを真空下で除去すると、無色の油を生じた。収量=3.8g、29%。31P{Η}NMR:δ=24.6、24.4、22.4ppm、純度>95%。
調製の例5 cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),4,5ジメチルシクロヘキサンの調製
Figure 2009515936
5.a)cis−1,2−ビス(ヒドロキシメチル)4,5ジメチルシクロヘキサンの調製
無水物(4,5−ジメチル−cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)(20.1g、110mmol)をTHF(50ml)で希釈して、0℃に冷却した。これに、LiAlH(THF中1M、220mmol、220ml)をゆっくりと添加した。これにより、気体および熱の発生を生じた。次に、結果として生じた灰/黄色溶液を16時間にわたって77°Cに加熱した。次に、その溶液を室温に冷却して、HCl(25ml、濃厚)の水(100ml)溶液でクエンチして、発熱性付加を行った。これにより多量の白色固体を生じた。次に、ジエチルエーテル(200ml)を添加した。THF層を濾過によって収集し、白色沈殿物をジエチルエーテル(2×100ml)で洗浄した。合一した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過した。次に、濾液を真空下で乾燥すると、無色の油を生じた。収量=15.0g、79%。
5.b)cis−1,2−ビス(p−トルエンスルホニル−メチル,4,5ジメチルシクロヘキサンの調製
ジオール(5a、15.0g、87mmol)をシュレンクフラスコに入れて、0℃に冷却した。これに、p−トルエンスルホニルクロリド(TsCl、36.6g、192mmol)のピリジン(100ml)中溶液を5分間にわたって添加した。結果として生じた懸濁液を室温に暖めて、ピリジン(50ml)で希釈した。次に、その懸濁液を室温で一晩撹拌した。次に、その懸濁液をHCl(濃厚、100ml)および水(500ml)を入れたビーカーに注いだ。有機生成物をジエチルエーテル(3×400ml)で抽出し
た。合一したエーテル抽出物を水(3×600ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、エーテル抽出物を濾過して、濾液を真空下で乾燥させた。これにより、粘質の白/黄色固体を生じた。収量=18.1g、43%。
5.c)cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ジボラン,4,5ジメチルシクロヘキサンの調製
Bu PH.BH(13.3g、83mmol)をTHF(50ml)中に溶解して、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、33.2ml、83mmol)を添加した。次に、結果として生じた黄色溶液を室温で1時間撹拌した。ジトシラート(5b)(18.1g、38mmol)をTHF(100ml)中に溶解して、前記リチウムリン化物溶液を滴下して加えた。これにより、鮮黄色懸濁液を生じた。これを1時間撹拌した後、一晩放置した。その懸濁液を水(100ml)でクエンチして、生成物をジエチルエーテル(2×250ml)中に抽出した。合一したエーテル抽出物を水(3×250ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、エーテル抽出物を濾過して、真空下で乾燥させた。これにより、無色の油を生じた。収量=12.2g、75%。
5.d)cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),4,5ジメチルシクロヘキサンの調製
ホウ素化ホスフィン(5c)(12.2g、28.5mmol)をジエチルエーテル(200ml)中に溶解し、HBF4(ジエチルエーテル中54%、31.3ml、228mmol)をゆっくりと添加した。これにより、気体および熱の発生を生じた。次に、その溶液を3日間にわたって加熱して還流した。これにより、大量の白色沈殿物の形成を生じた。次に、その懸濁液を室温に冷却して、カニューレによってエーテル溶液を除去した。残留物を真空下で乾燥させた後、メタノール(50ml)中に懸濁した。次に、メタノール懸濁液を30分間撹拌した後、メタノールを真空下で除去した。残留物に、水酸化カリウム(10g、178.2mmol)の水(100ml、窒素ガスにより30分間脱気済み)溶液を添加した。これにより、発熱および白色沈殿物の形成を生じた。これをペンタン(2×250ml)で洗浄した。合一したペンタン洗浄液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に、カニューレによって清潔なシュレンクフラスコに移した。次に、ペンタンを真空下で除去すると、無色の油を生じた。収量=4.2g、34%。31P{H}NMR:δ=26.9、25.4、24.4ppm、純度>95%。
比較および調製の例6 cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),3,6,ジフェニルシクロヘキサンの調製
Figure 2009515936
6.a)cis−1,2−ビス(ヒドロキシメチル),3,6,ジフェニルシクロヘキサンの調製
無水物(3,6−ジフェニル−cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン無水物)(22.2g、133.33mmol)をTHF(100ml)中に溶解して、LiAlH(THF中1M、200mmol、200ml)をゆっくりと添加した。次に、結果として生じた無色溶液を16時間にわたって70°Cに加熱した。次に、その溶液を室温に冷却し、水(100ml)でクエンチして、発熱性付加を行った。これにより多量の白色固体を生じた。THF層を濾過によって収集し、白色沈殿物をジエチルエーテル(2×150ml)で洗浄した。合一した有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過した。次に、濾液を真空下で乾燥させると、無色の油を生じた。収量=18.9g、91%。
6.b)cis−1,2−ビス(p−トルエンスルホニル−メチル),3,6,ジフェニルシクロヘキサンの調製
ジオール(7a)(18.9g、120.8mmol)をピリジン(100ml)で希釈し、水浴中で冷却した。これに、p−トルエンスルホクロリド(TsCl、50.7g、266mmol)のピリジン(100ml)中溶液を5分間にわたって添加した。結果として生じた懸濁液を室温に暖め、室温で一晩撹拌した。次に、その懸濁液をHCl(濃厚、100ml)および水(500ml)を入れたビーカーに注いだ。有機生成物をジエチルエーテル(2×200ml)で抽出した。合一したエーテル抽出物を水(4×250ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、エーテル抽出物を濾過して、濾液を真空下で乾燥させた。これは黄色の油状固体を生じた。収量=23.4g、48%。
6.c)cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ジボラン,3,6,ジフェニルシクロヘキサンの調製
Bu PH.BH(18.7g、117mmol)をTHF(100ml)中に溶解して、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、46.8ml、117mmol)を添加した。次に、結果として生じた黄色溶液を室温で1時間撹拌した。ジトシラート(7b)(23.4g、53.24mmol)をTHF(100ml)中に溶解して、前記リチウムリン化物溶液を滴下して加えた。これにより、鮮黄色の懸濁液を生じた。これを2時間撹拌した後、一晩放置した。その懸濁液を水(100ml)でクエンチして、生成物をジエチルエーテル(2×300ml)に抽出した。合一したエーテル抽出物を水(5×
250ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。次に、エーテル抽出物を濾過して、真空下で乾燥させた。これにより、黄色の油を生じた。収量=5.7g、9%。
6.d)cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),3,6,ジフェニルシクロヘキサンの調製
ホウ素化ホスフィン(7.c)(5.7g、10.3mmol)をジエチルエーテル(200ml)中に溶解し、HBF4(ジエチルエーテル中54%、11.4ml、82.6mmol)をゆっくりと添加した。これにより、気体および熱の発生を生じた。次に、前記溶液を16時間にわたって加熱して還流(52℃)した。これにより、大量の白色沈殿物の形成を生じた。次に、その懸濁液を室温に冷却して、カニューレによってエーテル溶液を除去した。残留物を真空下で乾燥させた後、メタノール(50ml)中に懸濁した。次に、そのメタノール懸濁液を30分間撹拌した後、メタノールを真空下で除去した。残留物に、水酸化カリウム(5g、89.1mmol)の水(100ml、窒素ガスにより30分間脱気済み)溶液を添加した。これにより、発熱および白色沈殿物の形成を生じた。これをペンタン(2×250ml)で洗浄した。合一したペンタン洗浄液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次に、カニューレによって清潔なシュレンクフラスコに移した。次に、ペンタンを真空下で除去すると、淡黄色の油を生じた。収量=0.9g、31P{H}NMR:δ=22.3ppm、純度>90%。
カルボニル化実験手順−実施例1および比較例1〜5
反応溶液は標準的なシュレンクライン法を用いて調製した。窒素置換(nitrogen purge)したグローブボックスを用いて、500mlの丸底フラスコ中に、134.4mg(0.000598mol)のPd(OAc)と3当量の配位子とを秤量して入れた。次に、フラスコをシュレンクライン上に移動した。次に、パラジウムおよび配位子を180mlの脱気したプロピオン酸メチル中に溶解し、次いで120mlの脱気したメタノール中に溶解した。これにより、63.4%のプロピオン酸メチルおよび36.6%のメタノールの全体的な溶媒組成が与えられた。最後に、100μl(2.5当量)のメタンスルホン酸を前記混合物に添加して反応溶液の調製を完了した。次に反応溶液からGC分析のために試料採取した。
反応溶液を秤量して、次に、予め脱気した2リットルのオートクレーブに充填した。次に、前記オートクレーブを、最初は5バールの水素、20バールのエテン、次いで40バールの一酸化炭素の順で加圧した。その後、オートクレーブを密閉した。これにより、約65バールの全体圧を生じた。次に、オートクレーブ撹拌器駆動装置のスイッチを入れると、気体が溶液中に溶解することにより、全体圧の降下を生じた。この低くなった圧力を記録した。次に、オートクレーブを100°Cに加熱すると、圧力の上昇を生じた。圧力示度を100℃で得た。次に、反応を3時間にわたって進行させ、上部空間からの気体がメトキシカルボニル化生成物に転化されるにつれて、全体圧の降下を生じた。3時間の反応時間の後、槽の圧力を再度記録した。次に、反応装置を冷却した。反応装置の温度が元の外界温度に戻ったときに、最後の圧力示度を得た。次に、オートクレーブを通気して解放し、生成物を秤量し、CG用に試料採取した。反応溶液の一部も目視検査のために収集した。
すべての4つの圧力示度において以下を記録した:
1)外界温度における反応の前のオートクレーブの圧力
2)100°Cの反応温度におけるオートクレーブの圧力
3)反応時間後の100℃におけるオートクレーブの圧力
4)冷却後の外界温度におけるオートクレーブの圧力。
このように圧力示度を得ることにより、周囲温度および反応温度の双方における気体の
取り込みを算出することが可能となる。
Figure 2009515936

Figure 2009515936
Figure 2009515936
酢酸ビニルを用いたカルボニル化の実施例
2−アセトキシメチルプロピオナートへの酢酸ビニルのメトキシカルボニル化
酢酸ビニルのカルボニル化実験は、2リットルのステンレス鋼製磁気撹拌式オートクレ
ーブ内で行った。前記オートクレーブは気体貯蔵器を装備し、半連続的なバッチ反応、および気体貯蔵器圧の電子監視による動的データを可能にする。67.5mg(0.300ミリモル)の酢酸パラジウム、0.600mmolの選択した二座ホスフィン、300mlの脱気したメタノール、50mlの脱気した酢酸ビニル、および39μl(0.60ミリモル)のメタンスルホン酸を含有する溶液を、丸底フラスコから吸引することによってオートクレーブに加える。オートクレーブを60℃に加熱し、10バールの一酸化炭素を導入することによって反応を開始する。オートクレーブ圧力は、反応気体に補給するための気体貯蔵器からの一酸化炭素供給を維持することにより、一定に保持される。3時間後、一酸化炭素供給を分離し、オートクレーブを冷却した後、圧力を解放し、液体体積を分析用に収集する。反応速度を表3に示す。反応速度は、理想気体として挙動し、メチルエステル形成に対して100%の選択性であると仮定して、1リットルの供給物貯蔵器中の圧力の変化率から計算する。試料をガスクロマトグラフィーによって分析した。その結果を選択性として表1に示す。
Figure 2009515936
注:
1.速度=消費した一酸化炭素のモル数/パラジウムのモル数/時間(時間)
2.選択性=GCによって測定した、2−アセトキシメチルプロピオナートおよび3−アセトキシメチルプロピオナートの合計に対する2−アセトキシメチルプロピオナートのパーセンテージ
シクロヘキシルカルボニル化の生成物を蒸留した後、2−アセトキシメチルプロピオナートおよび3−アセトキシメチルプロピオナートを異なる留出物として収集した。
カルボニル化の実施例3〜9
3−アセトキシプロピオン酸への酢酸ビニルのヒドロキシカルボニル化
酢酸ビニルのカルボニル化実験は、2リットルのステンレス鋼製磁気撹拌式オートクレーブ内で行った。前記オートクレーブは、気体貯蔵器を装備して、半連続的なバッチ反応、および気体貯蔵器圧の電子監視による動的データを可能にする。179.0mg(0.800mmol)の酢酸パラジウム、2.000mmolの選択した二座ホスフィン、200mlの脱気した酢酸、30mlの脱気した脱塩水、および100mlの酢酸ビニルを含有する溶液を、丸底フラスコから吸引することによってオートクレーブに加える。オートクレーブを135℃に加熱し、40バールの一酸化炭素を導入することによって反応を開始した。オートクレーブ圧力は、反応させた気体に補給するために気体貯蔵器からの一酸化炭素供給を維持することにより、一定に保持される。3時間後、一酸化炭素供給を分離し、オートクレーブを冷却した後、圧力を解放し、液体体積を分析用に収集する。反応速度を表4に示す。反応速度は、理想気体として挙動し、生成物である酸の形成に対して100%の選択性であると仮定して、1リットルの供給物貯蔵器の圧力の変化率から計算する。試料をガスクロマトグラフィーによって分析した。その結果を選択性として表4に示す。
実施例7において、標準触媒溶液は、0.15mmolの酢酸パラジウムおよび0.375mmolの選択した二座配位子を用い、用いた一酸化炭素の量の5%の水素を一酸化炭素の添加前に加えること以外は、上記に記載した通りに調製されている。
Figure 2009515936
1.速度=消費した一酸化炭素のモル数/パラジウムのモル数/時間(時間)
2.選択性=GCによって測定した、2−アセトキシプロピオン酸および3−アセトキシプロピオン酸の合計に対する3−アセトキシプロピオン酸のパーセンテージ
実施例6および7において、標準触媒溶液は、0.15mmolのPd(OAc)および0.375mmolの二座配位子を用い、一酸化炭素の添加前に5%の水素を加えるという点を除いて、調製されている。
略号一覧:
A 1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)ベンゼン;
B cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン
C cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)5,6−ジメチルシクロヘキサン
Figure 2009515936
シクロヘキシルカルボニル化の生成物を蒸留した後、2−アセトキシプロパン酸(分岐鎖)および3−アセトキシプロパン酸(直鎖)を異なる留出物として収集した。
乳酸エステルおよび3−ヒドロキシエステルの生成
3ヒドロキシメチルプロピオナートの調製
25gの3 アセトキシメチルプロピオナート(0.171mol)に、1%w/wの
メタンスルホン酸を含有する25gのMeOH(0.78mol)を添加した。その溶液を60℃で6時間撹拌した後、室温に冷却した。試料をGCによって分析したところ、3アセトキシメチルプロピオナートに対応するピークは完全に消失し、3−ヒドロキシメチルプロピオナートに対応するピークと置き換わっていた。3−アセトキシプロパン酸を同様処理して3−ヒドロキシプロパン酸を直接生成することもできるし、あるいは、3−アセトキシプロパン酸を最初にメタノールでエステル化することにより同一の方法で処理することもできる。
2ヒドロキシメチルプロピオナートの調製
25gの2アセトキシメチルプロピオナート(0.171mol)に、1%w/wのメタンスルホン酸を含有する25gのMeOH(0.78mol)を添加した。その溶液を60℃で6時間撹拌した後、室温に冷却した。試料をGCによって分析したところ、2−アセトキシメチルプロピオナートに対応するピークは完全に消失し、2−ヒドロキシメチルプロピオナートに対応するピークと置き換わっていた。2−アセトキシプロパン酸を同様処理して2−ヒドロキシプロピオン酸を直接生成することもできるし、あるいは、3−アセトキシプロパン酸を最初にメタノールでエステル化することにより同一の方法で処理することもできる。
2−ヒドロキシプロピオン酸(乳酸)の調製
25gの2−アセトキシメチルプロピオナート(0.171mol)に25gのMeOHを添加した。この撹拌された溶液に、20mlの水中に溶解した20gの水酸化ナトリウム(0.5mol)を添加した。その溶液を50℃で1時間撹拌した後、室温に冷却した。次に、HClをゆっくりと添加することによって、溶液のpHをpH3.0に調整し、試料を1時間撹拌した。試料をGCによって分析したところ、2アセトキシメチルプロピオナートに対応するピークは完全に消失し、2ヒドロキシプロピオン酸に対応するピークと置き換わっていた。
3ヒドロキシプロピオン酸(乳酸)の調製
25gの3アセトキシメチルプロピオナート(0.171mol)に25gのMeOHを添加した。この撹拌された溶液に、20mlの水中に溶解した20gの水酸化ナトリウム(0.5mol)を添加した。その溶液を50℃で1時間撹拌した後、室温に冷却した。次に、HClをゆっくりと添加することによって、溶液のpHをpH3.0に調整し、試料を1時間撹拌した。試料をGCによって分析したところ、3アセトキシメチルプロピオナートに対応するピークは完全に消失し、3ヒドロキシプロピオン酸に対応するピークと置き換わっていた。
読者の注意は、本出願に関して本明細書と同時に、または本明細書に先立って出願され、かつ本明細書によって公衆による閲覧に付されたすべての論文および文書に向けられる。すべてのそのような論文および文書の内容は、参照により本願に援用される。
この明細書において開示された特徴のすべて(添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)、および/または開示したあらゆる方法または方法の工程の全ては、そのような特徴および/または工程の少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除く、任意の組み合わせで組み合わせられ得る。
本明細書において開示された各特徴(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)は、明示的に別段の定めをした場合を除き、同一、均等、または類似した目的に役立つ代わりの特徴と置き換えられてもよい。したがって、明示的に別段の定めをした場合を除き、開示された各特徴は、一般的な一連の均等または類似した特徴の一例に過ぎない。
本発明は前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、および図面)において開示された特徴のうち新規な任意の1つまたは新規な組み合わせ、あるいはそのように開示された任意の方法または方法の工程の新規な任意の1つまたは新規な組み合わせに及ぶ。

Claims (31)

  1. エチレン性不飽和化合物をカルボニル化するための方法であって、ヒドロキシル基の供給源および触媒系の存在下において、前記化合物を一酸化炭素と反応させる工程を含み、前記触媒系は、
    (a)第8族、第9族もしくは第10族の金属、またはそれらの化合物と、
    (b)下記一般式(I)の二座配位子と
    (I)X(X)−Q−A−R−B−Q−X(X
    を組み合わせることによって得ることができ、
    前記式中、
    AおよびBは、各々独立して、低級アルキレンを表わし、
    Rは、少なくとも1つの非芳香環を有する環式ヒドロカルビル構造を表わし、前記環式ヒドロカルビル構造には、QおよびQ原子が、前記少なくとも1つの環の利用可能な隣接環原子に連結されており、かつ、前記環式ヒドロカルビル構造は、前記少なくとも1つの環の少なくとも1つのさらなる非隣接環原子上において、少なくとも1つの置換基によって置換されており、
    前記利用可能な隣接環原子に対する各隣接環原子は、少なくとも1つの環の前記利用可能な隣接環原子に対するもう一方の隣接環原子を介して、または前記もう一方の隣接原子に隣接しているが前記少なくとも1つの環の外部に位置する原子を介して、さらなる3〜8原子の環構造を形成するために、置換されておらず、
    、X、XおよびX基は、独立して、少なくとも1つの第三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表わすか、またはXおよびX、かつ/またはXおよびXは、少なくとも2つの第三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを一緒に形成し、前記一価または二価のラジカルの各々は、前記少なくとも1つまたは2つの第三級炭素原子を介して、適切なQまたはQ原子にそれぞれ結合されており、
    およびQは、各々独立して、リン、ヒ素、またはアンチモンを表わす、方法。
  2. ビニルエステルをカルボニル化するための方法であって、ヒドロキシル基の供給源および触媒系の存在下において、ビニルエステルを一酸化炭素と反応させる工程を含み、前記触媒系は、
    (a)第8族、第9族もしくは第10族の金属、またはそれらの化合物と、
    (b)下記一般式(V)の二座配位子と
    (V)X(X)−Q−A−R−B−Q−X(X
    を組み合わせることによって得ることができ、
    前記式中、
    AおよびBは、各々独立して、低級アルキレンを表わし、
    Rは、Q原子およびQ原子が利用可能な隣接環炭素原子に連結される任意に置換されたシクロアルキル部分を表わし、
    、X、XおよびX基は、独立して、少なくとも1つの第三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表わすか、または、XおよびX、かつ/またはXおよびXは、少なくとも2つの第三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを一緒に形成し、前記一価または二価のラジカルの各々は、前記少なくとも1つまたは2つの第三級炭素原子を介して、適切なQまたはQ原子にそれぞれ結合されており、
    およびQは、各々独立して、リン、ヒ素、またはアンチモンを表わす、方法。
  3. 下記式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは3−ヒドロキシプロパン酸を生成する方法において、
    CH(OH)CHC(O)OR31 (II)
    該方法は、ヒドロキシル基の供給源および触媒系の存在下において、酢酸ビニルを一酸化炭素でカルボニル化する工程であって、前記触媒系は、
    (a)第8族、第9族もしくは第10族の金属、またはそれらの化合物と、
    (b)本願において定義されるような一般式(I)または(V)の二座配位子とを組み合わせることによって得ることができ、
    前記式中、R31は、H、またはC〜C30のアルキル部分もしくはアリール部分のうちから選択され、前記部分は、置換されていても、置換されていなくてもよく、かつ分枝鎖であっても、直鎖であってもよい、工程と、その直鎖(n)生成物の1−アシルオキシCH−CHC(O)OR31に対して処理工程を行なって、式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルまたは3−ヒドロキシプロパン酸を生成する工程とを備える。
  4. 下記式(III)の乳酸エステルまたは乳酸を生成する方法において、
    Figure 2009515936
    前記方法は、ヒドロキシル基の供給源および触媒系の存在下において、ビニルエステルを一酸化炭素でカルボニル化する工程であって、前記触媒系は、分枝鎖(イソ)生成物2−アシルオキシ(CH).CH.C(O)OR31を含む生成物を生成するために、
    (a)第8族、第9族もしくは第10族の金属、またはそれらの化合物と、
    (b)本願において定義されるような一般式(I)または(V)の二座配位子、好ましくはホスフィン配位子とを組み合わせることによって得ることができ、
    前記式中、R31は、H、またはC〜C30のアルキル部分もしくはアリール部分のうちから選択され、前記部分は、置換されていても、置換されていなくてもよく、かつ分枝鎖であっても、直鎖であってもよい、工程と、前記分枝鎖(イソ)生成物を処理して、式IIIの対応する乳酸エステルまたは乳酸を生成する工程とを備える、方法。
  5. 前記少なくとも1つのさらなる非隣接環原子における置換基は、低級アルキル、アリール、ヘト、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28または−CFから選択される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの環に、各々独立して本願に詳述されるように置換され得る2つ以上の前記さらなる非隣接環原子が存在するか、前記置換基が結合してさらなる環構造を形成し得る、請求項5に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの環上の利用可能な隣位においてAおよびBによって置換されている環式ヒドロカルビル構造は、関連する環結合並びに置換基Aおよび置換基Bに関して、シス配座を有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 環式ヒドロカルビル構造は、5〜30個までの環原子を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 環式ヒドロカルビル構造は、4および/または5低級アルキルシクロヘキサン−1,2−ジイル、4低級アルキルシクロペンタン−1,2−ジイル、4,5および/または6低級アルキルシクロヘプタン−1,2−ジイル、4,5,6および/または7低級アルキルシクロオクタン−1,2−ジイル、4,5,6,7および/または8低級アルキルシクロノナン−1,2−ジイル、5および/または6低級アルキルピペリジナン−2,3−ジイル、5および/または6低級アルキルモルホリナン−2,3−ジイル、O−2,3−イソ
    プロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−エタン−2,3−ジイル、シクロペンタン−オン−3,4−ジイル、シクロヘキサノン−3,4−ジイル、6−低級アルキルシクロヘキサノン−3,4−ジイル、1−低級アルキルシクロペンテン−3,4−ジイル、1および/または6低級アルキルシクロヘキセン−3,4−ジイル、2および/または3低級アルキルシクロヘキサジエン−5,6−ジイル、5低級アルキルシクロヘキセン−4−オン−1,2−ジイル、アダマンチル−1−2−ジイル、5および/または6低級アルキルテトラヒドロピラン−2,3ジイル、6−低級アルキルジヒドロピラン−2,3ジイル、2−低級アルキル1,3ジオキサン−5,6−ジイル、5および/または6低級アルキル−1,4ジオキサン−2,3−ジイル、2−低級アルキルペンタメチレンスルフィド4,5−ジイル、2−低級アルキル−1,3ジチアン−5,6−ジイル、2および/または3−低級アルキル1,4ジチアン−5,6−ジイル、テトラヒドロ−フラン−2−オン−4,5−ジイル、デルタバレロラクトン4,5−ジイル、ガンマ−ブチロラクトン3,4−ジイル、2H−ジヒドロピロン5,6−ジイル、グルタル酸無水物3,4−ジイル、1−低級アルキルピロリジン−3,4−ジイル、2,3ジ低級アルキルピペラジン−5,6−ジイル、2−低級アルキルジヒドロイミダゾール−4,5−ジイル、2,3,5および/または6低級アルキル−1,4,7トリアザシクロノナン−8,9−ジイル、2,3,4および/または10低級アルキル−1,5,9トリアザシクロデカン6,7−ジイル、2,3−ジ低級アルキルチオモルホリン−5,6−ジイル、2−低級アルキル−チアゾリジン−4,5−ジイル、4,5−ジフェニル−シクロヘキサン−1,2−ジイル、4および/または5−フェニル−シクロヘキサン−1,2−ジイル、4,5−ジメチル−シクロヘキサン−1,2−ジイル、4または5−メチルシクロヘキサン−1,2−ジイル、2,3,4および/または5低級アルキル−デカヒドロナフタレン8,9−ジイル、ビシクロ[4.3.0]ノナン−3,4ジイル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−ジイル、1,2および/または3メチル−3a,4,5,6,7,7aヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−ジイル、オクタヒドロ−4,7メタノ−インデン−1,2−ジイル、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−5,6−ジイル、1,2および/または3−ジメチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン5,6−ジイル、1,3−ビス(トリメチルシリル)−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−イソベンゾフラン−5,6−ジイルから選択される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記式中、環式炭化水素架橋基−A−R−B−は下記の構造から選択され、その式中、R’、R”、R’’’、R’’’’などは、前記少なくとも1つのさらなる非隣接環原子における置換基と同様に定義されるが、水素であってもよく、またはヘテロ原子に直接連結されている場合には、非置換であるヘテロ原子を表わしてもよく、さらに同一であっても異なっていてもよく、さらに少なくとも1つのR’原子は、水素ではないか、またはヘテロ原子に直接連結されている場合には、非置換であるヘテロ原子を表わし、

    Figure 2009515936
    Figure 2009515936
    Figure 2009515936
    Figure 2009515936
    Figure 2009515936
    Figure 2009515936
    前記式中、可能な立体異性体が2つ以上ある場合、すべてのそのような立体異性体が意図される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記式中、基XはCR(R)(R)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、XはCR(R)(R)を表わし、XはCR10(R11)(R12)を表わし、R〜R12は、低級アルキル、アリールまたはヘトを表わす、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記式中、有機基R〜R、R〜R、R〜Rおよび/またはR10〜R12、またはこれに代わって、それらの各第三級炭素原子と関連付けられているときのR
    および/またはR〜R12は、少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性である複合基を形成する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 環式である場合、前記式中、X、X、Xおよび/またはXは、コングレッシル、ノルボルニル、1−ノルボルナジエニルまたはアダマンチルを表わす、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記式中、XおよびXは、それらが結合されているQと共に、任意に置換された2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体を形成するか、または、XおよびXは、それらが結合されているQと共に、下記式1aの環系を形成する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
    Figure 2009515936
  15. 前記式中、XおよびXは、それらが結合されているQと共に、任意に置換された2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基またはその誘導体を形成するか、またはXおよびXは、それらが結合されているQと共に、下記式1bの環系を形成する、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
    Figure 2009515936
  16. 適当な二座配位子は、cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)5−メチルシクロペンタン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(P,Pアダマンチル,t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(P,Pアダマンチル,t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィ
    ノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}−デシル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)−5−メチルシクロペンタン;cis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)−4,5−ジメチルシクロヘキサン;cis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)−5−メチルシクロペンタンであり、そのようなエナンチオマーが可能な場合には、上記もののすべてのシス形エナンチオマーを含み、さらに、
    Figure 2009515936
    cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),4,5ジメチルシクロヘキサン
    Figure 2009515936
    cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),1,2,4,5テトラメチルシクロヘキサン
    Figure 2009515936
    cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),3,6,ジフェニル−4,5ジメチル−シクロヘキサン
    Figure 2009515936
    cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)5−メチルシクロヘキサン
    Figure 2009515936
    cis−1,2ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4,5ジフェニルシクロヘキサン
    Figure 2009515936
    cis−5,6−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1,3−ビス(トリメチルシリル)−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1,3H−イソベンゾフラン
    である、請求項1乃至15のいずか1項に記載の方法。
  17. 適当な二座配位子は、cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)シクロブタン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(P,P−アダマンチル,t−ブチル−ホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(P,P−アダマンチル,t−ブチル−ホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(P,P−アダマンチル,t−ブチル−ホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;c
    is−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロブタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}(デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロヘキサン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロペンタン;cis−1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ−{3.3.1.1[3.7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)シクロブタン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}−デシル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロペンタン;cis−1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロブタン;cis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロヘキサン;cis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロペンタン;およびcis−1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3.7]}デシル)シクロブタンであり、そのようなエナンチオマーが可能な場合には、上記もののすべてのシス形エナンチオマーを含み、さらに、
    Figure 2009515936
    (2−exo,3−exo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)、
    Figure 2009515936
    (2−endo,3−endo)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)、
    Figure 2009515936
    cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),4,5ジメチルシクロヘキサン、
    Figure 2009515936
    cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),1,2,4,5テトラメチルシクロヘキサン、
    Figure 2009515936
    cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル),3,6,ジフェニルシクロヘキサン;
    Figure 2009515936
    cis−1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)シクロヘキサン,
    Figure 2009515936
    cis−1,2ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4,5ジフェニルシクロヘキサン、
    Figure 2009515936
    cis−5,6−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1,3−ビス(トリメチルシリル)−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1,3H−イソベンゾフラン
    である、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 該カルボニル化法からの直鎖生成物:分枝鎖生成物の比は、0.5:1以上である、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記エチレン性不飽和化合物は、1分子当たり2〜50個の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物またはその混合物である、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記エチレン性不飽和化合物は、エチレン、酢酸ビニル、ブタジエン、ペンテン酸アルキル、ペンテンニトリル、ペンテン酸(3ペンテン酸など)、アセチレン、およびプロピレンから選択される、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
  21. ビニルエステルカルボニル化については、前記シクロアルキル部分は、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、トリシクロデシル、ピペリジニル、モルホリニル、ノルボルニル、イソノルボルニル、ノルボルネニル、イソノルボルネニル、ビシクロ[2,2,2]オクチル、テトラヒドロフリル、ジオキサニル、O−2,3−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−エチル、シクロペンタノニル、シクロヘキサノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロブテニル、シクロペンテノニル、シクロヘキセノニル、アダマンチル、フラン、ピラン、1,3ジオキサン、1,4ジオキサン、オキソセン、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ペンタメチレンスルフィド、1,3ジチアン、1,4ジチアン、フランオン、ラクトン、ブチロラクトン、ピロン、無水コハク酸、cisおよびtrans1,2−シクロヘキサンジカルボン無水物、グルタル酸無水物、ピロリジン、ピペラジン、イミダゾール、1,4,7トリアザシクロノナン、1,5,9トリアザシクロデカン、チオモルホリン、チアゾリジン、4,5−ジフェニル−シクロヘキシル、4または5−フェニル−シクロヘキシル、4,5−ジメチル−シクロヘキシル、4または5−メチルシクロヘキシル、1,2−デカリニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、1,2または3メチル−3a,4,5,6,7,7aヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、トリメチレンノルボルナニル、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、1,2または3−ジメチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−5,6−イル、1,3−ビス(トリメチルシリル)−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−イソベンゾフランから選択され得る、請求項1乃至20のいずれか1項
    に記載の方法。
  22. 請求項1乃至21のいずれか1項に記載に定義される触媒系の、式(II)の3−ヒドロキシプロパン酸エステルを生成するための使用であって、前記生成は、ビニルエステルのカルボニル化の工程と、それに後続してカルボニル化の直鎖(n)生成物を処理する工程とを含む、使用。
  23. 請求項1乃至21のいずれか1項に記載に定義される触媒系の、式(III)の乳酸エステルまたは乳酸を生成するための使用であって、前記生成は、ビニルエステルのカルボニル化の工程と、それに後続して、前記カルボニル化の分枝鎖(iso)生成物を処理して前記エステルまたは酸を生成する工程とを備える、使用。
  24. 前記に記載されるような、実施例に関連する、エチレン性不飽和化合物をカルボニル化するための方法。
  25. 前記に記載されるような、実施例に関連する、ビニルエステルをカルボニル化するための方法。
  26. 触媒系であって、該触媒系は、
    (a)第8族、第9族もしくは第10族の金属、またはそれらの化合物と、
    (b)下記一般式(I)の二座配位子と
    (I)X(X)−Q−A−R−B−Q−X(X
    を組み合わせることによって得ることができ、
    前記式中、
    AおよびBは、各々独立して、低級アルキレンを表わし、
    Rは、少なくとも1つの非芳香環を有する環式ヒドロカルビル構造を表わし、前記環式ヒドロカルビル構造には、QおよびQ原子が、前記少なくとも1つの環の利用可能な隣接環原子に連結されており、かつ、前記環式ヒドロカルビル構造は、前記少なくとも1つの環の少なくとも1つのさらなる非隣接環原子上において少なくとも1つの置換基で置換されており、
    前記利用可能な隣接環原子に対する各隣接環原子は、少なくとも1つの環の前記利用可能な隣接環原子に対するもう一方の隣接環原子を介して、または前記もう一方の隣接原子に隣接しているが前記少なくとも1つの環の外部に位置する原子を介して、さらなる3〜8原子の環構造を形成するために、置換されておらず、
    、X、XおよびX基は、独立して、少なくとも1つの第三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表わすか、または、XおよびX、かつ/またはXおよびXは、少なくとも2つの第三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを一緒に形成し、前記一価または二価のラジカルの各々は、前記少なくとも1つまたは2つの第三級炭素原子を介して、適切なQまたはQ原子にそれぞれ結合されており、
    およびQは、各々独立して、リン(phosphorous)、ヒ素、またはアンチモンを表
    わす、触媒系。
  27. 請求項1において定義される一般式Iの二座配位子。
  28. 請求項2において定義される一般式Iの二座配位子。
  29. 請求項2において定義される触媒系。
  30. 前記少なくとも1つの非隣接環原子上は置換基のうちの少なくとも1つは基Yであり、Yは、少なくともフェニルと同じくらい立体障害性である基を表し、2つ以上の置換基Y
    が存在する場合、それらは各々フェニルと同じくらい立体障害性であり、かつ/または結合してフェニルよりも立体障害性である基を形成する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法、あるいは請求項26乃至29のいずれか1項に記載の触媒系または配位子。
  31. YはSR404142を表わし、
    前記式中、SはSi、C、N、S、Oまたはアリールを表わし、
    Sがアリールである場合、R40、R41およびR42は、独立して、水素、低級アルキル、−BQ−X(X)(ここで、B、XおよびXは本願において定義する通りであり、Qは上記でQまたはQとして定義される)、リン、アリール、アリーレン、アルカリール、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘト、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273、またはアルキル亜リン酸であり、
    SがSi、C、N、S、またはOである場合、R40、R41およびR42は、独立して、水素、低級アルキル、リン、アリール、アリーレン、アルカリール、アラルキル、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘト、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273、またはアルキル亜リン酸であり、R40〜R42の少なくとも1つは水素ではなく、R21がまたニトロ、ハロ、アミノ、またはチオであり得る以外は、R19〜R30は本願において定義された通りであり、
    71〜R73は、R40〜R42のように定義されるが、好ましくはC〜Cアルキルまたはフェニルである、請求項30に記載の方法。
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