JP2009276419A - 定着用ローラ及びこれを用いた画像定着装置 - Google Patents

定着用ローラ及びこれを用いた画像定着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ローラ表面のしわ発生を抑制できるようにした定着用ローラ及びその定着用ローラを用いた画像定着装置の提供。
【解決手段】少なくとも芯金8上に弾性層9を有し、前記弾性層より表層側にフッ素ゴムとフッ素樹脂と熱伝導性フィラーを混ぜた熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有する定着用ローラにおいて、前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層と前記弾性層との間に前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層よりも高熱伝導性シリコーンゴムよりなる中間層(10)を有し、前記中間層は、高熱伝導性シリコーンゴムのAsker−C硬度(500g荷重)をH(度)、厚さをT(μm)とした場合に弾性パラメータY(Y=H×T)が以下の関係式(1)
Y≧4200 関係式(1)
を満たすよう構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写機や電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載される画像定着装置に用いられる定着用ローラ及びその定着用ローラを用いた画像定着装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタには、記録材の担持する未定着トナー画像を記録材に加熱定着する画像定着装置が搭載されている。画像定着装置の種類としては、外部に設けた外部加熱ユニットにより加熱された定着ローラと加圧ローラとによって記録材を挟持搬送しつつトナー画像を記録材に加熱定着する外部加熱ローラタイプがある。また耐熱樹脂や金属をベースにした可撓性スリーブの内面にセラミックヒータを接触させ、そのヒータにより加熱された可撓性スリーブと加圧ローラとによって記録材を挟持搬送しつつトナー画像を記録材に加熱定着するフィルム加熱タイプがある。いずれのタイプの画像定置装置も、定着ローラ、可撓性スリーブ、加圧ローラの表面には、離型層が設けられている。
ところで、上記の定着ローラや加圧ローラ等の定着用ローラにおいて、離型性向上のために、その定着用ローラの表面にフッ素ゴムラテックスをコーティングすることは従来から知られている。なお、特に注釈のない限りフッ素ゴム中にフッ素樹脂を分散させたコートをフッ素ゴムラテックスコートと呼ぶことにする。
フッ素ゴムラテックスコートは、通常ディスパージョンの状態で定着用ローラ表面に塗布され、300℃前後の温度で焼成される。フッ素ゴムラテックスコートは、構成材料中にフッ素樹脂を含み、そのフッ素樹脂が焼成によって定着用ローラ表面に出てくるため、単独でも離型性を有する。フッ素ゴムラテックスを塗付し乾燥させた定着用ローラ表面に、さらにフッ素樹脂を塗布してから、焼成することで、より高い離型性を付与することが出来る。この場合、フッ素ゴムラテックスの層は、下層のシリコーンゴムとフッ素樹脂を接着させるプライマーのような役割をしている。
ところが、フッ素ゴムラテックスを用いた定着用ローラには、長時間画像定着装置内で使用した場合に、定着用ローラ表面にしわが発生するという問題がある。その対策として特許文献1では、フッ素ゴムラテックス層の直ぐ下層のゴム層(弾性層)のゴムとして、より伸びが大きくかつ、引っ張り強度が高いものを用いることを提案している。このようなゴム層を設けることで、長時間使用しても、定着用ローラ表面にしわの発生することのないフッ素ゴムラテックスを用いた定着用ローラが実現できることを可能にしている。
特開2001−228736号公報
近年、プリンタや複写機などの印刷速度は、ますます速くなる一方、省エネルギー化が求められている。その達成のためには、トナー画像の定着に必要な定着温度と外部加熱ユニットやヒータに供給する電力を下げることの出来る画像定着装置及び定着用ローラが、ますます不可欠になってきている。これに伴い定着用ローラ表面の材質の特性としては、高い離型性と高い熱伝導性を両立することが求められてきている。フッ素ゴムラテックスコートにおいても、離型性のみならず、高い熱伝導性を求める需要が高まってきている。
たとえば上述の外部加熱ローラタイプの画像定着装置においては、定着ローラ表面を高熱伝導化することで、トナー画像の定着の効率を上げることが出来る。すなわち定着ローラ表面のフッ素ゴムラテックス層が高熱伝導化されることで外部加熱ユニットからの熱を効率よく蓄え、かつその蓄えた熱の記録紙上への吐き出しがスムーズに行われることが可能となり、効率の良い定着が可能となる。
さらにまた上述のフィルム加熱タイプの画像定着装置においては、加圧ローラ表面を高熱伝導化することで、加圧ローラ表面の熱の蓄積と移動が可能になるため、定着温度や電力を下げることが可能になるというメリットがある。
一般にフッ素ゴムラテックスコートを高熱伝導化するためには、内部に高熱伝導フィラーを分散させる必要がある。フッ素ゴムラテックスコートにおいて、少なくとも熱伝導性向上の効果を得るには、フッ素ゴムラテックスコート中の高熱伝導フィラーの体積分率が概ね5%以上になることが必要になる。ただしこのように内部に高熱伝導フィラーを分散させたフッ素ゴムラテックス層は、結果としてゴム性がそこなわれてしまう。そのため、これまでにも増してローラ表面にしわが入りやすくなってしまい、耐久による表面しわの発生以前に、製造時において表面にしわが入りやすくなるという問題が発生してしまった。
本発明の目的は、特に製造時におけるローラ表面のしわの発生を抑制できるようにした定着用ローラ及びその定着用ローラを用いた画像定着装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための構成は、少なくとも芯金上に弾性層を有し、前記弾性層より表層側にフッ素ゴムとフッ素樹脂と熱伝導性フィラーを混ぜた熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有する定着用ローラにおいて、
前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層と前記弾性層との間に前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層よりも高熱伝導性シリコーンゴムよりなる中間層を有し、前記中間層は、高熱伝導性シリコーンゴムのAsker−C硬度(500g荷重)をH(度)、厚さをT(μm)とした場合に弾性パラメータY(Y=H×T)が以下の関係式(1)
Y≧4200 関係式(1)
を満たすよう構成されていることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための構成は、定着ローラと、前記定着ローラと接触してニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記ニップ部で記録材が担持するトナー画像を挟持搬送しつつ記録材に加熱定着する画像定着装置において、
前記定着ローラ、及び前記加圧ローラは、それぞれ、少なくとも芯金上に弾性層を有し、前記弾性層より表層側にフッ素ゴムとフッ素樹脂と熱伝導性フィラーを混ぜた熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有し、前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層と前記弾性層との間に前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層よりも高熱伝導性シリコーンゴムよりなる中間層を有しており、前記中間層は、高熱伝導性シリコーンゴムのAsker−C硬度(500g荷重)をH(度)、厚さをT(μm)とした場合に弾性パラメータY(Y=H×T)が以下の関係式(1)
Y≧4200 関係式(1)
を満たすよう構成されていることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための構成は、可撓性部材と、前記可撓性部材を加熱するヒータと、前記可撓性部材を挟んで前記ヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記ニップ部で記録材が担持するトナー画像を挟持搬送しつつ記録材に加熱定着する画像定着装置において、
前記加圧ローラは、少なくとも芯金上に弾性層を有し、前記弾性層より表層側にフッ素ゴムとフッ素樹脂と熱伝導性フィラーを混ぜた熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有し、前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層と前記弾性層との間に前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層よりも高熱伝導性シリコーンゴムよりなる中間層を有しており、前記中間層は、高熱伝導性シリコーンゴムのAsker−C硬度(500g荷重)をH(度)、厚さをT(μm)とした場合に弾性パラメータY(Y=H×T)が以下の関係式(1)
Y≧4200 関係式(1)
を満たすよう構成されていることを特徴とする。
本発明よれば、特に製造時におけるローラ表面のしわの発生を抑制できる定着用ローラ及びその定着用ローラを用いた画像定着装置を提供することができる。
本発明を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図7は本発明に係る画像定着装置を搭載する画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は電子写真プロセスを用いたレーザービームプリンタである。
画像形成部において、51は像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム51はプリント信号に基づいて矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転される。その感光ドラム51の外周面(表面)は帯電器52によって所定の極性・電位に一様に帯電される。そして感光ドラム51表面の帯電面に対してレーザースキャナユニット53より画像情報の書き込みがなされる。レーザースキャナユニット53はホストコンピュータ等の外部機器より入力する画像情報の時系列電気デジタル画素信号に応じて変調されたレーザー光Lを出力しそのレーザー光Lnにより感光ドラム51表面の帯電面を走査露光する。これにより感光ドラム51表面に画像情報に応じた静電潜像(潜像)が形成される。その静電潜像は現像器54によりトナー(現像剤)を用いてトナー画像(現像像)として現像される。そしてそのトナー画像が感光ドラム51と転写ローラ55との間に設けられている転写ニップ部において記録材(記録紙)P上に転写されていく。
記録材Pは給送トレイ58の積載台58a上に積載して載置されている。その記録材Pは所定のタイミングで駆動される給送ローラ59により1枚ずつピックアップされ、搬送ローラ60と搬送コロ60aによってレジスト部へと送られる。レジスト部ではレジストローラ61とレジストコロ61aにより所定の制御タイミングで記録材Pを転写ニップ部に給送する。
転写ニップ部でトナー画像の転写を受けてトナー画像を担持した記録材Pは感光ドラム1表面から分離されて画像定着装置62へ搬送される。記録材P分離後の感光ドラム51表面はクリーナー56により転写残トナー等の残存付着物が除去され繰り返して作像に供される。
定着装置62は記録材P上の未定着トナー画像を記録材P上に加熱定着する。定着装置62を出た記録材Pは、中間排出ローラ63を経て排出ローラ64により排出トレー65上に排出される。
上記の感光ドラム51と、帯電器52と、現像器54と、クリーナー56は一体的にユニット化され、プロセスカートリッジ67として画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されている。
(2)定着装置(画像定着装置)
以下の説明において、定着装置及びこの定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である、短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向である。長さとは長手方向と平行な方向の寸法である。幅とは短手方向と平行な方向の寸法である。
図1は外部加熱ローラタイプの画像定着装置62の横断側面模型図である。
1は定着用ローラとしての定着ローラである。2は同じく定着用ローラとしての加圧ローラである。定着ローラ1と加圧ローラ2は同一の部材である。本実施例では、定着ローラ1及び加圧ローラ2において、同一部分には同じ符号を付している。
定着ローラ1は、丸軸の芯金8を有し、その芯金上に弾性層9がローラ状に形成されている。そしてその弾性層上に中間層10が形成され、その中間層上に熱伝導性フッ素ゴムラテックス層11が形成され、さらにその熱伝導性フッ素ゴムラテックス層上に最表層として離型層12が形成されている。つまり、定着ローラ1は、弾性層より表層側に熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有する。この定着ローラ1は芯金8の両端部が軸受(不図示)を介して装置フレームに回転自在に保持されている。
加圧ローラ2は、丸軸の芯金8を有し、その芯金上に弾性層9がローラ状に形成されている。そしてその弾性層上に中間層10が形成され、その中間層上に熱伝導性フッ素ゴムラテックス層11が形成され、さらにその熱伝導性フッ素ゴムラテックス層上に最表層として離型層12が形成されている。つまり、加圧ローラ2は、弾性層より表層側に熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有する。この加圧ローラ2は、定着ローラ1と並列に配置され、芯金8の両端部が軸受(不図示)を介して装置フレームに回転自在に保持されている。そして総圧98N(10kgf)の加圧力をばね(不図示)で軸受を介して加圧ローラ2の芯金8に加えることによって加圧ローラ2の外周面(表面)を定着ローラ1の外周面(表面)に加圧状態に接触(圧接)させている。これにより加圧ローラ2及び定着ローラ1の弾性層9,9を弾性変形させ両ローラ2,1表面間に所定幅のニップ部(定着ニップ部)N2を形成している。ニップ部N2の長さは定着装置62に導入される記録材Pの最大幅と略同じ長さにしてある。
3は加熱源としての加熱ユニットである。加熱ユニット3は、加熱源としてのヒータ4と、ヒータ4を支持するホルダー6と、ホルダー6の外周にルーズに外嵌されたスリーブ状の可撓性フィルム5と、フィルム5の内側でホルダー6上に配設された剛性ステー7と、を有する。定着ローラ1と並列に配置されている加熱ユニット3には、総圧98N(10kgf)の加圧力をばね(不図示)で剛性ステー7を介して装置フレームに保持させたホルダー6に加えられる。これによってヒータ4をフィルム5を挟んで定着ローラ1表面に加圧状態に接触(圧接)させることにより定着ローラ1の弾性層9を弾性変形させフィルム5の外周面と定着ローラ1表面1との間に所定幅の加熱ニップ部N1を形成している。加熱ニップ部N1の長さは定着装置62に導入される記録材Pの最大幅と略同じ長さにしてある。
ヒータ4は、長手方向に細長いセラミックス製の基板4aを有する。この基板4aの表面(加熱ニップ部N1側の面)には、基板4aの長手方向に沿って通電発熱抵抗層4bが設けられている。また基板4aの表面には、通電発熱抵抗層4bに給電するための給電用電極(不図示)が設けられている。通電発熱抵抗層4bの長さは定着装置62に導入される記録材Pの最大幅と略同じ長さにしてある。そして通電発熱抵抗層4b上には、通電発熱抵抗層4bを保護し、かつフィルム5の内周面と接触する保護層4cが通電発熱抵抗層4bを覆うように設けられている。また基板4aの離面(加熱ニップ部N1側の面とは反対側の面)には、温度検知素子としてのサーミスタSが当接されている。通電発熱抵抗層4bの長さは定着装置62に導入される記録材Pの最大幅寸法と略同じである。
定着ローラ1は、芯金8の一端部に設けられた駆動ギアに定着モータ(不図示)から回転力が伝達されることにより矢印方向へ所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。この定着ローラ1の回転に伴い加圧ローラ2は定着ローラ1の周速度と略同じ周速度で矢印方向へ従動回転する。またこの定着ローラ1の回転に伴いフィルム5はヒータ4の保護層4cに密着しながらホルダー6の外周を定着ローラ1の周速度と略同じ周速度で矢印方向へ従動回転する。
ヒータ4は、通電発熱抵抗層4bに給電用電極を介して給電制御回路(不図示)から給電されることで通電発熱抵抗層4bが発熱し急速に昇温する。サーミスタSはそのヒータ4の温度を検知し給電制御回路に出力する。給電制御回路はサーミスタSからの出力信号を取り込み、その出力信号に基づいて通電発熱抵抗層4bへの給電を制御することによりヒータ4の温度を所定の定着温度(目標温度)に維持する。
回転する定着ローラ1は、加熱ニップ部N1においてヒータ4からフィルム5を介して定着ローラ1外側から定着ローラ1表面が加熱され、これによりニップ部N2で記録材Pの担持する未定着トナー画像tを加熱定着するのに必要・十分な熱量が与えられる。
記録材Pは前述のように画像形成部にてトナー画像が転写された後、定着装置62へと送られる。その記録材Pはニップ部N2に導入され、ニップ部N2で定着ローラ1表面と加圧ローラ2表面とにより挟持され搬送される。その搬送過程において、記録材Pは定着ローラ1により加熱されるとともにニップ部N2よりニップ圧を受けることによって、未定着トナー画像tが記録材P上に加熱定着される。ニップ部N2を出た記録材Pは定着ローラ1表面から分離してニップ部N2から排出される。
(3)定着ローラの層構成の説明
定着ローラ1は、機能としては異なる3種類の層構成を有している。定着ローラ1の具体的な構成および製法については後述するが、定着ローラ1の表層近傍の熱伝導性フッ素ゴムラテックス層11と中間層10は、中間層10の下層の弾性層9に比べて熱伝導率の高い材料を用いている。これにより定着ローラ1は、ヒータ4からの熱を熱伝導GLS層11と中間層10で蓄積し、かつ記録材P上の未定着トナー画像tに熱を放出しやすい機能をもつように作られている。
すなわち定着ローラ1は、ニップ部N1にて加熱ユニット3から熱の供給を受け、これを表層近傍の熱伝導性フッ素ゴムラテックス層11と中間層10に蓄積する。つぎに定着ローラ1は、加圧ローラ2と圧接するニップ部N2において挟持搬送されてきた記録材Pとその記録材P上の未定着トナー画像tに熱を吐き出すことで、トナー画像tを熱と圧力により記録紙P上に定着させることができる。
次に定着ローラ1の具体的な層構成および製法を図2に基づき説明する。
図2は本実施例1に係る定着用ローラとしての定着ローラ1の横断側面模型図である。
定着ローラ1において、芯金8は外径φ12である。芯金8の材料はSUSである。
弾性層9は、断熱材入りのシリコーンゴムよりなる。具体的には断熱材としては粒径50〜300μmの中空樹脂性フィラーであるマイクロバルーン(松本油脂製マイクロバルーン)をシリコーンゴム中に分散させたものを用いている。芯金8表面にプライマーを塗布焼成ののち、ローラ外型内にセットし、マイクロバルーンをまぜたシリコーンゴムに連泡化剤を配合、混練、脱泡の後、芯金−ローラ外型の間へ注型し、1次加硫および2次加硫させて弾性層9を芯金1上に厚さ3tに成型した。
中間層10は、本発明の最大の特徴であるローラ表面のしわ防止機能を有する。また中間層10は、定着ローラ1に蓄熱の効果を付与することも兼ねている。
先に中間層10の蓄熱機能について説明する。
中間層10は、材質としてシリコーンゴム中に熱伝導性フィラーを分散させた熱伝導率0.85〜2.2W/m・K程度の高熱伝導性シリコーンゴムを用いている。本実施例では、この高熱伝導シリコーンゴムをメチルエチルケトン(MEK)やトルエンなどで希釈し溶液化したものを、スプレー塗工により断熱性の弾性層9上に塗布し、乾燥の後、1次加硫および2次加硫させて成形した。
熱伝導性フッ素ゴムラテックス層11は次のようにして作られたものである。まずダイキン工業製フッ素ゴムラテックス(GLS223F)中に、熱伝導性のフィラーとしてアルミナをまぜ、硬化剤として同じくダイキン工業製の硬化剤(GL200B)をGLS223Fの重量に対して10重量%混ぜたディスパージョンを作成する。そしてそれを中間層10上にスプレー塗工し乾燥したものである。
離型層12は、熱伝導性フッ素ゴムラテックス層(以下、熱伝導GLS層11とも記す)上にフッ素樹脂層をコートしたものである。離型層12は、具体的にはPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂ディスパージョン(ダイキン工業製AD_2CRE)をスプレー塗布、乾燥させ、電気オーブンにて320℃で15分間加熱し成膜したものである。
中間層10および熱伝導GLS層11は、熱伝導性フィラーを混ぜてあることで、混ぜなかったときに比べて、熱伝導性と熱容量(熱蓄熱性)が付与されている。したがって中間層10および熱伝導GLS層11は、ニップ部N1にて外部加熱ユニット3からの熱を効率よく蓄熱できる。また中間層10と芯金8の間に断熱性の弾性層9があるため、中間層10に蓄熱された熱は、芯金8へ逃げることなく、ニップ部N2にて効率よく記録紙上に放出させることができる。
本発明に係る定着用ローラとしての加圧ローラ2も定着ローラ1とまったく同じ構成を有しているので、その構成の説明は割愛する。加圧ローラ2は記録紙がニップ部N2に挟持されていないときに定着ローラ1からの熱を供給される。したがって加圧ローラ2もやはり中間層10に蓄熱し、ニップ部N2に記録紙が挟持されたときに記録紙に熱を放出する。そのため、加圧ローラとして中間層10を有さないすなわち蓄熱性のない加圧ローラを用いた場合に比べ、記録紙上へのトナー画像tの定着効率をあげることが可能となる。
ちなみに熱伝導GLS層11の厚みとしては、30μm以下にする必要がある。なぜならそれ以上の膜厚のものは、熱伝導の意味がなくなるからである。
熱伝導GLS層11の熱伝導率は、フィラーの量が多いほど高くすることが出来るものの、フィラーの入れ目量に比例して成膜性が困難になるため、最大でも0.65W/m・Kが限界である。また熱伝導性フィラーを何も混ぜないGLS(以降ピュアGLSと記す)の熱伝導率は、約0.16W/m・Kである。
一般的にピュアGLSの製膜の薄さ限界は、量産性も考慮すると8μm程度であり、これ以下の膜厚では、塗布後のレベリングがされ難く、膜厚と表面性が安定しない。このピュアGLSの最小膜厚と同等の熱透過性を持つ、熱伝導率が0.65W/m・Kの熱伝導GLS層11の膜厚は、30μmである。
よって熱伝導性フィラーがない分コスト的に安いピュアGLSの8μmの層よりも、少なくとも熱的に勝る効果を熱伝導GLS層11が得るには、その膜厚を30μmよりも薄くしなくてはならない。
また本実施例の離型層12は、通常その膜厚を厚くするほどフッ素樹脂のディスパージョンスプレー塗布後の乾燥においてクラックが入りやすくなる。
ディスパージョンのスプレー塗工で15μmより厚いフッ素樹脂層を成膜することは不可能ではないが、塗っては乾かすという重ね塗りを行う必要があるため、乾燥などの後工程が1回だけでなく、さらに追加になるなど工程が多くなり、コストアップにつながる。
また弾性層9上に熱伝導GLS層11よりも高熱伝導の中間層10を設け、かつ熱伝導GLS層11を熱伝導化させたことによる熱的メリットを生かすためにも、熱伝導率の低いピュアフッ素樹脂層の離型層12を厚くすることは、そのメリットを軽減させる。その意味でも離型層12の膜厚を15μm以上にすることは、あまり意味が無い。なお、フッ素樹脂中に熱伝導率を上げるための熱伝導フィラーを混ぜていないPFAを、以降ピュアPFAと表記する。
この傾向は、およそ一般的なフッ素樹脂ディスパージョンについても当てはまる。本実施例では特に離型層12のフッ素樹脂としてピュアPFAを用いているが、基本的にPFA以外のフッ素樹脂であるたとえばPTFEやFEPでもPFAと熱伝導率がほとんど変わらないし、塗工厚みの上限にもほとんど差が無い。
具体的に、熱伝導GLS層11の熱伝導率を振った時の取り得る最大厚み(ピュアGLSの膜厚8μm品と同等の熱透過性になる厚み)を調べた結果をしめしたのが、図3の線Lである。一方、熱伝導GLS層11の成膜可能な最低膜厚は、8μmである。これ以下の量を塗ることは、スプレー塗布後のレベリングが阻害されるため、均一な膜にならない。よって本実施例における熱伝導GLS層11の取り得る熱伝導率と厚みは、図3の領域Sの範囲に限られる。
つぎに本発明の最大の特徴であるローラ表面のしわ防止のための構成を説明する前に、熱伝導性フィラーを有する熱伝導GLS層11を用いた定着ローラ1や加圧ローラ2の製造時にローラ表面にしわが発生しやすい理由について説明する。
(ローラ表面のしわの発生メカニズムについて)
通常、熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有するローラは、熱伝導性フッ素ゴムラテックス層中のフッ素樹脂の染み出しと、レべリングが300度以上で行われるようになるため、300度以上望ましくは320度〜330度の温度にて焼成され製造される。ローラ表面のしわは、この焼成が終了した後の冷却中に発生する。
ローラの製造工程において、上記の冷却中には熱伝導GLS層11と中間層10のどちらも収縮が進むが、中間層10の方が膨張係数が大きいため、より大きな収縮がおきる。これは熱伝導GLS層11がフッ素ゴムとフッ素樹脂の混合体であり、特にその収縮は、膨張係数が低い方であるフッ素樹脂の特性が支配的になっていることに起因している。
この収縮の差のため、基本的に中間層10と熱伝導GLS層11の間には、ストレスが溜まり易いが、この傾向は熱伝導GLS層11中のフッ素樹脂の相転移温度Tg℃を境に変化する。
図4は温度を振ったときのピュアGLS層の弾性率曲線の変化を表わした図である。
まず図4をもとに相転移温度Tgについて説明する。
弾性率曲線の測定は、実際に本実施例で使用したGLS223Fを、試験片として厚さ約60μmの膜に製膜し、固体レオメーター(E4000)を用いておこなった。
図4(a)は、室温(25℃)付近でのGLS223F膜の試験片の弾性率曲線を示した図である。図4(a)に示す弾性率曲線には、変曲点が存在している。この変曲点は同一サンプルを繰り返し測定すると段々と消滅していくという不可逆的な特徴を有しており、GLS中のフッ素樹脂分の弾性の降伏点をあらわしている。
図4(b)、図4(c)は、それぞれ試験片の温度を70℃、90℃とあげていったときの、各々の弾性率曲線を示している。このように温度をあげていくと変曲点が見えなくなっていき、90℃にてついに消失する。
この変曲点が消失した温度では、弾性率曲線は、繰り返し測定した場合でも同じ曲線上に乗る可逆的な特徴を有している。このことからこの変曲点が消失した温度を境にGLS層は、可逆的な弾性すなわちゴム的な弾性が支配的な相に変化したとみなし、この変曲点の消失する温度を相転移温度Tgとして定義する。とくに本実施例で用いたPFA樹脂の入っているGLS223Fの場合には、この相転移温度Tgは90℃であるが、一般にGLS層中のフッ素樹脂の種類が異なるとその値は変わる。
図5はローラ製造時のローラ表面しわの発生メカニズムを表わした図である。
上記のように熱伝導GLS層11が相転移温度Tg℃(=90℃)以上の温度にあるとき、熱伝導GLS層11はゴム弾性が支配的な状態になっていることで、中間層10の収縮に追随しやすいため、ひずみを貯め難い状態にある(図5の(A)参照)。
しかしながらローラの表面温度が本実施例の熱伝導GLS層11のフッ素樹脂であるPFAの相転移温度(90℃)以下になると、今度はPFAの弾性がゴム弾性では無い状態(分子の変形や移動が制限された状態)になる。そのため、膨張係数の差によるストレスが熱伝導GLS層11と中間層10の間に蓄積されるようになる(図5の(C)参照)。このストレスは、ローラの温度が相転移温度Tg℃から低いほど多くなる。
ストレスが多くないうちは、中間層10が大きく収縮しようとする力にたいしてまだ熱伝導GLS層11が折れない(しわが出ない)ように耐えられているためしわは発生しない(図5の(D)参照)。しかし冷却が進みストレスが多く溜まると中間層10の収縮する力によって高熱伝導GLS層11と中間層10が変形してしまい、しわが発生してしまう(図5の(E)参照)。
さらに熱伝導GLS層11中に熱伝導性フィラーが多く混ぜられているほど、熱伝導GLS層11のゴム弾性が損なわれ、ストレスを直接溜め込んでしまいやすく、ローラ製造時においてローラ表面のしわが発生しやすくなってしまう。とくに熱伝導性フィラーの種類によらず熱伝導フィラーの熱伝導GLS層11中の体積分率が5vol%以上であると、ゴム弾性の損なわれるようになるため、この傾向が顕著となる。つまり熱伝導GLS層11は熱伝導性フィラーを体積分率5%以上含有している。ちなみにここでいう体積分率とは、以下の式で定義される。
Vf/Vt=体積分率
(Vf;GLS層11単位体積中のフィラーの総体積、Vt;GLS層11の単位体積)
要するに製造時のローラ表面のしわは、熱伝導GLS層11と中間層10の熱膨張係数の差に起因したストレスが、熱伝導GLS層11と中間層10を変形させてしまうことで発生している。このことから製造時のローラ表面のしわの発生を防止するには、中間層10が変形しにくいようにその弾性をあげてあげればよい。
高熱伝導性シリコーンゴムより構成される中間層10は、容易にかつ大きく剛性をあげることが可能であり、これによりしわの発生を効果的に防止することができる。
次に実際に本実施例の中間層10の弾性を上げることによって得られた製造時のローラの表面しわ発生抑制効果について説明する。とくに本実施例の定着ローラ1の熱伝導GLS層11としては、まず以下の2種類(GL(i)&GL(ii))で評価した。
GL(i);アルミナの入れ目が28vol%で熱伝導率が約0.45W/m・K、厚みが20μm、離型層12としてはピュアPFA樹脂(ダイキン製;AD_2CRE)が膜厚15μmになるように製膜した。
GL(ii);アルミナの入れ目が36vol%で熱伝導率が約0.65W/m・K、厚みが8μm、離型層12としてはピュアPFA樹脂(ダイキン製;AD_2CRE)が膜厚5μmになるように製膜した。
ちなみにGL(i)は図3における点Bに対応し、GL(ii)は点Dに対応する。
弾性を上げるにあたっては、その弾性パラメータY(Y=H×T、ここでHは中間層10の高熱伝導性シリコーンゴムのAsker−C硬度(500g荷重)(度)、Tは中間層10の厚さ(μm))が、以下の関係式(1)
Y≧4200 関係式(1)
を満たすように構成すればよい。
この構成の効果を説明するために、中間層10の構成を変えて弾性パラメータYを振ったときのローラ製造時のローラ表面しわの発生有無を調べた結果を載せておく。
まず以下の表1は、中間層10の高熱伝導性シリコーンゴム(以下、ゴム材とも記す)を振ったときの弾性パラメータYとローラ表面しわの発生の関係を示した表である。
表1では、ゴム材の硬度の違いによる硬化がわかり易く比較できるようにするため、中間層10の厚みTはすべて100μmになるようにローラを作製して比較した結果を載せた。
表1中では、作製したローラにおいて、高熱伝導シリコーンゴムの種類としては6種類のものにて比較した。特に上記ゴム表中のゴムCは、付加型の2液混合型のシリコーンゴムであり、ポリマーと触媒を含有するA剤とポリマーと硬化剤を含有するB剤を混ぜ加熱することで、硬化する。A剤とB剤の混合比は通常1:1であるが、B剤の配合比を増やすことで、硬化後のゴム硬度を硬くすることができる。具体的に、ゴムCに関しては硬化剤であるB剤を増量した混合比、すなわち1:1.5(B剤150%)、および1:2(B剤200%)でもローラを作製し、硬さの異なる中間層のバリエーションを増やして調べている。また表1中のゴム硬度であるAsker−C硬度は、すべて2次加硫後のゴムにて測定した値である。
表1の結果から中間層10の弾性パラメータYとしては、4200以上になる(関係式(1)をみたす)硬い高熱伝導シリコーンゴムを用いることで製造時のローラ表面しわが発生しないことがわかる。つぎに中間層10の厚さを変えることで、弾性パラメータYをふったときのローラ製造時のローラ表面しわの発生を調べた結果を以下の表2に示す。
表2の結果から、100μmの厚みのときにしわが発生していたゴム(ゴムA)であっても厚みを厚くして弾性パラメータYが関係式(1)を満たすように構成すれば、ローラ製造時のローラ表面しわが発生しないようになることがわかる。逆に100μmの厚みのときにはしわが発生していなかったゴム(ゴムC(B剤200%))であっても、厚みを薄くして弾性パラメータYが関係式(1)を満たさない構成にしてしまうとローラ製造時のローラ表面しわが発生するようになることがわかる。
また離型層12の厚みを最大の15μmにして、熱伝導GLS層11の熱伝導率と厚みとしては、図3の領域S中の点A(0.65、29)、点C(0.22、8)の2点でも試した。その結果は点B(GL(i))と点D(GL(ii))の時に同じであり、関係式(1)を満たすように構成することで、しわは発生しなかった。
また今回は、ローラの外径膨張率としては、GLS層中のPFAの相転移温度Tgである90℃において2%である。以下、ローラの外径膨張率とは室温(25℃)でのローラ外径に対する相転移温度Tgでのローラ外径の膨張率(=(φ(Tg)−φ(25))/φ(25))である。ここでφ(Tg)とφ(25)は、それぞれ相転移温度Tgと室温(25℃)におけるローラ外径のものを用いた。また基層ゴム中の樹脂バルーン連泡化剤の量をふやすことで連泡化を促進させローラの外径膨張率を0.8%(φ(Tg)/φ(25)≧1.008)に抑えたものを用いても、同様の結果であった。ここで、基層は弾性層9のことである。ただしローラの外径膨張率が0.7%以下のものではそもそもローラ製造時のしわの発生はなかった。
本実施例の定着ローラ1、及び加圧ローラ2によれば、中間層10の弾性パラメータYを関係式(1)を満たすようにすることで、ローラ製造時のしわの発生する力がかかる場合にも、中間層10と熱伝導GLS層11の変形を防ぐことが出来る。これによりローラ製造時のローラ表面のしわの発生を抑制することが出来る。
本実施例の画像定着装置によれば、定着ローラ1、及び加圧ローラ2はそれぞれ熱伝導性と熱容量(熱蓄熱性)が付与された熱伝導GLS層11と中間層10を有するので、熱を効率よく蓄え、かつその蓄えた熱の記録紙P上への吐き出しがスムーズに行える。これにより、記録紙P上の未定着トナー画像tの定着効率を上げることが出来る。また、熱を効率よく蓄えることができるので、定着温度やヒータ4に供給する電力を下げることが可能になる。
[実施例2]
実施例1では定着用ローラを外部加熱ローラタイプの画像定着装置62の定着ローラ及び加圧ローラとして用いた例を説明したが、定着用ローラはこれに限られずフィルム加熱タイプの画像定着装置の加圧ローラとして用いることができる(図6参照)。
図6は定着用ローラを加圧ローラとして用いたフィルム加熱タイプの画像定着装置62の一例の横断側面模型図である。
71はフィルムユニットである。
フィルムユニット71は、加熱源としてのヒータ72と、ヒータ72を支持するホルダー73と、を有する。そしてホルダー73の外周には可撓性部材としてのスリーブ状の可撓性フィルム74がルーズに外嵌されている。またフィルム74の内側においてホルダー6上に剛性ステー75が配設されている。
加圧ローラ2は、フィルムユニット71と並列に配置され、芯金8の両端部が軸受(不図示)を介して装置フレームに回転自在に保持されている。そして所定の加圧力をばね(不図示)で軸受を介して加圧ローラ2の芯金8に加えることによって加圧ローラ2表面をフィルム74を挟んでヒータ72に加圧させている。これにより加圧ローラ2の弾性層9を弾性変形させフィルム74の外周面(表面)と加圧ローラ2表面との間に所定幅のニップ部(定着ニップ部)N3を形成している。ニップ部N3の長さは定着装置62に導入される記録材Pの最大幅と略同じ長さにしてある。
ヒータ72は、前述の外部加熱ローラタイプの定着装置62におけるヒータ4と同様、長手方向に細長いセラミックス製の基板72aと、通電発熱抵抗層72bと、給電用電極(不図示)と、保護層72c等を有する。通電発熱抵抗層72bの長さは定着装置62に導入される記録材Pの最大幅と略同じ長さにしてある。
加圧ローラ2は、芯金8の一端部に設けられた駆動ギアに定着モータ(不図示)から回転力が伝達されることにより矢印方向へ所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。この加圧ローラ2の回転に伴いフィルム74は加圧ローラ2の周速度と略同じ周速度で矢印方向へ従動回転する。
ヒータ72は、通電発熱抵抗層72bに給電用電極を介して給電制御回路(不図示)から給電されることで通電発熱抵抗層72bが発熱し急速に昇温する。そしてヒータ72の基板72aに設けられたサーミスタS1はヒータ72の温度を検知し給電制御回路に出力する。給電制御回路はサーミスタS1からの出力信号を取り込み、その出力信号に基づいて通電発熱抵抗層72bへの給電を制御することによりヒータ72の温度を所定の定着温度(目標温度)に維持する。
回転するフィルム74は、ニップ部N3においてヒータ72によりフィルム74の内周面(内面)が加熱され、これによりニップ部N3で記録材Pの担持する未定着トナー画像tを加熱定着するのに必要・十分な熱量が与えられる。
未定着トナー画像tを担持する記録材Pはニップ部N3に導入され、ニップ部N3でフィルム74表面と加圧ローラ2表面とで挟持搬送される。その記録材Pの挟持搬送過程において、記録材Pはヒータ72よりフィルム74を介して加熱されるとともにニップ部N2よりニップ圧を受けることによって、トナー画像tが記録材P上に加熱定着される。ニップ部N3を出た記録材Pは定着ローラ1表面から分離してニップ部N3から排出される。
本実施例2のフィルム加熱タイプの画像定着装置によれば、加圧ローラ2は熱伝導性と熱容量(熱蓄熱性)が付与された熱伝導GLS層11と中間層10を有するので、熱を効率よく蓄え、かつその蓄えた熱の記録紙P上への吐き出しがスムーズに行える。これにより、記録紙P上の未定着トナー画像tの定着効率を上げることが出来る。また、熱を効率よく蓄えることができるので、定着温度やヒータ72に供給する電力を下げることが可能になる。
定着ローラ1のローラ外径、芯金径は実施例1にあげた寸法に限定されないことは言うまでもない。
実施例1に係る外部加熱ローラタイプの画像定着装置の横断側面模型図である。 定着ローラの横断側面模型図である。 熱伝導GLS層の取り得る熱伝導率と厚みの領域を表わした図である。 温度を振ったときのピュアGLS層の弾性率曲線の変化を表わした図である。 ローラ製造時のローラ表面しわの発生メカニズムを表わした図である。 実施例2に係るフィルム加熱タイプの画像定着装置の一例の横断側面模型図である。 画像定着装置を搭載する画像形成装置の一例の構成模型図である。
符号の説明
1‥‥定着ローラ、2‥‥加圧ローラ、8‥‥芯金、9‥‥弾性層、10‥‥中間層、11‥‥熱伝導性フッ素ゴムラテックス層、12‥‥離型層、62‥‥画像定着装置、N2,N3‥‥ニップ部、P‥‥記録材、t‥‥未定着トナー画像

Claims (8)

  1. 少なくとも芯金上に弾性層を有し、前記弾性層より表層側にフッ素ゴムとフッ素樹脂と熱伝導性フィラーを混ぜた熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有する定着用ローラにおいて、
    前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層と前記弾性層との間に前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層よりも高熱伝導性シリコーンゴムよりなる中間層を有し、前記中間層は、高熱伝導性シリコーンゴムのAsker−C硬度(500g荷重)をH(度)、厚さをT(μm)とした場合に弾性パラメータY(Y=H×T)が以下の関係式(1)
    Y≧4200 関係式(1)
    を満たすよう構成されていることを特徴とする定着用ローラ。
  2. 前記定着用ローラの25℃における外径をφ(25)、前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層中のフッ素樹脂の相転移温度Tg℃における外径をφ(Tg)としたときに、φ(Tg)/φ(25)≧1.008であることを特徴とする請求項1に記載の定着用ローラ。
  3. 前記相転移温度とは、前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層の弾性率を測定したときに、降伏点が消失する温度であることを特徴とする請求項2に記載の定着用ローラ。
  4. 前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層中のフッ素樹脂とは、PFAであることを特徴とする請求項2に記載の定着用ローラ。
  5. 前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層は、熱伝導性フィラーを体積分率5%以上含有していることを特徴とする請求項2に記載の定着用ローラ。
  6. 前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層上にフッ素樹脂層をコートしたことを特徴とする請求項1に記載の定着用ローラ。
  7. 定着ローラと、前記定着ローラと接触してニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記ニップ部で記録材が担持するトナー画像を挟持搬送しつつ記録材に加熱定着する画像定着装置において、
    前記定着ローラ、及び前記加圧ローラは、それぞれ、少なくとも芯金上に弾性層を有し、前記弾性層より表層側にフッ素ゴムとフッ素樹脂と熱伝導性フィラーを混ぜた熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有し、前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層と前記弾性層との間に前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層よりも高熱伝導性シリコーンゴムよりなる中間層を有しており、前記中間層は、高熱伝導性シリコーンゴムのAsker−C硬度(500g荷重)をH(度)、厚さをT(μm)とした場合に弾性パラメータY(Y=H×T)が以下の関係式(1)
    Y≧4200 関係式(1)
    を満たすよう構成されていることを特徴とする画像定着装置。
  8. 可撓性部材と、前記可撓性部材を加熱するヒータと、前記可撓性部材を挟んで前記ヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、前記ニップ部で記録材が担持するトナー画像を挟持搬送しつつ記録材に加熱定着する画像定着装置において、
    前記加圧ローラは、少なくとも芯金上に弾性層を有し、前記弾性層より表層側にフッ素ゴムとフッ素樹脂と熱伝導性フィラーを混ぜた熱伝導性フッ素ゴムラテックス層を有し、前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層と前記弾性層との間に前記熱伝導性フッ素ゴムラテックス層よりも高熱伝導性シリコーンゴムよりなる中間層を有しており、前記中間層は、高熱伝導性シリコーンゴムのAsker−C硬度(500g荷重)をH(度)、厚さをT(μm)とした場合に弾性パラメータY(Y=H×T)が以下の関係式(1)
    Y≧4200 関係式(1)
    を満たすよう構成されていることを特徴とする画像定着装置。
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