JP2009262164A - 金属部材の接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】寸法精度や接合強度を十分に確保しつつ、より効率よく金属部材の接合を行う。
【解決手段】本発明の金属部材の接合方方法は、第1金属部材(1)の本体部3の壁面(6)およびこれと対向する第2金属部材(2)の対向面13のうちのいずれか一方に、所定高さの突起部15を設ける工程と、上記第1金属部材(1)の円筒部4を上記第2金属部材(2)の嵌合孔10に挿入して両者の各周面どうしを接触させるとともに、上記突起部15を相手側の対向面6に当接させる工程と、この状態で上記第1および第2の金属部材(1,2)を接近方向に加圧しつつ通電することにより、上記突起部15と相手側の対向面6との接触部S1を接合するとともに、上記円筒部4および嵌合孔10の各周面どうしの接触部S2を接合する工程とを含むものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、所定厚みの本体部およびそこから厚み方向に突出する円筒部を有した第1金属部材と、この第1金属部材の円筒部が挿入される嵌合孔を有した第2金属部材とを、通電による抵抗熱で接合する方法に関する。
従来、下記特許文献1に示されるように、変速機用のメインギアにシンクロ用のクラッチギアを挿入して、電子ビーム溶接により一体化する変速機用歯車の製造方法において、上記電気ビーム溶接の前に、上記クラッチギアの歯部に近い部分を電気抵抗スポット溶接によってメインギアに接合しておくことが行われている。
この特許文献1に開示された方法によれば、電子ビーム溶接を行うよりも前に、クラッチギアの歯部に近い部分が電気抵抗溶接により接合されるため、その後に電子ビーム溶接を行う際にクラッチギアの歯部に歪や反りが生じることが防止され、溶接後の寸法精度が十分に確保される等の利点がある。
特開2004−11816号公報
しかしながら、電気抵抗溶接と電子ビーム溶接とを併用する上記特許文献1の方法では、2つの工程に分けて溶接を行う必要があるため、生産効率の低下が避けられないという問題がある。また、電気抵抗溶接および電子ビーム溶接を行うための2種類の溶接設備が必要なため、設備費が増大するという問題もある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、寸法精度や接合強度を十分に確保しつつ、より効率よく接合を行うことが可能な金属部材の接合方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、所定厚みの本体部およびそこから厚み方向に突出する円筒部を有した第1金属部材と、この第1金属部材の円筒部が挿入される嵌合孔を有した第2金属部材とを、通電による抵抗熱で接合する方法であって、上記第1金属部材の本体部の壁面およびこれと対向する第2金属部材の対向面のうちのいずれか一方に、所定高さの突起部を設ける工程と、上記第1金属部材の円筒部を上記第2金属部材の嵌合孔に挿入して両者の各周面どうしを接触させるとともに、上記突起部を相手側の対向面に当接させる工程と、この状態で上記第1および第2の金属部材を接近方向に加圧しつつ通電することにより、上記突起部と相手側の対向面との接触部を接合するとともに、上記円筒部および嵌合孔の各周面どうしの接触部を接合する工程とを含むことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、第1金属部材の円筒部を第2金属部材の嵌合孔に挿入して両者の各周面どうしを接触させ、かつ上記第1および第2の金属部材のいずれか一方に設けられた突起部を相手側の対向面に当接させた状態で通電を行うことにより、上記両金属部材の軸心を比較的容易に一致させながら、上記突起部と相手側の対向面との接触部と、上記円筒部および嵌合孔の各周面どうしの接触部との両方を同時に接合することができる。このため、接合後の寸法精度(同心度)を十分に確保しつつ、上記2箇所の接触部を介して上記第1および第2の金属部材を高強度に接合することができるとともに、1回の通電で上記2箇所の接触部を同時に接合することにより、その作業効率を効果的に向上させることができるという利点がある。
本発明において、好ましくは、上記第1および第2の金属部材の加圧および通電を、両金属部材を挟んで対向配置される一対の電極を用いて行う(請求項2)。
このようにすれば、設備の簡略化を図りつつ、より効率よく金属部材の接合を行えるという利点がある。
本発明の接合方法は、例えば、上記第1金属部材が変速機用のギアであり、上記第2金属部材がシンクロコーンである場合に好適に適用することができる(請求項3)。
このようにすれば、比較的高度な寸法精度および接合強度が求められるギアおよびシンクロコーンの接合を適正に行えるという利点がある。
またこの場合、上記ギアおよびシンクロコーンのいずれか一方に、上記突起部よりも径方向外側に位置するリング状の受け部を形成し、上記ギアとシンクロコーンとの接合完了時に、上記受け部を上記シンクロコーンの壁面に当接させることが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、接合完了時に、シンクロコーンの軸方向位置をギアに対し正確に位置決めすることができ、接合後の寸法精度をより効果的に向上させることができる等の利点がある。
以上説明したように、本発明の金属部材の接合方法によれば、寸法精度や接合強度を十分に確保しつつ、より効率よく金属部材の接合を行うことができる。
<実施形態1>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる金属部材の接合方法を説明するための示す図であり、接合対象としてのギア1およびシンクロコーン2の形状を示す分解断面図である。この図1の例において、ギア1は、自動車用の手動変速機に備わるドリブンギアであり、シンクロコーン2は、いわゆるシンクロメッシュ(同期噛合機構)の一構成要素として上記ギア1に接合される部品である。これらギア1およびシンクロコーン2の材質としては、例えばSCr鋼等の浸炭焼入れ鋼が用いられる。
上記ギア1は、本発明の第1金属部材の一例に相当するものであり、所定厚みの円盤状に形成されてその外周部に歯部G1を有した本体部3と、この本体部3から軸心Xに沿って厚み方向に突出する円筒状の円筒部4とを有している。このギア1には、その本体部3および円筒部4に亘って厚み方向に貫通する挿通孔5が設けられており、変速機の組立時には、図外のメインシャフトが上記挿通孔5に摺動可能に(またはベアリングを介して転動可能に)挿入されるようになっている。
一方、上記シンクロコーン2は、本発明の第2金属部材の一例に相当するものであり、本体部11と、この本体部11から突設されたコーン部12とを有している。このうち、本体部11には、その中央部に所定半径の嵌合孔10が形成されるとともに、外周部に歯部G2が形成されている。一方、コーン部12は、上記嵌合孔10よりも大径の孔16を有したリング状の部材からなり、その外周面がテーパ状に形成されている。そして、変速機のシンクロ動作時には、上記コーン部12のテーパ状の外周面が図外のシンクロリングの内周面に圧接されることにより、回転速度の同期が図られるようになっている。
上記シンクロコーン2の嵌合孔10の内周面は、その上部の内径が他の部分よりもわずかに小さくなるように段差状に形成されている。このうち、相対的に内径の小さい嵌合孔10の上部周面は小径部10aとされ、この小径部10aの内径は、上記ギア1の円筒部4の外径と略同一の値とされている。そして、上記ギア1とシンクロコーン2との接合時には、上記嵌合孔10にギア1の円筒部4が挿入されることにより、上記嵌合孔10の小径部10aが上記円筒部4の外周面に接触し、その状態で流される電流の抵抗熱により当該接触部が接合されるようになっている(詳細は後述する)。なお、上記構成において、「小径部10aの内径と円筒部4の外径とが略同一」というのは、加工公差程度のわずかな隙間もしくは締め代が両者の間に存在してもよいことを意味するものである。
図1および図6等に示すように、上記シンクロコーン2のうち、接合時にギア1の本体部3と対向する対向面13には、所定高さの突起部15が設けられている。この突起部15は、上記嵌合孔10の内径よりも直径が大きいリング状の突起からなり(図1ではその直径をDとしている)、シンクロコーン2の軸心Yを中心に上記嵌合孔10と同心円状に配置さている。なお、上記突起部15は、例えばギア1の対向面13を機械加工する際に同時に形成することが可能である。
一方、上記ギア1の本体部3のうち、接合時に上記シンクロコーン2と対向する対向面6には、ギア1の軸心Xを中心としてリング状に形成された直径の異なる一対の受け部8a,8bが突設されている。このうち受け部8aの直径は、上記シンクロコーン2の突起部15の直径Dよりも大きい値とされ、もう一方の受け部8bの直径は、上記突起部15の直径Dよりも小さい値とされている。また、図5等にも示すように、上記受け部8a,8bの突出高さは、上記突起部15の突出高さよりも小さい値とされており、上記ギア1とシンクロコーン2との接合時に上記突起部15が相手側の対向面6(より具体的には受け部8a,8bの間の面)に当接した時点で、上記シンクロコーン2の対向面13と受け部8a,8bとの間に所定の隙間が形成されるようになっている。
次に、以上のように構成されたギア1およびシンクロコーン2を接合する手順につい図2〜図7を用いて説明する。ここでの接合は、図4等に示される上部電極21および下部電極22等を備えた接合装置を用いて行われる。なお、以下の説明では、上記上部電極21および下部電極22を上下方向に対向配置して、その間に上記ギア1およびシンクロコーン2を挟み込むようにして接合を行うが、例えば、上記両電極21,22を水平方向に対向配置した状態で接合を行うことも当然に可能である。
上記下部電極22は、図2〜図5に示すように、ベース部27と、このベース部27から上方に突出するように設けられた突出軸部28と、この突出軸部28の外周を取り囲むように設けられたリング状の電極部29とを有している。このような下部電極22は、接合作業時に、上記突出軸部28がギア1の挿通孔5に挿入され、かつ上記挿通孔5の下側の周縁部からなる座面部7に上記電極部29の上端面が突き当てられた状態で使用される。なお、上記突出軸部28の外径は、上記ギア1の挿通孔5の内径よりもある程度小さくされており、上記挿通孔5に突出軸部28が比較的スムーズに挿入されるようになっている。
一方、上記上部電極21は、図4等に示すように、ベース部23と、このベース部23の下面に取り付けられた電極部24とを有している。電極部24は、下向きに開口する凹部を有した円筒体からなり、接合作業時には、上記シンクロコーン2のコーン部12上端からなる座面部14に上記電極部24の下端面が突き当てられるようになっている。
また、上記上部電極21および下部電極22の各電極部24,29の間には、図4および図5に示される交流式または直流式の電源供給装置30が設けられており、この電源供給装置30から供給される接合用の高電圧が上記各電極部24,29の間に印加されるようになっている。そして、上記ギア1およびシンクロコーン2に対し上記各電極部24,29がそれぞれ圧着された状態で上記高電圧が印加されることにより、上記ギア1およびシンクロコーン2の間に所定の電流が流れ、その通電による抵抗熱で両者が接合されるようになっている。
以上のように構成された接合装置を用いてギア1とシンクロコーン2とを接合するには、まず、図2に示すように、上記ギア1を下部電極22にセットする。具体的には、上記ギア1を下部電極22に対し上から接近させることにより、上記下部電極22の突出軸部28をギア1の挿通孔5に挿入するとともに、上記ギア1の座面部7を電極部25の上端面に当接させる。これにより、ギア1が下部電極22に対し径方向および軸方向(上下方向)に位置決めされた状態でセットされる。
次いで、図3に示すように、上記下部電極22にセットされたギア1に対し、シンクロコーン2を上から接近させることにより、このシンクロコーン2の嵌合孔10に上記ギア1の円筒部4を挿入する。ただし、上述したように、上記嵌合孔10における小径部10aの内径が上記円筒部4の外径と略同一であることから、この時点で上記円筒部4が嵌合孔10に完全に挿入されることはなく、その挿入の途中で上記シンクロコーン2がギア1に対し仮止めされる。すなわち、円筒部4を嵌合孔10に挿入しようとしても、上記円筒部4の上端部が上記嵌合孔10の小径部10aの位置まで達した時点で、上記小径部10aの内周面と円筒部4の外周面とが互いに接触するため、上記シンクロコーン2は、後述する挿入完了位置(つまりシンクロコーン2およびギア1の各対向面13,6が互いに当接する位置;図4参照)まで移動することなく、その途中で仮止めされて上記ギア1に対し所定距離浮き上がった図3の状態に保持される。なお、当実施形態では、図2に示すように、ギア1を下部電極22に対しセットした後に、図3に示すようにギア1の円筒部をシンクロコーン2の嵌合孔10に部分的に挿入して上記シンクロコーン2を仮止めするようにしたが、このようなシンクロコーン2の仮止めをあらかじめ行った上で、上記ギア1を下部電極22にセットすることも当然に可能である。
次いで、上記のようにしてギア1に仮止めされたシンクロコーン2に対し上部電極21(図4参照)を上から接近させ、その電極部24の下端面を上記シンクロコーン2の座面部14に突き当てるとともに、その状態で下向きの加圧力F1(例えば1ton)を上記上部電極21に加えることにより、図4に示される挿入完了位置、つまり、シンクロコーン2の対向面13に突設された上記突起部15がギア1の対向面6に当接する位置まで上記シンクロコーン2を押し込む。
そして、最終的に図5に示すように、上記上部電極21に対する加圧力を、先の図4の時点における加圧力F1よりもさらに大きい加圧力F2(例えば8ton)に増大させるとともに、上記電源供給装置30を作動させて上記上部電極21および下部電極22の間に接合用の高電圧を印加することにより、上記ギア1およびシンクロコーン2を比較的大きな力で接近方向に加圧しつつ、両者の間に瞬間的に大きな電流A(例えば320kA程度)を流し、このときの抵抗熱によって上記ギア1およびシンクロコーン2を接合する。
具体的に、上記ギア1およびシンクロコーン2の間を流れる電流Aは、図6に示される接触部S1,S2、つまり、突起部15と相手側の対向面6との接触部S1と、円筒部4および嵌合孔10の各周面どうしの接触部S2とを介してそれぞれ流れる。すると、このときの抵抗熱によって上記接触部S1,S2における金属が軟化または溶融するとともに、通電が停止されて当該部の金属が再び硬化することにより、上記接触部S1,S2が一体化されて上記ギア1とシンクロコーン2とが接合される。なお、上記構成において「金属が軟化または溶融」とあるのは、通電による抵抗熱で上記接触部S1,S2の金属を完全に溶融させてもよいし、それよりも低い温度で軟化させてもよいということである。すなわち、本発明における接合の形態には、上記接触部S1,S2の金属を融点以上に昇温させて再凝固させる場合と、融点よりも低い温度で軟化させて塑性流動を生じさせ、固相状態で接合する場合との両方が含まれる。
図7は、上記ギア1およびシンクロコーン2の接合が完了した状態を示す図である。本図に示すように、接合が完了すると、上記シンクロコーン2の突起部15がつぶされ、上記ギア1の対向面6に設けられた受け部8a,8bにシンクロコーン2の対向面13が当接した状態になる。すなわち、通電による抵抗熱で上記突出部15が軟化または溶融するのに合わせて、上記シンクロコーン2に上部電極21からの下向きに加圧力F2(図5)が加えられることにより、上記突起部15がつぶされてシンクロコーン2全体が下方に変位し、上記ギア1の受け部8a,8bにシンクロコーン2の対向面13が当接する。これにより、シンクロコーン2の軸方向位置がギア1に対し位置決めされるとともに、上記突起部15と対向面6との接触部S1の周囲が、上記受け部8a,8bによって外部から密閉される。
なお、先にも述べた通り、上記ギア1の円筒部4とシンクロコーン2の小径部10aとの間には、通電を行う前の時点において加工公差程度のわずかな隙間もしくは締め代が存在するのが通常であるが、このような状況で上記ギア1およびシンクロコーン2の間に所定の電流を流すことにより、両者の間に締め代が存在する場合はもちろんのこと、隙間が存在する場合でも、上記円筒部4と小径部10aとの接合(接触部S2の接合)は問題なく行われると考えられる。すなわち、上記円筒部4と小径部10aとの間に上記のようなわずかな隙間が存在したとしても、局所的に見れば、両者の周面の一部が必ず接触していると考えられるため、そこを起点として通電による抵抗熱が発生し、その後の金属の軟化または溶融に伴って上記接触部の面積が拡大することにより、最終的には上記円筒部4と小径部10aとが略全周にわたって接合される。
以上説明したように、上記第1実施形態の金属部材の接合方法は、所定厚みの本体部3およびそこから厚み方向に突出する円筒部4を有したギア1と、このギア1の円筒部4が挿入される嵌合孔10を有したシンクロコーン2とを、通電による抵抗熱で接合するというものである。そして、この接合方法には、上記ギア1の本体部3と対向するシンクロコーン2の対向面13に、所定高さの突起部15を設ける工程と、上記ギア1の円筒部4を上記シンクロコーン2の嵌合孔10に挿入して両者の各周面どうしを接触させるとともに、上記突起部15を相手側(ギア1)の対向面6に当接させる工程と、この状態で上記ギア1およびシンクロコーン2を接近方向に加圧しつつ通電することにより、上記突起部15と相手側の対向面6との接触部S1を接合するとともに、上記円筒部4および嵌合孔10の各周面どうしの接触部S2を接合する工程とが含まれる。この方法によれば、寸法精度や接合強度を十分に確保しつつ、より効率よく金属部材の接合を行えるという利点がある。
すなわち、上記第1実施形態では、ギア1の円筒部4をシンクロコーン2の嵌合孔10に挿入して両者の各周面どうしを接触させ(つまり円筒部4の外周面と嵌合孔10の小径部10aの内周面とを互いに接触させ)、かつシンクロコーン2に設けられた突起部15をギア1の対向面6に当接させた状態で通電を行うことにより、上記ギア1およびシンクロコーン2の軸心(図1のX,Y)を比較的容易に一致させながら、上記突起部15と相手側の対向面6との接触部S1と、上記円筒部4および嵌合孔10の各周面どうしの接触部S2との両方を同時に接合することができる。このため、接合後の寸法精度(同心度)を十分に確保しつつ、上記2箇所の接触部S1,S2を介してギア1およびシンクロコーン2を高強度に接合することができるとともに、1回の通電で上記接触部S1,S2を同時に接合することにより、その作業効率を効果的に向上させることができるという利点がある。
また、上記第1実施形態では、ギア1の対向面6に、上記突起部15の直径Dよりも大径または小径の(つまり突起部15に対し径方向外側または内側に位置する)リング状の受け部8a,8bを形成し、上記ギア1とシンクロコーン2との接合完了時に、上記受け部8a,8bを上記シンクロコーン2の壁面(対向面13)に当接させるようにしたため、上記シンクロコーン2の軸方向位置をギア1に対し正確に位置決めすることができ、接合後の寸法精度をより効果的に向上させることができるという利点がある。また、上記のように受け部8a,8bをシンクロコーン2の対向面13に当接させて両者の隙間をなくすことにより、例えば接合後の後処理として上記ギア1およびシンクロコーン2に対しショットピーニングを施す際に、上記接触部S1周辺のわずかな隙間にショット粉がつまってしまうのを効果的に防止できるという利点もある。
なお、上記第1実施形態では、突起部15の径方向外側および内側に位置する2つの受け部8a,8bをギア1の対向面6に設けたが、ショット粉のつまりを防止しつつシンクロコーン2を位置決めするには、少なくとも径方向外側の受け部8aが存在すればよいので、径方向内側の受け部8bについては省略してもよい。
また、上記第1実施形態では、ギア1およびシンクロコーン2を挟んで対向配置される一対の電極21,22を用いて加圧および通電を行うようにしたが、例えばギア1およびシンクロコーン2を専用のプレス機により加圧しつつ、これとは別体に設けられた電極を用いて通電を行うことも当然に可能である。ただし、このようにした場合には、プレス機用の設備と電極用の設備の両方が必要であるため、設備全体が複雑化する等の問題が生じる。これに対し、上記第1実施形態のように、ギア1およびシンクロコーン2の加圧および通電の両方を一対の電極21,22を用いて行うようにした場合には、上記ギア1およびシンクロコーン2の接合をより簡略な設備を用いて効率よく行えるという利点がある。
また、上記第1実施形態では、シンクロコーン2の対向面13に突起部15を設けるとともに、ギア1の対向面6に受け部8a,8bを設けたが、これとは逆に、ギア1側に突起部15を設け、かつシンクロコーン2側に受け部8a,8bを設けてもよい。また、上記突起部15および受け部8a,8bを、ギア1およびシンクロコーン2のいずれか一方にまとめて設けてもよい。
また、上記第1実施形態では、手動変速機(MT)用のギア1およびシンクロコーン2の接合に本発明の接合方法を適用した場合を例について説明したが、本発明の接合方法は、比較的高度な寸法精度および接合強度が求められる金属部材どうしの接合に幅広く適用することが可能である。次に、上記第1実施形態とは異なる金属部材に本発明の接合方法を適用した場合の一例を実施形態2として説明する。
<実施形態2>
図8は、本発明の第2実施形態にかかる金属部材の接合方法を説明するための図である。ここでは、上記第1実施形態と異なり、自動変速機(AT)用の部品であるワンウェイクラッチアウターレース51およびクラッチドラム52に本発明の接合方法が適用される。
上記ワンウェイクラッチアウターレース51(以下単にアウターレース51と称する)は、外周にスプライン歯G3が形成された本体部53と、この本体部53から厚み方向に突出する多段状の円筒部54とを有している。一方、上記クラッチドラム52には、上記円筒部54の基端部の外径と略同一の内径を有した嵌合孔60が形成されており、この嵌合孔60に上記円筒部54が挿入された状態で上記アウターレース51とクラッチドラム52とが接合されるようになっている。すなわち、当実施形態では、アウターレース51が本発明にかかる第1金属部材に相当し、クラッチドラム52が本発明にかかる第2金属部材に相当する。
上記アウターレース51の本体部53のうち、上記クラッチドラム52と対向する対向面56には、所定高さの突起部65が設けられており、接合時にはこの突起部65がクラッチドラム52の対向面63と接触するようになっている。また、上記アウターレース51の対向面56のうち、上記突起部65の径方向外側に位置する部位には、突出高さが上記突起部65よりも低い受け部58が設けられており、接合時に上記突起部65がつぶされた状態で、上記クラッチドラム52の対向面63が上記受け部58に当接するようになっている。すなわち、当実施形態では、先の第1実施形態と異なり、第1金属部材に相当するアウターレース51に、突起部65および受け部58の両方が設けられている。
以上のように構成されたアウターレース51およびクラッチドラム52の接合は、図9に示される一対の電極71,72を用いて行われる。なお、その接合の手順は上記第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
そして、上記のような接合が完了することにより、図10に示される接触部S3,S4、つまり、上記突起部65と対向面63との接触部S3と、上記円筒部54および嵌合孔60の各周面どうしの接触部S4との両方が同時に接合されるようになっている。
以上説明したような本発明の第2実施形態によれば、アウターレース51およびクラッチドラム52の接合を、先の第1実施形態での接合時(つまりギア1およびシンクロコーン2の接合時)と同様に、寸法精度や接合強度を十分に確保しつつより効率よく行えるという利点がある。
本発明の第1実施形態にかかる金属部材の接合方法を説明するための図であり、接合対象としてのギアおよびシンクロコーンの形状を示す分解断面図である。 上記ギアを下部電極にセットした状態を示す図である。 上記下部電極にセットされたギアにシンクロコーンを仮止めした状態を示す図である。 上記シンクロコーンを上部電極により上から加圧して挿入完了位置まで押し込んだ状態を示す図である。 上記上部電極および下部電極の間に接合用の電流を流すときの状況を示す図である。 図4および図5の一部拡大図である。 接合完了時の状況を示す図6相当図である。 本発明にかかる金属部材の接合方法の第2実施形態を説明するための図であり、接合対象としてのアウターレースおよびクラッチドラムの形状を示す分解断面図である。 上記アウターレースおよびクラッチドラムを接合するときの状況を示す図である。 接合完了時の状況を示す拡大段面図である。
符号の説明
1 ギア(第1金属部材)
2 シンクロコーン(第2金属部材)
3 本体部
4 円筒部
6 対向面
8a,8b 受け部
10 嵌合孔
13 対向面
15 突起部
21 上部電極(電極)
22 下部電極(電極)
S1,S2 接触部
51 アウターレース(第1金属部材)
52 クラッチドラム(第2金属部材)
54 円筒部
56 対向面
58 受け部
60 嵌合孔
63 対向面
65 突起部
71,72 電極
S3,S4 接触部

Claims (4)

  1. 所定厚みの本体部およびそこから厚み方向に突出する円筒部を有した第1金属部材と、この第1金属部材の円筒部が挿入される嵌合孔を有した第2金属部材とを、通電による抵抗熱で接合する方法であって、
    上記第1金属部材の本体部の壁面およびこれと対向する第2金属部材の対向面のうちのいずれか一方に、所定高さの突起部を設ける工程と、
    上記第1金属部材の円筒部を上記第2金属部材の嵌合孔に挿入して両者の各周面どうしを接触させるとともに、上記突起部を相手側の対向面に当接させる工程と、
    この状態で上記第1および第2の金属部材を接近方向に加圧しつつ通電することにより、上記突起部と相手側の対向面との接触部を接合するとともに、上記円筒部および嵌合孔の各周面どうしの接触部を接合する工程とを含むことを特徴とする金属部材の接合方法。
  2. 請求項1記載の金属部材の接合方法において、
    上記第1および第2の金属部材の加圧および通電を、両金属部材を挟んで対向配置される一対の電極を用いて行うことを特徴とする金属部材の接合方法。
  3. 請求項1または2記載の金属部材の接合方法において、
    上記第1金属部材が変速機用のギアであり、上記第2金属部材がシンクロコーンであることを特徴とする金属部材の接合方法。
  4. 請求項3記載の金属部材の接合方法において、
    上記ギアおよびシンクロコーンのいずれか一方に、上記突起部よりも径方向外側に位置するリング状の受け部を形成し、上記ギアとシンクロコーンとの接合完了時に、上記受け部を上記シンクロコーンの壁面に当接させることを特徴とする金属部材の接合方法。
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