JP2009298666A - ヒドロキシアパタイト - Google Patents

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Abstract

【課題】 針状又は棒状とは異なる形状の一次粒子からなるヒドロキシアパタイトを得る。
【解決手段】一次粒子が球状をなすヒドロキシアパタイトである。前記一次粒子がなす球形の数平均粒径が5nm〜200nmである。また、一次粒子が板状をなすヒドロキシアパタイトである。前記一次粒子がなす板状の主表面の最長寸法の数平均値が80nm〜500nmである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ヒドロキシアパタイトに関し、より詳細には、一次粒子の形状が球状又は板状をなすヒドロキシアパタイトに関する。
ヒドロキシアパタイトは、「Ca10(PO(OH)」なる化学組成を有するものであり、天然の骨や歯の無機質成分とほぼ同じ生体活性セラミックスの一種であること等から、生体に対する適合性が良く生体の骨や歯の補修材料等として注目されている。また、クロマトグラフィーのカラム内部への充填物としても使用されており、ヒドロキシアパタイトはこれらの分野を含めて種々の分野に既に使用され、そして他の分野への使用も有望視されている。
そして、ヒドロキシアパタイトの使用目的等に応じた所望の形状に、ヒドロキシアパタイトの一次粒子を形状制御することもこれまで提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、「カルシウム塩とリン酸塩とを水溶液中で反応させて得られた非晶性ヒドロキシアパタイト微粒子を水と陰イオン性界面活性剤の存在下で加熱処理し、得られる結晶性ヒドロキシアパタイト微粒子のサイズ及び形状を制御する。これによって、縦長さが70〜500nmであり、かつアスペクト比が3〜20の針状又は棒状の結晶性ヒドロキシアパタイト微粒子が得られる。」(要約の解決手段)という発明が開示されている。
特開2007−314356号公報(例えば、要約、発明の詳細な説明中の段落番号0006〜0022等)
上述した特許文献1に開示の結晶性ヒドロキシアパタイト微粒子は、縦長さが70〜500nmであり、かつアスペクト比が3〜20の針状又は棒状の一次粒子を形成しているが、特許文献1においては、これら針状又は棒状とは異なる形状の一次粒子は得られていない。
そこで、本発明においては、針状又は棒状とは異なる形状の一次粒子からなるヒドロキシアパタイトを得ることを目的とする。
本発明者らは、ヒドロキシアパタイトの一次粒子の形状と、その一次粒子を形成する反応条件と、の関連性に関し鋭意研究したところ、ヒドロキシアパタイトの原料であるカルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液とを管状の連続反応器にて所定条件で反応させることにより、一次粒子が球状や板状のヒドロキシアパタイトが得られることを見いだし、本発明を完成させた。
なお、「一次粒子」とは、粉体を構成する粒子で、分子間の結合を破壊することなく存在する最小単位の粒子をいう。
即ち、本発明は、一次粒子が球状をなすヒドロキシアパタイト(以下、「球状ヒドロキシアパタイト」という。)を提供する。
球状ヒドロキシアパタイトは、生体の骨や歯に充填された際、密にむらなく充填可能であるため、ヒドロキシアパタイトにより形成される充填物の強度向上や該充填物と骨や歯との密着性向上を図ることができる。
ここに一次粒子が「球状」とは、ヒドロキシアパタイトの一次粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したとき、個々の粒子の寸法(一対の平行な直線の間に粒子が挟み込まれ、該一対の平行な直線のいずれもが該粒子の外縁に接(外接)する状態における該一対の平行な直線の間の距離をいう。)のうち最大寸法L1の平均値L1a(個々の粒子のL1を200個の粒子について合計し、その合計値を200で除して算出する。即ち、200個の粒子のL1の算術平均値である。)と、個々の粒子の寸法のうち最小寸法L2の平均値L2a(個々の粒子のL2を200個の粒子について合計し、その合計値を200で除して算出する。即ち、200個の粒子のL2の算術平均値である。)と、をそれぞれ求め、その比AR(=L1a/L2a)を算出した場合、この比ARが1.8以下であることをいい、好ましくは1.7以下であり、より好ましくは1.6以下であり、最も好ましくは1.55以下である(ARの最低値は1.0である。)。なお、このような任意の200個一次粒子の比ARは、画像処理ソフトウエア(例えば、Media Cybernetics製 Image−Pro Plus)を読み込ませたコンピュータによってTEM写真画像を画像解析することで算出することができる。
球状ヒドロキシアパタイトにおいては、前記一次粒子がなす球形の数平均粒径が5nm〜200nmであってもよい。
球状ヒドロキシアパタイトの粒径はあまり大きいと生体の骨や歯に充填されにくいので小さい方がよいが、あまり小さいものを製造するには連続反応器における流速を極めて大きくする必要(大きなエネルギーを要したり、連続反応器を堅牢に形成する必要が生じる。)があるので、これらを両立する範囲にされることが好ましく、前記一次粒子がなす球形の数平均粒径として、通常5nm以上であり、逆に、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、最も好ましくは15nm以下である。
ここに、前記一次粒子がなす球形の数平均粒径とは、ヒドロキシアパタイトの一次粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したとき、個々の粒子の重心(TEM写真に現れる個々の粒子の形状が、非常にうすい重量分布が均一な板と仮定したときの重心をいう。)を中心として2°きざみの寸法を90個(180°/2°)測定し、その90個の寸法の合計値を90で除した値を個々の一次粒子の粒径Dとし、この粒径Dを任意の200個の一次粒子に関して計算し、この粒径Dの算術平均AD(200個の一次粒子各々のDを合計し、その合計値を200にて除して算出する。)を数平均粒径とする。なお、このような任意の200個一次粒子の粒径Dの算術平均ADは、画像処理ソフトウエア(例えば、Media Cybernetics製 Image−Pro Plus)を読み込ませたコンピュータによってTEM写真画像を画像解析することで算出することができる。
さらに、本発明は、一次粒子が板状をなすヒドロキシアパタイト(以下、「板状ヒドロキシアパタイト」という。)を提供する。
板状ヒドロキシアパタイトは、被覆すべき被覆物の表面に被覆すると被覆効果が高いことから、生体の骨や歯の表面を被覆するための被膜を形成するのに用いることもできる。
ここに一次粒子が「板状」とは、ヒドロキシアパタイトの一次粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したとき、個々の粒子が有する主表面(粒子が有する面のうち、最も面積が大きい面)に沿った最長寸法Lと該主表面に対して垂直方向の寸法である厚みtとの比r(=L/t)を任意の200個の一次粒子に関して計算し、この比rの算術平均Ar(200個の一次粒子各々のrを合計し、その合計値を200にて除して算出する。)が13以上であることをいい、好ましくは19以上であり、より好ましくは25以上であり、逆に、250以下であることをいい、好ましくは200以下であり、より好ましくは125以下である。なお、このような任意の200個一次粒子の比r(=L/t)の算術平均値Arは、画像処理ソフトウエア(例えば、Media Cybernetics製 Image−Pro Plus)を読み込ませたコンピュータによってTEM写真画像を画像解析することで算出することができる。
板状ヒドロキシアパタイトにおいては、前記一次粒子がなす板状の主表面の最長寸法の数平均値が80nm〜500nmであってもよい。
板状ヒドロキシアパタイトにおいて、前記一次粒子がなす板状の主表面の最長寸法Lは大きい方が好ましいが、Lを大きくするには反応温度を高くしなければならず(危険が伴うこともある)であり、逆にあまり小さいと個々の粒子が被覆することができる面積が小さくなり被覆効果が低下するので、これらを両立する範囲にされることが好ましく、最長寸法Lの数平均値AL(任意の200個の一次粒子に関して最長寸法Lを測定し、200個の最長寸法Lの合計値を200にて除したものである。)は、好ましくは80nm以上であり、より好ましくは好ましくは90nm以上であり、最も好ましくは100nm以上であり、逆に、通常は500nm以下である。このような最長寸法Lの数平均値ALは画像処理ソフトウエア(例えば、Media Cybernetics製 Image−Pro Plus)を読み込ませたコンピュータによってTEM写真画像を画像解析することで算出することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
(原料)
球状ヒドロキシアパタイト及び板状ヒドロキシアパタイトのいずれも、これらを合成するための原料としては、カルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液とを用いることができる。
カルシウム塩水溶液としては、カルシウムイオンを安定的に保持できるものであれば何ら制限されるものではないが、例えば、硝酸カルシウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、酢酸カルシウム水溶液、炭酸カルシウム水溶液、塩化カルシウム水溶液、クエン酸カルシウム水溶液、乳酸カルシウム水溶液等を用いてもよい。また、カルシウム塩水溶液の濃度としては、特に限定されないが、あまり高濃度であれば反応が激しすぎるし、あまり低濃度であればうまく反応が進まないので、これらを満足するように決められることが好ましく、通常、カルシウムイオン濃度として0.005〜5M(Mはモル濃度を示す。以下同じ。)程度のものを用いてもよい。
リン酸塩水溶液としては、リン酸イオンを安定的に保持できるものであれば何ら制限されるものではないが、例えば、リン酸水素二アンモニウム水溶液、リン酸水溶液、リン酸アンモニウム水溶液、リン酸ナトリウム水溶液、リン酸カリウム水溶液、ピロリン酸水溶液、ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液等を用いてもよい。また、リン酸塩水溶液の濃度としては、特に限定されないが、あまり高濃度であれば反応が激しすぎるし、あまり低濃度であればうまく反応が進まないので、これらを満足するように決められることが好ましく、通常、リン酸イオン濃度として0.003〜3M程度のものを用いてもよい。
(反応装置)
球状ヒドロキシアパタイト及び板状ヒドロキシアパタイトのいずれも、図1及び図2に模式的に示す反応装置31を用いて製造することができる。具体的には、図1は反応装置31の平面図(鉛直上方向から見たところ)であり、図2は図1のA−A断面図(一部省略)である。図1及び図2を参照して反応装置31について説明する。
反応装置31は、カルシウム塩水溶液タンク41と、カルシウム塩水溶液タンク41に貯留されたカルシウム塩水溶液41sを流量制御(Fc(ml/分))しつつ圧送可能なカルシウム塩水溶液ポンプ43と、リン酸塩水溶液タンク47と、リン酸塩水溶液タンク47に貯留されたリン酸塩水溶液47sを流量制御(Fp(ml/分))しつつ圧送可能なリン酸塩水溶液ポンプ49と、カルシウム塩水溶液ポンプ43から圧送されたカルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液ポンプ49から圧送されたリン酸塩水溶液とを混合するためのT字型マイクロミキサー51(GLサイエンス社製のPEEKティーP−727をここでは用いた。)と、T字型マイクロミキサー51により混合されたカルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液との混合物を受け入れて反応させる反応器11(ここではいわゆるマイクロリアクターを用いた。)と、反応器11を内蔵し反応器11の温度を所望温度に保つ恒温槽21と、反応器11から吐出される反応液63を受け入れる反応液受槽61と、を有してなる。
反応器11は、主表面が略長方形をした平板状の底板13と、底板13の上面に下面が密接する中間板15(中間板15の上面と下面とはいずれも略平面を形成しており、該上面と該下面とは略平行である。)と、中間板15の上面に下面が密接する平板状の天板17と、底板13と天板17との間に中間板15を液密的に挟持させるための締め付け金具19(具体的には、ボルトとそれに螺嵌されたナットとによって構成されている。)と、を有してなり、反応器11は底板13の主表面が略水平になるように配設されている。そして、中間板15には、長手方向に対して垂直な断面が略長方形(特に図2の流路7の形状を参照されたい)をした微細な流路7が蛇行するように形成されている。このためT字型マイクロミキサー51から吐出された前記混合物は流路7の入口7aに受け入れられ、流路7に沿って流れていくうちにカルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液とが反応しヒドロキシアパタイトが生成され、そして流路7の出口7bから反応液63として吐出され反応液受槽61に受け入れられる。ここに反応器11を構成する底板13、中間板15及び天板17のいずれもステンレス鋼により形成されているが、これ以外の材料(例えば、テフロン(登録商標))により形成されてもよい。また、ここでは流路7の長手方向に対して垂直な断面が形成する略長方形の寸法はzマイクロメートル(中間板15の厚み)×yマイクロメートル(中間板15の主表面に沿った寸法)とすると、z及びyのいずれも好ましくは3以上であり、より好ましくは50以上であり、最も好ましくは100以上であり、逆に、好ましくは500以下であり、より好ましくは400以下であり、最も好ましくは300以下である(即ち、最も好ましくは100〜300である)。なお、図示及び理解を容易にするため、図1においては流路7を実際よりも太く描いている。
このようにカルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液との前記混合物は、微細な流路7内を流通するので流れが均一になり前記混合物の混合を促し、ヒドロキシアパタイト合成反応を促進できる。
なお、図1においては流路7がヘアピン状に蛇行しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図3(反応器11を見る方向は図1に同じ)に示されるように入口7aから出口7bまでを渦巻き状にしたり、四角形状にとぐろを巻くように形成することもできる。そして、流路7は、金属製のチューブや高分子製のチューブによって形成してもよい。
以上説明したような管状の反応流路(流路7)を有する反応器11を備える反応装置31を用い、前述のカルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液とを連続的に反応させる。
反応装置31において反応器11に装入されるカルシウム塩水溶液の流量Fc(ml/分)と、リン酸塩水溶液の流量Fp(ml/分)と、反応温度Tr(℃)と、を変化させることで、後述するように、得られるヒドロキシアパタイトの一次粒子の形状を制御することができる。具体的には、カルシウム塩水溶液の流量Fc(ml/分)はカルシウム塩水溶液ポンプ43により調節し、リン酸塩水溶液の流量Fp(ml/分)はリン酸塩水溶液ポンプ49により調節し、そして反応温度Tr(℃)は恒温槽21の設定温度により調節した。
ここに、カルシウム塩水溶液の流量Fc(ml/分)とリン酸塩水溶液の流量Fp(ml/分)との比率は、単位時間に反応装置に装入されるカルシウムイオンとリン酸イオンとの比率がヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))に含まれるCaと(PO)の比率とほぼ同じになるように決められればよい。
そして、反応装置への合計装入量Ft(=Fc+Fp)を増加すると、反応装置の反応流路中の線速度(流速)が大きくなると共に、反応流路中の滞留時間が減少する。
また、反応温度Tr(℃)は、あまり低いとカルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶液との反応速度が小さくなりうまくヒドロキシアパタイトが生成しなくなり、逆にあまり高いと反応速度が大きくなり反応が激しくなりすぎるので、これらを両立する範囲とされることが好ましく、これらの点からはTrは通常5℃〜120℃とされてもよいが、本発明においては、ヒドロキシアパタイトの一次粒子の形状を制御する因子であるので、所望の形状(球状、板状)に応じ、後述するような範囲とされるのが好ましい。
得られた反応液には、ヒドロキシアパタイトの微細粒子(固体)が含まれているので、反応液からヒドロキシアパタイトを取り出すためには、従来から用いられている方法を適宜使用することができ、例えば、反応液を遠心分離したり、濾過することでヒドロキシアパタイトを取り出すことができ、さらに取り出されたヒドロキシアパタイトを適宜洗浄(例えば、水洗)するようにしてもよい。
(球状ヒドロキシアパタイトの反応条件)
球状ヒドロキシアパタイトを調製するには、反応装置への合計装入量Ftを3〜6ml/分程度とすると共に、反応温度Trを5〜60℃程度とすればよい。
そして、球状ヒドロキシアパタイトにおいて、一次粒子の比ARを下げる(即ち、1.0に近づける)には合計装入量Ftを増加させればよく、逆に、ARを上げるには合計装入量Ftを減少させればよい。
さらに、球状ヒドロキシアパタイトにおいて、一次粒子の粒径Dの算術平均ADを下げるには反応温度Trを下げればよく、逆に、算術平均ADを上げるには反応温度Trを上げればよい。
(板状ヒドロキシアパタイトの反応条件)
板状ヒドロキシアパタイトを調製するには、反応装置への合計装入量Ftを12〜20ml/分程度とすると共に、反応温度Trを40〜100℃程度とすればよい。
そして、板状ヒドロキシアパタイトにおいて、一次粒子が有する主表面に沿った最大寸法Lと該主表面に対して垂直方向の寸法である厚みtとの比r(=L/t)の算術平均Arを増加させるには反応温度Trを下げたり合計装入量Ftを減少させればよく、逆に、算術平均Arを減少させるには反応温度Trを上げたり合計装入量Ftを増加すればよい。
さらに、板状ヒドロキシアパタイトにおいて、一次粒子がなす板状の主表面の最長寸法Lの数平均値ALを下げるには反応温度Trを下げればよく、逆に、数平均値ALを上げるには反応温度Trを高くすればよい。
以下、さらに本発明を実施例によって詳細に説明する。
カルシウム塩水溶液として濃度0.05Mの硝酸カルシウム(Ca(NO)水溶液(約20℃)と、リン酸塩水溶液として濃度0.03Mのリン酸水素二アンモニウム((NHHPO)水溶液(約20℃)と、を上述の反応装置11(図1及び図2)によって表1の条件に従って反応させた。
なお、反応は、実施例のいずれも、硝酸カルシウム水溶液とリン酸水素二アンモニウム水溶液とを連続的に供給し、反応液63が約100ml得られた時点でこれら両水溶液の供給を停止した。
その後、各実施例とも、得られた反応液63を濾紙(型番5A)により濾過し、濾残を乾燥(80℃にて2時間乾燥させた。)し試料とした。
各実施例の試料は、透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し(得られたTEM写真を図に示す。)、さらに「Media Cybernetics」製の商品名「Image−Pro Plus」という画像処理ソフトウエアを読み込ませたコンピュータによって該TEM写真画像を画像解析した。画像処理ソフトウエアを読み込ませたコンピュータによる画像解析は、一次粒子の形状が球状に近いものに関しては、比ARと、一次粒子の粒径Dの算術平均ADと、を算出し、そして一次粒子の形状が板状に近いものに関しては、一次粒子が有する主表面に沿った最長寸法Lと該主表面に対して垂直方向の寸法である厚みtとの比r(=L/t)の算術平均Arと、一次粒子がなす板状の主表面の最長寸法Lの数平均値ALと、を算出した。
結果を表1にまとめた。なお、表1において、それぞれ単位はFt(ml/分)、Tr(℃)、AR(単位なし。無次元)、AD(nm)、Ar(単位なし。無次元)、AL(nm)であり、TEMには、TEM写真を示す図面の番号を記載している。
(表1)実施例
Ft Tr TEM AR AD Ar AL
実施例1 6 40 図4 1.5 13 − −

実施例2 18 40 図5 − − 39 154
以上、表1に示したように、実施例1については、球状ヒドロキシアパタイトが得られており、AR(1.5)は1.0〜1.8であり、さらにAD(13)は5nm〜200nmである。
また、表1に示したように、実施例2については、板状ヒドロキシアパタイトが得られており、Ar(39)は13〜250であり、さらにAL(154)は80nm〜500nmである。
以上説明したように、同じ原料(硝酸カルシウム水溶液とリン酸水素二アンモニウム水溶液)を同じ反応装置31にて反応させる際の反応条件(具体的には、合計装入量Ft及び反応温度Tr)を変更させることで、球状ヒドロキシアパタイト及び板状ヒドロキシアパタイトを選択的に自由に製造することができることが明らかになった。
この球状ヒドロキシアパタイトは、骨や歯の補修材料(生体の骨や歯に充填された際の充填物の強度向上や該充填物と骨や歯との密着性向上を図ることができる。)やクロマトグラフィーのカラム内部への充填物等として用いることができる。
また、この板状ヒドロキシアパタイトは、従来のヒドロキシアパタイトと同様に骨や歯の補修材料やクロマトグラフィーのカラム内部への充填物等として用いることもできるが、高い被覆効果をいかして被覆物の表面を被覆するための被膜を形成するのに用いることもできる。
反応装置の平面図(一部模式図)である。 図1のA−A断面図(一部省略)である。 反応器の変形例を示す平面図である。 実施例1により得られたヒドロキシアパタイトのTEM写真(球状)である。 実施例2により得られたヒドロキシアパタイトのTEM写真(板状)である。
符号の説明
7 流路
7a 入口
7b 出口
11 反応器
13 底板
15 中間板
17 天板
19 締め付け金具
21 恒温槽
31 反応装置
41 カルシウム塩水溶液タンク
41s カルシウム塩水溶液 43 カルシウム塩水溶液ポンプ
47 リン酸塩水溶液タンク
47s リン酸塩水溶液
49 リン酸塩水溶液ポンプ
51 T字型マイクロミキサー
61 反応液受槽
63 反応液
Fc カルシウム塩水溶液の流量Fc(ml/分)
Fp リン酸塩水溶液の流量Fp(ml/分)
Tr 反応温度(℃)

Claims (4)

  1. 一次粒子が球状をなすヒドロキシアパタイト。
  2. 前記一次粒子がなす球形の数平均粒径が5nm〜200nmである、請求項1に記載のヒドロキシアパタイト。
  3. 一次粒子が板状をなすヒドロキシアパタイト。
  4. 前記一次粒子がなす板状の主表面の最長寸法の数平均値が80nm〜500nmである、請求項3に記載のヒドロキシアパタイト。
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