JP2009266957A - 配線基板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線間距離を狭くしても高い絶縁信頼性を保持することができ、高アスペクト比の配線形成が可能であり、かつ、絶縁性被覆膜も薄いものとすることができる、配線基板とその製造方法を開示する。
【解決手段】対向する一対の成形型の間に樹脂基板1Aを挟み込み、型締めによって樹脂基板1Aに表面側から凹陥する第1の凹溝と裏面側から凹陥する第2の凹溝とを同時成形する。成形した第1の凹溝と第2の凹溝の溝底に導電材料層を付与した後、電解めっき等により、第1の凹溝と第2の凹溝内に金属配線6、6を形成する。それにより、高アスペクト比の金属配線6が形成される。金属配線6が形成された樹脂基板1Aの表面側と裏面側の双方を絶縁性被覆膜7で被覆して配線基板Aとする。隣接する金属配線6,6間には、成形後の樹脂基板1Aが介在しており、配線密度を高くしても絶縁信頼性が低下することはない。
【選択図】図8
【解決手段】対向する一対の成形型の間に樹脂基板1Aを挟み込み、型締めによって樹脂基板1Aに表面側から凹陥する第1の凹溝と裏面側から凹陥する第2の凹溝とを同時成形する。成形した第1の凹溝と第2の凹溝の溝底に導電材料層を付与した後、電解めっき等により、第1の凹溝と第2の凹溝内に金属配線6、6を形成する。それにより、高アスペクト比の金属配線6が形成される。金属配線6が形成された樹脂基板1Aの表面側と裏面側の双方を絶縁性被覆膜7で被覆して配線基板Aとする。隣接する金属配線6,6間には、成形後の樹脂基板1Aが介在しており、配線密度を高くしても絶縁信頼性が低下することはない。
【選択図】図8
Description
本発明は、配線基板とその製造方法に関し、特に金属配線が形成された樹脂基板が絶縁性被覆膜により被覆されている配線基板およびその製造方法に関する。
樹脂基板上に金属配線が形成され、全体が絶縁性被覆膜により被覆された形状の配線基板は知られており、その一例であるワイヤーハーネスやフラットケーブルは、自動車あるいは携帯電話等の電気接続部に広く用いられている。特許文献1にはそのような配線基板とその製造方法の一例が記載されており、高分子フィルムの両面に銅箔を貼り合わせた材料から、選択的に銅箔を除去(エッチング)した後、両面を絶縁性被覆膜により被覆して配線基板としている。特許文献2には、転写により配線基板を製造する方法が記載されており、そこにおいて、キャリアの上にエッチングにより配線パターンを凸状に形成し、樹脂基板の上に前記キャリアの上の配線パターンを熱圧転写するようにしている。
特開平5−136575号公報
特開2002−204049公報
特許文献1に記載されるように、エッチングにより余分な銅箔を除去して金属配線を形成する方法は、配線が裾野広がりとなるのを抑えることが困難であり、配線間の絶縁信頼性を確保するために配線間距離を長く取る必要があり、微細配線を形成することは容易でない。また、エッチングは等方性であり、アスペクト比1以上の配線を形成することが困難であると共に、膜厚の厚い配線が必要なときには、必然的に凹部の幅も大きくなり、このことからも、配線の微細化、高密度が困難となる。また、処理工数が多くなり、コストが高くなるのを避けられない。さらに、樹脂基板の上に配線が凸に出ている形状であり、絶縁性被覆膜を薄くすると摩耗により配線エッジ部が剥き出しになることから、絶縁性被覆膜を厚くすることが求められる。
特許文献2に記載の方法は、キャリアの上に配線パターンを凸状に形成し、それを樹脂基板の上に熱圧転写するようにしており、高アスペクト比の配線を樹脂基板に形成することができると解されるが、キャリアの上に配線パターンを凸状に形成する処理はエッチング処理によっており、ここでも、配線間の絶縁信頼性を確保するために配線間距離を長く取ることが必要となる。
本発明は、上記のような従来技術の持つ不都合に鑑みてなされたものであり、より具体的には、配線間距離を狭くしても高い絶縁信頼性を保持することができ、高アスペトク比の配線形成が可能であり、かつ、絶縁性被覆膜も薄いものとすることができる、配線基板の製造方法および配線基板を開示することを課題とする。
本発明による配線基板の製造方法は、金属配線が形成された樹脂基板が絶縁性被覆膜により被覆されている配線基板を製造する方法であって、対向する一対の成形型の間に前記樹脂基板を挟み込み、前記樹脂基板に表面側から凹陥する第1の凹溝と裏面側から凹陥する第2の凹溝とを同時成形する工程と、前記成形した第1の凹溝と第2の凹溝の溝底に導電材料層を付与する工程と、前記第1の凹溝と第2の凹溝内に前記導電材料層をベース材として金属配線を形成する工程と、前記金属配線が形成された樹脂基板の表面側と裏面側の双方を絶縁性被覆膜で被覆する工程と、を少なくとも有することを特徴とする。
本発明による配線基板の製造方法では、対向する一対の成形型の間に樹脂基板を挟み込み、型締めをすることによって、樹脂基板に表面側から凹陥する第1の凹溝と裏面側から凹陥する第2の凹溝とを、表裏面に同時成形する。そして、成形された第1の凹溝と第2の凹溝内に金属配線を形成する。この製造方法では、隣接する配線間には成形後の樹脂基板が位置しており、配線間の高い絶縁性が確保できる。そのために、配線の微細化と高密度が可能となる。また、成形される第1の凹溝と第2の凹溝の溝深さは、成形型の成形面に配線パターンに沿って形成される凸部に依存しており、任意のアスペクト比(溝幅に対する溝深さの比)を持つ第1の凹溝と第2の凹溝を容易に形成することができる。さらに、第1の凹溝と第2の凹溝内に金属配線を形成した状態で、樹脂基板の表面側と裏面側は共に平坦面であり、そのために、樹脂基板の表面側と裏面側の双方を厚さの薄い絶縁性被覆膜を用いて被覆しても、金属配線の保護は充分に可能であり、摩擦による配線ショートを防ぐことができる。
本発明による配線基板の製造方法の好ましい態様において、前記第1の凹溝と第2の凹溝の溝底に導電材料層を付与する工程を、前記対向する一対の成形型における第1の凹溝と第2の凹溝に対応する凸部表面に導電材料層を塗布しておき、前記樹脂基板に前記第1の凹溝と第2の凹溝を同時成形する工程において、前記導電材料層を前記第1の凹溝と第2の凹溝の溝底に転写することによって行うようにする。
この態様では、樹脂基板に第1の凹溝と第2の凹溝を同時成形する工程と、成形した第1の凹溝と第2の凹溝の溝底に導電材料層を付与する工程とを一工程で行うことができ、製造プロセスの簡素化が図られる。もちろん、第1の凹溝と第2の凹溝を同時成形した後に、別工程で導電材料層を付与する工程を行うようにしてもよい。
本発明による配線基板の製造方法の好ましい態様において、前記第1の凹溝と第2の凹溝内に前記導電材料層をベース材として金属配線を形成する工程を、無電解めっき処理または電解めっき処理により前記導電材料層を核として金属層を析出させることによって行うことができる。電解めっき処理を行う場合には、前記転写された導電材料層はシード層として機能する。無電解めっき処理を行う場合には、前記転写された導電材料層はめっき触媒核として機能する。
なお、本発明による配線基板の製造方法において、前記導電材料層を形成する素材としては、限定されないが、無機金属粒子と溶剤が混合した金属ペーストまたは有機金属化合物と溶剤が混合したレジネートペーストを用いることができる。金属ペーストは、制限されないが、低抵抗材料である銅ペーストが特に好ましい。その他、銀ペースト、金ペーストあるいはニッケルペースト等も用いることができる。その場合、金属粒子の粒径は数nm〜数百nm程度が好適である。レジネートペーストには、銅レジネート、銀レジネート、金レジネートあるいはニッケルレジネートが挙げられる。金属ペーストの場合、樹脂基板の成形時に、熱圧接による転写を行うことにより、金属粒子の焼結処理が進行して金属膜となり、その一部が樹脂基板側に埋め込まれる。それにより、金属膜の樹脂基板側への転写も確実に進行する。焼結温度は、樹脂基板側の材料により選択されるが、望ましくは、100〜500℃である。
本発明による配線基板の製造方法において、成形型の素材としては、配線パターンに沿った凸部の成形が可能なことと、樹脂基板側へ転写するときの機械的および熱的ストレスに対する耐性を備えることを条件に任意の材料を用い得るが、ガラス、シリコン、石英、ステンレス、樹脂、金属等の材料を好ましくは用いることができる。金属材料には、ニッケル(合金)、ステンレス鋼等が挙げられるが、耐久性と位置精度の観点から、ニッケル(合金)は特に好ましい。
前記成形型の表面に配線パターンに応じた凸部を形成するには、従来知られたマイクロエッチング法、電鋳法、マイクロコンタクトプリンティング法などの手法で行うことができる。用いる素材に応じて適切な方法を採用する。中でも好ましくはマイクロコンタクトプリンティング法である。
樹脂基板に形成する第1の凹溝と第2の凹溝の幅や高さ、すなわち、一対の成形型の成形面に形成する凸部の幅や高さあるいは凸部間の距離等は、得ようとする配線基板に求められる配線パターンに応じて設定されるが、一例として、凸部の幅は5μm〜300μm程度、高さは5μm〜500μm程度である。凸部の幅と高さは、すべてが同じであってもよく、一部が異なっていてもよい。
本発明による配線基板の製造方法において、樹脂基板の素材は非導電材料であることを条件に任意であり、従来この種の配線基板で採用されている素材を適宜用いることができる。厚さが10μm〜100μm程度であるフィルム状であることはより好ましい。成形の容易性、成形後に形成される第1の凹溝と第2の凹溝の保形性等の観点から、特に熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が好適であり、樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル、塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド樹脂、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸樹脂等が挙げられる。中でも、高い熱的、機械的、化学的性質を持つポリイミド樹脂は好ましい。
本発明による配線基板の製造方法において、前記絶縁性被覆膜は、樹脂基板の素材と同様、非導電材料であることを条件に任意であり、従来この種の配線基板で絶縁性被覆膜として採用されている素材を適宜用いることができる。厚さが10μm〜100μm程度であるフィルム状であることはより好ましい。より具体的には、樹脂として、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。中でも、ポリ塩化ビニルは、屈曲性、耐湿性、電気絶縁性、コストの点から、好ましい。
本発明はさらに上記した製造方法で作られる配線基板として、金属配線が形成された樹脂基板が絶縁性被覆膜により被覆されている配線基板であって、前記樹脂基板には表面側から凹陥した第1の凹溝と裏面側から凹陥した第2の凹溝とが形成されており、前記金属配線は前記第1の凹溝と第2の凹溝の双方に形成されており、前記絶縁性被覆膜は前記金属配線が形成された樹脂基板の表面側と裏面側の双方を被覆していることを特徴とする配線基板をも開示する。
本発明による配線基板は、前記製造方法において述べたように、配線の微細化と高密度が可能であり、高アスペクト比の配線を形成することが可能であり、さらに、樹脂基板の表面側と裏面側の双方を厚さの薄い絶縁性被覆膜を用いて被覆しても、摩擦による配線ショートを防ぐことができる。また、配線形状が上下対の形状とすることができるので、樹脂基板あるいは絶縁性被覆膜のカーリングや応力偏在による断線も防ぐことができる。
本発明による配線基板の好ましい態様では、前記樹脂基板には前記第1の凹溝と第2の凹溝の複数個が互いに平行にかつ交互に形成されていることを特徴とする。また、好ましくは、第1の凹溝と第2の凹溝に形成される金属配線のアスペトク比はすべて等しい。この形態の配線基板は、自動車あるいは携帯電話等の電気接続部に用いるワイヤーハーネスやフラットケーブルとして、特に好適である。
本発明による配線基板において、限定されないが、金属配線の幅は5μm〜300μm程度、高さは5μm〜500μm程度である。配線基板は樹脂フィルムが好ましく、その厚さは、限定されないが、10μm〜100μm程度である。絶縁性被覆膜も樹脂フィルムであることが好ましく、その厚さが10μm〜100μm程度である。それらの素材等は、前記製造方法の説明で記載したとおりである。
本発明によれば、配線間距離を狭くしても高い絶縁信頼性を保持することができ、高アスペトク比の配線形成が可能であり、かつ、絶縁性被覆膜も薄いものとすることができる配線基板をより簡単に工程でもって得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1〜図3は、本発明による配線基板の製造方法において、樹脂基板に表面側から凹陥する第1の凹溝と裏面側から凹陥する第2の凹溝を成形するまでの工程の第1の形態を説明する図であり、図4〜図6はその工程の第2の形態を説明する図である。図7は金属配線が形成された樹脂基板を、また図8は本発明による配線基板を示している。
図1において、1は樹脂基板であり、この例では、厚さ100μm程度のポリイミドフィルムである。10と20は対向する一対の成形型であり、この例では、いずれもニッケル合金板である。図で上位の成形型10の成形面側(下面側)には、従来知られた電鋳処理等により、得ようとする配線基板の表面側に形成される配線パターンに応じた長尺状の凸部11の複数本(図では4本)が互いに平行に形成されている。この例において、凸部11の断面寸法はすべて等しく、幅aは200μm、高さbは500μmである。また、隣接する凸部11間の間隔cもすべて等しく、c=200μm+2×75μmである。
下位の成形型20の成形面側(上面側)にも、従来知られた電鋳処理等により、得ようとする配線基板の裏面側に形成される配線パターンに応じた長尺状の凸部21の複数本(図では3本)が互いに平行に形成されている。この例において、凸部21の断面寸法はすべて等しく、幅aは200μm、高さbは500μmであり、隣接する凸部21間の間隔cもすべて等しく、c=200μm+2×75μmである。また、図で22は成形型20の外枠であり、その高さは凸部21の高さよりも75μmだけ高くなっている。
上下の成形型10,20の成形面側を、成形型10の凸部11・・が成形型20の凸部21,21の間に位置するようにして、図1に示すように対向させ、上下の成形型10,20の間に、所要の大きさの樹脂基板1を置く。成形型10,20を400℃程度の加熱状態とし、上下の成形型10,20の型締めを行う。型締め後の状態が図2に示される。加熱圧接下での型締めにより、厚さ100μm程度のポリイミドフィルムである樹脂基板1には、対向する成形型10,20間に形成される厚さ75μmである凹凸状の成形空間(キャビティ)に対応するようにして、折れ曲がるような形状の賦形が施される。
所定時間、例えば20分程度、その状態を保持したのち、常温常圧に戻し、型を開く。それにより、図3に示すように、表面側から裏面側に向けて凹陥する4本の第1の凹溝2と、第1の凹溝2,2の間において裏面側から表面側に向けて凹陥する3本の第2の凹溝3とが同時成形された、樹脂基板1Aが得られる。この成形後の樹脂基板1Aにおける樹脂厚さdは75μmであり、第1の凹溝2と第2の凹溝3の断面形状はすべて等しい。
次に、図3に示した成形後の樹脂基板1Aにおける第1の凹溝2と第2の凹溝3の溝底に、例えば銅ペースト4を2μm程度の厚さに塗りつけて、成形型10,20を樹脂形状が変形しない温度範囲、例えば300℃程度の加熱状態で再度型締めを行い、図6に示すように溝底に銅薄膜である導電材料層5を形成する。なお、銅ペースト4を塗りつけるだけでもよいが、銅ペースト4を加熱加圧して銅成分の一部を樹脂基板1Aに埋め込むようにすることで、樹脂基板1Aと銅薄膜である導電材料層5との間での高い接着力を確保することができる。
図4〜図6に示す第2の形態において、使用する樹脂基板1および上下の成形型10、20は図1に示したものと同じである。この例では、成形型10,20の型締めを行うに当たって、成形型10の凸部11の先端、および成形型20の凸部21の先端のそれぞれに、例えば、平均粒径10nmである銅ナノ粒子を主成分とする銅ペースト4を2μm程度の厚さに塗りつけておく。その状態で、図2に基づき説明したと同様にして、図5に示すように型締めを行う。それにより、成形後の樹脂基板1Aの第1の凹溝2と第2の凹溝3の溝底には、前記銅ペースト4が転写され、その過程で、銅ペースト中の銅ナノ粒子の焼結が進行し、連続した銅薄膜の導電材料層5が形成される。また、型締めによる圧接によりその一部が樹脂基板1に埋め込まれた状態となり、樹脂基板1Aと銅薄膜である導電材料層5との間での高い接着力を確保することができる。さらに、真空環境下で型締めを行う場合には、銅ペースト4からの溶媒の脱離も促進される。
常温常圧にした後、型を開く。それにより、図6に示した形態の、表面側から裏面側に向けて凹陥する4本の第1の凹溝2と、第1の凹溝2,2の間において裏面側から表面側に向けて凹陥する3本の第2の凹溝3とが同時成形され、かつ、第1の凹溝2と第2の凹溝3の溝底に、銅薄膜である導電材料層5が転写により形成された、樹脂基板1Aが得られる。成形後の樹脂基板1Aにおける樹脂厚さdはほぼ75μmであり、第1の凹溝2と第2の凹溝3の断面形状はすべて等しい。
次に、図6に示した形状の成形後の樹脂基板1Aを、例えば硫酸銅めっき浴に浸漬して、電解めっき処理を20分間程度行う。その過程で、導電材料層5を核として第1の凹溝2および第2の凹部3内に、メッキ浴中の銅イオンが析出していき、図7に示すように、第1の凹溝2および第2の凹部3内には所望の銅配線6が充填形成される。そして、第1の凹溝2および第2の凹部3よりはみ出している金属をポリッシングにより除去することにより、銅配線6が形成された成形後の樹脂基板1Aの表裏面は平坦面となる。
最後に、例えば厚さ30μm程度のポリ塩化ビニルフィルムを絶縁性被覆膜7,7として、図8に示すように、銅配線6が形成された成形後の樹脂基板1Aの表裏面に熱圧着することにより、本発明による配線基板Aが完成する。
図8に示すように、本発明による配線基板Aでは、隣接する金属配線6,6間には成形後の樹脂基板1Aが位置しており、配線間の高い絶縁性が確保される。そのために、配線の微細化と高密度が可能となる。また、成形される第1の凹溝2と第2の凹溝3の溝深さは、成形型10,20の成形面に配線パターンに沿って形成される凸部11,21に依存しており、任意のアスペクト比を持つ金属配線6を容易に形成することができる。さらに、第1の凹溝2と第2の凹溝3内に金属配線6を形成した状態で、樹脂基板1Aの表面側と裏面側は共に平坦面であり、そのために、配線後の樹脂基板1Aの表面側と裏面側の双方を厚さの薄い絶縁性被覆膜7、7を用いて被覆しても、摩擦による配線間ショートが生じるのを効果的に回避することができる。また、配線形状を上下対の形状とすることができるので、成形後の樹脂基板1Aあるいは絶縁性被覆膜7,7にカーリングや応力偏在が生じるのを回避できるので、カーリングや応力偏在に起因して断線が生じるのも効果的に防ぐことができる。
なお、本発明による製造方法において、電解めっき処理でなく無電解めっき処理を行うことによっても、金属配線を形成することができる。無電解めっき処理の場合でも、導電材料層は電解めっき処理の場合と同様なものであってよい。
図示しないが、帯状の樹脂基板に第1の凹溝2と第2の凹溝3を連続的に形成する方法として、周面に互いに噛み合う凹凸溝を形成した一対のロール間を通過させる方法を用いることもできる。加熱環境下で、上記一対のロール間を通過させることにより、帯状の樹脂基板に表面側から凹陥する第1の凹溝2と裏面側から凹陥する第2の凹溝3とを同時かつ連続的に成形することができる。また、図示の例では、すべての金属配線7のアスペクト比は等しいものとして説明したが、各成形型での凸部の断面形状、あるいは前記した周面に凹凸溝を有するロールでの凹凸溝の断面形状を変えることにより、アスペクト比の異なる金属配線を表裏面に持つ配線基板を製造することもできる。また、上下一対の成形型10,20を用いる製造方法においては、第1の凹溝2と第2の凹溝3を互いに平行する直線状のものでなく、適宜の配線パターンに応じた第1の凹溝2と第2の凹溝3を上下対の形状に形成することもできる。
A…配線基板、1…樹脂基板、1A…成形後の樹脂基板、10…上位の成形型、11…凸部、20…下位の成形型、21…凸部、22…成形型の外枠、2…第1の凹溝、3…第2の凹溝、4…銅ペースト、5…銅薄膜である導電材料層、6…金属(銅)配線、7…絶縁性被覆膜
Claims (8)
- 金属配線が形成された樹脂基板が絶縁性被覆膜により被覆されている配線基板を製造する方法であって、
対向する一対の成形型の間に前記樹脂基板を挟み込み、前記樹脂基板に表面側から凹陥する第1の凹溝と裏面側から凹陥する第2の凹溝とを同時成形する工程と、
前記成形した第1の凹溝と第2の凹溝の溝底に導電材料層を付与する工程と、
前記第1の凹溝と第2の凹溝内に前記導電材料層をベース材として金属配線を形成する工程と、
前記金属配線が形成された樹脂基板の表面側と裏面側の双方を絶縁性被覆膜で被覆する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする配線基板の製造方法。 - 請求項1に記載の配線基板の製造方法であって、前記第1の凹溝と第2の凹溝の溝底に導電材料層を付与する工程を、前記対向する一対の成形型における第1の凹溝と第2の凹溝に対応する凸部表面に導電材料層を塗布しておき、前記樹脂基板に前記第1の凹溝と第2の凹溝を同時成形する工程において、前記導電材料層を前記第1の凹溝と第2の凹溝の溝底に転写することによって行うことを特徴とする配線基板の製造方法。
- 請求項1または2に記載の配線基板の製造方法であって、前記第1の凹溝と第2の凹溝内に前記導電材料層をベース材として金属配線を形成する工程を、無電解めっき処理または電解めっき処理により前記導電材料層を核として金属層を析出させることによって行うことを特徴とする配線基板の製造方法。
- 前記導電材料層を形成する素材として、金属ペーストまたはレジネートペーストを用いることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
- 前記成形型の素材として、ガラス、シリコン、石英、ステンレス、樹脂、金属のいずれかを用いることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
- 金属配線が形成された樹脂基板が絶縁性被覆膜により被覆されている配線基板であって、前記樹脂基板には表面側から凹陥した第1の凹溝と裏面側から凹陥した第2の凹溝とが形成されており、前記金属配線は前記第1の凹溝と第2の凹溝の双方に形成されており、前記絶縁性被覆膜は前記金属配線が形成された樹脂基板の表面側と裏面側の双方を被覆していることを特徴とする配線基板。
- 請求項6に記載の配線基板であって、前記樹脂基板には前記第1の凹溝と第2の凹溝の複数個が互いに平行にかつ交互に形成されていることを特徴とする配線基板。
- 請求項6に記載の配線基板であって、前記第1の凹溝と第2の凹溝に形成される金属配線のアスペトク比はすべて等しいことを特徴とする配線基板。
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