JP2009256290A - 単量体及びその重合体、制御ラジカル用触媒及びそれを用いた制御ラジカル重合方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、重合制御に優れ(得られる重合体の分子量が制御可能であり、分子量分布が狭い)、重合後の除去が容易である制御ラジカル重合用触媒に用いられる単量体及びその重合体、該重合体から得られる制御ラジカル重合用触媒、該制御ラジカル重合用触媒を用いた制御ラジカル重合方法に関する。
近年、従来のラジカル重合では困難とされていたブロック重合体、分子量分布の狭い重合体の合成が可能となる制御ラジカル重合法が開発されている。制御ラジカル重合法の中でも、有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒としてビニル単量体を重合する方法は、開始剤や触媒の設計の自由度が大きく、重合制御が容易であることから、好ましく用いられる。
遷移金属錯体を触媒としてビニル単量体を重合する方法としては、例えば、特許文献1及び非特許文献1に記載の方法が挙げられる。しかしながら、これらの重合法では、得られた重合体中に低分子量の遷移金属錯体が混入するため、重合後に吸着剤等を用いて遷移金属錯体を除去する必要がある。
重合後の遷移金属錯体の除去を不要とするため、担体に配位子を担持させ、これに遷移金属化合物を配位させた遷移金属錯体が、制御ラジカル重合用触媒として提案されている(非特許文献2、3)。非特許文献2では、イミノピリジル基で表面を修飾した溶剤不溶の担体に遷移金属化合物を配位させ、得られる遷移金属錯体を制御ラジカル重合に用いている。非特許文献3では、架橋したポリスチレンのビーズやシリカの粒子表面にビピリジル基や多価アミンを導入して、遷移金属化合物との錯体を形成させ、制御ラジカル重合に用いている。
重合後の遷移金属錯体の除去を不要とするため、担体に配位子を担持させ、これに遷移金属化合物を配位させた遷移金属錯体が、制御ラジカル重合用触媒として提案されている(非特許文献2、3)。非特許文献2では、イミノピリジル基で表面を修飾した溶剤不溶の担体に遷移金属化合物を配位させ、得られる遷移金属錯体を制御ラジカル重合に用いている。非特許文献3では、架橋したポリスチレンのビーズやシリカの粒子表面にビピリジル基や多価アミンを導入して、遷移金属化合物との錯体を形成させ、制御ラジカル重合に用いている。
非特許文献2で提案されている方法では、重合後に制御ラジカル重合用触媒を除去することは容易であるが、溶剤不溶の担体と配位子の距離が近いため、重合制御の観点から、溶剤に可溶な制御ラジカル重合用触媒に劣るものである。
非特許文献3で提案されている方法では、重合制御という観点では良好であるが、−78℃でn−ブチルリチウムを反応させることや、合成ステップが多い等、合成上の課題が多く、汎用性の高い制御ラジカル重合用触媒とは言い難い。
国際公開第96/30421号パンフレット
Macromolecules、1995年、28巻、1721頁〜1723頁
Chem. Commun.、1999年、99頁〜100頁
Macromolecules、2002年、35巻、7592頁〜7605頁
非特許文献3で提案されている方法では、重合制御という観点では良好であるが、−78℃でn−ブチルリチウムを反応させることや、合成ステップが多い等、合成上の課題が多く、汎用性の高い制御ラジカル重合用触媒とは言い難い。
本発明の目的は、重合制御に優れ(得られる重合体の分子量が制御可能であり、分子量分布が狭い)、重合後の除去が容易である制御ラジカル重合用触媒に用いられる、単量体及びその重合体、該重合体から得られる制御ラジカル重合用触媒、該制御ラジカル重合用触媒を用いた制御ラジカル重合方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、新規な単量体を重合して得られる重合体を制御ラジカル重合用触媒として用いることにより、重合制御に優れ(得られる重合体の分子量が制御可能であり、分子量分布が狭い)、重合後の除去が容易であることを見出した。
即ち、本発明の単量体(a)は、下記一般式(1)で表される。
(一般式(1)において、nは1〜10の整数であり、Rは水素又はメチル基を表す。)
即ち、本発明の単量体(a)は、下記一般式(1)で表される。
本発明の重合体(A)は、単量体(a)を重合して得られる。
本発明の共重合体(B)は、単量体(a)と他の単量体(b)とを重合して得られる。
本発明の制御ラジカル重合用触媒は、重合体(A)又は共重合体(B)と、遷移金属化合物とから形成される。
本発明の制御ラジカル重合方法は、上記の制御ラジカル重合用触媒を用いる。
本発明の共重合体(B)は、単量体(a)と他の単量体(b)とを重合して得られる。
本発明の制御ラジカル重合用触媒は、重合体(A)又は共重合体(B)と、遷移金属化合物とから形成される。
本発明の制御ラジカル重合方法は、上記の制御ラジカル重合用触媒を用いる。
本発明の単量体(a)を重合して得られる重合体(A)又は共重合体(B)は、遷移金属化合物と組み合わせることにより、制御ラジカル重合用触媒として好適に用いることができる。本発明の制御ラジカル重合用触媒は、重合制御に優れ(得られる重合体の分子量が制御可能であり、分子量分布が狭い)、重合後の除去が容易である。本発明のラジカル重合方法は、重合制御に優れる(得られる重合体の分子量が制御可能であり、分子量分布が狭い)。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の単量体(a)は、下記一般式(1)で表される。
(一般式(1)において、nは1〜10の整数であり、Rは水素又はメチル基を表す。)
一般式(1)で表される単量体(a)のイミノピリジル基が、得られる重合体と遷移金属化合物とが錯体形成する配位子として機能する部分である。一般式(1)で表される単量体(a)の中でも、得られる重合体の遷移金属化合物との錯体形成能の観点から、配位子は重合体の主鎖から適度に離れることが好ましい。これより、nは3〜10の整数が好ましく、3〜8の整数がより好ましく、5が更に好ましい。単量体(a)としては、nが5であり、Rがメチル基である、メタクリル酸2−ピリジルメタンイミン−N−(n−ペンチル)エステル(以下、「PMIPMA」という。)が好ましい。
本発明の単量体(a)は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)で表される単量体(a)のイミノピリジル基が、得られる重合体と遷移金属化合物とが錯体形成する配位子として機能する部分である。一般式(1)で表される単量体(a)の中でも、得られる重合体の遷移金属化合物との錯体形成能の観点から、配位子は重合体の主鎖から適度に離れることが好ましい。これより、nは3〜10の整数が好ましく、3〜8の整数がより好ましく、5が更に好ましい。単量体(a)としては、nが5であり、Rがメチル基である、メタクリル酸2−ピリジルメタンイミン−N−(n−ペンチル)エステル(以下、「PMIPMA」という。)が好ましい。
本発明の単量体(a)は、公知の合成方法を組み合わせて合成可能である。例えば、対応するアミノアルコールのアミノ基を保護した後、(メタ)アクリル酸クロリドと水酸基とを脱水反応をさせ、(メタ)アクリル酸エステルを合成する。次いで、アミノ基の保護を外し、アミノ基とピリジン−2−カルボキシアルデヒドと反応させ、イミンを合成する方法が挙げられる。
本発明の重合体(A)は、単量体(a)を重合して得られる。単量体(a)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。重合体(A)は、単量体(a)を重合したものであることから多数の配位子を有するものとなり、多数の遷移金属化合物との錯体を形成することが可能となる。
本発明の重合体(A)は、単量体(a)を重合して得られる。単量体(a)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。重合体(A)は、単量体(a)を重合したものであることから多数の配位子を有するものとなり、多数の遷移金属化合物との錯体を形成することが可能となる。
本発明の共重合体(B)は、単量体(a)と他の単量体(b)とを重合して得られる。他の単量体(b)は、共重合体(B)から得られる制御ラジカル重合用触媒が、制御ラジカル重合で重合する単量体との相溶性に優れることが好ましいことから、制御ラジカル重合で重合する単量体と同じであることがより好ましい。例えば、メタクリル酸メチルを制御ラジカル重合で重合する触媒を形成するために用いる共重合体(B)の場合には、他の単量体(b)もメタクリル酸メチルであることが好ましい。以上の観点から、他の単量体(b)としては、制御ラジカル重合に適した単量体が挙げられる。
他の単量体(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル単量体;パーフルオロエチレン、弗化ビニリデン等の弗素含有単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の珪素含有単量体;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル又はジアルキルエステル等のマレイン酸系単量体;フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル又はジアルキルエステル等のフマル酸系単量体;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニルが挙げられる。他の単量体(b)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。他の単量体(b)の中では、得られる共重合体(B)の特性の観点から、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等の芳香族ビニル単量体、シアノ基含有単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル及びシアノ基含有単量体がより好ましい。
尚、本発明において、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを示す。
尚、本発明において、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを示す。
共重合体(B)(100モル%)中の単量体(a)の含有率は、共重合体(B)が遷移金属化合物と形成する制御ラジカル重合用触媒の溶解性の観点から、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。共重合体(B)(100モル%)中の単量体(a)の含有率が、10モル%以上であれば、制御ラジカル重合に用いる共重合体(B)の添加量が増加せず、効率的に重合を行なうことができ、90モル%以下であれば、遷移金属化合物との錯体形成により、共重合体(B)の溶媒への溶解性が低下することがない。
共重合体(B)(100モル%)中の他の単量体(b)の含有率は、共重合体(B)が遷移金属化合物と形成する制御ラジカル重合用触媒の溶解性の観点から、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。共重合体(B)(100モル%)中の他の単量体(b)の含有率が、10モル%以上であれば、遷移金属化合物との錯体形成により、共重合体(B)の溶媒への溶解性が低下することがなく、90モル%以下であれば、制御ラジカル重合に用いる共重合体(B)の添加量が増加せず、効率的に重合を行なうことができる。
重合体(A)又は共重合体(B)の数平均分子量は、5000〜50万であることが好ましく、5000〜10万であることがより好ましい。数平均分子量が5000以上であれば、遷移金属化合物との錯体を形成し、制御ラジカル重合に用いた場合に、重合後の除去が容易であり、50万以下であれば、制御ラジカル重合の終了後、溶媒変更等により、得られた重合体との分離が容易である。
本発明の重合体(A)又は共重合体(B)は、公知の重合方法によって製造することができる。重合系としては、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合、懸濁重合が挙げられる。また、重合方法としては、ラジカル重合又はアニオン重合が好ましく、ラジカル重合がより好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ系開始剤が挙げられる。ラジカル重合開始剤の中では、取り扱い性の観点から、ベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルが好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合体(A)又は共重合体(B)の製造に用いられる単量体1モルに対して0.00001〜0.01モルであることが好ましく、0.0001〜0.01モルであることがより好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合体(A)又は共重合体(B)の製造に用いられる単量体1モルに対して0.00001〜0.01モルであることが好ましく、0.0001〜0.01モルであることがより好ましい。
その他、重合体(A)又は共重合体(B)の分子量を調節するために、メルカプタン等の連鎖移動剤を用いてもよい。
重合体(A)又は共重合体(B)を得るためのラジカル重合は、無溶媒又は各種の溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒が挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、エマルション系、超臨界CO2を媒体とする系でも重合を行なうことができる。
また、エマルション系、超臨界CO2を媒体とする系でも重合を行なうことができる。
重合の雰囲気は、特に限定されないが、酸素不存在雰囲気が好ましい。酸素はラジカルと容易に反応し、重合を阻害するためである。重合温度は、−50〜200℃が好ましく、0〜150℃がより好ましい。
本発明の制御ラジカル重合用触媒は、重合体(A)又は共重合体(B)と、遷移金属化合物とから形成される。ここでいう遷移金属化合物としては、特許文献1で例示されている遷移金属化合物が挙げられ、例えば、
MXn
(MはCu、Fe、Ru,Cr,Mo,W,Rh,Re,Co,V,Zn,Au,Agからなる群から選ばれ、Xはハロゲン原子、nは金属の形式電荷(0≦n≦7)である)
が挙げられる。これらの中でも、本発明の重合体(A)又は共重合体(B)への配位の容易さ、更には、制御ラジカル重合触媒としての制御能の観点から、MはCuが好ましく、Xは塩素、臭素、沃素が好ましく、nは0〜2が好ましい。更に、重合制御能の観点から、これらの中でも、銅、塩化第一銅、臭化第一銅が好ましい。
MXn
(MはCu、Fe、Ru,Cr,Mo,W,Rh,Re,Co,V,Zn,Au,Agからなる群から選ばれ、Xはハロゲン原子、nは金属の形式電荷(0≦n≦7)である)
が挙げられる。これらの中でも、本発明の重合体(A)又は共重合体(B)への配位の容易さ、更には、制御ラジカル重合触媒としての制御能の観点から、MはCuが好ましく、Xは塩素、臭素、沃素が好ましく、nは0〜2が好ましい。更に、重合制御能の観点から、これらの中でも、銅、塩化第一銅、臭化第一銅が好ましい。
遷移金属化合物と重合体(A)又は共重合体(B)の割合は、重合体(A)又は共重合体(B)中に含まれる単量体(a)1単位に対し、遷移金属化合物が0.01〜0.5単位であることが好ましい。遷移金属化合物が0.01単位以上であれば、遷移金属錯体を形成する単量体(a)単位は少なく、単量体(a)単位が効果的に使用される。また、遷移金属化合物が0.5単位以下であれば、単量体(a)単位と遷移金属錯体をすることができない遷移金属化合物は少なく、制御ラジカル重合に使用した場合に、重合禁止剤又は重合遅延剤として遷移金属化合物が作用することを抑制できる。より好ましい割合としては、重合体(A)又は共重合体(B)中に含まれる単量体(a)1単位に対し、遷移金属化合物が0.1〜0.5単位である。
本発明の制御ラジカル重合用触媒は、上述の重合体(A)又は共重合体(B)を得るために使用する溶媒として例示した各種溶剤に可溶であり、この溶剤を溶媒として用いた均一系遷移金属錯体として使用することが可能である。更には、本発明の制御ラジカル重合用触媒は、制御ラジカル重合に使用後、制御ラジカル重合用触媒の溶解性を変化させることで回収も容易である。例えば、冷却したメタノールに投入することで触媒のみ溶解させ、制御ラジカル重合により得られた重合体のみ沈殿させることで回収することもできる。
本発明の制御ラジカル重合方法について、説明する。
遷移金属錯体を用いた制御ラジカル重合においては、遷移金属錯体が重合体の末端からハロゲン原子を引き抜き、引き抜かれた分子からラジカル重合が進行する。しかしながら引き抜かれたハロゲン原子は遷移金属錯体から非常に速い速度で重合中の成長ラジカルに再付加し、重合を一時的に停止する。
成長ラジカルに付加したハロゲン原子は再び、遷移金属錯体により引き抜かれ、再び引き抜かれた分子からラジカル重合が進行する。このサイクルを繰り返し続けることで、分子量分布の狭い重合体やブロック共重合体を合成することが可能となる。
この際、遷移金属錯体がハロゲン原子を引き抜く速度を調整することは重要な因子となる。遷移金属錯体が不溶又は不溶の担体に担持されている場合には、遷移金属錯体がハロゲン原子を引き抜くに十分な酸化還元電位を有していたとしても、ハロゲン原子との接触回数が少なければ、ラジカルが発生しにくくなり、制御ラジカル重合は非常に重合速度の遅いものになってしまう。
一方で、遷移金属錯体を用いた制御ラジカル重合は、制御ラジカル重合後、遷移金属錯体を除去する必要がある。除去しない場合には、得られた重合体中に遷移金属錯体が残存し、透明性等の光学的特性を低下させたり、耐候性を低化させたりする要因となる。
本発明の制御ラジカル重合方法について、説明する。
遷移金属錯体を用いた制御ラジカル重合においては、遷移金属錯体が重合体の末端からハロゲン原子を引き抜き、引き抜かれた分子からラジカル重合が進行する。しかしながら引き抜かれたハロゲン原子は遷移金属錯体から非常に速い速度で重合中の成長ラジカルに再付加し、重合を一時的に停止する。
成長ラジカルに付加したハロゲン原子は再び、遷移金属錯体により引き抜かれ、再び引き抜かれた分子からラジカル重合が進行する。このサイクルを繰り返し続けることで、分子量分布の狭い重合体やブロック共重合体を合成することが可能となる。
一方で、遷移金属錯体を用いた制御ラジカル重合は、制御ラジカル重合後、遷移金属錯体を除去する必要がある。除去しない場合には、得られた重合体中に遷移金属錯体が残存し、透明性等の光学的特性を低下させたり、耐候性を低化させたりする要因となる。
本発明の制御ラジカル重合用触媒を用いた制御ラジカル重合を行なうに際し、使用できる単量体としては、他の単量体(b)として例示した単量体が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの内では、生成物の物性の観点から、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等の芳香族ビニル単量体、シアノ基含有単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル及びシアノ基含有単量体がより好ましい。
制御ラジカル重合は、無溶媒又は各種の溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、重合体(A)又は共重合体(B)の重合に用いる溶媒として例示した溶媒が挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、エマルション系、超臨界CO2を媒体とする系でも重合を行なうことができる。
また、エマルション系、超臨界CO2を媒体とする系でも重合を行なうことができる。
制御ラジカル重合に用いる重合開始剤としては、例えば、1官能性、2官能性、又は多官能性の有機ハロゲン化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は目的に応じて使い分けることができる。A−Bジブロック共重合体を製造する場合には、1官能性の有機ハロゲン化合物を用いることが好ましい。A−B−A型のトリブロック共重合体、B−A−B型のトリブロック共重合体を製造する場合には、反応工程数、製造時間短縮の点から2官能性の有機ハロゲン化合物を用いることが好ましい。分岐状ブロック共重合体を製造する場合は、反応工程数、製造時間短縮の点から多官能性の有機ハロゲン化合物を用いることが好ましい。
1官能性の有機ハロゲン化合物としては、例えば、
R1−C(H)(X)−COOR2、
R1−C(CH3)(X)−COOR2、
R1−C(H)(X)−CO−R2、
R1−C(CH3)(X)−CO−R2、
R1−C(H)(X)−CN、
R1−C(CH3)(X)−CN、
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数7〜20のアラルキル基を表す。Xは、塩素、臭素又は沃素を表す。R2は炭素数1〜20の1価の有機基を表す。)
で示される化合物が挙げられる。
R1−C(H)(X)−COOR2、
R1−C(CH3)(X)−COOR2、
R1−C(H)(X)−CO−R2、
R1−C(CH3)(X)−CO−R2、
R1−C(H)(X)−CN、
R1−C(CH3)(X)−CN、
(式中、R1は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数7〜20のアラルキル基を表す。Xは、塩素、臭素又は沃素を表す。R2は炭素数1〜20の1価の有機基を表す。)
で示される化合物が挙げられる。
R1の、炭素数1〜20のアルキル基(脂環式炭化水素基を含む)としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基が挙げられる。R2の、炭素数1〜20の1価の有機基としては、R1として例示した、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数7〜20のアラルキル基が挙げられる。
1官能性の有機ハロゲン化合物としては、例えば、2−臭化プロピオン酸メチル、2−臭化プロピオン酸エチル、2−臭化プロピオン酸ブチル、2−臭化イソ酪酸メチル、2−臭化イソ酪酸エチル、2−臭化イソ酪酸ブチル、2−臭化プロピオノニトリル、2−臭化イソブチロニトリルが挙げられる。これらの中では、2−臭化プロピオン酸エチル、2−臭化プロピオン酸ブチル、2−臭化プロピオノニトリル、2−臭化イソブチロニトリルが、ハロゲン基の脱離速度が速い点から好ましい。
2官能性の有機ハロゲン化合物としては、例えば、
XCH(COOR3)−(CH2)n−CH(COOR3)−X、
XC(CH3)(COOR3)−(CH2)n−C(CH3)(COOR3)−X、
XCH2−COO−(CH2)n−OCO−CH2−X、
XCH(CH3)−COO−(CH2)n−OCO−CH(CH3)−X、
XC(CH3)2−COO−(CH2)n−OCO−C(CH3)2−X、
XCH2−COO−C6H4−OCO−CH2−X、
XCH(CH3)−COO−C6H4−OCO−CH(CH3)−X、
XC(CH3)2−COO−C6H4−OCO−C(CH3)2−X、
(式中、R3は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数7〜20のアラルキル基を表す。2つのR3を有する化合物の場合、各R3は同じでもよく、異なっていてもよい。nは0〜20の整数を表す。C6H4は2価のフェニル基(2つの結合手の位置は1位〜6位のいずれにある組み合わせでもよい)、Xは、前記と同様である。)
で示される化合物挙げられる。R3の、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基は、R1として例示したものと同様である。
XCH(COOR3)−(CH2)n−CH(COOR3)−X、
XC(CH3)(COOR3)−(CH2)n−C(CH3)(COOR3)−X、
XCH2−COO−(CH2)n−OCO−CH2−X、
XCH(CH3)−COO−(CH2)n−OCO−CH(CH3)−X、
XC(CH3)2−COO−(CH2)n−OCO−C(CH3)2−X、
XCH2−COO−C6H4−OCO−CH2−X、
XCH(CH3)−COO−C6H4−OCO−CH(CH3)−X、
XC(CH3)2−COO−C6H4−OCO−C(CH3)2−X、
(式中、R3は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は、炭素数7〜20のアラルキル基を表す。2つのR3を有する化合物の場合、各R3は同じでもよく、異なっていてもよい。nは0〜20の整数を表す。C6H4は2価のフェニル基(2つの結合手の位置は1位〜6位のいずれにある組み合わせでもよい)、Xは、前記と同様である。)
で示される化合物挙げられる。R3の、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基は、R1として例示したものと同様である。
2官能性の有機ハロゲン化合物としては、例えば、2,3−ジブロモコハク酸ジメチル、2,3−ジブロモコハク酸ジエチル、2,4−ジブロモグルタル酸ジメチル、2,4−ジブロモグルタル酸ジエチル、2,4−ジブロモグルタル酸ジブチル、2,5−ジブロモアジピン酸ジメチル、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル、2,6−ジブロモピメリン酸ジメチル、2,6−ジブロモピメリン酸ジエチル、2,7−ジブロモスベリン酸ジメチル、2,7−ジブロモスベリン酸ジエチルが挙げられる。これらの中では、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル、2,6−ジブロモピメリン酸ジエチルが好ましい。
多官能性の有機ハロゲン化合物としては、例えば、
C6H3−(CH2−X)3、
C6H3−(CH(CH3)−X)3、
C6H3−(C(CH3)2−X)3、
(式中、C6H3は3価のフェニル基(3つの結合手の位置は1位〜6位のいずれにある組み合わせでもよい)、Xは前記と同じである。)
で示される化合物が挙げられる。
C6H3−(CH2−X)3、
C6H3−(CH(CH3)−X)3、
C6H3−(C(CH3)2−X)3、
(式中、C6H3は3価のフェニル基(3つの結合手の位置は1位〜6位のいずれにある組み合わせでもよい)、Xは前記と同じである。)
で示される化合物が挙げられる。
多官能性の有機ハロゲン化合物としては、例えば、トリス(1−ブロモエチル)ベンゼン、トリス(1−ブロモイソプロピル)ベンゼンが挙げられる。これらの中では、トリス(ブロモメチル)ベンゼンが好ましい。
これら重合開始剤の使用量は、重合体の製造に用いられる単量体1モルに対して0.00001〜0.01モルであることが好ましく、更に好ましくは0.0001〜0.01モルである。
本発明の制御ラジカル重合方法により得られる重合体の数平均分子量は1000〜50万であることが好ましい。数平均分子量が1000以上であれば、得られる重合体の物性及び取り扱い性が良好となる。また、数平均分子量が50万以下であれば、加工性が良好になる。
本発明の制御ラジカル重合方法としては特に制限はなく、公知の重合方法を採用することができる。本発明における重合方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合、懸濁重合が挙げられる。
重合の雰囲気は、特に限定されないが、酸素不存在雰囲気が好ましい。酸素はラジカルと容易に反応し、重合を阻害するためである。重合温度については、−50〜200℃が好ましく、0〜150℃がより好ましい。
重合の雰囲気は、特に限定されないが、酸素不存在雰囲気が好ましい。酸素はラジカルと容易に反応し、重合を阻害するためである。重合温度については、−50〜200℃が好ましく、0〜150℃がより好ましい。
本発明の制御ラジカル重合方法により得られた重合体は、各種用途に使用することができる。得られた重合体の用途としては、例えば、分子量分布が狭いことを利用した塗料用組成物、ブロック重合体であることを利用した熱可塑性組成物、熱又は光による硬化性組成物、粘着剤用組成物、接着剤用組成物、更には、フィルムやシート等の成形材料が挙げられる。
以下に本発明の実施例を示す。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、参考例、実施例及び比較例において、各種測定は以下の方法により行なった。
(1)化合物の同定
1H、13C、二次元−NMR(Bruker製、商品名:DPX300)により求めた。化合物を重水素化クロロホルム(CDCl3)又は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解させ、各水素のピークの積分強度の比から純度を計算し、各炭素のピークの数、更には、水素と炭素の相関を二次元NMRにより確認し、同定した。測定温度:25℃。
1H、13C、二次元−NMR(Bruker製、商品名:DPX300)により求めた。化合物を重水素化クロロホルム(CDCl3)又は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)に溶解させ、各水素のピークの積分強度の比から純度を計算し、各炭素のピークの数、更には、水素と炭素の相関を二次元NMRにより確認し、同定した。測定温度:25℃。
(2)重合体の組成
1H−NMR(Bruker製、商品名:DPX300)により求めた。重合体をCDCl3に溶解させ、カルボン酸エステル部位のピーク、又は芳香環由来のピークの積分強度の比から計算した。測定温度:25℃、積算回数:16回。
1H−NMR(Bruker製、商品名:DPX300)により求めた。重合体をCDCl3に溶解させ、カルボン酸エステル部位のピーク、又は芳香環由来のピークの積分強度の比から計算した。測定温度:25℃、積算回数:16回。
(3)重合転化率の測定
1H−NMR(Bruker製、商品名:DPX300)を使用し、重合中又は重合後に採取した重合混合溶液をCDCl3に溶解させ、内部基準としての重合混合液中に含まれるトルエンの芳香環由来のピークの積分強度と、単量体の炭素―炭素二重結合由来のピークの積分強度の比から、単量体の重合転化率を測定した。測定温度:25℃、積算回数:16回。
1H−NMR(Bruker製、商品名:DPX300)を使用し、重合中又は重合後に採取した重合混合溶液をCDCl3に溶解させ、内部基準としての重合混合液中に含まれるトルエンの芳香環由来のピークの積分強度と、単量体の炭素―炭素二重結合由来のピークの積分強度の比から、単量体の重合転化率を測定した。測定温度:25℃、積算回数:16回。
(4)重合体の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(PDI)
ポリメタクリル酸メチル又はポリスチレンをスタンダードとして、SEC(Polymer Laboratories製、PL−gel 5μm(50×7.5mm)ガードカラム+PL−gel 5μm(300×7.5mm) mixed Cカラム×2、移動相としてテトラヒドロフラン/トリエチルアミン=95/5質量%)を用いて決定した。
ポリメタクリル酸メチル又はポリスチレンをスタンダードとして、SEC(Polymer Laboratories製、PL−gel 5μm(50×7.5mm)ガードカラム+PL−gel 5μm(300×7.5mm) mixed Cカラム×2、移動相としてテトラヒドロフラン/トリエチルアミン=95/5質量%)を用いて決定した。
(参考例1)
<メタクリル酸5−アミノ−1−ペンチルエステル・p−トルエンスルホン酸塩(APMA・p−TsOH)の合成>
700mLの無水1,4−ジオキサンにp−トルエンスルホン酸・一水和物(200g、1.05mol)を溶解させ、110℃で一時間還流した。ここに、300mLの無水1,4−ジオキサンに溶解させた5−アミノ−1−ペンタノール(103g、1.00mol)を1時間かけて滴下し、滴下終了後4時間還流を続けた。
重合禁止剤として粉末状の銅(0.24g、3.8mmol)を系内に加えた後、196mL(2.00mol)のメタクリル酸クロリドを2時間かけて滴下し、滴下終了後更に3時間還流を続けた。その際、発生した塩化水素ガスを、ピリジンのキシレン溶液でトラップした。
<メタクリル酸5−アミノ−1−ペンチルエステル・p−トルエンスルホン酸塩(APMA・p−TsOH)の合成>
700mLの無水1,4−ジオキサンにp−トルエンスルホン酸・一水和物(200g、1.05mol)を溶解させ、110℃で一時間還流した。ここに、300mLの無水1,4−ジオキサンに溶解させた5−アミノ−1−ペンタノール(103g、1.00mol)を1時間かけて滴下し、滴下終了後4時間還流を続けた。
重合禁止剤として粉末状の銅(0.24g、3.8mmol)を系内に加えた後、196mL(2.00mol)のメタクリル酸クロリドを2時間かけて滴下し、滴下終了後更に3時間還流を続けた。その際、発生した塩化水素ガスを、ピリジンのキシレン溶液でトラップした。
3時間の還流後、300mLのn−ヘプタンを加え、温度を徐々に下げ、室温まで下げた。一晩放置した後、生成した結晶を濾過した後、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下、50℃で一晩乾燥させた。
収率:188.9g(55.0%)。
1H−NMR(DMSO−d6):δ7.70(br s、3H)、7.49(d、2H)、7.11(d、2H)、6.04(dd、1H)、5.67(dd、1H)、4.07(t、2H)、2.77(m、2H)、2.27(s、3H)、1.87(dd、3H)、1.61−1.48(m、4H)、1.38−1.27(m、2H)。
13C−NMR(DMSO−d6):δ166.6、145.1、138.1、136.0、128.3、125.7、125.5、64.0、38.8、27.6、26.6、22.4、20.8、18.1。
IR:1714cm-1。
収率:188.9g(55.0%)。
1H−NMR(DMSO−d6):δ7.70(br s、3H)、7.49(d、2H)、7.11(d、2H)、6.04(dd、1H)、5.67(dd、1H)、4.07(t、2H)、2.77(m、2H)、2.27(s、3H)、1.87(dd、3H)、1.61−1.48(m、4H)、1.38−1.27(m、2H)。
13C−NMR(DMSO−d6):δ166.6、145.1、138.1、136.0、128.3、125.7、125.5、64.0、38.8、27.6、26.6、22.4、20.8、18.1。
IR:1714cm-1。
(実施例1)
<メタクリル酸2−ピリジルメタンイミン−N−(n−ペンチル)エステル(PMIPMA)の合成>
200mLのジクロロメタンに20g(60.0mmol)のAPMA・p−TsOHを溶解させた。この溶液に、100mLの1.0M NaOH水溶液を加え、一時間攪拌した。静置して二層に分離させた後、水層を収集し、100mLのNaHCO3飽和水溶液を加えた。次いで、100mLのジクロロメタンで2回抽出し、集めたジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。
<メタクリル酸2−ピリジルメタンイミン−N−(n−ペンチル)エステル(PMIPMA)の合成>
200mLのジクロロメタンに20g(60.0mmol)のAPMA・p−TsOHを溶解させた。この溶液に、100mLの1.0M NaOH水溶液を加え、一時間攪拌した。静置して二層に分離させた後、水層を収集し、100mLのNaHCO3飽和水溶液を加えた。次いで、100mLのジクロロメタンで2回抽出し、集めたジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。
この溶液に室温で6.0mL(60.0mmol)のピリジン−2−カルボキシアルデヒドを加え、一晩攪拌させた。溶液を濾過した後、過剰のピリジン−2−カルボキシアルデヒドを減圧で除去することで、茶褐色のオイル状のPMIPMAを得た。
収率:10.24g(67.5%)。
1H−NMR(CDCl3):δ8.65(m、1H)、8.39(s、1H)、7.97(m、1H)、7.73(m、1H)、7.31(m、1H)、6.09(s、1H)、5.52(dt、1H)、4.16(dt、2H)、3.69(dt、2H)、1.93(s、3H)、1.82−1.71(m、4H)、1.53−1.46(m、2H)。
13C−NMR(CDCl3):δ167.2、161.7、154.4、149.3、136.4、127.7、125.0、124.5、121.1、64.4、61.1、30.1、28.2、23.6、18.2。
分子量:260。
1H−NMRのスペクトルを図1に示す。
収率:10.24g(67.5%)。
1H−NMR(CDCl3):δ8.65(m、1H)、8.39(s、1H)、7.97(m、1H)、7.73(m、1H)、7.31(m、1H)、6.09(s、1H)、5.52(dt、1H)、4.16(dt、2H)、3.69(dt、2H)、1.93(s、3H)、1.82−1.71(m、4H)、1.53−1.46(m、2H)。
13C−NMR(CDCl3):δ167.2、161.7、154.4、149.3、136.4、127.7、125.0、124.5、121.1、64.4、61.1、30.1、28.2、23.6、18.2。
分子量:260。
1H−NMRのスペクトルを図1に示す。
(実施例2)
<PMIPMAの単独重合体−1>
アルゴン置換した100mlフラスコ内にPMIPMA26.0g(100mmol)、トルエン26.0g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)26mgを添加した。70℃で24時間攪拌することにより、PMIPMAの単独重合を行なった。その後、反応液をメタノール500ml中に投じ、沈殿物を濾過して白色固体を得た。この白色固体をメタノールで洗浄し、減圧乾燥し、精製した重合体21.2gを得た。重合体のMnは51000、PDIは1.8であった。
<PMIPMAの単独重合体−1>
アルゴン置換した100mlフラスコ内にPMIPMA26.0g(100mmol)、トルエン26.0g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)26mgを添加した。70℃で24時間攪拌することにより、PMIPMAの単独重合を行なった。その後、反応液をメタノール500ml中に投じ、沈殿物を濾過して白色固体を得た。この白色固体をメタノールで洗浄し、減圧乾燥し、精製した重合体21.2gを得た。重合体のMnは51000、PDIは1.8であった。
(実施例3)
<PMIPMAの単独重合体−2>
AIBN26mgの代わりにAIBN130mgを添加したこと以外は、実施例2と同様にして、PMIPMAの単独重合を行なった。得られた重合体は22.6gであり、重合体のMnは8800、PDIは1.9であった。
<PMIPMAの単独重合体−2>
AIBN26mgの代わりにAIBN130mgを添加したこと以外は、実施例2と同様にして、PMIPMAの単独重合を行なった。得られた重合体は22.6gであり、重合体のMnは8800、PDIは1.9であった。
(実施例4)
<PMIPMAとメタクリル酸メチル(MMA)の共重合体−1>
PMIPMA26.0gの代わりにPMIPMA13.0g(50.0mmol)とMMA5.0g(50.0mmol)を添加したこと以外は、実施例2と同様にしてPMIPMAとMMAの共重合を行なった。得られた共重合体(CP1)は14.9gであり、重合体のMnは47000、PDIは1.8であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、PMIPMA/MMA=48/52(mol比)の共重合体であった。
<PMIPMAとメタクリル酸メチル(MMA)の共重合体−1>
PMIPMA26.0gの代わりにPMIPMA13.0g(50.0mmol)とMMA5.0g(50.0mmol)を添加したこと以外は、実施例2と同様にしてPMIPMAとMMAの共重合を行なった。得られた共重合体(CP1)は14.9gであり、重合体のMnは47000、PDIは1.8であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、PMIPMA/MMA=48/52(mol比)の共重合体であった。
(実施例5)
<PMIPMAとMMAの共重合体−2>
PMIPMA26.0gの代わりにPMIPMA13.0g(50.0mmol)とMMA5.0g(50.0mmol)を添加したこと以外は、実施例3と同様にしてPMIPMAとMMAの共重合を行なった。得られた共重合体(CP2)は16.7gであり、重合体のMnは8100、PDIは1.9であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、PMIPMA/MMA=48/52(mol比)の共重合体であった。
<PMIPMAとMMAの共重合体−2>
PMIPMA26.0gの代わりにPMIPMA13.0g(50.0mmol)とMMA5.0g(50.0mmol)を添加したこと以外は、実施例3と同様にしてPMIPMAとMMAの共重合を行なった。得られた共重合体(CP2)は16.7gであり、重合体のMnは8100、PDIは1.9であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、PMIPMA/MMA=48/52(mol比)の共重合体であった。
(実施例6)
<PMIPMAとn−アクリル酸ブチル(nBA)の共重合体−1>
MMA5.0gの代わりにnBA6.41g(50.0mmol)を添加したこと以外は、実施例4と同様にしてPMIPMAとnBAの共重合を行なった。得られた共重合体(CP3)は15.3gであり、重合体のMnは61000、PDIは1.8であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、PMIPMA/nBA=49/51(mol比)の共重合体であった。
<PMIPMAとn−アクリル酸ブチル(nBA)の共重合体−1>
MMA5.0gの代わりにnBA6.41g(50.0mmol)を添加したこと以外は、実施例4と同様にしてPMIPMAとnBAの共重合を行なった。得られた共重合体(CP3)は15.3gであり、重合体のMnは61000、PDIは1.8であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、PMIPMA/nBA=49/51(mol比)の共重合体であった。
(実施例7)
<PMIPMAとスチレン(St)の共重合体−1>
MMA5.0gの代わりにSt5.20g(50.0mmol)を添加したこと以外は、実施例4と同様にしてPMIPMAとStの共重合を行なった。得られた共重合体(CP4)は12.7gであり、重合体のMnは46000、PDIは1.7であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、PMIPMA/St=50/50(mol比)の共重合体であった。
<PMIPMAとスチレン(St)の共重合体−1>
MMA5.0gの代わりにSt5.20g(50.0mmol)を添加したこと以外は、実施例4と同様にしてPMIPMAとStの共重合を行なった。得られた共重合体(CP4)は12.7gであり、重合体のMnは46000、PDIは1.7であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、PMIPMA/St=50/50(mol比)の共重合体であった。
(実施例8)
<共重合体を用いた制御ラジカル重合−1>
100mLシュレンクに、実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0g(5.52mmolのPMIPMA単位を含有)を投入し、トルエン60mL及び塩化第一銅0.247g(2.5mmol)を添加し、窒素バブリングにより窒素置換した。次いで、予め窒素バブリングにより窒素置換したMMA50g(0.50mol)を添加し、内温を70℃まで昇温させ、同温度で20分間攪拌し、塩化第一銅とPMIPMA単位との錯体を形成させた。
<共重合体を用いた制御ラジカル重合−1>
100mLシュレンクに、実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0g(5.52mmolのPMIPMA単位を含有)を投入し、トルエン60mL及び塩化第一銅0.247g(2.5mmol)を添加し、窒素バブリングにより窒素置換した。次いで、予め窒素バブリングにより窒素置換したMMA50g(0.50mol)を添加し、内温を70℃まで昇温させ、同温度で20分間攪拌し、塩化第一銅とPMIPMA単位との錯体を形成させた。
次いで、重合開始剤としてt−ブチル−2−ブロモイソブチレート0.47mL(2.5mmol)を添加し、MMAの制御ラジカル重合を開始させた。所望の時間にサンプリングし、1H−NMRによりMMAの重合転化率を求めた。また、所望の時間にサンプリングし、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCによりMn及びPDIを測定した。
結果を図2、図3に示す。尚、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体は白色の粉末であり、メタノールはやや青色の溶液であった。このことから、銅錯体がメタノールに溶解していることを確認した。
結果を図2、図3に示す。尚、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体は白色の粉末であり、メタノールはやや青色の溶液であった。このことから、銅錯体がメタノールに溶解していることを確認した。
(実施例9)
<共重合体を用いた制御ラジカル重合−2>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、実施例5で得られた共重合体(CP2)3.0g(5.52mmolのPMIPMA単位を含有)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、MMAの制御ラジカル重合を実施した。1H−NMRにより求めた、重合開始12時間後のMMAの重合転化率は65%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは12000、PDIは1.22であった。また、得られた重合体は白色の粉末であった。
<共重合体を用いた制御ラジカル重合−2>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、実施例5で得られた共重合体(CP2)3.0g(5.52mmolのPMIPMA単位を含有)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、MMAの制御ラジカル重合を実施した。1H−NMRにより求めた、重合開始12時間後のMMAの重合転化率は65%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは12000、PDIは1.22であった。また、得られた重合体は白色の粉末であった。
(実施例10)
<共重合体を用いた制御ラジカル重合−3>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、実施例6で得られた共重合体(CP3)3.0g(5.65mmolのPMIPMA単位を含有)を用い、MMA50gの代わりに、nBA64gを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、n−BAの制御ラジカル重合を実施した。1H−NMRより求めた、重合開始12時間後のnBAの重合転化率は34%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは9400、PDIは1.29であった。また、得られた重合体は白色の粉末であった。
<共重合体を用いた制御ラジカル重合−3>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、実施例6で得られた共重合体(CP3)3.0g(5.65mmolのPMIPMA単位を含有)を用い、MMA50gの代わりに、nBA64gを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、n−BAの制御ラジカル重合を実施した。1H−NMRより求めた、重合開始12時間後のnBAの重合転化率は34%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは9400、PDIは1.29であった。また、得られた重合体は白色の粉末であった。
(実施例11)
<共重合体を用いた制御ラジカル重合−4>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、実施例7で得られた共重合体(CP4)3.0g(5.77mmolのPMIPMA単位を含有)を用い、MMA50gの代わりに、St52gを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、Stの制御ラジカル重合を実施した。1H−NMRより求めた、重合開始12時間後のStの重合転化率は30%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは6400、PDIは1.20であった。また、得られた重合体は白色の粉末であった。
<共重合体を用いた制御ラジカル重合−4>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、実施例7で得られた共重合体(CP4)3.0g(5.77mmolのPMIPMA単位を含有)を用い、MMA50gの代わりに、St52gを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、Stの制御ラジカル重合を実施した。1H−NMRより求めた、重合開始12時間後のStの重合転化率は30%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは6400、PDIは1.20であった。また、得られた重合体は白色の粉末であった。
(比較例1)
<ポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いた制御ラジカル重合>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、PMMA樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペットVH)3.0gを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、MMAの重合を実施した。1H−NMRより計算した、重合開始12時間後のMMAの重合転化率は0%であった。
<ポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いた制御ラジカル重合>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、PMMA樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリペットVH)3.0gを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、MMAの重合を実施した。1H−NMRより計算した、重合開始12時間後のMMAの重合転化率は0%であった。
(比較例2)
<アミノ基含有共重合体(R−CP1)の合成>
アルゴン置換した100mlフラスコ内にN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)13.0g(82.5mmol)、MMA8.26g(82.5mmol)、トルエン21.0g、AIBN35mgを添加した。70℃で24時間攪拌することにより、DMAEMAとMMAの共重合を行なった。その後、反応液をヘキサン500ml中に投じ、沈殿物を濾過して白色固体を得た。この白色固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥し、精製した共重合体19.8gを得た。共重合体(R−CP1)のMnは32000、PDIは2.1であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、DMAEMA/MMA=50/50(mol比)の共重合体であった。
<アミノ基含有共重合体(R−CP1)の合成>
アルゴン置換した100mlフラスコ内にN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)13.0g(82.5mmol)、MMA8.26g(82.5mmol)、トルエン21.0g、AIBN35mgを添加した。70℃で24時間攪拌することにより、DMAEMAとMMAの共重合を行なった。その後、反応液をヘキサン500ml中に投じ、沈殿物を濾過して白色固体を得た。この白色固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥し、精製した共重合体19.8gを得た。共重合体(R−CP1)のMnは32000、PDIは2.1であった。得られた共重合体を1H−NMRで分析した結果、DMAEMA/MMA=50/50(mol比)の共重合体であった。
(比較例3)
<R−CP1を用いた制御ラジカル重合>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、比較例2で合成したアミノ基含有共重合体(R−CP1)3.0g(9.54mmolのDMAEMA単位を含有)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、MMAの制御ラジカル重合を実施した。1H−NMRより求めた、重合開始12時間後のMMAの重合転化率は90%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは61000、PDIは1.82であった。また、得られた重合体は白色の粉末であった。
<R−CP1を用いた制御ラジカル重合>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、比較例2で合成したアミノ基含有共重合体(R−CP1)3.0g(9.54mmolのDMAEMA単位を含有)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、MMAの制御ラジカル重合を実施した。1H−NMRより求めた、重合開始12時間後のMMAの重合転化率は90%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは61000、PDIは1.82であった。また、得られた重合体は白色の粉末であった。
(比較例4)
<低分子配位子を用いた制御ラジカル重合>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチレンジエチレントリアミン(PMDETA)1.09mL(5.52mmol)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、MMAの重合を実施した。1H−NMRより求めた、重合開始12時間後のMMAの重合転化率は89%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは19000、PDIは1.20であった。また、得られた重合体はやや青味を帯びているものであった。
<低分子配位子を用いた制御ラジカル重合>
実施例4で得られた共重合体(CP1)3.0gの代わりに、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチレンジエチレントリアミン(PMDETA)1.09mL(5.52mmol)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、MMAの重合を実施した。1H−NMRより求めた、重合開始12時間後のMMAの重合転化率は89%であり、0℃に冷却したメタノールに沈殿させた重合体を用い、GPCにより算出したMnは19000、PDIは1.20であった。また、得られた重合体はやや青味を帯びているものであった。
実施例8〜11に見られるように、実施例4〜7で得られた重合体(CP1〜CP4)は遷移金属化合物である第一塩化銅と錯体を形成し、図2、3に見られるように、重合転化率の増加と共にMnが増加しており、更には、理論直線に非常に合致している。また、重合転化率の増加に伴い、PDIは減少しており、典型的な遷移金属錯体を用いた制御ラジカル重合の結果を示している。また、0℃に冷却したメタノールにも溶解することから、制御ラジカル重合後、0℃に冷却したメタノールに投入することで、制御ラジカル重合により得られた重合体から容易に錯体を除去することが可能である。
一方、比較例1に見られるように、配位能を有しないPMMAを用いた場合には、重合が開始されず、制御ラジカル重合を行なうことができないものであった。また、ジメチルアミノ基を有する重合性単量体である、DMAEMA単位を重合体中に有するR−CP1を用いた比較例3では、MMAの重合は開始できるものの、MMAと開始剤の比率以上のMnが得られ、PDIも広いものであり、重合を制御できていなかった。また、低分子の配位子であるPMDETAを用いた場合には、MMAの重合制御能は良いものの、メタノールで沈殿させた後の重合体はやや青味を帯びており、触媒が完全に除去できていない結果であった。
本発明の単量体(a)を重合して得られる重合体は、遷移金属化合物との錯体形成能に優れ、遷移金属錯体を用いた制御ラジカル重合に使用した場合の重合制御能に優れ、また、重合後の除去が容易な制御ラジカル重合用触媒をとして用いることができる。
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JP2008110247A JP2009256290A (ja) | 2008-04-21 | 2008-04-21 | 単量体及びその重合体、制御ラジカル用触媒及びそれを用いた制御ラジカル重合方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103059642A (zh) * | 2011-10-20 | 2013-04-24 | 理想科学工业株式会社 | 非水系颜料墨以及非水系颜料墨用颜料分散剂 |
CN112759673A (zh) * | 2019-10-21 | 2021-05-07 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种烯烃聚合用催化剂、催化剂组分及其应用 |
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2008
- 2008-04-21 JP JP2008110247A patent/JP2009256290A/ja active Pending
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