JP2009264159A - テールパイプ構造 - Google Patents

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洋之 橋本
Takuya Kitasei
琢也 北清
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Abstract

【課題】簡単な構造により製造コストを高騰させずに製作できると共に、圧損による排気抵抗の増大を未然に防止でき、排出した排ガスの熱による悪影響を確実に防止できるテールパイプ構造を提供する。
【解決手段】テールパイプ1の下側部を、テールパイプ1の軸線c方向の長さLに亘って、且つテールパイプ1の軸線cを中心として切欠円周角に亘って切り欠いて開口部2を形成し、この開口部2の形成により残存した残存円周部3の終端に、テールパイプ1と同一の断面円形状をなす障壁4を溶接する。排気通路を経てテールパイプ1内を流動する排ガスを開口部2において大気と混合させて温度低下させた後、障壁4に衝突させて下方に拡散させながら排出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の排気通路の終端部に設けられてエンジンからの排ガスを外部に排出するテールパイプ構造に関するものである。
車両の排気通路はスチール製のパイプ等により製作され、車両前部のエンジンから後方に向けて適宜折曲されながら延設され、その途中には排気浄化装置や消音器が設けられている。排気通路の終端部は車両後部や側部まで延設されて後方或いは側方に向けて開口し、一般にこの排気通路の終端部が排ガスを外部に排出するためのテールパイプとして機能する。
このように通常のテールパイプは排ガスの排出方向を定める役割を果たすだけであるが、近年では排気浄化装置の作動に起因して別の機能も要求されるようになっている。例えば、ディーゼルエンジンから排出される排ガス中にはパティキュレートが含まれるため、パティキュレートを捕集するためのDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)が排気浄化装置として装備される場合がある。DPFに捕集されたパティキュレートは、排気温度が比較的高い運転状態のときにDPFの上流側に設置した酸化触媒の作用により連続的に焼却除去されるが、このような連続再生作用が得られない運転状態が継続された場合には、ポスト噴射等により前段酸化触媒上に未燃燃料を供給して、未燃燃料の酸化熱によりDPFを昇温してパティキュレートを強制的に焼却除去する強制再生が行われる。そして、この強制再生中には、通常運転時に比較して排ガス温度が遥かに高くなるため(例えば、600℃以上)、高温の排ガスがそのままテールパイプから排出される現象が発生する。
図11は従来のテールパイプ構造における排ガスの温度分布を示す模式図である。この模式図は、熱流体解析のシミュレーション試験により求めた試験結果であり、図中の白抜き部分が大気温度に相当し、温度が高くなるに従ってハッチング部分(400℃以下)、クロスハッチング部分(600℃以下)、黒塗り部分(600℃越え)で示している。この図に示すように、比較的温度が高いハッチング部分のみならず、高温のクロスハッチング部分や黒塗り部分も後方に延びていることが確認でき、テールパイプ後方の広範囲に排ガスの熱影響が及んでしまうことが判る。
このような不具合に着目した対策として、例えば特許文献1に記載のテールパイプ構造が提案されている。当該特許文献1に記載されたテールパイプ構造では、テールパイプの終端部に車両前方に向けて漏斗状に開く外気導入コーンを設け、この外気導入コーンの絞り口に、車両後方に向けて徐々に縮径する金属線材を編み込んだフレームトラップを配設している。車両走行時には、テールパイプから排出された高温の排ガスが外気導入コーンに取り込まれた走行風により希釈されると共に、その直後にフレームトラップを通過してさらに熱を奪われ、これらの作用により排ガスの温度を低下させている。
特開2004−11521号公報
しかしながら、特許文献1のテールパイプ構造では、漏斗状に開く外気導入コーンや金属線材を編み込んだフレームトラップにより構成していることから、材料費が高い上に製作工程も非常に煩雑であり、結果として製造コストが高騰するという問題を引き起こした。しかも、フレームトラップに排ガスを流通させる際には圧損が生じることから、排気通路の排気抵抗を増大させてエンジン性能を低下させる要因になり得るという問題もあった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡単な構造により製造コストを高騰させることなく製作できると共に、圧損による排気抵抗の増大を未然に防止でき、排出した排ガスの熱による悪影響を確実に防止することができるテールパイプ構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車両に搭載されたエンジンの排気ガスを案内する排気通路の終端部に設けられて、排気通路に案内された排ガスを外部に排出するテールパイプ構造において、テールパイプの終端に、少なくともテールパイプの断面形状と略対応する領域を有する障壁を固着して該終端を閉塞すると共に、テールパイプの側部を切り欠いて開口部を形成し、開口部より排ガスを排出するものである。
従って、運転中のエンジンから排出された排ガスは排気通路に案内されながらテールパイプに到達し、テールパイプ内を流動して開口部付近で大気と接触しながら混合して外部に排出される。このときの排ガスは、開口部全体に相当する広い面積をもって大気と接触し、且つ、障壁に向けて高速で流動しながら大気を巻き込むため、これらの要因により、排ガスは外部に排出される以前にテールパイプ内で大気と良好に混合して大幅に温度低下し、テールパイプからは十分に温度低下した排ガスが排出される。しかも、大気と混合した排ガスは、障壁に衝突することにより直接的な後方への排出を防止され、側方に拡散しながら排出されるため、排ガスの熱影響はテールパイプ後方の広範囲に及ぶことがない。
そして、ある程度以上の開口部の面積を確保しさえすれば、開口部を流通する排ガスに大きな圧損は発生せず、圧損による排気抵抗の増大が未然に防止される。また、テールパイプの側部に開口部を切り欠き形成すると共に、終端に障壁を固着しただけの簡単な構成のため、高価な追加材料を要しない上に製作工程も簡単であり、製造コストを高騰させることなく実施可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、開口部が、テールパイプの下側部を切り欠いて形成されたものである。
従って、障壁に衝突した排ガスは下方に拡散しながら排出されて、排ガスの熱影響は地表近傍のごく狭い範囲に及ぶだけとなる。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、テールパイプが断面円形状をなし、テールパイプの軸線を中心とした開口部の形成角度である切欠円周角αを、90〜270°の範囲内に設定したものである。
切欠円周角αを変化させてシミュレーション試験を実施し、排ガスの全温度領域に対する400℃以下の温度領域の割合(図6に示す)、及び600℃以下の温度領域の割合(図7に示す)がどのように変化するかを検証した。何れのグラフも特定温度領域の割合が高いほど、排ガスの温度低下効果が著しいことを意味する。図6,7共に90°から排ガスの温度低下効果が得られ、切欠円周角αを増加させるほど温度低下効果が著しくなるが、図6では切欠円周角αを270°から360°に増加しても温度低下効果がそれ以上向上していない。
また、切欠円周角αと開口部で切り欠かれた残存部分である残存円周部に発生する応力との関係(図10に示す)では、切欠円周角αが270°を越えると残存円周部の応力が急増しており、十分な残存円周部の強度を確保し難くなる。これらの検証結果から、切欠円周角αを90〜270°の範囲内で設定すれば、良好な排ガスの温度低下効果が得られると共に、残存円周部の強度を十分に確保可能となる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、テールパイプが断面円形状をなし、テールパイプの内径Dとテールパイプの軸線に沿った開口部の長さLとの比L/Dを、1.5〜5.0の範囲内に設定したものである。
比L/Dを変化させてシミュレーション試験を実施し、排ガスの全温度領域に対する400℃以下の温度領域の割合(図8に示す)、及び600℃以下の温度領域の割合(図9に示す)がどのように変化するかを検証した。何れのグラフも特定温度領域の割合が高いほど、排ガスの温度低下効果が著しいことを意味する。図8,9共に1.5から排ガスの温度低下効果が得られ、比L/Dと温度低下効果とは比例関係にはなく、切欠円周角αの設定によって変動が生じているものの、全体的な傾向として5.0までは比L/Dの増加に応じた温度低下効果が得られている。よって、比L/Dは1.5〜5.0の範囲内で設定することが望ましく、これにより良好な排ガスの温度低下効果が得られる。
以上説明したように請求項1,2の発明のテールパイプ構造によれば、簡単な構造により製造コストを高騰させることなく製作できると共に、圧損による排気抵抗の増大を未然に防止でき、排出した排ガスの熱による悪影響を確実に防止することができる。
請求項3の発明のテールパイプ構造によれば、請求項1または2に加えて、切欠円周角αを適切に設定することにより、一層良好な排ガスの温度低下効果を実現できると共に、残存円周部の強度を十分に確保することができる。
請求項4の発明のテールパイプ構造によれば、請求項1乃至3に加えて、テールパイプの内径Dと開口部の長さLとの比L/Dを適切に設定することにより、一層良好な排ガスの温度低下効果を実現することができる。
以下、本発明を具体化したテールパイプ構造の一実施形態を説明する。
図示はしないが、車両の排気通路はスチール製の円筒パイプにより製作され、車両前部に搭載されたエンジンから後方に向けて適宜折曲されながら延設され、その途中には排気浄化装置や消音器が設けられている。排気通路の終端部は車両後部まで延設され、この排気通路の終端部がテールパイプとして機能する。
排気浄化装置としてはDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)が装備されており、このDPFにより排ガスに含まれたパティキュレートが捕集されて大気中への排出を防止されると共に、捕集されたパティキュレートは排気温度が比較的高い運転状態のときに連続的に焼却除去される。そして、連続再生作用が得られない運転状態が継続された場合には、ポスト噴射等によりDPFを昇温してパティキュレートを強制的に焼却除去する強制再生が行われるため、このDPFを昇温した高温の排ガスがテールパイプから排出されることになる。
図1は本実施形態のテールパイプ構造を示す正面図、図2は同じくテールパイプ構造を示す底面図、図3は同じくテールパイプ構造を示す図1のA矢視図であり、図1,2において、左方が車両前部に相当し、右方が車両後部に相当する。
テールパイプ1の下側部は切り欠かれて開口部2が形成され、開口部2はテールパイプ1の軸線cに沿って終端より前方側に向けて長さLに亘って延設されている。開口部2が形成された領域においてテールパイプ1は全て同一断面形状をなしており、以下の説明では、開口部2の形成により切り欠かれて下方に開放する断面形状をなす残存部分を残存円周部3と称し、テールパイプ1の軸線cを中心とした開口部2の形成角度を切欠円周角αと称し、残存円周部3の形成角度を残存円周角β(=360°−α)と称する。図3から明らかなように、切欠円周角α及び残存円周角βは共に左右対称に設定されており、結果として開口部2も左右対称に形成されている。
テールパイプ1の残存円周部3の終端は軸線cに対して直交するように切断されており、この終端にはスチール製の板材からなる障壁4が溶接されている。障壁4はテールパイプ1の断面形状と同一の円形状をなし、残存円周角βに相当する領域において残存円周部3の終端に溶接されると共に、この残存円周部3から切欠円周角αに相当する領域が下方に突出している。
次に、以上のように構成された本実施形態のテールパイプ構造の作用を説明する。
図4は図1に対応する排ガスの温度分布を示す模式図、図5は図3に対応する排ガスの温度分布を示す模式図である。これらの模式図は、熱流体解析のシミュレーション試験により求めた試験結果であり、図中の白抜き部分が大気温度に相当し、温度が高くなるに従ってハッチング部分(400℃以下)、クロスハッチング部分(600℃以下)、黒塗り部分(600℃越え)で示している。
運転中のエンジンから排出された排ガスは、排気通路に案内されながら排気浄化装置及び消音器を経てテールパイプ1から排出され、上記のように、DPFの強制再生中には、通常運転時と比較して遥かに高温(600℃以上)の排ガスがテールパイプ1内を流れる現象が発生する。ここで、テールパイプ1内において排ガスは軸線cに沿って案内されるため、開口部2が形成された領域でもほとんど開口部2から下方に流出することなく軸線cに沿って流動し、テールパイプ1の終端の障壁4に衝突した後に外部に排出される。このとき、テールパイプ1内の特に開口部2付近では、以下の現象が生起される。
テールパイプ1内を流動する排ガスは、開口部2付近で大気と接触しながら混合して外部に排出されるが、このときの排ガスは、開口部2全体に相当する広い面積(下方への投影面積)をもって大気と接触し、且つ、障壁4に向けて高速で流動しながら大気を巻き込むため、これらの要因により、排ガスは外部に排出される以前にテールパイプ1内で大気と良好に混合して大幅に温度低下する。しかも、大気と混合した排ガスは、障壁4に衝突することにより直接的な後方への排出を防止され、下方に拡散しながら排出される。
即ち、図11に示す従来技術のテールパイプ構造が、高温の排ガスを温度低下させることなく外部に排出するのに対し、図4,5に示すように本実施形態のテールパイプ構造では、テールパイプ1内で排ガスを大気と十分に混合して温度低下させるため、テールパイプ1から排出される排ガスの温度は従来技術のものに比較して格段に低温になる。しかも、従来技術のテールパイプ構造が、排ガスを直接的に後方に排出することにより、テールパイプ後方の広範囲に排ガスの熱影響を与えるのに対し、本実施形態のテールパイプ構造では、排ガスを下方に拡散させながら排出することにより、地表近傍のごく狭い範囲に排ガスの熱影響が及ぶだけである。このようにテールパイプ1から排出される排ガスの温度が低い上に、排ガスの熱影響を受けても問題のない地表付近に排ガスを拡散させるため、テールパイプ1から排出される排ガスの熱による悪影響を確実に防止することができる。
また、本実施形態のテールパイプ構造では、テールパイプ1内で障壁4により排ガスの流動方向を変更して開口部2から排出しているが、上記開口部2の長さL及び切欠円周角αの設定により、ある程度以上の開口部2の面積を確保しさえすれば、開口部2を流通する排ガスに大きな圧損が生じることはない。よって、本実施形態の対策を講じても、特許文献1に記載のテールパイプ構造のように排気通路の排気抵抗を増大させる虞は一切なく、圧損による排気抵抗の増大を未然に防止して良好なエンジン性能を維持することができる。
加えて、従来技術のテールパイプ構造に対して本実施形態のテールパイプ構造では、テールパイプ1の下側部に開口部2を切り欠き形成すると共に、終端に障壁4を溶接しただけの簡単な構成を追加しただけであり、外気導入コーンやフレームトラップを要する特許文献1のテールパイプ構造に比較すると、高価な追加材料を要しない上に製作工程も遥かに簡単であり、製造コストを高騰させることなく実施することができる。
一方、以上の説明から明らかなように、周囲への排ガスの熱影響を最大限に低減するにはテールパイプ1内で可能な限り排ガスを大気と混合させて温度低下させることが望ましく、また、これとは別の要件として、テールパイプ1に開口部2を形成するための製作面での手間、及び開口部2の形成による残存円周部3の強度等を考慮する必要がある。これらの要件には上記開口部2の長さL及び切欠円周角αが関与することから、本発明者は、開口部2の長さL及び切欠円周角αを変化させて図4,5に示したものと同様のシミュレーション試験を実施し、排ガスの温度低下に対する開口部2の長さL及び切欠円周角αの影響について検証した。
なお、長さLについては、同一長さLであってもテールパイプ1の内径Dに応じて影響度が相違することから、内径Dと長さLとの比L/Dを指標とした。
図6〜9はシミュレーション試験結果に基づき、比L/D及び切欠円周角αに応じて排ガス温度の低下状況をまとめたグラフを示しており、何れのグラフも、排ガスの全温度領域に対する特定の温度領域の割合として、排ガス温度の低下状況を表している。図6は切欠円周角αに応じた400℃以下(図4,5のハッチング部分)の温度領域の割合を示し、図7は同じく切欠円周角αに応じた600℃以下(図4,5のハッチング部分+クロスハッチング部分)の温度領域の割合を示し、図8は比L/Dに応じた400℃以下の温度領域の割合を示し、図9は同じく比L/Dに応じた600℃以下の温度領域の割合を示している。何れのグラフも特定温度領域の割合が高いほど、それ以上の温度領域(400℃或いは600℃を越える温度領域)が少なくなり、排ガスの温度低下効果が著しいことを意味する。
切欠円周角αに関しては、図6,7共に比L/Dの設定に関わらず90°から温度低下効果が得られ、切欠円周角αを増加させるほど温度低下効果が著しくなるが、図6において切欠円周角αを270°から360°に増加しても温度低下効果がそれ以上向上しないため、270°以上に切欠円周角αを増加させる利点がほとんどない。よって、排ガスの温度低下効果の観点からは、切欠円周角αを90〜270°の範囲内で設定することが望ましいことが判る。
ところで、テールパイプ1の残存円周部3は終端に障壁4を固定した状態で、エンジン振動や走行振動等の種々の振動を受ける一方、車両後退時にテールパイプ1が障害物に衝突する可能性もあるため、テールパイプ1の特に残存円周部3にはある程度の強度が要求される。図10は切欠円周角αと残存円周部3に発生する応力との関係を示す特性図であるが、切欠円周角αが270°を越えると残存円周部3の応力が急増している。その要因は残存円周部3の断面形状にあり、270°を越えると残存円周部3の上下方向の寸法が極端に減少して、上下方向から外力を受けたときに過大な応力が生じるためである。従って、残存円周部3の強度の観点からは、切欠円周角αの上限が270°程度であることが判る。
また、テールパイプ1に開口部2を形成すべく軸線cに沿ってテールパイプ1を切断するとき、工具の消耗や破損を避けるには、テールパイプ1の肉厚に対して工具を直交させて(工具をテールパイプ1の軸線cに指向させる)切断する必要がある。このとき、180°以外の切欠円周角αでは2回の切断作業を要するが、切欠円周角αを180°にすれば、1回の切断作業により軸線c方向の切断が完了する。従って、製作面での手間の観点からは、特に切欠円周角αを180°に設定することが望ましい。
以上の検証の結果、切欠円周角αを90〜270°の範囲内で設定すれば、良好な排ガスの温度低下効果が得られると共に、残存円周部3の強度を十分に確保でき、その範囲内でも特に切欠円周角αを180°に設定すれば、製作面での手間を大幅に省略することができる。
一方、比L/Dに関しては、図8,9共に切欠円周角αの設定に関わらず1.5から排ガスの温度低下効果が得られ、比L/Dを増加させるほど温度低下効果が著しくなる。比L/Dと温度低下効果とは比例関係にはなく、切欠円周角αの設定によって変動が生じているものの、全体的な傾向として5.0までは比L/Dの増加に応じた温度低下効果が得られることが確認できる。よって、比L/Dは1.5〜5.0の範囲内で設定することが望ましく、これにより良好な排ガスの温度低下効果が得られる。但し、比L/Dが増加するほど、開口部2を形成するときのテールパイプ1の軸線c方向の切断量が増大するため、製作面での手間を考慮すると、特に比L/Dの上限は4.0程度とすることが望ましい。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、DPFの強制再生による排ガス温度の上昇を想定したテールパイプ構造として具体化したが、排ガス温度を上昇させる要因となる排気浄化装置であれば、これに限ることはない。例えば、ディーゼルエンジンや希薄燃焼型ガソリンエンジンから排出されるNOxを吸蔵するための吸蔵型NOx触媒には、NOxの代わりに硫黄酸化物(SOx)が吸蔵される硫黄被毒の問題があるが、その対策として、ポスト噴射や点火時期リタード等によりNOx触媒を昇温してSOxを除去する所謂Sパージが実行されており、この場合もNOx触媒を昇温した高温の排ガスがテールパイプ1から排出されるため、上記実施形態のテールパイプ構造が有効である。
また、上記実施形態で説明したテールパイプ構造の各部の寸法設定に関しても、上記に限ることはない。例えば、切欠円周角αや内径Dと長さLとの比L/Dについても、上記シミュレーション試験結果に基づく推奨範囲内に設定することが望ましいものの、例えばエンジンの仕様(排気量や種類)等によっては、推奨範囲外でも十分な効果が得られる場合もある。従って、必ずしも上記推奨範囲内で設定する必要はない。
同様に上記実施形態では、テールパイプ1の下側部を切り欠いて開口部2を形成したが、必ずしも下側である必要はなく、右側部や左側、或いは上側部を切り欠いて開口部2を形成してもよい。また、上記実施形態では、図3において左右対称に開口部2を形成する一方、テールパイプ1の断面形状と対応する円形状に障壁4を形成したが、テールパイプ1の軸線cに沿って流動する排ガスを側方に拡散させながら排出できれば、開口部2を左右非対称としたり、障壁4をテールパイプ1の断面形状と異なる形状としたりしてもよい。但し、障壁4に関しては、排ガスの後方への直接的な排出を防止するために、少なくともテールパイプ1の断面形状と略対応する領域を有する必要がある。逆に、この観点ではテールパイプ1の断面形状以上に拡大しても何ら問題なく、例えば、障壁4を切欠円周角αに相当する領域からさらに下方に延設してもよい。
一方、上記実施形態では、排気通路の素材に円筒パイプ1を用いることでテールパイプ1の断面形状を円形としたが、断面形状はこれに限ることはなく、例えば断面四角状等に任意に変更可能である。また、上記実施形態では、テールパイプ1の終端を軸線cに対して直交するように切断して障壁4を溶接したため、必然的に障壁4も軸線cに対して直交配置されたが、障壁4の配置角度はこれに限ることはなく、排ガスを衝突させて下方に案内可能であれば障壁4の配置角度を任意に変更してもよい。
実施形態のテールパイプ構造を示す正面図である。 同じくテールパイプ構造を示す底面図である。 同じくテールパイプ構造を示す図1のA矢視図である。 図1に対応する排ガスの温度分布を示す模式図である。 図3に対応する排ガスの温度分布を示す模式図である。 切欠円周角αに応じた400℃以下の温度領域の割合を示す図である。 同じく切欠円周角αに応じた600℃以下の温度領域の割合を示す図である。 比L/Dに応じた400℃以下の温度領域の割合を示す図である。 同じく比L/Dに応じた600℃以下の温度領域の割合を示す図である。 切欠円周角αと残存円周部に発生する応力との関係を示す特性図である。 従来のテールパイプ構造における排ガスの温度分布を示す模式図である。
符号の説明
1 テールパイプ
2 開口部
4 障壁
c 軸線
L 長さ
D 内径
α 切欠円周部

Claims (4)

  1. 車両に搭載されたエンジンの排気ガスを案内する排気通路の終端部に設けられて、該排気通路に案内された排ガスを外部に排出するテールパイプ構造において、
    上記テールパイプの終端に、少なくとも上記テールパイプの断面形状と略対応する領域を有する障壁を固着して該終端を閉塞すると共に、上記テールパイプの側部を切り欠いて開口部を形成し、該開口部より排ガスを排出することを特徴とするテールパイプ構造。
  2. 上記開口部は、上記テールパイプの下側部を切り欠いて形成されたことを特徴とする請求項1記載のテールパイプ構造。
  3. 上記テールパイプは断面円形状をなし、
    上記テールパイプの軸線を中心とした上記開口部の形成角度である切欠円周角αを、90〜270°の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1または2記載のテールパイプ構造。
  4. 上記テールパイプは断面円形状をなし、
    上記テールパイプの内径Dと該テールパイプの軸線に沿った上記開口部の長さLとの比L/Dを、1.5〜5.0の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のテールパイプ構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113404580A (zh) * 2020-03-16 2021-09-17 双叶产业株式会社 尾管

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