JP2009295203A - 記録再生ヘッド及び情報記録再生装置 - Google Patents

記録再生ヘッド及び情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】近接場光の光強度の制御と浮上量制御とをそれぞれ独立して行うことができ、記録再生を最適な状態で効率良く行うこと。
【解決手段】磁気記録媒体から所定距離だけ浮上したスライダ20と、磁気記録媒体に情報を記録する記録素子21と、磁気記録媒体から情報を再生する再生素子22と、外部から導入された光束から近接場光Rを発生させる近接場光発生素子26と、光束が導入された時に該光束を吸収して発熱し、熱膨張する発熱体27と、光束の光路を途中で連続的に切り替えて、近接場光発生素子と発熱体とにタイミングをずらしながらそれぞれ導入させる光路制御機構28と、を備えている記録再生ヘッド2を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、近接場光を利用して磁気記録媒体に各種の情報を記録再生する記録再生ヘッド及び該ヘッドを有する情報記録再生装置に関するものである。
近年、コンピュータ機器におけるハードディスク等の容量増加に伴い、単一記録面内における情報の記録密度が増加している。例えば、磁気ディスクの単位面積当たりの記録容量を多くするためには、面記録密度を高くする必要がある。ところが、記録密度が高くなるにつれて、記録媒体上で1ビット当たりの占める記録面積が小さくなっている。このビットサイズが小さくなると、1ビットの情報が持つエネルギーが、室温の熱エネルギーに近くなり、記録した情報が熱揺らぎ等のために反転したり、消えてしまったりする等の熱減磁の問題が生じてしまう。
一般的に用いられてきた面内記録方式では、磁化の方向が記録媒体の面内方向に向くように磁気を記録する方式であるが、この方式では上述した熱減磁による記録情報の消失等が起こり易い。そこで、このような不具合を解消するために、記録媒体に対して垂直な方向に磁化信号を記録する垂直記録方式に移行しつつある。この方式は、記録媒体に対して、単磁極を近づける原理で磁気情報を記録する方式である。この方式によれば、記録磁界が記録膜に対してほぼ垂直な方向を向く。垂直な磁界で記録された情報は、記録膜面内においてN極とS極とがループを作り難いため、エネルギー的に安定を保ち易い。そのため、この垂直記録方式は、面内記録方式に対して熱減磁に強くなっている。
しかしながら、近年の記録媒体は、より大量且つ高密度情報の記録再生を行いたい等のニーズを受けて、さらなる高密度化が求められている。そのため、隣り合う磁区同士の影響や、熱揺らぎを最小限に抑えるために、保磁力の強いものが記録媒体として採用され始めている。そのため、上述した垂直記録方式であっても、記録媒体に情報を記録することが困難になっていた。
そこで、この不具合を解消するために、光を集光したスポット光、若しくは、近接場光を利用して磁区を局所的に加熱して一時的に保磁力を低下させ、その間に書き込みを行うハイブリッド磁気記録方式が提供されている。特に、近接場光を利用する場合には、従来の光学系において限界とされていた光の波長以下となる領域における光学情報を扱うことが可能となる。よって、従来の光情報記録再生装置等を超える記録ビットの高密度化を図ることができる。
上述したハイブリッド磁気記録方式による記録ヘッドとしては、各種のものが提供されているが、その中でも近接場光を利用して加熱を行うヘッドがいくつか知られている。
ところでヘッドは、通常磁気記録媒体上を浮上するように構成されており、浮上しながら情報の記録再生を行っている。その浮上量としては、一般的に10nm前後である。ここで、上述した近接場光は、ヘッドに形成された近接場光発生素子の極近傍にのみ存在するものであり、電界強度は磁気記録媒体に向かって急速に減衰してしまう。従って、ヘッドの浮上量が10nm程度であったとしても、近接場光が磁気記録媒体の記録層部分に十分に到達することができない場合が多々あった。この場合には、磁気記録媒体の保磁力が十分に低下しないので、書き込みエラーの発生させてしまう可能性が高かった。
そこで、このような問題に対応するために、読み書きする場合と、読み書きをしない場合とで、ヘッドの浮上量を変化させたいというニーズが高まってきている。つまり、ヘッドの浮上量を、読み書きをしない通常時に10nm程度にし、読み書き時にそれよりも低い、例えば3nm程度に変化させたいというニーズがある。このようなニーズに応えるべく、浮上量を変化させることができるヘッドとして薄膜磁気ヘッドが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
この薄膜磁気ヘッドは、主に主磁極層及び補助磁極層を有する書き込み素子と、近接場光を発生させる近接場光発生層と、熱膨張突出層と、を備えている。書き込み素子及び近接場光発生層は、被覆層によって覆われた状態でロードビームの先端に固定されたスライダの側面(素子形成面)上に順に取り付けられている。この際、主磁極層、補助磁極層及び近接場光発生層の先端は、被覆層から露出しており、磁気記録媒体に対して対向するようになっている。
主磁極層は、被覆層の内部にて補助磁極層に接続されている。これにより、主磁極層及び補助磁極層は、1本の磁極(単磁極)を垂直方向に配置した単磁極型垂直ヘッドを構成している。また、主磁極層と補助磁極層との間には、コイル層が両層に対して絶縁した状態で配置されている。これら主磁極層、補助磁極層及びコイル層は、全体として電磁石を構成している。
近接場光発生層は、各種の金属材料からなる金属層であり、主磁極層に隣接するように形成されている。この際、近接場光発生層は、磁気記録媒体に対向する先端に向かって先細りになるように形成されている。この近接場光発生層にレーザ光が入射すると、先端から近接場光が発生するようになっている。被覆層は、光ファイバから出射されたレーザ光を近接場光発生層に導くための光導波路的な役割を果たす層であり、異なる材料で形成された層が積層した多層構造とされている。
熱膨張突出層は、被覆層を構成する材料よりも熱膨張率の高い材料で形成された層であり、主磁極層と近接場光発生層との間に形成されている。そして、この熱膨張突出層は、近接場光発生層に入射したレーザ光の一部によって加熱されて大きく膨張するようになっている。するとスライダは、熱膨張突出層の膨張の影響を受けて、磁気記録媒体に対向している端面の全体が磁気記録媒体に向けて大きく突出するように変形して接近するようになっている。
このように構成された薄膜磁気ヘッドを利用する場合には、まずレーザ光を被覆層に入射する。被覆層に入射したこのレーザ光は、該被覆層内を進んだ後に近接場光発生層に達する。すると、近接場光発生層は、このレーザ光によって内部の自由電子が一様に振動させられるのでプラズモンが励起されて、先端部分に近接場光を局在化させた状態で発生させる。またこれと同時に、近接場光発生層に達したレーザ光は、一部が熱膨張突出層を加熱して膨張させる。これにより、スライダの端面が磁気記録媒体側に大きく突出するように変形し、接近した状態となる。そのため、浮上量を小さくすることができる。
その結果、発生した近接場光を磁気記録媒体の磁気記録層に十分到達させることができ、確実に加熱して保磁力が低下させることができる。また、レーザ光の照射と同時にコイル層に駆動電流を供給することで、主磁極層の先端に近接する磁気記録媒体の磁気記録層に対して記録磁界を局所的に印加することができる。その結果、保磁力が低下した磁気記録層に各種の情報を確実に記録することができる。つまり、近接場光と磁場との協働により、磁気記録媒体への記録を行うことができる。
特に、この薄膜磁気ヘッドによれば、書き込みを行う際に浮上量を小さくすることができるので、確実な書き込みを行うことができる。
特開2007−193906号公報
しかしながら、上述した従来の薄膜磁気ヘッドには、まだ以下の課題が残されていた。
即ち、熱膨張突出層の膨張を利用することで、記録再生時に浮上量を低下させることができるが、近接場光の光強度の制御と、浮上量制御とを同時に行うことができるものではなかった。つまり、近接場光発生層に達したレーザ光が熱膨張突出層を加熱する構成であるので、近接場光の発生とは切り離して熱膨張を独立に制御することができない。従って、記録再生を行う際に、ヘッドと磁気記録媒体との隙間を適切に調整して最適な浮上量に制御することができるものではなかった。仮に、浮上量を制御するためにレーザ光の入射量を制御してしまった場合には、近接場光の発生に影響を与えてしまう。そのため、磁気記録媒体を十分に加熱できなかったり、これとは逆に過度に加熱してしまったりする可能性があった。
このように、従来の薄膜磁気ヘッドでは、近接場光の光強度の制御と浮上量制御とを同時に行うことができないので、記録再生を効率良く行うことができなかった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、近接場光の光強度の制御と浮上量制御とをそれぞれ独立して行うことができ、記録再生を最適な状態で効率良く行うことができる記録再生ヘッド及び該ヘッドを有する情報記録再生装置を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る記録再生ヘッドは、近接場光を利用して一定方向に回転する磁気記録媒体に情報を記録再生する記録再生ヘッドであって、前記磁気記録媒体の表面から所定距離だけ浮上した状態で配置されるスライダと、前記磁気記録媒体に記録磁界を作用させて情報を記録する記録素子と、前記磁気記録媒体から漏れ出た磁界の大きさに応じた電気信号を出力して情報を再生する再生素子と、外部から導入された光束から近接場光を発生させる近接場光発生素子と、前記光束が導入された時に該光束を吸収して発熱し、熱膨張する発熱体と、前記光束の光路を途中で連続的に切り替えて前記近接場光発生素子と前記発熱体とにタイミングをずらしながらそれぞれ導入させる光路制御機構と、を備えていることを特徴とする。
この発明に係る記録再生ヘッドにおいては、近接場光発生素子で発生した近接場光と、記録素子で発生した記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により、回転する磁気記録媒体に対して情報の記録再生を行うことができる。
記録再生を行う場合には、外部から照射された光束が近接場光発生素子に導入されるように光路制御機構を作動させて光路を切り替えておく。これにより、光束は近接場光発生素子に導入される。すると、近接場光発生素子は、この導入されてきた光束から近接場光を発生させる。これにより磁気記録媒体は、この近接場光によって局所的に加熱されて一時的に保磁力が低下する。
一方、上述した光束の導入と同時に記録素子を作動させて記録磁界を発生させる。これにより保磁力が低下した磁気記録媒体に対して記録磁界を作用させることができる。その結果、近接場光と記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により情報の記録を行うことができる。また、再生素子は、一時的に保磁力が低下している時に、磁気記録媒体から漏れ出た磁界の大きさに応じた電気信号を出力する。よって、情報の記録だけではなく、再生素子から出力された電気信号に基づいて磁気記録媒体に記録されている情報の再生を行うことができる。
ところで、光路制御機構は光束の光路を途中で切り替えることができるので、上述した記録再生を行う直前に、外部から照射された光束を発熱体に導入することができる。発熱体に光束が導入されると、該発熱体は光束を吸収し始める。この吸収された光束は熱に変換されるので、発熱体は発熱して熱膨張する。すると、この熱膨張の影響を受けて、周囲の各素子やスライダが磁気記録媒体側に向けて突出するように変形する。これにより、記録素子や近接場光発生素子や再生素子或いはスライダ自体を磁気記録媒体に対してより接近させることができる。このように、所望の素子やスライダを磁気記録媒体により接近させた状態にすることができ、浮上量を低下させることができる。
従って、その後に行う記録再生を確実に行うことができる。特に、光路制御機構により、光束の光路を途中で連続的に切り替えて近接場光発生素子と発熱体とにタイミングをずらしながらそれぞれ導入させることができるので、従来のものとは異なり、近接場光の光強度の制御と浮上量制御とをそれぞれ独立に行うことができる。つまり、近接場光の発生に影響を与えることなく浮上量を最適な状態に制御することができるうえ、その後、最適な浮上量の状態で最適な光強度の近接場光を発生させることができる。その結果、情報の記録再生を最適な状態で効率良く行うことができる。
また、本発明に係る記録再生ヘッドは、近接場光を利用して一定方向に回転する磁気記録媒体に情報を記録再生する記録再生ヘッドであって、前記磁気記録媒体の表面から所定距離だけ浮上した状態で配置されるスライダと、前記磁気記録媒体に記録磁界を作用させて情報を記録する記録素子と、前記磁気記録媒体から漏れ出た磁界の大きさに応じた電気信号を出力して情報を再生する再生素子と、外部から導入された光束から近接場光を発生させる近接場光発生素子と、前記光束が導入された時に該光束を吸収して発熱し、熱膨張する発熱体と、前記光束の光路上に設けられ、該光束を予め決められた割合で分岐させ、前記近接場光発生素子と前記発熱体とにそれぞれ導入させる光路制御機構と、を備えていることを特徴とする。
この発明に係る記録再生ヘッドにおいては、近接場光発生素子で発生した近接場光と、記録素子で発生した記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により、回転する磁気記録媒体に対して情報の記録再生を行うことができる。
即ち、記録再生ヘッドに光束を導入すると、該光束は光路制御機構にて予め決められた割合で分岐した後、近接場光発生素子と発熱体とにそれぞれ導入される。すると、近接場光発生素子は、この導入されてきた光束から近接場光を発生させる。これにより磁気記録媒体は、この近接場光によって局所的に加熱されて一時的に保磁力が低下する。
一方、上述した光束の導入と同時に記録素子を作動させて記録磁界を発生させる。これにより保磁力が低下した磁気記録媒体に対して記録磁界を作用させることができる。その結果、近接場光と記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により情報の記録を行うことができる。また、再生素子は、一時的に保磁力が低下している時に、磁気記録媒体から漏れ出た磁界の大きさに応じた電気信号を出力する。よって、情報の記録だけではなく、再生素子から出力された電気信号に基づいて磁気記録媒体に記録されている情報の再生を行うことができる。
ところで、記録再生を行う際、上述したように光束は発熱体にも同時に導入されている。発熱体に光束が導入されると、該発熱体は光束を吸収し始める。この吸収された光束は熱に変換されるので、発熱体は発熱して熱膨張する。すると、この熱膨張の影響を受けて、周囲の各素子やスライダが磁気記録媒体側に向けて突出するように変形する。これにより、記録素子や近接場光発生素子や再生素子或いはスライダ自体を磁気記録媒体に対してより接近させることができる。このように、所望の素子やスライダを磁気記録媒体により接近させた状態にすることができ、浮上量を低下させることができる。
従って、記録再生を確実に行うことができる。特に、光路制御機構により、光束を予め決められた割合で分岐させた後に近接場光発生素子と発熱体とにそれぞれ導入させることができるので、従来のものとは異なり、近接場光の光強度の制御と浮上量制御とをそれぞれ独立に行うことができる。つまり、光束のエネルギーのうち、浮上量制御に費やすエネルギーと、近接場光制御に費やすエネルギーとの分配を光路制御機構にて予め設定できるので、両方の制御を同時に行うことができる。従って、近接場光の発生に影響を与えることなく浮上量を最適な状態に制御することができるうえ、最適な浮上量の状態で最適な光強度の近接場光を発生させることができる。その結果、情報の記録再生を最適な状態で効率良く行うことができる。
また、本発明に係る記録再生ヘッドは、上記本発明の記録再生ヘッドにおいて、前記光路制御機構が、前記光路上から退避可能な反射ミラーを有し、退避時に前記光束を前記近接場光発生素子と前記発熱体とのうちいずれか一方に導入させ、非退避時に光束を反射して他方に導入させることを特徴とする。
この発明に係る記録再生ヘッドにおいては、反射ミラーを光路上から退避させるだけの簡単な構成で、光束を近接場光発生素子又は発熱体に導入することができる。よって、構成の簡略化を図ることができる。また、反射ミラーを利用して光束の光路を容易且つ速やかに切り替えることができるので、記録再生をより確実に効率良く行うことができる。
また、本発明に係る記録再生ヘッドは、上記本発明の記録再生ヘッドにおいて、前記光路制御機構が、電圧印加の有無によって前記光束を透過又は反射させる光学系を有し、電圧印加時に光束を透過させて前記近接場光発生素子と前記発熱体とのうちいずれか一方に導入させ、電圧非印加時に光束を反射させて他方に導入させることを特徴とする。
この発明に係る記録再生ヘッドにおいては、電圧印加の有無で光束の光路を容易且つ速やかに切り替えることができるので、記録再生をより確実に効率良く行うことができる。
また、本発明に係る記録再生ヘッドは、上記本発明の記録再生ヘッドにおいて、前記光路制御機構が、反射角度が変化する可動ミラーを有し、反射角度を変化させることで前記光束を前記近接場光発生素子又は前記発熱体に導入することを特徴とする。
この発明に係る記録再生ヘッドにおいては、可動ミラーの反射角度を変化させるだけの簡単な構成で、光束を近接場光発生素子又は発熱体に導入することができる。よって、構成の簡略化を図ることができる。また、可動ミラーを利用して光束の光路を容易且つ速やかに切り替えることができるので、記録再生をより確実に効率良く行うことができる。
また、本発明に係る記録再生ヘッドは、上記本発明の記録再生ヘッドにおいて、前記光路制御機構が、前記光束を反射及び透過させる割合が予め決められた光学系を有し、透過した光束を前記近接場光発生素子と前記発熱体とのうちいずれか一方に導入させ、反射した光束を他方に導入させることを特徴とする。
この発明に係る記録再生ヘッドにおいては、光束を反射及び透過させる光学系を利用するだけの簡単な構成で、光束を近接場光発生素子及び発熱体にそれぞれ確実に導入することができる。よって、構成の簡略化を図ることができると共に、記録再生をより確実に効率良く行うことができる。
また、本発明に係る情報記録再生装置は、上記本発明の記録再生ヘッドと、前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に移動可能とされ、該磁気記録媒体の表面に平行で且つ互いに直交する2軸回りに回動自在な状態で、前記記録再生ヘッドを先端側で支持するビームと、前記光路制御機構に前記光束を入射させる光束入射機構と、前記ビームの基端側を支持すると共に、該ビームを前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、前記磁気記録媒体を前記一定方向に回転させる回転駆動部と、前記記録素子及び前記光束入射機構の作動を制御すると共に、前記光路制御機構の作動タイミングを制御する制御部と、を備えていることを特徴とする。
この発明に係る情報記録再生装置においては、回転駆動部により磁気記録媒体を一定方向に回転させた後、アクチュエータによりビームを移動させて記録再生ヘッドをスキャンさせる。そして、記録再生ヘッドを磁気記録媒体上の所望する位置に配置させる。この際、記録再生ヘッドは、磁気記録媒体の表面に平行で且つ互いに直交する2軸回りに回動自在な状態、即ち、2軸を中心として捩れることができるようにビームに支持されている。よって、磁気記録媒体のうねりが生じたとしても、うねりに起因する風圧変化又は直接伝わってくるうねりの変化を捩りによって吸収でき、浮上時の記録再生ヘッドの姿勢を安定にすることができる。
その後、制御部は、光束入射機構を作動させて光束を光路制御機構に入射させると同時に、光路制御機構を作動させて光束が発熱体に導入されるように光路を切り替えさせる。これにより、発熱体の熱膨張を利用して浮上量を小さくすることができる。続いて、制御部は、光路制御機構を作動させて光束が近接場光発生素子に導入されるように光路を切り替えさせると同時に、記録素子及び再生素子を作動させる。これにより、浮上量が低下したままの状態で記録再生を行うことができる。特に、近接場光の光強度の制御と浮上量制御とをそれぞれ独立して行うことができる記録再生ヘッドを備えているので、記録再生を最適な状態で効率良く行うことができ、信頼性が高い高品質な装置とすることができる。
本発明に係る記録再生ヘッドによれば、近接場光の光強度の制御と浮上量制御とをそれぞれ独立して行うことができ、記録再生を最適な状態で効率良く行うことができる。
また、本発明に係る情報記録再生装置によれば、上述した記録再生ヘッドを備えているので、記録再生を最適な状態で効率良く行うことができ、信頼性が高い高品質な装置とすることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る記録再生ヘッド及び情報記録再生装置の第1実施形態を、図1から図12を参照して説明する。
本実施形態の情報記録再生装置1は、垂直記録層d2を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、近接場光Rと記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式によりディスクDに記録再生を行う装置である。なお、本実施形態では、光吸収体27の熱膨張を利用して近接場光発生素子26をディスクD側に接近させることで、浮上量を低下させる場合を例に挙げて説明する。
本実施形態の情報記録再生装置1は、図1に示すように、記録再生ヘッド2と、該記録再生ヘッド2を支持するビーム3と、記録再生ヘッド2の光路制御機構28にレーザ光(光束)Lを入射させる光束入射機構4と、ビーム3を移動させるアクチュエータ5と、ディスクDを一定方向に回転させるスピンドルモータ(回転駆動部)6と、上述した各構成品を総合的に制御する制御部7と、各構成品を内部に収容するハウジング8と、を備えている。
ハウジング8は、アルミニウム等の金属材料により、上面視四角形状に形成されていると共に、内側に各構成品を収容する凹部8aが形成されている。また、このハウジング8には、凹部8aの開口を塞ぐように図示しない蓋が着脱可能に固定されるようになっている。凹部8aの略中心には、上記スピンドルモータ6が取り付けられており、該スピンドルモータ6に中心孔を嵌め込むことでディスクDが着脱自在に固定される。
凹部8aの隅角部には、上記アクチュエータ5が取り付けられている。このアクチュエータ5には、軸受9を介してキャリッジ10が取り付けられており、該キャリッジ10の先端にビーム3の基端側が固定されている。このように、アクチュエータ5は、ビーム3の基端側を支持した状態で、該ビーム3をディスク面(磁気記録媒体の表面)D1に平行なXY方向に向けてスキャン移動させることができるようになっている。
ビーム3は、上述したようにアクチュエータ5によってキャリッジ10と共にXY方向に移動可能とされていると共に、ディスク面D1に平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸)回りに回動自在な状態で記録再生ヘッド2を先端側で支持している。なお、ビーム3及びキャリッジ10は、ディスクDの回転停止時にアクチュエータ5の駆動によって、ディスクD上から退避するようになっている。また、記録再生ヘッド2とビーム3とで、サスペンション11を構成している。
上記記録再生ヘッド2は、レーザ光Lから生成した近接場光Rを利用して回転するディスクDに各種の情報を記録再生するヘッドである。
この記録再生ヘッド2は、図2及び図3に示すように、ディスク面D1から所定距離Hだけ浮上した状態でディスクDに対向配置されたスライダ20と、ディスクDに情報を記録する記録素子21と、ディスクDに記録されている情報を再生する再生素子22と、導入されたレーザ光Lから近接場光Rを発生させる近接場光発生素子26と、レーザ光Lを吸収して発熱し、熱膨張する光吸収体(発熱体)27と、レーザ光Lの途中で連続的に切り替えて近接場光発生素子26と光吸収体27とにタイミングをずらしながらそれぞれ導入させる光路制御機構28と、を備えている。
また、本実施形態の記録再生ヘッド2は、コア23とクラッド24とからなる光束伝播素子25を備えている。
上記スライダ20は、石英ガラス等の光透過性材料や、AlTiC(アルチック)等のセラミック等によって直方体状に形成されている。このスライダ20は、ディスクDに対向する対向面20aを有しており、ジンバル部30を介してビーム3の先端にぶら下がるように支持されている。このジンバル部30は、X軸回り及びY軸回りにのみ変位するように動きが規制された部品である。これによりスライダ20は、上述したようにディスク面D1に平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸)回りに回動自在とされている。
また対向面20aには、回転するディスクDによって生じた空気流の粘性から、浮上するための圧力を発生させる凸条部20bが形成されている。この凸条部20bは、長手方向に沿って延びるように形成されており、レール状に並ぶように間隔を空けて左右に2つ形成されている。但し、凸条部20bはこの場合に限定されるものではなく、スライダ20をディスク面D1から離そうとする正圧とスライダ20をディスク面D1に引き付けようとする負圧とを調整して、スライダ20を最適な状態で浮上させるように設計されていれば、どのような凹凸形状でも構わない。なお、この凸条部20bの表面はABS(Air Bearing Surface)と呼ばれている。
そしてスライダ20は、この2つの凸条部20bによってディスク面D1から浮上する力を受けている。一方ビーム3は、ディスク面D1に垂直なZ方向に撓むようになっており、スライダ20の浮上力を吸収している。つまり、スライダ20は、浮上した際にビーム3によってディスク面D1側に押さえ付けられる力を受けている。よってスライダ20は、この両者の力のバランスによって、上述したようにディスク面D1から所定距離H離間した状態で浮上するようになっている。しかもスライダ20は、ジンバル部30によってX軸回り及びY軸回りに回動するようになっているので、常に姿勢が安定した状態で浮上するようになっている。
なお、ディスクDの回転に伴って生じる空気流は、スライダ20の流入端側(ビーム3の基端側)から流入した後、ABSに沿って流れ、スライダ20の流出端側(ビーム3の先端側)から抜けている。
上記記録素子21は、図3に示すように、ディスクDに記録磁界を作用させて情報を記録する素子であって、スライダ20の流出端側の側面(先端面)に固定された補助磁極31と、磁気回路32を介して補助磁極31に接続され、ディスクDに対して垂直な記録磁界を補助磁極31との間で発生させる主磁極33と、磁気回路32を中心として該磁気回路32の周囲を螺旋状に巻回するコイル34とを備えている。つまり、スライダ20の流出端側から順に、補助磁極31、磁気回路32、コイル34、主磁極33が配置されている。
両磁極31、33及び磁気回路32は、磁束密度が高い高飽和磁束密度(Bs)材料(例えば、CoNiFe合金、CoFe合金等)により形成されている。また、コイル34は、ショートしないように、隣り合うコイル線間、磁気回路32との間、両磁極31、33との間に隙間が空くように配置されており、この状態で絶縁体35によってモールドされている。そして、コイル34は、情報に応じて変調された電流が制御部7から供給されるようになっている。即ち、磁気回路32及びコイル34は、全体として電磁石を構成している。なお、主磁極33及び補助磁極31は、ディスクDに対向する端面がスライダ20のABSと面一となるように設計されている。
上記光束伝播素子25は、図3から図5に示すように、一端側がスライダ20の上方側に向くと共に、他端側がディスクD側に向いた状態で、記録素子21に隣接して固定されている。より具体的には、主磁極33に隣接して固定されている。なお、図4は、コア23を図3に示す矢印A方向から見た図である。また、図5は、図3に示す光束伝播素子25を端面23c側から見た図である。
上記光束伝播素子25は、一端側から導入されたレーザ光LをディスクDに対向する他端側に伝播させるコア23と、該コア23に密着するクラッド24とから構成されており、全体として略板状に形成されている。
本実施形態のコア23は、一端側から他端側に向けて漸次絞り成形されており、レーザ光Lを内部で徐々に集光させながら伝播させることができるようになっている。具体的には、コア23は傾斜面23aと光束集光部23bとにより多面体状に形成されている。
そして傾斜面23aには、光路制御機構28が密着した状態で取り付けられている。光束集光部23bは、一端側から他端側に向かう長手方向(Z方向)に直交する断面積が漸次減少するように絞り成形された部分であり、導入されたレーザ光Lを集光させながら他端側に向けて伝播させている。つまりこの光束集光部23bによって、導入されたレーザ光Lのスポットサイズを徐々に小さいサイズに絞ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、光束集光部23bが3つの側面を有するように形成されており、そのうちの1つの側面が主磁極33に対向するように配置されるようになっている。よって光束集光部23bは、図5に示すように、他端側で外部に露出する端面23cが三角形状に形成された面となっている。またこの端面23cは、スライダ20のABSと面一となるように設計されている。
上記クラッド24は、図3及び図4に示すように、コア23よりも屈折率が低い材料で形成されており、コア23の一端側と他端側の端面23cとを外部に露出させた状態でコア23の側面に密着して、該コア23を内部に閉じ込めている。このように密着しているので、コア23とクラッド24との間に隙間が生じないようになっている。
なお、クラッド24及びコア23として使用される材料の組み合わせの一例を記載すると、例えば、石英(SiO2)でコア23を形成し、フッ素をドープした石英でクラッド24を形成する組み合わせが考えられる。この場合には、レーザ光Lの波長が400nmのときに、コア23の屈折率が1.47となり、クラッド24の屈折率が1.47未満となるので好ましい組み合わせである。
また、ゲルマニウムをドープした石英でコア23を形成し、石英(SiO2)でクラッド24を形成する組み合わせも考えられる。この場合には、レーザ光Lの波長が400nmのときに、コア23の屈折率が1.47より大きくなり、クラッド24の屈折率が1.47となるのでやはり好ましい組み合わせである。
特に、コア23とクラッド24との屈折率差が大きいほど、コア23内にレーザ光Lを閉じ込める力が大きくなるので、コア23に酸化タンタル(Ta25:波長が550nmのときに屈折率が2.16)を用い、クラッド24に石英等を用いて、両者の屈折率差を大きくすることがより好ましい。また、赤外領域のレーザ光Lを利用する場合には、赤外光に対して透明な材料であるシリコン(Si:屈折率が約4)でコア23を形成することも有効である。
上記近接場光発生素子26は、図5に示すように、コア23の他端側の端面23c上に形成された遮光膜40と、該遮光膜40の略中心に形成された微小開口41とから構成されている。この近接場光発生素子26は、コア23内を伝播してきたレーザ光Lから近接場光Rを発生させて該近接場光Rを他端側とディスクDとの間に局在化させるものである。なお、微小開口41は、例えば直径数十nm〜数百nmの円形状の開口である。よって、本実施形態では、微小開口41と同程度のスポットサイズとなった近接場光Rが発生するようになっている。
ところで、図3に示すように、スライダ20の上面には光導波路42が固定されている。この光導波路42は、コア42aとクラッド42bとからなる2軸の導波路であり、コア42a内をレーザ光Lが伝播するようになっている。光導波路42の先端は、光束伝播素子25のコア23の一端側に接続されており、レーザ光Lを傾斜面23aに取り付けられた光路制御機構28に向けて出射させている。
一方、光導波路42の基端側は、ビーム3及びキャリッジ10等を介して図1に示す光信号コントローラ43に引き出された後、該光信号コントローラ43に接続されている。この光信号コントローラ43は、アクチュエータ5及び制御部7に隣接するように凹部8a内に取り付けられている。つまり、この光信号コントローラ43及び光導波路42は、光路制御機構28にレーザ光Lを入射させる光束入射機構4として機能する。
なお、図4に示すように、光導波路42から出射されるレーザ光Lが傾斜面23aの略中心に入射するように、光束伝播素子25及び光導波路42の位置関係がそれぞれ調整されている。
上記光吸収体27は、図3に示すように、クラッド24の上部側に形成されている。具体的には、コア23の傾斜面23aに隣接する位置であって、光導波路42から出射されたレーザ光Lが真っ直ぐ直進してきたときに入射する位置に形成されている。この光吸収体27は、レーザ光Lが導入された時に該レーザ光Lを吸収して発熱し、熱膨張するようになっている。すると、光束伝播素子25は、この熱膨張の影響を受けて、図6に示すようにディスクD側に向けて突出するように変形し、コア23の他端側の端面23cに形成された近接場光発生素子26をディスクDに対してより接近させるようになっている。これにより、浮上量を所定距離Hよりも小さくすることができ、浮上量を低下させることができるようになっている。
光路制御機構28は、図3に示すように、傾斜面23aの全面に亘って密着され、電圧印加の有無によってレーザ光Lを透過又は反射させる光学プレート(光学系)45を有している。この光学プレート45は、制御部7によって電圧が印加されるようになっており、電圧印加時にレーザ光Lを透過させて光吸収体27に導入させ、電圧非印加時にレーザ光Lを反射させてコア23内に導入させるようになっている。これにより、光導波路42から出射されたレーザ光Lの光路を適宜切り替えることができ、該レーザ光Lを近接場光発生素子26と光吸収体27とにタイミングをずらしながらそれぞれ導入させることができるようになっている。
上記再生素子22は、ディスクDの垂直記録層d2から漏れ出ている磁界の大きさに応じて電気抵抗が変換する磁気抵抗効果膜であり、クラッド24のディスクD側に形成されている。この再生素子22には、図示しないリード膜等を介して制御部7からバイアス電流が供給されている。これにより制御部7は、ディスクDから漏れ出た磁界の変化を電圧の変化として検出することでき、この電圧の変化から信号の再生を行うことができるようになっている。
なお、本実施形態のディスクDは、図2に示すように、少なくとも、ディスク面D1に垂直な方向に磁化容易軸を有する垂直記録層d2と、高透磁率材料からなる軟磁性層d3との2層で構成される垂直2層膜ディスクDを使用する。このようなディスクDとしては、例えば、基板d1上に、軟磁性層d3と、中間層d4と、垂直記録層d2と、保護層d5と、潤滑層d6とを順に成膜したものを使用する。
基板d1としては、例えば、アルミ基板やガラス基板等である。軟磁性層d3は、高透磁率層である。中間層d4は、垂直記録層d2の結晶制御層である。垂直記録層d2は、垂直異方性磁性層となっており、例えばCoCrPt系合金が使用される。保護層d5は、垂直記録層d2を保護するためのもので、例えばDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)膜が使用される。潤滑層d6は、例えば、フッ素系の液体潤滑材が使用される。
次に、このように構成された情報記録再生装置1により、ディスクDに各種の情報を記録再生する場合について以下に説明する。
まず、スピンドルモータ6を駆動させてディスクDを一定方向に回転させる。次いで、アクチュエータ5を作動させて、キャリッジ10を介してビーム3をXY方向にスキャンさせる。これにより、図1に示すように、ディスクD上の所望する位置に記録再生ヘッド2を位置させることができる。この際、記録再生ヘッド2は、スライダ20の対向面20aに形成された2つの凸条部20bによって浮上する力を受けると共に、ビーム3等によってディスクD側に所定の力で押さえ付けられる。記録再生ヘッド2は、この両者の力のバランスによって、図2に示すようにディスクD上から所定距離H離間した位置に浮上する。
また、記録再生ヘッド2は、ディスクDのうねりに起因して発生する風圧を受けたとしても、ビーム3によってZ方向の変位が吸収されると共に、ジンバル部30によってXY軸回りに変位することができるようになっているので、うねりに起因する風圧を吸収することができる。そのため、記録再生ヘッド2を安定した状態で浮上させることができる。
次に、情報の記録再生を行う前に、制御部7は光信号コントローラ43を作動させると共に、レーザ光Lが光吸収体27に導入されるように光学プレート45を電圧非印加状態にする。光信号コントローラ43は、制御部7からの指示を受けてレーザ光Lを光導波路42の基端側から入射させる。入射したレーザ光Lは、光導波路42のコア42a内を先端側に向かって進み、図6に示すように、コア23の傾斜面23aに取り付けられた光学プレート45に入射する。この際、光学プレート45は電圧非印加状態になっているので、レーザ光Lを透過させる。そのため、光導波路42を出射したレーザ光Lは、真っ直ぐに直進して光吸収体27に導入される。
光吸収体27にレーザ光Lが導入されると、該光吸収体27はレーザ光Lを吸収し始める。この吸収されたレーザ光Lは熱に変換されるので、光吸収体27は発熱して熱膨張する。すると光束伝播素子25は、この熱膨張の影響を受けてディスクDに向けて突出するように変形する。これにより、近接場光発生素子26をディスクDに対してより接近させることができ、浮上量を所定距離Hから低下させることができる。
続いて制御部7は、光学プレート45に電圧を印加してレーザ光Lがコア23に導入されるように光路を直ちに切り替えさせると同時に、情報に応じて変調した電流をコイル34に供給して記録素子21を作動させる。
これにより、光導波路42から出射されたレーザ光Lは、図7に示すように、光学プレート45で反射されて向きが略90度変わる。そして、向きが変わったレーザ光Lは、ディスクD側に位置する他端側に向かって光束集光部23bを伝播する。この際、光束集光部23bは、一端側から他端側に向かう長手方向に直交する断面積が漸次減少するように絞り成形されている。そのため、レーザ光Lはこの光束集光部23bを伝播する際に、側面で反射を繰り返しながら徐々に集光されていく。特に、コア23の側面にはクラッド24が密着しているので、コア23の外部に光が漏れることはない。よって、導入されたレーザ光Lを無駄にすることなく絞りながら他端側に伝播させて、近接場光発生素子26に入射させることができる。
近接場光発生素子26に入射したレーザ光Lは、微小開口41を通過することで微小開口41と同程度のスポットサイズの近接場光Rになる。そして、この近接場光Rは、コア23の他端側の端面23cとディスクDとの間に局在化する。するとディスクDは、この近接場光Rによって局所的に加熱されて一時的に保磁力が低下する。特に、近接場光発生素子26は、上述したように浮上量が既に所定距離Hより低下しているので、近接場光RをディスクDに対して極近い位置に作用させることができ、確実に加熱を行って保磁力を低下させることができる。
一方、制御部7によってコイル34に電流が供給されると、電磁石の原理により電流磁界が磁気回路32内に磁界を発生させるので、主磁極33と補助磁極31との間にディスクDに対して垂直方向の記録磁界を発生させることができる。すると、主磁極33側から発生した磁束が、図7に示すように、ディスクDの垂直記録層d2を真直ぐ通り抜けて軟磁性層d3に達する。これによって、垂直記録層d2の磁化をディスク面D1に対して垂直に向けた状態で記録を行うことができる。また、軟磁性層d3に達した磁束は、該軟磁性層d3を経由して補助磁極31に戻る。この際、補助磁極31に戻るときには磁化の方向に影響を与えることはない。これは、ディスク面D1に対向する補助磁極31の面積が、主磁極33よりも大きいので磁束密度が大きく磁化を反転させるほどの力が生じないためである。つまり、主磁極33側でのみ記録を行うことができる。
その結果、近接場光Rと両磁極31、33で発生した記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により情報の記録を行うことができる。しかも垂直記録方式で記録を行うので、熱揺らぎ現象等の影響を受け難く、安定した記録を行うことができる。よって、書き込みの信頼性を高めることができる。
また、再生素子22は、ディスクDの保磁力が一時的に低下している時に、ディスクDの垂直記録層d2から漏れ出ている磁界を受けて、その大きさに応じて電気抵抗が変化する。よって、再生素子22の電圧が変化する。これにより制御部7は、ディスクDから漏れ出た磁界の変化を電圧の変化として検出することができる。そして制御部7は、この電圧の変化から信号の再生を行うことで、ディスクDに記録されている情報の再生を行うことができる。
特に、本実施形態の情報記録再生装置1によれば、光路制御機構28によりレーザ光Lの光路を途中で連続的に切り替えて近接場光発生素子26と光吸収体27とにタイミングをずらしながらそれぞれ導入させることができるので、従来のものとは異なり、近接場光Rの光強度の制御と浮上量制御とをそれぞれ独立に行うことができる。つまり、近接場光Rの発生に影響を与えることなく浮上量を最適な状態に制御することができるうえ、その後、最適な浮上量の状態で最適な光強度の近接場光Rを発生させることができる。その結果、情報の記録再生を最適な状態で効率良く行うことができる。
なお、記録再生を行わない場合には、光信号コントローラ43の作動を停止させる。これにより、光吸収体27の熱膨張をなくすことができ、浮上量を当初の所定距離Hに直ちに戻すことができる。
また、本実施形態では、電圧印加の有無でレーザ光Lの光路を容易且つ速やかに切り替えることができるので、近接場光発生素子26がディスクDに近づいた瞬間に近接場光Rを確実に発生させることができる。従って、記録再生をより確実に効率良く行うことができる。
また、近接場光Rを発生させるためのレーザ光Lを利用して光吸収体27を熱膨張させることができるので、別個の熱源を用意する必要がなく、構成の単純化及び低コスト化を図ることができる。
なお、上記第1実施形態では、光束伝播素子25のコア23が一端側から他端側に向けて漸次絞り成形されている場合を例に挙げたが、この場合に限られず、ストレートに形成されていても構わない。また、コア23とクラッド24とをそれぞれ異なる材料で一体的に形成した光束伝播素子25を例に挙げたが、中空状に形成しても構わない。この場合には、中空となった空気部分がコアとなり、その周囲を囲んでいる部分がクラッドとなる。このように構成された光束伝播素子であっても、レーザ光Lを伝播させて近接場光発生素子26に入射させることができる。
また、上記第1実施形態では、光学プレート45に電圧を印加したときにレーザ光Lを透過させて光吸収体27に導入させ、電圧を印加しないときにレーザ光Lを反射させて近接場光発生素子26に導入させたが、この逆でも構わない。即ち、光学プレート45に電圧を印加したときにレーザ光Lを反射させて近接場光発生素子26に導入させ、電圧を印加しないときにレーザ光Lを透過させて光吸収体27に導入させても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
また、光学プレート45を利用した場合、レーザ光Lを完全に透過又は反射させるのではなく、レーザ光Lを予め決められた割合で分岐させ、近接場光発生素子26と光吸収体27とにそれぞれ導入させる光路制御機構としても機能させることが可能である。つまり、予め決められた割合のレーザ光Lだけ透過させて光吸収体27に導入させ、残りのレーザ光Lを反射させて近接場光発生素子26に導入させるといったことができる。これにより、光学プレート45に入射してきたレーザ光Lのうち、ある割合のエネルギーで光吸収体27を加熱して熱膨張させ、残りのエネルギーで近接場光Rを発生させて情報記録に利用するといったことができる。つまり、レーザ光Lのエネルギーのうち、浮上量制御に費やすエネルギーと、近接場光制御に費やすエネルギーとを分配を光学プレート45で予め設定できるので、両方の制御を同時に行うことができる。従って、記録再生をやはり効率よく行うことができる。
なお、上記第1実施形態では、光導波路42を利用して光信号コントローラ43で発生したレーザ光Lを光路制御機構28に入射させる構成としたが、この構成に限定されるものではない。
例えば、図8に示すように、スライダ20の上面にレーザ光源46を固定して、レーザ光源46から出射したレーザ光Lを直接的に光路制御機構28に入射させるように構成しても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。しかも、この場合には光導波路42をビーム3やキャリッジ10を介して引き回す必要がないので、浮上時における記録再生ヘッド2の姿勢をより安定させることができる。なお、この場合には、レーザ光源46が光束入射機構として機能する。
また、上記第1実施形態では、レーザ光Lの光路を切り替える際に、電圧印加の有無によってレーザ光Lを透過又は反射させる光学プレート45を利用したが、この場合に限られるものではなく、レーザ光Lの光路を連続的に切り替えることができれば光路制御機構をどのように構成しても構わない。
例えば、図9に示すように、光路上から退避可能な反射ミラー47を備えた光路制御機構48とし、退避時にレーザ光Lを光吸収体27に導入させ、非退避時にレーザ光Lを反射してコア23に導入するようにしても構わない。この場合であっても、レーザ光Lの光路を容易且つ速やかに切り替えることができので、近接場光発生素子26がディスクDに近づいた瞬間に近接場光Rを確実に発生させることができる。従って、記録再生をより確実に効率良く行うことができる。
なお、反射ミラー47と光吸収体27と近接場光発生素子26との位置関係を工夫することで、退避時にレーザ光Lを近接場光発生素子26に導入させ、非退避時にレーザ光Lを反射して光吸収体27に導入するようにしても構わない。
更に、上記第1実施形態では、微小開口41を円形状としたが、この形状に限定されるものではない。例えば、図10に示すように、三角形状の微小開口41としても構わない。この場合であっても、近接場光Rを発生することができる。特にこの場合には、図中に示す矢印L1方向にレーザ光Lの偏光成分が向くように調整した後に、レーザ光Lを近接場光発生素子26に導入することが好ましい。こうすることで、近接場光Rを微小開口41の一辺付近(図中に示す領域S)に集中的に局在化させることができる。従って、さらなる高密度記録化を図ることができる。
また、図11に示すように、三角状の突起が微小な隙間を空けて対向するように微小開口41を形成しても構わない。こうすることで、微小な隙間に近接場光Rを集中的に局在化させることができるので、さらなる高密度記録化を図ることができる。
更には、図12に示すように、四角形状に形成された微小開口41内に、集光されたレーザ光Lを散乱させる微小散乱体49を形成しても構わない。この微小散乱体49は、例えば、微小開口41の略中心位置にくるように端面23c上に金属材料を蒸着や成膜等によって形成すれば良い。こうすることで、微小散乱体49付近に近接場光Rを集中的に局在化させることができるので、さらなる高密度記録化を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態を、図13を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、光導波路42を利用してレーザ光Lを記録再生ヘッド2まで導き、スライダ20に対して平行な方向に向けてレーザ光Lを出射させたが、第2実施形態では、光束伝播素子25内に組み込まれたレーザ光源52からディスク面D1に垂直な方向に向けて真っ直ぐレーザ光Lを出射する点である。
また、第1実施形態では、光束伝播素子25のコア23が一端側から他端側に向けて漸次絞り成形されていたが、第2実施形態では、コア23が一端側から他端側に向かってストレートに形成されている点である。
即ち、本実施形態の情報記録再生装置50は、図13に示すように、記録再生ヘッド51と、該記録再生ヘッド51の光束伝播素子25内に配置されたレーザ光源52とを備えている。
レーザ光源52は、ディスク面D1に向かって真っ直ぐレーザ光Lを出射できるように配置されている。よって、このレーザ光源52は、光束入射機構として機能する。光束伝播素子25のコア23は、ディスク面D1に向かって真っ直ぐストレートに形成されており、一端側がレーザ光源52に接し、他端側の端面23cがディスク面D1に対向している。そして、コア23の内部には、傾斜面23aが形成されており、該傾斜面23aにレーザ光Lの光路を切り替える光学プレート45が取り付けられている。これにより、レーザ光源52から出射されたレーザ光Lの光路を切り替えて、光吸収体27に導入させたり、そのままコア23内に導入させて近接場光発生素子26に入射させたりすることができるようになっている。
このように構成された情報記録再生装置50であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。但し、第1実施形態のように、光束伝播素子25を一端側から他端側に向けて漸次絞り成形することが好ましい。そうすることで、徐々にスポットサイズを絞り込んだレーザ光Lを近接場光発生素子26に入射させることができるので、より効率良く近接場光Rを発生させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態を、図14を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、光路制御機構28を光束伝播素子25内に組み込んだ構成としたが、第3実施形態では、光路制御機構62がスライダ20から離間した位置に配置されている点である。
即ち、本実施形態の情報記録再生装置60は、図14に示すように、スライダ20に一体的に固定された記録素子21、光束伝播素子25、光吸収体27及び再生素子22と、スライダ20から離間した位置に配置された光路制御機構62と、を有する記録再生ヘッド61を備えている。
光路制御機構62は、反射角度が多段階に変化する可動ミラー64を有し、反射角度を変化させることでレーザ光Lを光吸収体27又は近接場光発生素子25に導入することができるようになっている。なお、本実施形態の光束入射機構65は、可動ミラー64にレーザ光Lを入射させることができるように記録再生ヘッド61とは離間した位置に配置されている。また、本実施形態のコア23は、一端側が外部に露出しており、露出した部分にグレーティングカプラ66が形成されている。このグレーティングカプラ66は、可動ミラー64によって導入されたレーザ光Lをコア23の内部に閉じ込めた後に他端側に伝播させ、近接場光発生素子26に入射させる働きをしている。
このように構成された情報記録再生装置60であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。なお、記録再生を行うために浮上量を低下させる場合には、可動ミラー64の反射角度を角度θ1に変化させる。これにより、レーザ光Lを可動ミラー64で反射して光吸収体27に導入することができる。これにより、近接場光発生素子26をディスクDに接近させることができ、浮上量を低下させることができる。また、浮上量を低下させた後、可動ミラー64の反射角度を角度θ2に変化させる。これにより、レーザ光Lを可動ミラー64で反射してコア23に導入させ、近接場光発生素子26に入射させることができる。これにより、ディスクDの極近い位置で近接場光Rを局在化させることができる。
このように、レーザ光Lの光路を容易且つ速やかに切り替えることができので、近接場光発生素子26がディスクDに近づいた瞬間に近接場光Rを確実に発生させることができる。従って、記録再生をより確実に効率良く行うことができる。
なお、可動ミラー64は、ディスクDのうねりに対して変動するスライダ20の姿勢に追従してレーザ光Lを反射させるので、上述した角度θ1、θ2は適宜変化する。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、垂直磁気記録方式の情報記録再生装置を例に挙げて説明したが、この場合に限られず、記録磁化がディスクのトラックに平行な方向(面内方向)に記録される面内記録方式の情報記録再生装置であっても構わない。
また、上記各実施形態では、光吸収体27の熱膨張を利用して近接場光発生素子26をディスクD側に接近させることで、浮上量を低下させる場合を例に挙げて説明したが、この場合に限られるものではない。例えば、光吸収体27の熱膨張を利用して他の素子、即ち記録素子21や再生素子22をディスクD側に接近(突出)するように変形させることで、浮上量を低下させても構わない。更には、光吸収体27の熱膨張を利用して、ABSがディスクD側に接近するようにスライダ20自体を変形させることで浮上量を低下させても構わない。光吸収体27の形成位置を工夫することで、これらのことが可能である。いずれの場合であっても、光吸収体27の熱膨張を利用して、浮上量を低下させることができる。
本発明に係る情報記録再生装置の第1実施形態を示す構成図である。 図1に示す情報記録再生装置を構成する記録再生ヘッドの拡大断面図である。 図2に示す記録再生ヘッドの流出端側の側面を拡大した断面図である。 図3に示す記録再生ヘッドを構成する光束伝播素子のコアを矢印A方向から見た図である。 図4に示す記録再生ヘッドを構成する光束伝播素子のコアを端面側から見た図である。 記録再生ヘッドの拡大断面図であって、レーザ光を光吸収体に導入させることで磁気記録媒体側に突出するように光束伝播素子を変形させ、浮上量を低下させた状態を示す図である。 記録再生ヘッドの拡大断面図であって、図6に示す状態から光路を切り替えてレーザ光を近接場光発生素子に導入させ、近接場光を発生させていると共に、記録磁界を同時に発生させている状態を示す図である。 本発明に係る情報記録再生装置の変形例を示す記録再生ヘッドの拡大断面図であって、スライダの上面にレーザ光源が固定されている図である。 本発明に係る情報記録再生装置の変形例を示す図であって、反射ミラーを光路状から退避させることで光路を切り替える光路制御機構の概念図である。 本発明に係る情報記録再生装置の変形例を示す図であって、三角形状に形成された微小開口を有する近接場光発生素子を示す図である。 本発明に係る情報記録再生装置の変形例を示す図であって、微小な隙間を空けて三角状の突起が対向するように形成された微小開口を有する近接場光発生素子を示す図である。 本発明に係る情報記録再生装置の変形例を示す図であって、金属散乱体が略中心に形成された微小開口を有する近接場光発生素子を示す図である。 本発明に係る情報記録再生装置の第2実施形態を示す記録再生ヘッドの拡大断面図であって、磁気記録媒体に向けて真っ直ぐレーザ光を出射できるようにレーザ光源が配置された図である。 本発明に係る情報記録再生装置の第3実施形態を示す記録再生ヘッドの拡大断面図であって、可動ミラーを利用してレーザ光の光路を切り替えることができる図である。
符号の説明
L…レーザ光(光束)
D…ディスク(磁気記録媒体)
D1…ディスク面(磁気記録媒体の表面)
R…近接場光
1、50、60…情報記録再生装置
2、51、61…記録再生ヘッド
3…ビーム
4、65…光束入射機構
5…アクチュエータ
6…スピンドルモータ(回転駆動部)
7…制御部
20…スライダ
21…記録素子
22…再生素子
26…近接場光発生素子
27…光吸収体(発熱体)
28、48、62…光路制御機構
46、52…レーザ光源(光束入射機構)
45…光学プレート(光学系)
47…反射ミラー
64…可動ミラー

Claims (7)

  1. 近接場光を利用して一定方向に回転する磁気記録媒体に情報を記録再生する記録再生ヘッドであって、
    前記磁気記録媒体の表面から所定距離だけ浮上した状態で配置されるスライダと、
    前記磁気記録媒体に記録磁界を作用させて情報を記録する記録素子と、
    前記磁気記録媒体から漏れ出た磁界の大きさに応じた電気信号を出力して情報を再生する再生素子と、
    外部から導入された光束から近接場光を発生させる近接場光発生素子と、
    前記光束が導入された時に該光束を吸収して発熱し、熱膨張する発熱体と、
    前記光束の光路を途中で連続的に切り替えて前記近接場光発生素子と前記発熱体とにタイミングをずらしながらそれぞれ導入させる光路制御機構と、を備えていることを特徴とする記録再生ヘッド。
  2. 近接場光を利用して一定方向に回転する磁気記録媒体に情報を記録再生する記録再生ヘッドであって、
    前記磁気記録媒体の表面から所定距離だけ浮上した状態で配置されるスライダと、
    前記磁気記録媒体に記録磁界を作用させて情報を記録する記録素子と、
    前記磁気記録媒体から漏れ出た磁界の大きさに応じた電気信号を出力して情報を再生する再生素子と、
    外部から導入された光束から近接場光を発生させる近接場光発生素子と、
    前記光束が導入された時に該光束を吸収して発熱し、熱膨張する発熱体と、
    前記光束の光路上に設けられ、該光束を予め決められた割合で分岐させ、前記近接場光発生素子と前記発熱体とにそれぞれ導入させる光路制御機構と、を備えていることを特徴とする記録再生ヘッド。
  3. 請求項1に記載の記録再生ヘッドにおいて、
    前記光路制御機構は、前記光路上から退避可能な反射ミラーを有し、退避時に前記光束を前記近接場光発生素子と前記発熱体とのうちいずれか一方に導入させ、非退避時に光束を反射して他方に導入させることを特徴とする記録再生ヘッド。
  4. 請求項1に記載の記録再生ヘッドにおいて、
    前記光路制御機構は、電圧印加の有無によって前記光束を透過又は反射させる光学系を有し、電圧印加時に光束を透過させて前記近接場光発生素子と前記発熱体とのうちいずれか一方に導入させ、電圧非印加時に光束を反射させて他方に導入させることを特徴とする記録再生ヘッド。
  5. 請求項1に記載の記録再生ヘッドにおいて、
    前記光路制御機構は、反射角度が変化する可動ミラーを有し、反射角度を変化させることで前記光束を前記近接場光発生素子又は前記発熱体に導入することを特徴とする記録再生ヘッド。
  6. 請求項2に記載の記録再生ヘッドにおいて、
    前記光路制御機構は、前記光束を反射及び透過させる割合が予め決められた光学系を有し、透過した光束を前記近接場光発生素子と前記発熱体とのうちいずれか一方に導入させ、反射した光束を他方に導入させることを特徴とする記録再生ヘッド。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の記録再生ヘッドと、
    前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に移動可能とされ、該磁気記録媒体の表面に平行で且つ互いに直交する2軸回りに回動自在な状態で、前記記録再生ヘッドを先端側で支持するビームと、
    前記光路制御機構に前記光束を入射させる光束入射機構と、
    前記ビームの基端側を支持すると共に、該ビームを前記磁気記録媒体の表面に平行な方向に向けて移動させるアクチュエータと、
    前記磁気記録媒体を前記一定方向に回転させる回転駆動部と、
    前記記録素子及び前記光束入射機構の作動を制御すると共に、前記光路制御機構の作動タイミングを制御する制御部と、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。
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