JP2009274381A - 積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素、水蒸気のガスバリア性が優れた積層フィルムを提供すること。
【解決手段】 高分子樹脂組成物からなる基材に無機薄膜蒸着層を設けられ、かつ高分子樹脂組成物の反対面の無機薄膜蒸着層上にキシリレン基または水添キシリレン基含有ウレタン樹脂を含む被覆層が積層され、かつ被覆層の厚みが0.01〜0.50μmであることを特徴とする積層フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 高分子樹脂組成物からなる基材に無機薄膜蒸着層を設けられ、かつ高分子樹脂組成物の反対面の無機薄膜蒸着層上にキシリレン基または水添キシリレン基含有ウレタン樹脂を含む被覆層が積層され、かつ被覆層の厚みが0.01〜0.50μmであることを特徴とする積層フィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、食品、医薬品等の包装分野に用いられるガスバリア性フィルムに関するものである。
食品、医薬品等に用いられる包装材料は、1)蛋白質、油脂の酸化抑制2)味、鮮度の保持3)医薬品の効能維持のために、酸素、水蒸気などのガスを遮断する性質、すなわちガスバリア性を備えることが求められている。
そのため、従来からポリビニルアルコール(以下、PVAとする)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、或いはポリ塩化ビニリデン樹脂(以下、PVDCとする)など一般にガスバリア性が比較的高いと言われる高分子樹脂組成物を積層したフィルムが包装材料として使用されてきた。また、適当な高分子樹脂組成物のフィルムにAlなどの金属を蒸着したものやアルミナ、シリカなどの無機酸化物を蒸着したものも包装材料として一般的に使用され始めている。
ところが、上述のPVA,EVOH系の高分子樹脂組成物を用いてなるガスバリア性積層フィルムは、温度依存性及び湿度依存性が大きいため、高温又は高湿下においてガスバリア性の低下が見られる。またPVDCは被膜中に塩素を多量に含むため、焼却処理やリサイクリングなど廃棄物処理の面で問題がある。
さらに、上述の金属を蒸着したフィルムやアルミナ、シリカなどの無機酸化物を蒸着したフィルムは、蒸着物と樹脂フィルムの機械的性質、化学的性質、熱的性質などの物性が非常に異なっていることから、ガスバリア層に用いられる無機物の薄膜が可携性に欠け、操みや折り曲げに弱い。また、基材との密着性が悪いため、取り扱いに注意を要し、とくに印刷、ラミネート、製袋など包装材料の後加工の際に、クラックを発生しガスバリア性が著しく低下する問題がある。さらに、真空プロセスを用いて形成するため装置が高価であったり、形成工程において局部的に高温となり、基材に損傷を生じたり、低分子量部或いは可塑剤などの添加剤の分解、脱ガスなどを起因として蒸着層中に欠陥、ピンホール等を発生することがある。すなわち、これまでの蒸着フィルムは高いガスバリア性を達成できないこと、コスト的に高価となるという問題を有している。
また、特許文献1では、上記問題に対して基材に金属アルコキシドの被膜を形成してなるガスバリア材が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、さらに水蒸気バリア性の向上が求められている。
特開2007−1283号公報
そのため、従来からポリビニルアルコール(以下、PVAとする)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、或いはポリ塩化ビニリデン樹脂(以下、PVDCとする)など一般にガスバリア性が比較的高いと言われる高分子樹脂組成物を積層したフィルムが包装材料として使用されてきた。また、適当な高分子樹脂組成物のフィルムにAlなどの金属を蒸着したものやアルミナ、シリカなどの無機酸化物を蒸着したものも包装材料として一般的に使用され始めている。
ところが、上述のPVA,EVOH系の高分子樹脂組成物を用いてなるガスバリア性積層フィルムは、温度依存性及び湿度依存性が大きいため、高温又は高湿下においてガスバリア性の低下が見られる。またPVDCは被膜中に塩素を多量に含むため、焼却処理やリサイクリングなど廃棄物処理の面で問題がある。
さらに、上述の金属を蒸着したフィルムやアルミナ、シリカなどの無機酸化物を蒸着したフィルムは、蒸着物と樹脂フィルムの機械的性質、化学的性質、熱的性質などの物性が非常に異なっていることから、ガスバリア層に用いられる無機物の薄膜が可携性に欠け、操みや折り曲げに弱い。また、基材との密着性が悪いため、取り扱いに注意を要し、とくに印刷、ラミネート、製袋など包装材料の後加工の際に、クラックを発生しガスバリア性が著しく低下する問題がある。さらに、真空プロセスを用いて形成するため装置が高価であったり、形成工程において局部的に高温となり、基材に損傷を生じたり、低分子量部或いは可塑剤などの添加剤の分解、脱ガスなどを起因として蒸着層中に欠陥、ピンホール等を発生することがある。すなわち、これまでの蒸着フィルムは高いガスバリア性を達成できないこと、コスト的に高価となるという問題を有している。
また、特許文献1では、上記問題に対して基材に金属アルコキシドの被膜を形成してなるガスバリア材が提案されている(例えば、特許文献1参照。)が、さらに水蒸気バリア性の向上が求められている。
本発明は、酸素、水蒸気のガスバリア性が優れた積層フィルムを提供することを目的とする。
本願発明は、高分子樹脂組成物からなる基材に無機薄膜蒸着層を設けられ、かつ高分子樹脂組成物の反対面の無機薄膜蒸着層上にキシリレン基または水添キシリレン基含有ウレタン樹脂を含む被覆層が積層され、かつ被覆層の厚みが0.01〜0.50μmであることを特徴とする積層フィルムである。
また、この場合において、前記キシリレン基含有ウレタン樹脂を含む積層層に、更にメラミン化合物を含むことを特徴とする積層フィルム。
さらにまた、この場合において、前記積層フィルムの厚みが5〜50μmであり、かつ130℃で加熱したときに該積層フィルムから発生するアルコールの重量が、それぞれ該積層フィルム試料の重量の50ppm以下であることを特徴とする積層フィルム。
本発明により、酸素バリア性、水蒸気バリア性が優れた積層フィルムを提供することを目的とする。
以下、本発明のガスバリア性フィルムの実施の形態を説明する。
[基材層]
本発明で用いる基材層は、例えば、有機高分子を溶融押し出しして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12などで代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6一ナフタレートなどで代表されるポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどで代表されるポリオレフィンの他、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリ乳酸などを挙げることができる。
また本発明における基材層は、積層型フィルムであってもよい。積層型フィルムとする場合の積層体の種類、積層数、積層方法等は特に限定されず、目的に応じて公知の方法から任意に選択することができる。
またフィルムにはシリカなどの微粒子を添加することができる。
本発明で用いる基材層は、例えば、有機高分子を溶融押し出しして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12などで代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6一ナフタレートなどで代表されるポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどで代表されるポリオレフィンの他、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリ乳酸などを挙げることができる。
また本発明における基材層は、積層型フィルムであってもよい。積層型フィルムとする場合の積層体の種類、積層数、積層方法等は特に限定されず、目的に応じて公知の方法から任意に選択することができる。
またフィルムにはシリカなどの微粒子を添加することができる。
[被覆層]
基材層の少なくとも一方の面に被覆される被覆層としては、メタキシリレン基及び水添キシリレン基含有ウレタン樹脂を必須成分とし、下記に示す各種の(A)ポリイソシアネート化合物、(B)ポリオール化合物を反応させたウレタン樹脂を使用することができる。
本発明に使用するキシリレン基含有ウレタン樹脂は、原料の一つであるポリイソシアネート化合物にキシリレンジイソシアネートおよび水添キシリレンジイソシアネートを用いることで製造することが好ましい。これにより、酸素バリア性、水蒸気バリア性を向上させることができる。キシリレンジイソシアネートと水添キシリレンジイソシアネートの合計量の割合は、通常、ポリイソシアネート化合物(A)全体に対して10重量%以上(10〜100重量%)の範囲から選択でき、通常20〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは25〜100重量%、特に好ましくは30〜100重量%である。
基材層の少なくとも一方の面に被覆される被覆層としては、メタキシリレン基及び水添キシリレン基含有ウレタン樹脂を必須成分とし、下記に示す各種の(A)ポリイソシアネート化合物、(B)ポリオール化合物を反応させたウレタン樹脂を使用することができる。
本発明に使用するキシリレン基含有ウレタン樹脂は、原料の一つであるポリイソシアネート化合物にキシリレンジイソシアネートおよび水添キシリレンジイソシアネートを用いることで製造することが好ましい。これにより、酸素バリア性、水蒸気バリア性を向上させることができる。キシリレンジイソシアネートと水添キシリレンジイソシアネートの合計量の割合は、通常、ポリイソシアネート化合物(A)全体に対して10重量%以上(10〜100重量%)の範囲から選択でき、通常20〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは25〜100重量%、特に好ましくは30〜100重量%である。
(A)ポリイソシアネート化合物
ポリイソシアネート化合物には、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが含まれる。ポリイソシアネート化合物としては、通常、ジイソシアネート化合物が使用される。
ポリイソシアネート化合物には、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが含まれる。ポリイソシアネート化合物としては、通常、ジイソシアネート化合物が使用される。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDl)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4’−ジフェニルシイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(ND1)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’−、2,4’−、または2,2’−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDl)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(TODl)、4,4’−ジフェニルエーテルシイソシアネートなどが例示できる。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDl)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDl)、ω,ω’−ジイソシアネートー1,4−ジエチルベンゼンなどが例示できる。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDl)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDl)、ω,ω’−ジイソシアネートー1,4−ジエチルベンゼンなどが例示できる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアネートメチルー3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロシイソシアネート、lPDl)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4’・、2,4’−又は2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート))(水添MDl)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチルー2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルー2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(水添XDl)などを挙げることができる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンダメチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカフェートなどを挙げることができる。
(B)ポリオール化合物
ポリオール成分(特にジオール成分)としては、低分子量のグリコールからオリゴマーまで用いることはできるが、ガスバリア性の観点から、通常、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2−lOアルキレングリコール)、(ポリ)オキシC2−4アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど)などの低分子量グリコールが使用される。好ましいグリコール成分は、C2−8ポリオール成分[例えば、C2−6アルキレングリコール(特に、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール)など]、ジ又はトリオキシC2−3アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど)であり、特に好ましいジオール成分はC2−8アルキレングリコール(特にC2−6アルキレングリコール)である。
これらのジオール成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。さらに必要に応じて、芳香族ジオール(例えば・ビスワエノールA、ビスビドロキシェチルテレフタレート、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,3−又は1,4−キシリレンジオールもしくはその混合物など)、脂環族ジオール(例えば、水添ビスワエノールA、水添キシリレンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン。ジメタノールなど)などの低分子量ジオール成分を併用してもよい。さらに、必要により、3官能以上のポリオール成分、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのポリオール成分を併用することもできる。ポリオール成分は、少なくともC2−8ポリオール成分[特に、C2−6アルキレングリコール]を含むのが好ましい。ポリオール成分全体に対するC2−8ポリオール成分[特に、C2−6アルキレングリコール]の割合は、50〜100重量%程度の範囲から選択でき、通常、ア0重量%以上(70〜100重量%)、好ましくは80重量%以上(80〜100重量%)、さらに好ましくは90重量%以上(90〜100重量%)である。
ポリオール成分(特にジオール成分)としては、低分子量のグリコールからオリゴマーまで用いることはできるが、ガスバリア性の観点から、通常、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2−lOアルキレングリコール)、(ポリ)オキシC2−4アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど)などの低分子量グリコールが使用される。好ましいグリコール成分は、C2−8ポリオール成分[例えば、C2−6アルキレングリコール(特に、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール)など]、ジ又はトリオキシC2−3アルキレングリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど)であり、特に好ましいジオール成分はC2−8アルキレングリコール(特にC2−6アルキレングリコール)である。
これらのジオール成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。さらに必要に応じて、芳香族ジオール(例えば・ビスワエノールA、ビスビドロキシェチルテレフタレート、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、1,3−又は1,4−キシリレンジオールもしくはその混合物など)、脂環族ジオール(例えば、水添ビスワエノールA、水添キシリレンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン。ジメタノールなど)などの低分子量ジオール成分を併用してもよい。さらに、必要により、3官能以上のポリオール成分、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのポリオール成分を併用することもできる。ポリオール成分は、少なくともC2−8ポリオール成分[特に、C2−6アルキレングリコール]を含むのが好ましい。ポリオール成分全体に対するC2−8ポリオール成分[特に、C2−6アルキレングリコール]の割合は、50〜100重量%程度の範囲から選択でき、通常、ア0重量%以上(70〜100重量%)、好ましくは80重量%以上(80〜100重量%)、さらに好ましくは90重量%以上(90〜100重量%)である。
また、キシリレン基含有ウレタン樹脂を含む被覆層に、更にメラミン化合物を含むことが、ガスバリア性を向上させる点で好ましい。メラミン系化合物は、トリアジン環に結合している3個のアミノ基の水素原子の少なくとも一部がメチロール基で置換されており、該メチロール基の数は一般に3〜6個であり、該メチロール基の一部または全部がアルキルエーテル化されているものである。アルキルエーテル化メラミン系化合物のアルキル部分は炭素数1〜6個、好ましくは1〜3個有する直鎖状または分岐鎖である。例えばメチル、エチル、n−またはiSO−プロピル、n−、iSO−、またはtert−ブチル等である。
具体的に本発明に用いられるメラミン系化合物を例示すれば、ヘキサメチロールメラミンヘキサメチルエーテル、ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル、ヘキサメチロールメラミンテトラメチルエーテル、ペンダメチロールメラミンペンタメチルエーテル、ペンダメチロールメラミンテトラメチルエーテル、ペンダメチロールメラミントリメチルエーテル、テトラメチロールメラミンテトラメチルエーテル、テトラメチロールメラミントリメチルエーテル、トリメチロールメラミントリメチルエーテル、トリメチロールメラミンジメチルエーテル等が挙げられるが、ポリビニルアルコール系重合体との相溶性の点から、トリメチロールメラミントリメチルエーテル、トリメチロールメラミンジメチルエーテルが好ましく用いられる。なお該メラミン系化合物は2量体などの縮合体を一部含んでも良い。
具体的に本発明に用いられるメラミン系化合物を例示すれば、ヘキサメチロールメラミンヘキサメチルエーテル、ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル、ヘキサメチロールメラミンテトラメチルエーテル、ペンダメチロールメラミンペンタメチルエーテル、ペンダメチロールメラミンテトラメチルエーテル、ペンダメチロールメラミントリメチルエーテル、テトラメチロールメラミンテトラメチルエーテル、テトラメチロールメラミントリメチルエーテル、トリメチロールメラミントリメチルエーテル、トリメチロールメラミンジメチルエーテル等が挙げられるが、ポリビニルアルコール系重合体との相溶性の点から、トリメチロールメラミントリメチルエーテル、トリメチロールメラミンジメチルエーテルが好ましく用いられる。なお該メラミン系化合物は2量体などの縮合体を一部含んでも良い。
本発明においては、メラミン系化合物/メタキシリレン含有ウレタン樹脂の重量比は任意に選択できるが、ガスバリア性の点から、好ましくは25/75〜90/10、更に好ましくは30/70〜90/10であり、特に好ましくは50/50〜80/20である。この比が25/70より小さかったり、90/10より大きかったりすると、酸素バリア性、水蒸気バリア性やラミネート強度が十分に発現しなくなってしまう。
更に必要であれば、本被覆層中に、静電防止剤や滑り剤、アンチブロッキング剤などの公知の無機、有機の各種添加剤を加えることは本発明の日的を阻害しない限り任意である。
また、被覆層を基材上に形成する方法としては、通常前述した様に水系溶液を基材にコートする方法が採られる。コートの方法は限定するものではないが、使用するコート液のコート量と粘度により選択される。ファウンテンバーコーティング法、ファウンテンリバースロールコーティング法、ダイコーティング法などから採用すればよい。
また、被覆層を基材上に形成する方法としては、通常前述した様に水系溶液を基材にコートする方法が採られる。コートの方法は限定するものではないが、使用するコート液のコート量と粘度により選択される。ファウンテンバーコーティング法、ファウンテンリバースロールコーティング法、ダイコーティング法などから採用すればよい。
本発明における被覆層の厚みは、ガスバリア性、経済性の点から、0.10〜0.30μmであることが好ましく、0.10〜0.50μmであることが特に好ましい。被覆層の厚みが0.10μmを下回ると、酸素バリア性、特に水蒸気バリア性が十分に発現しない。一方、被覆層の厚みが0.50μmを超えるとフィルム中のアルコール成分が多くなり、ガスバリア性が低下するだけでなく、製造コストも高くなり、経済性が悪くなってしまう。
この様な積層フィルムを130℃で加熱したときに発生する、アルコールの量はそれぞれ、試料フィルムの重量の50ppm以下である。加熱時に発生するアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、n−またはiso−プロピルアルコール、n−、iso−、またはtert−ブチルアルコール等の低級アルコールが挙げられる。アルコール量が50ppmを超える場合、緻密な蒸着膜が得られず、十分なガスバリア性が得られない。
また、この様な積層フィルムを200℃で加熱したときに発生する、アルコールの総量が200ppm以下である。アルコール量が200ppmを超える場合、緻密な蒸着膜が得られず、十分なガスバリア性が得られない。
また、このアルコールはメラミン化合物の分解、自己縮合反応またはメラミン化合物とキシリレン基または水添キシリレン基含有ウレタン樹脂との縮合反応により発生するものであり、温度上昇によりその発生量は飛躍的に増大する。従って、通常使用される温度では、最も高いレトルト処理がされるケースでも(130℃付近)、アルコール総量は更に少なくなり、また、実際の使用態様では、被覆フィルムに接着剤層、シーラント等が積層されることもあり、加熱時の発生物についてはアルコールフリーとなる。
本発明に用いられる被覆層は、通常溶媒を用いてコートすることで形成される。コート液の溶媒としては、溶解性の点から、水100%または水/低級アルコール混合溶媒を用いることが好ましい。低級アルコールとは炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖の脂肪族基を有するアルコール性化合物であり、具体例で示せばメチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、n−またはiSO−プロピルアルコールが挙げられる。特にiSO−プロピルアルコールが好ましい。本発明のコート液の全固形分濃度は2〜35重量%、通常5〜30重量%が好ましい。
コート時の乾燥、熱処理の条件はコート厚み、装置の条件にもよるが、コート後直ちに直角方向の延伸工程に送入し、延伸工程の予熱ゾーンあるいは延伸ゾーンで乾燥させることが好ましい。このような場合、通常50〜250℃程度で行う。なお、必要であれば、酸素ガスバリア層を形成させる前に基材フィルムにコロナ放電処理、その他の表面活性化処理や公知のアンカー処理剤を用いてアンカー処理を施してもよい。
次に、本発明の被覆フィルムを得るための好ましい製造方法について説明する。本発明者らが、本発明の主目的であるガスバリア性及びその均一性につき検討した結果、主として、被覆層が重要であり、その均一性、コート性、揮発成分量により大きく影響を受けることが判明した。すなわち、以下の手段を講じることにより、ガスバリア性が高く、かつ均一性に優れたフィルムを得ることが可能になることを突き止めた。
1)被覆層を形成するコート液の組成
a)温度依存性触媒系の使用
2)コート・乾燥プロセス
a)乾燥ゾーンの排気量、温度
b)コート厚みを制御するバーの回転方向
1)被覆層を形成するコート液の組成
a)温度依存性触媒系の使用
2)コート・乾燥プロセス
a)乾燥ゾーンの排気量、温度
b)コート厚みを制御するバーの回転方向
1)−b)温度依存性触媒系の使用
本発明の被覆フィルムの製造において、被覆層を形成するコート液は、コート液中及び乾燥ゾーンの両方で縮合反応が進行する。コート液中で反応が進行しすぎると、コート液が白濁し、粘度が高くなる現象がおこり、その結果、得られる塗膜の透明性が悪くなるばかりでなく、コート厚みが変動し、無機薄膜蒸着後のガスバリア性が不十分、不均一になる現象がおきてしまう。一方、乾燥ゾーンでは、反応が低いと、塗膜の親水性が高く、目的のガスバリア性の一つである水蒸気バリア性を発現させることができない。すなわち、単純に反応を制御するだけでは、十分で均一なガスバリア性が得られにくい。
本発明の被覆フィルムの製造において、被覆層を形成するコート液は、コート液中及び乾燥ゾーンの両方で縮合反応が進行する。コート液中で反応が進行しすぎると、コート液が白濁し、粘度が高くなる現象がおこり、その結果、得られる塗膜の透明性が悪くなるばかりでなく、コート厚みが変動し、無機薄膜蒸着後のガスバリア性が不十分、不均一になる現象がおきてしまう。一方、乾燥ゾーンでは、反応が低いと、塗膜の親水性が高く、目的のガスバリア性の一つである水蒸気バリア性を発現させることができない。すなわち、単純に反応を制御するだけでは、十分で均一なガスバリア性が得られにくい。
そこで、この二律背反する課題を解決するためには、コート液の反応性を低くし、被覆層(乾燥した塗膜)の反応性を高くすることが必要であると考えられ、その手段について鋭意検討した結果、触媒活性の温度依存性の大きい触媒(本発明においては、これを温度依存性触媒と呼ぶ。)の使用が有効であることを見出した。すなわちこれにより、コート液の反応性と被覆層の反応性との差が大きくなり、コート液中では反応性を低く、乾燥ゾーン中では反応性を高くすることが実現でき、十分で均一なガスバリア性を得ることが可能になる。
温度依存性触媒は、コート液が扱われる温度では触媒活性が低く、乾燥ゾーンの温度では顕著な触媒活性を示すような触媒であれば、その種類には制限はなく、具体的な例としては、酸/揮発性アミン触媒;塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、ホウフッ化亜鉛、塩化マグネシウム、ホウフッ化マグネシウム等の無機金属塩;塩酸、硫酸、りん酸等の無機酸;ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸等の有機酸などが挙げられる。なかでも、酸/揮発性アミン触媒、塩化マグネシウムが好ましい。
酸/揮発性アミン触媒としては、カルボキシル基、スルホン酸基などの様な酸性基を含む化合物のアミン塩、アンモニウム塩の様にアミンやアンモニウムを解離することで酸性になる潜在的なものなどを使用することができる。例示すると、ベンゼンスルホン酸のアミン塩及びそのアンモニウム塩、ナフタレンスルホン酸誘導体のアミン塩及びそのアンモニウム塩、りん酸のアミン塩及びそのアンモニウム塩などであり、詳細としては、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン塩、アンモニウム塩、ジノニルナフタレンスルホン酸のアミン塩、アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸のアミン塩、アンモニウム塩、りん酸のアミン塩、りん酸二水素アンモニウム、りん酸−水素アンモニウム、キャタリスト500(三井サイアナミド製)キャタリスト600(同)、キャタリスト4040(同)等を挙げることができる。
酸と揮発性アミンの比率については、これも触媒の種類にもよるが、酸に対して、揮発性アミンを0.1〜2.0当量添加するのが通常である。
酸と揮発性アミンの比率については、これも触媒の種類にもよるが、酸に対して、揮発性アミンを0.1〜2.0当量添加するのが通常である。
温度依存性触媒の添加量は、触媒の種類にもよるが、通常メラミン系化合物とキシリレン基及び水添キシリレン基含有ポリウレタンの固形分総量に対して、0.1〜10重量%添加される。
本発明においては、当該温度依存性触媒と上記1)−a)の相溶化ポリマーを併用することの相乗効果によって初めて、均一な厚みおよび均一な優れたガスバリア性を有する被覆フィルムが得られるが、その理由は以下のように推測される。
温度依存性触媒の添加により、コート液の反応性と被覆層の反応性との差を大きくすることができるが、温度依存性触媒の添加量が増加していった場合には、コート液の反応性が増大する傾向にあり、コート液の粘度安定性が損なわれていく傾向にある。一方、相溶化ポリマーは、コート液の反応性を低下(コート液の粘度安定性を向上)させるものであって、さらに被覆層の相溶性を上げ、その結果被覆層の反応性を向上させるものである。従って、相溶化ポリマーを温度依存性触媒と併用することによって、温度依存性触媒の添加量を抑制することができ、コート液の反応性と、被覆層の反応性のバランスが適切に調整されるものと考えられる。
温度依存性触媒の添加により、コート液の反応性と被覆層の反応性との差を大きくすることができるが、温度依存性触媒の添加量が増加していった場合には、コート液の反応性が増大する傾向にあり、コート液の粘度安定性が損なわれていく傾向にある。一方、相溶化ポリマーは、コート液の反応性を低下(コート液の粘度安定性を向上)させるものであって、さらに被覆層の相溶性を上げ、その結果被覆層の反応性を向上させるものである。従って、相溶化ポリマーを温度依存性触媒と併用することによって、温度依存性触媒の添加量を抑制することができ、コート液の反応性と、被覆層の反応性のバランスが適切に調整されるものと考えられる。
2)−a)乾燥ゾーンの排気量と温度
本発明の被覆フィルムの製造において、乾燥ゾーンの排気量と温度は、ガスバリア性の発現、均一性の点で重要である。乾燥ゾーンの排気量については高めることで、塗膜中の揮発成分が少なくなり、ガスバリア性が発現する。すなわち、乾燥ゾーンの排気量が低いと、塗膜中に低級アルコール等の揮発成分が多く残存し、その上に蒸着される無機薄膜が緻密でなくなり、十分なガスバリア性が得られない。
一方、乾燥ゾーンの排気量を高くすると、乾燥ゾーンの温度斑により、メラミン系化合物/キシリレン基及び水添キシリレン基含有ポリウレタンの反応斑が起こりやすい状態になり、ガスバリア性が不均一になりやすい。
本発明の被覆フィルムの製造において、乾燥ゾーンの排気量と温度は、ガスバリア性の発現、均一性の点で重要である。乾燥ゾーンの排気量については高めることで、塗膜中の揮発成分が少なくなり、ガスバリア性が発現する。すなわち、乾燥ゾーンの排気量が低いと、塗膜中に低級アルコール等の揮発成分が多く残存し、その上に蒸着される無機薄膜が緻密でなくなり、十分なガスバリア性が得られない。
一方、乾燥ゾーンの排気量を高くすると、乾燥ゾーンの温度斑により、メラミン系化合物/キシリレン基及び水添キシリレン基含有ポリウレタンの反応斑が起こりやすい状態になり、ガスバリア性が不均一になりやすい。
そこでこれらの課題を解決する手段を検討した結果、乾燥ゾーンの温度を高くする手段を併用することで、十分で均一なガスバリア性が得られることが判った。ただ、温度が高すぎると、フィルム流れ方向での温度変動が大きくなったり、基材の強度低下などの弊害がおきるため、適切な温度設定をすることが重要である。
すなわち、乾燥ゾーンの排気量、温度を以下に設定し、精密な制御をすることにより、その様な弊害をおこさず、ガスバリア性の発現、均一性が実現できることを見出した。
1)乾燥ゾーンの排気量(m3/分)=被覆層の厚み(μm)×被覆層中のメラミン量(%)×係数a
a:40〜70
1)乾燥ゾーンの排気量(m3/分)=被覆層の厚み(μm)×被覆層中のメラミン量(%)×係数a
a:40〜70
また、温度変動を少なくする方法として、インバーターを取り付けた風速変動抑制設備を用いたり、熱源に500KPa以下の低圧蒸気を使用して、フィルムに当てる熱風の温度変動を抑制できる設備等を用いるのも有効である。この方法を使用することで、特にこれらの方法を併用することで、ガスバリア性のレベル、均一性を更に高めることが可能である。
2)−b)コート厚みを制御するバーの回転方向
本発明の被覆フィルムの被覆層を形成する方式として、コート液をバーでかきとり、コート厚みを制御する方式が、安価な設備で可能な理由からよく使われる。この方式において検討した結果、バーに適度な回転を与え、かつその回転方向がコートの均一性において非常に重要なことが判った。すなわち均一なコートについては、バーの回転をフィルムの進行方向と同方向の回転(コート部において同方向の回転、すなわち正回転)を与えることで、均一なコートが可能なロールコーティングと同等のコート性が実現できることを見出した。回転速度については、フィルムの走行速度の1/500〜1/50が好ましい。走行速度の1/500未満になると、コート筋が出やすく、1/50を超えると、今度はコート厚みの変動が大きくなり、無機薄膜蒸着後のガスバリア性が不均一になる。
本発明の被覆フィルムの被覆層を形成する方式として、コート液をバーでかきとり、コート厚みを制御する方式が、安価な設備で可能な理由からよく使われる。この方式において検討した結果、バーに適度な回転を与え、かつその回転方向がコートの均一性において非常に重要なことが判った。すなわち均一なコートについては、バーの回転をフィルムの進行方向と同方向の回転(コート部において同方向の回転、すなわち正回転)を与えることで、均一なコートが可能なロールコーティングと同等のコート性が実現できることを見出した。回転速度については、フィルムの走行速度の1/500〜1/50が好ましい。走行速度の1/500未満になると、コート筋が出やすく、1/50を超えると、今度はコート厚みの変動が大きくなり、無機薄膜蒸着後のガスバリア性が不均一になる。
なお、上記した1)−a)b)、2)−a)b)c)の手段の内の特定の何れかのみが、フィルムのガスバリア性の発現、均一性に有効に寄与するものでなく、これらの手段を組み合わせて用いることにより、非常に効率的に、十分でかつ均一なガスバリア性が実現できる。
本発明の積層フィルムの製造において、上述した点以外の製造条件ついては、通常の積層フィルムの製造条件から適宜最適な条件を選択して適用すればよい。
本発明の蒸着フィルムの製造方法については、上述の製造方法により得られる被覆フィルムを、前記の蒸着方法により蒸着すればよい。
[無機薄膜蒸着層]
無機薄膜層は、ガスバリア性を向上させるもので、無機薄膜の材料としては、A1,Si,Ti,Zn,Zr,Mg,Sn,Cu,Fe等の金属や、これら金属の酸化物、窒化物、フッ素物、硫化物等が挙げられ、具体的には、SiOx(x=1.0〜2.0)、アルミナ、マグネシア、硫化亜鉛、チタニア、ジルコニア、酸化セリウム、あるいはこれらの混合物が例示される。無機薄膜層は1層でもあるいは2層以上の積層体であってもよい。
上記無機薄膜層の膜厚は、好ましくは10〜5000A、より好ましくは50〜2000Aである。膜厚が10A未満の場合は十分なガスバリア性が得られない恐れがあり好ましくない。逆に5000Aを超える場合、それに相当する効果は奏されず、また耐屈曲性が低下し、さらに製造コストの点で不利となり好ましくない。
上記無機薄膜層の蒸着方法としては、公知の方法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法や、PECVD等の化学蒸着法等が採用される。
無機薄膜層は、ガスバリア性を向上させるもので、無機薄膜の材料としては、A1,Si,Ti,Zn,Zr,Mg,Sn,Cu,Fe等の金属や、これら金属の酸化物、窒化物、フッ素物、硫化物等が挙げられ、具体的には、SiOx(x=1.0〜2.0)、アルミナ、マグネシア、硫化亜鉛、チタニア、ジルコニア、酸化セリウム、あるいはこれらの混合物が例示される。無機薄膜層は1層でもあるいは2層以上の積層体であってもよい。
上記無機薄膜層の膜厚は、好ましくは10〜5000A、より好ましくは50〜2000Aである。膜厚が10A未満の場合は十分なガスバリア性が得られない恐れがあり好ましくない。逆に5000Aを超える場合、それに相当する効果は奏されず、また耐屈曲性が低下し、さらに製造コストの点で不利となり好ましくない。
上記無機薄膜層の蒸着方法としては、公知の方法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法や、PECVD等の化学蒸着法等が採用される。
真空蒸着法においては、蒸着材料としてアルミニウム、珪素、チタン、マグネシウム、ジルコニウム、セリウム、亜鉛等の金属、また、SiOx(x=1.O〜2.0)、アルミナ、マグネシア、硫化亜鉛、チタニア、ジルコニア等の化合物およびそれらの混合物が用いられる。加熱方法としては、抵抗加熱、誘導加熱、電子線加熱等が採用される。また、反応ガスとして、酸素、窒素、水素、アルゴン、炭素ガス・水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着法を採用してもよい。さらに・基材にバイアスを印加したり、加熱・冷却する等の方法を採用してもよい。上記蒸着材料、反応ガス、バイアス印加、加熱・冷却はスパッタリング法、CVD法においても採用され得る。
本発明の積層フィルムの厚みは、通常包装材料で使用されることから、5〜50μmであることが必要である。望ましくは被覆フィルム及び蒸着フィルムの厚みは10〜30μmである。この様にして作製されたガスバリア性フィルムは、酸素バリア性、水蒸気バリア性に非常に優れる。酸素透過度については20ml/m2・day・MPa以下、水蒸気透過度については、1.0g/m2・day以下の値になる。
また、キシリレン基含有ウレタン樹脂のウレタン結合の効果より、高い接着性のガスバリア性が得られる。具体的には、下記の実施例で示すオレフィンのシーラントフィルムのラミネートしたあとのラミネート強度において、2N/15mm以上の値が得られる。
好ましくは、3.5N/15mm以上であり、メラミン架橋により容易に達成することができる。
また、キシリレン基含有ウレタン樹脂のウレタン結合の効果より、高い接着性のガスバリア性が得られる。具体的には、下記の実施例で示すオレフィンのシーラントフィルムのラミネートしたあとのラミネート強度において、2N/15mm以上の値が得られる。
好ましくは、3.5N/15mm以上であり、メラミン架橋により容易に達成することができる。
なお、本発明の積層フィルムは、通常包装材料として使用するため、無機薄膜層上にシーラントと呼ばれるヒートシール性樹脂層が形成されることが多い。ヒートシール性樹脂層の形成は、通常押出しラミネート法あるいはドライラミネート法によりなされる。ヒートシール性樹脂層を形成する熱可塑性重合体としては、シーラント接着性が十分に発現できるものであればよく、HDPE,LDPE,LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、PP樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーαオレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹脂などを使用できる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお、各実施例で得られたフィルム特性は以下の方法により測定、評価した。
1)酸素透過度
作成したフィルムの酸素透過度につき、23℃、85%RHの条件で3時間調温・調湿後、酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製OX−TRAN100)を用いて測定した。
作成したフィルムの酸素透過度につき、23℃、85%RHの条件で3時間調温・調湿後、酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製OX−TRAN100)を用いて測定した。
2)水蒸気透過度
作成したフィルムの水蒸気透過度につき、40℃、90%RHの条件で3時間調温・調湿後、米国、モコン(MOCON)社製の測定機(PARMATRAN−W)を用いて測定した。
作成したフィルムの水蒸気透過度につき、40℃、90%RHの条件で3時間調温・調湿後、米国、モコン(MOCON)社製の測定機(PARMATRAN−W)を用いて測定した。
3)ラミネート強度
試料については、以下のように蒸着を行なった。
蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のSi02(純度99.99%)とA1203(純度99.9%)を用い、上記の如く得られたフィルムロールの被覆層面側に、電子ビーム蒸着法により、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素との混合薄膜の形成を行った。蒸着材料は、混合せずに、2つに区切って投入した。加熱源として、EB銃を用い、A1203とSi02のそれぞれを時分割で加熱した。そのときのEB銃のエミッション電流を1,2Aとし、A1203とSi02との組成比が45:55となるように、各材料を加熱した。フィルム送り速度を30m/minとし、20nm犀の膜を作った。また、蒸着時の圧力を、1×10−2Paに調整した。また、蒸着時のフィルムを冷却するためのロールの温度を−10℃に調整した。
蒸着フィルムの蒸着面にポリウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製、TM590/CAT56)を約3μmコートし、80℃で熱処理した後、低密度ポリエチレンフィルム(東洋紡績製L6102厚み40μm)を80℃に加熱した金属ロール上で490kPaのニップ圧力でドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。これにつき、フィルム製膜流れ方向を長手方向として・15mm幅状の短冊状にサンプリングを行った。そのサンプルにつき、引っ張り試験機(東洋測機社製、テンシロンUTM)にて、剥離部に水滴を連続してづけながら、剥離速度200mm/分で、下型剥離強度を測定した。
試料については、以下のように蒸着を行なった。
蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のSi02(純度99.99%)とA1203(純度99.9%)を用い、上記の如く得られたフィルムロールの被覆層面側に、電子ビーム蒸着法により、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素との混合薄膜の形成を行った。蒸着材料は、混合せずに、2つに区切って投入した。加熱源として、EB銃を用い、A1203とSi02のそれぞれを時分割で加熱した。そのときのEB銃のエミッション電流を1,2Aとし、A1203とSi02との組成比が45:55となるように、各材料を加熱した。フィルム送り速度を30m/minとし、20nm犀の膜を作った。また、蒸着時の圧力を、1×10−2Paに調整した。また、蒸着時のフィルムを冷却するためのロールの温度を−10℃に調整した。
蒸着フィルムの蒸着面にポリウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製、TM590/CAT56)を約3μmコートし、80℃で熱処理した後、低密度ポリエチレンフィルム(東洋紡績製L6102厚み40μm)を80℃に加熱した金属ロール上で490kPaのニップ圧力でドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。これにつき、フィルム製膜流れ方向を長手方向として・15mm幅状の短冊状にサンプリングを行った。そのサンプルにつき、引っ張り試験機(東洋測機社製、テンシロンUTM)にて、剥離部に水滴を連続してづけながら、剥離速度200mm/分で、下型剥離強度を測定した。
4)アルコール量
25℃、65%RHの条件で3時間放置したフィルム試料約10mgを、ガラスインサート法ガスクロマトグラフィー(島津製作所製:GC−9A)にて測定した。注入口温度を200℃にして、5分間捕集したもので、炭素数1〜4の低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール)の定量化を行った。
また、25℃、65%RHの条件で3時間放置したフィルム試料約10mgを、ガラスインサート法ガスクロマトフィー(島津製作所製:GC−9A)にて測定した。注入口温度を130℃にして3分間捕集し、低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール)の定量化を行った。
25℃、65%RHの条件で3時間放置したフィルム試料約10mgを、ガラスインサート法ガスクロマトグラフィー(島津製作所製:GC−9A)にて測定した。注入口温度を200℃にして、5分間捕集したもので、炭素数1〜4の低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール)の定量化を行った。
また、25℃、65%RHの条件で3時間放置したフィルム試料約10mgを、ガラスインサート法ガスクロマトフィー(島津製作所製:GC−9A)にて測定した。注入口温度を130℃にして3分間捕集し、低級アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール)の定量化を行った。
(実施例1)
[被覆液の製造]
MXDI(メタキシリレンジイソシアネート)45.59、水添XDI(1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン)93.9g、エチレングリコール24.8g、ジメチロールプロピオン酸13.4g及び溶剤としてメチルエチルケトン80.2gを混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させた。次いで、このカルボキシル基含有ウレタンプレポリマー溶液を40℃でトリエチルアミン9.6gにて中和した。このポリウレタンプレポリマー溶液を624.8gの水にホモディスパーにより分散させ、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール21.1gで鎖伸長反応を行い、メチルエチルケトンを留去することにより、固形分25重量%、平均粒子径90nmの水分散型ポリウレタン樹脂Aを得た。この樹脂の酸価は26.9mgKOH/g、ウレタン基濃度及びウレア基濃度の合計は39.6重量%である。これを水で希釈し、固形分18重量%の被覆液とした。
[被覆液の製造]
MXDI(メタキシリレンジイソシアネート)45.59、水添XDI(1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン)93.9g、エチレングリコール24.8g、ジメチロールプロピオン酸13.4g及び溶剤としてメチルエチルケトン80.2gを混合し、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させた。次いで、このカルボキシル基含有ウレタンプレポリマー溶液を40℃でトリエチルアミン9.6gにて中和した。このポリウレタンプレポリマー溶液を624.8gの水にホモディスパーにより分散させ、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール21.1gで鎖伸長反応を行い、メチルエチルケトンを留去することにより、固形分25重量%、平均粒子径90nmの水分散型ポリウレタン樹脂Aを得た。この樹脂の酸価は26.9mgKOH/g、ウレタン基濃度及びウレア基濃度の合計は39.6重量%である。これを水で希釈し、固形分18重量%の被覆液とした。
[蒸着フィルムの製造]
極限粘度O.62(30℃、フェノール/テトラクロロエタン=60/40)、シリカ700ppmのPETを予備結晶化後、本乾燥し、Tダイを有する押出し機を用いて280℃で押出し、表面温度40℃のドラム上で急冷固化して無定形シートを得た。次に得られたシートを加熱ロールと冷却ロールの間で縦方向に100℃で4.0倍延伸を行った。
その後冷却し、両縁部を裁断除去することによって、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを1000m以上に亘って連続的に製膜してミルロールを作製した。
次にこのフィルムロールを用いて、フィルムの被覆面側に、各種の金属あるいは金属酸化物を蒸着した。
蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のSi02(純度99.99%)とA1203(純度99.9%)を用い、上記の如く得られたフィルムロールの被覆層面側に、電子ビーム蒸着法により、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素との混合薄膜の形成を行った。蒸着材料は、混合せずに、2つに区切って投入した。加熱源として、EB銃を用い、A1203とSi02のそれぞれを時分割で加熱した。そのときのEB銃のエミッション電流を1.2Aとし、A1203とSi02との組成比が45:55となるように、各材料を加熱した。フィルム送り速度を30m/minとし、20nm犀の膜を作った。また、蒸着時の圧力を、1×10−2Paに調整した。また、蒸着時のフィルムを冷却するためのロールの温度を−10℃に調整した。
この様にして蒸着したロールにつき、幅400mm、長さ1000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、次の被覆層を形成するための基材として使用した。
[積層フィルムの製造]
一方、上記のメタキシリレン基及び水添キシリレン基含有ウレタン樹脂を含む被覆液については、液をフィルム表面へ吐出するファウンテンがつながった温調タンクに投入し、撹持しながら、25℃に制御した。30p孔のポリプロピレン製カプセルフィルターを通して異物を濾別したクリーンな液を、吐出量O.028m3/分の条件で、蒸着フィルムの蒸着面に、ファウンテンを接面し、液をコートした。その後、14mm直径の平滑なバーを液面につけ、コート液をかきとり、コート厚みが0.15μmとなる様にコートを行った。コート速度(製膜速度)は150m/分である。コート性に関連するバーの回転速度については、フィルムの進行方向と同方向で、60rpm(周速で2.6m/分)とした。次に、乾燥ゾーンにフィルムを導き、120℃の温度で10秒処理し、溶媒を揮発、乾燥した。
また、このときのフィルムに吹き付ける熱風の風速は、予熱、延伸、熱固定各工程共に、15m/秒とした。風速設備にインバーターを取り付けることで風速の変動を±0.5m/秒以内に制御した。なお、ガスバリア性の発現、均一性を出すため、乾燥ゾーンの排気量は以下の式に基づき、480m3/分とした。
被覆層の厚み0.15(μm)×被覆層中のメラミン量60(%)×係数40
=排気量360m3/分
極限粘度O.62(30℃、フェノール/テトラクロロエタン=60/40)、シリカ700ppmのPETを予備結晶化後、本乾燥し、Tダイを有する押出し機を用いて280℃で押出し、表面温度40℃のドラム上で急冷固化して無定形シートを得た。次に得られたシートを加熱ロールと冷却ロールの間で縦方向に100℃で4.0倍延伸を行った。
その後冷却し、両縁部を裁断除去することによって、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを1000m以上に亘って連続的に製膜してミルロールを作製した。
次にこのフィルムロールを用いて、フィルムの被覆面側に、各種の金属あるいは金属酸化物を蒸着した。
蒸着源として、3〜5mm程度の大きさの粒子状のSi02(純度99.99%)とA1203(純度99.9%)を用い、上記の如く得られたフィルムロールの被覆層面側に、電子ビーム蒸着法により、酸化アルミニウムと二酸化ケイ素との混合薄膜の形成を行った。蒸着材料は、混合せずに、2つに区切って投入した。加熱源として、EB銃を用い、A1203とSi02のそれぞれを時分割で加熱した。そのときのEB銃のエミッション電流を1.2Aとし、A1203とSi02との組成比が45:55となるように、各材料を加熱した。フィルム送り速度を30m/minとし、20nm犀の膜を作った。また、蒸着時の圧力を、1×10−2Paに調整した。また、蒸着時のフィルムを冷却するためのロールの温度を−10℃に調整した。
この様にして蒸着したロールにつき、幅400mm、長さ1000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、次の被覆層を形成するための基材として使用した。
[積層フィルムの製造]
一方、上記のメタキシリレン基及び水添キシリレン基含有ウレタン樹脂を含む被覆液については、液をフィルム表面へ吐出するファウンテンがつながった温調タンクに投入し、撹持しながら、25℃に制御した。30p孔のポリプロピレン製カプセルフィルターを通して異物を濾別したクリーンな液を、吐出量O.028m3/分の条件で、蒸着フィルムの蒸着面に、ファウンテンを接面し、液をコートした。その後、14mm直径の平滑なバーを液面につけ、コート液をかきとり、コート厚みが0.15μmとなる様にコートを行った。コート速度(製膜速度)は150m/分である。コート性に関連するバーの回転速度については、フィルムの進行方向と同方向で、60rpm(周速で2.6m/分)とした。次に、乾燥ゾーンにフィルムを導き、120℃の温度で10秒処理し、溶媒を揮発、乾燥した。
また、このときのフィルムに吹き付ける熱風の風速は、予熱、延伸、熱固定各工程共に、15m/秒とした。風速設備にインバーターを取り付けることで風速の変動を±0.5m/秒以内に制御した。なお、ガスバリア性の発現、均一性を出すため、乾燥ゾーンの排気量は以下の式に基づき、480m3/分とした。
被覆層の厚み0.15(μm)×被覆層中のメラミン量60(%)×係数40
=排気量360m3/分
(実施例2)
実施例1で使用した被覆液の固形分濃度を12重量%として、次にこのメタキシリレン基及び水添キシリレン基含有ポリウレタン重合体水溶液45kg、メラミン系化合物(三井サイテック製:サイメル327、77%液)16.4kg、水31.6kg、イソプロピルアルコール7.0kg、りん酸20%水溶液1.8kg、モノエタノールアミン20%水溶液1.12kg(りん酸はキシリレン基または水添キシリレン基含有ウレタン樹脂とメラミン系化合物の固形分総量に対して2%。モノエタノールアミンはりん酸に対して1/3当量)、ポリアルキレングリコール系界面活性剤0.018kg(第一工業製薬製:ノイゲンEA110、HLB11、0.1%対被覆層)を順に混合し、固形分濃度18重量%のコート液を調製した。
コーティング液中の組成を変更した以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。表1に評価結果を示す。
(比較例1)
被覆層がない以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。表1に評価結果を示す。
(比較例2、3)
蒸着しない二軸延伸ポリエステルフィルムを使った以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。表1に評価結果を示す。
実施例1で使用した被覆液の固形分濃度を12重量%として、次にこのメタキシリレン基及び水添キシリレン基含有ポリウレタン重合体水溶液45kg、メラミン系化合物(三井サイテック製:サイメル327、77%液)16.4kg、水31.6kg、イソプロピルアルコール7.0kg、りん酸20%水溶液1.8kg、モノエタノールアミン20%水溶液1.12kg(りん酸はキシリレン基または水添キシリレン基含有ウレタン樹脂とメラミン系化合物の固形分総量に対して2%。モノエタノールアミンはりん酸に対して1/3当量)、ポリアルキレングリコール系界面活性剤0.018kg(第一工業製薬製:ノイゲンEA110、HLB11、0.1%対被覆層)を順に混合し、固形分濃度18重量%のコート液を調製した。
コーティング液中の組成を変更した以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。表1に評価結果を示す。
(比較例1)
被覆層がない以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。表1に評価結果を示す。
(比較例2、3)
蒸着しない二軸延伸ポリエステルフィルムを使った以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。表1に評価結果を示す。
本発明により、酸素バリア性、水蒸気バリア性に非常に優れ、かつそれらのバリア性の均一性、耐屈曲性に優れ、かつ焼却排ガス中にダイオキシン、塩化水素ガスを含まず、環境保全に対して有効なフィルムを経済的に提供できる。
Claims (3)
- 高分子樹脂組成物からなる基材に無機薄膜蒸着層を設けられ、かつ高分子樹脂組成物の反対面の無機薄膜蒸着層上にキシリレン基または水添キシリレン基含有ウレタン樹脂を含む被覆層が積層され、かつ被覆層の厚みが0.01〜0.50μmであることを特徴とする積層フィルム。
- 請求項1記載の積層フィルムであって、前記キシリレン基含有ウレタン樹脂を含む被覆層に、更にメラミン化合物を含むことを特徴とする積層フィルム。
- 請求項2記載の積層フィルムであって、前記積層フィルムの厚みが5〜50μmであり、かつ130℃で加熱したときに該積層フィルムから発生するアルコールの重量が、それぞれ該積層フィルム試料の重量の50ppm以下であることを特徴とする積層フィルム。
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JP2018167505A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | 東洋紡株式会社 | 積層フィルム |
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-
2008
- 2008-05-16 JP JP2008129554A patent/JP2009274381A/ja active Pending
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