JP2009294163A - 粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置 - Google Patents

粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】あらゆる方向へ進展する粒界面亀裂を適正に検出することができる粒界面亀裂検出方法を提供すること。
【解決手段】超音波伝播媒体3を介して超音波探触子6から検査対象物Wへ超音波を発振して、検査対象物Wに反射した反射波を受信子6bで受信し、前記反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算される非線形超音波特性を画像処理して表示する粒界面亀裂検出方法において、前記超音波探触子6が前記検査対象物Wの表面に対して前記超音波を入射させる入射角を変えて前記反射波を入力し(S5〜S9)、前記入射角毎に入力した前記反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算される非線形超音波特性を前記入射角毎に画像処理して表示する(S10,S11)。
【選択図】図2

Description

本発明は、粒界面亀裂を非破壊的に検出する粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置に関する。
近年、環境問題が注目されている中、水素を燃料として二酸化炭素を排出しない燃料電池自動車(FCV)の普及への期待が高まっている。しかし、水素は、自然界に十分に存在するものでなく、人工的に製造しなければならない。水素を製造するための改質装置をFCVに搭載すると、FCVの小型化や軽量化を図りにくく、燃料電池による省エネ性を十分に発揮できない上に、FCVがコスト高になる。そのため、FCVの普及拡大には、FCVに燃料である水素を供給する施設が必要不可欠であることから水素ステーションが建設されている。
水素ステーションでは、天然ガスやガソリンの改質によって製造した水素ガスや、副性水素ガスを圧縮して水素ガスタンク内で保管している。水素ガスは、現段階では35MPa〜40MPaに圧縮されて保管されるが、将来的には70MPa〜80MPaに圧縮されて保管されると考えられている。水素ガスタンクには、ディスペンサが接続し、水素ガスタンクの水素ガスがディスペンサを介してFCVへ供給される。
水素ステーションのような高圧水素設備では、配管やタンク等の金属固体材料が高圧な水素により脆くなり(水素脆性)、水素脆性亀裂を発生する恐れがある。一方、水素ステーションのようなインフラ設備では、配管やタンク等を設備から取り外して亀裂の検査を行うことはできない。そこで、インフラ設備の健全性を維持管理するために、水素脆性亀裂の発生を初期段階で把握する非破壊検査が必要となる。
例えば超音波探傷による非破壊検査方法は、金属固体材料に超音波を伝播させ、金属固定材料に生じた欠陥に反射する超音波エコーから、欠陥を検出するものである。しかし、超音波探傷による非破壊検査方法は、例えば、閉じた亀裂のように、金属固体材料の超音波伝播経路にある欠陥が超音波の波長よりは遙かに小さい場合には、超音波が閉じた亀裂を通過して超音波エコーに区切りができず、欠陥を検出できない。
また例えば、放射線による非破壊検査方法は、放射線を金属固体材料に照射して、内部の欠陥を検出するものである。しかし、放射線による非破壊検査方法は、数ミクロンの亀裂の検出は検出できないことがあり、信頼性に問題がある。
そこで、例えば特許文献1及び特許文献2では、非線形超音波による非破壊検査方法が提案されている。
上記非線形超音波による非破壊検査方法では、金属固体材料と送信超音波探触子と受信超音波探触子とを水中に配置している。送信超音波探触子は、金属固体材料へ垂直又は斜めに大振幅超音波を入射させて走査し、金属固体材料の内部に超音波を伝播させる。受信超音波探触子は、金属固体材料から反射する反射波をコンピュータに出力する。コンピュータは、反射波に含まれる高調波波形に基づいて非線形超音波特性を演算し、非線形超音波特性を画像処理して表示する。このような非線形超音波による非破壊検査方法は、金属固体材料の内部に発生する高調波波形を用いるので、閉じた亀裂や数ミクロンの亀裂でも検出することができる。
特開2006−64574号公報 特開2007−3197号公報
しかしながら、従来の非線形超音波による非破壊検査方法は、送信超音波探触子が金属固定材料に対して垂直又は斜めから一方向に超音波を入射していた。水素脆性亀裂は、一方向に二次元的に進展する疲労亀裂と異なり、粒界面に沿って亀裂が伝播するため、あらゆる方向へ三次元的に進展する特性を有する。従来の非線形超音波による非破壊検査方法は、検査対象物に対して一方向からのみ超音波を入射するため、粒界面に沿って複数の方向に三次元的に進展する欠陥を適正に検出できなかった。このような従来の非線形超音波による非破壊検査方法は、粒界面亀裂の長さ等の進展を見誤って金属固定材料の寿命評価を正確に行えない恐れがあるため、設備の健全性を維持管理するために使用するのが困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、あらゆる方向へ進展する粒界面亀裂を適正に検出することができる粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置は、以下の構成を有する。
(1)超音波伝播媒体を介して超音波探触子から検査対象物へ超音波を発振して、検査対象物に反射した反射波を受信子で受信し、前記反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算される非線形超音波特性を画像処理して表示する粒界面亀裂検出方法において、前記超音波探触子が前記検査対象物の表面に対して前記超音波を入射させる入射角を変えて前記反射波を入力し、前記入射角毎に入力した前記反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算される非線形超音波特性を前記入射角毎に画像処理して表示する。
(2)(1)に記載の発明において、前記超音波探触子が前記検査対象物の表面に対して前記超音波を垂直に入射させる場合の前記入射角を0度としたとき、前記入射角を前記0度から±10度の範囲内で変える。
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、前記検査対象物が、圧縮した水素ガスを貯める水素ガスタンク、水素ガスが流れる水素ガス配管、液体水素を貯める液体水素タンク、又は、液体水素が流れる液体水素配管である。
(4)(1)乃至(3)の何れか一つに記載の発明において、入射角毎に画像処理した二次元画像を合成して三次元的に亀裂面を表示する三次元亀裂面表示画像を作成する。
(5)設備を構成する金属材料の粒界面亀裂を検出する粒界面亀裂検出装置において、検査対象物に所定周波数の超音波を入射する超音波探触子と、前記超音波が前記検査対象物に反射して発生する反射波を受信する受信子と、前記超音波探触子が前記検査対象物の表面に対して前記超音波を入射させる入射角を調整する入射角調整機構と、前記入射角調整機構によって調整される前記入射角毎に前記受信子が受信する前記反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算した非線形超音波特性を画像処理して表示する画像処理部と、を有する。
(6)(5)に記載の発明において、前記入射角調整機構は、前記超音波探触子が前記検査対象物の表面に対して前記超音波を垂直に入射させる場合の前記入射角を0度としたとき、前記入射角を前記0度から±10度の範囲内で調整するものである。
(7)(5)又は(6)に記載の発明において、前記検査対象物が、圧縮した水素ガスを貯める水素ガスタンク、水素ガスが流れる水素ガス配管、液体水素を貯める液体水素タンク、又は、液体水素が流れる液体水素配管である。
(8)(5)乃至(7)の何れか一つに記載の発明において、前記画像処理部が入射角毎に画像処理した二次元画像を合成して、三次元的に亀裂面を表示する三次元亀裂面表示画像を作成する画像合成部を有する。
上記構成を有する粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置は、超音波探触子が検査対象物の表面に対して超音波を入射させる角度を入射角とし、この入射角を変えて反射波を入力し、入射角毎に入力した反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算される非線形超音波特性を入射角毎に画像処理して表示する。
具体的には、例えば、超音波探触子が検査対象物に超音波を第1入射角で入射するように超音波探触子を第1位置に配置した状態で、超音波伝播媒体を介して検査対象物に超音波を入射する。検査対象物に入射した超音波は、検査対象物の内部に応力を生じさせる。検査対象物に粒界面亀裂がある場合には、超音波が粒界面亀裂の凹凸面で散乱し、反射波の強度にばらつきを生じる。一方、疲労破壊などのように目視可能な欠陥は、超音波が散乱しにくく、反射波の強度にばらつきを生じにくい。粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置は、このようにして検査対象物に反射した反射波を、受信子で受信して入力する。
また、粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置は、超音波探触子が検査対象物に超音波を第2入射角で入射するように超音波探触子を第2位置に配置した状態で、第1位置に超音波探触子を配置する場合と同様にして、反射波を入力する。
そして、粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置は、第1及び第2入射角毎に入力した反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算した非線形超音波特性を第1及び第2入射角毎に画像処理して表示する。上述したように、反射波は、粒界面亀裂が生じている部分では強度にばらつきを生じやすく、目視できる亀裂が生じている場合では強度にばらつきを生じにくい。そのため、第1及び第2入射角毎に表示される画像は、粒界面亀裂が生じている部分と、目視できる亀裂が生じている部分とで表示内容が異なり、粒界面亀裂の進展具合を判断できる。
粒界面亀裂はあらゆる方向へ三次元的に進展するが、粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置は、第1及び第2入射角毎の反射波に基づいて画像を作成して表示する。そのため、例えば、第1入射角から超音波を入射しても粒界面亀裂を検出できない部分でも、第1入射角と異なる第2入射角から超音波を入射すると、粒界面亀裂を検出できることがある。また、第2入射角から超音波を入射した場合に検出される粒界面亀裂が、第1入射角から超音波を入射した場合に検出される粒界面亀裂より長く進展している場合がある。
よって、本発明の粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置によれば、検査対象物に入射する超音波の入射角をかえながら反射波を受信し、その反射波に基づいて画像を作成して表示することにより、あらゆる方向へ進展する粒界面亀裂を適正に検出することができる。
尚、ここでは、説明を簡単にするために第1及び第2入射角を例に挙げて説明したが、入射角は3個以上設定して良いことは言うまでもない。
本発明の粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置は、超音波探触子が検査対象物の表面に対して超音波を垂直に入射させる場合の入射角を0度としたとき、入射角を0度から±10度の範囲内で変えるので、検査対象物に入射した入射波が検査対象物の粒界面以外の要因で散乱して反射波にノイズを生じさせることを抑制できる。
本発明の粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置は、検査対象物が、圧縮した水素ガスを貯める水素ガスタンク、水素ガスが流れる水素ガス配管、液体水素を貯める液体水素タンク、又は、液体水素が流れる液体水素配管であるので、粒界面に沿って進展する水素脆性亀裂を検出することができる。
本発明の粒界面亀裂検出方法と粒界面亀裂検出装置は、入射角毎に画像処理した二次元画像を合成して三次元的に亀裂面を表示する三次元亀裂面表示画像を作成するため、亀裂面の進展度合いや進展方向を立体的に確認でき、便利である。
次に、本発明に係る粒界面亀裂検出方法及び粒界面亀裂検出装置の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、粒界面亀裂検出装置1の概略構成図である。
粒界面亀裂検出装置1及び粒界面亀裂検出方法は、例えば、水素ステーションのインフラ設備の維持管理に用いられる。
<粒界面亀裂検出装置の構成>
図1は、粒界面亀裂検出装置1の概略構成図である。
粒界面亀裂検出装置1は、水3を張った水槽2の中に、試験片(検査対象物)Wと、超音波探触子6が配置されている。超音波探触子6は、水3を介して試験片Wへ超音波(大振幅バースト波)を出力し、試験片Wの検査対象点に超音波を集束して入射する送信部6aと、試験片Wからの反射波を受信する受信部6bを備える。超音波探触子6は、走査機構4に保持され、試験片Wに対して相対的に移動されるようになっている。走査機構4には、入射角調整機構5が設けられている。入射角調整機構5は、超音波探触子6を図中矢印Rに示すように回動させて超音波探触子6の向きを調整することにより、超音波探触子6が発する超音波が試験片Wの表面に入射する角度(入射角)θを調整する。
尚、本実施形態では、超音波探触子6が試験片Wに超音波を垂直に入射させる入射角θを0度とする。超音波探触子6を垂直位置から一方向(例えば図中反時計回り)に回動させた場合の入射角をプラスで表示し、超音波探触子6を垂直位置から他方向(例えば図中時計回り)に回動させた場合の入射角をマイナスで表示する。
粒界面亀裂検出装置1は、制御装置10によって、走査機構4や入射角調整機構5の動作や、超音波探触子6が受信した反射波を入力し、入射角毎に画像を作成して表示する画像処理等が制御されている。
制御装置10は、周知のコンピュータであるので、詳細な説明を省略する。制御装置10は、信号発生部11と、同期操作部12と、入射角制御部13と、増幅部14と、波形記憶部15と、波形処理部16と、画像化部17と、表示部18とを備える。
信号発生部11は、一定間隔で一定繰返数のバースト波信号を発生させるものである。信号発生部11が発生するバースト波信号は、高出力アンプ7により増幅された後、超音波探触子6の送信部6aに供給される。
同期操作部12は、信号発生部11で発生される信号に同期して走査機構4を駆動するものである。
入射角制御部13は、大振幅バースト波が試験片Wに入射する入射角θに応じて超音波探触子6の向きを調整するように入射角調整機構5の駆動を制御するものである。
増幅部14は、バンドパスフィルタ8を介して超音波探触子6の受信部6bに接続している。バンドパスフィルタ8は、受信部6bが受信した反射波(横波散乱波)から特定周波数の高調波を抽出する。増幅部14は、バンドパスフィルタ8から高調波を入力して増幅させる。
波形記憶部15は、増幅部14で増幅された高調波をデジタル化したデジタル波形を収録する。
波形処理部16は、波形記憶部15に記憶された収録波形に対して、最大振幅、波形立ち上がり時間、包絡線などの非線形超音波特性を演算するものである。
画像化部17は、波形処理部16が演算した非線形超音波特性を画像処理するものである。
表示部18は、画像化部17が画像処理した結果を、グレイスケール階調あるいはカラー色調で二次元画像を表示する。
尚、本実施形態では、増幅部14と波形処理部16と画像化部17と表示部18が「画像処理部」に相当する。
<粒界面亀裂検出方法>
次に、粒界面亀裂検出方法について説明する。図2は、図1に示す制御装置10が実行する粒界面亀裂検出プログラムのフローである。図3は、超音波探触子6と試験片Wとの位置関係を概念的に示す図である。
制御装置10は、図示しない検出開始スイッチが押下されると、図2に示す粒界面亀裂検出プログラムを実行し、粒界面亀裂の検出を行う。
図2に示すように、制御装置10は、入射角θや設定回数N、走査回数n、波形記憶部15を初期化する(ステップ1(以下「S1」と略記する。))。そして、図示しない操作部に入射角θをユーザに複数設定させる。例えば、ユーザは、入射角θとして0度(垂直)と4度と8度と−8度を設定する(S2)。そして、設定された入射角θに応じて設定回数Nを設定する。ユーザが入射角θとして0度とと4度と8度と−8度を設定した場合には設定回数Nを「4」に設定する(S3)。
そして、走査回数nに1をセットした後、入射角制御部13に入射角調整機構5を駆動させ、入射角θを調整する。例えば図3の実線に示すように、入射角θが0度(垂直)になるように、超音波探触子6を試験片Wに対して垂直に配置する(この位置を「P1」とする。)(S4,S5)。
そして、図2及び図3に示すように、信号発生部11から一定間隔で一定繰返数のバースト波信号を発生させ、それを高出力アンプ7で増幅してから超音波探触子6の送信部6aへ送る。このとき、信号発生部11がバースト波信号を発生させるタイミングと同期するように走査機構4を駆動させる。送信部6aは、増幅された大振幅バースト波信号を超音波波動に変換する。送信部6aが発振した大振幅バースト波は水中及び材料中で集束され、集束横波超音波として試験片Wの検査領域V内の検査対象点に達する(S6)。
一定周波数からなる集束横波超音波が、検査対象点にある微差凹凸面或いは音響インピーダンス差異のある微細領域に入射すると、試験片W内に繰り返し応力が発生し、マイクロクラック面の繰り返し打撃あるいは摩擦すべりにより励起される横波散乱波が発生する。横波散乱波は、集束超音波の送信経路と同じ経路で反射し、受信部6bに反射波として受信される。受信部6bは、反射波を電気信号に変換してバンドパスフィルタ8に出力する。バンドパスフィルタ8は、受信部6bから受信した電気信号から特定周波数を抽出し、増幅部14に出力する。増幅部14は、バンドパスフィルタ8によって抽出された特定周波数をデジタル波形に変換し、波形記憶部15に記憶する。これにより、制御装置10は、超音波探触子6を第1位置P1に配置した場合における高調波成分(高調波波形)を取得する(S7)。
以上の処理が終了すると、図2に示すように、走査回数nが設定回数Nか否かを確認する(S8)。現時点では、走査回数nが1であって、設定回数の「4」でないので、走査回数nに1を加算した後、入射角θを変更する(S8:NO、S9、S4)。例えば、入射角θを「0度」から「4度」にするように、入射角制御部13に入射角調整機構5を駆動させ、超音波探触子6の配置を変更する(この位置を「P2」とする。)。以後、上記と同様にS5〜S9の処理を繰り返し、超音波探触子6を第2位置P2に配置した場合における高調波成分を取得する。
上記一例の処理は、設定された入射角θに対応するように超音波探触子6を回動させて配置し、各位置で高調波成分を取得するまで行う。例えば、入射角θが「0度と4度と8度と−8度」に設定されている場合には、図3に示すように、0度と4度と8度と−8度に対応するように超音波探触子6を第1〜第4位置P1〜P4にそれぞれ配置して高調波成分を取得する。
第1〜第4位置P1〜P4における高調波成分を取得したら、波形記憶部15に記憶されているデジタル波形に対して最大振幅、波形立ち上がり時間、包絡線などの非線形超音波特性を波形処理部16で演算する。そして、画像化部17において、波形処理部16の演算結果をグレイスケール階調あるいはカラー色調で2次元画像化する。そして、その二次元画像を表示部18に表示する(S9:YES、S11)。
<水素脆性亀裂検出試験>
次に、水素脆性亀裂検出試験について説明する。
実験は、水素脆性亀裂を形成した試験片Wを作成し、その試験片Wを上記粒界面亀裂検出装置1にセットして上記水素脆性亀裂検出プログラムを実行し、試験片Wの反射波に基づいて画像を作成して表示することにより行った。
図4は、実験で使用した試験片Wの平面図であって、(a)は試験片Wの平面図を示し、(b)は試験片Wに進展した亀裂を概念的に示す図である。
図4の(a)及び(b)に示す試験片Wには、応力腐食割れ標準試験法(日本学術振興会 材料強度と破壊第129委員会偏 応力腐食割れ標準試験法第129委員会基準、日本材料強度学会(1985))に準拠して作成した厚さ25.4mmのWOL(Wedge Opening Load)試験片を使用した。
試験片Wは、SCM440を材質とする。試験片Wには、疲労破壊を入りやすくするために機械切欠を設け、その機械切欠の先端から疲労亀裂を導入することにより、疲労破壊予亀裂X1を形成する。そして、試験片Wには、遅れ破壊試験方法により応力負荷を加える。このように負荷を加えられた試験片Wは、蒸留水に塩化ナトリウムとチオシアン酸アンモニウム液を注入して作成した電解質に入れられ、ポテンシオスタットを用いて定電位法で陰極チャージを行うことにより、水素を内部に侵入させている。これにより、試験片Wには、図4(b)に示すように、目視可能な疲労破壊予亀裂X1の先に水素脆性亀裂X2が進展する。
このようにして作成された試験片Wは、図1に示す水槽2の水3の中に配置される。実験では、粒界面亀裂検出装置1に入射角θを「0度、4度、8度、−8度」を設定した。
粒界面亀裂検出装置1は、図3に示すように、超音波の入射角θを0度にするために、超音波探触子6を試験片Wに対して垂直となる第1位置P1に配置する。図1に示す粒界面亀裂検出装置1は、信号発生部11からの信号を高出力アンプ7で増幅して送信部6aから10μmの振幅をもつ超音波を20MPaの周波数で発生させる。超音波は、試験片Wに対して垂直に入射し、試験片Wの内部で数十MPa程度の繰り返し応力を励起する。このとき、粒界面に沿って水素脆性が進展した部分では、マイクロクラック面などの界面に繰り返す打撃や摩擦すべりをもたらし、入射波の整数倍の高周波を持つ高調波を励起する。超音波探触子6の受信部6bは、試験片Wからの反射波を受信し、バイパスフィルタ8に出力する。バイパスフィルタ8は、特定周波数を抽出して高調波波形を、増幅部14へ出力する。そして、増幅部14が高調波波形を増幅して生成したデジタル波形を、波形記憶部15に記憶する。
粒界面亀裂検出装置1は、入射角0度について高調波波形を取得すると、図3に示すように、入射角θを4度とするように超音波探触子6を第2位置P2へ移動させ、上記と同様にして、入射角4度について高調波波形を取得する。
そして、粒界面亀裂検出装置1は、入射角4度について高調波波形を取得したら、入射角8度、入射角−8度についても高調波波形を順次取得する。
設定された入射角θ(0度、4度、8度、−8度)についてそれぞれ高調波波形を入力すると、波形記憶部15に記憶した各入射角θのデジタル波形を解析して処理する。そして、デジタル波形の増幅や伝播時間などを求めて画像化し、表示部18に表示する。
図5〜図8は、水素脆性亀裂検出の実験結果を示す画面の一例である。図5〜図8に示すハッチングは、反射波の強度の大きさを示し、黒に近づくように濃くなるほど反射波の強度が大きく、白に近づくように薄くなるほど反射波の強度が小さい。図5〜図8の上方の図は、図4(a)のZ部において発生した疲労破壊予亀裂X1と水素脆性亀裂X2を示す図であって、反射波の強度と亀裂との対応関係を示している。
図5〜図8に示すように、表示部18に表示される画像は、反射波の同一強度が帯状に表示される部分と、反射波の強度が斑にばらついて表示される部分とを含む。水素脆性亀裂X2のように粒界面に沿って亀裂が進展する場合、亀裂の凹凸が多いため、試験片Wに入射した超音波が凹凸面で散乱し、入射時より強度を小さくしてばらつく。一方、疲労破壊予亀裂X1のように目視できる欠陥の場合、凹凸が少ないため、送信部6aが発振する超音波が散乱しにくく、強度にばらつきを生じにくい。よって、反射波の強度が面的に表示されている部分は、疲労破壊予亀裂X1が発生し、反射波の強度が斑点状にばらついて表示されている部分は、水素脆性亀裂X2が発生していると判断できる。
ここで、入射角θを0度にするように超音波探触子6を第1位置P1に配置した場合には、図5のY1部分が反射波を検出しない部分を含み、水素脆性亀裂X2が進展していないように見える。
しかし、図6〜図8に示すように、入射角θを4度、8度、−8度にするように超音波探触子6を第2〜第4位置P2〜P4に配置すると、Y1部分の反射波を検出し、水素脆性亀裂X2が進展していることが分かる。特に、図7及び図8に示すように、入射角θを8度、−8度にした場合には、Y1部分において水素脆性亀裂X2が他の部分より長く進展していることが分かる。
また、入射角θを0度、4度、−8度にするように超音波探触子6を第1位置P1、第2位置P2、第4位置P4に配置した場合には、図5、図6、図8に示すY2部分が反射波を検出しない部分を含み、水素脆性亀裂X2があまり進展していないように見える。しかし、入射角θを8度にするように超音波探触子6を第3位置P3に配置した場合には、図7に示すY2部分が反射波を検出し、水素脆性亀裂X2が進展していることが分かる。
更に、入射角θを0度、−8度にするように超音波探触子6を第1位置P1、第4位置P4に配置した場合には、図5、図8に示すY3部分が反射波を検出しない部分を含み、水素脆性亀裂X2があまり進展していないように見える。しかし、入射角θを4度、8度にするように超音波探触子6を第2及び第3位置P2,P3に配置した場合には、図6及び図7に示すY3部分が反射波を検出し、水素脆性亀裂X2が進展していることが分かる。
よって、図5〜図8のY1〜Y3部分に示すように、超音波の入射角θを変化させることにより、様々な粒界面に沿って亀裂を検出することができる。これは、超音波の入射角θを変えることにより、超音波が粒界面に沿ったそれぞれの亀裂部分で励起され、反射波の強度を変えるためである。この結果、入射角θを多数設定することにより、あらゆる方向に進展する水素脆性亀裂X2の進展具合や進展方向を確認し、水素脆性亀裂X2の長さを見誤ることを回避できるようになる。
尚、発明者らは、上記実験で使用した試験片Wを用いて、入射角θを変えて水素脆性亀裂X2の検出を行った。例えば、発明者らは、入射角θを0度、3度、6度、9度に設定し、周波数を4Mに設定して実験を行った。この結果、疲労破壊予亀裂X1が生じた部分では、反射波の強度が一定に表示され、水素脆性亀裂X2が生じた部分では、反射の強度が斑に表示された。よって、入射角θをプラス方向のみに変えても、水素脆性亀裂X2の検出が可能である。これは、逆に、入射角θをマイナス方向のみに変えても水素脆性亀裂X2の検出が可能であることを意味する。
このような実験を重ね、発明者らは、入射角θを±10度の範囲内で設定すると、水素脆性亀裂X2を精度良く検出できることを確認した。通常、探触子6の配置を僅かにずらしただけでは、反射波の強度は変わらないようにも思われる。しかし、超音波は、分解能が細かいため、探触子6の配置を僅かにずらすだけでも試験片Wの内部組織を細かく解析し、水素脆性亀裂X2の進展具合を確認できる。よって、検査対象物がタンクや配管など平坦でないものであっても、探触子6の配置を僅かにずらして入射角θを変えるだけで水素脆性亀裂X2の進展具合や進展方向を確認できる。
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の粒界面亀裂検出装置1及び粒界面亀裂検出方法は、試験片Wに入射する超音波の入射角をかえながら反射波を受信し(図2のS5〜S9)、その反射波に基づいて画像を作成して表示することにより(図2のS10,S11)、あらゆる方向へ進展する粒界面亀裂を適正に検出することができる。この結果、本実施形態の粒界面亀裂検出装置1及び粒界面亀裂検出方法は、粒界面亀裂の長さ等の進展を大きく見誤ることがなく、金属固定材料の寿命評価を正確に行えるため、水素ステーション等のインフラ設備の健全性を維持管理するために使用することが可能である。
本実施形態の粒界面亀裂検出装置1及び粒界面亀裂検出方法は、超音波探触子6が試験片Wの表面に対して超音波を垂直に入射させる場合の入射角を0度としたとき、入射角を0度から±10度の範囲内で変えるので、試験片Wに入射した入射波が検査対象物の粒界面以外の要因で散乱して反射波にノイズを生じさせることを抑制できる。
上記粒界面亀裂検出方法を適用した一実施例を説明する。図9は、図1に示す粒界面検出装置の実施例を示す概念図である。
上記粒界面亀裂検出方法は、例えば、水素ステーションに設置された水素ガスタンク52(検査対象物の一例)の水素脆性亀裂X2を測定する粒界面亀裂検出装置51に適用される。
図9(a)(b)に示す水素ガスタンク52は、SCM435を材質とし、外周面の直径が30cm、全長が4mの円柱形状をなす。水素ガスタンク52は、材料の継ぎ目などに溶接52aが施されている。水素脆性亀裂X2は、溶接52aが施された箇所に進展しやすいと考えられる。
そこで、粒界面亀裂検出装置51は、水素ガスタンク52の溶接52aに対応する箇所に容器53を設置する。そして、その容器53に水3を張って局部的な水浸状態を作り出す。そして、その水3に超音波探触子6の先端部分を浸し漬ける。超音波探触子6は、容器53に組み付けられた走査装置54によって2軸方向に移動自在に保持されると共に、入射角調整装置57により向きを変えて超音波の入射角θを変えられるようになっている。
超音波探触子6と走査装置54と入射角調整装置57は、配線55を介して制御装置56に接続されている。制御装置56は、高出力アンプ7、バンドパスフィルタ8、信号発生部11、同期走査部12、入射角制御部13、増幅部14、波形記憶部15、波形処理部16、画像化部17、表示部18等を備え、ワンボックスにされて持ち運び容易にされている。
尚、水素ステーションのインフラ設備を点検する場合には、配管やタンクの全箇所を隈無く検査することは現実的でない。そこで、例えば、水素ガスタンク52や配管の一部に欠陥を意図的に設け、他の部分に先駆けて水素脆性亀裂X2が入りやすい点検場所を設けておくと良い。これにより、粒界面亀裂検出装置51を特定の点検場所に設置すれば、当該タンクや配管の中で最も水素脆性亀裂X2が進展している部分を確実に検査できる。
上記構成の粒界面亀裂検出装置51は、超音波探触子6を容器53の水に浸すようにセットし、水素ガスタンク52を走査する。超音波探触子6が発振する超音波は、設定された入射角θに従って水素ガスタンク52の表面から内部に侵入する。そして、例えば、水素ガスタンク52の流路面から水素脆性亀裂X2が進展している場合には、その水素脆性亀裂X2の凹凸面に超音波がぶつかって散乱し、反射波(横波散乱波)を生じる。制御装置56は、受信部6bが受信する水素ガスタンク52の反射波に基づいて高調波強度を測定し、その測定結果を画像化して表示部18に表示する。
検査担当者は、表示部18の表示内容を見て、水素脆性亀裂X2の進展具合を確認して評価する。水素脆性亀裂X2の評価は、例えば、高調波強度が斑に表示される領域の全長が、所定値を超えるか否かにより行い、所定値を超えた場合に水素ガスタンク52の交換を要すると判断する。
尚、粒界面亀裂検出装置51は、入射角θを±90度とするように超音波探触子6を配置しなくても、入射角θが±10度の範囲で超音波探触子6を移動させれば、水素脆性亀裂X2の進展具合を進展方向を確認できるので、容器53や走査機構54、入射角調整機構54をコンパクトにして小型化できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
(1)例えば、上記実施形態では、上記実施形態では、試験片Wと超音波探触子6を水浸させる水浸反射法で説明したが、超音波を樹脂製楔で収束させて試験片Wに向けて発振させても良い。また、超音波伝播媒体をジェル状にして試験片の表面に塗布しても良い。
(2)例えば、上記実施形態では、送信部6aと受信部6bを単一の超音波探触子6に設けたが、送信超音波探触子と受信超音波探触子の2つを設けてもよい。この場合、各探触子に走査機構4と入射角調整機構5を設けてもよいし、1つの走査機構4と一つの入射各調整機構5により送信超音波端子と受信超音波端子を一体的に移動しても良い。
(3)例えば、上記実施形態において、高調波のデジタル波形を同期加算して波形記憶部15に記憶しても良い。
(4)例えば、上記実施形態では、周波数を20Mに設定したが、周波数はこれに限定されず、例えば4Mとしても良い。この場合、図10〜図13に示すように画像の鮮明度は落ちるものの、予亀裂部分X1では強度が直線状に表示され、水素脆性亀裂部分X2では強度が斑にばらついて表示される。よって、周波数を4Mにしても、水素脆性亀裂X2の進展を検出することが可能である。
(5)上記実施形態では、粒界面亀裂の一例として水素脆性亀裂X2を挙げたが、水素脆性亀裂X2以外の粒界面亀裂にも粒界面亀裂検出装置1や粒界面亀裂検出方法を適用できる。
(6)上記実施形態では、試験片Wの表面に対して超音波を垂直に入射させる場合の入射角を基準位置にして入射角を変更したが、基準位置はこれに限定されない。そして、入射角を変える方向は上記実施形態で説明した方向に限定されない。
(7)上記実施形態では、入射角毎に演算した非線形超音波特性を画像処理して二次元画像を入射角毎に得た。これに対して、このようにして得られた二次元画像を合成して三次元的に亀裂面を表示する三次元亀裂面表示画像を作成するようにしてもよい。これによれば、亀裂面の進展度合いや進展方向を立体的に確認することができ、便利である。
本発明の実施形態に係る粒界面検出装置の概略構成図である。 図1に示す制御装置が実行する粒界面亀裂検出プログラムのフローである。 超音波探触子と試験片との位置関係を概念的に示す図である。 実験で使用する試験片を示す図である。(a)は試験片の平面図を示し、(b)は試験片の内部に進展した亀裂を概念的に示す図である。 周波数を20Mに設定して水素脆性亀裂を検出する実験結果を示す画面の一例であって、特に入射角θを0度に設定した場合を示す。 周波数を20Mに設定して水素脆性亀裂を検出する実験結果を示す画面の一例であって、特に入射角θを4度に設定した場合を示す。 周波数を20Mに設定して水素脆性亀裂を検出する実験結果を示す画面の一例であって、特に入射角θを8度に設定した場合を示す。 周波数を20Mに設定して水素脆性亀裂を検出する実験結果を示す画面の一例であって、特に入射角θを−8度に設定した場合を示す。 図1に示す粒界面検出装置の実施例を示す概念図である。(a)は、水素ガスタンクの側面図であり、(b)は、水素ガスタンクの断面図である。 周波数を4Mに設定して水素脆性亀裂を検出する実験結果を示す画面の一例であって、特に入射角θを0度に設定した場合を示す。 周波数を4Mに設定して水素脆性亀裂を検出する実験結果を示す画面の一例であって、特に入射角θを4度に設定した場合を示す。 周波数を4Mに設定して水素脆性亀裂を検出する実験結果を示す画面の一例であって、特に入射角θを8度に設定した場合を示す。 周波数を4Mに設定して水素脆性亀裂を検出する実験結果を示す画面の一例であって、特に入射角θを−8度に設定した場合を示す。
符号の説明
1,51 粒界面検出装置
6 超音波探触子
6b 受信部
14 増幅部
16 波形処理部
17 画像化部
18 表示部
52 水素ガスタンク
W 試験片(検査対象物)
X2 水素脆性亀裂

Claims (8)

  1. 超音波伝播媒体を介して超音波探触子から検査対象物へ超音波を発振して、検査対象物に反射した反射波を受信子で受信し、前記反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算される非線形超音波特性を画像処理して表示する粒界面亀裂検出方法において、
    前記超音波探触子が前記検査対象物の表面に対して前記超音波を入射させる入射角を変えて前記反射波を入力し、前記入射角毎に入力した前記反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算される非線形超音波特性を前記入射角毎に画像処理して表示する
    ことを特徴とする粒界面亀裂検出方法。
  2. 請求項1に記載する粒界面亀裂検出方法において、
    前記超音波探触子が前記検査対象物の表面に対して前記超音波を垂直に入射させる場合の前記入射角を0度としたとき、前記入射角を前記0度から±10度の範囲内で変える
    ことを特徴とする粒界面亀裂検出方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する粒界面亀裂検出方法において、
    前記検査対象物が、圧縮した水素ガスを貯める水素ガスタンク、水素ガスが流れる水素ガス配管、液体水素を貯める液体水素タンク、又は、液体水素が流れる液体水素配管である
    ことを特徴とする粒界面亀裂検出方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する粒界面亀裂検出方法において、
    入射角毎に画像処理した二次元画像を合成して三次元的に亀裂面を表示する三次元亀裂面表示画像を作成する
    ことを特徴とする粒界面亀裂検出方法。
  5. 設備を構成する金属材料の粒界面亀裂を検出する粒界面亀裂検出装置において、
    検査対象物に所定周波数の超音波を入射する超音波探触子と、
    前記超音波が前記検査対象物に反射して発生する反射波を受信する受信子と、
    前記超音波探触子が前記検査対象物の表面に対して前記超音波を入射させる入射角を調整する入射角調整機構と、
    前記入射角調整機構によって調整される前記入射角毎に前記受信子が受信する前記反射波に含まれる高調波波形に基づいて演算した非線形超音波特性を、前記入射角毎に画像処理して表示する画像処理部と、
    を有することを特徴とする粒界面亀裂検出装置。
  6. 請求項5に記載する粒界面亀裂検出装置において、
    前記入射角調整機構は、前記超音波探触子が前記検査対象物の表面に対して前記超音波を垂直に入射させる場合の前記入射角を0度としたとき、前記入射角を前記0度から±10度の範囲内で調整するものである
    ことを特徴とする粒界面亀裂検出装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載する粒界面亀裂検出装置において、
    前記検査対象物が、圧縮した水素ガスを貯める水素ガスタンク、水素ガスが流れる水素ガス配管、液体水素を貯める液体水素タンク、又は、液体水素が流れる液体水素配管である
    ことを特徴とする粒界面亀裂検出装置。
  8. 請求項5乃至請求項7の何れか一つに記載する粒界面亀裂検出装置において、
    前記画像処理部が入射角毎に画像処理した二次元画像を合成して、三次元的に亀裂面を表示する三次元亀裂面表示画像を作成する画像合成部を有する
    ことを特徴とする粒界面亀裂検出方法。
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