JP2009285681A - レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置 - Google Patents

レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置 Download PDF

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Abstract

【課題】添加物により亜鉛蒸気を酸化亜鉛にすることで、ポリシティの発生を抑制する亜鉛めっき鋼板のレーザ溶接方法。
【解決手段】被覆層が表面に形成された板材を含む少なくとも二枚の板材1、2同士を重ね合わせ、溶接すべき溶接部にレーザ光6照射し、溶接を施すレーザ溶接方法であって、溶接に先立って、板材1、2を加熱し、板材間の被覆層を溶融する加熱段階と、被覆層が溶融している状態で、板材1、2を加圧し、溶融した被覆層をなす物質を溶接部から押し出す加圧段階と、この加圧後、溶接部にレーザ光6を照射する溶接段階と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置に関する。
従来、自動車用防錆鋼板として薄肉の亜鉛めっき鋼板が使用されている。このような薄肉鋼板を複数枚重ね合わせてレーザ溶接した場合、発生する亜鉛蒸気に基因して溶接金属中にポロシティと呼ばれる小さな孔が多数発生する。ポロシティによって溶接部の強度が低下することが知られている。このため、たとえば下記特許文献1に示されているようなポロシティの対策がとられている。
すなわち、ポロシティの原因である亜鉛蒸気の排除である。たとえば、亜鉛めっき層から発生する亜鉛蒸気を重ね合わせた鋼板間に残さないように、微小固体粒子を鋼材間に介在させて隙間を作ることによって、亜鉛蒸気を鋼板間から逃がしポロシティの発生を防止している。
特開2003−290955号公報
しかしながら、微細固体粒子を重ね合わせた鋼板間に介在させることにより形成される隙間だけでは亜鉛蒸気を円滑に逃がすことはできず、確実にポロシティの発生を防止することができない。
そこで、本発明は、このような従来の問題を解消するために成されたものであり、板材の表面に形成された被覆層から発生するガスを減少させるために、レーザ溶接前に予め、被覆層を加熱し溶融して、板材を押圧することで、被覆層をなす物質を溶接が施される部分から外に押し出し排除することができるレーザ溶接方法とレーザ溶接装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、被覆層が表面に形成された板材を含む少なくとも二枚の板材同士を重ね合わせ、溶接すべき溶接部にレーザ光照射し、溶接を施すレーザ溶接方法であって、溶接に先立って、板材を加熱し、板材間の被覆層を溶融する加熱段階と、被覆層が溶融している状態で、板材を加圧し、溶融した被覆層をなす物質を溶接部から押し出す加圧段階と、この加圧後、溶接部にレーザ光を照射する溶接段階と、を含むことを特徴とするレーザ溶接方法。
上記目的を達成するための本発明は、被覆層が表面に形成された板材を含む少なくとも二枚の板材同士を重ね合わせ、溶接すべき溶接部にレーザ光照射し溶接を施すレーザ溶接装置であって、溶接に先立って、板材を加熱し、板材間の被覆層を溶融する加熱手段と、被覆層が溶融している状態で、板材を加圧し、溶融した被覆層をなす物質を溶接部から押し出す加圧手段と、溶接部にレーザ光を照射する溶接手段と、を含むことを特徴とするレーザ溶接装置である。
本発明によれば、被覆層が表面に形成された板材を重ね合わせ、その板材間の被覆層を溶融し、板材を加圧することによって、溶接する前に予め被覆層をなす物質を溶接部分から外に排除する。その結果、溶接を実施する部分において、溶接により被覆層から発生するガスを抑制することができる。このため、ガスに基因したポロシティによる溶接強度の低下を抑制でき、強度保障可能な溶接長も向上させることができ、修正工数の削減も図れる。
以下、添付した図面を参照して本発明を適用した最良の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1Aは、第1実施形態による亜鉛めっき鋼板のレーザ溶接状態を示す概略図である。図1Bは図1Aの矢印A方向から見た概略図である。
本実施形態の溶接方法は、図1Aに示すように、重ね合わせた二枚の亜鉛めっき鋼板1、2に対し、加熱手段3により加熱し、加圧手段4により加圧し、溶接手段5によりレーザ光6を照射し、溶接を行う。亜鉛めっき鋼板1、2は、溶接手段5の溶接方向に沿って、これら一連の加熱、加圧、溶接が施される。
なお、被覆層が表面に形成された板材としては、被覆層が亜鉛めっき層である亜鉛めっき鋼板を示すが、これに限定されるものではない。
(亜鉛めっき鋼板)
亜鉛めっき鋼板1、2は、たとえば、自動車の車体を構成するものであり、防錆のために亜鉛めっき層が鋼板に表面処理されている。鋼板部分の主な素材は、たとえば、鉄である。重ね合わせる際に、クランプ部材等の工具(不図示)によって保持されている。亜鉛めっき鋼板1、2の厚さt1、t2は約1mmが望ましい。例示においては同じ鋼板を使用しているため、亜鉛めっき層は双方の亜鉛めっき鋼板1、2の重ね面に備えられているが、片方は亜鉛めっき鋼板ではなく、亜鉛めっきが施されていない鋼板でもよい。亜鉛めっき鋼板1、2間にエンボスなどで隙間を作る必要はなく、一つの打ち抜き金型で作成することができる。そのため、亜鉛めっき鋼板1、2の隙間は0mmでもよい。
(加熱段階)
図2Aは、本実施形態による亜鉛めっき鋼板の加熱状態を示す概略図、図2Bは図2AのB−B線に沿う概略断面図である。
図2Aに示すように、溶接線9に沿って加熱手段3を移動させながら、亜鉛めっき鋼板1、2の溶接部15を加熱することによって、重ね合わせた二枚の亜鉛めっき鋼板1、2間の亜鉛めっき層1を溶融し、亜鉛液化部を形成する。加熱手段3は、たとえば、プラズマを照射するプラズマ照射装置が好ましい。プラズマ照射装置は、発生させるプラズマの量や種類によって、板材を加熱するための温度調整が容易にできる。
亜鉛液化部の形成は、亜鉛めっき層の亜鉛11、12が溶融する温度から鋼板13、14部分が溶融しない温度までの温度範囲で、加熱手段3により亜鉛めっき鋼板1、2を加熱する。たとえば、鋼板13、14が鉄の場合、鉄の融点が1535℃であるため、加熱手段3は1535℃よりも低い温度の熱を亜鉛めっき鋼板1、2に加える必要がある。亜鉛めっき鋼板1、2がGI材(溶融亜鉛めっき鋼板)の場合は420℃〜900℃、GA材(合金化溶融亜鉛めっき鋼板)の場合は665℃〜900℃の温度範囲で被覆層が溶融状態になる。
加熱により形成する亜鉛液化部の幅としては、加熱工程後に行う加圧工程において亜鉛を溶接部15から除去するために、加圧する領域の幅以上にするのが最適である。具体的な亜鉛液化部の幅は、レーザ光照射による溶接が実施される溶接部15の幅に加え、その幅をさらに0.6から1.4mmに広げた幅が最適である。その範囲まで広げることによって、レーザ光照射による溶接で溶接部15だけではなくその周辺で発生する亜鉛蒸気を十分に抑制でき、ポロシティの発生も防止することができる。
図3Aは、本実施形態による亜鉛めっき鋼板の表面の加熱状態を示す概略図、図3Bは図3AのB−B線に沿う概略断面図である。
加熱により重ね合わせた二枚の亜鉛めっき鋼板1、2間の亜鉛めっき層を溶融することができるが、同時に、図3Aに示すように、加熱面上の不純物16を溶接線9に沿って除去することもできる。不純物16は、たとえば、他の処理工程で残存したプレス油や鉄くず等である。レーザ溶接を施す面から不純物16を除去することにより、より安定したレーザ溶接を実施することができる。
(加圧段階)
図4Aは、本実施形態による亜鉛めっき鋼板の加圧状態を示す概略図、図4Bは図4AのB−B線に沿う概略断面図である。
図4Aに示すように、溶接線9に沿って加圧手段4を亜鉛めっき鋼板1、2に押し当てながら移動し、亜鉛めっき鋼板1、2を加圧することによって、亜鉛めっき鋼板1、2間の加熱工程で溶融した亜鉛を溶接部15から外に除去する。加圧工程は、加熱工程で溶融した亜鉛めっき層の亜鉛が溶融している状態で行われる。加圧手段4は、たとえば、液圧手段あるいはバネ手段等の加圧線に沿って押圧されるピン状の工具(加圧ピン)やローラー状の工具(加圧ローラー)である。加圧ピンや加圧ローラーは、板材より硬い強度を有し当接部分が溶接部15と同程度の幅を有する必要がある。なお、加圧ピンはセラミック製であることが望ましい。セラミック製の加圧ピンを用いることで、加熱後の板材の熱により加圧ピンが溶融するのを防ぐことができる。
双方の厚さが0.8mmの亜鉛めっき鋼板を重ね合わせて、直径が8mmである円筒状のセラミック製加圧ピンを使用した場合、亜鉛めっき鋼板に加えられる圧力は約0.15〜3.2kg/mmである。
加圧工程後に行われる溶接工程でレーザ光照射による加熱で亜鉛蒸気が発生するのを抑制するために、亜鉛を除去する範囲は溶接を施す部分以上の範囲を有することが望ましい。具体的な亜鉛を除去する範囲の幅は、亜鉛液化部の幅と同様に、レーザ光照射による溶接が実施される溶接部の幅とその幅をさらに0.6から1.4mmに広げた幅が最適である。
図5Aは、本実施形態による亜鉛めっき鋼板の表面の加圧状態を示す概略図、図5Bは図5AのB−B線に沿う概略断面図である。
加圧により重ね合わせた二枚の亜鉛めっき鋼板1、2間の溶融した亜鉛めっき層を外に押し出すことができるが、同時に、図5Aに示すように、加圧面上のプレス油や鉄くず等の不純物16を溶接線9に沿って機械的に除去し、より安定したレーザ溶接を実施することができる。
図6Aは、本実施形態による加圧工程後の亜鉛めっき鋼板のあわせ面の状態を示す概略図、図6Bは図6AのB−B線に沿う概略断面図である。
加圧ピンによって溶接部15から外に押し出された亜鉛は、亜鉛めっき鋼板間のロウ付け部18で溶融状態から再び固形状態に変化する。固体化した亜鉛は、レーザ接合部を取り囲み、板材間を密着させて存在する。鋼板を表面処理する亜鉛めっき層と同様に、ロウ付け部18の固形化した亜鉛は錆を防止する機能を有する。
よって、予熱により液化され固体化する際に亜鉛がロウ付けの役目をするため、溶接強度が向上する。さらに、レーザ接合部周囲を亜鉛が取り囲み、レーザ溶接部分の水密が向上するため、亜鉛めっき鋼板の防錆効果はさらに向上する。
(溶接段階)
図7Aは、本実施形態による亜鉛めっき鋼板の溶接状態を示す概略図、図7Bは図7AのB−B線に沿う概略断面図である。
図7Aに示すように、レーザ光6の照射によって加えられる熱により、亜鉛めっき鋼板1、2は溶接部の鋼材が溶融され、溶接接合される。レーザ光6の照射による加熱は、加熱手段および加圧ピンと同じ軌跡を辿り行われる。レーザ光発生装置(不図示)から出力されたレーザ光(不図示)を光学系手段5により亜鉛めっき鋼板1、2の表面に焦点を合わせるように調整し、レーザ光21を照射し、亜鉛めっき鋼板1、2の溶接部を溶接する。レーザ光6としては、たとえば、COレーザやYAGレーザなどが使用できる。光学系手段5を溶接線に沿って移動させることによって、亜鉛めっき鋼板1、2を連続溶接8することができる。溶接部は亜鉛が除去されているため、連続溶接8が施されている部分でポロシティは発生しにくい。
最後に、本実施形態において、図1Aに示すように、亜鉛めっき鋼板1、2に対して、加熱手段であるプラズマ照射装置3、加圧手段である加圧ピン4、および溶接手段であるレーザ照射装置(レーザヘッド)5が、ロボットアーム等に装着され一体となり、一連の工程(加熱、加圧、溶接)を連続的に行っているが、本願発明はそれに限定されない。それぞれの手段と亜鉛めっき鋼板とを相対移動させながらそれぞれの工程を行うことができる。また、加熱手段、加圧手段、および溶接手段を亜鉛めっき鋼板に対して移動させながら処理を行うが、亜鉛めっき鋼板自体を移動させて処理することもできる。
これら一連の工程(加熱、加圧、溶接)によって、溶接部15の亜鉛は外部に押し出され、その場で固体化するため、溶接を実施する部位には亜鉛は残存しない。このため、ポロシティによる溶接強度の低下を抑制でき、強度保障可能な溶接長も向上し、修正工数の削減も図ることができる。
加えて、亜鉛めっき層を有する鋼板の溶接において鋼板間の隙間は0mmでも溶接が可能となるため、亜鉛めっき鋼板を保持するための加圧力調整や、鋼板間に隙間を設けるための溶接用ポジマークの設定、エンボス部の作成等の煩わしい微調整が全て不要となる。
強度保障率が格段に向上するため、安全率を多めにかけて溶接していた従来よりも、溶接長を短くするここできる。これにより、溶接時間の短縮もできる。
[第2実施形態]
第1実施形態ではプラズマ照射装置からプラズマを出力し、溶接線に沿って照射し加熱により亜鉛めっき鋼板間の亜鉛めっき層を溶融していたが、プラズマ照射装置以外の加熱装置から出力したものを溶接線に沿わせて移動させ亜鉛めっき層を溶融してもよい。加熱装置としては、たとえば、赤外線照射装置や出力の弱いレーザ光照射装置を使用することが好ましい。
図8Aは、本実施形態による亜鉛めっき鋼板の加熱状態を示す概略図、図8Bは図8Aの矢印A方向から見た概略図である。加熱用のレーザ光20は、溶接用のレーザ光21の出力よりも低い出力状態、または、溶接位置に焦点を合わせない状態で溶接線に沿って照射される。加熱用のレーザ光20による加熱は、亜鉛が溶融する419.5℃以上、亜鉛めっき鋼板の鋼板自体が溶融しない1535℃以下で行われる。亜鉛めっき層を溶融する幅は、第1実施例と同じ幅である。
レーザ照射装置66は分割されたレーザ光を異なる位置に照射するレーザ加工ヘッド(ツインスポット)を有している。溶接用のレーザ光と光源が同じレーザ光発生装置(不図示)を使用し、新たにレーザ加工ヘッド66を備えるだけで、加熱工程と溶接工程を行うことができるのでコスト的に有利となる。レーザ光を分割する際に、加熱用のレーザ光20は上記の419.5℃〜900℃の温度範囲を満たし、溶融領域も溶接部から1.4mm以内の領域を満たさなければならず、溶接用のレーザ光21は亜鉛めっき鋼板1、2に焦点があっており鋼板を溶融する温度1535℃以上でなければならない。
レーザ照射装置66によって、溶接方向の前方側に分割されたレーザ光の一方である加熱用のレーザ光20が出力され加熱が行われ、亜鉛めっき鋼板1、2間の亜鉛めっき層が溶融される。レーザ照射装置66と加圧ピン4とは、亜鉛が溶融している状態のうちに溶接部から亜鉛を除去するために、同時に移動した方が好ましく、レーザ溶接装置66と加圧ピン4は一体化していてもよい。その加圧ピン4で加圧が亜鉛めっき鋼板1、2に実施され、溶融した亜鉛めっき層を外に押し出す。加熱、加圧が行われた軌跡に沿って、レーザ照射装置66から分割されたレーザ光の他方である溶接用のレーザ光21が出力され、亜鉛めっき鋼板1、2を溶融しながら溶接する。
溶接を実施する部分から亜鉛を排除することで、レーザ照射され溶接される際に発生する亜鉛蒸気の量も減少する。亜鉛蒸気の発生を抑制することで、ポロシティの発生も減少し、溶接強度の向上、溶接品質の向上の効果が得られる。
[第3実施形態]
本実施形態は、高周波誘導過熱装置を使用して亜鉛めっき鋼板に熱を加え、溶接部を一回の加熱で亜鉛めっき鋼板間の亜鉛めっき層を溶接する構成である。
図9は、本実施形態による亜鉛めっき鋼板の加熱状態を示す概略図である。
本実施形態の亜鉛めっき鋼板への加熱は、図9に示すように、二枚の亜鉛めっき鋼板1、2の溶接線9の周辺の亜鉛液化部を高周波誘導加熱装置30で加熱する。高周波誘導加熱装置30は、たとえば、クランプ部材内に高周波誘導加熱コイルを備えたものであり、亜鉛液化部15全体を囲むように4個設置されている。
高周波誘導加熱装置30による亜鉛液化部の状態は、亜鉛が溶融する419.5℃以上、亜鉛めっき鋼板の鋼板自体が溶融しない1535℃以下である。亜鉛液化部で亜鉛めっき層が溶融している間に、第1実施形態同様の加圧工程、溶接工程が施される。
溶接を実施する部分から亜鉛を排除することで、レーザ照射され溶接される際に発生する亜鉛蒸気の量も減少する。亜鉛蒸気の発生を抑制することで、ポロシティの発生も減少し、溶接強度の向上、溶接品質の向上の効果が得られる。
[第4実施形態]
第1実施形態では加圧ピンを溶接線に沿って押し当てて移動させながら加圧していたが、本実施形態では亜鉛めっき鋼板をクランプ部材で挟持し、その圧力で溶接部から加熱工程で溶融した亜鉛を除去する構成である。
図10は、本実施形態による亜鉛めっき鋼板の加圧状態を示す概略図である。
本実施形態の亜鉛めっき鋼板への加圧は、図10に示すように、クランプ部材40を設置し、亜鉛めっき鋼板1、2を挟持することで行われる。クランプ部材40で亜鉛めっき鋼板が加圧することで、溶接部から溶融した亜鉛が外に押し出すことができる。クランプ部材40は溶接線9を延長した亜鉛めっき鋼板の両サイドに設置することが望ましい。クランプ部材40は、加熱工程の前から予め、亜鉛めっき鋼板1、2を重ね合わせる段階から設置し、亜鉛めっき鋼板1、2を挟持し加圧を行っていてもよい。クランプ部材40で亜鉛めっき鋼板1、2を加圧している間に、溶接線9に沿って加熱が行われると、加熱装置の移動と共に溶接部から溶融した亜鉛が外に押し出されることになる。
溶接を実施する部分から亜鉛を排除することで、レーザ照射され溶接される際に発生する亜鉛蒸気の量も減少する。亜鉛蒸気の発生を抑制することで、ポロシティの発生も減少し、溶接強度の向上、溶接品質の向上の効果が得られる。
Aは第1実施形態による亜鉛めっき鋼板のレーザ溶接状態を示す概略図、Bは図1Aの矢印A方向から見た概略図である。 Aは第1実施形態による亜鉛めっき鋼板の加熱状態を示す概略図、Bは図2AのB−B線に沿う概略断面図である。 Aは第1実施形態による亜鉛めっき鋼板の表面の加熱状態を示す概略図、Bは図3AのB−B線に沿う概略断面図である。 Aは第1実施形態による亜鉛めっき鋼板の加圧状態を示す概略図、Bは図4AのB−B線に沿う概略断面図である。 Aは第1実施形態による亜鉛めっき鋼板の表面の加圧状態を示す概略図、Bは図5AのB−B線に沿う概略断面図である。 Aは第1実施形態による加圧工程後の亜鉛めっき鋼板のあわせ面の状態を示す概略図、Bは図6AのB−B線に沿う概略断面図である。 Aは第1実施形態による亜鉛めっき鋼板の溶接状態を示す概略図、Bは図7AのB−B線に沿う概略断面図である。 Aは第2実施形態による亜鉛めっき鋼板の加熱状態を示す概略図、Bは図8Aの矢印A方向から見た概略図である。 第3実施形態による亜鉛めっき鋼板の加熱状態を示す概略図である。 第4実施形態による亜鉛めっき鋼板の加圧状態を示す概略図である。
符号の説明
1、2 亜鉛めっき鋼板、
3 加熱手段、
4 加圧手段、
5 溶接手段、
6 レーザ光、
8 連続溶接、
9 溶接線、
10 噴霧装置、
11、12 亜鉛、
13、14 鉄
15 溶接部、
16 不純物、
18 ロウ付け部、
20 加熱用レーザ光、
21 溶接用レーザ光、
30 高周波誘導過熱装置入りクランプ部材、
40 クランプ部材。

Claims (18)

  1. 被覆層が表面に形成された板材を含む少なくとも二枚の板材同士を重ね合わせ、溶接すべき溶接部にレーザ光照射し、溶接を施すレーザ溶接方法であって、
    前記溶接に先立って、前記板材を加熱し、当該板材間の前記被覆層を溶融する加熱段階と、
    前記被覆層が溶融している状態で、前記板材を加圧し、当該溶融した被覆層をなす物質を前記溶接部から押し出す加圧段階と、
    この加圧後、前記溶接部にレーザ光を照射する溶接段階と、
    を含むことを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 前記加熱段階は、前記溶接部を加熱することを特徴とする、請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  3. 前記加圧段階は、前記溶接部を加圧することを特徴とする、請求項2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 前記板材は、前記被覆層として亜鉛めっき層を含む亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法。
  5. 前記加熱段階は、プラズマを前記板材に照射して加熱することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法。
  6. 前記加熱段階は、レーザ光を前記板材に照射して加熱することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法。
  7. 前記加圧段階は、前記板材より硬い強度を有し当接部分が前記溶接部と同程度の幅を有する加圧ピンを前記板材に当接して加圧することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法。
  8. 前記加圧段階は、クランプ部材により前記板材同士を挟持して加圧することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法。
  9. 加熱に先立って、前記重ね合わせた板材は、前記クランプ部材で保持されることを特徴とする請求項8に記載のレーザ溶接方法。
  10. 被覆層が表面に形成された板材を含む少なくとも二枚の板材同士を重ね合わせ、溶接すべき溶接部にレーザ光照射し溶接を施すレーザ溶接装置であって、
    前記溶接に先立って、前記板材を加熱し、当該板材間の前記被覆層を溶融する加熱手段と、
    前記被覆層が溶融している状態で、前記板材を加圧し、当該溶融した被覆層をなす物質を前記溶接部から押し出す加圧手段と、
    前記溶接部にレーザ光を照射する溶接手段と、
    を含むことを特徴とするレーザ溶接装置。
  11. 前記加熱手段は、前記溶接部を加熱することを特徴とする、請求項10に記載のレーザ溶接装置。
  12. 前記加圧手段は、前記溶接部を加圧することを特徴とする、請求項11に記載のレーザ溶接装置。
  13. 前記板材は、前記被覆層として亜鉛めっき層を含む亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置。
  14. 前記加熱手段は、プラズマを前記板材に照射するプラズマ照射装置であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置。
  15. 前記加熱手段は、レーザ光を前記板材に照射する溶接手段であることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置。
  16. 前記加圧手段は、前記板材に当接して加圧する加圧ピンであることを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置。
  17. 前記加圧手段は、前記板材同士を挟持して加圧するクランプ部材であることを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置。
  18. 加熱に先立って、前記重ね合わせた板材は、前記クランプ部材で保持されることを特徴とする請求項17に記載のレーザ溶接装置。
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