JP2009277500A - 高圧放電灯の節電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水銀灯やナトリウム灯などの高圧放電灯の消費電力を点灯不良のない状態で計画的かつ容易に節減できる節電装置を提供する。
【解決手段】 節電装置１は放電灯２の近くに設置される節電器１１と、照明設備の管理者が携帯する無線リモコン２１とを備える。節電器１１に電力節減率を設定する設定回路１２、スイッチング素子１７を備えた電力調整回路１３、実際の消費電力を測定する電力測定回路１４、送受信回路１５、制御回路１６を設ける。無線リモコン２１に入力部２２と送受信回路２３を設け、電力節減率を無線通信により設定回路１２に設定する。制御回路１６は、電力節減率と電力測定値とに基づき、スイッチング素子１７の導通タイミングを電圧波形のピーク部を除く位相区間で制御する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、水銀灯やナトリウム灯などの高圧放電灯の消費電力を節減するための節電装置に関する。
従来、変圧器を用いて電源電圧を降圧する節電装置が知られている。例えば、図４に示す節電装置５１は、制御回路５２により複数の電磁接触器５３Ａ〜Ｃを選択的に動作させ、変圧器５４のタップ電圧を切り替えている。節電を行わないときは、直送用電磁接触器５３ＡをＯＮし、高圧放電灯５５を全光状態で点灯させる。節電を行うときには、節電用電磁接触器５３Ｂまたは５３ＣをＯＮし、電源電圧を降圧し、放電灯５５の消費電力を節減する。特許文献１には、この種の変圧器を備えた水銀灯の節電装置が記載されている。
特開２００７−２８７６３８号公報
ところが、従来の節電装置５１によると、次のような問題点があった。
（Ａ）電源電圧を降圧することで消費電力を節減できるが、節減量は管球の新旧や容量の大小に応じて変動するため、節電効果を事後の電力測定で知り得ても、事前に正確に予測することが困難であった。このため、特に、多数の放電灯５５を使用する道路や博覧会場等の大規模照明設備において、計画的な節電を行うことができなかった。
（Ｂ）変圧器５４による節電は、図５に示すように、入力電圧（電源電圧）の波高値を下げて出力電圧を生成するため、電源電圧が安定しない場合などに、出力電圧が下がりすぎると、放電灯の動作が不安定なり、チラツキや不点灯が発生しやすかった。
（Ｃ）水銀灯やナトリウム灯は、多くが街路のポールや建物の天井など比較的高所に設けられるため、節電装置５１を放電灯５５の近くに設置した場合に、節減量の調整に高所作業を余儀なくされ、節電装置５１を放電灯５５から離して設置する場合は、長い制御線を敷設する必要があった。
そこで、本発明の目的は、高圧放電灯の消費電力を点灯不良のない状態で計画的かつ容易に節減できる節電装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、水銀灯やナトリウム灯などの高圧放電灯の消費電力を節減する装置において、次のような手段を採用したことを特徴とする。
（１）消費電力の節減率を設定する設定回路と、交流電源の電圧波形を部分的にカットするスイッチング素子を備えた電力調整回路と、高圧放電灯の実際の消費電力を測定する電力測定回路と、消費電力の節減率と測定値とに基づいてスイッチング素子の導通タイミングを制御する制御回路とを備えたことを特徴とする高圧放電灯の節電装置。
（２）制御回路がスイッチング素子の導通タイミングを電圧波形のピーク部を除く位相区間で制御することを特徴とする高圧放電灯の節電装置。
（３）消費電力の節減率を無線通信により設定回路に設定する遠隔操作手段を備えたことを特徴とする高圧放電灯の節電装置。
本発明の節電装置によれば、高圧放電灯の実際の消費電力を測定して、電力調整回路のスイッチング素子を制御するので、管球の新旧や容量の大小に係りなく、放電灯ごとに消費電力を予め設定した節減率通りに正確に節約でき、計画的な節電を行うことができるという効果がある。
特に、スイッチング素子が電圧波形のピーク部を除く位相で導通するので、電源電圧の波高値を下げることなく節電を実施でき、高圧放電灯の点灯不良を確実に防止できるという効果がある。
また、遠隔操作手段を使用することで、高圧放電灯の設置場所に係りなく、消費電力の節減率を無線通信により容易に調整できる利点もある。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は高圧放電灯の節電装置を機能的に示すブロック図である。図２は節電装置の動作を示すフローチャートである。図３は節電装置の電力調整回路から出力された電圧波形を例示する波形図である。
図１に示すように、この節電装置１は、水銀灯やナトリウム灯などの高圧放電灯２の近傍（例えば、配電盤内部）に設置される節電器１１と、照明設備の管理者が携帯する無線リモコン２１とを備えている。節電器１１には、放電灯２の電力節減率を設定する設定回路１２と、交流電源３の電力を調整する電力調整回路１３と、放電灯２の消費電力を測定する電力測定回路１４と、無線リモコン２１と通信を行う送受信回路１５と、装置全体を制御する制御回路１６とが設けられている。無線リモコン２１は、設備管理者が操作する遠隔操作手段であって、入力部２２と送受信回路２３とを備えている。
電力調整回路１３には、トライアック等のスイッチング素子１７が設けられ、交流電源３の電圧波形の一部をカットする。電力測定回路１４は、電力調整回路１３の出力側に設けられ、放電灯２の実際の消費電力を常時測定し、測定データを制御回路１６にフィードバックする。無線リモコン２１は、設備管理者が入力部２２で入力した電力節減率を無線通信により節電器１１の設定回路１２に設定する。そして、設定回路１２が節電率データを制御回路１６に出力し、制御回路１６が節減率データと測定データとに基づいてスイッチング素子１７の導通タイミング（位相）を制御するように構成されている。
次に、節電装置１の動作について説明する。図２に示すように、高圧放電灯２に電源が投入されると、まず、スイッチング素子１７をＯＦＦし（Ｓ１）、節電を停止した状態で、始動時の電力測定値を最大消費電力として制御回路１６のメモリーに記憶する（Ｓ２）。放電灯２の点灯状態が安定すると（Ｓ３）、次に、電力節減率を読み出し（Ｓ４）、最大消費電力に節減率を乗じて節電目標値を算出する（Ｓ５）。続いて、スイッチング素子１７をＯＮし（Ｓ６）、放電灯２の現在の消費電力を測定し（Ｓ７）、測定値が目標値となるように（Ｓ８）、スイッチング素子１７の位相を制御する（Ｓ９）。そして、放電灯２の電源がＯＦＦするまで（Ｓ１０）、一連の節電処理を繰り返す。
位相制御にあたり、制御回路１６は、測定値と目標値との差分に相当する電流をスイッチング素子１７のゲートに流し、図３に示すように、電源電圧波形のピーク部を除く位相区間でスイッチング素子１７の導通タイミングを制御する。そして、ゼロクロス点と導通点との間において、電圧波形を半サイクルごとにカットして電圧を０Ｖに落し、カット区間の面積（ハッチングで示す面積）に相当する電力を節減する。こうすれば、スイッチング素子１７の導通タイミングが実際の電力測定値に従って変化するので、管球の新旧や容量の大小に係りなく、放電灯２ごとに最大消費電力の何％かの電力を予め設定した節減率通りに正確に節約できる。
したがって、この実施形態の節電装置１によれば、特に、多数の放電灯２が設置された大規模照明設備において、トータルとしての節電効果を正確に予測し、省エネプランに適った節電を実施することができる。しかも、設備管理者は、無線リモコン２１を使用して、高所に設置された多数の放電灯２の電力節減率を無線通信により容易に調整することができる。また、スイッチング素子１７が電圧波形のピーク部を除く位相で導通するので、電源電圧の波高値を下げることなく節電を実施でき、放電灯２を常時安定した状態で点灯させ、管球のチラツキや不点灯を確実に防止することも可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、遠隔操作手段としてパーソナルコンピュータを使用し、各所に分散する放電灯のＯＮ／ＯＦＦおよび電力節減率を設備管理室から一括して設定できるように構成するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、節電システムの構成を適宜に変更して実施することも可能である。
本発明の一実施形態を示す節電装置のブロック図である。 該節電装置の動作を示すフローチャートである。 該節電装置の作用を示す電圧波形図である。 従来の節電装置を示すブロック図である。 従来の節電装置の作用を示す波形図である。
符号の説明
１ 節電装置
２ 高圧放電灯
１１ 節電器
１２ 設定回路
１３ 電力調整回路
１４ 電力測定回路
１６ 制御回路
１７ スイッチング素子
２１ 無線リモコン

Claims (3)

  1. 水銀灯やナトリウム灯などの高圧放電灯の消費電力を節減する装置であって、
    前記消費電力の節減率を設定する設定回路と、交流電源の電圧波形を部分的にカットするスイッチング素子を備えた電力調整回路と、高圧放電灯の実際の消費電力を測定する電力測定回路と、消費電力の節減率と測定値とに基づいてスイッチング素子の導通タイミングを制御する制御回路とを備えたことを特徴とする高圧放電灯の節電装置。
  2. 前記制御回路がスイッチング素子の導通タイミングを前記電圧波形のピーク部を除く位相区間で制御することを特徴とする請求項１記載の高圧放電灯の節電装置。
  3. 前記消費電力の節減率を無線通信により前記設定回路に設定する遠隔操作手段を備えたことを特徴とする請求項１または２記載の高圧放電灯の節電装置。
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