JP2009513556A - 狭窄および再狭窄を阻害するための医薬品の製造におけるfak関連非キナーゼの使用 - Google Patents

狭窄および再狭窄を阻害するための医薬品の製造におけるfak関連非キナーゼの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、a)FRNKもしくはその誘導体、またはb)FRNKもしくはその誘導体をコードする核酸を含むアデノ随伴ウイルスの、あるいは、アデノ随伴ウイルスをコードし、それによりFRNKをコードする核酸を含む核酸の、インプラントの被覆(好ましくは、ステントの被覆および/またはカテーテルの被覆)のための使用に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、冠状動脈疾患および/または末梢血管疾患の治療、ならびにそのための手段に関連する。
虚血性心疾患(例えば、狭心症または心臓発作など)は欧州連合および他の工業化国における死因の第1位である。この種の疾患を治療するための最適な方法は、動脈のバルーン治療および/またはステントの埋め込みによる冠状動脈での処置である。しかしながら、ステント埋め込み後に、全患者の約20%〜60%が、血管病変部およびリスクプロフィルに依存して、最初の治療の6ヶ月以内に再狭窄による血管の再閉塞を経験しており、したがって、血管再生術を受けなければならない。再狭窄の基礎となっている病態生理学的機構は現在では基本的には理解されている。典型的には、再狭窄は、血管平滑筋細胞(SMC)の増殖および中膜から内膜内への遊走によって引き起こされ、これにより、血管内腔を減少させる新内膜の形成が生じている。
このことを考慮すると、再狭窄の危険性を減少させることが望ましい。先行技術の方法は、ステント設計に関する改善、超音波、非放射性物質または光化学物質の使用、ならびに、放射性物質によって覆われるステントの使用に基づいている。これらの物理的な手段のほかに、化学的な手段もまた、再狭窄を避けるために用いられており、それにより、特に好ましいものは、細胞増殖抑制剤ならびに抗炎症性物質、例えば、シロリムス、タクロリムス、アクチノマイシンD、タキソール、パクリタキセル、デキサメタゾン、マトリックスメタロプロテアーゼに対する阻害剤、スタチン類、インテグリンアンタゴニスト、血管拡張剤およびNO供与体などである。
再狭窄を治療するためのさらなる方法は遺伝子治療に基づいている。先行技術では、数多くの候補遺伝子(例えば、VEGF、c−myc、p53、eNOSなど)がそのために標的化されていた。しかしながら、最適な標的を選ぶことのほかに、特有の問題が、これまでのところ、遊走中の血管平滑筋細胞の細胞質膜と、候補遺伝子に対処する投与されたベクターとの間での接触時間が短いことから生じていた。
再狭窄を治療する目的のために投与される化学化合物は、典型的には、いわゆる薬物溶出ステントによって適用され、薬物溶出ステントから放出される。しかしながら、ステントを介して医薬的に活性な化合物を送達することは、物質が、好ましくはポリマー被覆によってステント上に被覆されることを必要とする。この種の被覆は、被覆されていないステントと比較して、ステントの増大した体積をもたらし、したがって、炎症および再狭窄の増大した危険性をもたらす。また、この種のステントは、製造することが困難である。再狭窄および再狭窄に関連する疾患、または再狭窄から生じる疾患を治療および/または予防するための別の手段がまだ求められている。
第1の態様によれば、本発明の基礎となっている問題が、
a)FRNKもしくはその誘導体、または
b)FRNKもしくはその誘導体をコードする核酸
を含むアデノ随伴ウイルスの使用によって解決される。
第2の態様において、本発明の基礎となっている問題が、アデノ随伴ウイルスをコードし、それによりFRNKをコードする核酸を含む核酸の、医薬品の製造のための使用によって解決される。
第3の態様において、本発明の基礎となっている問題が、
a)FRNKもしくはその誘導体、または
b)FRNKもしくはその誘導体をコードする核酸
を含むアデノ随伴ウイルスの使用によって解決される。
第4の態様において、本発明の基礎となっている問題が、アデノ随伴ウイルスをコードし、それによりFRNKをコードする核酸を含む核酸の、インプラントの被覆のための使用によって解決される。
本発明の第3の態様および第4の態様の好ましい実施形態において、使用はステントの被覆および/またはカテーテルの被覆のためである。
本発明のこれらの態様のいずれかのさらなる実施形態において、FRNKは配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列を含む。
本発明のこれらの態様のいずれかのさらにさらなる実施形態において、FRNKは配列番号3または配列番号4の核酸によってコードされる。
本発明のこれらの態様のいずれかの別の実施形態において、FRNKは、配列番号3または配列番号4の核酸配列にハイブリダイゼーションする核酸によってコードされる。
本発明のこれらの態様のいずれかのさらなる実施形態において、FRNKは、遺伝暗号の縮重性がない場合に、配列番号3または配列番号4の核酸配列に、好ましくはストリンジェント条件のもとで、ハイブリダイゼーションする核酸によってコードされる。
これらの態様のいずれかのさらなる実施形態において、本発明のアデノ随伴ウイルス、ならびに/あるいは、本発明のアデノ随伴ウイルスおよび/または本発明のアデノ随伴ウイルスコード核酸を含む本発明の医薬品がカテーテルまたはインプラントによって投与される。
好ましい実施形態において、インプラントはステントである。
第5の態様において、本発明の基礎となっている問題が、本発明のこれらの態様のいずれかに関連して記載されるようなアデノ随伴ウイルスまたはそのようなアデノ随伴ウイルスをコードする核酸により被覆されたステントによって解決される。
第6の態様において、本発明の基礎となっている問題が、本発明のこれらの態様のいずれかに関連して記載されるようなアデノ随伴ウイルスまたはそのようなアデノ随伴ウイルスをコードする核酸により被覆されたカテーテルによって解決される。
第7の態様において、本発明の基礎となっている問題が、本発明の第5の態様に関連して記載されるようなステントの、医薬品または医療デバイスとしての使用によって解決される。
第8の態様において、本発明の基礎となっている問題が、本発明の第6の態様に関連して記載されるようなカテーテルの、医薬品または医療デバイスとしての使用によって解決される。
本発明のこれらの様々な態様による使用の好ましい実施形態において、医薬品および/または医療デバイスは、冠状動脈疾患および/または末梢血管疾患の治療および/または予防のためである。
本発明のこれらの様々な態様による使用のさらにより好ましい実施形態において、冠状動脈疾患および/または末梢血管疾患は、再狭窄、血管形成、狭心症、心臓発作、急性冠状動脈症候群、末梢動脈閉塞疾患、脈管炎、血栓症、頸動脈狭窄、発作、梗塞、壊疽、動脈潰瘍、静脈血栓症およびいずれかの四肢の切断を含む群から選択される。
本発明者らは驚くべきことに、再狭窄プロセスに関与する別個の標的を使用することと、別個のベクター系を使用することとの組合せが、効率的な遺伝子治療に基づく、再狭窄、および再狭窄に関連する疾患または状態の治療をもたらすことを発見している。より具体的には、標的はフォーカルアドヒージョンキナーゼ(FAK)であり、さらにより好ましい標的は、それに対する阻害剤である。特に好ましい標的はFRNKである。これに基づいて、本発明者らは、FAKの阻害剤を含有するか、またはFAKの阻害剤をコードするアデノ随伴ウイルス、より具体的には、FRNKをコードするアデノ随伴ウイルスを、別個のベクター系として使用することを明らかにしている。そのようなアデノ随伴ウイルスは、この事象に関与している血管平滑筋細胞にこのベクター系を使用して感染させるために、それを必要としている生物に、より具体的には、狭窄または再狭窄が生じつつあるか、または存在する部位に投与される。アデノ随伴ウイルスを血管平滑筋細胞に対する送達ビヒクルおよびトランスフェクション手段として使用することと、FAKに対する強力な阻害剤(例えば、FRNKなど)をこのように導入することとのこの特定の組合せは、阻害剤の著しい過剰発現およびそれぞれの細胞(好ましくは、血管平滑筋)内への阻害剤コード核酸のほぼ定量的な遺伝子移入を提供する。これらの機構の組合せは、狭窄および再狭窄に関連づけられる病理学的機構、ならびにそれに関与する細胞(具体的には、血管平滑筋細胞)に対する非常に効率的かつ持続した効果をもたらす。
再狭窄に対する細胞的原因は、それぞれの血管(より好ましくは、動脈)の中膜からの内膜内への血管平滑筋細胞(SMC)の望ましくない遊走である。非病理学的な状態のもとでは、血管平滑筋細胞の遊走は、成体生物における創傷治癒プロセスに関与するプロセスである。細胞外マトリックス(ECM)に対する細胞接着を調整することおよび細胞内のアクチン細胞骨格の収縮性の制御は、真核生物細胞の規定された運動のために不可欠である。様々なインテグリンが、特に、細胞外マトリックスのタンパク質に対する細胞受容体であり、フォーカルアドヒージョンまたはフォーカルアドヒージョン点と呼ばれる別個の部位に蓄積する。細胞外マトリックスおよび細胞内アクチン細胞骨格の相互作用を媒介することのほかに、これらのフォーカルアドヒージョンは、接着に依存した成長の制御、および細胞運動性の調節を含めて、細胞内へのシグナル伝達のために不可欠である。インテグリンは酵素活性を自身で有しないので、インテグリンにより媒介されるシグナル伝達はインテグリン会合酵素の活性に頼っている。
このようなインテグリン会合酵素の1つが、接着性細胞(例えば、上皮細胞、繊維芽細胞または平滑筋細胞など)に存在するタンパク質チロシンキナーゼであるフォーカルアドヒージョンキナーゼ(FAK)である。FAKは、細胞マトリックス接触、機械的ストレス、または種々の増殖因子の付加により活性化される。増大した酵素活性のために、FAKのチロシン残基Y−397の自己リン酸化が生じる。FAKの機能にとって、インテグリンが多いフォーカルアドヒージョンへのFAKの局在化を媒介するC末端に位置するフォーカルアドヒージョン標的化ドメイン(FAT)は不可欠である。平滑筋細胞などのいくつかの細胞タイプでは、FAKのC末端領域が別個の転写物およびタンパク質としてそれぞれ発現される(これはまたFAK関連非キナーゼ(FRNK)とも呼ばれる)。FRNKはFATドメインを含むので、FRNKもまた、フォーカルアドヒージョンに呼び寄せられ、結合部位についてフォーカルアドヒージョンにおいてFAKと競合している。そのために、FRNKは内因性FAKのドミナントネガティブ体であり、したがって、FAKに依存する細胞事象を阻止することができる。この機構に基づいて、FRNKおよびその誘導体を、平滑筋細胞の運動性などのFAK媒介事象を阻害するために、かつ、したがって、再狭窄および狭窄をそれぞれ抑制するために使用することができる。
FRNKおよびその誘導体が、ヒトFRNKである配列番号1のアミノ酸配列またはマウスFRNKである配列番号2のアミノ酸配列またはそのようなアミノ酸配列をコードする対応する核酸配列(例えば、それぞれ、配列番号3および配列番号4など)によって、好ましい実施形態において定義される。加えて、本明細書中で使用されるFRNKは好ましくは、シグナル伝達においてFAKの活性を発揮することなくフォーカルアドヒージョンにおいてFAK活性と競合することができる任意のFAK誘導体である。この種の活性はまた、本明細書中ではFRNK活性と呼ばれる。この種のFRNK活性を提供するような程度にFAKを誘導体化することは当業者の技術の範囲内である。したがって、本発明は、好ましい実施形態において、FRNK活性を有する任意のタンパク質およびそのようなタンパク質をコードする任意の核酸を使用することができる。しかしながら、何らかの理論によって拘束されることを望まないが、任意のそのような誘導体はFAKのFATドメインを含まなければならないようである。好ましくは、FRNKは、データバンクアクセッション番号#Q05397などに開示されるFAKアミノ酸配列のアミノ酸残基693〜アミノ酸残基1050(すなわち、前記FAKのカルボキシ末端の359個のアミノ酸)を含む。さらなる実施形態において、FRNKはまた、FRNKの少なくとも1つの結合機能または生物学的機能(より具体的には、フォーカルアドヒージョンに対する結合)を保持し、かつ、パキシリンおよびタリンの結合部位を含む、FAKの前記359アミノ酸のカルボキシ末端のフラグメントを含む。そのようなフラグメントは好ましくは、長さが100アミノ酸、150アミノ酸または200アミノ酸である。そのようなフラグメントは、FRNKまたはFRNK活性を有するタンパク質からアミノ末端セグメントを欠失することによって、そのカルボキシ末端セグメントを欠失することによって、その間のセグメントを欠失することによって、また、それらの組合せによって形成させることができる。1つまたは複数の小さい異種アミノ酸セグメント(例えば、長さが1アミノ酸〜10アミノ酸)を、FRNKの機能または活性を変化させることなく、アミノ末端において、カルボキシ末端において、間の位置において、またはそれらの組合せで、FRNKまたはFRNKフラグメントに挿入することができることもまた理解される。FAKおよび/またはFRNK、ならびにFAKおよび/またはFRNKをコードするそれぞれの核酸は任意の生物種のものが可能であり、好ましくは、生物種は哺乳動物種であり、さらにより好ましくは、哺乳動物はヒトであることが理解される。
FRNKをコードする核酸は、本明細書中で使用される場合、好ましくは、配列番号3および/または配列番号4の核酸配列である。さらなる実施形態において、FRNKをコードする核酸は、以前に記載されたようなFRNKタンパク質をコードする核酸であり、より好ましくは、配列番号1および/または配列番号2のFRNKタンパク質をコードする核酸である。アミノ酸配列から、特に遺伝暗号の縮重性を考えて、原理上、同じアミノ酸配列をコードする任意の核酸配列を推定することは当業者の技術の範囲内である。特に好ましい核酸配列は、真核生物細胞に対して、より具体的には平滑筋細胞に対して、さらにより好ましくは血管平滑筋細胞に対して適切であるようなそれぞれのコドン使用を使用する核酸配列である。また、FRNKおよびその誘導体をコードする核酸は、以前に記載された核酸配列(より好ましくは、配列番号3および/または配列番号4の核酸配列)にハイブリダイゼーションする任意の核酸でありまたは遺伝暗号の縮重性がない場合にそのような核酸配列にハイブリダイゼーションする任意の核酸である。本発明の好ましい実施形態のために、本明細書中に記載の核酸配列はどれも、FRNKまたはFRNK活性を有するタンパク質およびその活性なフラグメントを含む上記で記載されたようなその誘導体をコードすることが不可欠である。発現したとき、FRNK、またはFRNK活性を有するタンパク質を規定する他のDNAが、本明細書中に記載されるようなFRNKをコードするDNAにハイブリダイゼーションすることを可能にする条件を、知られている技術に従って決定することができる。例えば、そのような配列のハイブリダイゼーションを、低下したストリンジェンシーの条件のもとでまたは中程度のストリンジェンシーの条件のもとでまたはさらにストリンジェントな条件のもとで行うことができる(例えば、それぞれ、標準的なハイブリダイゼーションアッセイにおいて、本明細書中に開示される、FRNKをコードするDNA、またはFRNK活性を有するタンパク質をコードするDNAに対して、5倍のデンハルト溶液、0.5%SDSおよび1xSSPEを伴う37℃での35%〜40%のホルムアミドの洗浄ストリンジェンシーによって表される条件;5倍のデンハルト溶液、0.5%SDSおよび1xSSPEを伴う42℃での40%〜45%のホルムアミドの洗浄ストリンジェンシーによって表される条件;ならびに、5倍のデンハルト溶液、0.5%SDSおよび1xSSPEを伴う42℃での50%のホルムアミドの洗浄ストリンジェンシーによって表される条件)(例えば、J.Sambrook他、Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第2版、1989年)を参照のこと)。一般に、FRNKをコードする核酸、またはFRNK活性を有するタンパク質をコードする核酸は、本明細書中に開示されるFRNKをコードする配列に対して少なくとも75%の相同性、85%の相同性またはさらには90%以上の相同性を有し、かつ、好ましくは、上記で示されたようなFRNKの生物学的活性を保持するタンパク質をコードする。本明細書中において、FRNK、FRNKタンパク質およびFRNK活性を有するタンパク質は、そうでないことが明示的に示されないならば、同義的様式で使用される。同じことが、タンパク質およびポリペプチドの用語の使用に対してもまた適用される。
FRNKタンパク質、またはFRNKをコードするDNAは、哺乳動物を含めて、任意の好適な生物種(より好ましくは、ヒト)に由来する天然起源であり得るかまたは合成起源であり得る。
特に、上記FRNK、またはFRNK活性を有するタンパク質と、それらをコードする核酸との組合せで、再狭窄、再狭窄関連疾患および/または狭窄関連疾患の非常に効率的な遺伝子治療を可能にするベクター系はアデノ随伴ウイルスである。
アデノ随伴ウイルスはパルボウイルス群のメンバーである。アデノ随伴ウイルスは、約5600塩基の長さを有する環状の一本鎖DNA分子を含む。アデノ随伴ウイルスは、典型的には、細胞がまたヘルパーウイルス(例えば、アデノウイルス、ワクシニアウイルスまたはヘルペスウイルスなど)によって感染したときにだけ、複製し、かつ増殖性の感染サイクルを開始することができる。ヘルパー細胞のほかに、トランス作用因子を提供するプラスミド(1つまたは複数)が、アデノ随伴ウイルスの複製を可能にするために提供され、使用され得る。増殖性複製はまた、細胞を細胞増殖抑制剤(例えば、ダヌボブラスチンなど)および/または放射線により治療されたときにも生じ得る。アデノ随伴ウイルスは、遺伝子発現の調節のために関連のある3つの異なるプロモーター(すなわち、p5、p19およびp40)を含む。
本発明は特定のアデノ随伴ウイルスの使用に限定されない。しかしながら、特に好ましいのは2型アデノ随伴ウイルスの使用である(Rohr U他、J.Virological Methods、105(2002):265〜275)。本発明において使用することができる他のアデノ随伴ウイルスウイルスが当業者には知られている(例えば、AAV−1〜AAV−6(Grimm D他、Molecular Therapy、2003、第7巻(6):839〜850))。
本発明者らは、驚くべきことに、先行技術において表された懸案事項、すなわち、アデノ随伴ウイルスベクターは脈管の血管における内皮細胞だけのトランスフェクションのために好適であるにすぎないということ(Lynch,CM、Circ.Res.、80:497〜505、1997)は正当化されないことを見出している。むしろ、それとは反対に、FRNKを含むこの種のアデノ随伴ウイルスを使用する管腔内送達は、再狭窄を阻害することに対する予想外の非常に効率的かつ持続的な効果をもたらしている。
好ましくは、FRNKおよびその誘導体をコードする核酸は、FRNKの発現、好ましくは、前記ウイルスベクターによる感染を受けやすい細胞におけるFRNKの発現を導く少なくとも1つの調節配列に機能的に連結される。FRNKの発現を導く調節配列(1つまたは複数)は、好ましくは、エンハンサー、オペレーター配列などのさらなる調節配列などをさらに含むことができるプロモーターである。プロモーターは、平滑筋細胞に対して特異的なプロモーターであることが最も好ましい。そのようなプロモーターは、好ましくは、「平滑筋22α−アクチンプロモーター」(Solway J他、J.Biol.Chem.、1995、270:13460〜69)を含む群から選択することができる。加えて、より万能的なプロモーター、例えば、CMVプロモーターまたはSV40プロモーター(Rohr U他、J Virol.Meth.、2002、105:265〜275)などを用いることができる。
ウイルス粒子として存在するアデノ随伴ウイルスまたはそのようなアデノ随伴ウイルスをコードする核酸として存在するアデノ随伴ウイルスの両方が本発明の任意の態様において使用され得ることは本発明の範囲内である。組換えベクターが調製されると、組換えベクターは、好ましくは、a)ベクターの成長および複製を可能にする細胞を含む細胞培養物においてベクターを増殖させ、次いで、b)組換えベクターを細胞培養物から集めることによって複製させることができる(すべてが、知られている技術に従って行われる)。培養物から集められたウイルスベクターは、知られている技術に従って培養培地から分離することができ、そして、本発明に従ってそれぞれ、対象への投与のための好適な医薬用キャリアと組み合わせることができまたは被覆ステントおよび被覆カテーテルの調製のために使用することができる。
本発明に従って設計されるようなアデノ随伴ウイルスは、様々な疾患の予防および/または治療のために使用することができ、したがって、それぞれの医薬品の製造に供するために好適である。このように設計されたウイルスまたはウイルスコード核酸が使用される疾患および医薬品はそれぞれ、基本的には再狭窄および狭窄、ならびに、再狭窄および狭窄に関連づけられる任意の疾患である。また、平滑筋細胞(より好ましくは、血管平滑筋細胞)の望ましくない成長から生じるそのような疾患も含まれる。好ましくは、そのような疾患は冠状動脈疾患および/または末梢血管疾患である。原理的には、本発明の様々な態様は動脈系および静脈系の両方に適用可能であり、しかし、本発明の基礎となっている分子的機構のために、血管系の動脈分岐に対する適用性がさらにより好都合である。
血管平滑筋細胞に導入されたFRNK、およびFRNK活性を有する任意のタンパク質、およびその誘導体の作用様式に関して、特に、下記の疾患を予防および/または治療することができる(それにより、原理的には、そのような治療は、それぞれの疾患の発症前または発症後のいずれかで、あるいは、バルーン治療などのその任意の治療が行われる前または行われた後のいずれかで行うことができる):急性冠状動脈症候群、末梢動脈閉塞疾患、脈管炎、血栓症、頸動脈狭窄、発作、任意の梗塞(心筋梗塞、腸管梗塞、腎臓梗塞を含むが、これらに限定されない)、壊疽、動脈潰瘍、静脈血栓症およびいずれかの四肢の切断。
好ましい実施形態において、これらの疾患はいずれも、本明細書中に記載されるようなアデノ随伴ウイルスまたはそのようなアデノ随伴ウイルスをコードする核酸で被覆されたステントまたはカテーテルの使用によって予防および/または治療される。すなわち、血管系の任意の部分にカテーテルまたはステントが到達することができるならば、そのような特定の疾患が好ましくは治療可能である。
さらなる態様において、本発明は、本明細書中に記載されるようなアデノ随伴ウイルスまたはそのようなアデノ随伴ウイルスをコードする核酸で被覆されたステント、より具体的には、FRNK、FRNK誘導体、および/または、FRNK活性を有する任意のタンパク質を発現および/またはコードするアデノ随伴ウイルスで被覆されたステントに関する。ステントは、それ自体はこの分野では知られており、典型的には、気管、食道および血管系などの中空臓器の内腔を橋渡しするか、または維持するために使用される内部人工器官である。典型的には、ステントは、前記中空臓器に設置されたときに自己膨張性である。設置は、好ましくは、この分野で知られているような内視鏡的手段によって行われる。ステントは多くの形態で存在し、本発明の適用性はステントの異なった実施形態または形態に限定されない。好ましくは、アデノ随伴ウイルスまたはアデノ随伴ウイルスをコードする核酸はステントに吸着させられる。そのような吸着は共有結合性の手段ならびに非共有結合性の手段を含むことができる。しかしながら、共有結合性の手段の場合には、ステントの表面へのアデノ随伴ウイルスの共有結合性の結合が、生理学的条件のもとで、すなわち、平滑筋細胞の遊走が阻害されるべきそれぞれの位置にステントが設置された後で切断されることが好ましい。ステントに対するアデノ随伴ウイルスの固定化は、治療されるべき状態に従って制御可能である特徴的な放出速度論をもたらし得ることが理解される。それぞれのアデノ随伴ウイルスが、特に多数の平滑筋細胞がトランスフェクションされることを確実にするようにバーストの形態で細胞に放出され得ることは本発明の範囲内である。ステントがより長い期間にわたって体内に留置され得るという事実を考えると、ステントからのアデノ随伴ウイルスの持続した放出もまた原理的には可能である。これは、さらなる世代の遊走している平滑筋細胞が、このような後に放出されたアデノ随伴ウイルス、またはアデノ随伴ウイルスをコードするそれぞれの核酸によって感染することを可能にする。
同じ事情、可能な使用および設計原理がまた、カテーテルに対して適用可能である。したがって、カテーテルを、本明細書中に記載されるようなアデノ随伴ウイルスまたはそのようなアデノ随伴ウイルスをコードする核酸によって被覆することができる。しかしながら、ステントと比較した場合、平滑筋細胞に対する本明細書中に記載されるようなアデノ随伴ウイルスの送達は、非常に限定された期間だけ、すなわち、カテーテルが、アデノ随伴ウイルスが送達されることになる中空臓器(より具体的には、それぞれの血管)の中に挿入されている期間にわたって行うことができる。カテーテルの適用は一般に、使用されるカテーテルの特定の形態に依存して、平滑筋細胞と、カテーテルから放出されるアデノ随伴ウイルスとの間でのかなり短い接触時間が実現されるように、中空臓器の内腔(例えば、血管の内腔など)のかなり短い遮断を得ようとすることである。しかしながら、カテーテルが挿入される中空臓器の内腔を通る体液の流れを遮断しないカテーテルもまた利用可能であることが理解される。これは、カテーテルと、平滑筋細胞の成長およびより具体的には、その遊走が、アデノ随伴ウイルスを介して導入されたFRNKおよびその誘導体によって阻害されることになる血管の部位との間でのより長く続く接触を可能にする。原理的には、ステントについて記載されたのと同じ被覆技術および吸着技術および固定化技術が、カテーテルを介する本明細書中に記載されるようなアデノ随伴ウイルスの投与に対して適用可能である。
アデノ随伴ウイルスをステントおよびカテーテルにそれぞれ吸着または固定化するための特に好都合なシステムがポリマーの使用である。アデノ随伴ウイルスがそれぞれのポリマーに埋め込まれる。典型的には、ポリマーは、アデノ随伴ウイルスを保持するケージとして作用する格子構造を示す。ポリマーは好ましくは、生理学的条件のもとで、より具体的には、アデノ随伴ウイルスが投与または送達されることになる部位において広く一般に存在する条件のもとで分解することができるポリマーである。あるいは、ポリマーは非分解性であり、被覆されたデバイスの表面に留まり、これにより、表面へのアデノ随伴ウイルスまたは様々な他の配合物の吸収を可能にする。好ましくは、被覆は、例えば、平滑筋細胞へのアデノ随伴ウイルスの即時的な放出を可能にするためのものなどである。より具体的には、被覆は、それぞれの中空臓器(より具体的には、それぞれの血管)を通過する体液によって直ちに接触される表面とは異なるステントまたはカテーテルのいずれかの表面においてである。さらなる態様において、本発明は、本明細書中に記載されるようなアデノ随伴ウイルスによって被覆されるステントおよび/またはカテーテルの製造に関する。
次に、本発明は、本発明のさらなる態様、実施形態、特徴および利点が理解され得る図および実施例によってさらに例示される。
図1はFAKおよびFRNKの機能的ドメインの概略図を示す。FRNKは数個のドメインを含む:すなわち、バンド4.1相同性ドメイン、それに続く、キナーゼドメイン、そして、p130CasおよびRho−GAP GRAFなどのSH3ドメイン含有タンパク質結合部位として役立ち得る2つのプロリンリッチ領域(Pro−1およびPro−2)、そして、フォーカルアドヒージョン標的化ドメイン(これはまたFATドメインとも呼ばれる)。キナーゼドメインの近くにおいて、397位のチロシン残基が、実施例2においてさらに概略されるように、FAKによって媒介されるシグナル伝達のための必須条件であるFAKの自己リン酸化のための標的である。
FRNKはFAKのキナーゼドメインの後のC末端領域を含む。図1に表されるようなFRNKの特定の実施形態において、FRNKは、FATドメインだけでなく、pro−1領域およびpro−2領域の両方を含む。
バンド4.1相同性ドメインは、FAKをタンパク質チロシンキナーゼ(例えば、EGF受容体など)に連結するタンパク質−タンパク質相互作用に関与する。このキナーゼドメインは、以前に既に記載されていたように、FAKの自己リン酸化を含むリン酸化を介するシグナル伝達に関わっている。FAKのおそらくは最も重要なドメインは、インテグリンへのFAKの局在化を媒介するフォーカルアドヒージョン標的化ドメインである。FATドメインは、疎水性相互作用によって会合する4つのαらせんからなる束を含む。この領域(特に、そのFATドメイン)は、平滑筋細胞を含むいくつかの細胞タイプでは別個の転写物として発現される。この転写物はFAK関連非キナーゼ(FRNK)と呼ばれる。FRNKはFATドメインを含むので、それぞれの結合部位についてFAKと競合することができる。FAKと比較した場合、FRNKの何らかのキナーゼ活性がないことを考えると、FRNKは内因性FAKのドミナントネガティブ体であり、したがって、FAKに依存する細胞事象に対する効率的な阻害剤である。
実施例1:FRNKを発現するアデノ随伴ウイルスの構築
マウスFRNK(すなわち、図2Bにも示されるようなFAKのアミノ酸693〜1050に対応するアミノ酸配列)のコード配列をPCRによって増幅した。EcoRIおよびXbaIの制限酵素に対する制限部位をプライマーの5’末端にそれぞれさらに導入した。得られたPCRフラグメントを続いて、Stratagene社(La Jolla、California)の市販のアデノ随伴ウイルスシステムの一部であるベクターpAAV−MCSに導入した。インサートは、FRNKのアミノ酸配列を含むだけでなく、アデノ随伴ウイルスによって発現されたときにFRNKの特異的な検出を可能にするように導入されたHAタグを3’末端に含んだ。pAAVシステムのベクターの配列は下記のインターネットサイトから入手可能である:http://www.stratagene.com/vectors/selection/aav_vectors.html。
pAAVシステムのベクターを、10%子ウシ血清(PAA Laboratories、Linz、オーストリア)を含有するDMEM培地を使用してヒト293T細胞を37℃、5%COで用いる提供されたプロトコルに従って感染性の複製欠陥アデノ随伴ウイルス粒子を作製するために使用した。典型的には、細胞を、10mlのこの培地を含有する直径10cmの組織培養ディッシュにおいて保った。細胞のコンフルエンシーを20%〜90%の間で維持した。同時に、大腸菌のβ−ガラクトシダーゼ(LacZ)遺伝子を含有するStratagene社のベクターpAAV−LacZを、LacZをコードする組換えAAV粒子を作製するために使用した。トランスフェクションされたヒト293T細胞の凍結−融解を繰り返し、FRNKをコードするウイルス粒子(これはまたAAV−FRNKと呼ばれる)、およびLacZをコードするウイルス粒子(AAV−LacZ)をそれぞれ放出させた後、感染性ウイルス粒子の力価を測定した。そのために、ヒト血管平滑筋細胞に、下記に示されるプロトコルに従って種々の希釈度のウイルス調製物を感染させ、5日後にlacZ陽性細胞の数を測定した。その数から、調製物の単位体積あたりの感染性粒子の数を決定することができる。とりわけ、この初代ヒト平滑筋細胞はCloneticsから市販されている。
クローン化法(より具体的には、クローニングベクター)を再び図2Aに示し、MCSにクローン化されたアミノ酸配列を図2Bに示す。
実施例2:インテグリン刺激時の平滑筋細胞におけるFAKのチロシンリン酸化
本実験では、平滑筋細胞の遊走の阻害およびしたがって、再狭窄における標的としてのFAKの重要性が確認された。FAKは、再狭窄に関連して平滑筋細胞の遊走のための活性化因子として同定された増殖因子または細胞外マトリックスのタンパク質(例えば、ビトロネクチンなど)により平滑筋細胞が刺激された後の、最も強くチロシンがリン酸化されているタンパク質の1つであることが判明した。
細胞外マトリックスへの付着によって刺激される細胞タンパク質を特徴づけるために、平滑筋細胞を、0.5%子ウシ血清を含有するDMEMにおいて16時間の血清飢餓に供し、限定トリプシン消化によってプレートから剥離させ、0.2%ウシ血清アルブミンを含有するDMEM(懸濁培地)において37℃で懸濁状態に保った。懸濁状態で1時間の後、細胞をペレット化し、改変RIPA緩衝液(25mMのHepes(pH7.4)、0.1%のSDS、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム、1%のTriton X−100、150mMのNaCl、20mMのMgCl、10%のグリセロール、10mMのピロリン酸ナトリウム、100mMのNaF、1mMのNaVO、ならびに、各10μg/mlのアプロチニン、ロイペプチン、ペファブロクおよびペプスタチン)に溶解し(懸濁サンプル)またはPBSにおける1μg/mlのビトロネクチンの5mlにより4℃で16時間被覆された10cmの細胞培養ディッシュに置床し、その後、ビトロネクチン付着細胞を改変RIPA緩衝液に溶解した(VN刺激)。清澄化された細胞溶解液の等しい量を等体積の還元性の2xSDSサンプル緩衝液に加え、タンパク質をSDS−PAGEによって分離し、PVDFメンブランに移した。抗ホスホチロシン抗体および抗FAK抗体をそれぞれ用いたウエスタンブロットを記載のように行った(Schlaepfer,D.D.およびHunter,T.、Trends Cell Biol.、1998、8(4):151頁〜157頁)。
図3Aに示されるように、FAKのチロシンリン酸化が、インテグリン刺激剤を何ら伴わない懸濁状態に置かれた細胞(SUS)と比較して、ビトロネクチン(VN)に置床することによる細胞インテグリンの刺激のときに著しく増大している。図3Aの上段パネルにおいて、リン酸化されたFAKが、抗ホスホチロシン抗体(Ptyr)(すなわち、リン酸化されたチロシン残基を特異的に検出する抗体)を使用するウエスタンブロット分析で検出される。図3Aの下段パネルは、モノクローナル抗FAK抗体(BD Biosciences、Heidelberg、ドイツ)を使用する同じサンプルのウエスタンブロット分析を示す。これにより、観測された結果が、FAKタンパク質のレベルを変化させる転写効果または翻訳効果に基づくのではなく、FAKのリン酸化状態に依存することが確認される。懸濁された細胞、ならびに、ビトロネクチンに再置床された細胞の両方において、FAKが、類似したレベルで発現していた。
固定化ビトロネクチンに向かう初代ヒト平滑筋細胞の遊走応答を分析するために、細胞を改変Boydenチャンバー走触性遊走アッセイにおいて分析した。このために、Millicellチャンバー(8μmの細孔サイズ;Millipore、Bedford、MA)を、多孔性メンブランの下面側において、示された量のビトロネクチンにより室温で2時間被覆し、その後、400μlの懸濁培地を含有する24ウエルプレートに置いた。300μlの懸濁培地における1x10個の血清飢餓処理された平滑筋細胞をチャンバーの中に加え、37℃、5%COで6時間、遊走させた。その後、内側チャンバーに留まっている細胞を綿棒アプリケーターにより拭き取り、Boydenチャンバーの多孔性メンブランの下面側におけるビトロネクチン被覆表面に遊走していた細胞を固定処理し(HOにおける37.5%エタノール、25%酢酸)、クリスタルバイオレットにより染色した。チャンバーあたり4つの無作為な視野における染色された細胞を低倍率(40x)で倒立顕微鏡下で計数した。平均細胞数±標準偏差を図3Bに示す。結果から、ビトロネクチンは、ウシ血清アルブミンで被覆されたチャンバーと比較した場合、濃度依存的様式で平滑筋細胞の走触性を刺激していることが示される。この研究の重要なことは、この目的のために使用された細胞が、再狭窄の現象において非常に重要な役割を果たしていると考えられる冠状動脈由来の初代ヒト平滑筋細胞であるという事実に基づいている。
ビトロネクチンの運動生成(motogenic)能力が、Boydenチャンバーの下面メンブラン側における平滑筋細胞を6時間の遊走の後で固定処理し、クリスタルバイオレットを使用して染色した上記の走触性遊走実験からの2つの代表的な遊走チャンバーの下部メンブランの顕微鏡写真によってさらに明らかにされる。図3Cは、BSAにさらされた細胞は遊走せず、したがって、細胞をメンブランの下面側に認めることができず、これに対して、ビトロネクチン(ここでは、10μg/mlの濃度で)により被覆されたMillicellチャンバーに置かれた細胞は強い遊走応答を示し、したがって、クリスタルバイオレットにより染色された数多くの平滑筋細胞が多孔性メンブランの下面側に見出されたことを例示している(図3C)。
実施例3:FRNKを発現するアデノ随伴ウイルスを感染させたときの平滑筋細胞のビトロネクチン刺激された走触性の阻害
本実験では、実施例1で作製されたアデノ随伴ウイルス型ベクター(AAV−LacZおよびAAV−FRNK)を使用した。トランスフェクションに対するウイルスの好適性を証明するために、ブタ平滑筋細胞ならびヒト平滑筋細胞にAAV−LacZを感染させた。したがって、平滑筋細胞を、10mlの成長培地(増殖因子補充物SmGM−2(カタログ番号CC−4149;CellSystems、St.Katharinen、ドイツ)を有するSmBM(カタログ番号CC−3181;CellSystems、St.Katharinen、ドイツ))を含有する10cmの細胞培養ディッシュにおいて、37℃および5%COで1日間〜2日間、培養した。細胞集団が20%のコンフルエンシーに達した後、培地を抜き取り、2%の熱不活化子ウシ血清(PAA Laboratories、Linz、オーストリア)を有する5mlのDMEMによって置き換え、細胞を、細胞あたり50の感染多重度(MOI)の感染性ウイルス粒子と37℃および5%COにおいて2時間インキュベーションした。続いて5mlの成長培地を培養物に加えた。5日後、形質導入された平滑筋細胞を固定処理し、LacZ活性について染色しまたはタンパク質発現を測定するために溶解しまたは遊走実験において使用した。
LacZ活性を分析するために、感染細胞を、β−ガラクトシダーゼをコードするアデノ随伴ウイルス(AAV−LacZ)による感染後2日目に、PBSにおける1.8%ホルマリン、0.05%グルタルアルデヒドにおいて室温で5分間、固定処理した。固定処理後、細胞をLacZ染色溶液(PBSにおける5mMのフェリシアン化カリウム、5mMのフェロシアン化カリウム、1mg/mlのX−Gal、2mMのMgCl)と37℃で2時間インキュベーションした。このとき、LacZ陽性細胞が青色の染色を表した。図4Aにおいて認めることができるように、ブタ平滑筋細胞ならびにヒト平滑筋細胞の両方がβ−ガラクトシダーゼ活性の結果として青色の染色を示している。このことは、両者がアデノ随伴ウイルスベクターを使用して成功裏に形質導入されたことを明らかにしている。
初代平滑筋細胞を形質導入する、FRNKをコードするアデノ随伴ウイルスの能力を評価するために、上記の実施例2で記載されたように、細胞を、AAV−FRNKによる感染後5日目に改変RIPA緩衝液に溶解し、抗HAタグ抗体(Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA)を用いたウエスタンブロットによって分析した。
図4Bは、AAV−FRNKにより形質導入された平滑筋細胞(右側レーン)におけるHA−FRNKの発現を示し、これに対して、感染していないコントロール細胞(左側レーン)は、HA−FRNKの予想される分子量を有する対応するタンパク質バンドを示していない。
ヒト血管平滑筋細胞におけるFRNK発現の機能的結果を分析するために、ウイルス感染細胞を用いたBoydenチャンバー走触性遊走アッセイを実施例2で記載されたように行った。遊走刺激剤として、チャンバーを、多孔性メンブランの下面側において、陰性コントロールとしてのウシ血清アルブミン(DMEMにおける0.2%BSA)で、またはビトロネクチン(VN;DMEMにおける10μg/ml)でのいずれかで被覆した。走触性アッセイの5日前に、細胞に、実施例2で記載されたように、コントロールのアデノ随伴ウイルス(AAV−LacZ)またはFRNKをコードするアデノ随伴ウイルス(AAV−FRNK)を感染させた。図4Cにおいて認めることができるように、AAV−LacZを感染させた初代ヒト平滑筋細胞は、固定化されたビトロネクチンに対して応答し、下部のメンブラン表面に遊走している。しかしながら、AAV−FRNKによる細胞の感染および初代ヒト平滑筋細胞における得られるHA−FRNK発現は、BSA処理された遊走チャンバーにおけるコントロール細胞において認められる基底レベルの近くにまでビトロネクチン刺激された走触性遊走を効率的に低下させている。
実施例4:FRNKの遺伝子移入による、PTCAおよびステント埋め込みの後における再狭窄の治療
動物モデル
下記は、PTCAおよびステント埋め込みの後における再狭窄を予防するために適用されるプロトコルであり、それにより、再狭窄が、より具体的には、二重バルーンカテーテルを使用するFRNKのアデノ随伴ウイルス−2(AAV−2)媒介による遺伝子移入によって予防される。動物モデルはブタである。
右総頸動脈を完全麻酔および機械的通気のもとで調製する。7Fロックを導入した後、左冠状動脈の選択的血管造影を5Fガイドカテーテルによって行う。3.0/10mmのステントを左冠状動脈の心室間枝の近位側1/3および回旋枝の近位側1/3に埋め込む。十分な再狭窄を誘導するために、1.3:1のステント対動脈の比率が意図される。ステントを埋め込んだ後、2つのバルーンを有するバルーン灌流カテーテルを、ステントが位置する血管の断面に設置する。ステント+両側2ミリメートルの全長を2つの閉塞バルーンの間で覆う。閉塞した断面の遠位側の冠状動脈の積極的な灌流を提供するために、頸動脈に挿入された7Fロックの側方ポートから取られる動脈血を使用する。灌流をローラーポンプによって行う。血液には、血液がローラーポンプに進入する前に連続注入としてヘパリンおよび硝酸塩の混合物を補充する。バルーンによる血管に対する損傷を避けるために、膨張を最小圧(0.5atm)で行う。緑色蛍光タンパク質をコードするアデノ随伴ウイルス(AAV−GFP)およびFRNKと緑色蛍光タンパク質との融合タンパク質をコードするアデノ随伴ウイルス(AAV−FRNK−GFP)を含む10mlのウイルス溶液(1mlあたり10個〜1010個のウイルス粒子)をそれぞれ10分かけて投与する。その後、積極的な灌流カテーテルを取り出し、頸動脈を結紮し、切開部を閉じる。
手術後4週間の期間にわたって、動物には、1日あたり75mgのクロピドグレルおよび100mgのアセチルサリチル酸の組合せを経口投与する。4週間後、さらなる血管造影を行い、その後、各器官を取り出す。心臓をLangendorff灌流においてホルムアルデヒド溶液により固定処理する。その後、ステントを含む冠状動脈切片を調製し、組織学および形態計測に関して分析する。
組織学および形態計測
ステントインプラントが4週間にわたって所定位置に置かれた上記試験に続いて、再狭窄の形態計測、組織学的切片におけるウイルス分布、バルーンの部位における新内膜の形成、ならびに、臓器損傷の毒学的分析、および各器官における全身的ウイルス放出を評価する。
形態計測のために、冠状動脈の灌流固定処理された断面部をメタクリラートに包埋し、切片をミクロトームによって調製する。平面形態計測を再狭窄の定量的測定のためのHE染色の後に行う。
加えて、同じ切片に、ウイルスによって同時トランスフェクションされた、トランスフェクション効率の測定を可能にする緑色蛍光タンパク質(GFP)を検出するために、蛍光光線(励起波長、500nm)を使用して照射する。加えて、ウエスタンブロット分析を使用して、血管の3つの切片を、FRNK、ならびに、同時トランスフェクションされたマーカーのFLAGおよびHAについて分析する。サンプルの血管セグメントを臓器取り出し後直ちに単離する。血液およびステントを氷冷緩衝液中で取り除く。組織をタンパク質分析のためのさらなる処理の前に液体窒素において保存する。同様に、血管、心筋の隣接セグメントの組織サンプル、ならびに器官(例えば、肺、肝臓、腎臓および骨格筋など)の組織サンプルを、局所的分布および全身的分布を明らかにするために、ウイルスマーカーについて分析する。血液サンプルは試験の前および後で保存され、造血系に対する損傷について、また、肝臓、心臓、筋肉および腎臓のパラメーターについて分析される。
本明細書、特許請求の範囲、配列表および/または図面において開示される本発明の特徴は、別々に、また、その任意の組合せでの両方で、本発明をその様々な形態で実現するために必須であり得る。
FAKおよびFRNKの機能的ドメインを示す概略図である。 3xHAタグを有するFRNKがクローン化されたマルチクローニング部位を有するアデノ随伴ウイルス型ベクターを示す略図である。 図2Aに示されたアデノ随伴ウイルスにクローン化されるようなFRNKのアミノ酸配列を示す。 懸濁されたヒト冠状動脈平滑筋細胞およびビトロネクチンにより刺激されたときの接着性のヒト冠状動脈平滑筋細胞の全細胞溶解物におけるFAKの発現およびそのリン酸化のウエスタンブロット分析を示す。 平滑筋細胞の走触性(haptotaxis)に対するビトロネクチンの影響を示すグラフである。 クリスタルバイオレットにより染色した後の、ウシ血清アルブミンおよびビトロネクチンで処理された平滑筋細胞を示す写真である。 β−ガラクトシダーゼをコードするアデノ随伴ウイルスを感染させた平滑筋細胞を示す写真である。 FRNKをコードするアデノ随伴ウイルスを感染させた後のヒト平滑筋細胞の細胞溶解物のウエスタンブロット分析を示す。 ビトロネクチンによる刺激、およびFRNKを発現するアデノ随伴ウイルスによるトランスフェクションを行ったときのヒト平滑筋細胞の走触性−遊走を示すグラフである。

Claims (13)

  1. a)FRNKもしくはその誘導体、または
    b)FRNKもしくはその誘導体をコードする核酸
    を含むアデノ随伴ウイルスの、あるいは
    アデノ随伴ウイルスをコードし、それによりFRNKをコードする核酸を含む核酸の、医薬品の製造のための使用。
  2. a)FRNKもしくはその誘導体、または
    b)FRNKもしくはその誘導体をコードする核酸
    を含むアデノ随伴ウイルスの、あるいは
    アデノ随伴ウイルスをコードし、それによりFRNKをコードする核酸を含む核酸の、インプラントの被覆、好ましくは、ステントの被覆および/またはカテーテルの被覆のための使用。
  3. FRNKが配列番号1または配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項1から2のいずれかに記載の使用。
  4. FRNKが配列番号3または配列番号4の核酸によってコードされる、請求項1から2のいずれかに記載の使用。
  5. FRNKが、配列番号3または配列番号4の核酸配列にハイブリダイゼーションする核酸によってコードされる、請求項1から2のいずれかに記載の使用。
  6. FRNKが、遺伝暗号の縮重性がない場合に配列番号3または配列番号4の核酸配列にハイブリダイゼーションする核酸によってコードされる、請求項1から2のいずれかに記載の使用。
  7. アデノ随伴ウイルス、ならびに/あるいは、アデノ随伴ウイルスおよび/またはアデノ随伴ウイルスコード核酸を含む医薬品がカテーテルまたはインプラントによって投与され、好ましくは、インプラントがステントである、請求項1から6のいずれかに記載の使用。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のアデノ随伴ウイルスまたは請求項1から7のいずれかに記載のアデノ随伴ウイルスをコードする核酸により被覆されたステント。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載のアデノ随伴ウイルスまたは請求項1から7のいずれかに記載のアデノ随伴ウイルスをコードする核酸により被覆されたカテーテル。
  10. 医薬品または医療デバイスとしての、請求項8に記載のステントの使用。
  11. 医薬品または医療デバイスとしての、請求項9に記載のカテーテルの使用。
  12. 医薬品および/または医療デバイスが冠状動脈血管疾患および/または末梢血管疾患の治療および/または予防用である、請求項1から7および請求項10から11のいずれかに記載の使用。
  13. 冠状動脈血管疾患および/または末梢血管疾患が、再狭窄、血管形成、狭心症、心臓発作、急性冠状動脈症候群、末梢動脈閉塞疾患、脈管炎、血栓症、頸動脈狭窄、発作、梗塞、壊疽、動脈潰瘍、静脈血栓症およびいずれかの四肢の切断を含む群から選択される、請求項12に記載の使用。
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