JP2009259588A - 金属板の誘導加熱装置および誘導加熱方法 - Google Patents

金属板の誘導加熱装置および誘導加熱方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄い金属板であっても、磁性、非磁性を問わず加熱温度分布が制御でき、特に金属板端部の温度の温度制御性に優れる誘導加熱装置および誘導加熱方法を提供する。
【解決手段】誘導コイルの内側を通過する金属板を誘導加熱する装置であって、前記誘導コイルを前記金属板の長手方向に2組以上隣り合わせて配置し、前記金属板の表面側と裏面側の誘導コイルを構成する導体を、それぞれ前記金属板へ垂直投影した際の垂直投影像において、前記2組以上の誘導コイルそれぞれにおける前記金属板の中央部では、前記表面側と裏面側の導体が、前記金属板の長手方向に対して互いに重ならないようにずらして配置され、更に前記表面側の導体同士が近接すると共に前記裏面側の導体同士がそれよりも離れて配置され、又は、前記裏面側の導体同士が近接していると共に前記表面側の導体同士がそれよりも離れて配置され、さらに、導体近傍に磁性体コアを配置した。
【選択図】図7(a)

Description

本発明は、鉄やアルミなどの鉄及び非鉄金属板の誘導加熱装置および誘導加熱方法に関する。特に、金属板が薄板、厚板にかかわらず、非磁性状態でも金属板を効率よく加熱する誘導加熱装置において、特に金属板の温度を精密に制御し加熱できる誘導加熱装置および誘導加熱方法に関する。
金属の高周波電流による誘導加熱は、焼き入れをはじめとして熱処理をするために広く使われている。鋼板やアルミ板などの鉄、非鉄の薄板も製造過程で材質を制御する目的で、加熱速度をあげて、生産性の向上や、生産量を自在に調整する目的などで、従来のガス加熱や電気加熱による間接加熱に代わる加熱方式として使用されてきている。
金属板を誘導加熱する場合には、大きく2つの方式がある。1つは、金属板の周囲を囲んだ誘導コイルに高周波電流を流し、発生した磁束が金属板の長手方向を貫通し、金属板の断面内に誘導電流を発生させ加熱するいわゆるLF(縦断磁束加熱)方式と呼ばれる誘導加熱方式と、金属板を1次コイルの巻かれたインダクターと呼ばれる良磁性体の間に配置し、1次コイルに電流を通じ発生させた磁束をインダクターに通すことにより、インダクター間を流れる磁束を金属板が横切る様に通過することにより、金属板の平面に誘導電流が発生し誘導加熱するTF(横断加熱方式)方式である。
LF方式の誘導加熱は、温度分布の均一性が良いものの、発生する誘導電流は板断面内を循環するが、電流浸透深さの関係から、板厚が薄い場合には電源の周波数を高くしなければ誘導電流が発生せず、更に、非磁性材、あるいは磁性材でもキュリー点温度を超えたものは、電流の浸透深さが深くなるため板厚の薄いものは加熱ができないという課題がある。
一方、TF方式の誘導加熱は、磁束が金属板の平面を貫通するため、板厚や磁性、非磁性の区別無く加熱できるという特徴や、磁気抵抗の小さいインダクターを用いることにより漏れ磁束を少なくでき、金属板の表裏に対抗するインダクター間に磁束を集中させることができるため加熱効率が高いという特徴がある。
その反面、温度分布の不均一が生じやすいという問題や、金属板が対向するインダクターの中心に無い場合、磁性材ではどちらかのインダクターに吸引され、より温度偏差がつきやすくなるという問題がある。さらにTF方式の誘導加熱の場合、金属板の板幅変更や連続通板ラインでは蛇行した場合の対応が難しいという欠点がある。
これらの課題を解決するため、特許文献1では、帯板の進行方向の表面、裏面のシングルターンのコイルをずらして配置することが開示されている。
また、特許文献2では、金属板に面する誘導加熱コイルの長軸が湾曲するような菱形形状の誘導コイルが提案されている。
特許文献3は、本発明者による金属板を周回する誘導コイルを進行方向でシフトさせる誘導コイルを提案している。
特開2002−43042号公報 特開2002−151245号公報 特開2005−209608号公報 WO2006/088067号公報 WO2006/088068号公報 特開2007−95651号公報
図1は、従来のLF方式の誘導加熱を示す模式図である。金属板である金属板1の周囲を高周波電源2に接続された誘導コイル3で囲み、1次電流5を通じることにより、金属板1の内部を磁束4が貫通し磁束4の周りに誘導電流が発生し、発生した誘導電流により金属板1を加熱する。図2は、誘導電流が金属板1の断面内に発生する様子を示す断面模式図を示す。
金属板1を貫通する磁束4により、金属板1の断面には誘導コイル3に流れる1次電流5と逆向きの方向に誘導電流6が流れる。この誘導電流6は、金属板1の表面から<1>式で示される電流浸透深さδの範囲に集中して流れる。
δ[mm]=5.03×10+5(ρ/μrf)0.5 ・・・ <1>式
ここで、ρ:比抵抗[Ωm]、μr:比透磁率[−]、f:加熱周波数[Hz]
発生した誘導電流6は、図2に示す様に金属板断面の表裏で6aと6bの大きさが等しく逆向きに電流が流れるため、電流浸透深さδが深くなると、板表裏の誘導電流が互いに打ち消し合い、金属板断面内を電流が流れなくなってしまう。
金属は、温度の上昇に伴いρが上昇するため、δは温度上昇とともに深くなる。また、強磁性や常磁性の磁性材は、温度が上昇しキュリー点に近づくにつれμrが減少し、キュリー点を超えるとμrは1になる。
また、非磁性材もμrは1である。μrが小さくなると、1式より非磁性材、あるいは磁性材の場合はキュリー点直前からキュリー点を超える温度域では、電流浸透深さδが深くなり、薄い板厚の金属板では加熱ができなくなってしまう。
例えば、加熱周波数が10[KHz]の場合、常温で各種金属の電流浸透深さδは、非磁性のアルミで約1[mm]、SUS304で約4.4[mm]、磁性材の鋼では約0.2[mm]であるのに対し、磁性材である鋼がキュリー点を超えた750℃では電流浸透深さδは約5[mm]となる。
金属板内に発生する表裏電流が打ち消し合わないためには、板厚は最低でも、10[mm]以上必要であり、効率よくパワーを入れるためには、15[mm]程度の厚みが必要になる。
一般に、熱処理は、10数μmの箔のような薄板から100mmを超えるような厚板まで様々な厚みのものを対象としている。例えば、使用量の多い金属板の代表的な素材である自動車や家電品に使用される鋼板は、通常冷間圧延の済んだ3[mm]前後より薄い板厚が多く、特に2[mm]以下の場合が多い。これらの材料をLF式で加熱するためには、加熱周波数を、数100[KHz]以上に上げる必要があるが、大容量で高い周波数の電源製作などにハード上の限界があり、工業規模で実現することは困難な場合が多い。
特許文献1の方法は、金属板の上下に誘導コイルを配置した1種のTF方式と考えられ、金属板の進行方向で発生する磁束は交互に逆向きに発生するが、上下コイルがずれているため、上下コイルで発生する磁束が打ち消し合う領域と磁束が帯板を斜めに横切る領域が交互にでき、磁束が集中するのを防ぐことが可能になっていると考えられる。
そのため、従来のTF方式ではエッジ部に磁束が集中し、エッジが過加熱するという問題を緩和する効果が発現すると考えられるが、磁束が打ち消し合う領域ができること、シングルターンであるため、帯板にパワーを入れ電界強度を上げるためにはコイルへ流す電流値を大きくしなければならず、コイルの銅損が増えることなどのため効率が低下しやすいという問題がある。
効率を上げるためには、同公報の実施例で開示されているように上下のシングルターンコイルを帯板に近接させる必要があるが、通板している帯板は形状が変形していたり振動したりするため、広幅で長い区間を通板しながら加熱するには困難がある。
また、特許文献2の方法は、金属基材の面と対向するように金属基材の搬送方向おいて、幅方向中央で最も広がった誘導加熱コイルを備え、金属基材の搬送方向に沿ったコイル幅の合計を、実質的に均一とする方法であるが、この方法は、金属基材に向かい合わせた誘導コイルからの漏れ磁束により加熱を行う方法となるため、誘導コイルとの距離が離れると磁束が金属基材を貫通する保証はなく、金属基材と近接させないと加熱が起きにくく、また、金属基材の形状が悪く誘導コイルとの距離が変化する場合には大きな温度偏差が生じる。
また、誘導コイルの幅を進行方向で実質同じ幅になるように菱形形状のコイルとしているが、この形状では金属基材の板幅が変化したときには対応がつかない。回転機構を設けるようにしているが、回転させた場合には進行方向で加熱時間が同じにはならないため、均一温度にはなりにくいし、工業規模で大電流を流す加熱装置の回転機構を実現するのは、極めて困難が伴う。
両特許文献とも、誘導コイルが金属を囲んだ閉ループ内の加熱ではないため、磁束が確実に金属板を貫通する保証は無く、誘導コイルとの距離の影響を受けやすいとともに、誘導コイルのターン数が変えられないため磁束密度を制御することが難しい。
それに対し、特許文献3は、上記加熱装置の欠点を解消するため、金属板を囲む誘導コイルを金属板の進行方向でずらすことにより、金属板表裏に面した誘導コイルの直下の金属板内に表裏誘導コイルで発生する誘導電流がお互いに干渉しないように独立した電流を発生させることで、電流の浸透深さ以下の板厚の金属板でも非磁性の金属板でも加熱することができることを示している。また、誘導コイルが金属板を閉じて周回することから、磁束は必ず金属板と鎖交するため誘導コイルと金属板が比較的離れていても容易に加熱することができるという実用上の大きな利点もある。
ところが、金属板中央で発生した誘導電流は金属板端部を流れる時に電流が集中し高電流密度になりやすいこと、表裏の誘導コイルを離したことにより、誘導電流が端部を流れる時間が長くなることから、金属板端部が過加熱になりやすく、温度偏差の小さな分布を得るための条件(表裏誘導コイルのズレ量、誘導コイルの幅等)が極めて狭いという問題があった。
上記3方式とも、非磁性加熱を行うことはできるものの、加熱温度分布を精密に制御することは難しく、金属板の変形や、既存炉の途中に設置する場合などでは断熱材の厚みを等、通板性を考慮した場合、金属板と誘導コイルとの間隔を狭くすることは難しい。また、金属板の板幅の変更や蛇行などへの対応も難しい。
そこで、本発明者は特許文献4、特許文献5、及び、特許文献6において、金属板端部を流れる電流を制御するため、金属板端部において誘導コイルを傾斜させる等の方法により、金属板端部を流れる電流密度、加熱時間を制御する方法を提案するとともに、蛇行や金属板の幅変更へ対応する方法について提案した。特許文献4、5、及び6の方法では、上述の3方式に比べて、大幅に温度分布制御が可能であるものの、条件によっては金属板端部と中央部の温度偏差を十分には解消できないケースもあった。また、誘導コイルを傾斜させる必要があるため、金属板長手方向に装置の設置スペースをより多く必要とするという問題もあった。
本発明は、これら従来のLF方式やTF方式が抱える金属板の誘導加熱の課題を解決するもので、誘導コイルを用いて、磁性材に限らず非磁性材や非磁性域においても、金属板と誘導コイルとのギャップを十分に保ちながら、上記特許文献4、特許文献5、及び特許文献6に記載している誘導加熱装置と比べて、同等以上に温度制御性に優れるとともに、装置の設置スペースをより小さくすることができ、幅変更や蛇行などにも効果的に対応する事が可能で、効率よく加熱できる誘導加熱装置および誘導加熱方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は下記の通りである。
(1)金属板の表面との間に間隙を有して、金属板の幅方向に周回するように金属板の表面側の導体と裏面側の導体を接続して形成された誘導コイルを有し、この周回する誘導コイルの内側を通過する金属板を誘導加熱する装置であって、前記誘導コイルを前記金属板の長手方向に2組以上隣り合わせて配置し、前記金属板の表面側と裏面側の誘導コイルを構成する導体を、それぞれ前記金属板へ垂直投影した際の垂直投影像において、前記2組以上の誘導コイルそれぞれにおける前記金属板の中央部では、前記表面側と裏面側の導体が、前記金属板の長手方向に対して互いに重ならないように間隙を開けて配置され、更に、前記隣り合う2組以上の誘導コイルにおいて、前記表面側の導体同士が金属板の長手方向に近接すると共に前記裏面側の導体が前記表面側の導体同士の近接する間隔よりも大きい金属板長手方向の間隔を有して配置され、又は、前記裏面側の導体同士が金属板の長手方向に近接していると共に前記表面側の導体が前記裏面側の導体同士の近接する間隔よりも大きい金属板長手方向の間隔を有して配置され、且つ、前記2組以上の誘導コイルそれぞれにおいて、前記金属板の長手方向における前記表面側と裏面側の導体の間には、前記金属板の端部を覆うように前記金属板の表面側から裏面側に渡る磁性体コアが配置され、前記誘導コイルに交流を通電した際に、前記近接する導体同士に同相の電流が流れるように装置が構成されていることを特徴とする金属板の誘導加熱装置。
(2)前記磁性体コアが、前記金属板の長手方向において、前記誘導コイルの表面側導体および裏面側導体のいずれか一方または両方の近傍に隣接して配置されたことを特徴とする上記(1)記載の金属板の誘導加熱装置。
(3)前記金属板の端部を覆うように設けられている磁性体コアが、金属板の端部からの覆う量を変えることができるように水平方向に移動する機構を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の金属板の誘導加熱装置。
(4)上記(3)に記載の誘導加熱装置を用いた誘導加熱方法であって、前記誘導加熱装置の誘導コイルの内側に金属板を通過させると共に、前記誘導コイルに交流電流を通電し、前記誘導コイルの近接する導体同士に同じ方向の同相の電流を流すことにより金属板を加熱するに際し、前記磁性体コアの金属板の端部から覆う量を変更することにより、金属板端部の温度分布を変更することを特徴とする金属板の誘導加熱方法。
本発明でいう「金属板の長手方向」とは、金属板の通過方向(搬送ラインと同一方向)のことである。
本発明による誘導加熱装置や誘導加熱方法を用いることで、板厚の厚い金属板材料や磁性域の薄板の加熱を可能とするだけではなく、従来の誘導加熱方式では不可能であった、板厚が薄く比抵抗が小さく非磁性のアルミや銅などの非鉄金属板の加熱、及び、鉄などの磁性材におけるキュリー点以上の温度での非磁性域における加熱を可能とする。
更に、特許文献4、5、及び6に記載の発明と同等以上に温度制御性に優れるとともに、装置の設置スペースをより小さくすることができる。
更に、金属板中央部の温度を上昇させ、金属板端部の温度上昇を抑制することで、金属板全体の温度分布が制御でき、金属板端部の過加熱を抑制または防止ができる。
また、本発明の一実施形態によれば、本誘導加熱装置の前工程から持ち込まれる金属板の温度偏差の解消や、後工程での温度特性を考慮し、所望の金属板に温度分布をつけて加熱することなど、要求される冶金特性に合わせた加熱速度、温度分布で加熱することにより、高品質の製品を安定して作りこめるとともに、操業変動による品質への影響を解消することが可能となる。
更に、本発明の一実施形態によれば、ガス加熱の炉で問題となる熱慣性の影響が無いため、金属板の板厚や板幅、金属材料の種類の変更により、炉の温度変更をしなければならないときでも、加熱速度を自在に制御できることから、通板速度を変更する必要も無くなる。そのため、ガス加熱の炉では、通常、炉温変更時に炉が安定するまでの間必要とされる繋ぎ材が不要になるばかりではなく、通板速度を落とすことなく生産を続けられるため、生産性の低下を回避できるとともに操業計画の自由度が大幅に向上する。
また、本発明の一実施形態によれば、金属板の板厚・板幅の変更に対応できるだけではなく、蛇行などの変動要因にも柔軟に対応し、所望の温度分布が得られるばかりではなく、板幅に応じた誘導コイルのセットを複数持たずに済むことから、設備費も安価にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、説明を簡単にするため、2組の誘導コイルとして、各組1T(ターン)の誘導コイルを2組直列接続した場合について図面を用いて説明するが、各組1Tに限定されるものでは無く、複数Tでもあるいは1Tの並列接続でも可能である。ここで言う並列接続とは、通常の電気接続で使われる用語と同じで、2組以上の誘導コイルを同じ電圧、位相で接続して回路を形成する接続をいう。たとえば、図7(b)は1Tの誘導コイルを2組並列接続した例で、図7(c)は金属板を2周した2Tの誘導コイル2組を並列にした例であり、図7(d)は、1Tの誘導コイルを金属板長手方向に2組並べ直列接続して2Tとしたものを1ユニットとし、このユニットが2段並列で配置されている例である。
図7(a)は、本発明の誘導加熱装置の1例を示す平面模式図であり、図8は、図7(a)の装置を使用して誘導加熱を行った際の金属板1に発生する誘導電流の模式図である。以下の本発明の説明で用いる誘導コイルとは、電気良導体で構成されるパイプや線材、板などで金属板である金属板の周囲を1周以上巻いた、導体により形成されるコイルの総称として用い、金属板を囲む形状は矩形でも円形でも特に規定するものではない。
本発明では、並列接続を含め金属板1の周りに誘導コイルを2周以上巻く場合は、各ターン(T)の導体同士は隣接して設置される。すなわち、たとえば図7(a)(直列接続)および図7(b)(並列接続)の場合には、金属板1の裏側に配置される導体3bと3cが近接して配置され、図7(c)では、3b,3b’の導体と3c,3c’の導体がそれぞれ隣接し、また導体3b,3b’と導体3c,3c’が裏面側で近接して配置されている。
導体の材質は、銅やアルミ等の電気伝導良好な材質が好ましい。
また、本発明でいう誘導コイル1組とは、表裏誘導コイルが金属板を1周して誘導コイルを構成する最小の単位のことであり、2組とは、この表裏誘導コイル対が2対あることを示す。
本発明では、先ず、図3に示す様に誘導コイルの内側を通過する金属板1の表面側と裏面側の誘導コイルを構成する導体3aおよび3bを、それぞれ該金属板へ垂直投影した際に、表面側と裏面側の該導体の垂直投影像が、金属板の長手方向に対して互いに間隔を有する(ずれる)ように該導体を配置する。
すると、図4の側断面図(図3のA−A断面、説明を簡単にするため導体3aによる作用のみで説明をする)に示すように、導体3aに流れる電流によって(図では紙面手前から奥へ流れる)、右ねじの法則により、金属板1には斜めに磁束4が貫通し、その磁束により誘導電流6aが発生する。したがって、斜めに電流パスが広がることで生じた誘導電流6aの浸透深さδが板厚tより厚くても、誘導電流は流れるようになる。
上記作用の結果、金属板1の内部には、図5で示すような誘導電流が発生する。その際、図3で示したように、誘導コイル3aと3bとは金属板進行方向でずらして(間隔をあけて)配置しているため、誘導コイル3aと3bとで発生した誘導電流6aと6bとは干渉することがなく、金属板1全体では、図5に示す様な環状電流が発生し、金属板1が非磁性材でも加熱することが可能になる。図6は、図5のB-B断面を流れる電流の模式図を示す。
ところが、金属板端部を流れる電流は、表裏の誘導コイル3aと3bとを結ぶ接続用の導電部材8、あるいは表裏の誘導コイル3aと3bと電源とを結ぶ導電部材7を流れる一次電流との間のリアクタンスを小さくしようとするため、金属板の端部に寄せられてしまうため電流路が狭くなってしまい、接続用の導電部材7及び導電部材8を流れる一次電流により発生する磁束が、距離の最も短い金属板端部を集中的に貫通してしまうことに加え、金属板端部が中央部に比べ加熱時間がd3の距離分だけ多く加熱されてしまうため、金属板端部は過加熱になりやすい(中央部:d1×2、端部:d1×2+d3)。
また、誘導コイルが1組の場合には、金属板中央部でも磁束は誘導コイルから外に広がりやすくなることから、誘導電流の電流密度も低下するため、中央部の温度が上昇しにくく、金属板中央部と金属板端部との温度偏差は拡大しやすい。
そこで、本発明では誘導コイルを2組以上用いて隣り合う組のコイルの導体同士を金属板の表面側又は裏面側にて近接させる。すなわち、図7(a)の例のように、導体3aと3bで対を為す1組の誘導コイルと、導体3dと3cで対を為すもう1組の誘導コイルとの、合せて2組の誘導コイルを、金属板の長手方向に隣り合わせて配置し、図7(a)の例では裏面側の導体3bと3cとを近接配置し、同相の一次電流が流れるように(3aと3dに対しては逆相)、導電部材7a、7b、8a、8b、8c、及び、交流電源2を配置する。
導体3b、3cに同相の一次電流を流すと、コイル導体が近接していることにより磁束は2倍になり電流密度が上昇する。また、近接する2つの誘導コイル導体3b、3cで発生した磁束は、ずらして(金属板長手方向に間隔を開けて)配置したコイル導体3a、3dと逆向きのため、3a、3dで発生した磁束と干渉しないように且つ磁束が広がらないように誘導コイル導体3b、3cの近傍に集中しやすくなり、電流密度が高くなり金属板幅方向で温度が上昇しやすくなる。
ただし、誘導コイル導体3a、3dの外側(金属板の長手方向の前方側又は後方側、図7(a)では、3dの上側および3aの下側)は、対抗する磁束がなく誘導コイルの外側に広がろうとするため、磁束の集中がしにくく金属板に発生する誘導電流の密度も下がるため、図8に示すように昇温量も近接する誘導コイル導体に比べれば少ない(矢印は発生する誘導電流を示し、色の濃淡は濃いほど電流密度が高く温度が高いことを示す)。図8で濃淡の領域の外に小さな矢印10a,10b,10c,10dを示したが、これは濃淡をつけた主電流の外に流れるマイナーな電流を示す。このマイナーな電流は、値は小さいが金属板端部に沿って流れるため、端部温度上昇の要因にもなる。そのため、図7(a)のように金属板の長手方向に平行に誘導コイルの導体を配置する場合には、近接する導体の数を増せば増すほど、金属板端部の温度上昇に比較して、相対的に金属板幅方向全体の温度が上昇しやすく、金属板端部温度との温度偏差は解消してゆく方向となる。なお、コイル導体の近接する距離は、コイル導体幅や流す一次電流にも左右されるが、近ければ近いほど良いが離さなければならない場合には、コイル導体の幅以下にするのが望ましい。
しかし、図3〜図6で説明したように、誘導コイルを金属板長手方向に平行してずらして配置しただけでは、金属板端部を流れる電流の影響による金属板端部の過加熱はなくならないため、さらに加熱した金属板の温度偏差をさらに解消するために、本発明では図7(a)に示すように金属板の端部を覆うように表面側から裏面側に渡って、金属板長手方向における表裏誘導コイル間に少なくとも1つの磁性体コア(9a、9b、9c、9d)を設置する。
図9に、図7(a)のC-C断面における磁束の流れる様子を示す模式図を示す。コイル導体3aを流れる一次電流(図では紙面の手前から奥へ流れる)によって発生した磁束11は、金属板1の端部近傍で透磁率の高い隣接する磁性体コア9aに取り込まれ、取り込まれた磁束11は、図9のD-D断面を表す図10に示すように、コイル導体3aとは反対の裏面側から金属板1端部に向かい磁束貫通する。その結果、金属板1の端部を流れる誘導電流は金属板中央側にずれることにより電流密度が下がり、金属板端部の過加熱を抑制する。
また、コイル導体に流れる電流で発生する磁束が磁性体コアに入る結果、コイル導体からの磁束が直接金属板端部に入るのを抑制するため、金属板端部側を流れる電流が金属板端部に引き寄せられ電流密度が高くなるのを防止する効果もある。
図11は、表裏のコイル導体3a、3b、3c、3dの近傍にそれぞれ、磁性体コア9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9hを設置した例を示す。図7(a)の場合、コイル導体の金属板の幅方向の片側に1つの磁性体コアを配置していたが、対向するコイル導体(3aと3b、3cと3d)には、方向の異なる電流が流れるため、一方のコイル導体で発生する磁束だけを抑制しても、もう一方のコイル導体の磁束の影響は抑制できないため、両方の磁束を抑制できるように、対向するコイル導体近傍、すなわち、導体の金属板の幅方向両側に、磁性体コアを各々配置するような配置の方が、金属板端部側を流れる誘導電流密度が高くなるのを抑制することができる。
コイル導体間に設置する磁性体コアは、磁束による発熱が起きにくいように磁束飽和しない断面積を確保するとともに、発熱が避けられない場合には水冷板や強制空冷などの冷却手段とともに用いるのが好ましい。磁性体コア間の距離は、干渉を防ぐため近づき過ぎないように配置するのが望ましい。磁性体コアの幅(金属板長手方向の長さ)は、広いと加熱効率が低下することがわかっており、加熱効率を落とさずに金属板端部の温度を抑制するためには、コイル導体の幅の1/3以下にするのが望ましい。また、図8に示す誘導コイルの入出側(金属板の長手方向の前方側または後方側)へ流れるマイナーな電流が無視できない場合には、磁性体コアを誘導コイル導体間だけではなく、誘導コイル導体の外側に配置すると一層金属板端部の過加熱を防止することが可能である。
金属板の端部温度の制御は、また、磁性体コアが金属板端部をどのように覆うかによっても変化する。すなわち、図12(a)および図12(b)は、台座12の上に磁性体コア9aが設置され、駆動装置に連結されたロッド14が往復運動することにより、台座12が軌道13上を自在に往復運動可能にした例を示す。図12(a)は、磁性体コアが金属板端部をわずかに覆う場合(金属板端部からwの範囲)で、このとき磁束は金属板端部の狭い範囲に集中して流れようとするため、金属板最端部を流れる電流を抑制する効果が強い。図12(b)は、磁性体コアを金属板中央部に向かい深く入れた場合で、この場合、金属板端部から金属板中央部への比較的広い範囲に磁束を入れることができることから、金属板端部全体の温度を抑制する効果が大きい。ただし、範囲が広がった分磁束密度は低下するため、効果の効く範囲を計算と実験により確認する必要がある。特定の部位の温度を抑制する方法としては、図12(c)に示すように、磁性体コアの先端を特定の範囲で対向させるようにするなどの方法がある。
図12(a)〜図12(c)で示した方法は、金属板1の板幅が変更した場合や、金属板1が蛇行した場合にも有効で、金属板1の端部の情報をあらかじめエッジポジションセンサーや、操業情報の指令等で駆動装置の制御系に入力することにより、適切な位置に磁性体コアを移動させることにより温度制御が適正にすることが可能となる。更に、熱処理炉の途中に本加熱装置を設置する場合には、本加熱装置の前に金属板の温度分布を測定する装置を設けることにより、本加熱装置前の温度分布に応じて所望の温度分布が得られるように、磁性体コアの位置を制御することも可能になる。
以上説明したことは、有限要素法を用いた数値シミュレーション、及び、実験の結果から明らかになったものである。
以上説明したように、本加熱装置および加熱方法は、板厚・板幅によらず、また磁性・非磁性を問わず効果的に加熱することが可能となる。すなわち、電気を使用することで、従来のガス加熱を用いた方法に比べると熱慣性がほとんど無いことから、自在に操業条件を変更することが可能になり、所望の温度に自由に加熱することができ、輻射加熱では熱が入りにくい高温部においても自在な加熱速度で加熱ができるとともに、休止や立ち上げに要する時間もほとんどかからないため操業の自由度が大幅に増大する。また、板幅変更や板厚変更へも容易に対応ができることから、生産計画も生産自体も制約少なくフレキシブルな操業を可能にする。
さらに、設置スペースも輻射加熱に比べると大幅に縮小でき、建設コストも下げることができる。また、操業時に発生する蛇行にも対処可能であり、きめ細かな温度制御を可能とする。
また、本発明による誘導加熱装置および誘導加熱方法は、金属板のサイズ、品種を選ばず1台の装置で広範囲に対応が可能で、かつ、加熱温度分布も、これまでの誘導加熱装置で問題となっていた金属板端部の過加熱を防止する制御が可能で、鋼板などの磁性材の場合特にガス加熱などの輻射加熱では効率が極めて低く、従来の誘導加熱方式では加熱できなかったキュリー点以上の加熱を効率的にすることが可能であり、容易に温度分布を制御できる従来には無い特徴を持つ優れた金属板の加熱装置および加熱方法である。
(実施例その1)
本発明の効果を確認するため、0.5mm厚×600mm幅の非磁性鋼であるSUS304を通板しながら加熱する実験を行った。
使用した電源は、10KHz、max100KWの高周波電源で、共振周波数を調整するための整合用コンデンサを誘導コイルのインダクタンスに合わせて容量を増減し、整合をとるようにした。使用した誘導コイルは、幅100mm、板厚10mmの銅板に、外形10mm、内径8mmの水冷銅パイプを鋼板と反対側(外側)にロウ付けした水冷銅板製である。本実施例において導体は、銅板と銅パイプの両方を指す。磁性体コアは、直方体のフェライトコアから切り出し接着剤で接続して製作した幅20mm、厚み20mm(図12(a)のs)、間口220mm(図12(a)のL)、奥行き200mm(図12aのu)を用いた。
SUS板と誘導コイルとのギャップは100mmとし、図7(a)のように2組の金属板の長手方向に平行に200mmずらした誘導コイルを、裏面側での近接する導体同士を20mmの間隔をあけて隣り合わせて配置し、磁性体コアを誘導コイル一組につきSUS板端部のいずれかの片側に1個、両側で合計2個、誘導コイル導体から20mm離し、20mmSUS板端部を覆うように(図12(a)のw)配置し、同相の一次電流を通電した本発明による実施例1、実施例1と同じ誘導コイル配置で磁性体コアを誘導コイル1組につき金属の片側に2個両側で合計4個、誘導コイルに配置(図11)して加熱した実施例2、図7(a)のうちの1組の誘導コイル配置と同様の誘導コイル4組を、隣接配置となるように直列接続して2Tとしたもの2組を並列に接続し(図7(d))、磁性体コアを誘導コイル一組につき、金属板の片側に1個、両側で合計2個、誘導コイルに配置して加熱を行った本発明による実施例3と、比較として同じ水冷銅板による誘導コイル1組を通常のLF方式で接続して通電した比較例1、を図3のように1組の誘導コイルを単独で金属板の長手方向に平行に200mmずらしただけで加熱を行った比較例2、図13のように比較例1で使用した誘導コイル2組を200mm離して(導体同士は近接させない)逆相の電流を流して加熱した比較例3、実施例1と同じ誘導コイルの配置で磁性体コアを用いないで加熱した比較例4について、加熱後の温度偏差を比較した。加熱は、K熱電対を溶着した金属板を5m/minで走行させながら行った。熱電対は、金属板の中央部と端部に取付けた。
結果を表1に示す。表1中の温度偏差比は、昇温温度が各実験で異なることから、金属板内の温度分布における最高昇温量([加熱後温度−加熱前温度]の最大値)と最低昇温量([加熱後温度−加熱前温度]の最小値)より、温度偏差比=最高昇温量÷最低昇温量を定義し、昇温温度分布のばらつき具合を同じ尺度で比較できるようにしたもので、小さい値ほど温度が均一であることを示す。
Figure 2009259588
はじめに、本発明による金属板端部の温度抑制効果をみるために実施例1と比較例4とを比べてみる。比較例4は、隣り合せて配置する誘導コイルのない比較例2および比較例3に比べ1/3程度に温度偏差比が小さくなっており、誘導コイルを2組以上隣り合せて配置し、隣り合わせた誘導コイルに同相電流を流すことにより、被加熱材端部と中央側との温度偏差が解消されることがわかる。ただし、温度偏差比は4.2と大きく実用上は問題が残る。一方、本発明による磁性体コアを金属板のいずれかの片端部側に1個・両側で2個設置した実施例1は、温度偏差比が比較例の半分以下に減少しており、端部の過加熱が抑制できることがわかる。コイル間に設置する磁性体コアの数を2倍にした実施例2は、更に端部側の温度の上昇が抑制され1.9の温度偏差比が1.6まで低下する。誘導コイルの数を2組から4組に増やした実施例3は、更に端部の過加熱が抑制され、逆に板中央部側の温度の方が高くなることが確認された。一方、従来のLF式誘導加熱の構成とした比較例1は、加熱ができなかった。
(実施例その2)
上記実施例の実施例3の構成で、金属板端部を磁性体コアが覆う量を変化させた。このときの結果を表2に示す。表2において、Lが+は磁性体コアが金属板端部から金属板中央側へ覆っていることを示し、Lが−の時は、磁性体コアが金属板端部から遠ざかっていることを示す。
温度測定位置は実施例その1と同じ位置に取付けており、表中の温度偏差比は、実施例その1と同様の定義である。
磁性体コアを中央側に押し込む量が増えると金属板端部の昇温温度が下がるため、実施例3に比べ実施例4の場合の方が温度偏差比は増加する。一方、磁性体コアを金属板端部から離してゆくと金属板端部を流れる電流を抑える効果は減少し、金属板端部の温度を上昇させることができる。すなわち、磁性体コアの金属板端部を覆う量を変える事により、金属板の温度分布が制御できることを確認した。
Figure 2009259588
以上の実施例から明らかなように、本発明による誘導加熱装置・方法を用いることにより、単純な構成の装置で、非磁性材の加熱が可能になるだけではなく、電流の流れない安全な磁性体コアの位置を制御することにより、加熱温度分布を容易に制御することが可能であることが確認された。
従来のLF式誘導加熱を示す模式図である。 従来のLF式誘導加熱の金属薄板の断面に流れる誘導電流を説明する断面模式図である。 表裏誘導コイルを金属板の長手方向にずらして(間隔をあけて)配置する誘導加熱を説明する平面模式図である。 図3のA-A断面の電流の発生のしかたを説明する断面模式図である。 図3の誘導加熱で金属板に発生する誘導電流を説明する平面模式図である。 図5のB−B断面を示す図である。 本発明の誘導加熱装置の一実施形態を示す平面模式図で、2組の誘導コイルを直列に接続し、隣り合わせて配置した例である。 本発明の誘導加熱装置の一実施形態を示す平面模式図で、2組の誘導コイルを並列に接続し、隣り合わせて配置した例である。 本発明の誘導加熱装置の一実施形態を示す平面模式図で、高さ方向に2Tとした誘導コイル2組を並列に接続し、隣り合わせて配置した例である。 本発明の誘導加熱装置の一実施形態を示す平面模式図で、長手方向に2Tとした誘導コイル2組を並列に接続し、隣り合わせて配置した例である。 図7(a)の誘導加熱装置を用いて誘導加熱した際に、金属板に発生する誘導電流および電流密度の状況を示す平面模式図である。 図7(a)のC−C断面における磁束の方向を表した図である。 図9のD−D断面における磁束の方向を表した図である。 本発明の誘導加熱装置の別の実施形態を表した平面模式図である。 本発明の誘導加熱装置における温度制御方式を説明する側面模式図である。 本発明の誘導加熱装置における温度制御方式を説明する側面模式図である。 本発明の誘導加熱装置における温度制御方式を説明する側面模式図である。 導体同士を近接させない2組の誘導加熱装置を直列に接続した比較例を示す平面模式図である。
符号の説明
1 金属板
2 高周波電源
3 誘導コイル
3a 表面側の導体
3b 裏面側の導体
3c 裏面側の導体
3d 表面側の導体
4 磁束
5 一次電流
5a 一次電流
5b 一次電流
6 誘導電流
6a 誘導電流
6b 誘導電流
7 導電部材
7a 導電部材
7b 導電部材
8 導電部材
8a、8a’ 導電部材
8b、8b’ 導電部材
8c、8c’ 導電部材
8d、8d’ 導電部材
8e,8f、8g 導電部材
9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g、9h 磁性体コア
10a、10b、10c、10d 誘導電流のマイナーループ
11 磁束
12 台座
13 軌道
14 ロッド
t 金属板の厚み
δ 電流の浸透深さ
d1 表面側のコイル導体を流れる一次電流により金属体に発生する誘導電流の幅
d2 表面側のコイル導体と表面側のコイル導体を流れる一次電流により金属体に発生する誘導電流をつなぐ金属板端部を流れる誘導電流
d3 表面側のコイル導体と表面側のコイル導体を流れる一次電流により金属体に発生する誘導電流のずれ幅
u 磁性体コアの奥行き
s 磁性体コアの厚み
L 磁性体コアの間口広さ
w 磁性体コアが覆う金属板端部の幅

Claims (4)

  1. 金属板の表面との間に間隙を有して、金属板の幅方向に周回するように、金属板の表面側の導体と裏面側の導体を接続して形成された誘導コイルを有し、この周回する誘導コイルの内側を通過する金属板を誘導加熱する装置であって、
    前記誘導コイルを前記金属板の長手方向に2組以上隣り合わせて配置し、前記金属板の表面側と裏面側の誘導コイルを構成する導体を、それぞれ前記金属板へ垂直投影した際の垂直投影像において、前記2組以上の誘導コイルそれぞれにおける前記金属板の中央部では、前記表面側と裏面側の導体が、前記金属板の長手方向に対して互いに重ならないように間隔を開けて配置され、更に、前記隣り合う2組以上の誘導コイルにおいて、前記表面側の導体同士が金属板の長手方向に近接すると共に前記裏面側の導体が前記表面側の導体同士の近接する間隔よりも大きい金属板長手方向の間隔を有して配置され、又は、前記裏面側の導体同士が金属板の長手方向に近接していると共に前記表面側の導体が前記裏面側の導体同士の近接する間隔よりも大きい金属板長手方向の間隔を有して配置され、
    且つ、前記2組以上の誘導コイルそれぞれにおいて、前記金属板の長手方向における前記表面側と裏面側の導体の間には、前記金属板の端部を覆うように前記金属板の表面側から裏面側に渡る磁性体コアが配置され、前記誘導コイルに交流を通電した際に、前記近接する導体同士に同相の電流が流れるように装置が構成されていることを特徴とする金属板の誘導加熱装置。
  2. 前記磁性体コアが、前記金属板の長手方向において、前記誘導コイルの表面側導体、および裏面側導体のいずれか一方または両方の近傍に隣接して配置されたことを特徴とする請求項1記載の金属板誘導加熱装置。
  3. 前記金属板の端部を覆うように設けられている磁性体コアが、金属板の端部からの覆う量を変えることができるように水平方向に移動する機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属板の誘導加熱装置。
  4. 請求項3に記載の誘導加熱装置を用いた誘導加熱方法であって、前記誘導加熱装置の誘導コイルの内側に金属板を通過させると共に、前記誘導コイルに交流電流を通電し、前記誘導コイルの近接する導体同士に同じ方向の同相の電流を流すことにより金属板を加熱するに際し、前記磁性体コアの金属板の端部から覆う量を変更することにより、金属板端部の温度分布を変更することを特徴とする金属板の誘導加熱方法。
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