JP2009283160A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示品位を悪化させずに、光の取り出し効率を向上させ、駆動電圧マージンを確保しながら、低消費電力かつ低電圧駆動を可能とするプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】走査電極2本、維持電極1本により隣接する行方向2ラインを形成し、維持電極4幅は走査電極の2〜3倍の幅を有し、走査電極3及び維持電極4の直上には、透明電極3a、4aが必ずそれらを覆うように列方向に連続して形成されることを特徴とする構成であり、放電ギャップ近傍の走査電極側透明電極3a及び維持電極側透明電極4aは列方向に連続して形成され、少なくとも放電空間内の維持電極側の電極面積は走査電極側の面積と同等となるように、維持電極側透明電極4aと走査電極側透明電極3aを非対称な形状とした。
【選択図】図7
【解決手段】走査電極2本、維持電極1本により隣接する行方向2ラインを形成し、維持電極4幅は走査電極の2〜3倍の幅を有し、走査電極3及び維持電極4の直上には、透明電極3a、4aが必ずそれらを覆うように列方向に連続して形成されることを特徴とする構成であり、放電ギャップ近傍の走査電極側透明電極3a及び維持電極側透明電極4aは列方向に連続して形成され、少なくとも放電空間内の維持電極側の電極面積は走査電極側の面積と同等となるように、維持電極側透明電極4aと走査電極側透明電極3aを非対称な形状とした。
【選択図】図7
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、パネルという)を表示デバイスとして用いたプラズマディスプレイ装置に関するものである。
このプラズマディスプレイ装置に用いられるパネルは、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、プラズマディスプレイ装置の主流は、3電極構造の面放電型のものである。
この面放電型のプラズマディスプレイパネル構造は、少なくとも前面側が透明な一対の基板を基板間に放電空間が形成されるように対向配置するとともに、放電空間を複数に仕切るための隔壁を基板に配置し、かつ隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように基板に電極群を配置するとともに放電により発光する赤色、緑色、青色に発光する蛍光体を設けて複数の放電セルを構成したもので、放電により発生する波長の短い真空紫外光によって蛍光体を励起し、赤色、緑色、青色の放電セルからそれぞれ赤色、緑色、青色の可視光を発することによりカラー表示を行っている。
このようなプラズマディスプレイ装置は、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイの中で最近特に注目を集めており、多くの人が集まる場所での表示装置や家庭で大画面の映像を楽しむための表示装置として各種の用途に使用されている。
このようなプラズマディスプレイ装置においては、ガラスが主材料のパネルをアルミニウムなどの金属製のシャーシ部材の前面側に保持させ、そのシャーシ部材の背面側にパネルを発光させるための駆動回路を構成する回路基板を配置することによりモジュールを構成している(特許文献1参照)。
特開2003−131580号公報
ところで、プラズマディスプレイ装置においては、図1からもわかるように、発光が強い放電ギャップ付近にバス電極が存在するため、光の取出し効率が十分ではないという難点がある。また、高精細になるほど、光の取り出し効率を上げるために必然的にバス電極幅を細くすることで、1ライン当たりの抵抗が高くなり、駆動電圧が上昇する課題もある。
さらに先行例として出願されている特開2004−42661号公報(出願番号2000−223185号)のような構造だと、維持放電時に維持電極側が明るくなり、明線のムラが2行周期毎に発生してしまう。つまり表示品位が悪化する課題が生じる。
また、セル毎に透明電極を分割していることで維持電圧が高くなるとともに、黄変が悪化してしまう課題がある。さらに1セル当たりの投入電力が増加することで、維持期間で発生する縦方向及び横方向の干渉が悪化し、駆動電圧マージンを圧迫してしまう課題がある。
本発明はこのような現状に鑑みなされたもので、表示品位を悪化させずに、光の取り出し効率を向上させ、駆動電圧マージンを確保しながら、低消費電力かつ低電圧駆動を可能とするプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。
この課題を解決するために本発明は、複数の表示電極を配置した前面基板と表示電極に交差するようにデータ電極を配置した背面基板とを間に放電空間が形成されるように対向配置したプラズマディスプレイパネルと、このプラズマディスプレイパネルを前面側に保持し背面側にプラズマディスプレイパネルを駆動させるための駆動回路ブロックを配置したシャーシ部材とを有し、第一の構成としては、走査電極2本、維持電極1本により隣接する行方向2ラインを形成し、維持電極幅は走査電極の2〜3倍の幅を有し、走査電極及び維持電極の直上には、透明電極が必ずそれらを覆うように列方向に連続して形成されることを特徴とする構成であり、放電ギャップ近傍の走査電極側透明電極及び維持電極側透明電極は列方向に連続して形成され、少なくとも放電空間内の維持電極側の電極面積は走査電極側の面積と同等となるように、維持電極側透明電極と走査電極側透明電極を非対称な形状にすることを特徴とする。
第二の構成としては、第一の構成から走査電極はブラックストライプで全て覆うことを特徴とする。
第三の構成としては、請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、走査電極側透明電極及び維持電極側透明電極は列方向に連続した形状で、走査電極側透明電極形状は、隣接する走査電極側透明電極の間隔がセルピッチの1/3以上を確保するような走査電極側透明電極幅を有することを特徴とする。
第四の構成としては、請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、維持電極直下に対応する箇所には保護層を形成しないことを特徴とする。
第五の構成としては、請求項1記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、維持電極直下に対応する箇所に、絶縁性の材料で層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、表示品位を悪化させずに光の取り出し効率を向上させ、駆動電圧マージンを確保しながら、低消費電力かつ低電圧駆動を可能とするプラズマディスプレイパネルを得ることができる。
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明するが、本発明の実施の態様はこれに限定されるものではない。
まず、プラズマディスプレイ装置におけるパネルの構造について図1を用いて説明する。図1に示すように、パネルは、ガラス製の前面基板1と背面基板2とを、その間に放電空間を形成するように対向配置することにより構成されている。前面基板1上には表示電極を構成する走査電極3と維持電極4とが互いに平行に対をなして複数形成されている。そして、走査電極3および維持電極4を覆うように誘電体層5が形成され、誘電体層5上には保護層6が形成されている。
また、背面基板2上には絶縁体層7で覆われた複数のデータ電極8が設けられ、その絶縁体層7上には井桁状の隔壁9が設けられている。また、絶縁体層7の表面および隔壁9の側面に蛍光体層10が設けられている。そして、走査電極3および維持電極4とデータ電極8とが交差するように前面基板1と背面基板2とが対向配置されており、その間に形成される放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンの混合ガスが封入されている。なお、パネルの構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
図2はこのパネルの電極配列図である。行方向にn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極3)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極4)が配列され、列方向にm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極8)が配列されている。そして、1対の走査電極SCiおよび維持電極SUi(i=1〜n)と1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。
図3はこのパネルを用いたプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図である。このプラズマディスプレイ装置は、パネル11、画像信号処理回路12、データ電極駆動回路13、走査電極駆動回路14、維持電極駆動回路15、タイミング発生回路16および電源回路(図示せず)を備えている。
画像信号処理回路12は、画像信号sigをサブフィールド毎の画像データに変換する。データ電極駆動回路13はサブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する信号に変換し、各データ電極D1〜Dmを駆動する。タイミング発生回路16は水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vをもとにして各種のタイミング信号を発生し、各駆動回路ブロックに供給している。走査電極駆動回路14はタイミング発生回路16からのタイミング信号にもとづいて走査電極SC1〜SCnに駆動電圧波形を供給し、維持電極駆動回路15はタイミング発生回路16からのタイミング信号にもとづいて維持電極SU1〜SUnに駆動電圧波形を供給する。ここで、走査電極駆動回路14および維持電極駆動回路15は、維持パルス発生部17を備えている。
次に、パネルを駆動するための駆動電圧波形とその動作について図4を用いて説明する。図4はパネルの各電極に印加する駆動電圧波形を示す図である。
本実施の形態によるプラズマディスプレイ装置においては、1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドは初期化期間、書込み期間、維持期間を有している。
第1サブフィールドの初期化期間では、データ電極D1〜Dmおよび維持電極SU1〜SUnを0(V)に保持し、走査電極SC1〜SCnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi1(V)から放電開始電圧を超える電圧Vi2(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。すると、すべての放電セルにおいて1回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極SC1〜SCn上に負の壁電圧が蓄えられるとともに維持電極SU1〜SUn上およびデータ電極D1〜Dm上に正の壁電圧が蓄えられる。ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘電体層や蛍光体層上等に蓄積した壁電荷により生じる電圧を指す。
その後、維持電極SU1〜SUnを正の電圧Vh(V)に保ち、走査電極SC1〜SCnに電圧Vi3(V)から電圧Vi4(V)に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。すると、すべての放電セルにおいて2回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極SC1〜SCn上と維持電極SU1〜SUn上との間の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜Dm上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
続く書込み期間では、走査電極SC1〜SCnを一旦Vr(V)に保持する。次に、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Va(V)を印加するとともに、データ電極D1〜Dmのうち1行目に表示すべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vd(V)を印加する。このときデータ電極Dkと走査電極SC1との交差部の電圧は、外部印加電圧(Vd−Va)(V)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧とが加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間に書込み放電が起こり、この放電セルの走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。
このようにして、1行目に表示すべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vd(V)を印加しなかったデータ電極D1〜Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで順次行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間では、走査電極SC1〜SCnには第1の電圧として正の維持パルス電圧Vs(V)を、維持電極SU1〜SUnには第2の電圧として接地電位、すなわち0(V)をそれぞれ印加する。このとき書込み放電を起こした放電セルにおいては、走査電極SCi上と維持電極SUi上との間の電圧は維持パルス電圧Vs(V)に走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧とが加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。このときデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。
書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは、維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保持される。続いて、走査電極SC1〜SCnには第2の電圧である0(V)を、維持電極SU1〜SUnには第1の電圧である維持パルス電圧Vs(V)をそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との間の電圧が放電開始電圧を超えるので、再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。
以降同様に、走査電極SC1〜SCnと維持電極SU1〜SUnとに交互に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加することにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。こうして維持期間における維持動作が終了する。
続くサブフィールドにおける初期化期間、書込み期間、維持期間の動作も第1サブフィールドにおける動作とほぼ同様のため、説明を省略する。
図5に上記で説明した構造のパネルを組み込んだプラズマディスプレイ装置の全体構成の一例を示し、図6に背面側から見た駆動回路ブロックの配置の一例を示している。
図において、21はアルミニウムなどの金属製の放熱板を兼ねた保持板としてのシャーシ部材で、このシャーシ部材21の前面側には、パネル11がシャーシ部材21との間に放熱シート(図5には図示せず)を介在させて接着材などにより接着することにより、保持されている。また、シャーシ部材21の背面側には、図6に示すように、パネル11を表示駆動させるための複数の駆動回路ブロックが配置され、これによりモジュールが構成されている。
ここで、放熱シートは、パネル11をシャーシ部材21の前面側に接着して保持し、パネル11で発生した熱をシャーシ部材21に効率よく伝え、放熱を行うためのものであり、厚さは1mm〜2mm程度である。この放熱シートとしては、アクリルやウレタン、シリコン樹脂やゴムなどの合成樹脂材料に熱伝導性を高めるフィラーを含有させた絶縁性の放熱シートや、グラファイトシート、金属シートなどを用いることができる。また、放熱シート自体に接着力を持たせ、パネル11をシャーシ部材21に放熱シートのみで接着して保持する構成や、放熱シートには接着力がなく、別の両面接着テープを用いてパネル11をシャーシ部材21に接着する構成などを用いることができる。
また、パネル11の両側縁部には、走査電極3および維持電極4の電極引出部に接続された表示電極用配線部材としてのフレキシブル配線板22が設けられ、シャーシ部材21の外周部を通して背面側に引き回され、走査電極駆動回路14の駆動回路ブロック23および維持電極駆動回路15の駆動回路ブロック24にコネクタを介して接続されている。
一方、パネル11の下部および上部縁部には、データ電極8の電極引出部に接続されたデータ電極用配線部材としての複数のフレキシブル配線板25が設けられ、そしてそのフレキシブル配線板25は、データ電極駆動回路13の複数のデータドライバ26それぞれに電気的に接続されるとともに、シャーシ部材21の外周部を通して背面側に引き回され、シャーシ部材21の背面側の下部および上部位置に配置されたデータ電極駆動回路13の駆動回路ブロック27に電気的に接続されている。
制御回路ブロック28は、テレビジョンチューナ等の外部機器に接続するための接続ケーブルが着脱可能に接続される入力端子部を備えた入力信号回路ブロック29から送られる映像信号に基づき、画像データをパネル11の画素数に応じた画像データ信号に変換してデータ電極駆動回路の駆動回路ブロック27に供給すると共に、放電制御タイミング信号を発生し、各々走査電極駆動回路14の駆動回路ブロック23および維持電極駆動回路15の駆動回路ブロック24に供給し、階調制御等の表示駆動制御を行うもので、シャーシ部材21のほぼ中央部に配置されている。
電源ブロック30は、各回路ブロックに電圧を供給するもので、制御回路ブロック28と同様、シャーシ部材21のほぼ中央部に配置され、電源ケーブル(図示せず)が装着されるコネクタを通して商用電源電圧が供給される。これらの駆動回路ブロック23、駆動回路ブロック24、27や制御回路ブロック28や入力信号回路ブロック29や電源ブロック30は、シャーシ部材21の背面側に設けられたボス部にビスなどにより固定されている。
また、駆動回路ブロック23、駆動回路ブロック24の近傍には、冷却ファン31がアングル32に保持されて配置されており、この冷却ファン31から送られる風により駆動回路ブロック23、駆動回路ブロック24が冷却されるように構成されている。さらに、シャーシ部材21の上部位置には、上部位置に配置したデータ電極駆動回路13の駆動回路ブロック27を冷却するとともに、シャーシ部材21の背面側において、装置全体の内部に下部から上部に向かって空気流を起こすことにより、装置内部を冷却する3個の冷却ファン33が配置されている。
さらに、シャーシ部材21には、補強用のアングル34、補強用のアングル35が水平方向および垂直方向に配置して固定され、水平方向に配置したアングル34には、装置を立てた状態で保持するためのスタンドポール36がビスなどにより固定されている。
以上のような構造のモジュールは、パネル11の前面側に配置される前面保護カバー37と、シャーシ部材21の背面側に配置される金属製のバックカバー38とを有する筐体内に収容され、これによりプラズマディスプレイ装置が完成する。ここで、前面保護カバー37は、パネル11の前面側の画像表示領域が表出する開口部39aを有する樹脂や金属からなる前面枠39と、この前面枠39の開口部39aに取付けられかつ光学フィルターや電磁波の不要輻射を抑制するための不要輻射抑制膜が設けられたガラスなどからなる保護板40とを備えた構成であり、保護板40は、保護板40の周辺部を前面枠39の開口部39aの周縁部と保護板押え金具(図示せず)とで挟むことにより、前面枠39に取り付けられている。さらに、バックカバー38には、モジュールで発生した熱を外部に放出するための複数の通気孔(図示せず)が設けられている。
なお、図5において、41はバックカバー38をシャーシ部材21に取付けるためのビス、42はバックカバー38にビスなどで取付けた把持部である。
次に、本実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の特徴部分について、詳細に説明する。
(実施例1)
第一実施例は図7に示すように、上下隣接セルにまたがるように維持電極4を一本化で配置し、走査電極3は各セルに1本ずつ配置する。この時、維持電極4の幅は走査電極3の幅の2倍以上3倍以下としておく。走査電極側にはブラックストライプ18が形成されている。放電空間内の透明電極形状については、放電ギャップ近傍は、維持電極側透明電極4aと走査電極側透明電極3a共に隣接セルを跨ぐように形成する。少なくとも、放電空間内の維持電極4側の電極面積は走査電極3側の面積と同等となるように、維持電極側透明電極4aと走査電極側透明電極3aを非対称な形状にする。さらに駆動電圧マージンを確保するために、上記関係を遵守しながら、走査電極側透明電極3aの形状を維持電極側透明電極4aの形状のように面積低減しても良い。このようなセル構造を実現することで、放電時の2行周期で発生する明線を抑制しつつ、光の取り出し効率を向上させることができるので、低消費電力を実現することができる。また、維持電極一本化による1セル当たりの投入電力増加についても、維持側電極面積を削ることで抑制することができ、駆動電圧マージンを確保することができる。維持電極側の1ライン当たりの抵抗についても33%〜66%は低減できるので、低電圧駆動が可能となる。図8は図7の断面図である。透明電極3a及び4aは走査電極3及び維持電極4を被せるように形成しているため、黄変を抑制することが可能となる。
第一実施例は図7に示すように、上下隣接セルにまたがるように維持電極4を一本化で配置し、走査電極3は各セルに1本ずつ配置する。この時、維持電極4の幅は走査電極3の幅の2倍以上3倍以下としておく。走査電極側にはブラックストライプ18が形成されている。放電空間内の透明電極形状については、放電ギャップ近傍は、維持電極側透明電極4aと走査電極側透明電極3a共に隣接セルを跨ぐように形成する。少なくとも、放電空間内の維持電極4側の電極面積は走査電極3側の面積と同等となるように、維持電極側透明電極4aと走査電極側透明電極3aを非対称な形状にする。さらに駆動電圧マージンを確保するために、上記関係を遵守しながら、走査電極側透明電極3aの形状を維持電極側透明電極4aの形状のように面積低減しても良い。このようなセル構造を実現することで、放電時の2行周期で発生する明線を抑制しつつ、光の取り出し効率を向上させることができるので、低消費電力を実現することができる。また、維持電極一本化による1セル当たりの投入電力増加についても、維持側電極面積を削ることで抑制することができ、駆動電圧マージンを確保することができる。維持電極側の1ライン当たりの抵抗についても33%〜66%は低減できるので、低電圧駆動が可能となる。図8は図7の断面図である。透明電極3a及び4aは走査電極3及び維持電極4を被せるように形成しているため、黄変を抑制することが可能となる。
(実施例2)
第二実施例は図9に示すように、図7から走査電極側をブラックストライプ18で覆ってもよい。図10は図9の断面図である。図7の効果に加え、さらにセル開口幅が増え、光取り出し効率が向上する。また、図7だと、黒幅の間隔が走査電極側と維持電極側とで異なってしまうが、図9のような構造だと、それが同等となっており、見た目に違和感を生むことも無くなる。この場合も、第一実施例同様さらに駆動電圧マージンを確保するために、走査電極側透明電極3aの形状は、放電空間内の走査電極3側の電極面積と維持電極4側の電極面積が同等となるように、維持電極側透明電極4aの形状のような面積低減を行っても良い。
第二実施例は図9に示すように、図7から走査電極側をブラックストライプ18で覆ってもよい。図10は図9の断面図である。図7の効果に加え、さらにセル開口幅が増え、光取り出し効率が向上する。また、図7だと、黒幅の間隔が走査電極側と維持電極側とで異なってしまうが、図9のような構造だと、それが同等となっており、見た目に違和感を生むことも無くなる。この場合も、第一実施例同様さらに駆動電圧マージンを確保するために、走査電極側透明電極3aの形状は、放電空間内の走査電極3側の電極面積と維持電極4側の電極面積が同等となるように、維持電極側透明電極4aの形状のような面積低減を行っても良い。
(実施例3)
第三実施例は図11に示すように、図7の形態から、走査電極3幅を太くし、ブラックストライプ18を削除した形態である。図12は図11の断面図である。セル開口幅は図7と同等を確保でき、走査電極側のライン抵抗も低減できるため、駆動電圧がさらに低減できる形態である。この場合も、第一実施例同様さらに駆動電圧マージンを確保するために、走査電極側透明電極3aの形状は、放電空間内の走査電極3側の電極面積と維持電極4側の電極面積が同等となるように、維持電極側透明電極4aの形状のような面積低減を行っても良い。
第三実施例は図11に示すように、図7の形態から、走査電極3幅を太くし、ブラックストライプ18を削除した形態である。図12は図11の断面図である。セル開口幅は図7と同等を確保でき、走査電極側のライン抵抗も低減できるため、駆動電圧がさらに低減できる形態である。この場合も、第一実施例同様さらに駆動電圧マージンを確保するために、走査電極側透明電極3aの形状は、放電空間内の走査電極3側の電極面積と維持電極4側の電極面積が同等となるように、維持電極側透明電極4aの形状のような面積低減を行っても良い。
(実施例4)
第四実施例は図13に示すように、走査電極側透明電極3a及び、維持電極側透明電極4aの形状は同一形状だが、走査電極側透明電極3aの間はセルピッチの1/3以上は確保するため、走査電極側透明電極の幅が図7より減少した形態となる。図14は図13の断面図である。この形態は透明電極が形成し易く、背面板と組み合わせる際の水平方向ズレの懸念が無いため、図7の形態よりも、歩留まりに対するマージンが確保できる。また、図7の形態よりも隣接セルの縦方向干渉も抑制することができ、駆動電圧マージンを拡大させることが可能となる。
第四実施例は図13に示すように、走査電極側透明電極3a及び、維持電極側透明電極4aの形状は同一形状だが、走査電極側透明電極3aの間はセルピッチの1/3以上は確保するため、走査電極側透明電極の幅が図7より減少した形態となる。図14は図13の断面図である。この形態は透明電極が形成し易く、背面板と組み合わせる際の水平方向ズレの懸念が無いため、図7の形態よりも、歩留まりに対するマージンが確保できる。また、図7の形態よりも隣接セルの縦方向干渉も抑制することができ、駆動電圧マージンを拡大させることが可能となる。
(実施例5)
第五実施例は、図15に示すように、従来のセル構造から上下隣接セルにまたがるように維持電極4を一本化で配置した形態であるが、一本化した維持電極4に対応する箇所には保護層が形成されない形態である。図16は図15の断面図である。保護層が形成されていない箇所は放電が広がることは無いので、1セル当たりの投入電力を抑制することができ、第一実施例と同様の効果を得ることができる。
第五実施例は、図15に示すように、従来のセル構造から上下隣接セルにまたがるように維持電極4を一本化で配置した形態であるが、一本化した維持電極4に対応する箇所には保護層が形成されない形態である。図16は図15の断面図である。保護層が形成されていない箇所は放電が広がることは無いので、1セル当たりの投入電力を抑制することができ、第一実施例と同様の効果を得ることができる。
(実施例6)
第6実施例は図17に示すように、従来のセル構造から上下隣接セルにまたがるように維持電極4を一本化で配置した形態であるが、一本化した維持電極4に対応する箇所に、絶縁性の材料で放電を抑制する層を形成する。図18は図17の断面図である。絶縁性材料による層が放電を抑制することで、第一実施例と同様の効果を得ることができる。
第6実施例は図17に示すように、従来のセル構造から上下隣接セルにまたがるように維持電極4を一本化で配置した形態であるが、一本化した維持電極4に対応する箇所に、絶縁性の材料で放電を抑制する層を形成する。図18は図17の断面図である。絶縁性材料による層が放電を抑制することで、第一実施例と同様の効果を得ることができる。
本発明においては、上述したように、表示品位を悪化させずに光の取り出し効率を向上させ、駆動電圧マージンを確保しながら、低消費電力かつ低電圧駆動を可能とすることができる。
以上のように本発明は、大画面、高精細のプラズマディスプレイ装置を提供する上で有用な発明である。
1 前面基板
2 背面基板
3 走査電極
3a 走査電極側透明電極
4 維持電極
4a 維持電極側透明電極
5 前面側誘電体層
6 保護層
7 絶縁体層
8 データ電極
9 隔壁
10 蛍光体層
11 パネル
12 絶縁体層
18 ブラックストライプ
21 シャーシ部材
22、25 フレキシブル配線板
23、24、27 駆動回路ブロック
26 データドライバ
43 ベース板
44、45 金属板
2 背面基板
3 走査電極
3a 走査電極側透明電極
4 維持電極
4a 維持電極側透明電極
5 前面側誘電体層
6 保護層
7 絶縁体層
8 データ電極
9 隔壁
10 蛍光体層
11 パネル
12 絶縁体層
18 ブラックストライプ
21 シャーシ部材
22、25 フレキシブル配線板
23、24、27 駆動回路ブロック
26 データドライバ
43 ベース板
44、45 金属板
Claims (6)
- 複数の走査電極と維持電極とからなる表示電極を配置した前面基板と、前記表示電極に交差するようにデータ電極を配置した背面基板との間に放電空間が形成されるように対向配置したプラズマディスプレイパネルと、前記プラズマディスプレイパネルを前面側に保持するとともに、前記プラズマディスプレイパネルを駆動させるための駆動回路ブロックを背面側に配置するシャーシ部材とを有し、
前記走査電極2本と前記維持電極1本により隣接する行方向2ラインを形成し、前記維持電極の幅は前記走査電極の約2〜3倍の幅を有し、前記走査電極及び前記維持電極の直上には透明電極が列方向に連続して形成されることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。 - 放電ギャップ近傍の走査電極側透明電極及び維持電極側透明電極は列方向に連続して形成され、少なくとも放電空間内の維持電極側の電極面積は走査電極側の電極面積と同等で、前記維持電極側透明電極と前記走査電極側透明電極を非対称な形状にすることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
- 走査電極をブラックストライプで覆うことを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 走査電極側透明電極及び維持電極側透明電極は列方向に連続した形状で、前記走査電極側透明電極の形状は、隣接する走査電極側透明電極の間隔がセルピッチの1/3以上を確保する走査電極側透明電極の幅を有することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
- 維持電極直下に対応する箇所には保護層を形成しないことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
- 維持電極直下に対応する箇所に、絶縁性の材料で層を形成することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008131513A JP2009283160A (ja) | 2008-05-20 | 2008-05-20 | プラズマディスプレイ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008131513A JP2009283160A (ja) | 2008-05-20 | 2008-05-20 | プラズマディスプレイ装置 |
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JP (1) | JP2009283160A (ja) |
Cited By (1)
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WO2011096191A1 (ja) * | 2010-02-08 | 2011-08-11 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネル |
-
2008
- 2008-05-20 JP JP2008131513A patent/JP2009283160A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011096191A1 (ja) * | 2010-02-08 | 2011-08-11 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネル |
CN102449724A (zh) * | 2010-02-08 | 2012-05-09 | 松下电器产业株式会社 | 等离子显示面板 |
US8410693B2 (en) | 2010-02-08 | 2013-04-02 | Panasonic Corporation | Plasma display panel |
JPWO2011096191A1 (ja) * | 2010-02-08 | 2013-06-10 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネル |
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