JP2009258533A - 液晶光学装置、光路切り換え装置、光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

液晶光学装置、光路切り換え装置、光走査装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009258533A
JP2009258533A JP2008109848A JP2008109848A JP2009258533A JP 2009258533 A JP2009258533 A JP 2009258533A JP 2008109848 A JP2008109848 A JP 2008109848A JP 2008109848 A JP2008109848 A JP 2008109848A JP 2009258533 A JP2009258533 A JP 2009258533A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
smectic layer
crystal optical
light intensity
optical device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008109848A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Masanori Kobayashi
正典 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2008109848A priority Critical patent/JP2009258533A/ja
Publication of JP2009258533A publication Critical patent/JP2009258533A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Abstract

【課題】素子構造、プロセスを簡略化できる構成の液晶光学装置を提供する。
【解決手段】本発明の液晶光学装置は、「一対の基板と、一対の基板上に設けられた透明電極と、一対の基板間に保持されスメクチック層を形成してなる双安定型の強誘電性液晶層とを備え、電圧印加によって入射光の偏光方向を切替えて出射する液晶光学素子20」と、「透明電極を介して強誘電性液晶層に電圧を印加する電圧印加手段31」と、「液晶光学素子からの出射光に対して所定の偏光方向の強度を検出する光強度検出手段32」と、「偏光方向切替え用の印加電圧切替えタイミングを出発点とし、光強度検出手段で検出される光強度が一定するまでの期間において、光強度変化があらかじめ定められた変化状態と異なるかを判断し、所定方向からのスメクチック層回転方向を特定するスメクチック層回転方向特定手段33」と、を有することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、光路切り換え装置、光走査装置、画像形成装置、画像表示装置、レーザー加工装置等に使用可能な液晶光学装置と、その液晶光学装置を用いた光路切り換え装置、該光路切り換え装置を用いた光走査装置、及び、前記光走査装置を備えたレーザープリンタ、レーザープロッタ、デジタル複写機、ファクシミリあるいはこれらの複合機等の画像形成装置に関する。
近年、液晶素子は、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を生かし、表示用途を中心とした光学素子として幅広く用いられるようになっている。これらの表示素子の殆どは、ネマチック液晶を用いており、その応答速度は数msec〜数十msecと、あまり高速ではないことが知られている。
これに対し、強誘電性を示すカイラルスメクチックC相(SmC*相)を有する液晶を用いた液晶素子は、数μsec〜数百μsecと、高速応答性やメモリー性を有しており、これらの特性を生かした強誘電性液晶素子への応用研究が精力的に行われている。しかしながら、強誘電性液晶素子は良好な配向を得る事が困難であり、その配向安定性に関して解決すべき問題が数多く残ってもいる。
例えば強誘電性液晶素子の光学特性は液晶分子からなる光軸に起因しており、光軸のズレや変動は光学特性を劣化させる原因となる。すなわち配向の不安定性は光学特性の劣化に繋がる。一般に強誘電性液晶は液晶分子がスメクチック層と呼ばれる層構造を形成しており、この層構造の回転により、光軸が変動するという現象が知られている。
このような層回転に関して、例えば非特許文献1(第22回(1996)液晶討論会予稿集p37〜p40)には、強誘電性液晶(スメクチックA相、スメクチックC相)に非対称な電圧パルスまたは直流電圧を印加することでスメクチック層が回転する現象が報告されている。
また、特許文献1(特許第3106166号公報)には、反強誘電性液晶の層回転を抑制するために、極性の異なる電界印加の応答速度を近似ないし等しくするように、対向する両電極基板において配向条件を統一し、配向作用を近似ないし等しくすることが記載されている。
特許第3106166号公報 第22回(1996)液晶討論会予稿集p37〜p40
前述の非特許文献1においては、層回転現象の発見について記載されているが、層回転現象の発生原因の詳細や液晶セルにおける配向安定化及び層回転現象の発生防止対策についてまでは言及されていない。
一方、前述の特許文献1では、層回転を抑制することを目的とした素子構造について開示があり、対向基板の配向条件を同一にして配向作用を等しくすること等を提案している。しかし、後述する本発明で提供しているスメクチック層回転が発生した場合の対応策については言及していない。
また、特許文献1に記載の従来技術においては、対向基板の配向条件を同一にして配向作用を等しくすることを提供しているが、強誘電性液晶は界面状態に非常に敏感であるため、両基板の配向作用の同一化は困難である。また、素子駆動の高速化を図るべく印加電圧を高めた場合、層回転が発生する可能性が高くなり、この従来技術の対策のみでは限界がある。
そこで上記のような従来技術の課題を解決するため、本発明者らは先に、スメクチック層をDC電圧、非対称交流電圧等により回転させて、配向処理(ラビング)方向に単安定化させることを提案している(特願2008−006523)。
この先願では、スメクチック層を安定化するための技術を提案しているが、素子駆動中に発生したスメクチック層回転に対する対応策については言及していない。
また、この先願では、双安定の配向状態の一つの配向状態を配向処理(ラビング)方向に単安定化させており、層回転の抑制効果が高いが、突発的な印加電圧不良が発生した場合、それが原因で層回転が誘起される場合があり、上記の対策のみでは限界がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、前述の従来技術が素子構造あるいは素子化プロセスに取り入れている層回転抑止対策をとる必要がなく、素子構造、プロセスを簡略化できる構成の液晶光学装置を提供することを目的とする。
また、前述の従来技術では、層回転の発生が直接の故障要因となるが、本発明では層回転をキャンセルできるようにし、故障要因とならず、信頼性を向上させることができる構成の液晶光学装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記の液晶光学装置を具備し、光路切り換え時のビーム光量が安定した光路切り換え装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記光路切り換え手段を具備し、記録時のビーム光量が安定した光走査装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記光走査装置を具備し、低コスト、高速、高画質対応で、かつ、安定して画像形成を行なうことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明では以下のような解決手段を採っている。
本発明の第1の手段は、液晶光学装置であって、「一対の基板と、該一対の基板上に設けられた透明電極と、前記一対の基板間に保持されスメクチック層を形成してなる双安定型の強誘電性液晶層とを備え、電圧印加によって入射光の偏光方向を切替えて出射する液晶光学素子」と、「前記透明電極を介して前記強誘電性液晶層に電圧を印加する電圧印加手段」と、「前記液晶光学素子からの出射光に対して所定の偏光方向の強度を検出する光強度検出手段」と、「偏光方向切替え用の印加電圧切替えタイミングを出発点とし、前記光強度検出手段で検出される光強度が一定するまでの期間(以下、モニタリング期間と呼ぶ)において、光強度変化があらかじめ定められた変化状態と異なるかを判断し、所定方向からのスメクチック層回転方向を特定するスメクチック層回転方向特定手段」と、を有することを特徴とする。
また、本発明の第2の手段は、第1の手段の液晶光学装置において、「前記スメクチック層回転方向特定手段からの情報に応じて、回転をキャンセルする方向にスメクチック層回転を行うスメクチック層回転方向調整手段」を有することを特徴とする。
本発明の第3の手段は、第2の手段の液晶光学装置において、前記スメクチック層回転方向調整手段が、前記電圧印加手段で兼用されてなり、前記スメクチック層回転方向特定手段からの信号により前記電圧印加手段の印加電圧波形を変化させることでスメクチック層回転方向の調整を行うことを特徴とする。
また、本発明の第4の手段は、第2の手段の液晶光学装置において、前記スメクチック層回転方向調整手段が、前記液晶光学素子を保持回転する保持部材であることを特徴とする。
本発明の第5の手段は、第1乃至第4のいずれか1つの手段の液晶光学装置において、前記液晶光学素子の双安定状態における一方の液晶配向方向が、入射光の偏光方向と平行もしくは直交する方向(以下、a方向と呼ぶ)に初期設定され、他方の液晶配向方向がa方向より45°回転した方向(以下、b方向と呼ぶ)に初期設定され、スメクチック層法線方向sがa方向とb方向を2等分する方向である前記a方向から22.5°の方向(以下、c方向と呼ぶ)に初期設定されてなることを特徴とする。
本発明の第6の手段は、第5の手段の液晶光学装置において、前記光強度検出手段において設定する所定偏光方向が、前記液晶光学素子への入射光偏光方向と平行な方向であり、前記スメクチック層回転方向特定手段が、前記光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に増加する期間をモニタリング期間に含み、検出強度が単調に増加せず、一旦増加してから低下に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記a方向側に回転したと判断し、一旦低下してから増加に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記b方向側に回転したと判断することを特徴とする。
また、本発明の第7の手段は、第5の手段の液晶光学装置において、前記光強度検出手段において設定する所定偏光方向が、前記液晶光学素子への入射光偏光方向と平行な方向であり、前記スメクチック層回転方向特定手段が、前記光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に低下する期間をモニタリング期間に含み、検出強度が単調に低下せず、一旦低下してから増加に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記a方向側に回転したと判断し、一旦増加してから低下に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記b方向側に回転したと判断することを特徴とする。
本発明の第8の手段は、第5の手段の液晶光学装置において、前記光強度検出手段において設定する所定偏光方向が、前記液晶光学素子への入射光偏光方向と直交する方向であり、前記スメクチック層回転方向特定手段が、前記光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に増加する期間をモニタリング期間に含み、検出強度が単調に増加せず、一旦増加してから低下に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記b方向側に回転したと判断し、一旦低下してから増加に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記a方向側に回転したと判断することを特徴とする。
また、本発明の第9の手段は、第5の手段の液晶光学装置において、前記光強度検出手段において設定する所定偏光方向が、前記液晶光学素子への入射光偏光方向と直交する方向であり、前記スメクチック層回転方向特定手段が、前記光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に低下する期間をモニタリング期間に含み、検出強度が単調に低下せず、一旦低下してから増加に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記b方向側に回転したと判断し、一旦増加してから低下に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記a方向側に回転したと判断することを特徴とする。
本発明の第10の手段は、光路切り換え装置であって、入射する偏光方向によって出射光路が異なる偏光分離素子と、第1乃至第9のいずれか1つの手段の液晶光学装置とを具備したことを特徴とする。
また、本発明の第11の手段は、光源と、共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡を有する光走査手段と、結像光学系と、を備えた光走査装置において、前記光源と前記光走査手段との間に、第10の手段の光路切り換え手段を具備してなることを特徴とする。
さらに本発明の第12の手段は、画像形成装置であって、第11の手段の光走査装置を備えたことを特徴とする。
本発明の第1の手段の液晶光学装置では、スメクチック層の回転方向を特定するスメクチック層回転方向特定手段を有することで、第2の手段以降のスメクチック層回転方向調整手段を活用してスメクチック層回転をキャンセルしたり、入射する偏光方向をスメクチック層回転に合せ回転させる、などの対策をとることができる。ここで、後者の対策は液晶光学素子を出射した光の偏光方向が初期設定と異なる状態になるため好ましくない場合があるので、前者のスメクチック層回転方向調整手段を活用する方法が望ましい。
また、一般に前述の従来技術は素子構造あるいはスメクチック層回転抑止手段を素子化プロセスに取り入れることで、スメクチック層回転抑止対策をとっているが、本発明の第2の手段では、スメクチック層回転方向特定手段からの情報に応じて、回転をキャンセルする方向にスメクチック層回転を行うスメクチック層回転方向調整手段を有するので、スメクチック層回転抑止手段を導入する必要がないため、素子構造、プロセスを簡略化できる。また、前述の従来技術では、層回転の発生が直接の故障要因となるが、本発明では層回転をキャンセルできるため故障要因とならず、信頼性を向上させることができる。
本発明の第3の手段の液晶光学装置では、第1、第2の手段の効果に加えて、スメクチック層回転方向調整手段が電圧印加手段と兼用できるために、小型化が図れる。
また、本発明の第4の手段の液晶光学装置では、第1、第2の手段の効果に加えて、スメクチック層回転方向調整手段が保持部材であるため、保持部材を回転させるだけでスメクチック層回転の調整が完了し、簡易的である。また、スメクチック層の回転度合いを目視確認するのが容易である。また、第3の手段のように、スメクチック層回転方向調整手段を電圧印加手段と兼用した場合には、電圧波形の変化のさせ方によっては配向不良を招く恐れがあるが、本構成ではその心配がない。
本発明の第5の手段の液晶光学装置では、第1乃至第4のいずれか1つの効果に加えて、スメクチック層回転方向特定手段における特定が容易に行える。
本発明の第6乃至第9の手段の液晶光学装置では、光強度検出手段の変化を取るだけで回転方向を特定できるため極めて簡便である。通常、クロスニコル配置を取る偏光子と検光子の間で、入射光軸を回転軸として液晶光学素子を回転して、透過光量の最大値と最小値から液晶分子方向を検出しスメクチック層方向を特定する方法が広く用いられるが、この方法では液晶光学装置の機能を一旦停止して行なう必要がある。これに対して本発明によれば、機能を停止させることなくスメクチック層を調整することができる。
本発明の第10の手段の光路切り換え装置では、入射する偏光方向によって出射光路が異なる偏光分離素子と、第1乃至第9のいずれか1つの手段の液晶光学装置とを具備したことにより、光路切り換え時のビーム光量が安定した光路切り換え装置を提供することができ、さらには光路切り換え装置の信頼性を向上させることができる。
また、本発明の第11の手段の光走査装置では、光源と光走査手段との間に、第10の手段の光路切り換え手段を具備してなることにより、記録時のビーム光量が安定した光走査装置を提供でき、さらには光走査装置の信頼性を向上させることができる。
さらに本発明の第12の手段の画像形成装置では、第11の手段の光走査装置を備えたことにより、低コスト、高速、高画質対応でかつ、安定した画像形成装置を提供でき、さらには画像形成装置の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の具体的な構成、動作及び作用効果を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の液晶光学装置で用いる液晶光学素子の構造例を示す概略断面図である。この液晶光学素子20は、透明材料からなる一対の基板21と、該一対の基板上に設けられた透明電極22と、一対の基板間に保持されスメクチック層を形成してなる双安定型の強誘電性液晶層23とを備え、電圧印加によって入射光の偏光方向を切替えて出射する構成である。また、図示していないが、透明電極22の上には配向膜が形成されている。
ここで、強誘電性液晶層23は、例えばホモジニアス配向をなすキラルスメクチックC相よりなる。また、一対の基板上の透明電極22は、基板面に対して略垂直方向に電界印加を可能としている。図示しない配向膜はTN液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の配向膜が利用でき、液晶ダイレクタの方向を強く規制するため、ラビング処理や光配向処理を別途施すことが好ましい。また、配向膜にはSiO2等の斜方蒸着膜を利用することもできる。また、透明電極22にはITO(Indium Tin Oxide)等を用いる事ができる。
図2は強誘電性液晶のスイッチングを説明するための模式図である。本図において直交座標系は図1と対応付けて記載している。強誘電性液晶層23は図中のXY面と平行である。一般にキラルスメクチックC相よりなる強誘電性液晶層は螺旋構造を有しているが、液晶層厚をその螺旋ピッチより薄い間隔(セルギャップ)に挟持すると、螺旋構造がほどけ、表面安定化強誘電性液晶層(SSFLC)となる。SSFLCは図2の(1)に示すように、液晶分子がスメクチック層法線に対して傾き角±θだけ傾いて安定する2つの配向安定状態を有し、この特性を双安定性と呼んでいる。このときそれぞれの液晶分子方向のなす角2θは螺旋構造の液晶のコーン角にほぼ等しい。従って紙面に垂直な方向に電界を印加することにより、液晶分子とその自発分極の向きを一様にいずれかの配向状態に揃えることができ、印加する電界の極性を切り替えることによって、2つの状態間のスイッチングを行うことができる。
今、後に詳述するとおり、2つの配向状態のうちの一つを、液晶光学素子にZ方向から垂直に入射する光の偏光方向と平行もしくは直交する方向に初期設定し、これを方向aとする。また他方の液晶配向方向を方向bとする。この場合、スメクチック層法線方向sはaとbを2等分する方向に形成される(初期設定におけるこの方向をc方向とする)。
電界の極性を切り換える際、その切り換え速度、強度に対称性のズレがある場合、スメクチック層が回転する不具合がある。図2の(2)、(3)はこの様子を示している。(2)ではスメクチック層法線方向sがc方向からa方向側に、(3)ではスメクチック層法線方向sがc方向からb方向側に回転した場合を示している。この場合、a方向をとっていた液晶配向方向はa’、a”に、b方向をとっていた液晶配向方向はb’、b”にそれぞれ回転する。
図3は、前述した表面安定化強誘電性液晶層(SSFLC)を用いた偏光切り換え素子の動作を示す模式図である。図3において、液晶層の厚さ(セルギャップ)dは入射光の波長λ(例えば650nmまたは780nm)と液晶材料の650nmまたは780nmにおける屈折率異方性Δnによって決まり、
Δn×d=λ/2
を満たすように(すなわち、半波長板条件を満たすように)決定する。
ここでは、双安定状態として、入射偏光の偏光方向と垂直な方向aに初期配向方向をとり、+Eの電界を印加した場合に、入射偏光の偏光方向と45°なす角度方向bに初期配向方向をとるとする。初期配向方向aでは、入射偏光はそのままの偏光方向を保持したまま出射し、初期配向状態bにおいては、半波長板条件が成立するため出射偏光は入射偏光から略90°回転した偏光方向となる。すなわち、電界制御により偏光切り換えが実現できる。また、液晶光学素子20に強誘電性液晶を用いているため、偏光切り換えに有する応答速度は数十μsec〜数百μsecと高速応答である。
図4は、上記の液晶光学素子20を用いた液晶光学装置の構成例を示す図であり、この液晶光学装置は、上記液晶光学素子20と、これに電圧を印加する電圧印加手段31と、液晶光学素子からの出射光に対して所定偏光方向の強度を検出する光強度検出手段32と、偏光方向切替え用の印加電圧切替えタイミングを出発点とし、光強度検出手段32で検出される光強度が一定するまでの期間(モニタリング期間と呼ぶ)において、光強度変化があらかじめ定められた変化状態と異なるかを判断し、所定方向からのスメクチック層回転方向を特定するスメクチック層回転方向特定手段33とを有する構成である。
図4には一方の偏光方向の光のみを光強度検出手段32に導くための偏光子25を記載しているが、後述するとおり、ここにPBS(ポラライズドビームスプリッタ)等の入射する偏光方向によって出射光路が異なる偏光分離素子を配置し、光を偏光方向によって振り分けるように構成しても良い。
また、光強度検出手段32には、CMOS、CCD、PD(フォトダイオード)等の一般的な光センサーを用いることができる。
図5の(1)は図4の液晶光学装置の光強度検出手段32で検出される光信号を例示したものである。ここでは光強度検出手段32にはPDを用いている。液晶光学素子20の液晶分子が、入射光の偏光方向に対して直交する方向、すなわち図3における初期配向方向a(図2のa方向)を取る場合、偏光回転されることなくそのままの偏光状態で出射するため「明状態」として検出される。図3の初期配向方向b(図2のb方向)の場合、すなわちa方向より45°回転した方向は、前述のとおり90°の偏光方向回転が起こるため「暗状態」となる。従ってスメクチック層法線方向sがa方向とb方向を2等分する方向であるa方向から22.5°の方向(c方向)に初期設定すればよい。
なお、スメクチック層法線方向sの初期設定の方法は、液晶光学素子形成時のラビング方向をこの方向とすることで可能である。
図5の(1)に示す通り、電圧印加手段の電圧出力を切り換えた直後に「明⇔暗」の変化が始まり、本例においては30μs以内に光強度が一定する。従って印加電圧切り換えタイミングから30μsの期間をモニタリング期間として定めることができる。ここでは暗から明への切り替えをモニタリング期間に定めているが、明から暗への切り替えを定めることもできる。
図5の(2)はスメクチック層が回転した場合に発生する光強度検出手段32の検出波形の例である。これは図2の(2)に示すスメクチック層回転が生じた場合に観測される。すなわち図2の(2)では、初期配向方向a,bにて安定であった液晶分子はスメクチック層回転により図中に示すa’,b’方向に回転して安定化しており、a’位置ではa位置に比べて入射偏光方向が回転していることからやや明るい状態になる。a’からb’に液晶分子方向が変化する際、a方向を通過する際に最も検出光量が低下し、その後増加に転じることになる。b’位置では偏光方向が90°までの回転を受けていないため、b方向での検出光量よりもやや低い値で一定する。また、b’からa’への変化も同様に説明できる。
図5の(3)は、図2の(3)に示すスメクチック層回転が生じた場合に観測される光検出波形である。すなわち図2の(3)では、初期配向方向a,bにて安定であった液晶分子はスメクチック層回転により図中に示すa”,b”方向に回転して安定化しており、a”位置ではa位置に比べて入射偏光方向が回転していることからやや明るい状態になる。a”からb”に液晶分子方向が変化する際、b方向を通過する際に最も検出光量が増大し、その後低下に転じることになる。b”位置では偏光方向が90°までの回転を受けていないため、b方向での検出光量よりもやや低い値で一定する。また、b”からa”への変化も同様に説明できる。
図5における波形パターンと図2における液晶配向方向は対応関係があるため、図5の波形パターンをモニタリングすることでスメクチック層回転方向を特定することができる。
すなわち、一例としては、光強度検出手段において設定する所定偏光方向が入射光偏光方向と平行な方向であり、スメクチック層回転方向特定手段が、光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に増加する期間をモニタリング期間に含み、検出強度が単調に増加せず、一旦増加してから低下に転じる場合は、スメクチック層法線方向sがc方向からa方向側に回転したと判断し、一旦低下してから増加に転じる場合は、スメクチック層法線方向sがc方向からb方向側に回転したと判断することができる。
また、別の例としては、光強度検出手段において設定する所定偏光方向が入射光偏光方向と平行な方向であり、スメクチック層回転方向特定手段が、光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に低下する期間をモニタリング期間に含み、検出強度が単調に低下せず、一旦低下してから増加に転じる場合は、スメクチック層法線方向sがc方向からa方向側に回転したと判断し、一旦増加してから低下に転じる場合は、スメクチック層法線方向sがc方向からb方向側に回転したと判断することができる。
さらに別の例としては、光強度検出手段において設定する所定偏光方向が入射光偏光方向と直交する方向であり、スメクチック層回転方向特定手段が、光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に増加する期間をモニタリング期間に含み、検出強度が単調に増加せず、一旦増加してから低下に転じる場合は、スメクチック層法線方向sがc方向からb方向側に回転したと判断し、一旦低下してから増加に転じる場合は、スメクチック層法線方向sがc方向からa方向側に回転したと判断することができる。
さらにまた別の例としては、光強度検出手段において設定する所定偏光方向が入射光偏光方向と直交する方向であり、スメクチック層回転方向特定手段が、光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に低下する期間をモニタリング期間に含み、検出強度が単調に低下せず、一旦低下してから増加に転じる場合は、スメクチック層法線方向sがc方向からb方向側に回転したと判断し、一旦増加してから低下に転じる場合は、スメクチック層法線方向sがc方向からa方向側に回転したと判断することができる。
次に図6は、上記の図4に示した液晶光学装置に、スメクチック層回転方向調整手段34を加えた構成の液晶光学装置の構成図である。
スメクチック層回転方向調整34は、電圧印加手段32の印加電圧波形を変化させることで行うことができる。図7は印加電圧波形の変化例である。図7の(1)が通常状態であり、(2)、(3)がスメクチック層回転調整のため、バイアス電圧ΔVを加えた場合である。(2)においては−V印加時に安定な配向状態から、+V印加時に安定な配向状態の方向にスメクチック層が回転する。(3)は逆である。ΔVの大きさは、例えばVの5〜20%に定めればよい。小さすぎるとスメクチック層がもとの状態に戻るのに時間がかかり、大きすぎると配向状態が乱れる不具合が発生する。
図8は、スメクチック層回転方向調整手段の別の構成例であり、液晶光学素子20を保持回転する保持部材42がスメクチック層回転方向調整手段をなしている。
この液晶光学素子20を保持する保持部材42は、筐体41に回転自在に取り付けられている。そしてスメクチック層回転方向特定手段33からの情報により回転方向を定めて回転させることができる。
図9は入射する偏光方向によって出射光路が異なる偏光分離素子26と、前述の液晶光学装置とを具備した光路切り換え装置の構成例を示す図である。より具体的には、図6の液晶光学装置の偏光子25に代えて、入射する偏光方向によって出射光路が異なる偏光分離素子26を配置し、光を偏光方向によって振り分けるように構成した例である。
偏光分離素子26としては、p偏光成分を透過し、s偏光成分を反射する偏光ビームスプリッタプリズム等や、偏光依存性を示す回折光学素子を多段配列したものを用いることができる。
[実施例1]
以下、本発明のより具体的な実施例を説明する。
まず、本発明の実施形態の代表具体例として強誘電性液晶素子の作製および動作確認について説明する。
(実験1)
厚さ1.1mmのソーダガラス基板にITO電極(膜厚1500Å)を成膜した。基板電極面に配向膜(AL3046 −R31 JSR社製)をスピンコートにより約800Åの厚さに形成し、その基板表面を、ラビング法により配向処理を行った。このガラス基板を2枚用い、ラビング方向がアンチパラレル方向となるように電極面を対向させて、基板間が約2μmになるようにビーズを混入した接着剤にて貼り合わせて空セルを数サンプル作製した。空セルをホットプレート上にて90度に加熱した状態で空セル内に液晶層として、強誘電性液晶(クラリアント製FELIX018−100 Δn=0.17、2θ=45)を毛管法で注入し、放置冷却後に注入口等を封止し、図1のような液晶光学素子を数サンプル作製した。
作製したサンプルの配向状態を直交ニコル下の光学顕微鏡により観察したところ、ラビング方向とスメクチック層法線方向が略同じ配向状態にある液晶光学素子サンプルが作製できた。
(実験2)
次に光学特性評価装置として、半導体レーザーよりなるレーザー光源とフォトダイオード(PD)の光路中に前述した液晶光学素子および偏光板を配置した光学系を準備した。偏光板は、レーザー光源の偏光方向を透過軸に設定し、液晶光学素子がない状態で透過光量が最大となる状態とした。入射偏光方向が、図2の(1)のY方向となるよう液晶光学素子を調整配置した。液晶光学素子に周波数4kHz、±20V/μmの矩形波信号を入力し明暗のスイッチングを観察したところ、PD出力が図5の(1)に示すような明暗状態となるようことが確認された。
(実験3)
この状態のサンプルに周波数4kHz、印加電圧±20V/μm、オフセット電圧ΔV=+4Vの非対称な信号を入力し、しばらく放置した。その後、上記光学特性評価と同様の評価を行なったところ、図5の(2)の波形が計測された。光学顕微鏡で観察したところ、スメクチック層法線方向sがラビング方向からずれる現象が確認された。具体的には、図2の(2)に示す通り、初期配向方向a,bにて安定であった液晶分子が、スメクチック層回転により図中に示すa’,b’方向に回転して安定化していた。
(実験4)
次に、この状態のサンプルに周波数4kHz、印加電圧±20V/μm、オフセット電圧ΔV=−4Vの非対称な信号を入力したところ、しばらくして上記光学特性評価の波形が図5の(2)から図5の(1)の波形に変化することが計測された。この状態でスメクチック層法線方向sを光学顕微鏡にて観察したところ、ラビング方向とほぼ重なる位置まで回転していることが確認された。
以上の実験から、光学特性評価の波形をモニタリングすることでスメクチック層回転方向が特定でき、印加電圧波形の変化によってスメクチック層回転方向調整が行えることを確認した。
[実施例2]
実施例1で用いた光学特性評価装置において、液晶光学素子を支持する部材を図8に示すような保持部材(回転ホルダー(Σ58(30) シグマ光機製))とした。
実施例1の実験1〜3の後、スメクチック層回転方向をキャンセルする方向に回転ホルダーを回転したところ、光学特性評価の波形が図5の(2)から図5の(1)の波形に変化することが計測された。
以上の実験から、光学特性評価の波形をモニタリングすることでスメクチック層回転方向が特定でき、液晶光学素子を保持回転する保持部材の回転によってスメクチック層回転方向調整が行えることを確認した。
[実施例3]
次に本発明の光走査装置の一実施例について説明する。
図10は光走査装置の一部を示す図である。この光走査装置は、レーザー光源1、カップリングレンズ(コリメートレンズ)3、光路切り換え手段4、共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡(ポリゴンミラー)7a,7bを有する光走査手段(光偏向器)7とで構成されている。なお、図10ではシリンドリカルレンズ、被走査面への結像光学系を省略している。また、光路切り換え手段4としては、図9に示した構成の光路切り換え装置が用いられる。
ここで、光走査装置の動作について説明する。レーザー光源1から出射したビームは、前述の光路切り換え手段(光路切り換え装置)4における電界印加制御により、副走査方向にビーム光路(上段光路と下段光路)が平行シフトされ、時間分割で光偏向器7の上下段のポリゴンミラー7a,7bにそれぞれ入射される。ここで上下段のポリゴンミラー7a,7bは、45°位相をずらした4面のポリゴンミラーを用いた構成としている。このような構成において、光路切り換え手段4における電界印加を制御することで、図11(a)に示すように上段ポリゴンミラー7aからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略上段光路のみを通過し、下段光路はほとんど通過しない。また、図11(b)に示すように下段ポリゴンミラー7bからのビームが感光体面(被走査面)を走査しているときは、ビームは略下段光路のみを通過し、上段光路はほとんど通過しないという動作が実現できる。すなわち、光源1からのビーム光量のロスはなく、光源パワーを効率的に利用でき、光源の長寿命化や劣化確立の低減に繋がる。特に高密度化に有効な面発光レーザーを光源として用いた場合には、効果が大きくなる。
しかし、光路切り換え手段4における切り換えの偏光方向が設定値からズレたり、光軸変動する場合は切り換え光路のビーム光量は所望値から変動し、光源パワーを効率的に利用できなくなる。そこで、前述したような液晶スイッチング時の配向性が安定となるように層回転させ、光学特性の変動が抑制された強誘電性液晶光学素子20を光路切り換え手段4の偏光切り換え素子とすることで、光路切り換え時のビーム光量が安定した光路切り換え手段および光走査装置が実現できる。
次に図12に光走査装置の具体的な構成例を示す。
図12において、符号1,1’は半導体レーザー(LD)(図示されていない)、2はLDベース、3,3’はカップリングレンズ、4は光路切り換え手段(液晶光学装置(偏光切り換え手段)と偏光分離素子)、5,5’はシリンドリカルレンズ、6は防音ガラス、7は光偏向器(光走査手段)、7aは上段ポリゴンミラー、7bは下段ポリゴンミラー、8a,8bは第1走査レンズ(例えばfθレンズ)、9はミラー、10a,10bは第2走査レンズ(例えばfθレンズ、トロイダルレンズ等)、11a,1bは被走査面である感光体、50は開口絞りである。
図示しないが、レーザー光源(2LDユニット)1,1’から光路切り換え手段4のあとのシリンドリカルレンズ5a,5bまでの前段の光学系(光学系1)、および、fθレンズ8a,8bを含む結像光学系(光学系2)のそれぞれを2セット用い、2段のポリゴンミラー7a,7bを有する光偏向器7を用いることによって2ビームで4箇所の被走査面への光走査を行う光走査装置を構築できる。4個所の被走査面は4色(例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))に対応する感光体(図12では2箇所の感光体11a,11bのみ図示しているが、光偏向器7を挟んで反対側に、同様の構成の結像光学系(光学系2)と感光体が配置されている))であり、4つの感光体に対して光走査を行い、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))に対応する潜像を書き込むことによって多色画像形成装置を構築することができる。
[実施例4]
次に、図13に多色画像形成装置の基本的な構成例を示す。
図13において、符号11Y,11M,11C,11Kは感光体、12Y,12M,12C,12Kは帯電装置、13は書き込みユニット(光走査装置)、14Y,14M,14C,14Kは現像装置、15Y,15M,15C15Kは転写装置、16Y,16M,16C,16Kはクリーニング装置、17は転写ベルト、18は定着装置であり、符号に付けたYはイエロー、Mはマゼンタ、Cはシアン、Kはブラックにそれぞれ対応していることを示している。
図13において、感光体11Y,11M,11C,11Kは図中の矢印の方向に回転し、回転方向の順に帯電装置12Y,12M,12C,12K、現像装置14Y,14M,14C,14K、転写装置15Y,15M,15C,15K、クリーニング装置16Y,16M,16C,16Kが配備されている。帯電装置12Y,12M,12C,12Kは、感光体表面を均一に帯電するためのものであり、帯電ローラ等の帯電部材で構成されている。この帯電装置12Y,12M,12C,12Kと現像装置14Y,14M,14C,14Kの間の感光体表面に書き込みユニット(光走査装置)13によりレーザービームが照射され、各感光体11Y,11M,11C,11Kに各色対応の静電潜像が形成される。各感光体11Y,11M,11C,11Kに形成された静電潜像は、現像装置14Y,14M,14C,14Kの各色のトナーによって現像され、各感光体面上に各色のトナー像が形成される。このトナー像の形成にタイミングを合わせて、図示しない給紙部から記録紙(図示せず)が給紙され、転写ベルト17に搬送される。そして転写ベルト17で担持搬送される記録紙に、各感光体上の各色のトナー像が転写装置(例えば転写用帯電器等)15Y,15M,15C,15Kにより順次重ね合わせて転写され、記録紙上に4色を重ね合わせた画像が形成される。画像が形成された記録紙は定着装置18に搬送され、定着装置18により記録紙に画像が定着される。画像が定着された記録紙は、図示しない排紙トレイ等に排紙される。
前述したような電界制御により光路が切り換え可能な光路切り換え手段(光路切り換え装置)4を備えた光走査装置を用いた画像形成装置においては、複数段のポリゴンミラー7a,7bからの走査記録に対応して、レーザー光源の光路切り換えおよび光量を変調駆動することで、各色に対応する感光体11Y,11M,11C,11Kを順次走査記録することができ、光源数を減らしながらも、ビームパワーのロスがなく、高速な画像出力を可能とする画像形成装置が実現できる。また、図12,13のような4ドラムタンデム方式において、2段ポリゴンミラーを用いる場合、順次走査記録は、例えば、イエローとマゼンダ、シアンとブラックのそれぞれ2つの感光体を交互に走査記録することができる。
また、本発明の液晶光学装置を光路切り換え手段(光路切り換え装置)4に用いた画像形成装置は、その応答速度の速い点から高速印刷、高速走査も可能であり、その書き込み速度も自在に上げていくことができる。したがって、低コスト、高速、高画質対応でかつ、安定した多色画像形成装置を提供できる。
本発明の液晶光学装置で用いる液晶光学素子の構造例を示す概略断面図である。 強誘電性液晶のスイッチングを説明するための模式図である。 表面安定化強誘電性液晶層(SSFLC)を用いた偏光切り換え素子の動作を示す模式図である。 本発明の液晶光学素子を用いた液晶光学装置の構成例を示す図である。 図4の液晶光学装置の光強度検出手段で検出される光信号を例示した図である。 図4に示した液晶光学装置に、スメクチック層回転方向調整手段を加えた構成の液晶光学装置の構成図である。 図6の液晶光学装置の電圧印加手段の印加電圧波形の変化例を示す図である。 スメクチック層回転方向調整手段の別の構成例を示す図である。 本発明の光路切り換え装置の構成例を示す図である。 本発明に係る光走査装置の一部を示す概略図であり、(a)は光走査装置の一部の側面図、(b)は光走査手段(光偏向器)の斜視図である。 図10に示す光走査装置における光ビームの偏向走査状態を示す図である。 本発明に係る光走査装置の具体的な構成例を示す要部斜視図である。 本発明に係る多色画像形成装置の基本的な構成例を示す概略構成図である。
符号の説明
1,1’:光源(半導体レーザー)
2:LDベース
3,3’:カップリングレンズ
4:光路切り換え手段(光路切り換え装置)
5a,5b:シリンドリカルレンズ
6:防音ガラス
7:光偏向器(光走査手段)
7a:上段ポリゴンミラー(多面反射鏡)
7b:下段ポリゴンミラー(多面反射鏡)
8a,8b:第1走査レンズ
9:ミラー
10a,10b:第2走査レンズ
11Y,11M,11C,11K:感光体
12Y,12M,12C,12K:帯電装置
13:書き込みユニット(光走査装置)
14Y,14M,14C,14K:現像装置
15Y,15M,15C15K:転写装置
16Y,16M,16C,16K:クリーニング装置
17:転写ベルト
18:定着装置
20:液晶光学素子
21:基板
22:透明電極
23:強誘電性液晶層
25:偏光子
26:偏向分離素子
31:電圧印加手段
32:光強度検出手段
33:スメチック層回転方向特定手段
34:スメチック層回転方向調整手段
41:筐体
42:保持部材42
50:開口絞り

Claims (12)

  1. 一対の基板と、該一対の基板上に設けられた透明電極と、前記一対の基板間に保持されスメクチック層を形成してなる双安定型の強誘電性液晶層とを備え、電圧印加によって入射光の偏光方向を切替えて出射する液晶光学素子と、
    前記透明電極を介して前記強誘電性液晶層に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記液晶光学素子からの出射光に対して所定の偏光方向の強度を検出する光強度検出手段と、
    偏光方向切替え用の印加電圧切替えタイミングを出発点とし、前記光強度検出手段で検出される光強度が一定するまでの期間(以下、モニタリング期間と呼ぶ)において、光強度変化があらかじめ定められた変化状態と異なるかを判断し、所定方向からのスメクチック層回転方向を特定するスメクチック層回転方向特定手段と、
    を有することを特徴とする液晶光学装置。
  2. 請求項1記載の液晶光学装置において、
    前記スメクチック層回転方向特定手段からの情報に応じて、回転をキャンセルする方向にスメクチック層回転を行うスメクチック層回転方向調整手段を有することを特徴とする液晶光学装置。
  3. 請求項2記載の液晶光学装置において、
    前記スメクチック層回転方向調整手段が、前記電圧印加手段で兼用されてなり、前記スメクチック層回転方向特定手段からの信号により前記電圧印加手段の印加電圧波形を変化させることでスメクチック層回転方向の調整を行うことを特徴とする液晶光学装置。
  4. 請求項2記載の液晶光学装置において、
    前記スメクチック層回転方向調整手段が、前記液晶光学素子を保持回転する保持部材であることを特徴とする液晶光学装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の液晶光学装置において、
    前記液晶光学素子の双安定状態における一方の液晶配向方向が、入射光の偏光方向と平行もしくは直交する方向(以下、a方向と呼ぶ)に初期設定され、他方の液晶配向方向がa方向より45°回転した方向(以下、b方向と呼ぶ)に初期設定され、スメクチック層法線方向sがa方向とb方向を2等分する方向である前記a方向から22.5°の方向(以下、c方向と呼ぶ)に初期設定されてなることを特徴とする液晶光学装置。
  6. 請求項5記載の液晶光学装置において、
    前記光強度検出手段において設定する所定偏光方向が、前記液晶光学素子への入射光偏光方向と平行な方向であり、
    前記スメクチック層回転方向特定手段が、前記光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に増加する期間をモニタリング期間に含み、
    検出強度が単調に増加せず、一旦増加してから低下に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記a方向側に回転したと判断し、
    一旦低下してから増加に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記b方向側に回転したと判断することを特徴とする液晶光学装置。
  7. 請求項5記載の液晶光学装置において、
    前記光強度検出手段において設定する所定偏光方向が、前記液晶光学素子への入射光偏光方向と平行な方向であり、
    前記スメクチック層回転方向特定手段が、前記光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に低下する期間をモニタリング期間に含み、
    検出強度が単調に低下せず、一旦低下してから増加に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記a方向側に回転したと判断し、
    一旦増加してから低下に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記b方向側に回転したと判断することを特徴とする液晶光学装置。
  8. 請求項5記載の液晶光学装置において、
    前記光強度検出手段において設定する所定偏光方向が、前記液晶光学素子への入射光偏光方向と直交する方向であり、
    前記スメクチック層回転方向特定手段が、前記光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に増加する期間をモニタリング期間に含み、
    検出強度が単調に増加せず、一旦増加してから低下に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記b方向側に回転したと判断し、
    一旦低下してから増加に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記a方向側に回転したと判断することを特徴とする液晶光学装置。
  9. 請求項5記載の液晶光学装置において、
    前記光強度検出手段において設定する所定偏光方向が、前記液晶光学素子への入射光偏光方向と直交する方向であり、
    前記スメクチック層回転方向特定手段が、前記光強度検出手段における光強度変化に対して、初期設定において単調に低下する期間をモニタリング期間に含み、
    検出強度が単調に低下せず、一旦低下してから増加に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記b方向側に回転したと判断し、
    一旦増加してから低下に転じる場合は、前記スメクチック層法線方向sが前記c方向から前記a方向側に回転したと判断することを特徴とする液晶光学装置。
  10. 入射する偏光方向によって出射光路が異なる偏光分離素子と、請求項1乃至9のいずれか1つに記載の液晶光学装置とを具備したことを特徴とする光路切り換え装置。
  11. 光源と、共通の回転軸を有し複数の段からなる多面反射鏡を有する光走査手段と、結像光学系と、を備えた光走査装置において、
    前記光源と前記光走査手段との間に、請求項10に記載の光路切り換え手段を具備してなることを特徴とする光走査装置。
  12. 請求項11に記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP2008109848A 2008-04-21 2008-04-21 液晶光学装置、光路切り換え装置、光走査装置および画像形成装置 Pending JP2009258533A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008109848A JP2009258533A (ja) 2008-04-21 2008-04-21 液晶光学装置、光路切り換え装置、光走査装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008109848A JP2009258533A (ja) 2008-04-21 2008-04-21 液晶光学装置、光路切り換え装置、光走査装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009258533A true JP2009258533A (ja) 2009-11-05

Family

ID=41386028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008109848A Pending JP2009258533A (ja) 2008-04-21 2008-04-21 液晶光学装置、光路切り換え装置、光走査装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009258533A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106791339A (zh) * 2017-03-22 2017-05-31 北京小米移动软件有限公司 成像***及其控制方法
CN115047638A (zh) * 2022-06-10 2022-09-13 北京空间机电研究所 一种无机械活动部件的激光双视向扫描组件***

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106791339A (zh) * 2017-03-22 2017-05-31 北京小米移动软件有限公司 成像***及其控制方法
CN115047638A (zh) * 2022-06-10 2022-09-13 北京空间机电研究所 一种无机械活动部件的激光双视向扫描组件***

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5061397B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
US8300075B2 (en) Laser driving device, optical scanning device, and image forming apparatus
EP0898196A2 (en) Liquid crystal projector
US8922863B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus
US11782315B2 (en) Liquid crystal display with external retarder
JP2009258533A (ja) 液晶光学装置、光路切り換え装置、光走査装置および画像形成装置
JPH0688969A (ja) ツイスト垂直液晶を有する光バルブ
JP2013200441A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP5510745B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4992154B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP5397633B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2009169048A (ja) 液晶光学素子、画像形成装置および液晶光学素子の製造方法
JP2010020028A (ja) 偏光切換素子、偏光切換装置、光路切換装置、光走査装置および画像形成装置
JP2010160295A (ja) 偏光分離デバイス、光走査装置及び画像形成装置
JP2009276538A (ja) 光路切換え装置、光走査装置及び画像形成装置
JPH06118323A (ja) 光学素子
JP2009109669A (ja) 偏光切替素子・光束分割素子・光走査装置・画像形成装置
JP5773333B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
KR19980080131A (ko) 반사형 강유전체 액정 디스플레이
JP2005091743A (ja) 光偏向装置、画像表示装置、光書き込み装置及び画像形成装置
JP5455155B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP5081800B2 (ja) 光走査装置、画像形成装置及びレーザ描画装置
JP2013061567A (ja) 光走査装置、画像形成装置、及び光走査方法
JP2015096977A (ja) レーザ駆動装置、光走査装置並びに画像形成装置
JP2004184527A (ja) 光走査装置及び画像形成装置