JP2009293676A - トルクコンバータの冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の構成を流用しつつトルクコンバータを効率的に冷却することのできるトルクコンバータの冷却装置を提供する。
【解決手段】エンジンのクランクシャフト10の回転力は、トルクコンバータ30を介してトランスミッションに伝達される。これらクランクシャフト10とトルクコンバータ30のフロントカバー31とは、ドライブプレート11を介して連結されている。第1スペーサ20は、ドライブプレート11のトルクコンバータ30側の面に配置されてドライブプレート11とともにクランクシャフト10の端部に固定されて、クランクシャフト10の回転に伴いフロントカバー31の外周方向に空気を送出する羽根21を有する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジンのクランクシャフト10の回転力は、トルクコンバータ30を介してトランスミッションに伝達される。これらクランクシャフト10とトルクコンバータ30のフロントカバー31とは、ドライブプレート11を介して連結されている。第1スペーサ20は、ドライブプレート11のトルクコンバータ30側の面に配置されてドライブプレート11とともにクランクシャフト10の端部に固定されて、クランクシャフト10の回転に伴いフロントカバー31の外周方向に空気を送出する羽根21を有する。
【選択図】図1
Description
この発明はエンジンのクランクシャフトの回転力をトランスミッションに伝達するトルクコンバータの冷却装置に関する。
自動変速機を備える車両では、エンジンの動力がトルクコンバータを介して自動変速機に伝達される。また、エンジンの出力軸であるクランクシャフトとトルクコンバータとは、ドライブプレートを介して連結されている。具体的には、ドライブプレートの中心部がエンジンのクランクシャフトの端部に固定されるとともに、同プレートの外縁部がトルクコンバータのカバーの外縁部に固定されることにより、クランクシャフトとトルクコンバータとが連結されている。なお、ドライブプレートは、クランクシャフトとの固定部分の強度及び剛性を向上させるべく、2枚のスペーサで同プレートが挟持された上でこれらスペーサとともにクランクシャフトの端部にボルト締め固定されている(例えば特許文献1参照)。
こうしたトルクコンバータにあっては、ロックアップ機構を備える構成が知られている。ロックアップ機構は、トルクコンバータのカバーの内側にロックアップクラッチを当接させることにより、トルクコンバータでの流体伝達を経ることなくエンジンの動力を直接変速機に伝達する機構である。
ここで、トルクコンバータのカバーの内側にロックアップクラッチが当接すると、この当接部分が摩擦によって発熱する。こうした発熱によって加温されるトルクコンバータ内部は、一般に、このトルクコンバータ内の作動油によって冷却されている。また、こうした作動油による冷却に加えて、さらにトルクコンバータ内部の冷却効率を上昇させるべく、特許文献2に記載の構成が提案されている。特許文献2に記載の構成では、ドライブプレートに空気導入口を形成するとともに、この空気導入口を通じてクランクシャフト側からトルクコンバータ側に空気を導くガイド部をドライブプレートに設けている。そして、ドライブプレートの回転に伴いトルクコンバータ側に空気を導入し、これによってトルクコンバータを冷却しようとしている。
実開平6−43409号公報
特開平11−182649号公報
ところで、上記特許文献2に記載の構成は、ドライブプレートにガイド部を設けるとともに、このガイド部によって空気流れを形成するものであるため、こうしたガイド部の形成によりドライブプレートの強度が低下したり同プレートのバランスが悪化したりすることがあり、ひいては振動や異音が発生するおそれがある。一方、トルクコンバータを冷却するための専用の装置を新たに加えることは、部品点数やコストの増加を招くため好ましくない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の構成を流用しつつトルクコンバータを効率的に冷却することのできるトルクコンバータの冷却装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、エンジンのクランクシャフトの回転力をトランスミッションに伝達するトルクコンバータの冷却装置であって、前記クランクシャフトと前記トルクコンバータのカバーとを連結するドライブプレートの前記トルクコンバータ側の面に配置されて前記ドライブプレートとともに前記クランクシャフトの端部に固定されているスペーサに形成され、前記クランクシャフトの回転に伴い前記カバーの外周方向に空気を送出する送風手段を備えることを要旨とする。
請求項1に記載の発明は、エンジンのクランクシャフトの回転力をトランスミッションに伝達するトルクコンバータの冷却装置であって、前記クランクシャフトと前記トルクコンバータのカバーとを連結するドライブプレートの前記トルクコンバータ側の面に配置されて前記ドライブプレートとともに前記クランクシャフトの端部に固定されているスペーサに形成され、前記クランクシャフトの回転に伴い前記カバーの外周方向に空気を送出する送風手段を備えることを要旨とする。
上記構成によれば、クランクシャフトの回転に伴いトルクコンバータのカバーの外周方向に空気を送出する送風手段を備えるため、送風手段によって送出される空気によってカバーの熱が奪われるとともにこの熱によって温められた空気は外周方向に送出される。したがって、このように送出される空気によってトルクコンバータを冷却することができる。また、この送風手段は、クランクシャフトとトルクコンバータのカバーとを連結するドライブプレートのトルクコンバータ側の面に配置されてドライブプレートとともにクランクシャフトの端部に固定されているスペーサに形成されている。このスペーサは、ドライブプレートとクランクシャフトとの固定部分の強度及び剛性を向上させるべく設けられるものであるため、専用の装置を新たに加えることなく送風手段を形成することができる。したがって、従来の構成を流用しつつトルクコンバータを効率的に冷却することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトルクコンバータの冷却装置において、前記ドライブプレートは、前記クランクシャフトの軸方向に同ドライブプレートを貫通する貫通孔を更に有し、前記送風手段は、前記スペーサに形成される羽根であることを要旨とする。
上記構成によれば、ドライブプレートは、クランクシャフトの軸方向に同ドライブプレートを貫通する貫通孔を更に有し、送風手段は、スペーサに形成される羽根であるため、貫通孔を通じて空気が導入されるとともに羽根によって空気が送出されるようになり、この空気の流れを円滑にすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のトルクコンバータの冷却装置において、前記羽根は、前記貫通孔と対向可能な位置に形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、羽根は、貫通孔と対向可能な位置に形成されているため、貫通孔から導入した空気を、より効率的にドライブプレートの外周方向に送出することができるようになる。
上記構成によれば、羽根は、貫通孔と対向可能な位置に形成されているため、貫通孔から導入した空気を、より効率的にドライブプレートの外周方向に送出することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトルクコンバータの冷却装置において、前記ドライブプレートは、その外縁部が前記カバーの外縁部に固定されるものであり、前記スペーサは、その中心部よりも外縁部の方が前記ドライブプレートから離間するように屈曲する屈曲部を有することを要旨とする。
ところで、トルクコンバータのカバー及びその内部に貯留される作動油には回転による遠心力が作用する。トルクコンバータのカバーは、この遠心力によって回転軸と直交する方向に膨張するため、このカバーにおいてドライブプレートと対向する部分ではその外縁部がエンジンから離間する方向に撓むこととなる。ここで、ドライブプレートの外縁部はトルクコンバータのカバーの外縁部に固定されているため、こうしたカバーの変形に追従してドライブプレートの外縁部もエンジンと離間する方向に撓むこととなる。このようにドライブプレートがエンジンと離間する方向、すなわちトルクコンバータ側に変形すると、ドライブプレートのトルクコンバータ側の面に配置されているスペーサとドライブプレートが干渉するおそれがある。
上記構成によれば、スペーサは、その中心部よりも外縁部の方がドライブプレートから離間するように屈曲する屈曲部を有するため、ドライブプレートが撓む場合であっても、スペーサとドライブプレートが干渉することを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトルクコンバータの冷却装置において、前記スペーサは、前記送風手段を含めた直径が前記ドライブプレートの直径の略半分に形成されていることを要旨とする。
ところで、回転するプレートに送風手段を形成する場合において、異音や振動の発生を抑制するためには、全体のバランスを保持するべく送風手段の形成に際して高い精度が要求される。一般に、送風手段を含めたプレートの直径が大きくなるほど全体に高い精度を保つことが難しくなる傾向がある。また、送風手段を含めたプレートの直径が小さくなりすぎると、送風手段による空気の送出効率が低下してトルクコンバータの冷却効率が低下するおそれがある。
この点、上記構成によれば、スペーサは、送風手段を含めた直径がドライブプレートの直径の略半分に形成されているため、送風手段によってトルクコンバータを効率よく冷却しつつ、全体のバランスが悪化することを抑制することができる。
以下、本発明にかかるトルクコンバータの冷却装置を具体化した一実施形態について説明する。図1は、本発明が適用されたドライブプレート11とその周辺構成を示す断面図である。
同図に示されるように、エンジンの出力軸であるクランクシャフト10と、このクランクシャフト10の回転力をトランスミッション(図示略)に伝達するトルクコンバータ30は、金属部材からなる円盤状のドライブプレート11を介して連結されている。
トルクコンバータ30は、上記ドライブプレート11が固定されるフロントカバー31と、このフロントカバー31に一体回転可能に連結されているインペラ40と、同インペラ40と対向するタービン41と、これらインペラ40とタービンとの間に配置されるステータ42とを備えている。また、フロントカバー31とインペラ40とによって区画形成される流体室32には、クランクシャフト10の回転力をトランスミッションのインプットシャフト57に伝達する作動油が貯留されるとともに、フロントカバー31とタービン41とを機械的に連結するためのロックアップクラッチ機構50が設けられている。
インペラ40は、作動油を循環させる空間を構成するインペラシェル44と、その回転方向に沿って所定角度毎にインペラシェル44の内側に装着された複数のインペラブレード45と、インペラシェル44の内周端に固定された円筒状のインペラハブ56とを有している。
タービン41は、作動油を循環させる空間を構成するタービンシェル46と、その回転方向に沿って所定角度毎にタービンシェル46の内側に装着された複数のタービンブレード47と、タービンシェル46の内周端に固定されたタービンハブ48とを有している。このタービンハブ48の内周には、インプットシャフト57と係合するスプライン48aが形成されている。このスプライン48aは、タービンハブ48が回転軸線(中心線)Cに沿った方向にインプットシャフト57に対して相対移動することを許容するものである。
ステータ42には、インペラブレード45とタービンブレード47との間に対応する部分に、その回転方向に沿って所定角度毎に複数のステータブレード49が形成されている。また、このステータ42は、同ステータ42を一方向にだけ回転可能にするワンウェイクラッチ43を介してステータシャフト54に連結されている。なお、このステータシャフト54は、トランスミッションのハウジング(図示略)に固定されている。
ロックアップクラッチ機構50は、フロントカバー31の近傍に同カバー31と略平行であって回転軸線Cに沿って移動可能に配置された円環状のクラッチプレート51と、このクラッチプレート51の外縁部にあってフロントカバー31側の面に固定された摩擦部材52とを備えている。クラッチプレート51は、ダンパ53を介して上記タービンハブ48に一体回転可能に連結されている。
ここで、クランクシャフト10の端部には、フランジ部10Aと、このフランジ部10Aからトルクコンバータ30側に円環状に突出する軸突出部10Bが形成されている。また、このフランジ部10Aには、クランクシャフト10の回転軸線Cを中心とする同一円周上に沿って所定角度毎に複数のボルト孔10Cが形成されている。
ドライブプレート11は、その外縁部であって回転軸線Cを中心とする対称な複数の位置において、トルクコンバータ30のフロントカバー31に対してボルト14により固定されている。
また、ドライブプレート11の中心部には、軸突出部10Bが挿入される軸孔11aが形成されるとともに、この軸孔11aよりも外側の周辺部分には、上記ボルト孔10Cと対応する部分に複数の挿入孔15が形成されている。また、この挿入孔15よりもさらに外側の周辺部分には、回転軸線Cを中心とする同一円周上に沿って所定角度毎に複数の貫通孔12が形成されている。この貫通孔12は、クランクシャフト10の軸方向、すなわち回転軸線Cに沿ってドライブプレート11を貫通している。
ドライブプレート11においてトルクコンバータ30側の面に配置される第1スペーサ20は、その直径がドライブプレート11の直径の略半分に形成された金属部材からなる円盤状のプレートであって、X1−X1線に沿った同第1スペーサ20の縦断面図である図2に併せて示すように、上記ドライブプレート11の軸孔11a及び挿入孔15に対応する部分に、それぞれ略同一径である軸孔23及び挿入孔22が形成されている。
また、ドライブプレート11においてクランクシャフト10側の面に配置される第2スペーサ25は、その外径がフランジ部10Aの外径よりも若干大きく形成された金属部材からなる円盤状のプレートであって、上記ドライブプレート11の軸孔11a及び挿入孔15に対応する部分に、それぞれ略同一径である軸孔25a及び挿入孔26が形成されている。
そして、ドライブプレート11、第1スペーサ20及び第2スペーサ25のそれぞれの軸孔11a,23,25aに軸突出部10Bが挿入されるとともに、それぞれの挿入孔15,22,26にボルト13が挿入されて、同ボルト13がクランクシャフト10のボルト孔10Cに固定されている。これにより、ドライブプレート11が第1スペーサ20及び第2スペーサ25によって挟持された上でクランクシャフト10の端面に固定される。なお、これら第1スペーサ20及び第2スペーサ25は、ドライブプレート11と一体的に回転するものであって、ドライブプレート11におけるクランクシャフト10との固定部分の強度及び剛性を向上されるべく設けられている。
第1スペーサ20は、その中心部よりも外縁部の方がドライブプレート11から離間するように屈曲する屈曲部20Aを有している。また、この第1スペーサ20の外縁部には、上記ドライブプレート11の貫通孔12に対向可能な位置に、すなわち上記複数の貫通孔12が配置される同一円周に対向する径方向の位置に、複数の羽根21が形成されている。この羽根21は、第1スペーサ20の外縁部において薄肉に形成されている円環部24からドライブプレート11側に突出して形成されており、具体的には、同羽根21の回転軸線Cに沿った厚みは、その外縁部において第1スペーサ20の中心部の厚みと略同じであるとともにこの中心部に近いほど大きくなるように設定されている。また、図2に示すように、羽根21は、回転軸線Cを中心として等間隔で対称に配置され、その先端縁が回転方向(矢印B方向)に指向するように、所定角度で屈曲して形成されている。この羽根21が、クランクシャフト10の回転に伴いフロントカバー31の外周方向に空気を送出する送風手段に相当する。
そして、クランクシャフト10がその回転軸線Cを中心として回転すると、ドライブプレート11及び第1スペーサ20が一体的に回転する。そして、この第1スペーサ20の羽根21によって、貫通孔12を通じた空気がドライブプレート11の外周方向(矢印Aに示す方向)に送出される。
また、こうしたクランクシャフト10及びドライブプレート11の回転に伴って、このドライブプレート11が固定されているフロントカバー31及びインペラ40が一体的に回転する。このインペラ40の回転に伴って、インペラ40からタービン41に向かう作動油の流れが形成されて、この作動油によりタービン41に回転力が付与される。さらに、このようにタービン41に供給される作動油は、タービン41からインペラ40の方向に再び送り出され、ステータ42により整流されてインペラ40に供給される。こうして付与されたタービン41の回転力は、タービンハブ48を介してインプットシャフト57に伝達される。
また、ロックアップクラッチ機構50においてクラッチプレート51がフロントカバー31側に作動油により押圧されて摩擦部材52が同カバー31の内側の面31Aに当接すると、フロントカバー31とタービン41とが機械的に連結される。これにより、クランクシャフト10の回転力がタービンハブ48を介して、インプットシャフト57に作動油を介さずに直接伝達される。なお、このようにロックアップクラッチ機構50の摩擦部材52がフロントカバー31の内側に当接すると、この当接部分が摩擦によって発熱する。
こうして加熱されたフロントカバー31及びトルクコンバータ30の内部は、上記羽根21によって送風された空気によって冷却される。そして、この熱によって温められた空気は、ドライブプレート11とフロントカバー31との間においてボルト14による固定部を除く隙間から外周方向に排出される。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)クランクシャフト10の回転に伴いトルクコンバータ30のフロントカバー31の外周方向(矢印Aの方向)に空気を送出する羽根21を備えるため、この羽根21によって送出される空気によってフロントカバー31の熱が奪われるとともにこの熱によって温められた空気は外周方向に送出される。したがって、このように送出される空気によってトルクコンバータ30を冷却することができる。また、この羽根21は、クランクシャフト10とフロントカバー31とを連結するドライブプレート11のトルクコンバータ30側の面に配置されてドライブプレート11とともにクランクシャフト10の端部に固定されている第1スペーサ20に形成されている。この第1スペーサ20は、ドライブプレート11とクランクシャフト10との固定部分の強度及び剛性を向上させるべく設けられるものであるため、専用の装置を新たに加えることなく羽根21を形成することができる。したがって、従来の構成を流用しつつトルクコンバータ30を効率的に冷却することができる。
(1)クランクシャフト10の回転に伴いトルクコンバータ30のフロントカバー31の外周方向(矢印Aの方向)に空気を送出する羽根21を備えるため、この羽根21によって送出される空気によってフロントカバー31の熱が奪われるとともにこの熱によって温められた空気は外周方向に送出される。したがって、このように送出される空気によってトルクコンバータ30を冷却することができる。また、この羽根21は、クランクシャフト10とフロントカバー31とを連結するドライブプレート11のトルクコンバータ30側の面に配置されてドライブプレート11とともにクランクシャフト10の端部に固定されている第1スペーサ20に形成されている。この第1スペーサ20は、ドライブプレート11とクランクシャフト10との固定部分の強度及び剛性を向上させるべく設けられるものであるため、専用の装置を新たに加えることなく羽根21を形成することができる。したがって、従来の構成を流用しつつトルクコンバータ30を効率的に冷却することができる。
(2)羽根21は第1スペーサ20に形成されているとともに、ドライブプレート11は、クランクシャフト10の軸方向(回転軸線C)に同ドライブプレート11を貫通する貫通孔12を有しているため、貫通孔12を通じて空気が導入されるとともに羽根21によって空気が送出されるようになり、この空気の流れを円滑にすることができる。
(3)羽根21は、貫通孔12と対向可能な位置に形成されているため、貫通孔12から導入した空気を、より効率的にドライブプレート11の外周方向に送出することができるようになる。
(4)トルクコンバータ30のフロントカバー31とその内部に貯留される作動油には、回転による遠心力が作用する。このフロントカバー31は、この遠心力によって回転軸線Cと直交する方向に膨張するため、フロントカバー31においてドライブプレート11と対向する部分ではその外縁部がエンジンから離間する方向に撓むこととなる。ここで、ドライブプレート11の外縁部はフロントカバー31の外縁部にボルト14により固定されているため、こうしたカバー31の変形に追従してドライブプレート11の外縁部もエンジンと離間する方向に撓むこととなる。このようにドライブプレート11がエンジンと離間する方向、すなわちトルクコンバータ30側に変形すると、ドライブプレート11のトルクコンバータ30側の面に配置されている第1スペーサ20とドライブプレート11が干渉するおそれがある。この点、本実施形態によれば、第1スペーサ20は、その中心部よりも外縁部の方がドライブプレート11から離間するように屈曲する屈曲部20Aを有するため、ドライブプレート11が撓む場合であっても、第1スペーサ20とドライブプレート11が干渉することを抑制することができる。
(5)回転するプレートである第1スペーサ20に送風手段、すなわち羽根21を形成する場合において、異音や振動の発生を抑制するためには、全体のバランスを保持するべく羽根21の形成に際して高い精度が要求される。一般に、羽根21を含めた第1スペーサ20の直径が大きくなるほど全体に高い精度を保つことが難しくなる傾向がある。また、羽根21を含めた第1スペーサ20の直径が小さくなりすぎると、羽根21による空気の送出効率が低下してトルクコンバータ30の冷却効率が低下するおそれがある。この点、本実施形態によれば、第1スペーサ20は、羽根21を含めた直径がドライブプレート11の直径の略半分に形成されているため、羽根21によってトルクコンバータ30を効率よく冷却しつつ、全体のバランスが悪化することを抑制することができる。
(6)ドライブプレート11は、第1スペーサ20及び第2スペーサ25によって挟持された上でクランクシャフト10の端部に固定されているため、ドライブプレート11とクランクシャフト10との固定部分の強度及び剛性を向上させることができる。
(7)羽根21をその外縁部に有する第1スペーサ20は、ドライブプレート11とフロントカバー31とをボルト14によって連結するために形成される空間において、ドライブプレート11の外周方向に延びるように形成されている。したがって、ドライブプレート11とフロントカバー31との距離は、この第1スペーサ20の代わりに、第2スペーサ25と略同一径であるスペーサを配置する従来構成と同様であり、それらの距離を特に大きくする必要がない。よって、これらドライブプレート11とトルクコンバータ30を含む全体の構成が従来構成と比較して回転軸線C方向に拡大することを抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかるトルクコンバータの冷却装置は、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
なお、この発明にかかるトルクコンバータの冷却装置は、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、第1スペーサ20に屈曲部20Aが形成されている例を示したが、こうした屈曲部20Aが形成されていない態様を採用することもできる。この場合であっても、上記(4)を除く作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
・送風手段としての羽根21の形状は、上記実施形態に例示した形状に限られず、クランクシャフト10の回転に伴ってフロントカバー31の外周方向に空気を送出する形状であればよく、適宜変更することができる。例えば、羽根の屈曲形状や回転軸線C方向の厚み、回転軸線Cに直交する方向の長さ(外径)等は、より効率よく空気を送出することができるように適宜変更してもよい。また、上記実施形態では、第1スペーサ20の外縁部に薄肉に形成されている円環部24を形成する例を示したが、こうした円環部24を形成しない態様を採用してもよい。すなわち、複数の羽根の間は回転軸線C方向に沿って連通しているとともに、この連通部分を通じて空気が流通することができる形状であってもよい。この場合であっても、クランクシャフトの回転に伴い羽根によってフロントカバーの外周方向に空気を送出することができる。
・上記実施形態における第2スペーサ25の形状については、適宜変更することができる。すなわち、第2スペーサ25は、クランクシャフト10とドライブプレート11との固定部分の強度及び剛性を向上させるべく設けられるものであるため、こうした効果を奏することのできる態様であればよく、形状については上記に示した例に限られない。また、クランクシャフト10とドライブプレート11との固定部分の強度及び剛性を第1スペーサ20のみにより確保することができれば、第2スペーサ25を省略してもよい。
・上記実施形態では、第1スペーサ20の直径がドライブプレート11の直径の略半分である例を示したが、この第1スペーサ20の直径については、羽根21による空気の送風効率や、第1スペーサ20の全体のバランスを考慮した上で、適宜変更することができる。
・上記実施形態では、ドライブプレート11において、同一円周上に沿った所定角度毎に複数の貫通孔12を形成する例を示したが、この貫通孔12の位置や個数については、適宜変更することができる。このように貫通孔12の位置や個数を適宜変更することにより、ドライブプレート11の軽量化や、羽根21による空気の送出の効率化を図ることもできるようになる。
・上記実施の形態では、ドライブプレート11が円盤状に形成されている例を示したが、クランクシャフト10の回転力をトルクコンバータ30に伝達することのできる形状であれば適宜変更することができる。例えば、中心部から対称に複数のアームが延設されるとともに、この外縁部においてフロントカバー31に固定される態様であってもよい。
10…クランクシャフト、10A…フランジ部、10B…軸突出部、10C…ボルト孔、11…ドライブプレート、11a,23,25a…軸孔、12…貫通孔、13,14…ボルト、15,22,26…挿入孔、20…第1スペーサ、20A…屈曲部、21…羽根、24…円環部、25…第2スペーサ、30…トルクコンバータ、31…フロントカバー、32…流体室、40…インペラ、41…タービン、42…ステータ、43…ワンウェイクラッチ、44…インペラシェル、45…インペラブレード、46…タービンシェル、47…タービンブレード、48…タービンハブ、49…ステータブレード、50…ロックアップクラッチ機構、51…クラッチプレート、52…摩擦部材、53…ダンパ、54…ステータシャフト、56…インペラハブ、57…インプットシャフト。
Claims (5)
- エンジンのクランクシャフトの回転力をトランスミッションに伝達するトルクコンバータの冷却装置であって、
前記クランクシャフトと前記トルクコンバータのカバーとを連結するドライブプレートの前記トルクコンバータ側の面に配置されて前記ドライブプレートとともに前記クランクシャフトの端部に固定されているスペーサに形成され、前記クランクシャフトの回転に伴い前記カバーの外周方向に空気を送出する送風手段を備える
ことを特徴とするトルクコンバータの冷却装置。 - 請求項1に記載のトルクコンバータの冷却装置において、
前記ドライブプレートは、前記クランクシャフトの軸方向に同ドライブプレートを貫通する貫通孔を更に有し、
前記送風手段は、前記スペーサに形成される羽根である
ことを特徴とするトルクコンバータの冷却装置。 - 請求項2に記載のトルクコンバータの冷却装置において、
前記羽根は、前記貫通孔と対向可能な位置に形成されている
ことを特徴とするトルクコンバータの冷却装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のトルクコンバータの冷却装置において、
前記ドライブプレートは、その外縁部が前記カバーの外縁部に固定されるものであり、
前記スペーサは、その中心部よりも外縁部の方が前記ドライブプレートから離間するように屈曲する屈曲部を有する
ことを特徴とするトルクコンバータの冷却装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトルクコンバータの冷却装置において、
前記スペーサは、前記送風手段を含めた直径が前記ドライブプレートの直径の略半分に形成されている
ことを特徴とするトルクコンバータの冷却装置。
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ID=41542030
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008146747A Pending JP2009293676A (ja) | 2008-06-04 | 2008-06-04 | トルクコンバータの冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009293676A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2210618A1 (en) | 2009-01-26 | 2010-07-28 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Isolator |
-
2008
- 2008-06-04 JP JP2008146747A patent/JP2009293676A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2210618A1 (en) | 2009-01-26 | 2010-07-28 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Isolator |
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