JP2009281193A - 筒内噴射用の燃料噴射弁 - Google Patents

筒内噴射用の燃料噴射弁 Download PDF

Info

Publication number
JP2009281193A
JP2009281193A JP2008132256A JP2008132256A JP2009281193A JP 2009281193 A JP2009281193 A JP 2009281193A JP 2008132256 A JP2008132256 A JP 2008132256A JP 2008132256 A JP2008132256 A JP 2008132256A JP 2009281193 A JP2009281193 A JP 2009281193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
valve seat
pressure chamber
valve body
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008132256A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideji Sawara
秀治 佐原
Yasushi Kawasaki
泰 川崎
Keisuke Suzuki
鈴木  啓介
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2008132256A priority Critical patent/JP2009281193A/ja
Publication of JP2009281193A publication Critical patent/JP2009281193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】弁体や弁座に表面処理を行わずとも、シール部の摩耗を好適に抑制することのできる筒内噴射用の燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】低圧燃料系に連通される低圧室45と高圧燃料系に連通される高圧室である第3圧力室46との連通状態を切り替える弁体23と、同弁体23が着座する弁座5とを備える筒内噴射用の燃料噴射弁において、弁体23と弁座5とが接触するシール部を、弁体23に設けられた溝24と、凸状に形成されて溝24に嵌合する弁座5とで形成する。
【選択図】図3

Description

この発明は内燃機関に設けられる筒内噴射用の燃料噴射弁に関する。
コモンレール式のディーゼルエンジンや、直噴式のガソリンエンジンには、気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射用の燃料噴射弁が設けられている。
こうした燃料噴射弁の噴射圧は、吸気通路に燃料を噴射する燃料噴射弁と比較して高くなっており、噴射孔を開閉する噴射ノズルの開弁動作には大きな力を要する。そのため、電磁ソレノイド等を用いて噴射ノズルを直接開弁動作させるのではなく、噴射ノズルの上方及び下方に作用する燃料圧力の差を利用して噴射ノズルを開弁動作させるようにしている。
より具体的には、噴射ノズルの上方に第1圧力室を設けるとともに下方には第2圧力室を設け、噴射圧相当の燃料が流通する高圧燃料系に第1圧力室及び第2圧力室を連通させるとともに、噴射ノズルを噴射孔に向けてスプリング等で付勢するようにしている。そして、噴射孔を閉弁状態にするときには、噴射圧相当の高圧燃料で第1圧力室及び第2圧力室を満たして噴射ノズル上方に作用する燃料圧力と下方に作用する燃料圧力とが同じになるようにし、スプリングの付勢力で噴射ノズルを噴射孔に当接させるようにしている。一方、噴射孔を開弁状態にするときには、噴射圧よりも低い燃料が流通する低圧燃料系に第1圧力室を連通させて噴射ノズルの上方に作用する燃料圧力が噴射ノズルの下方に作用する燃料圧力よりも小さくなるようにし、そうした噴射ノズルの上方及び下方に作用する燃料圧力の差により生じる付勢力で噴射ノズルを噴射孔から離間させるようにしている。
低圧燃料系と第1圧力室とを連通させる構造としては、例えば特許文献1に記載される燃料噴射弁等のような構造が挙げられる。この特許文献1に記載の燃料噴射弁ではその内部に、低圧燃料系に連通する低圧室と、この低圧室及び第1圧力室に連通する第3圧力室を設けるようにしている。また、低圧室と第3圧力室との連通を遮断する弁体や、この弁体を開閉動作させる電磁ソレノイドやピエゾ素子等といった電磁アクチュエータも設けるようにしている。そして、噴射孔を閉弁状態にするときには、上記弁体を弁座に着座させて第3圧力室と低圧室との連通を遮断し、第3圧力室及び第1圧力室を高圧燃料で満たすようにしている。一方、噴射孔を開弁状態にするときには、上記弁体を弁座から離座させて第3圧力室と低圧室とを連通させることにより、第3圧力室を介して第1圧力室を低圧燃料系に連通させるようにしている。
特開2001‐295716号公報(図1等)
ところで、弁体が弁座から離間している状態では、第3圧力室から低圧室に向けて流出する燃料の乱流等により、弁体は回転運動や揺動運動等をすることがあり、こうした姿勢変化を伴いながら弁体が弁座に着座することがある。この場合には、弁座に対する滑りを生じさせながら弁体が着座することになるため、弁体と弁座との間には摩擦が生じてシール部の摩耗が起きやすくなる。特に、上記特許文献1に記載の燃料噴射弁にあっては、弁体を球面形状にしており、弁体と弁座とが線接触するようになっているため、弁体及び弁座が接触するシール部での単位接触面積当たりの面圧が高くなっている。そのため、上述したようなシール部の摩耗が生じやすく、低圧室と第3圧力室とのシール性が低下する可能性がある。そこで、弁体や弁座の表面に低摩擦化処理(例えばDLC(Diamond Like Carbon)コーティング等)を施すようにすれば、そうしたシール部の摩耗を抑えることが可能になるが、そうした表面処理の実施に伴う製造コストの増大が避けられない。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、弁体や弁座に表面処理を行わずとも、シール部の摩耗を好適に抑制することのできる筒内噴射用の燃料噴射弁を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、低圧燃料系に連通される低圧室と高圧燃料系に連通される高圧室との連通状態を切り替える弁体と、同弁体が着座する弁座とを備える筒内噴射用の燃料噴射弁において、前記弁体と前記弁座とが接触するシール部が、前記弁体及び前記弁座のいずれか一方に設けられた凹部と、他方に設けられて前記凹部に嵌合する凸部とで形成されていることをその要旨とする。
上記構成によれば、弁体及び弁座のいずれか一方に設けられた凹部が、他方に設けられた凸部に嵌合することで、上記シール部にあっては弁体と弁座とが面接触するようになる。そのため、シール部での単位接触面積あたりの面圧が小さくなる。したがって、上述したような姿勢変化を伴いながら弁体が弁座に着座する場合でも、弁体及び弁座の摩擦に起因したシール部の摩耗は抑えられるようになる。このように同構成によれば、弁体や弁座に表面処理を行わずとも、シール部の摩耗を好適に抑制することができるようになる。また、上記凹部と凸部とが嵌合することで、弁座に着座した弁体が弁座に対して横方向にずれることも抑えられるようになる。従って、弁座に着座した弁体が弁座に対して横方向に往復動することにより生じるおそれのあるシール部の摩耗についてもこれを好適に抑えることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料噴射弁において、前記シール部には、前記凹部及び前記凸部に加え、前記弁体と前記弁座とが面接触する平面部が形成されていることをその要旨とする。
上記構成によれば、凹部及び凸部に加え、弁体及び弁座に設けられた平面部によっても弁体と弁座とが面接触するようになり、シール部での単位接触面積あたりの面圧がさらに小さくなる。したがって、上記シール部の摩耗をより一層抑えることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の燃料噴射弁において、前記凹部及び前記凸部はテーパ状をなし、前記凹部は前記凸部に向かって広くなるように形成されており、前記凸部は前記凹部に向かって狭くなるように形成されていることをその要旨とする。
弁体が弁座に着座する際、凹部と凸部との位置がずれていると、それら凹部と凸部とが嵌合しにくく、例えば凹部や凸部にかじりや偏摩耗等が生じる等して、それら凹部や凸部が変形するおそれがある。
この点、上記構成によれば、弁体が弁座に着座する際、凹部と凸部との位置がずれていたとしても、テーパ形状による自動調心によってそうしたずれが修正される。従って、凹部と凸部とがスムーズに嵌合するようになり、これにより凹部や凸部の変形を抑えることができるようになる。また、上述したように、凹部及び凸部がテーパ状にて形成されているため、弁体が弁座から離座するときには、凹部から凸部をスムーズに離脱させることも可能になる。
互いに嵌合する上記凹部及び凸部の形状としては、請求項4に記載の発明によるように、前記凸部が環状に形成されており、前記凹部が環状の溝で形成されている、といった構成を採用することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料噴射弁において、前記燃料噴射弁は、コモンレール式のディーゼル機関に設けられる噴射弁であることをその要旨とする。
コモンレール式のディーゼル機関における高圧燃料系での燃料の圧力は、気筒内に直接燃料が噴射される直噴式のガソリン機関における高圧燃料系での燃料の圧力よりも高くされている。そのため、上述したような燃料の乱流等による弁体の姿勢変化が大きくなりやすく、シール部の摩耗も生じやすい。この点、同構成によれば、そうしたコモンレール式のディーゼル機関に設けられる燃料噴射弁でのシール部の摩耗を好適に抑えることができるようになる。
以下、この発明にかかる燃料噴射弁を、コモンレール式のディーゼルエンジンに設けられた筒内噴射用の燃料噴射弁に具体化した一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に、本実施形態における燃料噴射弁1の断面図を示す。この図1に示すように、燃料噴射弁1のボデー2内には、高圧ポンプで昇圧された燃料が流れる高圧燃料系に連通される高圧燃料通路51や、高圧ポンプで昇圧される前の燃料が流れる低圧燃料系に連通される低圧燃料通路52が形成されている。
また、ボデー2内にあってその上方(図1の上方)には、電圧が印加されると上下方向に伸長し、非通電時には収縮するピエゾ素子を積層したピエゾアクチュエータ11が設けられている。
ピエゾアクチュエータ11の下方向の端部には、その端部に当接する仲介部材12が備えられている。この仲介部材12によって、ピエゾアクチュエータ11を構成するピエゾ素子の積層状態が保持される。また、仲介部材12は、ある程度の弾性を有しており、これにより伸長時にピエゾアクチュエータ11に対して作用する圧縮応力が緩和され、ピエゾ素子の破損等が抑えられる。
仲介部材12の下方向の端部には、ボデー2内に形成されたシリンダ41内を摺動する円柱状の大ピストン13が当接されており、仲介部材12及び大ピストン13は、ピエゾアクチュエータ11の変位に併せて一体となって変位する。
ボデー2内にあって上記シリンダ41の下方には、シリンダ41よりも小径なシリンダ43が形成されており、このシリンダ43内には、同シリンダ43内を摺動する小ピストン14が設けられている。大ピストン13の下面と小ピストン14の上面とはある程度離間されており、その離間した空間内には、作動油となる燃料が満たされる。これにより大ピストン13の下面と小ピストン14の上面との間には、燃料で満たされた油密室42が形成される。
小ピストン14の下方端部には、円盤状のフランジ14aが形成されている。また、ボデー2内にあって上記シリンダ43の下方には、フランジ14aよりも径の大きい円筒状のスプリング室44が形成されており、このスプリング室44は、低圧燃料通路52に連通されている。スプリング室44の上方の壁面とフランジ14aとの間には、小ピストン14を下方に付勢するスプリング61が配設されている。
フランジ14aの下面にあってその中央部付近には、その下面に対して垂直に当接する円柱状のピン15が配設されている。
ピン15の下方部位は、スプリング室44の下方に設けられて低圧燃料通路52に連通された円筒状の低圧室45に挿入されている。
低圧室45の下方には、略円筒状の第3圧力室46が連続して形成されている。第3圧力室46内には、円形板状のシート部21と、シート部21の下方に一体形成されており、同シート部21の径よりも若干小径な円柱部22とを有する弁体23が設けられている。このシート部21の上面が、第3圧力室46にあって上方の内壁46aに設けられた弁座5に接触することにより、第3圧力室46と低圧室45との連通が遮断される。すなわち、弁体23のシート部21と第3圧力室46の内壁46aに形成された弁座5とによってシール部が形成されており、このシール部によって第3圧力室46と低圧室45とのシール性が確保されている。
シート部21の下面と第3圧力室46の下方の壁面との間には、弁体23を上方向に付勢するスプリング62が設けられている。
第3圧力室46の下方には、高圧燃料通路51に連通された第2圧力室50が形成されている。この第2圧力室50は、第3圧力室46の底面にあって略中央付近に形成された第1通路55を介して第3圧力室46に連通されている。また、第2圧力室50内には、燃料噴射弁1の噴射孔29を開閉するノズル27が設けられている。
ノズル27の上方には、円柱状のピストン27aが形成されており、このピストン27aの下面には、そのピストン27aよりも小径な円柱状であって、燃料噴射弁1の噴射孔を開閉するニードル27bが一体形成されている。ニードル27bには、その軸方向(図1の上下方向)と略垂直をなす平面状のフランジ27cが形成されている。
第2圧力室50内には、上端が第2圧力室50の上方の壁面に当接しており、上記ピストン27aが摺動するシリンダ48が設けられている。なお、ピストン27aの下端はシリンダ48から突出しており、第2圧力室50内に露出している。シリンダ48内は、第3圧力室46の周縁方向の端部に接続された第2通路56を介して常時連通されており、シリンダ48内にあってピストン27aの上方に形成される空間は、第1圧力室47とされている。フランジ27cの上面とシリンダ48の下側の端部との間には、ノズル27を下方に、すなわち噴射孔29を塞ぐ方向に付勢するスプリング63が設けられている。
次に、燃料噴射弁1の燃料噴射態様について説明する。
燃料噴射弁1の無噴射時には、ピエゾアクチュエータ11への電圧印加が停止されている。このときには、高圧燃料通路51、第2圧力室50、及び第1通路55を介して第3圧力室46には高圧燃料が供給されることにより、シート部21の下面には高圧燃料の圧力が作用する。他方、シート部21の上面にあって低圧室45に露出する面には、低圧燃料の圧力が作用する。こうしたシート部21の上面及び下面に作用する燃料圧力の差やスプリング62によってシート部21は上方に付勢されて弁座5に接触しており、低圧室45と第3圧力室46との連通が遮断される。このように、低圧室45と第3圧力室46との連通が遮断されているときには、ノズル27に形成されたピストン27aの上方に設けられた第1圧力室47に対して、高圧燃料通路51、第2圧力室50、第1通路55、第3圧力室46、及び第2通路56を介して高圧燃料が供給される。この場合には、ピストン27aの上面に作用する燃料圧力とピストン27aの下面に作用する燃料圧力とが同じになる。そして、ピストン27aの上面における受圧面の面積は、ピストン27aの下面における受圧面積よりも小さくされているため、ピストン27aには下方向に向けた付勢力が作用する。こうした付勢力及びスプリング63によってノズル27は下方に付勢され、これにより噴射孔29は、ニードル27bの先端部にて閉塞されて、燃料噴射弁1は無噴射状態にされる。
一方、燃料噴射弁1の燃料噴射時には、電圧の印加によってピエゾアクチュエータ11が下方向に伸長する。すると、ピエゾアクチュエータ11によって仲介部材12が下方に押圧されて変位し、これにより大ピストン13も下方に変位する。そして、大ピストン13の変位によって油密室42内の作動油が圧縮されて高圧となり、その油圧によって小ピストン14が下方向に変位する。ここで、上述の通り、小ピストン14が摺動するシリンダ43は、大ピストン13が摺動するシリンダ41よりも小径にされている。そのため、大ピストン13の変位量は油密室42で増幅されて小ピストン14に伝達される。これにより比較的小さいピエゾアクチュエータ11の変位量が油密室42によって増大されて小ピストン14に伝達されることとなる。小ピストン14が下方に変位すると、小ピストン14に当接するピン15も下方に変位され、そのピン15が当接する弁体23も下方に変位される。
弁体23が下方向に変位すると、シート部21が弁座5から離間して低圧室45と第3圧力室46とが連通されるとともに、第3圧力室46底面に接続された第1通路55の開口部が、弁体23の円柱部22の底面によって塞がれる。すると、第1圧力室47内を満たす高圧燃料が第2通路56内を流れて第3圧力室46内に流れ込み、さらに第3圧力室46から低圧室45内に流れ込む。こうして低圧室45内に流れ込んだ燃料は、低圧燃料通路52へと導出される。
このようにして第1圧力室47が低圧燃料通路52に連通されると、それまで高圧燃料によって高圧状態に保持されていた第1圧力室47内の圧力が低くなるため、ピストン27aの上面に作用する燃料圧力に対してピストン27aの下面に作用する燃料圧力の方が高くなり、ピストン27aは上方向に変位する。このようにピストン27aが上方向に変位すると、ピストン27aが形成されたノズル27も上方向に変位し、ノズル27の下端部にて塞がれていた噴射孔29が開口して、その噴射孔29から第2圧力室50内の高圧燃料が噴射される。
ところで、弁体23(より具体的にはシート部21)が弁座5から離間している状態では、第3圧力室46から低圧室45に向けて流出する燃料の乱流等により、弁体23は回転運動や揺動運動等をすることがあり、こうした姿勢変化を伴いながら弁体23が弁座5に着座することがある。この場合には、弁座5に対する滑りを生じさせながら弁体23が着座することになるため、弁体23と弁座5との間には摩擦が生じてシール部の摩耗が起きやすくなる。特に、弁体23が球面形状をなしている場合には、弁体23と弁座5とが線接触するようになるため、弁体23及び弁座5が接触するシール部での単位接触面積当たりの面圧が高くなる。そのため、上述したようなシール部の摩耗が生じやすく、低圧室45と第3圧力室46とのシール性が低下する可能性がある。そこで、弁体23や弁座5の表面に低摩擦化処理(例えばDLC(Diamond Like Carbon)コーティング等)を施すようにすれば、そうしたシール部の摩耗を抑えることが可能になるが、そうした表面処理の実施に伴う製造コストの増大が避けられない。
そこで、本実施形態の燃料噴射弁1においては、弁体23に凹部を設けるとともに同凹部に対応するように弁座5を凸部にて形成し、それら凹部及び凸部で上記シール部を形成するようにしている。
まず、弁体23の形状について、図2に示す斜視図を参照に詳しく説明する。
この図2に示すように、弁体23のシート部21の頂面21aは、弁体23の中心軸に直交する平面になっている。この頂面21aには、上記凹部としての溝24が形成されている。この溝24は、頂面21aの中心から等距離離れた位置にあって環状に形成されている。また、溝24はテーパ形状をなしており、その底面24aに向かうほど内側壁面24b(弁体23の中心軸に近い側の溝24の壁面)と外側壁面24c(内側壁面24bに対向する溝24の壁面)との間隔が狭くなるように、すなわち底面24aに向かうほど溝幅が狭くなるように形成されている。
つぎに、弁座5の形状について、図3を参照して詳しく説明する。この図3は、図1におけるA部を拡大した断面図を示している。同図3に示すように、弁座5は、低圧室45と第3圧力室46との接続部にあって、第3圧力室46の上記内壁46aから弁体23側に突出する凸部として形成されている。この弁座5は、テーパ形状をなしており、その先端部5aに向かうほど内側壁面5b(低圧室45の中心軸に近い側の弁座5の壁面)と外側壁面5c(内側壁面5bの反対側の弁座5の壁面)との間の距離が狭くなるように、すなわち先端部5aに向かうほど幅が狭くなるように形成されている。また、この弁座5は、低圧室45の中心軸を中心とする環状に形成されている。そして、弁座5の内側壁面5bが弁体23に形成された溝24の内側壁面24bに面接触し、弁座5の外側壁面5cが溝24の外側壁面24cに面接触するように、その形成位置やテーパ角等が設定されており、これにより溝24と弁座5とは嵌合するようになっている。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)先の図3に示すように、弁体23に設けられた凹部としての環状の溝24が、環状の凸部として形成された弁座5に嵌合することで、上記シール部にあっては弁体23と弁座5とが面接触するようになる。そのため、シール部での単位接触面積あたりの面圧が小さくなる。したがって、上述したような姿勢変化を伴いながら弁体23が弁座5に着座する場合でも、弁体23及び弁座5の摩擦に起因したシール部の摩耗は抑えられるようになり、弁体23や弁座5に表面処理を行わずとも、シール部の摩耗を好適に抑制することができるようになる。
(2)また、上記溝24と上記弁座5とが嵌合することで、弁座5に着座した弁体23の弁座5に対する横方向のずれ、すなわち上下動する弁体の移動方向に対して交差する方向への弁体23の移動も抑えられるようになる。従って、弁座5に着座した弁体23が弁座5に対して上記横方向に往復動することにより生じるおそれのあるシール部の摩耗についてもこれを好適に抑えることができるようになる。
(3)弁体23が弁座5に着座する際、溝24と弁座5との位置がずれていると、それら溝24と弁座5とが嵌合しにくく、例えば溝24や弁座5にかじりや偏摩耗等が生じる等して、それら溝24や弁座5が変形してしまうおそれがある。
この点、本実施形態では、底面24aに向かうほど溝幅が狭くなるテーパ形状にて溝24を形成するようにしている。また、溝24に対向する凸部として形成される弁座5を、その先端部5aに向かうほど幅が狭くなるテーパ形状にて形成するようにしている。すなわち、溝24は弁座5に向かって広くなるテーパ形状にて形成されており、弁座5は溝24に向かって狭くなるテーパ形状にて形成されている。そのため、弁体23が弁座5に着座する際、溝24と上記弁座5との位置がずれていたとしても、テーパ形状による自動調心によってそうしたずれが修正される。従って、溝24と弁座5とはスムーズに嵌合するようになり、これにより溝24や弁座5の変形を抑えることができるようになる。
(4)また、溝24の溝幅を一定にして、かつ弁座5の幅も一定にした場合には、弁体23が弁座5から離座するときに、溝24の壁面と弁座5の壁面とが摺動しながら溝24から弁座5が離脱することになる。そのため、そうした摺動抵抗によって、溝24からの弁座5の離脱が阻害されるおそれがある。一方、本実施形態では、上記態様にて溝24及び弁座5がテーパ状にて形成されているため、弁体23が弁座5から離座するときには、溝24の壁面と弁座5の壁面とが摺動することなく、互いの壁面が直ちに離間する。そのため、溝24から弁座5をスムーズに離脱させることも可能になる。
(5)コモンレール式のディーゼルエンジンにおける高圧燃料系での燃料の圧力は、気筒内に直接燃料が噴射される直噴式のガソリン機関における高圧燃料系での燃料の圧力よりも高くされている。そのため、上述したような燃料の乱流等による弁体の姿勢変化が大きくなりやすく、上述したようなシール部の摩耗も生じやすい。この点、本実施形態では、そうしたコモンレール式のディーゼルエンジンに設けられる筒内噴射用の燃料噴射弁1に対して、上述したようなシール部を形成するようにしており、そうしたシール部の摩耗を好適に抑えることができるようになる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・弁座5の内側壁面5bを溝24の内側壁面24bに面接触させるとともに、弁座5の外側壁面5cを溝24の外側壁面24cに面接触させるようにしたが、弁座5の内側壁面5b及び溝24の内側壁面24bのみを面接触させるようにしたり、弁座5の外側壁面5c及び溝24の外側壁面24cのみを面接触させたりするようにしてもよい。
・上記実施形態においては、弁体23の溝24と弁座5とが面接触してシール部をなすようにしていたが、これら溝24及び弁座5の面接触に加え、弁体及び弁座に面接触する平面部をさらに形成するようにしてもよい。例えば、図4に示すように、第3圧力室46にあって弁体23の上記頂面21aに対向する上記内壁46aが、頂面21aと面接触するように、溝24の深さや弁座5の高さを変更するようにしてもよい。なお、この変形例にあっては、弁座5と内壁46aとが、弁体23の着座する弁座になる。そして、凹部として形成された溝24と凸部として形成された弁座5に加え、頂面21aと内壁46aとで構成される平面部もシール部となる。こうした変形例によれば、溝24及び弁座5に加え、弁体23及び弁座に設けられた平面部(頂面21a及び内壁46a)によっても弁体23と弁座とが面接触するようになり、シール部での単位接触面積あたりの面圧がさらに小さくなる。したがって、上記シール部の摩耗をより一層抑えることができるようになる。
・上記実施形態においては、弁体23に溝24を形成し、弁座5を凸部形状にした。これとは反対に、図5に示すごとく、弁体23の頂面21aに上記弁座5のような凸部21eを形成し、弁座側(内壁46a側)に上記溝24のような凹部100をそれぞれ形成するようにしてもよい。この場合でも、上記実施形態に準ずる作用効果を得ることができる。
また、この変形例にあっても、凹部100及び凸部21eの面接触に加え、弁体及び弁座に面接触する平面部をさらに形成するようにしてもよい。例えば、図6に示すように、第3圧力室46にあって弁体23の上記頂面21aに対向する上記内壁46aが、頂面21aと面接触するように、凹部100の深さや凸部21eの高さを変更するようにしてもよい。なお、この変形例にあっては、凹部100と内壁46aとが、弁体23の着座する弁座になる。そして、凹部100と凸部21eに加え、頂面21aと内壁46aとで構成される平面部もシール部となる。こうした変形例でも、凹部100及び凸部21eに加え、弁体23及び弁座に設けられた平面部(頂面21a及び内壁46a)によっても弁体23と弁座とが面接触するようになり、シール部での単位接触面積あたりの面圧がさらに小さくなる。したがって、上記シール部の摩耗をより一層抑えることができるようになる。
・上記実施形態においては、弁体23に形成される凹部が環状の溝24であり、こうした凹部に嵌合する凸部として環状の弁座5を形成するようにした。このほか、例えば、図7に示すように、弁体23のシート部21にあって、その上面に形成される上記頂面21aの中央部に、その底面に向かうほど径が小さくなる凹部200を形成する。そして、図8に示すように、弁座5の外側壁面5cのみをテーパ形状として、その外側壁面5cと凹部200の内周面200aとを嵌合させるとともに、弁座5の先端部5aと凹部200の底面200bとを当接させるようにしてもよい。この場合でも、弁体23と弁座5とが面接触するようになり、上記実施形態に準ずる作用効果を得ることができる。なお、この変形例にあっては、弁座5の外側壁面5cと凹部200の内周面200aとが嵌合している状態において、二点鎖線にて示すように、弁座5の先端部5aと凹部200の底面200bとが離間しているようにしてもよい。
また、図9に示すように、弁体23のシート部21にあって、その上面に形成される上記頂面21aの中央部に、その先端に向かうほど径が小さくなる凸部300を形成する。そして、図10に示すように、弁座5の内側壁面5bのみをテーパ形状として、その内側壁面5bと凸部300の外周面300aとを嵌合させるとともに、弁座5の先端部5aと凸部300の基部、すなわち頂面21aとを当接させるようにしてもよい。この場合でも、弁体23と弁座5とが面接触するようになり、上記実施形態に準ずる作用効果を得ることができる。なお、この変形例にあっても、弁座5の内側壁面5bと凸部300の外周面300aとが嵌合している状態において、二点鎖線にて示すように、弁座5の先端部5aと凸部300の基部、すなわち頂面21aとが離間しているようにしてもよい。また、この変形例にあっては、弁座5の内側壁面5bが、凸部300に嵌合する凹部になる。
また、図11に示すように、低圧室45にあって第3圧力室46に連通する側の開口部400をテーパ形状にし、その開口部400に上記凸部300の外周面300aを嵌合させるとともに、第3圧力室46の内壁46aにシート部21の頂面21aを当接させるようにしてもよい。この変形例にあっては、開口部400が、凸部300に嵌合する凹部となる。そして、開口部400及び内壁46aとシート部21の頂面21aとの接触面とが、弁体23が着座する弁座になる。こうした変形例でも、弁座を構成する開口部400と弁体23側の凸部300が面接触するようになり、上記実施形態に準ずる作用効果を得ることができる。さらには、弁体23と弁座とが、内壁46aとシート部21の頂面21aにて構成される平面部でも面接触するため、シール部での単位接触面積あたりの面圧がさらに小さくなり、上記シール部の摩耗をより一層抑えることができるようになる。なお、この変形例にあっては、開口部400に凸部300の外周面300aが嵌合している状態において、二点鎖線にて示すように、内壁46aとシート部21の頂面21aとが離間しているようにしてもよい。この場合でも、弁座を構成する開口部400と弁体23側の凸部300は面接触するため、上記実施形態に準ずる作用効果を得ることができる。
・上記実施形態においては、凹部及び凸部はテーパ状をなし、凹部は凸部に向かって拡径して形成されており、凸部は凹部に向かって縮径して形成されていたが、凹部及び凸部のそれぞれの径が一定となるように形成するようにしてもよい。こうした場合でも、上記実施形態の(1)及び(2)と同様の効果が得られる。
・上記実施形態においては、凹部は溝状をなして形成されるとともに、凹部は凸部に嵌合するように形成されているようにしたが、凹部は溝状に限らず部分的に形成されているとともに、凸部も凹部に対応する位置に形成して凹部が凸部に嵌合するように形成されているようにしても、上記実施形態の効果に準じた効果が得られる。
・本発明にかかる燃料噴射弁のアクチュエータはピエゾアクチュエータに限らず、例えばソレノイドアクチュエータ等、他のアクチュエータを採用してもよい。
・上記実施形態においては、燃料噴射弁1をコモンレール式のディーゼルエンジンに設けられた筒内噴射用の燃料噴射弁としたが、筒内噴射用の燃料噴射弁であれば、その搭載されるエンジンの種類は限定しない。例えば、気筒内に直接ガソリン燃料が噴射される筒内噴射式のガソリンエンジンでもよい。
この発明の一実施形態にかかる燃料噴射弁の断面図。 同実施形態における弁体の斜視図。 図1のA部拡大図。 同実施形態の変形例における弁体及び弁座の形状を示す断面図。 同実施形態の変形例における弁体及び弁座の形状を示す断面図。 同実施形態の変形例における弁体及び弁座の形状を示す断面図。 同実施形態の変形例における弁体の斜視図。 図7に示した弁体を適用するときの弁座の形状を示す断面図。 同実施形態の変形例における弁体の斜視図。 図9に示した弁体を適用するときの弁座の形状を示す断面図。 同実施形態の変形例における弁体及び弁座の形状を示す断面図。
符号の説明
1…燃料噴射弁、2…ボデー、5…弁座、5a…(弁座の)先端部、5b…(弁座の)内側壁面、5c…(弁座の)外側壁面、11…ピエゾアクチュエータ、12…仲介部材、13…大ピストン、14…小ピストン、14a…(小ピストンの)フランジ、15…ピン、21…シート部、21a…頂面、21e…凸部、22…円柱部、23…弁体、24…溝、24a…(溝の)底面、24b…(溝の)内側壁面、24c…(溝の)外側壁面、27…ノズル、27a…ピストン、27b…ニードル、27c…フランジ、29…噴射孔、41…シリンダ、42…油密室、43…シリンダ、44…スプリング室、45…低圧室、46…第3圧力室、46a…(第3圧力室の)内壁、47…第1圧力室、48…シリンダ、50…第2圧力室、51…高圧燃料通路、52…低圧燃料通路、55…第1通路、56…第2通路、61、62、63…スプリング、100、200…凹部、200a…内周面、200b…底面、300…凸部、300a…外周面、400…開口部。

Claims (5)

  1. 低圧燃料系に連通される低圧室と高圧燃料系に連通される高圧室との連通状態を切り替える弁体と、同弁体が着座する弁座とを備える筒内噴射用の燃料噴射弁において、
    前記弁体と前記弁座とが接触するシール部が、前記弁体及び前記弁座のいずれか一方に設けられた凹部と、他方に設けられて前記凹部に嵌合する凸部とで形成されている
    ことを特徴とする筒内噴射用の燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記シール部には、前記凹部及び前記凸部に加え、前記弁体と前記弁座とが面接触する平面部が形成されている
    ことを特徴とする筒内噴射用の燃料噴射弁。
  3. 請求項1または2に記載の燃料噴射弁において、
    前記凹部及び前記凸部はテーパ状をなし、前記凹部は前記凸部に向かって広くなるように形成されており、前記凸部は前記凹部に向かって狭くなるように形成されている
    ことを特徴とする筒内噴射用の燃料噴射弁。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料噴射弁において、
    前記凸部が環状に形成されており、前記凹部が環状の溝で形成されている
    ことを特徴とする筒内噴射用の燃料噴射弁。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料噴射弁において、
    前記燃料噴射弁は、コモンレール式のディーゼル機関に設けられる噴射弁である
    ことを特徴とする筒内噴射用の燃料噴射弁。
JP2008132256A 2008-05-20 2008-05-20 筒内噴射用の燃料噴射弁 Pending JP2009281193A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008132256A JP2009281193A (ja) 2008-05-20 2008-05-20 筒内噴射用の燃料噴射弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008132256A JP2009281193A (ja) 2008-05-20 2008-05-20 筒内噴射用の燃料噴射弁

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009281193A true JP2009281193A (ja) 2009-12-03

Family

ID=41451912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008132256A Pending JP2009281193A (ja) 2008-05-20 2008-05-20 筒内噴射用の燃料噴射弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009281193A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107165745A (zh) * 2017-06-28 2017-09-15 哈尔滨工程大学 一种直通式混合进气的压电式内导向燃气喷射阀
JP2019044626A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 株式会社Soken 燃料噴射装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107165745A (zh) * 2017-06-28 2017-09-15 哈尔滨工程大学 一种直通式混合进气的压电式内导向燃气喷射阀
CN107165745B (zh) * 2017-06-28 2023-05-30 哈尔滨工程大学 一种直通式混合进气的压电式内导向燃气喷射阀
JP2019044626A (ja) * 2017-08-30 2019-03-22 株式会社Soken 燃料噴射装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2012355402B2 (en) Dual fuel injector having fuel leak seals
US7866575B2 (en) Pressure actuated fuel injector
ATE386880T1 (de) Brennstoffeinspritzventil
JP2009281298A (ja) 内燃機関のインジェクタ
KR20130140131A (ko) 유량 제한 장치를 구비한 분사 밸브
US20070120087A1 (en) Valve body with multiconical geometry at the valve seat
US20060138255A1 (en) Injector
CN111480000B (zh) 燃料供给泵
US20230096056A1 (en) High-Pressure Fuel Pump
JP2009281193A (ja) 筒内噴射用の燃料噴射弁
JP2005344622A (ja) 燃料噴射弁
US6637677B1 (en) Fuel injector
JP6256440B2 (ja) インジェクタ
CN105370445B (zh) 密封面上具有确定的微结构的气体喷射器
JP2005530091A (ja) 内燃機関のための燃料噴射弁
KR20060015731A (ko) 내연 기관용 연료 분사 밸브
US10330062B2 (en) Injector for injecting fluid
JP2005248846A (ja) 燃料通路のシール構造及びそのシール構造を備えた燃料噴射弁
RU2572028C2 (ru) Топливная форсунка
JP2015108300A (ja) 燃料噴射弁
JP2007297962A (ja) 燃料噴射ノズル
JP4087817B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3948006B2 (ja) ラビリンスシールを備えた燃料噴射ノズル
KR20090037827A (ko) 내연기관용 흡기 밸브
JP4134968B2 (ja) 燃料噴射ノズル