JP2009292425A - 大型空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド部の偏摩耗を改善し、ベルト耐久性を向上させた重荷重用途のトラック・バス用に好適な低扁平率の大型空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】2層の主ベルト12、13と、タイヤ周方向に対して実質的に0°の角度でスチールコードを延在させた0°ベルト15とを備えたタイヤ断面の扁平率が65%以下の大型空気入りラジアルタイヤTにおいて、前記0°ベルトを構成するスチールコードが、m×n構造(m=3〜4、n=2〜4)で、かつストランド並びにコードの撚り方向が同方向である複撚り構造であり、該スチールコードの直径は前記主ベルトを構成するスチールコードの直径より小径であり、縦軸を荷重(N)、横軸を伸び(%)とするS−S曲線において、変曲点Zを有し、前記低荷重域での傾きの接線Xと前記変曲点Z以降の傾きの接線Yとの交点の伸びA(%)が1.0%未満である。
【選択図】図2

Description

本発明は、大型空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくはベルト部の耐久性を向上させたトラック・バス用に好適な低扁平率の空気入りラジアルタイヤに関するものである。
近年、トラック輸送の効率向上を目的として、特にヨーロッパのトラックメーカーでは、トラックの開発を積極的に押し進め、それに伴い耐久性能に優れた偏平率が65%以下のトラックやバス用の大型空気入りラジアルタイヤの開発が要望されている。
このスーパーシングルタイヤと呼ばれる扁平率の小さい空気入りラジアルタイヤでは、ベルト幅が従来タイヤよりも広くなるため、走行時にトレッドのショルダー部付近の外径がトレッド中央部の外径よりも成長し大きく変形しやすい傾向にあり、偏磨耗が発生しやすくなっている。また、ベルト部の剛性不足により、ベルト部に歪みが大きくかかることから、接着破壊などに起因するベルト耐久性の低下の一因となっている。
この偏摩耗や耐久性の低下を改善するため、ワーキングベルト(主ベルト)間、或いはワーキングベルトとカーカスプライの間に、スチールコードからなる付加プライをタイヤ周方向に対して実質的に0°の角度で配設したラジアルタイヤが提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
かかるタイヤによれば、従来のワーキングベルトのみを配したタイヤに比して、タイヤへの内圧充填時、及びタイヤの走行時における、トレッド部の半径方向外方への成長を効果的に抑制し、またベルト部の歪みを分散して耐偏磨耗性や耐久性能を高めることができると考えられる。
特表2000−504655号公報 特表2001−512067号公報 特開2006−111217号公報
しかし、上記特許文献1〜2に記載のように、ワーキングベルトよりもコード径の大きいスチールコードや波状のクセ付けを施したスチールコードを0°ベルトに用いた場合、ベルト層の厚みが厚くなり、走行に伴うベルト部の発熱や熱の蓄積が大きくなり早期に接着破壊などのベルト故障を発生させることがあり、さらに、タイヤの加硫時間が長くなることからタイヤ生産性が低下するという問題もある。また、特許文献3に記載のように、ベルト層に高密度部と低密度部を有する0°ベルトを形成するものは、高密度部と低密度部をベルト層に配置するための成形工程が煩雑となり、さらに低密度部に応力が集中し発熱や偏磨耗を発生しやすくすることが考えられる。
本発明は上記問題に鑑みてなしたもので、トレッド部の偏摩耗を改善し、ベルト耐久性を向上させた重荷重用途のトラック・バス用に好適な低扁平率の大型空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果なされたものであり、請求項1に記載の発明は、左右一対のビードコアにて両端部が係止されたカーカスと、トレッド部における前記カーカスの外周側で、互いに交差し延在させたスチールコードからなる少なくとも2層の主ベルトと、タイヤ周方向に対して実質的に0°の角度でスチールコードを延在させた0°ベルトとを備えたタイヤ断面の扁平率が65%以下の大型空気入りラジアルタイヤにおいて、前記0°ベルトを構成するスチールコードが、m×n構造(m=3〜5、n=2〜4)で、かつストランド並びにコードの撚り方向が同方向である複撚り構造であり、該スチールコードの直径は前記主ベルトを構成するスチールコードの直径より小径であり、該タイヤのトレッド中央部より取り出した前記0°ベルトのスチールコードは、縦軸を荷重(N)、横軸を伸び(%)とするS−S曲線において、低荷重域では緩やかな傾きで、荷重が大きくなると傾きが大きくなる変曲点Zを有し、前記低荷重域での傾きの接線と前記変曲点Z以降の傾きの接線との交点の伸びA(%)が1.0%未満であることを特徴とする大型空気入りラジアルタイヤである。
請求項2に記載の発明は、前記0°ベルトを構成するスチールコードの直径が1mm未満であることを特徴とする請求項1に記載の大型空気入りラジアルタイヤである。
請求項3に記載の発明は、前記0°ベルトの単位幅当たりのベルト強力(N/25.4mm)が1400N以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の大型空気入りラジアルタイヤである。
請求項4に記載の発明は、前記0°ベルトが、前記主ベルトの間、及び前記主ベルトのタイヤ内周側で前記カーカスとの間のいずれかの層間のうちで、少なくとも1箇所に配されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の大型空気入りラジアルタイヤである。
本発明の大型空気入りラジアルタイヤによれば、0°ベルトを特定の複撚り構造からなるm×n構造のスチールコードとすることにより、タイヤ加硫成形時のトレッド中央部と該トレッド中央部からトレッド両端部に至るトレッドのショルダー部付近との拡張率の差によっても、0°ベルトスチールコードの低荷重域での伸びを調整することができる。これにより、0°ベルトによるトレッド幅方向での応力歪みを均等化し、応力集中を分散することができるので、タイヤへの内圧充填時やタイヤの走行時におけるタイヤ幅方向及び周方向のベルト剛性と拘束性を均一かつ向上し、タイヤの成長を抑えることで、偏摩耗の発生を抑制しタイヤの耐久性を向上することができる。
以下に、本発明に係る実施形態の大型空気入りラジアルタイヤを図面を参照し説明する。
図1は、重荷重用の空気入りラジアルタイヤの1例を示すタイヤTの半断面図であり、符号1は5枚のベルト層からなるベルト、符号2はカーカス、符号3はトレッド部、符号4はビード部、符号5はサイドウォール部をそれぞれ示す。
タイヤTは、左右一対のビード部4間に、タイヤ幅方向に延在するスチールコードをタイヤ周方向に所定間隔で配列した1枚のカーカス2を有する。カーカス2は、その両端部がビード部3に埋設されたビードコア6の周りにビードフィラー7を挟み込むようにしてタイヤの内側から外側に折り返され係止されている。トレッド部3におけるカーカス2の外周側には、5枚のベルト層からなるベルト1が配設されている。
図2は、実施形態のタイヤTのトレッド部3の断面を模式的に示し、ベルト構成を説明するものである。図2において、ベルト1は、タイヤ半径方向内側から、第1ベルト11、第2ベルト12、第3ベルト13、第4ベルト14が配設され、第2ベルト12と第3ベルト13との間に0°ベルト15が配された5層のベルトで構成されている(第1〜4ベルトは破線、0°ベルトは実線で示す)。
第2ベルト12と第3ベルト13は、タイヤの主ベルト(ワーキングベルト)をなすベルト層であり、従来より一般的なコード構造(例えば、3+9+15×0.23など)を持つベルト用スチールコードが所定間隔でタイヤ周方向に対して所定角度で配列され、互いにコード交差し配設されている。
第4ベルト14は、耐カット性とゴム侵入性に優れるスチールコードからなるタイヤ周方向に一定角度で配列された保護ベルト層であり、耐外傷耐久性や更新性を向上する、いわゆるハイエロンゲーションコード(例えば、1×5×0.38、4×4×0.23など)が使用されることが多くある。
0°ベルト15は、タイヤ周方向に対して実質的に0°の角度でスチールコードをタイヤ幅方向に所定間隔で配列して延在させた、本発明に係るベルト層である。
この0°ベルト15を構成するスチールコードCは、図3にその一例を示すように、n本の素線(フィラメント)Fを撚り合わせてなるストランドSを更にm本撚り合わせて複撚りコードを形成した、m×n構造のスチールコードである。(図3(a)は4×2構造、(b)は3×4構造、(c)は4×4構造のスチールコードの断面図を示す)。
上記ストランドSは、n本(n=2〜4)の素線からなり、素線数nが1本ではたとえ複撚りのスチールコードとしても低荷重時の伸びが十分に得られず、4本を超えると撚り線時に素線同士が密着しやすくなり、素線間にゴムの侵入する隙間が小さくなりストランドS内にゴムが侵入し難くなって錆の発生など耐食性に劣るものとなる。
また、コードCはm本(m=3〜5)のストランドSからなり、ストランド数mが2本では低荷重時の伸びが十分に引き出せず、加硫時のトレッド中央部の拡張動作が困難となり、mが6本以上になると撚り線時に特定のストランドSがコードの内部に入り込みやすくなり、コードCの伸びが制限され、特に低荷重域での伸びが得られなくなり、またコード径も大きくなる。
また、上記m×n構造のスチールコードは、ストランドS並びにコードCの撚り方向が同方向である。ストランドSとコードCの撚り方向とが異なると、荷重負荷時にストランドSの撚りを逆方向のコードCの撚りが締め付けることで、ストランドSの伸びとコードCの伸びとが互いに相殺して十分な伸びが得られず、特に低荷重域での伸び特性の調整が困難になる。
上記0°ベルト15を構成するm×n構造スチールコードCは、その直径が主ベルト12、13を構成するスチールコードよりも小径のコードが用いられる。
m×n構造スチールコードCの直径が主ベルト12、13を構成するスチールコードよりも大径であると、主ベルト12、13層間のゴム厚みが増加し、走行時の発熱やその熱の蓄積によって、ゴムの劣化やゴムとスチールコードとの接着破壊などのベルト故障を起こしやすくし、また加硫時間が長くなりタイヤの生産性を低下させるようになる。
このm×n構造スチールコードCの具体的な直径は、特に限定されないが、一般的な大型空気入りラジアルタイヤの主ベルト12、13を構成するスチールコードの直径(通常は、1.1〜1.5mm程度)を考慮すると、直径が1mm未満であるものが好ましい。1mm以上になると上記の問題を起しやすくし、また直径が小さくなりすぎると必要なベルト強力の確保が困難になりトレッド形状を維持できなくなるので、その下限は0.8mm以上であるものが好ましい。
上記m×n構造スチールコードCを構成する素線は、その素線径は特に限定されないが、0.13〜0.23mm程度のものが好ましい。素線径が0.13mm以下では0°ベルト15のベルト強力を確保し難く、またコードの剛性不足からベルト剛性を確保しにくくなりタイヤの成長を抑えられず偏磨耗を起こしやすくする。また、0.23mmを超えると素線が剛直となってm×n構造に撚った時にコードCの伸びが制限され、特に低荷重域での伸びが得られなくなり、またコード径も大きくなり上記の発熱や熱の蓄積によるベルト故障を起こしやすくする。
また、上記m×n構造スチールコードCを撚り合わせるための撚りピッチ(mm)は、ストランドSではその素線Fの直径の12〜20倍が好ましく、コードCではストランドSの撚りピッチの1.5〜2.5倍、さらには1.8〜2.2倍が好ましい。ストランドS及びコードCの撚りピッチがこれらの値より小さいと、低荷重域でのコードの伸びが大きくなってタイヤ加硫時の拡張挙動がタイヤ周方向及び幅方向で不均一になり、タイヤユニフォミティーを悪化させ耐久性を低下させる。また、撚りピッチがこれらの値より大きいと、コードの伸びが十分得られず、特に低荷重域でのコードの伸びが不十分となりトレッド中央部での拡張挙動が困難になる。
また、上記の0°ベルト15は、幅当りのベルト強力(N/25.4mm)が14000N以上であることが好ましい。ベルト強力が14000N未満であると、0°ベルトにかかる歪みが大きくなり、繰り返しひずみを受ける長距離走行によってコード切れを発生しやすくするので好ましくない。
また、0°ベルト15のスチールコードCは、タイヤTのトレッド中央部より取り出したスチールコードCにおいて、図4に示すように、縦軸を荷重(N)、横軸を伸び(%)とするS−S曲線において、低荷重域では緩やかな傾きで、荷重が大きくなると傾きが大きくなる変曲点Zを有し、前記低荷重域での傾きの接線Xと前記変曲点Z以降の傾きの接線Yとの交点の伸びA(%)が1.0%未満である。なお、トレッド中央部とは、タイヤセンターラインを中心にトレッド幅の30%以内の範囲をいう。
これは、S−S曲線の低荷重域では、コード軸方向に引張力がかかると各コードC及びストランドSの撚りが伸長されるとともに、各素線がコード内部に侵入したゴムを内側に徐々に締め付けることでゴム弾性により緩やかな傾きを示し、ストランドS内の撚りが絞まり素線による締め代がなくなるとコードCを引っ張る大きな傾きに急変することによるものであり、そのため、両傾きの間で変曲点Zを有するようになる。
本発明によれば、スチールコードCが上記特有の複撚り構造であるため、通常のベルト用スチールコードに対して、低荷重域の傾きを緩やかなものとしつつ、変曲点Z以降の傾きをより急激に立ち上げて、変曲点Zを強調することができ、タイヤ加硫時のトレッド中央部と中央部からトレッド両端部に至るショルダー付近での拡張率の差によって0°ベルトコードCのS−S特性を調整することができる。
通常、タイヤを加硫する場合、ブラダーに内圧を張ってグリーンタイヤを膨らませて外金型に押し付け加熱する方法をとるが、この場合、タイヤ断面方向で見た場合、トレッド中央部が最も拡張され、ショルダー部付近はあまり拡張されない。そのため、トレッド中央部での伸びを前記交点での伸びA(%)を1.0%未満に抑えておかないと、ショルダー部付近の0°ベルトコードに大きな伸びが残るようになり、ショルダー部付近のベルト拘束力不足からタイヤの成長を抑えられず偏磨耗や接着破壊などのベルト故障の原因となる。
本発明では、0°ベルトスチールコードCのトレッド中央部における低荷重域での伸びを規定することで、同時にショルダー部付近のコード伸びを調整することができるようになり、0°ベルト15によってタイヤTにかかる応力歪みを均等化し、応力集中を分散することができるので、タイヤへの内圧充填時やタイヤの走行時におけるタイヤ幅方向及び周方向のベルト剛性と拘束性を向上することで、タイヤの成長を抑えて偏摩耗の発生を抑制しタイヤの耐久性を向上することができる。
上記0°ベルト15のベルト1内での位置関係は特に制限されることはないが、0°ベルト15のタイヤ半径方向外側に少なくとも一層の前記主ベルトが配されていることが好ましい。すなわち、0°ベルト15は、主ベルト12、13の層間、もしくは主ベルト12のタイヤ径方向内側で第1ベルト11と主ベルト12の層間、またはカーカス2と第1ベルト11との間に配置することが好ましい。
0°ベルト15の幅は、最大幅を有するベルト幅の90%以下であることが好ましく、本実施形態では主ベルト層13の幅の90%以下であることが好ましく、これにより、0°ベルトエッジ部分への応力集中を和らげることができ、該応力集中による歪みを受けることに起因するエッジ部分の耐久性低下を防ぐことができる。また、ショルダー部付近のベルト拘束性を維持するためには、最大ベルト幅の70%以上の幅であることが好ましい。
なお、0°ベルト15は、主ベルト13と第4ベルト(トップベルト)14との間に配設してもよいが、一般に、トップベルト14は主ベルト12、13に対し幅がその90%以下しかないため、この部分に0°ベルト15をその外側のベルト層に対して90%以下の幅で配設すると、0°ベルト15の幅が狭くなりすぎてショルダー部付近において十分な拘束力を得にくくなる。そのため、0°ベルト15は上記のように主ベルト12、13の間または主ベルト12とカーカス2の間に配設することが好ましい。
上記0°ベルト15は、スチールコードCをタイヤTの周方向に連続でスパイラル状に巻回して設けることができる。スチールコードCのコード角度はタイヤ周方向に対して実質的に0°であり、例えば1本のコードCをタイヤTの幅方向にずらせながらスパイラル状に巻き付け成形される。コードCは、0〜5°の角度で、多少角度を有して形成されてもよい。
また、数本のコードCを引き揃えてゴムで被覆したリボン状の帯状部材を、タイヤ成形の際に成形ドラム1周毎にリボン状の側端部同士を突き合わせながらスパイラル状に巻き付けることにより行われる。このようにスチールコードCをスパイラル状に連続に巻くことにより、ジョイント等の影響を受けず、十分なベルト剛性が得られる。
以上よりなる本実施形態の大型空気入りラジアルタイヤであると、上記構成の0°ベルトを具備することにより、タイヤの耐久性と耐偏摩耗性を向上することができ、特にトラック、バス用の重荷重車両に使用される扁平率(タイヤの高さ/タイヤの総幅の比率)が65%以下のタイヤに好適である。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
図1に示すベルト構成を有するタイヤサイズ315/60R22.5 152L のラジアルタイヤを試作した。0°ベルトは表1、2に記載の各スチールコードを使用し、0°ベルトの幅は主ベルト13の幅の86%とした。0°ベルトの配置は、実施例1〜4では主ベルト(第2ベルトと第3ベルト)12、13の間、実施例5では第1ベルト11と第2ベルト12の間に、実施例6ではカーカス2と第1ベルト11との間に配置した。
なお、第1〜4ベルトの構成は、実施例、比較例及び従来例で同一とし、次のスチールコードを共通の仕様で使用した。第1ベルトは3×0.20+6×0.35、第2、第3ベルトは3+9+15×0.23(コード径1.2mm)、第4ベルトは1×5×0.38である。また、ベルト以外の各部位には全て共通の部材を使用した。 従来例は、図5に示す0°ベルト未使用の例である。この従来例のタイヤT1は、角度付きの第1〜第4ベルト(111〜114)の4枚のベルト層よりなり、符号112、113が主ベルトであるベルト100を具備する空気入りラジアルタイヤである。
上記各タイヤについて、下記の引張試験と室内ドラム試験にてタイヤ耐久性の評価を行った。結果を表1、2に示す。
[引張試験]
各タイヤのトレッド中央部から取り出した0°ベルトコードをゴム付きの状態で引張試験(JIS G3510に準拠)を行い、図4に示すS−S曲線から低荷重域での傾きの接線Xと変曲点Z以降の傾きの接線Yとの交点の伸びA(%)を求めた。
[ベルト耐久性]
表面が平滑な直径1700mmの鋼製回転ドラムを有するドラム試験機により、周辺温度38±3℃、タイヤ内圧をTRA基準空気圧より100kPaを増し、基準荷重の120%を負荷し、速度42km/hで一定とし、7日毎に負荷荷重を120%から10%ずつ増加させ、故障が発生するまで走行させた。負荷荷重が140%を超えて走行したものを合格として「○」、それ以下を不合格として「×」で示した。
[長距離耐久性]
上記ドラム試験機により、周辺温度38±3℃、タイヤ内圧をTRA基準空気圧とし、基準荷重の90%を負荷し、速度60km/hで15万km走行させた後、タイヤを解体しベルト部の状態を観察した。0°ベルトにコード切れの発生があるものを「×」、ないものを合格として「○」で示した。
[高速耐久性]
上記ドラム試験機により、周辺温度38±3℃、タイヤ内圧をTRA基準空気圧とし、基準荷重の150%を負荷し、速度56km/hから2時間毎に8km/hずつ速度を上昇させ、80km/hで6時間走行した。88km/hからは12時間毎に8km/hずつ上昇させ、故障が発生するまで走行させた。速度が104km/h以上走行したものを合格として「○」、それ以下を不合格として「×」で示した。
Figure 2009292425
Figure 2009292425
表1に示す通り、本発明に係る実施例1〜6では、0°ベルトコードの交点Aまでの低荷重伸び特性が1%未満にされ、またコード径やベルト強力を確保することでタイヤ幅方向及び周方向でのベルト剛性と拘束性を向上することで、走行時の発熱やタイヤの成長を抑えて偏摩耗の発生を抑制しタイヤの耐久性に優れていた。
以上説明したように、本発明による大型空気入りラジアルタイヤは、耐偏摩耗性を向上しベルトの耐久性に優れることから重荷重用のトラックやバス用のタイヤに使用することができ、特に扁平率が65%以下のラジアルタイヤに好適である。
実施形態の空気入りラジアルタイヤの半断面図である。 実施形態のベルト構成を模式的に示す断面図である。 実施形態のm×n構造スチールコードの断面図である。 m×n構造スチールコードのS−S曲線の1例を示すグラフである。 従来例のベルト構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…ベルト
2…カーカス
6…ビードコア
12、13…主ベルト
15…0°ベルト
C…スチールコード
S…ストランド
F…素線
T…空気入りラジアルタイヤ
A…交点の伸び
X…低荷重域での傾きの接線
Y…変曲点Z以降の傾きの接線
Z…変曲点

Claims (4)

  1. 左右一対のビードコアにて両端部が係止されたカーカスと、トレッド部における前記カーカスの外周側で、互いに交差し延在させたスチールコードからなる少なくとも2層の主ベルトと、タイヤ周方向に対して実質的に0°の角度でスチールコードを延在させた0°ベルトとを備えたタイヤ断面の扁平率が65%以下の大型空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記0°ベルトを構成するスチールコードが、m×n構造(m=3〜5、n=2〜4)で、かつストランド並びにコードの撚り方向が同方向である複撚り構造であり、該スチールコードの直径は前記主ベルトを構成するスチールコードの直径より小径であり、
    該タイヤのトレッド中央部より取り出した前記0°ベルトのスチールコードは、縦軸を荷重(N)、横軸を伸び(%)とするS−S曲線において、低荷重域では緩やかな傾きで、荷重が大きくなると傾きが大きくなる変曲点Zを有し、前記低荷重域での傾きの接線と前記変曲点Z以降の傾きの接線との交点の伸びA(%)が1.0%未満である
    ことを特徴とする大型空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記0°ベルトを構成するスチールコードの直径が1mm未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載の大型空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記0°ベルトの単位幅当たりのベルト強力(N/25.4mm)が1400N以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の大型空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記0°ベルトが、前記主ベルトの間、及び前記主ベルトのタイヤ内周側で前記カーカスとの間のいずれかの層間のうちで、少なくとも1箇所に配されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の大型空気入りラジアルタイヤ。
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