異なる図面における同じ参照シンボルは、同じ要素を示す。
流体堆積デバイスを用いて基板上に流体を堆積させるための、流体堆積チャンバを含む流体堆積クラスタツールが、記述される。流体堆積チャンバは、基板輸送システム、すなわちロボットを含むメインチャンバに結合される。ロードチャンバもまた、メインチャンバに結合され、これによって基板が、ロードチャンバに挿入され、ロボットを用いてメインチャンバを介し、流体堆積チャンバの中に移送されることを可能にする。流体堆積クラスタツールは、クラスタツール内の実質的に自律的な環境を維持するように構成された、環境コントローラをさらに含む。その結果として、クラスタツールの外の環境が、クラスタツール内の環境及ぼす影響を最小限とし、その逆も同じとなる。
例示的な流体堆積ツールは、プリンタであり、一般的な印刷用の流体はインクである。しかし、理解されるべきは、例えば発光ディスプレイの製造において用いられるエレクトロルミネセンス材料または回路基板製造において用いられる液体金属などの他の流体も用いられ得ることである。
図1A、図1Bおよび図1Cは、それぞれが流体堆積クラスタツール100の一実装の模式図、上面図および斜視図を示す。流体堆積クラスタツール100は、複数のチャンバに結合されたメインチャンバ102を含み、該複数のチャンバのうちの少なくとも1つは、流体堆積チャンバ108である。この実施形態において、メインチャンバ102は、おおよそ六角形に形作られ、4つのチャンバは、メインチャンバ102の6つの面のうちの4つに結合される。他の実施形態において、メインチャンバ102は、異なるように形作られ得、より多くのまたは少ない面を含む。加えて、別の実施形態において、2つ以上のチャンバが、メインチャンバ102に1つの面上で結合され得、互いに対して垂直に、および/または水平に配置され得る。
図1Aに示される流体堆積クラスタツール100の実施形態を再び参照すると、メインチャンバ102は、ロボット104を含み、該ロボット104は、流体堆積クラスタツール100の中に含まれた異なるチャンバ間において基板を移送するように構成される。任意のロボット、例えばInnovative Robotics、San Jose、CAから入手可能なIR−820大気中ウェハ取扱いロボットなどのR−Thetaロボットが用いられ得る。
流体堆積クラスタツール100は、メインチャンバ102に結合されたロードチャンバ106をさらに含む。ロードチャンバ106は、流体堆積クラスタツール100との間の1つ以上の基板の移送のために構成される。流体堆積チャンバ108もまた、メインチャンバ102に結合され、基板上に流体を堆積させるための流体堆積デバイス、例えばプリンタを含む。この実装において、流体堆積クラスタツール100は、低温硬化チャンバ112と高温硬化チャンバ114とをさらに含み、それら両方は、メインチャンバ102に結合される。
流体堆積クラスタツール100は、環境コントローラ110をさらに含む。先述のように、環境コントローラ110は、流体堆積クラスタツール100内の実質的に自律的な環境を維持する。一実装において、流体堆積クラスタツール100内の実質的に自律的な環境を維持することは、流体堆積クラスタツール100内の、実質的に湿気の無い純粋な窒素の環境を維持することを含む。
ここで図2〜図6を参照すると、メインチャンバ102に結合されたさまざまなチャンバが、さらに詳細に記述される。特に図2を参照すると、一実装に従ったロードチャンバ106の拡大図が示される。ロードチャンバ106は、メインチャンバ102の1つの面に装着するパネル202に接続される。ロードチャンバ106は、メインチャンバ102からロードチャンバ106の内部を密封する内部ドア(不図示)と、外部環境からロードチャンバ106を密封する外部ドア206とを含む。ロードチャンバ106の環境が、メインチャンバ102の環境と実質的に異なるとき、例えばロードチャンバ106への出し入れを行うために外部ドア206が開かれた直後であり、故にロードチャンバ106の内部の環境を汚染しているときには、ロードチャンバ106の内部ドアは、閉じたままであり得る。
ロードチャンバ106の内部ドアが開かれて、ロードチャンバ106とメインチャンバ102との間の基板の移送を可能にする前に、ロードチャンバ106は、メインチャンバ102の環境と平衡にさせられ得る。この実施形態において、ロードチャンバ106は、環境コントローラ110内に含まれたガス浄化システム内に含まれた、バキュームポンプに直接に接続される。ロードチャンバ106内の汚染されたガスは、バキュームポンプによって除去され、排出され(すなわち、再循環されない)、所望のガス成分(例えば、乾燥した窒素ガス)を有するガスが、ロードチャンバ内にポンプ注入される。汚染されたガスは吸い出され、所望のガスがポンプ注入されることによって汚染された環境を薄め、最終的に所望のガスの許容可能なレベルが達成されるが、これは、ロードチャンバ内の大気のサンプリングおよび試験によって決定され得る。
基板は、さまざまな方法でロードチャンバ106内に挿入され得る。一実装において、基板は、外部ドア206が開いているときに、人間のオペレータによってロードチャンバ106の中に含まれた棚208上に配置され得る。棚208は、ロボットのアームが棚208の上に配置された基板の下に延び、基板を持ち上げて接触し、内部ドアを介して基板をロードチャンバ106からメインチャンバ102に引き込み得るように、互いに間隔を開けて構成される。別の実装において、棚を含むカセットが、ロードチャンバ106の外側に搭載され得、次いで単一のユニット(すなわち、1つ以上の基板をのせられたカセット)としてロードチャンバ106に挿入され、これによってロードチャンバが外部環境に開かれる時間を短縮させる。
ここで図3Aおよび図3Bを参照すると、一実装に従った、流体堆積チャンバ108の拡大背面図および拡大正面図がそれぞれ示される。特に図3Aを参照すると、流体堆積チャンバ108は、メインチャンバ102と結合する内部面302を含む。流体堆積チャンバ108の内部面302は、ロボット104がメインチャンバ102と流体堆積チャンバ108との間の物質を移送し得る開口部を含む。随意的に、内部ドアは、例えば流体堆積の動作の間に、流体堆積チャンバ108を密封するためにメインチャンバ102に対する流体堆積チャンバ108の境界に含まれ得る。
さらに詳細に図3Bを参照すると、流体堆積チャンバ108は、1つ以上の外部面をさらに含む。示される実施形態において、一部の外部面のうちの少なくとも一部は、透明であり、例えば透き通ったプレキシグラスの材料から作られることによって、オペレータが流体堆積チャンバ108内を見ることを可能にする。流体堆積チャンバ108の外部面は、移送ドア304を含むことによって、流体堆積チャンバ108の内または外へアイテム(例えば、プリンタのカートリッジ、ツールなど)を移送し得る。アイテムは、従来の高速移送ポート306(RTP)を用いて移送され得る。
一般に、RTP306は、流体密封性の中空ボディであり、RTP306内の環境はRTP306の外部の環境によって実質的に影響されないように密封され得る。例えば、RTP306は中空のシリンダであり得、その上面は、流体堆積チャンバ108の移送ドア304上に固定され得る、密封可能なドアである。RTP306のドアが流体堆積チャンバ108の移送ドア304に固定されると、該2つのドアは、一緒に開閉し得る。その結果として、流体堆積チャンバ108を外部環境にさらすことなく、それによって潜在的に流体堆積チャンバ108を汚染することなく、アイテムは流体堆積チャンバ108から出し入れされ得る。しかし、流体堆積チャンバ108は、RTP306内に含まれた環境にさらされる。従って、RTP306は、好ましくは、例えば密封されたグローブボックスを用いて、流体堆積チャンバ108内の環境と実質的に同一の密閉された環境内で装填される。
流体堆積チャンバ108は、1つ以上のグローブポート308をさらに含み得る。例示目的のために、ポート308に密封し得るグローブは、チャンバ108内の他の構成要素の図を不明瞭にし得るので示されていない。図3Cを参照すると、グローブポート308に装着および密封されたグロープ312を含む、流体堆積チャンバ108の模式図が示される。流体堆積チャンバ108の人間のオペレータは、グローブ312に自分の手を挿入し、グローブ312を用いて流体堆積チャンバ108内で作業し、例えばチャンバの内部のアイテムを組み立て、整備作業を行い、RTP306内のアイテムを出し入れするなどを、流体堆積チャンバ108の環境を汚染することなく行い得る。以下に記述されるように、一実装において、流体堆積チャンバ108は、実質的に純粋な窒素の環境において動作する。従って、グローブポート308は、オペレータが流体堆積チャンバ108内のガス成分を汚染することなく、かつ窒素の環境にさらされることなく、流体堆積チャンバ108からアイテム(例えば、プリンタのカートリッジ、ツールなど)を出し入れすることを可能にする。
流体堆積チャンバ108は、流体堆積デバイス307をさらに含む。例えば、インクジェットプリンタが、流体堆積デバイス307であり得る。一実装において、流体堆積デバイス307は、Higginsonらの「Fluid Deposition Device」と題された、2006年7月12日出願の米国特許出願第11/457,022号にさらに詳細に記述されたような流体堆積デバイスであり得、該出願は本明細書において参考として援用される。この実装は、図4A〜図8Cに関連して以下に記述される。しかし、理解されるべきは、流体堆積デバイスの他の実施形態も用いられ得、本明細書中に記述の流体堆積デバイスは、例示目的のための一実施例にすぎないということである。
流体堆積デバイス307は、プリントカートリッジを取り付けるためのカートリッジマウントと、流体が堆積される基板を支えるための圧盤(platen)とを含む。プリントカートリッジおよび基板は、印刷動作の間に互いに対して動く。一実装において、プリントカートリッジは、静止した基板の上を通過し、別の実装においては、プリントカートリッジが静止し、基板が前進する。留意されるべきは、プリントカートリッジは、時にドロップエジェクションモジュール、プリントヘッドモジュールなどと呼ばれることである。
図4Aを参照すると、流体堆積デバイス307の一実施形態が示される。流体堆積デバイス307は、印刷動作の間に基板を支えるように構成された圧盤402を含む。カートリッジマウントアセンブリ404が、フレーム406に装着され、圧盤402上に配置される。カートリッジマウントアセンブリ404は、y方向において、レール408に沿って移動し得、圧盤402上に配置された基盤に対する動きを提供する。加えて、カートリッジマウントアセンブリ404は、圧盤402に対して上方向および下方向、すなわちz方向に動き得、該カートリッジマウントアセンブリに取り付けられたプリントカートリッジと基板との間での相対的な垂直の動きを提供する。
圧盤402は、x方向に前進および後退するように構成される。例えば、カートリッジマウントアセンブリ404が最初に基板を通過した(すなわち、y方向に基板の幅に沿って全体的または部分的に移動した)後に、圧盤402は、x方向に進み得る。カートリッジマウントアセンブリ404が次に基板を通過するときには、プリントカートリッジは、基板の異なる部分に流体を堆積させる。流体堆積デバイス307は、筐体410内に包まれるように示され、該筐体は、印刷動作を行うために、実質的に清潔で汚染されていない区域を提供するために用いられ得る。筐体410は随意的なものであり、流体堆積デバイス307が流体堆積チャンバ108内にあるときには、特にそうである。
図4Bを参照すると、流体堆積デバイス307の模式図が示される。この実装において、流体堆積デバイス307は、プロセッサ420に結合される。プロセッサ420は、ディスプレイ430(例えば、モニタ)およびユーザ入力デバイス425(例えば、キーボードおよび/またはマウス)に接続され得る。プロセッサ420は、以下に詳細に記述されるように、流体堆積デバイス307のさまざまな構成要素に指示を提供し得る。ディスプレイ430およびユーザ入力デバイス425は、以下にさらに記述されるように、ユーザが動作パラメータを入力し流体堆積の工程を調整すること、およびプロセッサ420によって提供されたフィードバックを見ることを可能にする。
図5を参照すると、随意的な筐体410を有さない、流体堆積デバイス307の拡大図が示される。圧盤402は、バキュームソースに接続された複数のアパーチャ432を含む。バキュームソースおよびアパーチャ432は、基板を圧盤402にバキュームチャックするように動作し得る。他の実装において、例えばクリップまたはネジを含む他の技術が、基板を圧盤402に固定するために用いられ得る。圧盤402は、x方向に増分量ずつ前進するように構成される。流体堆積デバイス307内の圧盤402の下にモータが含まれており、圧盤402をx方向に前進および後退させるように動作する。例えば、一実装において、モータは、圧盤402の下に配置され、モータのシャフトに親ねじを含み得る。親ねじは、圧盤402の下側につなぎ留められ、親ねじがシャフトに沿って移動するにつれて、圧盤402はx方向に押されるか、または引かれる。圧盤402は、ガイドレールに沿って動くことによって、圧盤402がx方向に動くことを保証する。
加えて、リニアエンコーダが圧盤402の下に含まれることによって、圧盤402の位置を監視し得る。エンコーダの精度は、インクドット配置の要求精度条件と適合される。例えば、比較的に高い解像度の印刷に対して、約5ミクロンの精度のリニアエンコーダが用いられ得る。一実装において、圧盤402は、基板を圧盤の上面から持ち上げるように構成されたリフトピンを含むことによって、ロボットが基板を圧盤402から取り上げることを容易にし得る。リフトピンは、流体堆積操作の間に基板を実質的に圧盤に対して平坦に配置するために、圧盤の中に収納可能であり得、またそうではないこともあり得る。
カートリッジマウントアセンブリ404は、圧盤402の片側の外にある停止位置に示される。印刷カートリッジ434が、カートリッジマウントアセンブリ404内に取り付けられて示される。カートリッジマウントアセンブリ404は、モータを用いて、レール408に沿ってy方向に移動し得、該モータは、フレーム406に装着され、実質的にレール408の幅の長さに延びているベルトを含む。ベルトは、カートリッジマウントアセンブリ404につなぎ留められ、モータの(ベルトに結合された)シャフトが回転する際に、カートリッジマウントアセンブリ404をy方向にレール408に沿って前後に引く。モータの異なる配置を含むモータアセンブリの他の構成が、用いられ得る。
図6A〜図6Cは、カートリッジマウントアセンブリ404の拡大図を示す。この実装において、カートリッジマウントアセンブリ404は、図6Cで示される使い捨て印刷カートリッジ434を取り付けるように構成される。例えば、Biblらの、2005年12月16日出願の「Single−Use Droplet Ejection Module」と題された、本明細書において参考として援用される米国特許出願第11/305,824号に記述される使い捨て印刷モジュールが、カートリッジマウントアセンブリ404に取り付けられ得るが、異なる構成の印刷カートリッジもまた、(使い捨てでも、再利用可能であっても)用いられ得る。
特に図6Aを参照すると、カートリッジマウントアセンブリ404は、その中に取り付けられた印刷カートリッジ434を除外して示される。カートリッジマウントアセンブリ404は、印刷カートリッジ434を受容するように構成されたレセプタクル436を含む。レセプタクル436は、印刷カートリッジ434に含まれた、対応する電気接点と係合するように構成および配置された、多数の電気接点438を含む。印刷カートリッジ434がレセプタクル436内に取り付けられるときには、レセプタクルの中の電機接点438は、印刷カートリッジ434上の対応する電機接点と係合することによって、カートリッジ取付アセンブリ104から印刷カートリッジ434に、電気信号の経路を提供する。レセプタクル436の中に含まれた電気接点438は、可撓性回路440に電気的に接続され、該可撓性回路は、プロセッサ(例えばプロセッサ420、図4B)に直接的または間接的に接続され得、印刷カートリッジ434の中に含まれた1つ以上のノズルを発射させる信号を提供する。
電気接点438は、弾力のある伝導性の材料から形成され得る。図7Bを参照すると、電気接点438の拡大図を含むカートリッジマウントアセンブリ404の一部の拡大断面図が示される。再び図3Cを参照すると、印刷カートリッジ434が、レセプタクル436内の位置に取り付けられて示される。印刷カートリッジ434が位置に配置されると、旋回ラッチ444が、ロッキング位置まで回転されることによってレセプタクル436内の位置に印刷カートリッジ434を固定し得る。例示目的のために、ラッチ444は、他の特徴を不明瞭にしないために、図6Aにおいては示されない。図6Dおよび図6Eを参照すると、カートリッジマウントアセンブリ404の部分図が、ラッチ444を例示するために示される。図6Dにおいて、ラッチ444は開いて示され、図6Eにおいて、ラッチ444は閉位置において示される。ラッチ444は、点Aの周りを旋回し、スナップフィット接続または他の任意の便利な接続によって締められたまま保持され得る。
再び図6Aを参照すると、バキュームコネクタ446が、レセプタクル436の端部に配置されて示される。バキュームコネクタ446の拡大図が、図4Bに示される。バキュームコネクタ446は、バキュームソースと連結している。一実装において、バキュームソースは、おおよそ位置487(図6A)においてカートリッジマウントアセンブリ404上に配置されたバキューム吸気口に、チューブによって接続される。バキューム吸気口は、バキュームコネクタ446に流体結合される。
レセプタクル上の電気接点438および印刷カートリッジ434上の対応する電気接点の相対位置は、レセプタクル上のバキュームコネクタ446および印刷カートリッジ434上の対応するバキューム吸気口の相対位置と関連して、印刷カートリッジ434がレセプタクル436に挿入されるときには、電気接点438と印刷カートリッジ434の対応する接点との間の電気接続、およびバキュームコネクタ446と印刷カートリッジ434上の対応するバキューム吸気口との間の接続が、実質的に同時に形成されるようになっている。故に、バキュームソースは、印刷カートリッジの筐体内に真空を提供することによって、背圧を提供してノズルにおけるメニスカス圧を維持し、漏洩を防止し得る。印刷カートリッジ434をレセプタクル436の中の位置に配置する単一のステップによって、ユーザは、これらの両方の接続を実質的に同時に行い得る。
再び図6Aを参照すると、キャップ448がカートリッジマウントアセンブリ404に含まれる。キャップ448は、軸441の周りを旋回可能である。印刷カートリッジ434が印刷動作で作動していないときには、キャップ448は、印刷カートリッジ434の中に含まれたノズルを覆うために用いられ得る。印刷カートリッジ434を覆うことは、印刷カートリッジ434からの流体の蒸発を低減または排除するために、かつ漏洩を防止するために重要であり得る。印刷動作の間、または印刷カートリッジ434を覆う意思が全く無い場合には、キャップは、図6Aに示される「開」位置に留まり得る。印刷カートリッジ434を覆う必要があるときには、キャップは約180度、図6Cに示される「閉」位置まで、軸441の周りを旋回する。
一般に、印刷動作の間には、カートリッジマウントアセンブリ404は、圧盤402の上に取り付けられた基板の比較的に近くに配置される。印刷カートリッジ434の中に含まれたノズルと基板との間の距離は、「フライト高度」と呼ばれ得る。カートリッジマウントアセンブリ404は、z方向に垂直に上下されることによって、フライト高度を調整し、または基板の厚さの変化に対して調整し得る。一実装において、ユーザは、基板の厚さをユーザインタフェースに入力し得、カートリッジマウントアセンブリ404は、それに応じてz方向の調整を行う。あるいは、ユーザは、示された基板の厚さに対して適切な高い、および低いフライト高度を提示され得、ユーザは、フライト高度を選択し得る。別の代替案において、ユーザは、特定のフライト高度を入力し得、カートリッジマウントアセンブリ404は、それに従って調整を行う。
加えて、カートリッジマウントアセンブリ404は、z方向の上向きに十分な距離を動かされ得ることによって、キャップ448が軸441の周りに閉位置まで旋回するためのクリアランスを提供する。一実装において、カートリッジマウントアセンブリ404が、プロセッサ(例えばプロセッサ420)に接続された可撓性回路440を介して、手動的または自動的に印刷カートリッジ434を覆う指示を受け取ったときには、カートリッジマウントアセンブリ404は、所定の距離をz方向に上向きに自動的に動き、開位置から閉位置にキャップ448を旋回させ、元の位置に下がるか、またはさらなる指示を待つ。カートリッジマウントアセンブリ404は、キャップを開位置に動かして印刷動作を再開する必要があり得るので、キャップを開位置に戻す指示を受けるまでは、より高い位置を維持することが、より効率的であり得る。
図7Aおよび図7Bを参照すると、キャップ448が、より詳細に示される。図7Aは、開位置で示されるキャップ448がより見やすい図を提供するために、底部パネル493(図6A〜図6Cにおいて示される)が除去されたカートリッジマウントアセンブリ404の下側を示す。図7Bは、閉位置のキャップ448を伴った、カートリッジマウントアセンブリ404の一部の拡大断面図を示す。キャップ448は、開位置と閉位置との間でキャップ448を旋回させるように構成された旋回アーム452を含む。旋回アーム452は、キャップ448の外辺部に延びる外部筐体454に装着される。モータ456は、開位置と閉位置との間で旋回アーム452を駆動する。モータ456は、可撓性回路440に電気的に接続されることによって、可撓性回路440に結合されたプロセッサ(例えばプロセッサ420)から、および/または可撓性回路440に結合されたユーザインタフェースから指示を受け取り得る。
キャップ448の中心部分458は、外部筐体454に装着され、ばね部材460が配置される凹所を含む。ばね部材460は、密封筐体462と接触し、キャップ448が閉位置にあるときには、ばね部材460は、密封筐体462および該筐体内に配置されたシール464を、印刷カートリッジ434のノズル面と接触するように押し付ける。シール464は、密封筐体462の中に形成された溝に配置され、例えば印刷用の流体に適合するエラストマーなどの圧縮性材料から形成される。シール464の上面に形成されたリップ484は、ノズルを含んだ印刷カートリッジ434のノズル面の領域の周りに液体を密封するシールを形成するように構成され得る。空洞466が、密封筐体462の中に形成される。空洞466は、比較的に小さく、印刷カートリッジ434の中に含まれた流体によって直ぐに飽和状態となり得る。一旦飽和状態になると平衡状態に達し、印刷カートリッジ434からの流体の蒸発は、それ以上に発生しない。従って、ダウンタイム(すなわち、印刷していないとき)の間の蒸発によって失われる流体の量は、最小限になり得る。
図8A〜図8Cを参照すると、キャップ500の代替的実施形態が示される。キャップ500のこの実装は、キャップ500が閉位置にあり、例えばノズルにおける印刷流体の所望の粘性を維持しながら、ノズルが発射し続ける必要がある用途に適している。キャップ500は、開位置と閉位置との間でキャップ500を旋回するように構成された旋回アーム532を含む。旋回アーム532は、外部筐体534に装着される。モータ530は、開位置と閉位置との間で旋回アーム532を駆動する。モータ530は、可撓性回路440に電気的に接続されることによって、可撓性回路440に結合されたプロセッサから、および/または可撓性回路440に結合されたユーザインタフェースから指示を受け取り得る。
キャップ500の中心部分536は、外部筐体534に装着され、ばね部材508が配置された凹所を含む。ばね部材508は、多孔性部材510と接触し、キャップ500が閉位置にあるときには、ばね部材508は、多孔性部材510を押し付けて、少なくとも部分的に印刷カートリッジ434のノズル面と接触させる。多孔性部材は、実質的に堅く、キャップ500が閉位置にあり、かつノズルが発射し続けている間に、多孔性部材510上に堆積された流体を吸収するように構成された多孔性材料から形成される。一実装において、多孔性部材510は、Porexから入手可能であり、約90〜110ミクロンの孔の大きさを有する、XM1538UHMWPE(超高分子重量ポリエチレン)として知られている多孔性ポリマーから作られる。
特に図8Bを参照すると、キャップ500は、印刷カートリッジ434のノズル面に対する閉位置において示される。多孔性部材510は、キャップ500が閉じている間に、ノズルによって多孔性部材510上に堆積された流体を収集および吸収するように構成される。図5Cは、印刷カートリッジ434に対する閉位置におけるキャップ500の長手方向の断面図を示す。ギャップ512が、印刷カートリッジ434と多孔性部材510との間に提供されることによって、流体がノズルから排出し、多孔性部材510上に集合するためのクリアランスを提供する。
一実装において、キャップ448またはキャップ500は、ウォームギアドライブ(図8Aを参照)を有するモータ456またはモータ530によって閉位置に駆動される。モータは、比較的大きなメカニカルアドバンテージを有し、戻り方向には駆動され得ない。モータは、キャップ448を回転するように駆動し、最終的にキャップ448は印刷カートリッジ434に接触し、停止する。モータがキャップ448を反対方向に駆動させることによってキャップ448を開位置に旋回させるように(例えばプロセッサ420によって)指示されるまでは、キャップ448は、モータによって閉位置に保持される。
再び図5を参照すると、圧盤402は、z軸の周りを回転することによって、基板を印刷カートリッジ434に対してまっすぐになるように構成され得る。例えば、流体堆積デバイス307の中に含まれたカメラが、基板の縁を検出するために用いられ得る。カメラと結合されたプロセッサ(例えば、プロセッサ420)は、カートリッジマウントアセンブリ404に対する基板の位置を決定し得る。プロセッサは、決定された位置に基づいて圧盤402に結合されたモータに指示を提供することによって、圧盤402を回転させ、従ってカートリッジマウントアセンブリ404に対して、故にその中の印刷カートリッジ434に対して基板をまっすぐにし得る。
別の実装において、カメラは、基板上の基準(すなわち、登録マーク)を探し、それに従って、カートリッジマウントアセンブリ404に対する基板の位置を調整し得る。別の実装において、基板は、基準を用いて位置を調整され得、一連の試験ドットが基板上に印刷され得る。カメラは、印刷されたドットを見て、基準に対するそれらの位置を決定し、それに従って基板の位置を再び調整し得る。図6Bを参照すると、カメラ450の一実施例が示される。カメラ450は、カートリッジマウントアセンブリ404に装着され、それとともに動き、カートリッジマウントアセンブリ404が基準などを探しながら基盤を横断する間は、印刷カートリッジ434が覆われ得るような、キャップの特性を明らかにする。カメラ450は、例えば可撓性回路440を介して、図4Bに示されるプロセッサ420に電気的に結合され得る。
再び図6Bを参照すると、一実装においてカートリッジマウントアセンブリ404は、紫外線光ワンド451を含む。紫外線光ワンド451は、紫外線光によって直ちに硬化される必要のある印刷流体を含む用途に対して有用である。紫外線光ワンド451は、カートリッジマウントアセンブリ404の前縁554と反対側の後縁552上に取り付けられる。この実装において、カートリッジマウントアセンブリ404が、基板を横断するときに前縁554が先導するように動くときだけに、印刷動作が発生する。従って、紫外線光ワンド451は、印刷流体を追跡し、基板上への堆積の直後の流体上を通過する間に、それを硬化させるか基板を横切る戻り行程の間、すなわち後縁552が先導するときには、印刷動作は、一時的に停止する。一実装において、キャップ448は、戻り行程の間にノズルを密封し得る。
再び図5を参照すると、滴観察カメラシステム480が、圧盤402の片側に取り付けられる。カメラシステム480は、流体の滴が印刷カートリッジ434から出てカメラシステム480の前に配置された試験パッドに印刷される様子を、ユーザが観察することを可能にする。ストロボの光源が、ノズルから発射される滴の速度とほぼ等しい速度で閃光を放つ。ノズルの発射と僅かにずれた位相で閃光を放つことによって、ノズルと試験パッドとの間を飛ぶ一連の流体の滴の、一連の写真が得られ得る。一連の写真の合成物を合わせて考察されるときに、ノズルから排出される単一の滴のビデオクリップの仮の映像を提供する。実際は、その「ビデオ」は、実は形成および飛行の僅かに異なる段階において取られた多くの異なる滴の、一連の静止画の合成物である。
一実装において、ディスプレイ430は、カメラシステム480によって滴が捕らえられた際の、滴の図形表示をユーザに提供するために用いられ得る。同時に、例えば分割されたスクリーン、または単一スクリーン内で複数のフレームを用いることによって、印刷カートリッジ434の中に含まれたアクチュエータに対するノズルを発射させるための駆動パルスに対応する波形の図形表示が表示され得る。ユーザは、流体の滴および波形を観察し、ユーザ入力デバイス425を用いて、望まれる修正を行い得る。例えば、ユーザは、印刷カートリッジ434内のプリントヘッドに送られる駆動電圧、電圧パルスの持続時間、波形のスロープ、パルスの数、および他の調整可能なパラメータを調整し得る。ユーザ入力は、プロセッサ420によって、例えばプロセッサ内で実行するソフトウェアアプリケーションによって用いられ、印刷カートリッジ434内に配置されたアクチュエータまたは複数のアクチュエータに送信される信号を調整する。
再び図6Aを参照すると、目盛り付きガイド437が、カートリッジマウントアセンブリ404上に含まれ得る。ユーザは、示される閉位置から開位置へとラッチカム433を動かし得る。開位置において、カートリッジマウントアセンブリ404の低い部分のフレーム439は、僅かに解放され、目盛り付きガイド437によって形成された外辺部内に含まれたカートリッジマウントアセンブリ404の構成要素は、z軸の周りに回転可能である。レセプタクル436を含んだカートリッジマウントアセンブリ404の構成要素を回転させることによって、およびそれ故に該レセプタクルの中に取り付けられた印刷カートリッジ434の位置を回転させることによって、印刷の解像度が調整され得る。例えば、印刷カートリッジ434の長さに沿ってx方向に配列された1列のノズルを含む、印刷カートリッジ434を考慮されたい。印刷カートリッジ434のゼロ回転において、ノズルから印刷されたドットは、x方向に線を形成する。少しの角度だけ回転されるときには、ドットは、互いにより接近して印刷され得、所望の解像度に応じて、カートリッジマウントアセンブリフレーム439に対する印刷カートリッジ434の回転の角度が、調整され得る。一実装において、目盛り付きガイド437を測るためにバーニヤスケールが用いられるが、他のスケールも用いられ得る。
一実装において、滴観察カメラシステム480が、目盛り付きガイド437を用いて、ユーザによって設定される印刷ノズルの実際の角度を決定するために用いられ得る。滴観察カメラシステム480は、第1のノズルの位置の座標および第1のノズルから既知の距離にある第2のノズルの位置の座標を見つけ得る。プロセッサ420は、滴観察カメラシステム480と結合され、これによってノズルの互いに対するオフセット角度を計算し得る。ユーザが目盛り付きガイド437を設定して信じている角度と比較して、実際の角度を知ることは重要であり、これは、ドットの配置のタイミングがオフセット角度に依存し得るからである。従って、オフセット角度がより正確になれば、ノズルを発射するときのタイミングの遅れがより正確になり、これによって印刷精度を向上させる。プロセッサ420(すなわち、プロセッサ内で実行しているソフトウェアアプリケーション)は、実際の角度を用いて動作パラメータ、例えば印刷カートリッジ434への駆動信号を調整し得る。
図9は、一実装に従った、低温硬化チャンバ112の拡大図を示す。低温硬化チャンバ112は、流体が流体堆積チャンバ108の中の基板に堆積した後に、基板上で低温硬化の操作を行うように構成される。一実装において、基板上で低温硬化操作を行うことは、所定時間の間に比較的に低温で基板を加熱することを含む。理解されるべきは、硬化時間および温度は、プロセス(すなわち、流体、基板など)に依存して変わり得ることである。低温硬化チャンバ112は、メインチャンバ102に装着されるパネル502に接続される。低温硬化チャンバ112は、低温硬化チャンバ112とメインチャンバ102との間の境界面に開口部(不図示)を含み、該開口部を介して、ロボット104が2つのチャンバの間で基板を移送し得る。ドアが、メインチャンバ102から低温硬化チャンバ112を密封し、その結果として低温硬化操作からの熱は、メインチャンバ102内の温度に実質的に影響を及ぼさない。
例示目的のために、図9に示される低温硬化チャンバ112は、外部パネルのうちの1つを取り除いてチャンバ112の内部を現して示される。しかし、理解されるべきは、低温硬化チャンバ112は、密閉されたチャンバであるということである。低温硬化チャンバ112は、複数の収納可能なピンを含む、圧盤504を含む。ピンは、基板が低温硬化チャンバ112内に配置されているときには延びた位置にあり、これによってロボットのアームのために基板の底面と圧盤504の上面との間にクリアランスを提供する。ロボットのアームが低温硬化チャンバ112から引き込まれると、ピンは、圧盤504と同一面となるように引き込み、基板は、圧盤504上に置かれる。随意的に、圧盤504は、低温硬化操作の間に基板を圧盤504の表面にバキュームチャックするように構成され得る。
ここで図10を参照すると、高温硬化チャンバ114が、一般的に低温硬化操作が行われた後に、基板上で高温硬化操作を行うように構成される。一実装において、基板上で高温硬化操作を行うことは、所定期間の間に比較的に高温、例えば摂氏数百度で基板を加熱することを含む。理解されるべきは、硬化時間および温度は、プロセス(すなわち、流体、基板など)に依存して変わり得る。一実装に従った、高温硬化チャンバ112の背面の斜視図が示される。後ろの外部パネルは、例示目的で高温硬化チャンバ114の一部の内部構成要素を現すために取り除かれている。高温硬化チャンバ114は、メインチャンバ102に装着するパネル602に接続される。高温硬化チャンバ114は、メインチャンバ102との境界面において、開口部(不図示)を含み、該開口部を介して、ロボット104は、メインチャンバ102と高温硬化チャンバ114との間で基板を移送し得る。ドアが、境界面に含まれることによって、高温硬化操作の間に高温硬化チャンバ114を隔離し、その結果として高温硬化チャンバ114内の温度は、メインチャンバ102内の環境に実質的に影響を及ぼすことはない。高温硬化チャンバ114は、熱交換器604を含むことによって、高温硬化チャンバ114から再循環するガスの温度を、ガス浄化システムを介して循環させる前に低減させ得る。
一実装において、高温硬化チャンバ114の内部は、清潔な環境を維持することを促進するために石英で内張りされている。基板は、直立しているポスト(例えば16のポスト)を含む石英ボート上に配置され、その結果として基板はポストの上面に置かれ、ロボット104による取り扱いを容易にし得る。高温硬化チャンバ114はまた、該チャンバ114が代替的な(すなわち、クラスタツール100の残りの部分とは異なる)ガス成分で満たされることを可能にするポートを含み得る。ポートは、高温硬化チャンバ114の裏壁を貫通して石英の内張りに結合するチューブによって、高温硬化チャンバ114に配管され得る。
図11は、一実装に従った、流体堆積クラスタツール100に含まれる環境コントローラ110の模式図である。一実装において、環境コントローラ110は、ガス浄化システム626を含むことによって、流体堆積クラスタツール100に含まれたチャンバ内部のガス成分を制御する。一実装において、ガス浄化システム626は、チャンバの中に含まれる空気から酸素および湿気を実質的に取り除き、窒素のみを残すことによって、流体堆積クラスタツール100の中に含まれたチャンバ内部の、実質的に純粋な窒素の環境を維持する。一実装において、分子ふるい(molecular sieve)が用いられることによって、湿気および酸素を取り除く。用いられ得る例示的なガス浄化システムは、Hawthorne、Californiaにおいて営業している、WEMS、Inc.の一部門であるVacuum Atmospheres Companyから入手可能なNexus Dri−Train不活性ガス浄化システムである。
流体堆積クラスタツール100内のガスは、クラスタツール100を介し、かつガス浄化システム626を介して継続的に再循環され得る。流体堆積クラスタツール100内の環境を完全に平衡させるためには数日を要し得るので、汚染の無い環境を維持するためのあらゆる試みがなされる。一部の例において、再循環させるのではなく、汚染されたガスを流体堆積チャンバ108から直接的に取り除き、ガス浄化システム626から排気することが、必要であり得る。例えば、流体堆積操作が環境に過度の湿気をもたらす場合であり、および/または高濃度の危険または有害な可能性のあるガスが流体堆積クラスタツール100内に溜まることを防止するためである。
環境コントローラ110は、ガス浄化システム626に制御信号を提供するように構成されたプロセッサ624をさらに含み得る。プロセッサ624は、流体堆積デバイス307の中に含まれたチャンバ内の要素を制御するプロセッサ420と同一であり得、または別個のプロセッサであり得る。環境コントローラ110は、ヒューマンマシンインタフェース622をさらに含むことによって、人間のオペレータとの相互作用を提供する。人間のオペレータは、ヒューマンマシンインタフェース622を用いることによって、プロセッサ624に、例えば操作条件および/またはパラメータを変更する指示を送り得る。人間のオペレータとの相互作用を提供するために、ヒューマンインタラクションインタフェース622は、人間のオペレータに情報を表示するモニタまたはLCDスクリーンまたはディスプレイ430などの表示デバイスと、キーボードと、マウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスとを有するコンピュータシステム上に実装され得、該コンピュータシステムは、人間のオペレータがコンピュータシステムに入力を提供し得るユーザ入力デバイス425を含み得る。コンピュータシステムは、コンピュータプログラムがユーザと相互作用するグラフィカルユーザインタフェースを提供するようにプログラムされ得る。他の形式のヒューマンマシンインタフェース622も用いられ得、上述は、単なる例示として意図される。
別の実装において、流体堆積クラスタツール100は、第2のプロセッサを含むことによってロボット104および/または流体堆積クラスタツール100内の他の機能要素を制御する。例えば、プロセッサ624は、流体堆積クラスタツール100に制御信号を提供することによって、流体堆積の操作を制御し得、かつ低温硬化チャンバ112および高温硬化チャンバ114に制御信号を提供することによって、硬化操作の時間および温度を制御し得る。同様に、プロセッサは、ロボット104に制御信号を提供することによって、流体堆積クラスタツール100の中に含まれた異なるチャンバの間で基板を移送させ得、かつチャンバとメインチャンバ102との間のさまざまなドアに制御信号を提供することによって、必要なときに開閉させ得る。流体堆積デバイス307はまた、例えばプロセッサによって、例えば流体堆積デバイス307内の印刷カートリッジの中に含まれたノズルへの発射信号によって制御され得る。一実装において、単一のプロセッサが、前述のプロセッサおよび環境コントローラ110の中に含まれたプロセッサ624の機能を行い得る。流体堆積デバイス307が図4A〜図8Cに関連して上述された実施形態であるような実装において、単一のプロセッサが、前述の流体堆積デバイスに関連して上述されたプロセッサ420の機能をも、随意的に行い得る。
ここで図12を参照すると、流体堆積クラスタツール100を用いて基板を処理する、プロセス700の一実施例が示される。簡素化のために、この実施例においては単一の基板が処理される。しかし、理解されるべきは、図12に関連して記述されたプロセス700は、流体堆積クラスタツール100を用いて複数の基板を同時に処理するために、適用され得ることである。
第1のステップにおいて、流体堆積クラスタツール100内で望まれる環境の条件が達成される(ステップ701)。例えば、一実装において、上に参照されたとおりである。従って、望まれる環境の条件は、大気から全ての酸素および湿気を取り除き、実質的に純粋な窒素を残すことを含む。環境コントローラ110の中に含まれたガス浄化システム626は、所望のガスの状態を達成するために用いられ、流体堆積クラスタツール100内のガスは、クラスタツール100を介し、かつガス浄化システム626を介して継続的に再循環されることによって、所望の状態を維持する。
流体堆積クラスタツール内の所望の環境条件が達成されると、ロードチャンバ106の外部ドア206は開かれ、基板は、例えば人間のオペレータによってロードチャンバ106に搭載(または1つ以上の基板で満たされたカセットがチャンバに搭載)される(ステップ702)。あるいは、流体堆積クラスタツール100の外に位置する第2のロボットが、外部ドア206を介してロードチャンバ106への搭載および取り出しのために用いられ得る。その後に、ロードチャンバ106の外部ドア206は、閉じられる。
ロードチャンバ106の外部ドア205が開かれて基板が搭載されるので、ロードチャンバ106内の環境は、外部環境の条件によって汚染される。従って、ロードチャンバ106は、基板のさらなる処理が起こる前に、メインチャンバ102の環境に平衡される(ステップ704)。例えば、上述されたように、バキュームソースが、ガス浄化システム626からロードチャンバ106に直接的に接続されることによって、ロードチャンバ106のみから汚染されたガスを比較的迅速に取り除き得る。
ロードチャンバ106がメインチャンバ102の環境と平衡されると、ロードチャンバの内部ドアが(自動的に、またはロボット104を用いて)開き、ロボット104は、ロードチャンバ106からメインチャンバ102内に、次いで流体堆積チャンバ108に基板を移送する(ステップ708)。随意的な内部ドアが、流体堆積チャンバ/メインチャンバの境界面に含まれる場合には、内部ドアは閉じ、流体堆積チャンバ108を密封する。流体堆積チャンバ108の内部において、流体堆積操作が、流体堆積デバイスを用いて基板上で行われる(ステップ708)。
流体堆積操作が完了すると、ロボット104は、流体堆積チャンバ108からメインチャンバ102に、かつ低温硬化チャンバ112に基板を移送する(ステップ710)。ロボット104は、低温硬化チャンバ112内部の圧盤402上の延びたピンに基板を置き、ロボットアームは引き込み、ピンも引き込む。低温硬化チャンバ112への内部ドアが閉じ、低温硬化チャンバ112をメインチャンバ102から密封する。基板が圧盤402に置かれると、該基板は、バキュームチャックされ、低温硬化操作が行われる(ステップ712)。
低温硬化操作が完了した後に、ロボット104は、低温硬化チャンバ112から高温硬化チャンバ114に基板を移送する(ステップ714)。再び、一旦基板が内部に置かれると、高温硬化チャンバ114への内部耐熱ドア(または複数の該ドア)が閉じられ、高温硬化チャンバ114内部のさらに高い温度からメインチャンバ102の中の環境を隔離する。高温硬化チャンバの内部において、高温硬化操作が行われる(ステップ716)。その後に、ロボット104は、高温硬化チャンバ114からロードチャンバ106に基板を移送する(ステップ718)。人間のオペレータまたは第2のロボットは、処理された基板をロードチャンバ106から降ろし得る。
上述され図1A〜図1Cに示された流体堆積クラスタツール100は、流体堆積クラスタツール100の一実施形態である。例えば、連続的または層状に積み重なった印刷を要求する印刷動作のために、1つ以上の追加の流体堆積チャンバ108を含んだ流体堆積クラスタツール100を含む、他の構成が可能である。メインチャンバ102は、より多いかまたはより少ない面、および異なる形状を含む、異なる構成を有し得る。メインチャンバ102に結合されたチャンバは、互いに対して垂直な構成において、または垂直および水平の両方の構成において配置され得る。1つ以上の追加のロボットが、メインチャンバ102に含まれ得る。流体堆積クラスタツール100内の異なるチャンバ内の環境条件は、さまざまであり得、1つ以上の追加のガス浄化システム626および温度制御と結合され得る。流体堆積クラスタツール100は、低温硬化チャンバおよび高温硬化チャンバを何も含まないか、または追加の低温硬化チャンバおよび高温硬化チャンバを含み得る。低温硬化チャンバおよび高温硬化チャンバ内の温度および硬化時間は、上の実施例に記述されたものと異なり得る。
明細書および特許請求の範囲を通じて、「前」と「後」、「上面」と「底面」、および「上」と「下」などの用語の使用は、単に例示目的のために、本明細書において記述された流体堆積クラスタツール100および他の要素のさまざまな構成要素の間で区別を行うためのものである。例えば、「上」および「下」の使用は、流体堆積クラスタツール100または流体堆積クラスタツール100に含まれた構成要素の特定の方向を意味するものではない。
流体堆積クラスタツール100は、乾燥し酸素を含まない、実質的に純粋な窒素の環境を要求する流体堆積のプロセスに関連して、例示目的のために上述された。しかし、例えば不活性、酸化性、低Rh、高Rh、およびさまざまの他の、他の環境が可能である。記述された環境条件は、単なる例示を意味する。
環境コントローラ110および本明細書において記述された少なくとも一部の機能動作をそれらに限定されずに含む、流体堆積クラスタツール100の要素は、デジタル電子回路網またはコンピュータソフトウェア、ファームウェアまたはハードウェアに実装され得、これらは本明細書において開示された構造的手段およびその構造的均等物、またはそれらの組み合わせを含む。環境コントローラ110をそれに限定されずに含む、流体堆積クラスタツール100の要素は、1つ以上のコンピュータプログラム製品として、すなわち情報キャリアに具体的に組み入れられた1つ以上のコンピュータプログラムとして、例えば機械読取り可能ストレージデバイスまたは伝搬信号に、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、あるいは複数のプロセッサまたはコンピュータなどのデータ処理装置による実行によって、またはその動作を制御するために、実装され得る。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても公知の)は、コンパイル済または翻訳済の言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で書き込まれ得、例えば、スタンドアローンプログラムとして、あるいはモジュール、構成要素、サブルーチン、またはコンピューティング環境における使用に適した他のユニットとしてなどの、任意の形式で使用に伴わされ得る。1つのコンピュータプログラムが、必ずしも1つのファイルに対応するわけではない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部、当該のプログラムに専用の単一のファイル、または複数の統合されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラムまたはコードの一部を格納するファイル)に格納され得る。コンピュータプログラムは、1つのサイトにおいて1つのコンピュータまたは複数のコンピュータで実行されるように配備され得、または複数のサイトにわたって分配され、かつ通信ネットワークによって相互接続され得る。
本発明の方法のステップを含む本明細書において記述されたプロセスおよび論理の流れは、入力データで動作し出力を生成することによって本発明の機能を行う1つ以上のコンピュータプログラムを実行する、1つ以上のプログラム可能なプロセッサを用いて行われ得る。プロセスおよび論理の流れはまた、専用ロジック回路網、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって行われ得、本発明の装置はまた、それら専用ロジック回路網、例えばFPGAまたはASICとして実装され得る。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として汎用および専用マイクロプロセッサ、およびあらゆる種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、読取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはそれら両方から、指示およびデータを受信する。コンピュータの本質的な要素は、指示を実行するプロセッサ、ならびに指示およびデータを格納する1つ以上のメモリデバイスである。一般的に、コンピュータはまた、データを格納する1つ以上の大容量ストレージデバイス、例えば磁気ディスク、光磁気ディスクまたは光ディスクを含むか、またはそれらのディスクからデータを受け取ったり転送したりするために効果的に結合される。しかし、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。さらに、コンピュータは、別のデバイス、例えば一部を列挙すると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯オーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信器などに組み入れられ得る。コンピュータプログラムの指示およびデータを具体化するのに適した情報キャリアは、全ての形態の不揮発性メモリ、例えばEPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内部ハードディスクまたは取外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROMディスクおよびDVD−ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路網が追加され得るか、または組み入れられ得る。
ユーザにインタラクションを提供するために、本発明は、ユーザに情報を表示するための表示デバイス、例えばCRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)のモニタと、ユーザがコンピュータに入力を提供し得るキーボードおよびマウスやトラックボールなどのポインティングデバイスとを有する、コンピュータを含んで実装され得る。他の種類のデバイスも、ユーザとのインタラクションを提供するために用いられ得る。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式の感覚によるフィードバック、例えば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバックまたは触覚的フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響、音声または触覚の入力を含む、任意の形式で受信され得る。
多くの本発明の実施形態が記述された。それにもかかわらず、さまざまな修正が、本発明の精神および範囲を逸脱することなくなされ得ることが理解される。図12において示された流れ図に記載のステップは、示されたものとは異なる順序で行われ得、しかも所望の結果を達成し得る。