JP2009258269A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動き補償型のFRC機能を備えた画像表示装置において、画像破綻時にFRCの効果を維持しながら、画像破綻による画質劣化を軽減する。
【解決手段】液晶表示装置は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き補償処理を施した画像信号を内挿することにより、入力画像信号のフレーム数あるいはフィールド数を変換して液晶表示パネル16へ出力するFRC部10と、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に内挿される内挿画像信号の画像破綻の程度を推定する動きベクトル検出部11eとを備える。FRC部10は、動きベクトル検出部11eにより内挿画像信号の内挿画像が破綻すると推定された場合、内挿画像信号の輝度レベルを入力画像信号の輝度レベルよりも低くする。
【選択図】図3
【解決手段】液晶表示装置は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き補償処理を施した画像信号を内挿することにより、入力画像信号のフレーム数あるいはフィールド数を変換して液晶表示パネル16へ出力するFRC部10と、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に内挿される内挿画像信号の画像破綻の程度を推定する動きベクトル検出部11eとを備える。FRC部10は、動きベクトル検出部11eにより内挿画像信号の内挿画像が破綻すると推定された場合、内挿画像信号の輝度レベルを入力画像信号の輝度レベルよりも低くする。
【選択図】図3
Description
本発明は、画像表示装置、より詳細には、フレームレートあるいはフィールドレートを変換する機能を備えた画像表示装置に関する。
動画像を具現する用途に従来から主として用いられてきた陰極線管(CRT:Cathode Ray Tube)に対して、LCD(Liquid Crystal Display)は、動きのある画像を表示した場合に、観る者には動き部分の輪郭がぼけて知覚されてしまうという、所謂、動きぼけの欠点がある。この動きぼけは、LCDの表示方式そのものに起因することが指摘されている(例えば、特許文献1参照)。
電子ビームを走査して蛍光体を発光させて表示を行うCRTでは、各画素の発光は蛍光体の若干の残光はあるものの概ねインパルス状になる。これをインパルス型表示方式という。一方、LCDでは、液晶に電界を印加することにより蓄えられた電荷が、次に電界が印加されるまで比較的高い割合で保持される。特に、TFT方式の場合、画素を構成するドット毎にTFTスイッチが設けられており、さらに通常は各画素に補助容量が設けられており、蓄えられた電荷の保持能力が極めて高い。このため、画素が次のフレームあるいはフィールド(以下、フレームで代表する)の画像情報に基づく電界印加により書き換えられるまで発光し続ける。これをホールド型表示方式という。
上記のようなホールド型表示方式においては、画像表示光のインパルス応答が時間的な広がりを持つため、時間周波数特性が劣化して、それに伴い空間周波数特性も低下し、動きぼけが生じる。すなわち、人の視線は動くものに対して滑らかに追従するため、ホールド型のように発光時間が長いと、時間積分効果により画像の動きがぎくしゃくして不自然に見えてしまう。
上記のホールド型表示方式における動きぼけを改善するために、フレーム間に画像を内挿することにより、フレームレート(フレーム数)を変換する技術が知られている。この技術は、FRC(Frame Rate Converter)と呼ばれ、液晶表示装置等において実用化されている。
従来、フレームレートを変換する方法には、単に同一フレームの2回繰り返し読み出しや、フレーム間の直線内挿(線形補間)によるフレーム内挿などの各種の手法が知られている。しかしながら、線形補間によるフレーム内挿処理の場合、フレームレート変換に伴う動きの不自然さ(ジャーキネス、ジャダー)が発生するため、画質的には不十分なものであった。
そこで、上記ジャーキネスの影響等をなくして動画質を改善するために、動きベクトルを用いた動き補償型のフレーム内挿処理が提案されている。この動き補償処理によれば、動画像そのものをとらえて補正するため、解像度の劣化がなく、また、ジャーキネスの発生もなく、極めて自然な動画を得ることができる。さらに、内挿画像信号は動き補償して形成されるので、上述したホールド型表示方式に起因する動きぼけ妨害を十分に改善することが可能となる。
前述の特許文献1には、動き適応的に内挿フレームを生成することにより、表示画像のフレーム周波数を上げて、動きぼけの原因となる空間周波数特性の低下を改善するための技術が開示されている。これは、表示画像のフレーム間に内挿する少なくとも1つの内挿画像信号を、前後のフレームから動き適応的に形成し、形成した内挿画像信号をフレーム間に内挿して順次表示するようにしている。
図6は、従来の液晶表示装置におけるFRC駆動表示回路の概略構成を示すブロック図で、図中、FRC駆動表示回路は、入力画像信号のフレーム間に動き補償処理を施した画像信号を内挿することにより入力画像信号のフレーム数を変換するFRC部100と、FRC部100によりフレームレート変換された画像信号に基づいて液晶表示パネル104の走査電極及びデータ電極を駆動するための電極駆動部103と、液晶層と該液晶層に走査信号及びデータ信号を印加するための電極とを有するアクティブマトリクス型の液晶表示パネル104とを備えて構成される。
FRC部100は、入力画像信号から動きベクトル情報を検出する動きベクトル検出部101と、動きベクトル検出部101により得られた動きベクトル情報により内挿フレームを生成する内挿フレーム生成部102とを備える。
上記構成において、動きベクトル検出部101は、例えば、後述するブロックマッチング法や勾配法などを用いて動きベクトル情報を求めてもよいし、入力画像信号に何らかの形で動きベクトル情報が含まれている場合、これを利用してもよい。例えば、MPEG方式を用いて圧縮符号化された画像データには、符号化時に算出された動画像の動きベクトル情報が含まれており、この動きベクトル情報を取得する構成としてもよい。
図7は、図6に示した従来のFRC駆動表示回路によるフレームレート変換処理を説明するための図である。FRC部100は、動きベクトル検出部101より出力された動きベクトル情報を用いた動き補償により、フレーム間の内挿フレーム(図中グレーに色付けされた画像)を生成し、この生成された内挿フレーム信号を入力フレーム信号とともに、順次出力することで、入力画像信号のフレームレートを例えば毎秒60フレーム(60Hz)から毎秒120フレーム(120Hz)に変換する処理を行う。
図8は、動きベクトル検出部101及び内挿フレーム生成部102による内挿フレーム生成処理について説明するための図である。動きベクトル検出部101は、図7に示した例えばフレーム#1とフレーム#2から勾配法等により動きベクトル105を検出する。すなわち、動きベクトル検出部101は、フレーム#1とフレーム#2の1/60秒間に、どの方向にどれだけ動いたかを測定することにより動きベクトル105を求める。次に、内挿フレーム生成部102は、求めた動きベクトル105を用いて、フレーム#1とフレーム#2間に内挿ベクトル106を割り付ける。この内挿ベクトル106に基づいてフレーム#1の位置から1/120秒後の位置まで対象(ここでは自動車)を動かすことにより、内挿フレーム107を生成する。
このように、動きベクトル情報を用いて動き補償フレーム内挿処理を行い、表示フレーム周波数を上げることで、LCD(ホールド型表示方式)の表示状態を、CRT(インパルス型表示方式)の表示状態に近づけることができ、動画表示の際に生じる動きぼけによる画質劣化を改善することが可能となる。
ここで、上記動き補償フレーム内挿処理においては、動き補償のために動きベクトルの検出が不可欠となる。この動きベクトル検出の代表的な手法として、例えば、ブロックマッチング法、勾配法などが提案されている。勾配法においては、連続した2つのフレーム間で各画素または小さなブロック毎に動きベクトルを検出し、それにより2つのフレーム間の内挿フレームの各画素または各小ブロックを内挿する。すなわち、2つのフレーム間の任意の位置の画像を正しく位置補正して内挿することにより、フレーム数の変換を行う。
このような動き補償型のFRC処理において、映像の内容及び状態によっては内挿画像の破綻が発生しやすい場合がある。例えば、OSD表示がある場合や、映像のS/Nが悪い場合、再生映像が特殊な場合などである。このような場合には、FRCをオフすることが一般的であるが、オンからオフにいきなり切り替えることは見た目の変化が大きく、視聴者が違和感を覚えることも多い。
一方、特許文献2には、上記と同様に、動画像の動的反応速度を改善することを目的として、フレーム期間内の非映像信号期間に黒画像を挿入する方法が記載されている。また、特許文献3,4には、フレーム間に原画像と同一画像を暗めにして(輝度を落として)挿入する方法が記載されている。
この同一フレームの挿入方法について図9に基づいて説明する。図9に示す例では、入力画像信号に含まれる入力フレームf1とf2間に入力フレームf1と同じフレームi1を暗めにして挿入し、入力フレームf2とf3間に入力フレームf2と同じフレームi2を暗めにして挿入している。このように入力フレーム間に入力フレームと同じフレームを、輝度を落として挿入することで、最大輝度の低下を抑えつつ、動的反応速度を向上させることができる。
特許第3295437号明細書
特開2003−295156号公報
特開2005−173573号公報
特開2006−178488号公報
しかしながら、上記特許文献2〜4に記載の発明は、入力フレーム間に黒画像あるいは暗い(輝度を落とした)画像を挿入することで、動的反応速度を向上させるもので、動き補償型のFRC処理による画像破綻に対応したものではない。
また、特許文献3,4に記載の発明の場合、入力フレーム間に挿入する画像の輝度を落とす(暗くする)ほど、挿入画像と入力フレーム(原画像)との輝度差が大きくなり、動的反応速度は速くなるが、原画像の入力フレーム間に、動き補償処理を施した内挿画像ではなく、原画像と同一画像を挿入しているだけなので、動き補償によるFRCの効果を得ることができず、動画表示の際に生じる動きぼけによる画質劣化を十分に改善することができない。
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、動き補償型のFRC機能を備えた画像表示装置において、画像破綻時にFRCの効果を維持しながら、画像破綻による画質劣化を軽減すること、を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き補償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数あるいはフィールド数を変換して表示パネルへ出力するレート変換手段を備えた画像表示装置であって、前記入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に内挿される内挿画像信号の画像破綻の程度を推定する画像破綻推定手段を備え、前記レート変換手段は、前記画像破綻推定手段により前記内挿画像信号の内挿画像が破綻すると推定された場合、前記内挿画像信号の輝度レベルを前記入力画像信号の輝度レベルよりも低くすることを特徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記レート変換手段は、前記内挿画像の破綻の程度に応じて、前記入力画像信号と前記内挿画像信号の輝度レベルを変化させることを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記内挿画像が破綻すると推定された場合、前記画像表示装置に予め設定されている基準輝度レベルに対して、前記入力画像信号の輝度レベルを高くし、前記内挿画像信号の輝度レベルを低くし、前記入力画像信号と前記内挿画像信号の輝度レベルの平均が前記基準輝度レベルになるように制御することを特徴としたものである。
第4の技術手段は、第1乃至第3のいずれか1の技術手段において、前記画像破綻推定手段は、前記レート変換手段における動きベクトルの候補数に基づいて、前記内挿画像信号の画像破綻の程度を推定することを特徴としたものである。
第5の技術手段は、第1乃至第3のいずれか1の技術手段において、前記画像破綻推定手段は、前記レート変換手段における内挿画像へのベクトル割付状態に基づいて、前記内挿画像信号の画像破綻の程度を推定することを特徴としたものである。
第6の技術手段は、第1乃至第3のいずれか1の技術手段において、前記画像破綻推定手段は、前記レート変換手段における動きベクトルの交差数に基づいて、前記内挿画像信号の画像破綻の程度を推定することを特徴としたものである。
第7の技術手段は、第1乃至第6のいずれか1の技術手段において、前記レート変換手段は、前記入力画像信号に含まれる連続したフレーム間あるいはフィールド間で動きベクトル情報を検出する動きベクトル検出部と、該検出した動きベクトル情報に基づいて、前記フレーム間あるいは前記フィールド間に内挿ベクトルを割り付ける内挿ベクトル割付部と、該割り付けた内挿ベクトルから内挿画像信号を生成する内挿画像生成部と、該生成した内挿画像信号を前記フレーム間あるいは前記フィールド間に内挿する画像内挿部とを有することを特徴としたものである。
本発明によれば、動き補償型のFRC機能を備えた画像表示装置において、画像破綻時にFRCをオンしたまま内挿画像の輝度を落とすことにより、FRCの効果を維持しながら、画像破綻による画質劣化を軽減することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の画像表示装置の好適な実施の形態について説明する。なお、本発明は、フィールド信号及び内挿フィールド信号、フレーム信号及び内挿フレーム信号のいずれに対しても適用できるものであるが、両者(フィールドとフレーム)は互いに類似の関係にあるため、フレーム信号及び内挿フレーム信号を代表例として説明するものとする。
図1は、本発明の画像表示装置が備える動き補償型フレームレート変換部の構成例を示すブロック図である。図中、10はフレームレート変換部(以下、FRC部)で、該FRC部10は、本発明のレート変換手段に相当し、入力画像信号に含まれる2つの連続したフレーム間で動きベクトルを検出するベクトル検出部11と、検出した動きベクトルに基づいて内挿フレーム(内挿画像)を生成するフレーム生成部12とから構成される。なお、ベクトル検出部11は、動きベクトル検出に反復勾配法を用いた場合の例について示すが、この反復勾配法に限定されず、ブロックマッチング法などを用いてもよい。
ここで、反復勾配法の特徴は、動きベクトルの検出がブロック単位で可能であるため、数種類の動き量が検出でき、また、小領域の動物体でも動きベクトルを検出することができる。また、回路構成も他の方式(ブロックマッチング法など)と比較して小規模で実現することができる。この反復勾配法では、被検出ブロックに対して、すでに検出された近傍のブロックの動きベクトルを初期偏位ベクトルとして、これを起点として勾配法の演算を繰り返す方法が用いられる。この方法によれば、勾配法の繰り返しは2回程度でほぼ正確な動き量を得ることができる。
図1において、ベクトル検出部11は、入力画像信号(RGB信号)から輝度信号(Y信号)を抽出する輝度信号抽出部11aと、抽出したY信号にLPFを掛けて高域部の帯域を制限するための前処理フィルタ11bと、動き検出用フレームメモリ11cと、初期ベクトル候補を蓄積するための初期ベクトルメモリ11dと、反復勾配法を用いてフレーム間の動きベクトルを検出する動きベクトル検出部11eと、検出した動きベクトルに基づいてフレーム間に内挿ベクトルを割り付ける内挿ベクトル評価部11fと、を備えて構成される。
なお、FRC部10は本発明のレート変換手段に相当し、動きベクトル検出部11eは本発明の動きベクトル検出部に相当し、内挿ベクトル評価部11fは本発明の内挿ベクトル割付部に相当する。
上記反復勾配法の演算は画素の微分成分を用いているため、ノイズの影響を受け易く、また、検出ブロック内の勾配の変化量が多いと演算誤差が大きくなるため、前処理フィルタ11bにおいてLPFをかけて高域部の帯域を制限しておく。初期ベクトルメモリ11dには、初期ベクトル候補として、前々フレームで既に検出されている動きベクトル(初期ベクトル候補)を蓄積しておく。
動きベクトル検出部11eは、初期ベクトルメモリ11dに蓄積されている初期ベクトル候補の中から被検出ブロックの動きベクトルに最も近い動きベクトルを初期ベクトルとして選択する。すなわち、被検出ブロック近傍のブロックにおける既検出動きベクトル(初期ベクトル候補)の中からブロックマッチング法により初期ベクトルを選択する。そして、動きベクトル検出部11eは、選択した初期ベクトルを起点として、勾配法演算によって前フレームと現フレーム間の動きベクトルを検出する。
内挿ベクトル評価部11fは、動きベクトル検出部11eにより検出された動きベクトルを評価し、その評価結果に基づいて最適な内挿ベクトルをフレーム間の内挿ブロックに割り付けて、フレーム生成部12に出力する。
フレーム生成部12は、2つの入力フレーム(前フレーム、現フレーム)を蓄積するための内挿用フレームメモリ12aと、内挿用フレームメモリ12aからの2つの入力フレームと内挿ベクトル評価部11fからの内挿ベクトルとに基づいて内挿フレームを生成する内挿フレーム生成部12bと、入力フレーム(前フレーム、現フレーム)を蓄積するためのタイムベース変換用フレームメモリ12cと、タイムベース変換用フレームメモリ12cからの入力フレームに内挿フレーム生成部12bからの内挿フレームを挿入するタイムベース変換部12dと、を備えて構成される。
なお、内挿フレーム生成部12bは、本発明の内挿画像生成部に相当し、タイムベース変換部12dは、本発明の画像内挿部に相当する。
図2は、フレーム生成部12による内挿フレーム生成処理の一例を説明するための図である。内挿フレーム生成部12bは、内挿ブロックに割り付けられた内挿ベクトルVを前フレーム、現フレームに伸ばして、各フレームとの交点近傍の画素を用いて内挿ブロック内の各画素を補間する。例えば、前フレームでは近傍3点よりA点の輝度を算出する。現フレームでは近傍3点よりB点の輝度を算出する。内挿フレームではP点の輝度をA点とB点の輝度から補間する。P点の輝度は、例えばA点の輝度とB点の輝度の平均としてもよい。
上記のようにして生成された内挿フレームは、タイムベース変換部12dに送られる。タイムベース変換部12dは、前フレーム、現フレームの間に、内挿フレームを挟み込んで、フレームレートを変換する処理を行う。このように、FRC部10により、入力画像信号(60フレーム/秒)を、動き補償された出力画像信号(120フレーム/秒)へ変換でき、これを表示パネルに出力することにより、動きぼけを低減して動画質を改善することが可能となる。なお、ここでは、60フレーム/秒の入力画像信号を、120フレーム/秒の出力画像信号にフレームレート変換する場合について説明するが、例えば90フレーム/秒、180フレーム/秒の出力画像信号を得る場合に適用しても良いことは言うまでもない。
本発明の画像表示装置は、図1に示したFRC部10を備え、画像破綻時にFRCの効果を維持しながら、画像破綻による画質劣化を軽減することを目的とする。なお、本発明は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電気泳動ディスプレイなどのホールド型の表示特性を有する画像表示装置全般に適用可能であるが、以下の実施形態においては、表示パネルとして液晶表示パネルを用いた液晶表示装置に本発明を適用した場合を代表例として説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の要部構成例を示すブロック図である。図中、液晶表示装置は、FRC部10、画像処理部13、制御部14、電極駆動部15、及び液晶表示パネル16を備えて構成される。なお、FRC部10、画像処理部13、電極駆動部15、及び液晶表示パネル16は制御部14に接続され、制御部14からの指示に従って動作する。
図3において、FRC部10における動きベクトル検出部11e、内挿ベクトル評価部11f、内挿フレーム生成部12b、及びタイムベース変換部12dのみを要部構成として図示し、FRC部10のその他の構成要素については記載を省略するものとする。
画像処理部13は、FRC部10の前段に設けられ、入力画像信号に対して各種の画像処理を施してFRC部10に出力する。
電極駆動部15は、FRC部10によりフレームレート変換された画像信号に基づいて液晶表示パネル16の走査電極及びデータ電極を駆動するための表示ドライバである。
液晶表示パネル16は、液晶層と該液晶層に走査信号及びデータ信号を印加するための電極とを有するアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイである。
制御部14は、上記各部を制御するためのCPUを備え、FRC部10におけるFRC処理を制御する。
電極駆動部15は、FRC部10によりフレームレート変換された画像信号に基づいて液晶表示パネル16の走査電極及びデータ電極を駆動するための表示ドライバである。
液晶表示パネル16は、液晶層と該液晶層に走査信号及びデータ信号を印加するための電極とを有するアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイである。
制御部14は、上記各部を制御するためのCPUを備え、FRC部10におけるFRC処理を制御する。
本実施形態の動きベクトル検出部11eは、本発明の画像破綻推定手段に相当し、入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に内挿される内挿画像信号の内挿画像(内挿フレーム)の破綻の程度を推定する。例えば、動きベクトルの検出精度が下がっている場合には、画像破綻の可能性が高いと考えられる。この場合、動きベクトルの候補数が増大したり、上位候補の評価値に差が少なく明確に動きベクトルを特定することが困難となる。そこで、動きベクトルの候補数が所定値よりも増加した場合に、内挿フレームの破綻と推定する。あるいは、上位候補の評価値の差が所定値よりも小さい場合に、内挿フレームの破綻と推定してもよい。
また、内挿フレーム破綻の推定方法の他の例として、動きベクトルの交差数により内挿フレームの破綻を推定してもよい。例えば、人間が手を振っているような動画像では、動きベクトルの交差数が多くなる。動きベクトルの交差数が多い場合には比較する画像の整合性が取れていないと考えられるため、この交差数が所定値よりも増加した場合に内挿フレームの破綻と推定することができる。
また、内挿フレーム破綻の推定を内挿ベクトル評価部11fで行うようにしてもよい。この内挿ベクトル評価部11fは、前述したように、動きベクトル検出部11eにより検出された動きベクトルを評価し、その評価結果に基づいて最適な内挿ベクトルを入力フレーム間の内挿ブロックに割り付ける。この際、複数の内挿ベクトルが1つの内挿ブロックに割り付けられるケース、あるいは、内挿ベクトルが割り付けられない内挿ブロックが発生するケースが起こり得る。内挿フレームが破綻した状態では、このようなケースが多数発生すると考えられる。そこで、1つの内挿ブロックに割り付けられた内挿ベクトルの数または内挿ベクトルが割り付けられない内挿ブロックの数が所定値よりも増加した場合に内挿フレームの破綻と推定することができる。
図3において、動きベクトル検出部11eまたは内挿ベクトル評価部11fは、入力画像信号に含まれる連続したフレーム間で動きベクトルを検出した結果に基づいて、内挿フレームが破綻すると推定された場合、破綻推定信号を制御部14に送出する。また、画像処理部13は、入力画像信号に含まれる入力フレームを特定するためのフレーム信号を制御部14に送出する。
制御部14は、動きベクトル検出部11eまたは内挿ベクトル評価部11fからの破綻推定信号と、画像処理部13からのフレーム信号とに基づいて、タイムベース変換部12dに対して、内挿フレーム輝度制御信号と入力フレーム輝度制御信号を送出する。これらの輝度制御信号は、液晶表示装置に予め設定されている基準輝度レベルに対して、入力フレームの輝度レベルを高くし、内挿フレームの輝度レベルを低くし、入力フレームと内挿フレームの輝度レベルの平均が基準輝度レベルになるように制御するための制御信号である。なお、基準輝度レベルについては、後述の図5において説明するが、液晶表示装置に予め設定されているガンマ特性に基づいて決定されるものであり、通常使用時に入力映像信号を表示させる際の本来の輝度レベルとなる。
タイムベース変換部12dは、内挿フレーム生成部12bで生成された内挿フレームを入力フレーム間に内挿する際に、制御部14からの入力フレーム輝度制御信号と内挿フレーム輝度制御信号とに基づいて、入力フレームの輝度レベルを基準輝度レベルよりも高く表示し、内挿フレームの輝度レベルを基準輝度レベルよりも低く表示するように電極駆動部15に指示する。なお、入力フレームと内挿フレームの輝度レベルの平均は基準輝度レベルとなる。
上記例では、画像破綻の程度として、所定値を用いて画像破綻するか否か(すなわち、画像破綻の有無)を推定していたが、このような画像破綻の有無に限らず、画像破綻の程度を例えば大中小などの複数段階に分けて推定してもよい。この場合、画像破綻推定手段である動きベクトル検出部11eまたは内挿ベクトル評価部11fにより、内挿フレームの画像破綻の程度を示す指標(動きベクトルの候補数など)が例えば大中小のどの段階にあるかを判定し、この判定結果に基づいて画像破綻の程度(大中小)を推定する。制御部14は、画像破綻の程度に応じて、入力フレームと内挿フレームの輝度レベルを変化させるための輝度制御信号をタイムベース変換部12dに送出する。タイムベース変換部12dは、制御部14からの輝度制御信号に従って、入力フレームと内挿フレームの輝度レベルを変化させる。
画像破綻の程度を推定するための指標として、前述したように、動きベクトルの候補数、上位候補の評価値の差、動きベクトルの交差数、1つの内挿ブロックに割り付けられた内挿ベクトルの数、内挿ベクトルが割り付けられない内挿ブロックの数などが考えられる。例えば、これらの指標の段階(大中小など)と、入力フレームと内挿フレームの輝度レベルの変化量とを対応付けたテーブルデータを図示しないメモリに記憶しておいてもよい。動きベクトルの候補数について例示すると、候補数が5未満(程度が小)、5以上10未満(程度が中)、10以上(程度が大)などの段階に分け、5未満の場合には画像破綻の程度が小さいと推定されるため、内挿フレームの輝度レベルの変化量を比較的小さくし、一方、10以上の場合には画像破綻の程度が大きいと推定されるため、内挿フレームの輝度レベルの変化量を比較的大きくするなどの設定を行えば、画像破綻の程度に応じて、画質劣化を効果的に軽減することができる。
このように、動き補償型のFRC処理において、内挿フレームの破綻が推定される場合には、FRCをオンしたまま、内挿フレームの輝度レベルを落として暗くすることで、内挿フレームの破綻による画質劣化を目立たないようにすることができる。また、内挿フレームの輝度レベルを落とすことによる最大輝度の低下を入力フレームの輝度レベルを高くすることで補償しているため、視聴者の目には本来の輝度レベルが維持されているように感じられる。
ここで、内挿フレームの輝度レベルを下げるほど(黒に近いほど)、内挿フレームと入力フレームの輝度差が大きくなり、フリッカが目立つ傾向にあるため、内挿フレームの輝度レベルは基準輝度レベルに対して大きく変化させないことが望ましい。なお、入力フレーム及び内挿フレームに対する輝度レベルの設定は、制御部14がその都度計算することで行ってもよいし、輝度レベル設定用のルックアップテーブルを設けておき、このテーブルに基づいて行ってもよい。
図4は、本発明の液晶表示装置による画像破綻時のFRC処理の一例を説明するための図である。図中、f1〜f3は入力画像信号に含まれる入力フレーム、i1,i2は入力フレーム間に内挿する内挿フレームを示す。前述したように、制御部14は、動きベクトル検出部11eまたは内挿ベクトル評価部11fから破綻推定信号を受け付けると、FRC部10に対して、入力フレームf1〜f3の輝度レベルを基準輝度レベルより高くし、内挿フレームi1,i2の輝度レベルを基準輝度レベルより低く設定するための輝度制御信号を送出する。FRC部10は、制御部14からの輝度制御信号に従って、入力フレームf1〜f3及び内挿フレームi1,i2の輝度レベルを設定する。
図5は、図4に示したFRC処理に適用されるガンマ特性の一例を示す図である。図中、縦軸を表示輝度、横軸を階調とする。図5(A)は液晶表示装置の通常使用時におけるガンマ特性(基準輝度レベル)を示し、図5(B)は画像破綻時に入力フレームf1〜f3に適用されるガンマ特性、図5(C)は画像破綻時に内挿フレームi1,i2に適用されるガンマ特性を示す。このように、入力フレームf1〜f3は中間階調の輝度レベルが高くなるようなガンマ特性となり、内挿フレームi1,i2は中間階調の輝度レベルが低くなるようなガンマ特性となる。なお、入力フレームの輝度レベルと内挿フレームの輝度レベルとの平均は図5(A)に示す基準輝度レベルとなる。
以上説明したように、本発明によれば、動き補償型のFRC処理において、画像破綻時に内挿画像の輝度を落として暗くすることにより、動的反応速度を向上させ、画像破綻による画質劣化を軽減することができる。
また、画像破綻時において、FRC処理をオフすることなく内挿画像の輝度を低くした場合に、原画像の輝度を高くして補償しているため、動き補償によるFRCの効果を維持しながら、最大輝度の低下を抑えることができる。
また、画像破綻時において、FRC処理をオフすることなく内挿画像の輝度を低くした場合に、原画像の輝度を高くして補償しているため、動き補償によるFRCの効果を維持しながら、最大輝度の低下を抑えることができる。
10,100…フレームレート変換(FRC)部、11…ベクトル検出部、11a…輝度信号抽出部、11b…前処理フィルタ、11c…動き検出用フレームメモリ、11d…初期ベクトルメモリ、11e,101…動きベクトル検出部、11f…内挿ベクトル評価部、12…フレーム生成部、12a…内挿用フレームメモリ、12b,102…内挿フレーム生成部、12c…タイムベース変換用フレームメモリ、12d…タイムベース変換部、13…画像処理部、14…制御部、15,103…電極駆動部、16,104…液晶表示パネル。
Claims (7)
- 入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に、動き補償処理を施した画像信号を内挿することにより、前記入力画像信号のフレーム数あるいはフィールド数を変換して表示パネルへ出力するレート変換手段を備えた画像表示装置であって、
前記入力画像信号のフレーム間あるいはフィールド間に内挿される内挿画像信号の画像破綻の程度を推定する画像破綻推定手段を備え、
前記レート変換手段は、前記画像破綻推定手段により前記内挿画像信号の内挿画像が破綻すると推定された場合、前記内挿画像信号の輝度レベルを前記入力画像信号の輝度レベルよりも低くすることを特徴とする画像表示装置。 - 請求項1に記載の画像表示装置において、前記レート変換手段は、前記内挿画像の破綻の程度に応じて、前記入力画像信号と前記内挿画像信号の輝度レベルを変化させることを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1又は2に記載の画像表示装置において、前記内挿画像が破綻すると推定された場合、前記画像表示装置に予め設定されている基準輝度レベルに対して、前記入力画像信号の輝度レベルを高くし、前記内挿画像信号の輝度レベルを低くし、前記入力画像信号と前記内挿画像信号の輝度レベルの平均が前記基準輝度レベルになるように制御することを特徴する画像表示装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記画像破綻推定手段は、前記レート変換手段における動きベクトルの候補数に基づいて、前記内挿画像信号の画像破綻の程度を推定することを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記画像破綻推定手段は、前記レート変換手段における内挿画像へのベクトル割付状態に基づいて、前記内挿画像信号の画像破綻の程度を推定することを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記画像破綻推定手段は、前記レート変換手段における動きベクトルの交差数に基づいて、前記内挿画像信号の画像破綻の程度を推定することを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像表示装置において、前記レート変換手段は、前記入力画像信号に含まれる連続したフレーム間あるいはフィールド間で動きベクトル情報を検出する動きベクトル検出部と、該検出した動きベクトル情報に基づいて、前記フレーム間あるいは前記フィールド間に内挿ベクトルを割り付ける内挿ベクトル割付部と、該割り付けた内挿ベクトルから内挿画像信号を生成する内挿画像生成部と、該生成した内挿画像信号を前記フレーム間あるいは前記フィールド間に内挿する画像内挿部とを有することを特徴とする画像表示装置。
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