JP2009264535A - 固定型等速自在継手 - Google Patents

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潔洋 伊藤
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和彦 吉田
Hirokazu Oba
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Abstract

【課題】外側継手部材の軽量化と強度確保が低コストで実現可能であり、ブーツのシール性も確保できる等速自在継手を提供する。
【解決手段】ブーツ12の大径端部13は、その内周面34に形成した突起24を、外輪2の開口端部8の外周面32に形成した嵌合溝22に嵌合することで、外輪2の開口端部8に位置決めし、ブーツバンド16で締付固定する。また、外輪2の開口端面26のトラック溝非対応部26bに凹部27を形成し、トラック溝対応部26aを平坦面とする。さらに、外輪2の開口端部8に、その外径を開口端面26から外輪2の軸方向に沿って継手中心側に向けて拡径させる面取り部29を設ける。凹部27の軸方向長さは、面取り部29の軸方向長さよりも短くする。ブーツバンド16は、周方向両側から加締める耳部を有する外側重なり部と、内側重なり部と、外側重なり部と内側重なり部とを連続する中間部とで構成される。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用されるものであり、駆動側と従動側の二軸を連結し、角度変位のみを許容する固定型等速自在継手に関するものである。
等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定型等速自在継手と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動型等速自在継手とに大別される。
固定型等速自在継手は、例えば、エンジンからの動力を車輪に伝達するドライブシャフトのホイール側に使用され、一方、摺動型等速自在継手はデフ側に使用される。固定型等速自在継手としては、バーフィールド型等速自在継手(以下、BJ型とする)や、このBJ型の最大作動角を大きくしたアンダーカットフリー型等速自在継手(以下、UJ型とする)が広く知られている。なお、摺動型等速自在継手としては、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ型)や、クロスグルーブ型等速自在継手(LJ型)や、トリポード型等速自在継手(TJ型)などが広く知られている。
図8に固定型等速自在継手の一つであるUJ型の一例を示す。この等速自在継手101は、一端に開口部を有する外輪(外側継手部材)102と、内輪(内側継手部材)103と、ボール104と、ケージ105とを主要部とする。内輪103と、ボール104と、ケージ105は、外輪102の内部に収容配置されて、内部部品106を構成している。
外輪102は、鍛造により成形され、カップ状をなす。この外輪102の内球面には、8本のトラック溝118が円周方向等間隔に形成され、このトラック溝118は、外輪反開口部側が曲線状であり、外輪開口部側が直線状である断面形状をなす。また、内輪103の外球面には、外輪102のトラック溝118と対を成す8本のトラック溝119が円周方向等間隔に形成され、このトラック溝119は、外輪開口部側が曲線状であり、外輪反開口部側が直線状である断面形状をなす。外輪102のトラック溝118と内輪103のトラック溝119との間にはボール104が1個ずつ介在され、このボール104(全部で8個)は、外輪102と内輪103との間に配置されたケージ105のポケット107で保持されている。
内輪103の中心孔110にはシャフト109が挿入されてスプライン嵌合されている。シャフト109は、このシャフト109と中心孔110との間に介在されたサークリップ111により、中心孔110からの抜けが防止されている。
外輪102の開口部はCR(クロロプレンゴム)製のブーツ112で覆われている。ブーツ112は、外輪102の内部に封入されたグリースなどの潤滑成分が継手外部へ漏出するのを防止し、かつ、継手外部から外輪102の内部へ異物が侵入するのを防止する。
このブーツ112は、大径端部113と、小径端部114と、大径端部113と小径端部114を連結する蛇腹部115とで構成される。大径端部113は、外輪102の開口端部108に取り付けられて、ブーツバンド116により外側から締付固定されている。また、小径端部114は、シャフト109に取り付けられて、ブーツバンド117で外側から締付固定されている。
このブーツ112は、大径端部113側の内側面121を外輪102の開口端面120に密着させている(特許文献1参照)。これにより、ブーツ112の大径端部113は、そのシール性が確保されると共に、外輪102の開口端部108に対して位置決めされている。
特開平11−159615号公報
さて、図8に示した固定型等速自在継手は、外輪102の開口端面120にブーツ112の大径端部113側の内側面121を密着させる必要があるため、外輪102の開口端面120を、鍛造後に全面を旋削して粗面を削り落とし、図9(図8に示す外輪102の断面図)および図10(図9を開口部側から見た正面図)に示すように、平坦面としなければならない。このため、外輪102の加工に必要なコストと時間が嵩む問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、外側継手部材の軽量化と強度確保が低コストで実現可能であり、ブーツのシール性も確保できる等速自在継手を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の等速自在継手は、鍛造により成形されたカップ状をなし、内球面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、前記外側継手部材の内部に配され、外球面に前記外側継手部材のトラック溝と対を成す複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材と前記内側継手部材との間に介在されて双方間でのトルク伝達を可能にするボールとを備え、前記外側継手部材の開口部を覆う樹脂製ブーツの端部を、環状で、周方向両側から加締める加締め部を有するバンドにより、前記外側継手部材の開口端部の外周面に位置決め手段を介して締付固定し、前記外側継手部材の開口端面の周方向位置で前記トラック溝間と対応するトラック溝非対応部に凹部を形成し、前記トラック溝非対応部に隣接するトラック溝対応部を平坦面としたことを特徴とする。
この場合、外側継手部材の開口端面の周方向位置で、トラック溝間と対応する部位、つまり、トラック溝と対応しない部位(以下、トラック溝非対応部とする)に凹部が形成される。そのため、外側継手部材を、従来の外側継手部材よりも部分的に除肉された形状にして、軽量化することができる。
また、本発明では、樹脂製(例えば熱可塑性ポリエステル系エラストマー製)のブーツを用い、ブーツ端部は、外側継手部材の開口端部の外周面に、シール性向上を兼ねた位置決め手段を介して位置決めされる。さらに、ブーツバンドとして、環状で、周方向両側から加締める加締め部を有するものを使用する。この場合、ブーツ端部を周方向に亙って均一に締め付けることができるため、外側継手部材の開口端部とブーツ端部との取付部分でシール性を確保できる。以上により、本発明は、従来の等速自在継手に用いられていたCR(クロロプレン)製ブーツのように、ブーツの端部側の内側面を外側継手部材の開口端面に密着させてシール性を向上させる必要がなく、また、ブーツの端部側の内側面でブーツ端部を位置決めする必要もない。これは、ブーツ端部との密着性を向上させるために、鍛造後、外側継手部材の開口端面の全面を旋削して平坦面にする必要がないことを意味する。
しかし、外側継手部材の開口端面は、鍛造後、微小亀裂などを有した粗面を含んでおり、この粗面は、外側継手部材の強度を低下させる要因になる。さらに、外側継手部材におけるトラック溝部は、肉厚が薄く、またトルク伝達時に、ボールとの接触点において荷重が負荷される。従って、この外側継手部材の開口端面において、トラック溝非対応部との間の部位、つまり、周方向位置がトラック溝と対応する部位(以下、トラック溝対応部とする)に微小亀裂などを有した粗面や凹部が存在していると、応力集中が生じ、強度の確保が困難となる。
そこで、本発明では、前記したように、外側継手部材の開口端部のトラック溝対応部のみを、鍛造後に旋削して粗面を除去し、平坦面にする。これにより、トラック溝対応部の強度を確保することができる。また、この場合、外側継手部材の開口端面において平坦面とするのは、従来のような全面ではなく、トラック溝対応部のみであるため、外側継手部材の開口端面の加工に必要なコストと時間を削減することができる。
外側継手部材の開口端面において、トラック溝対応部は、その肉厚が非トラック溝対応部の肉厚よりも薄いため、外側継手部材の鍛造時に、非トラック溝対応部よりも外側継手部材の外部側へ軸方向に引き延ばされやすい。そのため、外側継手部材の鍛造後、トラック溝非対応部に凹部が形成される。ゆえに、本発明では、凹部を形成するための別の工程が不要になる。
前記ブーツ端部の位置決め手段は、例えば、凹凸嵌合とすることができる。このように、凹凸嵌合でもって前記ブーツ端部を外側継手部材の開口端部の外周面に位置決めする具体的手段としては、例えば、外側継手部材の開口端部の外周面に嵌合溝を形成し、ブーツ端部に突起を形成し、このブーツ端部の突起を外側継手部材の開口端部に形成した前記嵌合溝に嵌合する方法がある。
前記外側継手部材の開口端部には、その外径を開口端面から外側継手部材の軸方向に沿って継手中心側に向けて漸増させる面取り部を設けるのが好ましい。
この場合、外側継手部材の開口端部にブーツ端部を取り付ける際、面取り部がブーツ端部の案内機能を果たすため、ブーツ端部を外側継手部材の開口端部へ取り付ける際の取付作業が容易になり、等速自在継手の組付性(組立てのしやすさ、作業効率を意味する)が向上する。さらに、面取り部により、外側継手部材の開口端部が部分的に除肉されることになるため、外側継手部材の軽量化が可能になる。
外側継手部材の開口端面に形成される前記凹部の軸方向長さは、面取り部の軸方向長さよりも短い形状にするのが良い。面取り部は、ブーツ端部と外側継手部材の開口端部の接触面積(つまり、ブーツ端部のシール性)を低下させない軸方向長さに規制する必要がある(2.5mm程度)。また、凹部の軸方向長さも、ブーツ端部と外側継手部材の開口端部の接触面積(つまり、ブーツ端部のシール性)を低下させない軸方向長さに規制する必要があり、さらに言えば、面取り部の軸方向長さと同様に規制する必要がある。そのため、上述したように、凹部の軸方向長さを面取り部の軸方向長さよりも短くすることにより、前記した接触面積を低下させることなく、前記した本発明の外側継手部材を得ることができる。
以上に説明した本発明は、外側継手部材のトラック溝を、その開口部側が直線状をなす断面形状としたUJ型に適用するのが望ましい。
UJ型は、外側継手部材の開口端面におけるトラック溝対応部の肉厚が、BJ型のトラック溝対応部に比べて薄いため、外側継手部材の鍛造時に、BJ型よりも外側継手部材の外部側へ軸方向に引き延ばされやすく、これにより、外側継手部材のトラック溝非対応部に凹部が形成されやすい。そのため、本発明の目的とする外側継手部材を容易に得ることができる。
本発明では、外側継手部材の開口端面のトラック溝非対応部に凹部を形成するため、外側継手部材を、従来の外側継手部材よりも部分的に除肉された形状にして、軽量化することができる。
また、本発明では、樹脂製ブーツを用い、ブーツ端部が、外側継手部材の開口端部の外周面に、シール性向上を兼ねた位置決め手段を介して位置決めされる。さらに、ブーツバンドとして、環状で、周方向両側から加締める加締め部を有するものを使用するため、外側継手部材の開口端部とブーツ端部との取付部分でシール性を確保できる。以上により、本発明は、従来の等速自在継手に用いられていたCR製ブーツのように、ブーツの端部側の内側面を外側継手部材の開口端面に密着させてシール性を向上させる必要がなく、またブーツ端部で位置決めする必要もない。これは、ブーツ端部との密着性を向上させるために、鍛造後、外側継手部材の開口端面の全面を旋削して平坦面にする必要がないことを意味する。
しかし、外側継手部材の開口端面は、鍛造後、微小亀裂などを有した粗面を含んでおり、これは強度低下の要因となる。この一方で、外側継手部材の開口端面のトラック溝対応部は、既に述べたように、トルク伝達時に応力集中が生じない形状とする必要がある。このトラック溝対応部は、本発明では、鍛造後に旋削して粗面を除去し、平坦面にするため、強度を確保することができる。
また、本発明の場合、外側継手部材の開口端面において平坦面とするのは、従来のように全面ではなく、上記したようにトラック溝対応部のみであるため、外側継手部材の加工に必要なコストと時間を削減することができる。
さらに、外側継手部材の開口端面は、鍛造時、トラック溝対応部がトラック溝非対応部よりも外側継手部材の外部側へ軸方向に引き延ばされるため、トラック溝非対応部には、既に述べたように、凹部が容易に形成される。そのため、本発明では、凹部を形成するための別の工程(切削等)が不要になる。この結果、等速自在継手の製造に必要な工程を削減して、外側継手部材の加工に必要なコストと時間を削減することができる。また、鍛造時の原料の分量は、外側継手部材の開口端面の旋削量を考慮して多くする必要がないため、低減できる。このため、外側継手部材の加工に必要なコストの削減に貢献することができる。
そして、本発明の場合、外側継手部材の開口端面は、鍛造後、トラック溝対応部のみを旋削するため、旋削に必要な時間(サイクルタイム)を削減でき、これに伴い、外側継手部材の鍛造に必要な加工工具の長寿命化が可能になる。この結果、外側継手部材の加工に必要なコストと時間の削減に寄与することができる。
なお、本発明の等速自在継手は、上記したように、外側継手部材の開口端面の旋削量を低減できるため、環境負荷を抑制できる。
以下に本発明の実施の形態について、添付の図1〜図7を参照して説明する。
図5に、本発明をUJ型と呼称される固定型等速自在継手に適用した実施形態を示す。この等速自在継手1は、一端に開口部を有する外輪(外側継手部材)2と、内輪(内側継手部材)3と、ボール4と、ケージ5とを主要部とする。内輪3と、ボール4と、ケージ5は、外輪2の内部に収容配置されて、内部部品6を構成している。
外輪2は一端に開口部を有するカップ状をなす。この外輪2の内球面30には、8本のトラック溝18が円周方向等間隔に形成されている。このトラック溝18は、外輪反開口部側(図中に18aで示す)が曲線状であり、外輪開口部側(図中に18bで示す)が直線状である断面形状をなす。また、内輪3の外球面31には、外輪2のトラック溝18と対を成す8本のトラック溝19が円周方向等間隔に形成されている。このトラック溝19は、外輪開口部側(図中に19aで示す)が曲線状であり、外輪反開口部側(図中に19bで示す)が直線状である断面形状をなす。外輪2のトラック溝18と内輪3のトラック溝19との間にはボール4が1個ずつ介在され、このボール4(合計8個)は、外輪2と内輪3との間に配置されたケージ5のポケット7で保持されている。
内輪3の中心孔10にはシャフト9が挿入されてスプライン嵌合されている。シャフト9は、このシャフト9に形成された凹溝20と中心孔10に形成された凹溝21との間に介在されたサークリップ11により、中心孔10からの抜けが防止されている。
外輪2の開口部は樹脂製(例えば熱可塑性ポリエステル系エラストマー製)のブーツ12で覆われている。ブーツ12は、外輪2の内部に封入されたグリースなどの潤滑成分の継手外部への漏出を防止し、かつ、継手外部から外輪2の内部への異物の侵入を防止する。
このブーツ12は、大径端部13と、小径端部14と、大径端部13と小径端部14を連結する蛇腹部15とで構成されている。大径端部13は、外輪2の開口端部8の外周面32に、ブーツバンド16を用いて締付固定されている。また、小径端部14は、シャフト9の外周面33に、ブーツバンド17を用いて締付固定されている。
以下に、本実施形態の特徴となる構造等について述べる。
図1(図5の外輪2)、図2(図1を外輪2の開口部側から見た正面図)、および、図3(図1の要部拡大断面図)に示すように、外輪2の開口端面26の周方向位置で、トラック溝18間と対応する部位、つまり、トラック溝18と対応しない部位26b(図2に周方向範囲をDで示す。以下、トラック溝非対応部とする)に凹部27が形成される。
図5に示すように、ブーツ12の大径端部13は、その内周面34に設けた突起24を外輪2の開口端部8の外周面32に形成した嵌合溝22に嵌合して位置決めし、さらに、ブーツバンド16を外側から加締めることで、前記したように、外輪2の開口端部8の外周面32に締付固定する。また、小径端部14は、その内周面35に設けた突起25をシャフト9の外周面33に形成した嵌合溝23に嵌合して位置決めし、さらに、ブーツバンド17を外側から加締めることで、前記したように、シャフト9の外周面33に締付固定する。
ブーツバンド16は、図6に示すように、環状で、周方向両側から加締める加締め部を有するものを使用する。このブーツバンド16は、外側重なり部51と、内側重なり部52と、外側重なり部51と内側重なり部52とを連続する中間部56とで構成されている。外側重なり部51は、この外側重なり部51から立ち上がる耳部(加締め部)53を有する。この耳部53は、一対の脚部54と、この脚部54を外径側で連結する架橋部55とから成る。
このブーツバンド16で、ブーツ12の大径端部13を外輪2の開口端部8の外周面32に締付固定する方法は、図6に示すように、ブーツ16の耳部53を構成する脚部54の基部を、白抜矢印Rで示すように周方向両側から同時に加締めることにより行う。図7に耳部53の加締め後の状態を示した。そのため、大径端部13を周方向に亙って均一に締め付けることができる。これにより、外輪2の開口端部8の外周面32に対する締付状態が安定して、ブーツ端部(13、14)のシール性の向上に寄与する。なお、ブーツバンド17もブーツバンド16と同じ形状のものを使用する。そのため、ブーツバンド17は、ブーツバンド16と同様、耳部を周方向両側から同時に加締めることにより、ブーツ12の小径端部14をシャフト9に締付固定することができる。
このように、本実施形態の等速自在継手1は、樹脂製のブーツ12を用い、大径端部13は、外輪2の開口端部8の外周面32に、シール性向上を兼ねた位置決め手段(大径端部13の突起24と外輪2の開口端部8の嵌合溝22との凹凸嵌合)を介して位置決めする。また、ブーツバンド16として、環状で、周方向両側から加締める加締め部を有するもの(図6参照)を使用するため、外輪2の開口端部8の外周面32とブーツ12との取り付け部においてシール性を確保できる。そのため、等速自在継手1は、従来の等速自在継手に用いられていたCR(クロロプレン)製ブーツのように、ブーツの端部側の内側面を外側継手部材の開口端面に密着させてシール性を向上させる必要がなく、またブーツ端部で位置決めする必要もない(図8参照)。これは、大径端部13との密着性を向上させるために、鍛造後、外輪2の開口端面26の全面を旋削して平坦面にする必要がないことを意味する。
しかし、外輪2の開口端面26は、鍛造後、微小亀裂などを有した粗面を含んでおり、この粗面は、強度低下の原因となる。さらに、図2に示すように、外輪2の開口端面26の周方向位置で、トラック溝非対応部26bに隣接する部位、つまり、トラック溝18と対応する部位26a(図2に散点で示し、周方向範囲をCで示す。以下、トラック溝対応部とする)は、トルク伝達時に応力集中が生じないような形状にする必要がある。
そこで、本実施形態では、図1、図3、図5に示すように、トラック溝対応部26aのみを鍛造後に旋削して平坦面にする。これにより、トラック溝対応部26aの強度を確保することができる。
外輪2の開口端部8には、図1、図3、図5に示すように、その外径を開口端面26から外輪2の軸方向に沿って継手中心側に向けて漸増させる面取り部29を設ける。
外輪2のトラック溝非対応部26bに形成される凹部27の軸方向長さAは、面取り部29の軸方向長さBよりも短くする。
次に、外輪2の鍛造方法について説明する。
外輪2は、C(炭素):0.44〜0.58重量%、Si(ケイ素):0.02〜0.1重量%、Mn(マンガン):0.4〜0.6重量%、S(硫黄):0.002〜0.01重量%、P(リン):0.001〜0.03重量%、B(ホウ素):0.0005%〜0.002重量%、Ti(チタン):0.01〜0.1重量%を基礎成分とし、残部がFeおよび不可避不純物である炭素鋼を素材として、鍛造成形する。
この炭素鋼の成分で、P(リン)以外の元素については、上記下限値よりも少ない含有量であると、各元素の効果を十分に得ることができない。
C(炭素)は、外輪2を鍛造して高周波焼入れした後、外輪2に必要な表面硬さと焼入れ深さを付与するために必要不可欠である。この元素の含有量が0.58重量%を超えると鍛造時の変形抵抗が増加して鍛造成形性(鍛造時の成形のしやすさを意味する)が低下する。Si(ケイ素)は脱酸剤(成分中の酸素を減らして、正常な鍛造の進行が妨げられるのを防止するためのもの)として作用する。この元素の含有量が0.1重量%を超えると焼鈍後の変形抵抗が増加して鍛造成形性が低下する。Mn(マンガン)は焼入性(鍛造後の焼入れ処理のしやすさを意味する)を向上させるために必要な元素で、Cに次いで機械的特性(引張強度など)に影響を与える元素である。この元素の含有量が0.6重量%を超えると変形抵抗が増加して鍛造成形性が低下する。S(硫黄)は炭素鋼中でMnSを形成して旋削性を向上させる元素である。この元素の含有量が0.01重量%を超えると冷間での割れ発生限界が低下し、鍛造中に炭素鋼に割れが生じる可能性がある。P(リン)は不純元素で極力取り除くのが望ましい。この元素の含有量が0.03重量%を超えると靭性(外力によって破壊されにくい性質)が低下して炭素鋼に割れが生じるおそれがある。B(ホウ素)は大幅に焼入性を向上させる効果を有する元素である。この元素の含有量が0.005重量%を超えるとその効果が飽和し、添加量に見合った効果が得られない。Ti(チタン)は、炭素鋼中で窒化物或いは炭窒化物等の析出物を形成してB(ホウ素)の焼入性向上効果を促進させる元素である。この含有量が0.1重量%を超えると、窒化物の粗大化により炭素鋼の硬度が必要以上に上昇して鍛造成形性が低下する。
前記の炭素鋼を、850℃〜950℃の温度下で粗加工し(亜熱間鍛造)、次いで、常温で加工して鍛造を完成させる(冷間鍛造)。
この外輪2の冷間鍛造時に、外輪2の開口端面26のトラック溝対応部26aは、その肉厚が、トラック溝非対応部26bの肉厚よりも薄いことから、トラック溝非対応部26bよりも外輪2の外部側へ軸方向に引き延ばされる。そのため、外輪2の開口端面26は、鍛造後(最終型成形を行うしごき工程後)、図4に示すように、トラック溝対応部26aが凸部をなし、トラック溝非対応部26bが凹部27を成す凹凸状に成形される。
図4に示す状態から、外輪2の開口端面26のトラック溝対応部26aを旋削して平坦面にし、図1に示す外輪2を完成させる。
以上のように、本実施形態の等速自在継手1は、図1に示すように、外輪2の開口端面26のトラック溝非対応部26bに凹部27を形成するため、外輪2を、従来よりも部分的に除肉された形状にし、軽量化することができる。
この凹部27は、既に述べたように、外輪2の開口端面26の冷間鍛造時に形成されるため、本実施形態では、凹部27を形成するための別の工程が不要になる。この結果、外輪2の加工に必要な工程を削減して、外輪2の加工に必要なコストと時間を削減することができる。また、外輪2の鍛造時に使用する原料の分量は、外輪2の開口端面26の旋削量を考慮する必要がないため、低減することができる。そのため、外輪2の加工に必要なコストの削減に寄与することができる。
また、外輪2の開口端面26は、従来のように全面を旋削せず、トラック溝対応部26aのみを旋削して平坦面にする。この結果、トラック溝対応部26aの強度を確保したまま、外輪2の加工に必要なコストと時間を従来の外輪よりも削減することができる。
外輪2の開口端面26のトラック溝対応部26aのみを旋削する場合、上記の作用および効果に加えて、旋削に必要な時間(サイクルタイム)を削減でき、これに伴い、外輪2の鍛造に必要な加工工具の長寿命化が可能になる。この結果、外輪2の加工に必要なコストと時間の削減に貢献することができる。
なお、本実施形態では、上記のように外輪2の開口端面26の旋削量を削減できることから、等速自在継手1は、環境負荷を抑制できる。
また、外輪2の開口端部8には、その外径を開口端面26から外輪2の軸方向に沿って継手中心側に向けて拡径させる面取り部29を設けるが、この面取り部29は、ブーツ12の大径端部13を外輪2の開口端部8に外挿して取り付ける際に、大径端部13の案内機能を果たす。そのため、大径端部13を外輪2の開口端部8へ取り付ける際の取付作業が容易になる。さらに、面取り部29により、外輪2の開口端部8が部分的に除肉されることになるため、外輪2の軽量化が可能になる。
そして、外輪2の開口端面26に形成される凹部27の軸方向長さAは、面取り部29の軸方向長さBよりも短くする。面取り部29は、外輪2の開口端部8とブーツ12の大径端部13の接触面積(つまり、大径端部13のシール性)を低下させない長さに規制する必要がある(2.5mm程度)。また、凹部27の軸方向長さAも、外輪2の開口端部8とブーツ12の大径端部13の接触面積を低下させない長さに規制する必要があり、さらに言えば、面取り部29と同様に軸方向長さAを規制する必要がある。そのため、本実施形態のように、凹部27の軸方向長さAを面取り部29の軸方向長さBよりも短くすることにより、前記した接触面積を低下させることなく、既に述べた本発明の外輪2を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これに限られることはなく、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に記載の技術的思想を逸脱しない範囲で、種々なる変更が可能である。
例えば、本実施形態では、本発明をUJ型と呼称される固定型等速自在継手に適用したが、これに限らず、本発明は、外側継手部材の内球面に曲線状の断面をなす複数のトラック溝が形成され、内側継手部材の外球面に曲線状の断面をなす複数のトラック溝が形成されたバーフィールド型と呼称される固定型等速自在継手(BJ型)にも適用することができる。しかし、本発明は、本実施形態のように、UJ型に適用するのが望ましい。
これは、UJ型の場合、外輪の開口端面におけるトラック溝対応部の肉厚は、外輪のトラック溝の開口部側が断面直線状に形成されることに起因して、BJ型よりも薄く設計されることによる。このため、外輪の開口端面において、トラック溝対応部は、外輪の鍛造時に、トラック溝非対応部よりも外輪の外部側へ軸方向に引き延ばされやすく、これにより、外輪の開口端面は、鍛造後、本発明のような凹凸状に成形されやすいためである。
なお、本実施形態では、ボールの個数が8個の固定型等速自在継手に本発明を適用したが、これに限られず、ボールが6個の固定型等速自在継手にも本発明を適用することができる。
図5に示す外輪の断面図である。 図1に示す外輪の正面図である。 図1に示す外輪の要部拡大断面図である。 図1に示す外輪の鍛造後の状態を示す断面図である。 本発明を固定型等速自在継手(UJ型)に適用した実施形態を示す断面図である。 図5に示すブーツバンドの拡大断面図である。 図6に示すブーツバンドの耳部を加締めた際の状態を示す断面図である。 従来の固定型等速自在継手(UJ型)を示す断面図である。 図8に示す外輪の断面図である。 図9に示す外輪の正面図である。
符号の説明
1 固定型等速自在継手(UJ型)
2 外輪(外側継手部材)
3 内輪(内側継手部材)
4 ボール
8 開口端部(外輪)
9 シャフト
12 ブーツ
13 大径端部(ブーツ)
18 外輪トラック溝
18a 断面曲線状部位
18b 断面直線状部位
19 内輪トラック溝
19a 断面曲線状部位
19b 断面直線状部位
22 嵌合溝(外輪開口端部)
24 突起(ブーツ大径端部)
26 開口端面(外輪)
26a トラック溝対応部
26b トラック溝非対応部
27 凹部(トラック溝非対応部)
29 面取り部
30 内球面(外輪)
31 外球面(内輪)
32 外周面(外輪)

Claims (6)

  1. 鍛造により成形されたカップ状をなし、内球面に複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、前記外側継手部材の内部に配され、外球面に前記外側継手部材のトラック溝と対を成す複数のトラック溝が形成された内側継手部材と、前記外側継手部材と前記内側継手部材との間に介在されて双方間でのトルク伝達を可能にするボールとを備え、前記外側継手部材の開口部を覆う樹脂製ブーツの端部を、環状で、周方向両側から加締める加締め部を有するバンドにより、前記外側継手部材の開口端部の外周面に位置決め手段を介して締付固定し、前記外側継手部材の開口端面の周方向位置で前記トラック溝間と対応するトラック溝非対応部に凹部を形成し、前記トラック溝非対応部に隣接するトラック溝対応部を平坦面としたことを特徴とする固定型等速自在継手。
  2. 前記ブーツ端部の位置決め手段を、凹凸嵌合とした請求項1に記載の固定型等速自在継手。
  3. 前記凹凸嵌合を、外側継手部材の開口端部の外周面に形成した嵌合溝と前記ブーツ端部に設けた突起とで形成した請求項1又は2に記載の固定型等速自在継手。
  4. 前記外側継手部材の開口端部に、その外径を開口端面から外側継手部材の軸方向に沿って継手中心側に向けて漸増させる面取り部を設けた請求項1〜3のいずれか一項に記載の固定型等速自在継手。
  5. 前記外側継手部材の開口端面に形成される凹部の軸方向長さを、前記面取り部の軸方向長さよりも短くした請求項4に記載の固定型等速自在継手。
  6. 前記外側継手部材のトラック溝は、その開口部側が直線状をなす断面形状とした請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定型等速自在継手。
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