JP2009500477A - 水酸化マグネシウムウェーハ補強タイヤ用のゴム組成物 - Google Patents
水酸化マグネシウムウェーハ補強タイヤ用のゴム組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009500477A JP2009500477A JP2008519848A JP2008519848A JP2009500477A JP 2009500477 A JP2009500477 A JP 2009500477A JP 2008519848 A JP2008519848 A JP 2008519848A JP 2008519848 A JP2008519848 A JP 2008519848A JP 2009500477 A JP2009500477 A JP 2009500477A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wafer
- magnesium hydroxide
- silica
- composition
- composition according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C1/00—Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
- B60C1/0016—Compositions of the tread
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K3/00—Use of inorganic substances as compounding ingredients
- C08K3/18—Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
- C08K3/20—Oxides; Hydroxides
- C08K3/22—Oxides; Hydroxides of metals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K9/00—Use of pretreated ingredients
- C08K9/02—Ingredients treated with inorganic substances
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/54—Silicon-containing compounds
- C08K5/548—Silicon-containing compounds containing sulfur
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K7/00—Use of ingredients characterised by shape
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/25—Web or sheet containing structurally defined element or component and including a second component containing structurally defined particles
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/26—Web or sheet containing structurally defined element or component, the element or component having a specified physical dimension
- Y10T428/266—Web or sheet containing structurally defined element or component, the element or component having a specified physical dimension of base or substrate
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Tires In General (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
Abstract
Description
本発明は、タイヤまたはタイヤ用の半製品、とりわけこれらタイヤのトレッドの製造用に使用し得るジエンゴム組成物、さらにまた、そのようなゴム組成物を補強し得る無機補強用充填剤に関する。
燃費および自動車が放出する汚染物を低減せんがために、乾燥地面上および湿潤または積雪地面上の双方において極めて低い転がり抵抗性、改良されたグリップ性、さらにまた良好な耐摩耗性を同時に有するタイヤを得るための著しい努力がタイヤ設計者によって費やされている。
多くの解決策が、過去において、とりわけ、転がり抵抗性を低減し、タイヤのグリップ性を改良するために提案されているが、これら解決策は、一般に、耐摩耗性の極めて多大な悪化をもたらす。
とりわけ、よく知られているのは、例えば、通常のシリカまたはアルミナ類、チョーク、タルク、ベントナイトまたはカオリンのような天然アルミノシリケート類のような通常の白色充填剤をタイヤ、とりわけトレッドの製造において使用するゴム組成物に混入させることが、転がり抵抗性の低下および湿潤、積雪または氷結地面に対するグリップ性の改良を最も確実にもたらすものの、これらの通常の白色充填剤が、そのようなゴム組成物に対して十分な補強性能を有さないという事実と関連した耐摩耗性の許容し得ない劣化ももたらすということである。これらの白色充填剤は、この理由のため、不活性充填剤とも称する非補強用充填剤と一般にみなされている。
不十分な耐摩耗性のこの問題に対する有効な解決策は、通常のタイヤ用のカーボンブラックと置換わり得ることが証明されている真の補強用無機充填剤、とりわけ、高分散性シリカ(“HSD”として知られる)を含む新規なゴム組成物の過去10年間に亘る最近の開発によって見出されている。
しかしながら、HDSシリカをベースとする組成物は、カーボンブラックを充填した通常の組成物と対比して、概して2〜3の係数で実質的に遅延する加硫速度を有するという既知の欠点を有する。それによって生じる長い硬化時間が、そのような組成物をベースとするタイヤまたはタイヤトレッドの工業的加工を不利にすることは知られている。
これに対して、本出願者等は、研究中に、ゴム組成物において、真の補強用充填剤として、即ち、カーボンブラックまたはHDSシリカに置換わり得る使用し得る合成タイプの特定の金属水酸化物が存在することを見出した。予期に反して、この特定の水酸化物は、該水酸化物を含むゴム組成物に、高分散性故の、HDS-タイプのシリカによって得られる組成物に近い優れた補強性能のみならず、そのようなシリカの使用と比較して極めて大きく改良された加硫速度も与えている。
従って、本発明の第1の主題は、少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤およびカップリング剤をベースとし、上記補強用充填剤がシリカで被覆された合成水酸化マグネシウムウェーハを含むことを特徴とするゴム組成物に関する。
この水酸化マグネシウムは、非等軸性ウェーハ形状を有する凝集物(または二次粒子)からなり、本発明の組成物にある種の用途において有利である特性の異方性を与え得る。
本発明のもう1つの主題は、シリカで被覆したこれらの合成水酸化マグネシウムウェーハそれ自体である。
本発明のもう1つの主題は、下記において“補強用水酸化マグネシウム”とも称する、シリカで被覆した合成水酸化マグネシウムウェーハの形にある上記ハイブリッドまたは複合体タイプの充填剤の、とりわけゴム組成物における補強用充填剤としての使用である。
本発明のもう1つの主題は、少なくとも1種のジエンエラストマー、少なくとも1種の補強用充填剤およびカップリング剤を混入し、該カップリング剤が上記充填剤と上記エラストマー間の結合を与える改良された加硫速度を有するゴム組成物を得る方法であり、該方法は、上記充填剤が補強用水酸化マグネシウムを含み、且つ混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することを特徴とする。
本発明の最も特定的な主題は、本発明に従うゴム組成物のタイヤまたはこれらタイヤ用に意図するゴム製の半製品の製造における使用であり、これら半製品は、とりわけ、トレッド、例えばこれらトレッドの下に置くことを意図する下地層、クラウンプライ、側壁、カーカスプライ、ビーズ、プロテクター、内部チューブおよびチューブレスタイヤ用の気密内部裏地からなる群から選ばれる。
本発明に従う組成物は、とりわけ、乗用車、バン類、4×4車両(四輪駆動を有する)、二輪車、“重量物車両”(即ち、地下鉄車両、バス、重量道路輸送車両(大型トラック、トラクター、トレイラー)、オフロード車)、航空機、並びに土木、陸上または操作用車両に装着することを意図するタイヤトレッドを製造するのに適しており、これらのトレッドは、必要に応じて、新品タイヤの製造中または中古タイヤの再トレッド形成において使用する。
短縮された硬化時間は、とりわけ、再トレッド形成を意図するトレッドにおいて有利である;再トレッド形成が“低温”再トレッド形成(予め硬化したトレッドの使用)または通常の“高温”再トレッド形成(未硬化状態におけるトレッドの使用)を含むかどうかにかかわらない。後者の場合、短縮された硬化時間は、製造コストを節減するという事実以外に、中古(既に加硫されている)タイヤのケーシング(カーカス)残部に加わる過硬化(または後硬化)も抑制する。
本発明さらにまたその利点は、以下の説明および実施例、並びに本発明に従うまたは従わない各種ゴム組成物における伸びの関数としてのモジュラスの変化曲線を再現している1つの添付図面に照らして明白に理解し得るであろう。
I. 使用する測定および試験方法
以下で説明する補強用充填剤は、粒子の凝集物からなり、外力の作用下、例えば、機械仕事または超音波の作用下にこれらの粒子に離散し得る。本出願において使用する用語“粒子”は、凝集物(“二次粒子”とも称する)のその通常の一般的意味で理解すべきであり、適切な場合にこの凝集物の1部を形成し得る素粒子(“一次粒子”とも称する)の意味においてではない;用語“凝集物”とは、知られている通り、充填剤の合成中に製造され、一般に一緒に凝集した素(一次)粒子から形成された分割し得ない集合体(即ち、切断、開裂または分割し得ない)であると理解すべきである。
これらの充填剤は、下記に示すようにして特性決定する。
a) BET比表面積:
BET比表面積は、"The Journal of the American Chemical Society", Vol. 60, page 309, February 1938に記載されているBrunauer-Emmett-Teller法を使用して、さらに具体的には、1996年12月のフランス規格 NF ISO 9277に従って、ガス吸着によって測定する(多点(5点)容量法;ガス:窒素、脱ガス:160℃で1時間、相対圧力範囲 p/po:0.05〜0.17)。
dw,で示す(質量)平均粒度は、知られている通り、分析すべき充填剤の超音波分散後に測定する。
測定は、とりわけ既知の方法でカーボンブラック粒子の特性決定に使用するBrookhaven Instruments社から販売されているタイプ“DCP”(Disc Centrifuge Photosedimentometer)の光検知遠心分離沈降速度計を使用して実施する。該装置は、600〜700nmのスペクトル帯域において発出するLED源を備えている。
手順は、次のとおりである。懸濁安定剤としての12g/lのヘキサメタリン酸ナトリウムを含有する40mlの水溶液中の分析すべき充填剤サンプル 200mgの懸濁液を、1500Wの超音波プローブ(Bioblock社から標章M75450として販売されている3/4インチ(1.905cm)Vibracellソニケーター)の60%出力(最高“出力制御”位置の60%)で8分間持続する作用により調製する。超音波処理中の過熱を抑制するために、懸濁液を、好ましくは、冷水浴(例えば、5〜10℃の温度の)内に置く。超音波処理後、15mlの懸濁液を、回転ディスク中に導入する。120分に亘って沈降させた後、粒度の質量平均を、“DCP”沈降速度計ソフトウェアにより算出する;dw,で示す粒度の質量分布は、上記のソフトウェアにより、下記の等式を使用して算出する(niは、直径di等級内の対象物の数である):
解凝集速度(αと表示する)は、“超音波解凝集試験”として知られている試験において、この場合測定中の超音波プローブの過剰の過熱を防止するためにパルスモード(即ち、1秒オン、1秒オフ)において操作する600W (ワット)プローブの100%出力で測定する。この既知の試験は、とりわけ特許出願 WO 99/28376号の主題であり(WO 99/28380号、WO 00/73372号およびWO 00/73373号も参照されたい)、下記の仕様に従い、超音波処理中の粒子凝集物の平均(容量による)粒度の変化を連続的に測定することを可能にする。
使用するアッセンブリーは、レーザー粒度アナライザー(Malvern Instruments社から販売されているタイプ“Mastersizer S”(赤色波長632.8nmで発出するHe-Neレーザー源))およびその準備ユニット(“Malvern Small Sample Unit MSX1”)からなり、その間に、超音波プローブ(Bioblock社から販売されている1/2インチ(1.27cm) Vibracellタイプ600Wソニケーター)を備えた連続流処理セル(Bioblock M72410)が挿入されている。
一般に20〜200mgの少量の分析すべき充填剤(例えば、150mg)を、160mlの水を含む上記準備ユニット中に導入し、循環速度をその最高値にセットする。少なくとも3回の連続測定を実施し、Fraunhoferの既知の計算法(Malvern 3$$D算定マトリックス)に従い、dv[0]と表示する凝集物の初期平均(容量による)直径を測定する。その後、超音波処理(パルスモード:1秒オン、1秒オフ)を100%出力(即ち、“頂点振幅”の最高位置の100%)にセットし、容量平均直径dv[t]の変化を約8分に亘って時間“t”の関数としてモニターする;1回の測定は、およそ10秒毎に行う。導入期間(およそ3〜4分)の後、容量平均直径の逆数1/dv[t]が時間“t”と共に直線状または実質的に直線状に変化する(安定な解凝集形態)のを観察する。解凝集速度αを、1/dv[t]の変化曲線の直線回帰により、安定な解凝集形態領域(一般に、約4〜8分の間)における時間“t”の関数として算出する。解凝集速度αは、μm-1/分で表す。
サンプル準備ユニット(“Malvern Small Sample Unit MSX1”)は、試験すべき充填剤サンプル(その液体中懸濁液内の)を受入れ、上記回路に、予め設定した速度(電位差計(およそ3l/分の最高速度)で、液体懸濁液の流れの形で流入するように意図されている。この準備ユニットは、単純に、分析すべき懸濁液を含み、流動させる受入れタンクからなる。このユニットは、懸濁液の粒子凝集物の沈降を回避するための速度調節可能な撹拌機モーターを備えており;ミニ遠心分離ポンプは、懸濁液の回路内での循環を与えるように意図され;上記準備ユニットの入口は、分析すべき充填剤サンプルおよび/または懸濁液において使用された液体を受入れるように意図された開口により開放空気と連結している。
上記準備ユニットにはレーザー粒度アナライザー(“Mastersizer S”)が連結されており、このアナライザーの役割は、一定の時間間隔で、流れの通過中の凝集物の容量平均粒度“dv”を、粒度アナライザーの記録および自動計算手段を連結している測定セルによって連続的に測定することである。上記レーザー粒度アナライザーは、知られている通り、屈折率が固体の屈折率と異なる媒質中に懸濁させた固体対象物による光の回折の原理を利用していることを簡単に思い起こされたい。Fraunhofer理論によれば、対象物の大きさと光の回折角のと間には相関がある(対象物が小さいほど、回折角は高い)。実際には、異なる回折角で回折した光の量を測定してサンプルの粒度分布(容量による)を測定できれば十分であり、dvは、この分布の容量平均粒度に相当する(dv = Σ(ni di 4)/Σ (ni di 3)、niは粒度即ち直径等級diを有する対象物の数である)。
最後に、準備ユニットとレーザー粒度アナライザー間には、流れの通過中に粒子凝集物を連続的に離散させるように意図した連続またはパルスモードで機能し得る超音波プローブを備えた処理セルが挿入されている。この流れは、プローブを囲んでいるジャケット内にセルレベルで配置された冷却回路によって温度調節され、温度は、例えば、準備ユニットのレベルで液体中に浸した温度プローブによって制御する。
a) 引張試験:
これらの試験は、弾性応力および破壊時特性の測定を可能にする。特に断らない限り、これら試験は、1988年9月のフランス規格NF T 46-002に従って行う。
1回目の伸びで行った測定(即ち、順応サイクル無しによる;モジュラスを、その後、“M”と表示する)は、100%伸び(M100と表示するモジュラス)および300%伸び(M300と表示するモジュラス)において、MPaで表す真の割線モジュラス(即ち、試験片の実際の断面に対して算出した)である。また、引張強度(MPaでの)および破壊時伸び(%での)も測定する。これらの張力測定は、全て、基準の温度および湿度条件下で実施する(23±2℃;50±5%相対湿度;1979年12月のフランス規格NF T 40-101)。
また、引張記録を処理することによって、伸びの関数としてモジュラス曲線を歩ロットすることも可能であり(添付図面参照)、この場合、使用するモジュラスは、試験片の実際の断面(公称モジュラスにおいて上記したような初期断面ではなく)に対して算出した1回目の伸びにおいて測定した真の割線モジュラスである。
b) 動的特性:
動的特性は、規格ASTM D 5992-96に従って、粘度アナライザー(Metravib VA4000)において測定する。単純な交互正弦剪断応力に、10Hzの周波数、23℃の温度で供した加硫組成物のサンプル(厚さ2mmおよび315mm2の断面積を有する円筒状試験片)の応答を記録する。0.1%から50%まで(外方向サイクル)、次いで50%から0.1%まで(戻りサイクル)でのピーク-ピーク間歪み振幅掃引を実施する;戻りサイクルにおいて、tan(δ)maxと表示する損失係数の最高値を記録する。
c) 流動度測定
測定は、規格DIN 53529:パート3 (1983年6月)従い、振動チャンバーレオメーターにより150℃で実施する。時間の関数としての流動度測定トルクの変化によって、加硫反応の結果としての組成物の剛化の変化を説明する。測定値を規格DIN 53529:パート2 (1983年3月)従い処理する。Ti(分での)は、誘導時間、即ち、加硫反応を開始する前に要する時間であり;Tα(例えば、T99)は、α%、即ち、最低トルクと最高トルクとの差のα%(例えば、99%)の転換を達成するのに必要な時間である。第1順位転換速度定数K(分-1での)も測定し、30%転換と80%転換の間で算出する;この定数により、加硫速度の評価が可能にする(Kが高いほど、速度は速い)。
本発明に従うゴム組成物は、以下の構成成分:(i) 1種の(少なくとも1種の)ジエンエラストマー、(ii) 1種の(少なくとも1種の)補強用充填剤および(iii) この充填剤とこのジエンエラストマー間の結合をもたらす1種(少なくとも1種の)カップリング剤をベースとし、上記充填剤は、下記で詳述するような補強用水酸化マグネシウムを含む。
勿論、“ベースとする組成物”なる表現は、これら各種ベース構成成分の混合物および/または反応生成物(とりわけその場での)を含む組成物を意味するものと理解すべきであり、これら構成成分のある種のものは、上記組成物製造の種々の段階においてまたはその後の硬化中に少なくとも部分的に反応させるおよび/または一緒に反応させることを意図することが可能である。
本発明の説明においては、特に断らない限り、示したパーセント(%)は、全て質量%である。
“ジエン”エラストマーまたはゴムなる用語は、知られている通り、ジエンモノマー類、即ち、共役型または共役型でない2個の炭素-炭素二重結合を担持するモノマー類に少なくとも一部由来するエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を意味するものと理解されたい。
これらのジエンエラストマーは、2つのカテゴリー、即ち、“本質的に不飽和”または“本質的に飽和”に分類し得る。“本質的に不飽和”とは、一般に、15%(モル%)よりも多いジエン起源(共役ジエン)単位含有量を有する共役ジエンモノマーに少なくとも一部由来するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい;即ち、ブチルゴムまたはEPDMタイプのジエン/α-オレフィンコポリマーのようなジエンエラストマーは、上記定義に属さず、とりわけ“本質的に飽和”のジエンエラストマーと称し得る(常に15%未満の低いまたはきわめて低いジエン起源単位含有量)。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、“高不飽和”ジエンエラストマーなる表現は、とりわけ、50%よりも多いジエン起源(共役ジエン) 単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
上記の一般的定義を考慮すると、さらに詳細には、本発明に従う組成物において使用し得るジエンエラストマーは、下記を意味するものと理解されたい:
(a) 4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンモノマーの重合によって得られた任意のホモポリマー;
(b) 1種以上の共役ジエン類相互或いは8〜20個の炭素原子を有する1種以上のビニル芳香族化合物との共重合によって得られる任意のコポリマー;
(c) エチレンおよび3〜6個の炭素原子を有するα-オレフィンと6〜12個の炭素原子を有する非共役ジエンモノマーとの共重合によって得られる任意の3成分コポリマー、例えば、エチレンおよびプロピレンととりわけ1,4-ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンまたはジシクロペンタジエンのような上述のタイプの非共役ジエンモノマーとから得られるエラストマー;および、
(d) イソブテンとイソプレンの任意のコポリマー(ブチルゴム)、さらにまた、このタイプのコポリマーのハロゲン化形、とりわけ塩素化または臭素化形。
本発明は任意のタイプのジエンエラストマーに適応するけれども、タイヤ技術における熟練者であれば、本発明は、とりわけ上記ゴム組成物をタイヤトレッド用に意図する場合、好ましくは、とりわけ上記のタイプ(a)または(b)の本質的に不飽和のジエンエラストマー類によって実施することを理解されたい。
上記のコポリマー類は、99〜20質量%のジエン単位と1〜80質量%のビニル芳香族単位を含有し得る。これらのエラストマーは、使用する重合条件、とりわけ、変性剤および/またはランダム化剤の存在または不存在並びに使用する変性剤および/またはランダム化剤の量の関数である任意のミクロ構造を有し得る。これらのエラストマーは、例えば、ブロック、ランダム、序列または微細序列エラストマーであり得;分散液または溶液中で調製し得;これらのエラストマーは、カップリング剤および/または星型枝分れ化剤(star-branching agent)或いは官能化剤によってカップリング化および/または星型枝分れ化或いは官能化し得る。
以下が適切である:ポリブタジエン類、とりわけ、4%〜80%の1,2-単位含有量を有するポリブタジエン類または80%よりも多いシス-1,4-単位含有量を有するポリブタジエン類;ポリイソプレン類;ブタジエン/スチレンコポリマー類、とりわけ、5質量%〜50質量%とりわけ20質量%〜40質量%のスチレン含有量、4%〜65%のブタジエン成分1,2-結合含有量および20%〜80%のトランス-1,4結合含有量を有するコポリマー類;ブタジエン/イソプレンコポリマー類、とりわけ、5質量%〜90質量%のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のガラス転移温度(Tg、ASTM規格 D3418に従って測定)を有するコポリマー類;または、イソプレン/スチレンコポリマー類、とりわけ、5%〜50質量%のスチレン含有量および−25℃〜−50℃のTgを有するコポリマー類。ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマー類の場合、以下が適している:とりわけ、5質量%〜50質量%とりわけ10質量%〜40質量%のスチレン含有量、15質量%〜60質量%とりわけ20質量%〜50質量%のイソプレン含有量、5質量%〜50質量%とりわけ20質量%〜40質量%のブタジエン含有量、4%〜85%のブタジエン成分1,2-単位含有量、6%〜80%のブタジエン成分トランス-1,4単位含有量、5%〜70%のイソプレン成分1,2-単位+3,4-単位含有量および10%〜50%のイソプレン成分トランス-1,4単位含有量を有するコポリマー類、さらに一般的には、−20℃〜−70℃のTgを有する任意のブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマー。
本発明に従う組成物は、とりわけ、新品または中古(再トレッド形成の場合)タイヤのいずれかにおける、タイヤトレッドを意図する。
そのようなトレッドをとりわけ乗用車タイヤ用に意図する場合、ジエンエラストマーは、好ましくは、SBRであるか、或いはSBR/BR、SBR/NR(またはSBR/IR)、またはBR/NR(またはBR/IR)のブレンド(混合物)である。SBRエラストマーの場合、とりわけ、20質量%〜30質量%のスチレン含有量、15%〜65%のブタジエン成分ビニル結合含有量、15%〜75%のトランス-1,4結合含有量および-20℃〜-55℃のTgを有するSBRを使用する;このSBRコポリマーは、好ましくは、溶液中で調製し(SSBR)、必要に応じて、好ましくは90%よりも多いシス-1,4結合を有するポリブタジエン(BR)とのブレンドとして使用する。
“イソプレンエラストマー”なる表現は、知られている通り、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)類、各種イソプレンコポリマー類およびこれらのエラストマーのブレンドにより形成される群から選ばれるジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマーのうちでは、とりわけ、イソブテン/イソプレン(ブチルゴム;IIR)、イソプレン/スチレン(SIR)、イソプレン-ブタジエン(BIR)またはイソプレン/ブタジエン/スチレン(SBIR)コポリマー類を挙げることができる。このイソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴムまたは合成シス-1,4-ポリイソプレンであり;これらの合成ポリイソプレンのうちでは、好ましくは90%よりも多い、より好ましくは98%よりもさらに多い、とりわけ99%よりも多いシス-1,4結合含有量(モル%)を有するポリイソプレンを使用する。
本発明のもう1つの有利な実施態様によれば、とりわけタイヤの側壁用に意図する場合、本発明に従う組成物は、少なくとも1種の本質的に飽和のジエンエラストマー、とりわけ少なくとも1種のEPDMコポリマーを、このコポリマーを、例えば、上記の高不飽和ジエンエラストマーの1種以上とのブレンドとして使用するまたは使用しないにかかわらず、含有し得る。
本発明の組成物は、単一ジエンエラストマーまたは数種のジエンエラストマーのブレンドを含み得、上記ジエンエラストマーまたはエラストマー類は、ジエンエラストマー以外の任意のタイプの合成エラストマーと或いはまたはエラストマー以外のポリマー類、例えば、熱可塑性ポリマーと組み合わせて使用し得る。
本発明の組成物は、シリカ被覆ウェーハの形の合成水酸化マグネシウム粒子によって補強するという主たる特徴を有する。ここで、水酸化マグネシウムは、不純物および水和水を除き、式Mg(OH)2を有することを再認識されたい。
好ましくは、このMg水酸化物表面に存在するシリカの量は、5%〜50%、より好ましくは10%〜40%、とりわけ15%〜35%で存在する(コーティーングした水酸化物の総質量の質量%)。
上記組成物の加工性、とりわけタイヤとしてのヒステリシス、補強性および耐摩耗性の諸特性に関する最適の妥協のためには、このMg水酸化物のBET比表面積は、好ましくは50〜700m2/cm3 (即ち、典型的には20〜320m2/g)、より好ましくは100〜600m2/cm3 (即ち、典型的には40〜270m2/g)、例えば、150〜400m2/cm3 (即ち、典型的には60〜180m2/g)であり;dwで表示するその質量平均粒度は、好ましくは20〜400nm、より好ましくは50〜300nm、例えば、100〜200nmである。
一方、充填剤の固有分散性は、前記章Iにおいて説明した超音波解凝集試験を使用して既知の方法で評価し得る。好ましくは、補強用水酸化マグネシウムは、1×10-3 μm-1/分よりも高い、より好ましくは4×10-3 μm-1/分よりも高い解凝集速度αを有する。
補強用Mg水酸化物は、ち密化法がこの充填剤について推奨される本質的または好ましい特性を損わないことを明らかに条件として、粉末、微小球状体、顆粒、ペレット、ビーズまたは他のち密化形のいずれかの形状の任意の物理的状態にあり得る。
使用する補強用Mg水酸化物は、非等軸形状を有する、即ち、好ましくは2.0よりも大きい、より好ましくは3.0よりも大きい縦横比(A1 = L1/T1)を有する凝集物(多かれ少なかれ一緒に凝集した)からなり、L1は最大寸法の平均(または、これらのウェーハが円板状である場合には平均直径)を示し、T1は上記凝集物の平均厚を示し、これらの平均は数によって算出する。さらにより好ましくは、A1は、3〜10である。
1つの好ましい実施態様によれば、好ましくは上記の実施態様と相まって、補強用Mg水酸化物は、一次粒子それ自体、即ち、非等軸性であり且つウェーハの形にある上記凝集物の構成成分であり、該一次粒子は、1.5よりも大きい、好ましくは2.0よりも大きい縦横比(A2 = L2/T2)を有する;L2は平均直径(またはウェーハの面における最大寸法の平均)を示し、T2は上記一次粒子の平均厚を示し、これらの平均は数によって算出する。さらにより好ましくは、A2は、2〜10である。
L2は、好ましくは、10〜400nmであり、T2は、好ましくは、5〜30nmである。より好ましくは、L2は、20〜150nmの範囲にあり、T2は、10〜25nmの範囲にある。
そのようなコーティーング方法は、好ましくは、下記の工程を含む:
‐液体中の水酸化マグネシウムの懸濁液から出発する工程;
‐上記水酸化物粒子の表面上でシリカを合成する工程;および、
‐得られた懸濁液を濾過し、洗浄し、濾過物を乾燥させる工程。
懸濁液の液体は、好ましくは、水であるが、任意の溶媒、例えば、シリカの合成に適するアルコール(例えば、エタノール)を使用することもできる。水酸化マグネシウム懸濁液の濃度は、好ましくは、20g/l未満である。
濾過物は、水中でまたはシリカ合成において使用する溶媒中(最後の洗浄は、好ましくは、水中で行うことを必要とする)で1回以上洗浄する。
その後、そのようにして得られた濾過物を、水の除去中の水酸化物粒子の凝集を抑制することのできる乾燥手段によって乾燥させる。使用し得る乾燥手段は、当業者にとって既知である:乾燥は、例えば、凍結乾燥により、スプレー乾燥によりまたは超臨界条件下に、或いは水の除去中の水酸化物粒子の毛管現象による過剰の凝集を回避し得る任意の他の等価の手段を使用して実施し得る。
例えば、下記の既知の方法の少なくとも1つによって導き出すコーティーング方法を使用し得る:
‐アルコール中でのテトラエチルオルソシリケート(TEOS)の加水分解による粒子コーティーング方法(M. Ohmori and E. Matijevic, J. Colloid Inter. Sci. 160, 288-292 (1993))、方法自体は、確認者“Stoeber”による既知のシリカ合成方法に由来する(W. Stoeber, A. Fink, E. Bohm, J. Colloid Inter. Sci. 26, 62-69 (1968));
‐例えば、特許出願 EP-A-0 407 262号に記載されているような、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)プレカーサーからのシリカ合成方法;および、
‐特許出願 WO 00/05312号の実施例1および2に記載されているような、シリカによるカーボンブラックの被覆方法。
水酸化マグネシウムを最初から合成する場合、その粒子を、上記コーティーング処理を実施する前には乾燥させないで、このシリカ表面積層の付着前に粒子が一緒に凝集するリスクをできる限り抑制するようにするのが好ましいことに留意すべきである。
好ましくは、補強用水酸化マグネシウムは、補強用充填剤全体の多数量、即ち、50質量%よりも多くを構成する。有利には、補強用水酸化マグネシウムは、補強用充填剤全体の80%よりも多く、より好ましくは90%よりも多くを示す。補強用水酸化ナトリウムは、有利には、例えば、下記で示すような極めて少量のカーボンブラックと組合せて、補強用無機充填剤の100%を構成する。
“無機補強用充填剤”なる表現は、この場合、カーボンブラックに対比して“白色”充填剤、“明色”充填剤または“非黒色”充填剤としても知られる、その色合およびその起源(天然または合成)の如何にかかわらない無機または鉱質充填剤を意味するものと理解すべきである;この無機充填剤は、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段によることなく、タイヤの製造を意図するゴム組成物を補強し得、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラック充填剤とその補強役割において置換わり得る。
可能性ある補完用無機補強用充填剤としては、以下がとりわけ適している:シリカ質タイプ、とりわけシリカ(SiO2)、またはアルミナ質タイプ、とりわけアルミナ(Al2O3)の鉱質充填剤。使用するシリカは、当業者にとって公知の任意の補強用シリカ、とりわけ、共に450 m2/g未満、好ましくは30〜400 m2/g未満であるBET表面積とCTAB比表面積を有する任意の沈降または火成シリカであり得る。高分散性沈降シリカ(“HD”として知られている)の例としては、例えば、Degussa社からのシリカ類Ultrasil 7000およびUltrasil 7005;Rhodia 社からのシリカ類Zeosil 1165MP、1135MPおよび1115MP;PPG社からのシリカHi-Sil EZ150G; Huber社からのシリカ類Zeopol 8715、8745または8755が挙げられる。補強用アルミナ類の例としては、Baikowski社からのアルミナ類A125またはCR125 Baikalox;Condea社からのAPA-100RDX;Degussa社からのAluminoxid C;またはSumitomo Chemicals社からのAKP-G015を挙げることができる。
補強用充填剤全体中に存在するカーボンブラックの量は広範囲に亘って変動し得、その量は、好ましくは、補強用Mg水酸化物の量よりも少ない。
有利には、補強用水酸化マグネシウムとのブレンド(混合物)として、極めて少量の、好ましくは10phe未満、より好ましくは6phe未満、例えば、0〜3phe (エラストマー100質量部当りの質量部)の含有量のカーボンブラックを使用し得る。これらの範囲内においては、上記組成物は、カーボンブラックの着色(黒色着色剤)およびUV安定特性の利益を、補強用水酸化マグネシウムによってもたらされる典型的な性能特性をさらに損なうことなく受ける。
好ましくは、本発明の組成物中の補強用充填剤の総含有量は、20〜400phe、より好ましくは30〜200pheの範囲内である。最適量は、実際には、意図する用途によって異なる:知られている通り、例えば、自転車タイヤに関して期待される補強レベルは、乗用車用または重量貨物車両のような実用車両用のタイヤに関して要求される補強レベルよりも著しく低い。
本発明の組成物をタイヤトレッド用に意図する場合、無機補強用充填剤の、従って、補強用水酸化マグネシウムが併せての少量のカーボンブラックを含むか含まないでこの補強用充填剤の全部を構成する場合の補強用水酸化マグネシウムの含有量は、好ましくは、50pheよりも多く、例えば、50〜150pheであるように選択する。
当業者にとっては、無機補強用充填剤の場合、この無機充填剤のエラストマーマトリックス内での分散を容易にしながら、無機充填剤とエラストマー間の結合即ち“カップリング”を確保する役割を有する結合剤としても知られているカップリング剤を使用することが必要である。
補強用水酸化マグネシウムも、本発明に従うゴム組成物においてその補強用充填剤役割を確保するためのそのようなカップリング剤の使用を必要とする。
“カップリング剤”なる表現は、さらに具体的には、当該充填剤とエラストマー間の化学的および/または物理的性質の十分な結合を確立し得る薬剤を意味するものと理解されたい;そのようなカップリングは、少なくとも二官能性であり、例えば、簡略化した一般式“Y-T-X”を有し、式中、
Yは、上記無機充填剤に物理的および/または化学的に結合し得る官能基(“Y”官能基)を示し、そのような結合は、おそらくは、例えば、カップリング剤のシリコン原子と上記無機充填剤表面のヒドロキシル(OH)基間で確立され;
Xは、ジエンエラストマーに、例えば、イオウ原子を介して物理的および/または化学的に結合し得る官能基(“X”官能基)を示し;
Tは、YとXを一緒に結合させ得る基を示す。
上記カップリング剤は、上記充填剤に対して活性であるY官能基を公知の形で含み得るがジエンエラストマーに対して活性であるX官能基は含んでいない、当該充填剤を被覆するための単純な薬剤と混同してはならない。
シリカ/エラストマーカップリングは、とりわけ、多くの文献に記載されており、最も良く知られているのは、イオウ含有アルコキシシランのような二官能性アルコキシシランである。とりわけ、例えば、特許出願または特許:米国特許第3,842,111号、米国特許第3,873,489号、米国特許第3,978,103号、米国特許第3,997,581号、米国特許第4,002,594号、米国特許第4,072,701号、米国特許第4,129,585号において、或いは、そのような既知の化合物を詳細に説明している最も最近の文献:米国特許第5,580,919号、米国特許第5,583,245号、米国特許第5,650,457号、米国特許第5,663,358号、米国特許第5,663,395号、米国特許第5,663,396号、米国特許第5,674,932号、米国特許第5,675,014号、米国特許第5,684,171号、米国特許第5,684,172号、米国特許第5,696,197号、米国特許第5,708,053号、米国特許第5,892,085号、WO 02/083782号に記載されているような、その特定の構造により“対称形”または“非対称形”イオウ含有アルコキシシランとして知られているイオウ-含有アルコキシシラン類を使用する。
(I) Z-A-Sn-A-Z
(式中、nは、2〜8 (好ましくは2〜5)の整数であり;
Aは、2価の炭化水素系基(好ましくはC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリーレン基、とりわけC1〜C10、とりわけC1〜C4アルキレン基、特にプロピレン)であり;
Zは、下記の式の1つに相応する:
R2基は、置換されているかまたは置換されてなくて、互いに同一かまたは異なるものであり、ヒドロキシル、C1〜C18アルコキシルまたはC5〜C18シクロアルコキシル基(好ましくは、ヒドロキシル、C1〜C8アルコキシルまたはC5〜C8シクロアルコキシル基、より好ましくは、ヒドロキシルおよびC1〜C4アルコキシル基、とりわけヒドロキシル、メトキシルおよび/またはエトキシル基)を示す)。
上記式(I)に相応するアルコキシシランポリスルフィド類の混合物、とりわけ、標準の商業的に入手し得る標準の混合物の場合、“n”の平均値は、好ましくは2〜5の間、より好ましくは4に近い分数である。しかしながら、本発明は、例えば、アルコキシシランジスルフィド(n = 2)によっても有利に実施し得る。
TESPDは、例えば、Degussa社から商品名Si75 (ジスルフィド(75質量%)とポリスルフィド類の混合物形)として、あるいはWitco社から商品名Silquest A1589として市販されている。TESPTは、例えば、Degussa社から商品名Si69として(または、カーボンブラック上に50質量%で支持されている場合のX50S)、あるいはOsi Specialties社から商品名Silquest A1289として市販されている(両者とも、4に近いnの平均値を有するポリスルフィド類の市販混合物)。
また、好ましいカップリング剤の例としては、出願WO 02/083782号に開示されているような、ビス((C1〜C4)モノアルコキシル(C1〜C4)ジアルキルシリルプロピル)ポリスルフィド類(とりわけ、ジスルフィド類、トリスルフィド類またはテトラスルフィド類)、とりわけ、ビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げることができる。
上記のアルコキシシランポリスルフィド類以外のカップリング剤の例としては、とりわけ、例えば、出願WO 99/02602号またはWO 01/9644号に記載されているような二官能性ポリオルガノシロキサン類、或いは出願WO 02/30939号およびWO 02/31041号に記載されているような、ヒドロキシシランポリスルフィド類(この場合、R2が、上記式(I)においてOHを示す)が挙げられる。
カップリング剤の量は、ジエンエラストマーの質量に対して、好ましくは0.1〜15phe、より好ましくは0.5〜10pheである。
使用するカップリング剤は、本発明の組成物のジエンエラストマーに予めグラクトさせ得(X官能基を介して)、そのようにして官能化即ち予備カップリングさせたエラストマーは、その場合、補強用水酸化マグネシウムに対しての遊離のY官能基を含む。また、カップリング剤は、補強用水酸化マグネシウムに予めグラフトさせ得(Y官能基により)、その後、そのようにして“予備カップリングさせた”充填剤を、遊離のX官能基を介してジエンエラストマーに結合させ得る。しかしながら、とりわけ未硬化状態での組成物のより良好な加工のためには、遊離状態の(即ち、グラフトさせていない)または補強用水酸化マグネシウムにグラフトさせているカップリング剤を使用するのが好ましい。
本発明に従う組成物は、既に説明した化合物以外に、例えば、可塑剤または増量オイル類(後者は、芳香族または非芳香族性を有し、とりわけ、極めて僅かに芳香族系または非芳香族系であるオイル類(例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、MESまたはTDAEオイルおよび/または高Tg (好ましくは30℃よりも高い)を有する炭化水素系可塑化用樹脂である);グリセリンエステル類(とりわけ、トリオレート類);酸化防止剤タイプの保護剤;耐オゾン剤;疲労防止剤;カップリング活性化剤;メチレン受容体および供与体;例えば、WO 02/10269号に記載されているようなビスマレイミド類または他の補強用樹脂;イオウまたはイオウおよび/または過酸化物供与体のいずれかをベースとする架橋系;加硫促進剤;加硫活性化剤;ゴムの金属または繊維表面への接着を促進させる系;例えば、ヘキサチオスルホン酸ナトリウムまたはN,N'-m-フェニレン-ビスシトラコンイミドのような戻り防止剤等のような、自動車の接地系、とりわけ、タイヤの製造を意図するジエンゴム組成物において一般的に使用する通常の添加剤も含み得る。当業者であれば、上記組成物の配合を、その特定の要件の関数として如何にして調整するかは承知しているであろう。
また、上述した補強用水酸化マグネシウムには、意図する用途に応じて、例えば着色タイヤの側壁またはトレッドにおいて使用し得るクレー、ベントナイト、タルク、チョーク、カオリンの粒子のような不活性(即ち、非補強用)充填剤を添加することもできる。
また、本発明に従う組成物は、上記のカップリング剤以外に、補強用Mg水酸化物用の被覆剤(例えば、官能基Yのみを含む)、或いは、ゴムマトリックス中での上記充填剤の分散を改善し且つゴム組成物の粘度を低下させることによって、未硬化状態における加工特性を改善し得るより一般的な加工助剤も含有し得る;例えば0.5〜3pheの好ましい含有量で使用するこれらの薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン類(とりわけ、例えば、Degussa-Huls社から商品名Dynasylan Octeoとして市販されている1-オクチルトリエトキシシランまたはDegussa-Huls社から商品名Si216として市販されている1-ヘキサデシルトリエトキシシランのようなアルキルトリエトキシシラン類);ポリオール類;ポリエーテル類(例えば、ポリエチレングリコール類);第一級、第二級または第三級アミン類(例えば、トリアルカノールアミン類);ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類、例えば、α,ω-ジヒドロキシポリオルガノシロキサン類(とりわけ、α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン類)である。
上記組成物は、適切なミキサー内で、当業者にとって周知の以下の2つの連続する製造段階を使用して製造する:110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度(Tmaxと記する)までの高温で熱機械加工または混練する第1段階(“非生産”段階と称する);および、その後の典型的には110℃未満、例えば、60℃〜100℃の低めの温度で機械加工する第2段階(“生産”段階と称する);この仕上げ段階において架橋または加硫系を混入する。
本発明に従う製造方法は、少なくとも上記補強用充填剤およびカップリング剤を、上記ジエンエラストマーとの混練により、第1のいわゆる“非生産”段階において混入すること、即ち、少なくともこれらの各種ベース成分をミキサーに導入し、1以上の工程で、110℃〜190℃、好ましくは130〜180℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することに特徴を有する。
例えば、第1の(非生産)段階は、1回の熱機械段階で実施し、その間に、必要とするベース成分の全て、任意成分としての補完的被覆剤または加工助剤および加硫系を除いた各種他の添加剤を標準の密閉ミキサーのような適切なミキサーに導入する。この非生産段階における総混練時間は、好ましくは、1〜15分である。その後、そのようにして得られた混合物を冷却した後、加硫系を、一般に開放ミルのような開放ミキサー内で、低温にて混入する;次いで、成分全体を、数分間、例えば、2〜15分間混合する(生産段階)。
加硫(即ち、硬化)は、既知の方法で、一般的に130℃〜200℃の温度で、加圧下に、とりわけ硬化温度、使用する加硫系、当該組成物の加硫速度またはタイヤのサイズの関数として、例えば、5〜90分で変動し得る十分な時間で実施し得る。
加硫系自体は、好ましくは、イオウおよび一次加硫促進剤、とりわけスルフェンアミドタイプの促進剤をベースとする。このベース加硫系には、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体等のような上記の第1非生産段階中および/または生産段階中に混入した各種既知の二次加硫促進剤または加硫活性化剤が加わり得る。イオウは、本発明をタイヤトレッドに応用する場合、0.5〜10phe、より好ましくは0.5〜5.0phe、例えば、0.5〜3.0pheの好ましい含有量で使用する。一次加硫促進剤は、とりわけ本発明をタイヤトレッドに応用する場合、0.5〜10phe、より好ましくは0.5〜5.0pheの好ましい含有量で使用する。
本発明が、“未硬化”状態(即ち、硬化前)および“硬化”または加硫状態(即ち、架橋または加硫後)の双方の上記で説明したゴム組成物に関することは言うまでのないことである。
本発明に従う組成物は、単独でまたはタイヤの製造において使用し得る任意の他のゴム組成物との混合物として使用し得る。
III-1. 補強用水酸化マグネシウムの合成
使用する材料:
‐5リットルジャケット付反応器;
‐撹拌機モーター (Heidolf社);
‐温度自動調節浴;
‐遠心分離乾燥機 (Rousselet社;タイプRC30VxR);
‐凍結乾燥機 (Christ Gamma 2-20);
‐2基の蠕動ポンプ (Masterflex L/S);および、
‐pHメーター (Mettler Toledo MP225)。
使用するプレカーサー:
‐MgCl2・6H2O (Alfa社);
‐2M NaOH (Prolabo社);
‐脱イオンH2O;
‐Na2SO4 (Fluka社);
‐溶液中のNa2SiO3 (Prolabo社;密度1.33%、26% SiO2、8% Na2O);および、
‐H2SO4 (Merck社;純度 95〜97%)。
出発水酸化マグネシウム(以下の試験において“B”と表示した充填剤)を、およそ5に等しい縦横比A2 (推定平均値:L2はおよそ75nmに等しく、T2はおよそ15nmに等しい)を有するウェーハ形状の一次粒子から形成された二次粒子(即ち、凝集物)自体から調製した;これらの二次粒子は、下記の表1に示す密度およびBET表面積特性を有する。
出発水酸化マグネシウムは、“Effect of pH on the growth of Mg(OH)2 crystals in aqueous environment at 60℃”, V.A. Phillips, J.L. Kolbe and H. Opperhauser, Journal of Crystal Growth 41 (1977) 228-234に記載された既知の手順に従って合成した。
合成は、より詳細には、次のようにして実施した:ジャケットを備えた5L (リットル)反応器に、2.46LのMgCl2の水溶液(1モル/L)を導入した。媒質温度は、ジャケットに連結した温度自動調節浴によって20℃に制御した。反応媒質の均質化を、350rpmの速度で回転するモーターに連結したTeflonR 6面ブレードにより行った。その後、2.46LのNaOH(2M)を、蠕動ポンプにより、1.8L/分の流量で導入した。NaOHの添加は、およそ2分間続いた。この添加の終了時に、反応媒質の撹拌を1時間維持した。その後、懸濁液を、遠心分離乾燥機を使用して乾燥させた。ケーキを形成させるために、懸濁液を、上記乾燥機(600rpm)に蠕動ポンプ(流量30mL/分)を使用し導入した。ケーキの洗浄においては、遠心分離機の回転は1000rpmであった。洗浄水の導入は、60mL/分の流量で行った。総計で30リットルの水を洗浄に使用し、最終洗浄水は、およそ7のpHを有していた。最終乾燥は、1000rpmで行った。
その後、そのようにして得られた生成物の一部、即ち、約100gを、-18℃で凍結させ、次いで、次の条件下で凍結乾燥させた:48時間の-15℃の温度および1.030ミリバール(103Pa)での主乾燥;その後、12時間の0℃および動的真空(例えば、0.01ミリバール(1Pa)未満)下での最終乾燥。粉末形であるこの生成物は、物理化学分析において使用する。
以下の試験において充填剤Bと表示したこの充填剤は、下記の表1において示す密度およびBET表面積特性を有する。
その場合、この充填剤Bに適用して以下の試験においてDと表示した本発明に従う充填剤を得るための、シリカによるコーティーング方法は、上述した特許文献EPA0 407 262号に記載されたシリカの合成方法から導き出している。
充填剤Bの粒子をシリカの均一層でそのようにコーティーングする好ましい方法は、本質的に以下の工程を含む:
‐水中Mg水酸化物の懸濁液から出発する工程;
‐濾過し、濾過物を水洗する工程;
‐濾過物を水に分散させる工程(好ましくは20g/L未満、例えば、約5〜10g/Lの量で);
‐とりわけ、アルカリ金属塩(例えば、WO97/40106号に記載されているようなNa2SO4)のような電解質を添加する工程;
‐ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)の第1の弱濃度溶液(例えば、100g/L未満)を添加する工程;
‐ケイ酸ナトリウムの第2のより濃厚な溶液 (好ましくは、第1の溶液よりも少なくとも2倍濃厚)を添加し、同時に、約9に等しい値でpHを維持する工程;
‐その後、酸(例えば、H2SO4)を添加し、pHを7〜8の値に低下させる工程;
‐pH = 7.5および75℃で撹拌する工程(典型的に2時間);および、
‐最終生成物を洗浄し、乾燥させる工程。
sol.A、sol.B、sol.Cおよびsol.Dと表示した4通りの溶液を、下記のように調製した:
‐sol.A:1.920Lの2回蒸留水中2.1gのNasSO4;
‐sol.B:5.92gのケイ酸ナトリウム、即ち、4.45mL容量を2回蒸留水で100mL容量に希釈、この溶液は、14.8g/Lのシリカ最終濃度を有する(即ち、56g/Lのシリケート);
‐sol.C:20gのケイ酸ナトリウム、即ち、15mL容量を2回蒸留水で40mL容量に希釈、この溶液は、130g/Lのシリカ最終濃度を有する(即ち、363g/Lのシリケート);および、
‐sol.D:2回蒸留水で1L容量に希釈した、44mLの95〜97%純度のH2SO4溶液。
漏斗を使用して、溶液sol.Aおよびsol.Bを反応器に導入した;pHは、およそ9まで僅かに上昇した。その後、混合物を、400rpmの速度でまだ回転している撹拌機モーターにより、10分間均質化した。次いで、2基の蠕動ポンプを使用して、溶液sol.Cおよびsol.Dを、それぞれ6および8mL/分の流量で同時に添加した。懸濁液のpH値は、この添加中、一定で9に等しかった。溶液Cを反応器中に完全に導入した時点でも、8mL/分の流量の溶液Dの添加を7.5のpHまで続行した(およそ3分間)。
そのようにして得られた懸濁液を、75℃でさらに2時間撹拌し続けた。その後、懸濁液を、遠心分離乾燥機を使用して乾燥させた。ケーキを調製するために、懸濁液を、蠕動ポンプ(流量 100mL/分)を使用して、上記乾燥機(1030rpm)に導入した。2回の通しが固相を回収するのに必要であり、濾過水のpHはおよそ7.7であった。ケーキを洗浄するためには、遠心分離の回転条件は1030rpmであった。洗浄水の導入は、130mL/分の流量で実施した。総計で5リットルの水を洗浄に使用し、最終洗浄水は、およそ7のpHを有していた。最終乾燥は、1030rpmの速度で行った。
その後、そのようにして得られた生成物を、-18℃で凍結させ、次いで、次の条件下で凍結乾燥させた:48時間の-15℃の温度および1030ミリバール(103Pa)での主乾燥;その後、12時間の0℃および動的真空下での最終乾燥。生成物をロール床上で均質化した。
この充填剤Dは、表1に示す密度およびBET表面積特性を有する。とりわけ、該シリカ被覆ウェーハの比表面積は、被覆していない粗ウェーハの比表面積と対比して著しく増大していることに注目すべきである。
粒子のその平均粒度(質量による) dwおよびその解凝集速度αは、それぞれ、122nmおよび6.5×10-3 μm-1/分に等しかった。
SEM(走査電子顕微鏡)評価においては、例えば、次の手順を使用した:16mgの充填剤の試験サンプルを、600Wの超音波プローブ(パルスモード 1秒/1秒)により、40mLのイソプロパノール中に8分に亘って分散させた。懸濁液の液滴を、固形炭素(“formvar”)膜で被覆した第1のニッケルグリッド上に、次いで、有孔炭素膜で被覆した第2の銅グリッド上に付着させた。観測は、200kVの電圧で操作し、デジタルカメラを備えたPhilipps SEM (標章CM 200)で実施した。
SEM分析は、粒子がそのウェーハ形態をシリカコーティーング後も保持していることを示している。粒子は、さらに正確には、素粒子がおよそ75nmの平均直径“D”およびおよそ15nmの平均厚“T”を有するウェーハの形にある集合体および/または凝集体の形にある。従って、これらウェーハの縦横比は、およそ5に等しい。
X線回折ダイアグラム (RIGAKU 回転アノードジェネレータRU300;Cuチューブ λ = 1.5418 Å;P = 40kVkakeru×200mA;Niフィルター)は、主要ブルーサイト相および非晶質シリカハローの存在を明らかにした。1.3kPa (10T)の圧力でホウ酸と一緒に圧縮してペレットを形成した数mgの粉末を含有するサンプルについて実施したX線蛍光 (λ分散およびScアノードチューブを有するPhilipps “PW1400”分光計)による分析は、およそ25%のシリカ質量%を示していた。
最後に、NMR分析は、シリカ層がMg水酸化物に共有結合により明らかに強固に結合していることを検証するのを容易に可能とした。NMRスペクトルは、4.7テスラ超電導磁石を備えたBruker ASX 200 MHz分光計において、既知の方法で得られた(ケイ素のラーモア周波数は、39.76MHzに等しい)。シグナルを得るためには、サンプルを、粉末形で、4kHzの周波数にてマジック角で回転する酸化ジルコニウム製のおよそ0.3cm3の(回転)円筒状サンプルホルダー内に置いた。このシグナルの観測中、高出力デカップリングを使用して、プロトン-ケイ素相互作用をゼロに平均化した。NMRスペクトルは、Si-O-Si結合(-99および-110ppm)およびSi-O-Mg結合(-75、-85および-93ppm)の痕跡双方を含有する-70〜-110ppm間の広いピークを示していた。
以下で試験する組成物を、既知の方法で、次の方法で製造した:ジエンエラストマー(または、該当する場合のジエンエラストマーのブレンド)を、チャンバーの初期温度がおよそ90℃である75%まで満たす密閉ミキサー中に導入した;その後、例えば、約1分の適切な混練時間後、加硫系を除く充填剤および関連カップリング剤を含む全ての他の成分を添加した。その後、熱機械加工を、70rpmの平均パドル速度により、およそ10分間で、約160℃の落下温度に達するまで実施した。
このようにして得られた混合物を回収して、冷却し、次いで、加硫系(イオウおよびスルフェンアミドタイプの一次促進剤)を、40℃の開放ミキサー(homo-finisher)内の混合物に添加し、混合物全体を、場合に応じた5〜12分間の適切な時間混合した(生産段階)。
このようにして得られた組成物を、その後、その機械特性の測定用にゴムシート(2〜3mmの厚さに)の形にカレンダー加工するか、或いはタイヤトレッドの形で押出加工した。加硫(硬化)を、150℃で40分間圧力下に実施した。
以下の試験においては、補強用水酸化マグネシウムを、50pheよりも多い好ましい含有量で使用した;さらにまた、補強用水酸化マグネシウムは、補強用充填剤全体の全部または少なくとも90質量%よりも多くを構成し、後者の場合の少量画分(10%未満)は、例えば、カーボンブラックから構成される。
この試験の第一の目的は、上記で説明したような補強用水酸化マグネシウムの優位性を、とりわけ通常のHDSシリカと比較して、とりわけ硬化速度の見地から実証することである。
このために、トレッドを製造するのに使用し得る4通りの組成物を比較した。ジエンエラストマーは、25質量%のスチレンを含む溶液中で調製したSBR(SSBR)であり、存在するポリブタジエン単位は、40%の1,2-ポリブタジエン単位および39%のトランス-1,4-ポリブタジエン単位であった。
これら4通りの組成物は、使用した充填剤の性質を除いて同一であった:
‐組成物C-1:充填剤A (シリカ);
‐組成物C-2:充填剤B(Mg(OH)2);
‐組成物C-3:充填剤C (補強用充填剤AとBの容量での50/50ブレンド);
‐組成物C-4:充填剤D (シリカで被覆した充填剤B)。
従って、組成物C-4のみが本発明に従う。
対照組成物C-1において選定したHDSシリカ(充填剤A)は、省エネルギー乗用車タイヤのトレッドを補強するのに一般的に使用されている、知られている通りに、極めて高い補強力を有するタイヤ級シリカ(Rhodia社からのZeosilタイプ1165MP)である。
これらの組成物C-1〜C-4においては、各充填剤を等容量画分(即ち、同一容量を充填剤が占める)で導入した;TESPTカップリング剤は、対照組成物C-1のシリカと対比して使用する充填剤の密度およびBET表面積の違いを考慮することにより、およそ等価の度合の表面コーティーング(約9.3 × 107モル/m2)で導入した。
表3からの結果および1枚の添付図面からの曲線を検証すれば、先ずは、本発明に従わない組成物C-2 (充填剤B)およびC-3 (充填剤C)に関して下記の観測および結論に至る:
‐第一に、単独(組成物C-2および曲線C2)またはシリカとのブレンド(組成物C-3および曲線C3)としてのMg(OH)2粒子は、対照組成物(組成物C-1および曲線C1)との比較において、極めて大きく低下している高伸び下でのモジュラス値(M100およびM300)およびこれらモジュラスの比(M300/M100)によってとりわけ例証されているように、極めて明白に不適切な補強をもたらしている;
‐強度-伸び曲線C2およびC3の形状さらにまた破壊時特性は、対照曲線C-1と比較して、当業者に対して、上記の結論(補強が無いのに近い)を確証しているだけある;そして、
‐組成物C-2およびC-3のtan(δ)maxの低い値は、それらの充填剤(充填剤Bまたは充填剤C = A+B)の極めて低い補強力によって単純に説明される。
これに対して、本発明に従う組成物C-4(充填剤D)は、対照組成物C-1 (HDSシリカ)と比較して、それ自体、とりわけ加硫特性の点で、予期に反して大きく改良された諸特性の妥協点を示している:
‐組成物C-4は、充填剤Dの高補強力の当業者にとっての明白な指標としての、近似している高伸び下でのモジュラス値(M100およびM300)およびこれらモジュラスの比(M300/M100)に、さらに、これも近似しているヒステリシス(tan(δ)max)に特徴を有する。;
‐対照曲線C1と比較した曲線C4の形状、さらにまた、破壊時機械特性は、当業者に対して上記の結論を確証しているだけである(全く明らかに上方で変動する引張曲線);
‐最後に、これも全く予期に反して、本発明の組成物C-4は、HDSシリカと対比して、実質的に(およそ2.6の係数)上昇している加硫速度(パラメーターKによって例証されている)を示し、従って、これらの速度をカーボンブラックで補強した等価のゴム組成物において一般的に見られる値までもたらしている;そして、
‐本発明の組成物C-4は、最終的には、その大いに改良された硬化速度Kと一緒に、2倍短い硬化時間(T99により例証された)および同時に完全に工業的に許容し得るままであるスコーチ安全時間(Ti = 6.7分)を併せ持つという有意な利点を有する。
従って、上記で説明した補強用水酸化マグネシウムは、本発明の組成物に、諸性質の有利で且つ予想外の妥協点を与えており、これらの性質は、上記実施例、即ち、金属水酸化物、とりわけ、Mg水酸化物によって或いはそのような水酸化物とHDSシリカとの混合物よってさえ今日まで得られた結果において実証されているように、全く予想し得なかったことである。
補強用水酸化マグネシウム粒子の非等軸性は、さらにまた、使用する成形方法(例えば、カレンダー加工、押出加工)に応じて、本発明の組成物に、例えば、種々の方向の引張または圧縮剛性を比較することにより容易に確認し得る有利に高い異方性を与えることが可能である。そのよう異方性は、組成物の機械的性質をデカップリングし、従って、組成物に加わり得る特定の応力様式に対する組成物の応答を調節するために使用し得る。
今日まで、一般的には、非等軸性充填剤は、その比較的大きい粒度故に、補強用充填剤の真の役割においては、カーボンブラックまたはHDSシリカのようなタイプの通常の充填剤に置換わり得ない不適切な補強性であると認められていた。しかしながら、本発明により、今や、1種または同じ充填剤によって、ゴム組成物の諸特性の補強性と異方性を結び付ることが可能である。
表2
(1) SBR溶液法;
(2) TESPT (Degussa-Huls社からのSi69);
(3) N-1,3-ジメチルブチル-N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン (Flexsys社からのSantoflex 6-PPD);
(4) N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド (Flexsys社からののSantocure CBS)
Claims (26)
- 少なくとも1種のジエンエラストマー、補強用充填剤およびカップリング剤をベースとし、前記補強用充填剤が、シリカで被覆した合成水酸化マグネシウムMg(OH)2ウェーハを含むことを特徴とするゴム組成物。
- 前記ジエンエラストマーが、ポリブタジエン類、合成ポリイソプレン類、天然ゴム、ブタジエン/スチレンコポリマー類、ブタジエン/イソプレンコポリマー類、イソプレン/スチレンコポリマー類、ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマー類およびこれらのエラストマーのブレンドによって形成された群から選ばれる、請求項1記載の組成物。
- 前記カップリング剤が、少なくとも二官能性であるシランまたはポリシロキサンである、請求項1または2記載の組成物。
- 水酸化マグネシウムウェーハ表面のシリカの質量による量が、ウェーハの総質量の5%〜50%、好ましくは10%〜40%を示す、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- 前記組成物中の水酸化マグネシウムの量が、50pheよりも多い、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
- 水酸化マグネシウムが一次粒子の凝集物を含み、該凝集物が2.0よりも大きい、好ましくは3.0よりも大きい縦横比(A1 = L1/T1)を有するウェーハの形にあり、L1およびT1は、それぞれ、該凝集物の数平均長さおよび厚さを示す、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
- 前記凝集物の縦横比(A1)が、3〜10である、請求項6記載の組成物。
- 水酸化マグネシウムが一次粒子の凝集物を含み、該一次粒子が1.5よりも大きい、好ましくは2.0よりも大きい縦横比(A2 = L2/T2)を有するウェーハの形にあり、L2およびT2は、それぞれ、該一次粒子の数平均長さおよび厚さを示す、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
- 前記一次粒子の縦横比(A2)が、2〜10である、請求項8記載の組成物。
- L2が10〜400nmであり、T2が5〜30nmである、請求項8または9記載の組成物。
- L2が20〜150nm範囲であり、T2が10〜25nm範囲である、請求項10記載の組成物。
- 少なくとも1種のジエンエラストマー、少なくとも1種の補強用充填剤、およびカップリング剤を混入する、改良された加硫速度を有するジエンゴム組成物を得る方法であって、前記充填剤が、シリカで被覆した合成水酸化マグネシウムMg(OH)2ウェーハを含み、混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することを特徴とする前記方法。
- ゴム製の最終物品または半製品の製造における、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物の使用。
- 請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物を含む、ゴム物品。
- 請求項1〜11のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤ。
- 請求項1〜11のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤトレッド。
- シリカで被覆した合成水酸化マグネシウムMg(OH)2ウェーハ。
- 前記水酸化マグネシウムウェーハ表面でのシリカの質量による量が、前記ウェーハの総質量の5%〜50%を示す、請求項17記載のウェーハ。
- 前記水酸化マグネシウムウェーハ表面のシリカの質量による量が、前記ウェーハの総質量の10%〜40%を示す、請求項18記載のウェーハ。
- 前記ウェーハが一次粒子の凝集物からなり、その縦横比(A1 = L1/T1)が2.0よりも大きく、好ましくは3.0よりも大きく、L1およびT1は、それぞれ、該凝集物またはウェーハの数平均長さおよび厚さを示す、請求項17〜19のいずれか1項記載のウェーハ。
- 前記凝集物またはウェーハの縦横比(A1)が、3〜10である、請求項20記載のウェーハ。
- 前記ウェーハが一次粒子からなり、その縦横比(A2 = L2/T2)が1.5よりも大きく、好ましくは2.0よりも大きく、L2およびT2は、それぞれ、該一次粒子またはウェーハの数平均長さおよび厚さを示す、請求項17〜19のいずれか1項記載のウェーハ。
- 前記一次粒子またはウェーハの縦横比(A2)が、2〜10である、請求項22記載のウェーハ。
- L2が10〜400nmであり、T2が5〜30nmである。請求項22または23記載のウェーハ。
- L2が20〜150nmであり、T2が10〜25nmである、請求項24記載のウェーハ。
- 請求項17〜25のいずれか1項記載のシリカで被覆した合成水酸化マグネシウムMg(OH)2ウェーハの補強用充填剤のとしての使用。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
FR0507226A FR2888243B1 (fr) | 2005-07-06 | 2005-07-06 | Composition de caoutchouc pour pneumatique renforcee de plaquettes d'hydroxyde de magnesium. |
FR05/07226 | 2005-07-06 | ||
PCT/EP2006/006492 WO2007003408A1 (fr) | 2005-07-06 | 2006-07-04 | Composition de caoutchouc pour pneumatique renforcee de plaquettes d’hydroxyde de magnesium |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009500477A true JP2009500477A (ja) | 2009-01-08 |
JP2009500477A5 JP2009500477A5 (ja) | 2009-08-20 |
JP5306813B2 JP5306813B2 (ja) | 2013-10-02 |
Family
ID=36324232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008519848A Expired - Fee Related JP5306813B2 (ja) | 2005-07-06 | 2006-07-04 | 水酸化マグネシウムウェーハ補強タイヤ用のゴム組成物 |
Country Status (8)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9487049B2 (ja) |
EP (1) | EP1912802B1 (ja) |
JP (1) | JP5306813B2 (ja) |
CN (1) | CN101218112B (ja) |
AT (1) | ATE419976T1 (ja) |
DE (1) | DE602006004752D1 (ja) |
FR (1) | FR2888243B1 (ja) |
WO (1) | WO2007003408A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020180253A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 横浜ゴム株式会社 | スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ |
Families Citing this family (30)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2872817B1 (fr) * | 2004-07-07 | 2006-09-22 | Michelin Soc Tech | Composition de caoutchouc pour pneumatique a base d'un hydroxyde metallique renforcant |
FR2947274B1 (fr) | 2009-06-24 | 2013-02-08 | Michelin Soc Tech | Composition de caoutchouc pour pneumatique comportant un compose acetylacetonate |
FR2947829B1 (fr) | 2009-07-10 | 2012-02-24 | Michelin Soc Tech | Composition a base de caoutchouc naturel et d'un compose poly-amine |
FR2947827B1 (fr) | 2009-07-10 | 2012-01-06 | Michelin Soc Tech | Composition a base de caoutchouc naturel et d'un compose poly-imine |
FR2947828B1 (fr) | 2009-07-10 | 2012-01-06 | Michelin Soc Tech | Composition a base de caoutchouc naturel et d'un compose poly-imine |
FR2954332B1 (fr) | 2009-12-22 | 2012-01-13 | Michelin Soc Tech | Article notamment pneumatique avec melange de caoutchouc externe comportant un sel de lanthanide |
FR2984898B1 (fr) | 2011-12-21 | 2014-08-15 | Michelin Soc Tech | Pneumatique comprenant une composition essentiellement depourvue de derive guanidique et comprenant un aminoetheralcool |
FR2984896B1 (fr) | 2011-12-21 | 2014-10-24 | Michelin Soc Tech | Pneumatique comprenant une composition essentiellement depourvue de derive guanidique et comprenant une amine primaire |
FR2984900B1 (fr) * | 2011-12-21 | 2014-02-07 | Michelin Soc Tech | Pneumatique comprenant une composition essentiellement depourvue de derive guanidique et comprenant une hydroxyalkylpiperazine |
FR2984895B1 (fr) * | 2011-12-21 | 2016-01-01 | Michelin Soc Tech | Pneumatique comprenant une composition essentiellement depourvue de derive guanidique et comprenant un hydroxyde de metal alcalin ou alcalino-terreux |
FR2986531B1 (fr) | 2012-02-07 | 2014-02-28 | Michelin & Cie | Composition a base de caoutchouc naturel et d'un compose poly-aldimine |
FR2995609B1 (fr) | 2012-07-25 | 2014-11-28 | Michelin & Cie | Pneumatique ayant une adherence sur sol mouille amelioree |
FR3014880B1 (fr) | 2013-12-18 | 2015-12-25 | Michelin & Cie | Pneumatique pour velocipede. |
FR3034424B1 (fr) | 2015-04-03 | 2017-04-28 | Michelin & Cie | Procede de fabrication d'une composition de caoutchouc a partir d'un caoutchouc naturel purifie |
WO2017170654A1 (en) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | A tire having a tread comprising a rubber composition |
WO2017170655A1 (en) | 2016-03-31 | 2017-10-05 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | A tire having a tread comprising a rubber composition |
FR3065960B1 (fr) | 2017-05-05 | 2019-06-28 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Composition de caoutchouc comprenant au moins une silice en tant que charge renforcante inorganique |
FR3067973A1 (fr) | 2017-06-22 | 2018-12-28 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Pneumatique pour vehicule de genie civil |
FR3067974A1 (fr) | 2017-06-22 | 2018-12-28 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Pneumatique pour vehicule poids lourds |
US11383561B2 (en) | 2017-12-21 | 2022-07-12 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Crown architecture of an electrically conductive tire for a civil engineering vehicle |
FR3079841B1 (fr) | 2018-04-06 | 2020-10-09 | Michelin & Cie | Pneumatique comportant une composition de caoutchouc comprenant un nouvel agent de couplage polysulfure porteur de groupes associatifs azotes |
FR3079842B1 (fr) | 2018-04-06 | 2020-10-09 | Michelin & Cie | Pneumatique comportant une composition de caoutchouc comprenant un nouvel agent de couplage polysulfure porteur de groupes associatifs azotes |
FR3082847B1 (fr) | 2018-06-21 | 2020-06-05 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Composition de caoutchouc comprenant un elastomere fonctionnel |
FR3104592B1 (fr) | 2019-12-12 | 2021-12-03 | Michelin & Cie | Système de réticulation et composition de caoutchouc diénique le comprenant |
FR3104590B1 (fr) | 2019-12-12 | 2021-12-03 | Michelin & Cie | Composite comprenant un élément de renfort et une composition de caoutchouc |
FR3104593B1 (fr) | 2019-12-12 | 2021-12-03 | Michelin & Cie | Système de réticulation et composition de caoutchouc diénique le comprenant |
FR3111138B1 (fr) | 2020-06-04 | 2022-07-08 | Michelin & Cie | Composition de caoutchouc. |
FR3111137B1 (fr) | 2020-06-04 | 2022-04-29 | Michelin & Cie | Mélange de caoutchouc |
FR3129676B1 (fr) | 2021-11-26 | 2023-10-20 | Michelin & Cie | Mélange de caoutchouc comprenant un accélérateur de vulcanisation rapide |
FR3135656A1 (fr) * | 2022-05-18 | 2023-11-24 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Pneumatique comportant une bande de roulement recreusable |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01320219A (ja) * | 1988-06-23 | 1989-12-26 | Nippon Chem Ind Co Ltd | シリカ被覆水酸化マグネシウム及びその製造法 |
JPH02162607A (ja) * | 1988-12-16 | 1990-06-22 | Showa Denko Kk | 難燃電線 |
JPH02289420A (ja) * | 1989-04-27 | 1990-11-29 | Ube Chem Ind Co Ltd | 水酸化マグネシウム粒子 |
JPH11181155A (ja) * | 1997-12-17 | 1999-07-06 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
JP2002255544A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-11 | Ube Material Industries Ltd | 高純度高配向性水酸化マグネシウム粉末、及びその製造方法 |
JP2003128839A (ja) * | 2001-10-22 | 2003-05-08 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ゴム組成物 |
JP2003253266A (ja) * | 2002-03-01 | 2003-09-10 | Sakai Chem Ind Co Ltd | 難燃剤とその製造方法とそれを含む難燃性樹脂組成物 |
JP2008505237A (ja) * | 2004-07-07 | 2008-02-21 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | 補強金属水酸化物に基づくタイヤゴム組成物 |
Family Cites Families (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3810519C1 (ja) * | 1988-03-28 | 1989-10-12 | Ems-Inventa Ag, Zuerich, Ch | |
US5143965A (en) * | 1990-12-26 | 1992-09-01 | The Dow Chemical Company | Magnesium hydroxide having fine, plate-like crystalline structure and process therefor |
JPH05132585A (ja) * | 1991-11-14 | 1993-05-28 | Bridgestone Corp | タイヤ用難燃ゴム組成物 |
US6489389B1 (en) * | 1994-08-19 | 2002-12-03 | Bridgestone Corporation | Rubber composition for tire treads |
JP2966755B2 (ja) * | 1995-03-17 | 1999-10-25 | タテホ化学工業株式会社 | 高アスペクト比金属水酸化物または金属酸化物固溶体およびそれらの製造方法 |
IL124061A (en) * | 1997-04-15 | 2001-01-11 | Taheto Chemical Ind Co Ltd | Solid solutions of metal hydroxide and metal oxide and their preparation |
US6676920B1 (en) * | 1998-12-14 | 2004-01-13 | Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. | Magnesium hydroxide particles, process for producing the same, and resin composition containing the particles |
ATE252614T1 (de) * | 1999-12-30 | 2003-11-15 | Michelin Soc Tech | Kautschukzusammensetzung für reifen mit einem kupplungsmittel (wesiser füllstoff/dienelastomer),das durch einen thermisch initierbaren radikalstarter aktiviert wird |
KR20020046165A (ko) * | 2000-12-12 | 2002-06-20 | 빌프리더 하이더 | 타이어 트레드용 고무 조성물 |
JP2002201310A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-19 | Bridgestone Corp | ゴム組成物 |
MXPA04005800A (es) * | 2001-12-27 | 2004-09-10 | Specialty Minerals Michigan | Metodo para la fabricacion de vidrio y composiciones para el mismo. |
JP3676338B2 (ja) * | 2002-10-25 | 2005-07-27 | 株式会社荒井製作所 | ゴム組成物 |
EP1593652A4 (en) * | 2003-01-21 | 2010-10-13 | Yazaki Corp | MAGNESIUM HYDROXIDE, MAGNESIUM HYDROXIDE / SILICON DIOXIDE COMPOSITE PARTICLES, METHOD OF MANUFACTURING THEREOF, METHOD OF SURFACE TREATMENT THEREOF AND RESIDUAL COMPOSITION AND ELECTRIC WIRE CONTAINING THEREWITH OR THEREWITH |
WO2004083298A1 (ja) * | 2003-03-20 | 2004-09-30 | Jsr Corporation | ジエン系ゴム・無機化合物複合体及びその製造方法 |
US6992143B2 (en) * | 2003-08-15 | 2006-01-31 | Dupont Dow Elastomers Llc | Curable perfluoroelastomer composition |
DE102004060139A1 (de) * | 2004-12-13 | 2006-06-29 | Bayer Materialscience Ag | Festkörperreiche Polyurethanpolyharnstoff-Dispersionen |
CA2597863A1 (en) * | 2005-02-23 | 2006-08-31 | Nozawa Corporation | Magnesium hydroxide, method for producing thereof and fire-retardant comprising the magnesium hydroxide, and fire-retardant resin composition containing the magnesium hydroxide |
JP5146649B2 (ja) * | 2005-06-21 | 2013-02-20 | 日清紡ホールディングス株式会社 | 難燃剤および無機−有機複合難燃性組成物 |
US7892447B2 (en) * | 2006-08-11 | 2011-02-22 | Aqua Resources Corporation | Nanoplatelet metal hydroxides and methods of preparing same |
EP2189495A1 (de) * | 2008-08-21 | 2010-05-26 | Lanxess Deutschland GmbH | Hochflexible, halogenfreie und flammgeschützte thermoplastische Kabelmischungen |
-
2005
- 2005-07-06 FR FR0507226A patent/FR2888243B1/fr not_active Expired - Fee Related
-
2006
- 2006-07-04 JP JP2008519848A patent/JP5306813B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2006-07-04 WO PCT/EP2006/006492 patent/WO2007003408A1/fr active Application Filing
- 2006-07-04 EP EP06762383A patent/EP1912802B1/fr not_active Not-in-force
- 2006-07-04 AT AT06762383T patent/ATE419976T1/de not_active IP Right Cessation
- 2006-07-04 US US11/988,217 patent/US9487049B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2006-07-04 CN CN2006800248176A patent/CN101218112B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2006-07-04 DE DE602006004752T patent/DE602006004752D1/de active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01320219A (ja) * | 1988-06-23 | 1989-12-26 | Nippon Chem Ind Co Ltd | シリカ被覆水酸化マグネシウム及びその製造法 |
JPH02162607A (ja) * | 1988-12-16 | 1990-06-22 | Showa Denko Kk | 難燃電線 |
JPH02289420A (ja) * | 1989-04-27 | 1990-11-29 | Ube Chem Ind Co Ltd | 水酸化マグネシウム粒子 |
JPH11181155A (ja) * | 1997-12-17 | 1999-07-06 | Bridgestone Corp | 空気入りタイヤ |
JP2002255544A (ja) * | 2001-02-23 | 2002-09-11 | Ube Material Industries Ltd | 高純度高配向性水酸化マグネシウム粉末、及びその製造方法 |
JP2003128839A (ja) * | 2001-10-22 | 2003-05-08 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ゴム組成物 |
JP2003253266A (ja) * | 2002-03-01 | 2003-09-10 | Sakai Chem Ind Co Ltd | 難燃剤とその製造方法とそれを含む難燃性樹脂組成物 |
JP2008505237A (ja) * | 2004-07-07 | 2008-02-21 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | 補強金属水酸化物に基づくタイヤゴム組成物 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020180253A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | 横浜ゴム株式会社 | スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ |
JP7381835B2 (ja) | 2019-04-26 | 2023-11-16 | 横浜ゴム株式会社 | スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN101218112B (zh) | 2010-06-16 |
US9487049B2 (en) | 2016-11-08 |
FR2888243B1 (fr) | 2007-09-14 |
EP1912802B1 (fr) | 2009-01-07 |
US20090297827A1 (en) | 2009-12-03 |
DE602006004752D1 (de) | 2009-02-26 |
ATE419976T1 (de) | 2009-01-15 |
FR2888243A1 (fr) | 2007-01-12 |
EP1912802A1 (fr) | 2008-04-23 |
CN101218112A (zh) | 2008-07-09 |
JP5306813B2 (ja) | 2013-10-02 |
WO2007003408A1 (fr) | 2007-01-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5306813B2 (ja) | 水酸化マグネシウムウェーハ補強タイヤ用のゴム組成物 | |
JP4964769B2 (ja) | 補強金属水酸化物に基づくタイヤゴム組成物 | |
JP4633471B2 (ja) | 補強アルミノシリケートに基づくタイヤゴム組成物 | |
JP4820530B2 (ja) | ジエンエラストマーと補強炭化ケイ素をベースとしたゴム組成物 | |
JP5547097B2 (ja) | 補強性充填剤としてシリカを含むタイヤ用ジエン系ゴム組成物 | |
JP4413609B2 (ja) | 補強用充填剤として特定のシリカを含むタイヤ用ジエンゴム組成物 | |
JP4991063B2 (ja) | ジエンエラストマー及び強化酸化チタンに基づくタイヤ用ゴム組成物 | |
JP4593272B2 (ja) | ジエンエラストマーと補強用窒化ケイ素をベースとするゴム組成物 | |
JP4536375B2 (ja) | 極めて低い比表面積のシリカで強化されたタイヤトレッド | |
JP5088787B2 (ja) | 官能化ポリビニル芳香族充填剤によって補強されたエラストマー組成物 | |
JP4536374B2 (ja) | 低い比表面積のシリカで強化されたタイヤトレッド | |
JP5022548B2 (ja) | ジエンエラストマー及び強化酸化チタンに基づくタイヤ用ゴム組成物 | |
JP2001525436A (ja) | アルミナ層で被覆されたカーボンブラックで補強したタイヤ用ゴム組成物 | |
JP2001525435A (ja) | アルミナ充填剤およびそのような充填剤を含むゴム組成物 | |
CN110799354B (zh) | 包括至少一种作为无机增强填料的二氧化硅的橡胶组合物 | |
JP2011518240A (ja) | 低ヒステリシスを有するプライ境界ライナーを有するタイヤ | |
JP6321144B2 (ja) | 改善された耐クラッキング性を有するタイヤ用内部混合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090706 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090706 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100706 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110209 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120604 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20120803 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20120808 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20120815 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130121 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130419 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130527 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130626 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |