JP2009242690A - ゴム材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯蔵時等において互いに接着しにくいペレット状のゴム材料及び貯蔵時等において互いに接着しにくいペレット状のゴム材料の製造方法を提供する。
【解決手段】加硫処理が行われていないエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)11からなるゴム材料10であって、メチルセルロース(MC)又はメチルセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))からなり、厚さが0.5〜30μmの皮膜12を全面に有し、ペレット状であることを特徴とするゴム材料である。
【選択図】図1
【解決手段】加硫処理が行われていないエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)11からなるゴム材料10であって、メチルセルロース(MC)又はメチルセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC))からなり、厚さが0.5〜30μmの皮膜12を全面に有し、ペレット状であることを特徴とするゴム材料である。
【選択図】図1
Description
本発明は、貯蔵時等において互いに接着しにくいペレット状のゴム材料及びそのゴム材料の製造方法に関するものである。
従来、混練加工等に用いられる原料ゴムは、約数十kgのベール状で供給されることが一般的であり、使用に際しては、計量のための切断が必要となっていることから、原料ゴムの計量工程の自動化の妨げとなっている。
計量工程の自動化のため、原料ゴムのペレット化が考えられるが、原料ゴムは、常温において互いに接着しやすいことから、せっかく原料ゴムをペレット化しても、貯蔵中等に互いに接着してしまい、計量時には塊状となっていて自動計量が行えない。
計量工程の自動化のため、原料ゴムのペレット化が考えられるが、原料ゴムは、常温において互いに接着しやすいことから、せっかく原料ゴムをペレット化しても、貯蔵中等に互いに接着してしまい、計量時には塊状となっていて自動計量が行えない。
そこで、特許文献1〜3に記載のように、ペレット状の、原料ゴムあるいは配合ゴムを互いに接着しないように(互着防止)した非互着性ゴムペレットが提案されている。
しかし、特許文献1、2に記載のように、ペレットの表面にポリエチレン粉末等の防着剤をまぶしたものは、時間が経つとともに防着剤が原料ゴムの中に取り込まれ、防着性が低下してしまい、互いに接着してしまうことがある上に、粉状の防着剤を表面に付着させていることから、作業環境が悪化する懸念もあった。
また、特許文献3に記載のように、配合ゴムの表面に熱可塑性樹脂の膜を設けたものは、ペレットを製造するための工程(粉砕工程、被覆工程、冷却工程、裁断工程等)が多くなり、煩雑になる上に、熱可塑性樹脂の膜を設けた後で、ペレット状に裁断することから、小口には熱可塑性樹脂の膜が設けられず、配合ゴムが露出していた。
特開昭60−71651号公報
特開2000−52335号公報
特開2007−91991号公報
また、特許文献3に記載のように、配合ゴムの表面に熱可塑性樹脂の膜を設けたものは、ペレットを製造するための工程(粉砕工程、被覆工程、冷却工程、裁断工程等)が多くなり、煩雑になる上に、熱可塑性樹脂の膜を設けた後で、ペレット状に裁断することから、小口には熱可塑性樹脂の膜が設けられず、配合ゴムが露出していた。
そこで、本発明は、貯蔵時等において互いに接着しにくいペレット状のゴム材料及び貯蔵時等において互いに接着しにくいペレット状のゴム材料の製造方法を提供することを目的とする。
A.ゴム材料
上記目的を達成するため、本発明のゴム材料は、加硫処理が行われていないゴム材料であって、メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体からなる皮膜を全面に有し、ペレット状であることを特徴としている。
上記目的を達成するため、本発明のゴム材料は、加硫処理が行われていないゴム材料であって、メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体からなる皮膜を全面に有し、ペレット状であることを特徴としている。
B.ゴム材料の製造方法
上記目的を達成するため、本発明のゴム材料の製造方法は、加硫処理が行われていないゴム材料をペレット状に粉砕し、前記ゴム材料にメチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液を塗布した後、前記ゴム材料を乾燥して表面にメチルセルロース又はメチルセルロース誘導体からなる皮膜を設けることを特徴としている。
上記目的を達成するため、本発明のゴム材料の製造方法は、加硫処理が行われていないゴム材料をペレット状に粉砕し、前記ゴム材料にメチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液を塗布した後、前記ゴム材料を乾燥して表面にメチルセルロース又はメチルセルロース誘導体からなる皮膜を設けることを特徴としている。
本発明における各要素の態様を以下に例示する。
本明細書において、加硫処理は、ゴムを加硫(架橋)するために人為的に加熱等して行う処理をいい、貯蔵時等の熱履歴等により一部が架橋することは含まない。
本明細書において、加硫処理は、ゴムを加硫(架橋)するために人為的に加熱等して行う処理をいい、貯蔵時等の熱履歴等により一部が架橋することは含まない。
1.ゴム材料
ゴム材料としては、特に限定はされないが、原料ゴムであってもよいし、配合ゴムであってもよい。エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの原料ゴム又はエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの配合ゴムであることが好ましい。
ゴム材料としては、特に限定はされないが、原料ゴムであってもよいし、配合ゴムであってもよい。エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの原料ゴム又はエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの配合ゴムであることが好ましい。
1−1.原料ゴム
原料ゴムとしては、特に限定はされないが、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、ウレタンゴム(U)等又はこれらの二種以上からなるものが例示できる。
原料ゴムとしては、特に限定はされないが、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、ウレタンゴム(U)等又はこれらの二種以上からなるものが例示できる。
1−2.配合ゴム
配合ゴムとしては、特に限定はされないが、上記原料ゴムに、補強剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、着色剤等の配合剤を少なくとも一種含むものである。
配合ゴムとしては、特に限定はされないが、上記原料ゴムに、補強剤、充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、着色剤等の配合剤を少なくとも一種含むものである。
2.メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体は、水溶性であることから、メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の溶媒として、水を用いることができる。
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体は、水溶性であることから、メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の溶媒として、水を用いることができる。
2−1.メチルセルロース(MC)
メチルセルロースとしては、特に限定はされないが、一般的に市販されているものであってもよいし、特殊なものであってもよい。
メチルセルロースとしては、特に限定はされないが、一般的に市販されているものであってもよいし、特殊なものであってもよい。
2−2.メチルセルロース誘導体
メチルセルロース誘導体としては、特に限定はされないが、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等が例示できる。
メチルセルロース誘導体としては、特に限定はされないが、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等が例示できる。
3.メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液の濃度、すなわち、水溶液中のメチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の含有率としては、特に限定はされないが、1〜20質量%であることが好ましい。
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液の温度、すなわち、液温としては、特に限定はされないが、20〜80℃であることが好ましい。
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液の粘度としては、特に限定はされないが、50〜5000mPa・sであることが好ましい。
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液の濃度、すなわち、水溶液中のメチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の含有率としては、特に限定はされないが、1〜20質量%であることが好ましい。
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液の温度、すなわち、液温としては、特に限定はされないが、20〜80℃であることが好ましい。
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液の粘度としては、特に限定はされないが、50〜5000mPa・sであることが好ましい。
4.ペレット
ペレット状、すなわち、形態がペレット状であるゴム材料の形状としては、特に限定はされないが、球状、片状、柱状等が例示できる。また、不定形状であってもよい。
大きさとしては、特に限定はされないが、ペレット状物の端部間の最長長さで0.1〜20mmであることが好ましい。
ペレット状、すなわち、形態がペレット状であるゴム材料の形状としては、特に限定はされないが、球状、片状、柱状等が例示できる。また、不定形状であってもよい。
大きさとしては、特に限定はされないが、ペレット状物の端部間の最長長さで0.1〜20mmであることが好ましい。
5.粉砕方法
ペレット状に粉砕する方法としては、特に限定はされないが、一軸回転剪断式粉砕機等を使用する方法が例示できる。
ペレット状に粉砕する方法としては、特に限定はされないが、一軸回転剪断式粉砕機等を使用する方法が例示できる。
6.皮膜
皮膜の厚さとしては、特に限定はされないが、0.5〜30μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜20μmである。また、皮膜の厚さは、ペレット状物の全面で均一であってもよいし、不均一であってもよい。従って、皮膜の厚さが不均一の場合には、略全体の皮膜の厚さが上記範囲の厚さであり、一部が上記範囲から外れていてもよい。
皮膜の厚さとしては、特に限定はされないが、0.5〜30μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜20μmである。また、皮膜の厚さは、ペレット状物の全面で均一であってもよいし、不均一であってもよい。従って、皮膜の厚さが不均一の場合には、略全体の皮膜の厚さが上記範囲の厚さであり、一部が上記範囲から外れていてもよい。
7.塗布方法
水溶液を塗布する方法としては、特に限定はされないが、エアースプレー、エアーレススプレー、シャワーコート、ドブ付け等が例示できる。また、エアースプレー等のスプレー塗布を行う場合には、ペレット状物の全面に塗布できるよう、ペレット状物を有底筒状等の回転体に入れ、この回転体を回転して、ペレット状物を回転体中で転がしながら行うことが好ましい。
水溶液を塗布する方法としては、特に限定はされないが、エアースプレー、エアーレススプレー、シャワーコート、ドブ付け等が例示できる。また、エアースプレー等のスプレー塗布を行う場合には、ペレット状物の全面に塗布できるよう、ペレット状物を有底筒状等の回転体に入れ、この回転体を回転して、ペレット状物を回転体中で転がしながら行うことが好ましい。
8.乾燥
乾燥するための温度としては、特に限定はされないが、溶媒の水を効率よく除去でき且つゴム材料への影響が少ないことから、80〜200℃であることが好ましい。
乾燥するための温度としては、特に限定はされないが、溶媒の水を効率よく除去でき且つゴム材料への影響が少ないことから、80〜200℃であることが好ましい。
本発明によれば、貯蔵時等において互いに接着しにくいペレット状のゴム材料及び貯蔵時等において互いに接着しにくいペレット状のゴム材料の製造方法を提供することができる。
加硫処理が行われていないエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムであって、
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体からなり、厚さが0.5〜30μmの皮膜を全面に有し、ペレット状であることを特徴とするゴム材料。
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体からなり、厚さが0.5〜30μmの皮膜を全面に有し、ペレット状であることを特徴とするゴム材料。
図1に示すように、本発明のゴム材料10は、メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体からなる皮膜12を全面に有し、加硫処理が行われていないペレット状のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)11からなっている。
そこで、メチルセルロース等によるエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)の物性等への影響を調べるため、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの配合ゴム(加硫剤等が配合されているもの)にメチルセルロース(MC)又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の添加量を変更(それぞれ2水準:A1、A2、B1、B2)したもの、及び、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの配合ゴムそのもの(C1)の物性等を測定し、配合及びその結果を次の表1に示す。また、ポリエチレン(PE)を添加したもの(3水準:D1、D2、D3)についても、配合及び圧縮永久ひずみの測定結果を表1に示す。さらに、MC、HPMC及びPEの添加量と圧縮永久ひずみとの関係のグラフを図2に示す。
なお、表1の配合欄の単位は質量部である。配合欄には記載がないが、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムとして、その配合ゴムを用いたことから、各試料には、加硫剤等の配合剤が配合されており、その配合量は各試料とも同じである。
なお、表1の配合欄の単位は質量部である。配合欄には記載がないが、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムとして、その配合ゴムを用いたことから、各試料には、加硫剤等の配合剤が配合されており、その配合量は各試料とも同じである。
本影響調査に用いたメチルセルロース(MC)は、20℃における2質量%の水溶液の粘度が596mPa・sとなるものである。
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、20℃における2質量%の水溶液の粘度が221mPa・sとなるものである。
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、20℃における2質量%の水溶液の粘度が221mPa・sとなるものである。
各試料について、以下のようにして測定を行った。
なお、各試料には、表1の配合に従い混練したものを用いた。
なお、各試料には、表1の配合に従い混練したものを用いた。
a.ムーニースコーチ特性
ムーニースコーチ特性は、JIS K6300−1に準拠し、最低ムーニー粘度(Vm)及びムーニースコーチ時間(t5)を測定した。
ムーニースコーチ特性は、JIS K6300−1に準拠し、最低ムーニー粘度(Vm)及びムーニースコーチ時間(t5)を測定した。
b.加硫特性
加硫特性は、JIS K6300−2に準拠し、トルクの最小値(ML)、トルクの最大値(MH)、誘導時間(T10)及び90%加硫時間(T90)を測定した。
加硫特性は、JIS K6300−2に準拠し、トルクの最小値(ML)、トルクの最大値(MH)、誘導時間(T10)及び90%加硫時間(T90)を測定した。
c.常態物性
170℃で10分間の加熱により加硫した試験片の硬さ(HA)、引張強さ(TB)、切断時伸び(EB)、伸び100%時の引張応力(M100)、伸び200%時の引張応力(M200)、伸び300%時の引張応力(M300)、比重及び圧縮永久ひずみをそれぞれ測定した。
硬さ(HA)は、JIS K6253に準拠し、タイプAデュロメータを用いて行った。
引張強さ(TB)、切断時伸び(EB)、伸び100%時の引張応力(M100)、伸び200%時の引張応力(M200)及び伸び300%時の引張応力(M300)はJIS K6251に準拠して行った。
比重は、JIS K6268に準拠し、水中置換で行った。
圧縮永久ひずみ(Cs)は、JIS K6262に準拠し、70℃で22時間の試験条件で行った。
170℃で10分間の加熱により加硫した試験片の硬さ(HA)、引張強さ(TB)、切断時伸び(EB)、伸び100%時の引張応力(M100)、伸び200%時の引張応力(M200)、伸び300%時の引張応力(M300)、比重及び圧縮永久ひずみをそれぞれ測定した。
硬さ(HA)は、JIS K6253に準拠し、タイプAデュロメータを用いて行った。
引張強さ(TB)、切断時伸び(EB)、伸び100%時の引張応力(M100)、伸び200%時の引張応力(M200)及び伸び300%時の引張応力(M300)はJIS K6251に準拠して行った。
比重は、JIS K6268に準拠し、水中置換で行った。
圧縮永久ひずみ(Cs)は、JIS K6262に準拠し、70℃で22時間の試験条件で行った。
以上の結果より、程度の差はあるものの、メチルセルロース(MC)又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)に添加することで、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)の物性等に影響があった。
圧縮永久ひずみについては、図2に示すように、ポリエチレンを添加すると、その値は大きくなり(ヘタリやすくなる)、しかも添加量が多くなるほど大きくなった。一方、メチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加すると、圧縮永久ひずみの値は、小さくなり(ヘタリにくくなる)、しかも添加量が多くなるほど小さくなった。
圧縮永久ひずみについては、図2に示すように、ポリエチレンを添加すると、その値は大きくなり(ヘタリやすくなる)、しかも添加量が多くなるほど大きくなった。一方、メチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加すると、圧縮永久ひずみの値は、小さくなり(ヘタリにくくなる)、しかも添加量が多くなるほど小さくなった。
次に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の皮膜を全面に有するペレット状のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)(原料ゴム)の実施例(皮膜の厚さが異なる3種類)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の皮膜を有さないペレット状のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)(原料ゴム)の比較例について、互着試験を行った。
各試料は次のようにして作成した。
各試料に用いたペレット状のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)(原料ゴム)は、ベール状のEPDMを粉砕機を用いて直径約8mmの略球形にしたものである。
その後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の含有量が3質量%の水溶液にドブ付けし、熱風(約100℃)を吹き付け乾燥して、厚さが6.08μmのHPMCの皮膜を全面に有するペレット状のEPDMを得て、これを実施例1の試料とした。
同じく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の含有量が2質量%の水溶液にドブ付けし、熱風(約100℃)を吹き付け乾燥して、厚さが2.66μmのHPMCの皮膜を全面に有するペレット状のEPDMを得て、これを実施例2の試料とした。
同じく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の含有量が1質量%の水溶液にドブ付けし、熱風(約100℃)を吹き付け乾燥して、厚さが2.29μmのHPMCの皮膜を全面に有するペレット状のEPDMを得て、これを実施例3の試料とした。
同じく、水にドブ付けし、熱風(約100℃)を吹き付け乾燥して、これを比較例の試料とした。
各実施例に用いたHPMCは、上記の影響調査で用いたHPMCと同じものである。
各試料に用いたペレット状のエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)(原料ゴム)は、ベール状のEPDMを粉砕機を用いて直径約8mmの略球形にしたものである。
その後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の含有量が3質量%の水溶液にドブ付けし、熱風(約100℃)を吹き付け乾燥して、厚さが6.08μmのHPMCの皮膜を全面に有するペレット状のEPDMを得て、これを実施例1の試料とした。
同じく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の含有量が2質量%の水溶液にドブ付けし、熱風(約100℃)を吹き付け乾燥して、厚さが2.66μmのHPMCの皮膜を全面に有するペレット状のEPDMを得て、これを実施例2の試料とした。
同じく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の含有量が1質量%の水溶液にドブ付けし、熱風(約100℃)を吹き付け乾燥して、厚さが2.29μmのHPMCの皮膜を全面に有するペレット状のEPDMを得て、これを実施例3の試料とした。
同じく、水にドブ付けし、熱風(約100℃)を吹き付け乾燥して、これを比較例の試料とした。
各実施例に用いたHPMCは、上記の影響調査で用いたHPMCと同じものである。
上記のようにして作成した試料の互着試験は、次のようにして行った。
1)内径が75mmで高さが80mmの紙製の筒51に試料50を150g充填した。
2)図3aに示すように、充填した試料50の上に、直径が73mmの円形の鉄板52を介在させて、4kgf(1kgfは9.8N)の荷重53をかけた。
3)この状態で40℃のエアーオーブン中に48時間静置した。
4)静置後、荷重53を取り除き、筒51を持ち上げた。
5)図3bに示すように、筒51を持ち上げても充填されている試料50が抜け(落下し)なかったので、鉄板52の中央部を強く押して試料50を抜け(落下)させた。
6)図3cに示すように、抜け(落下し)た試料の状態(塊の状態)を目視にて評価した。
なお、評価基準を次の表2に示す。
1)内径が75mmで高さが80mmの紙製の筒51に試料50を150g充填した。
2)図3aに示すように、充填した試料50の上に、直径が73mmの円形の鉄板52を介在させて、4kgf(1kgfは9.8N)の荷重53をかけた。
3)この状態で40℃のエアーオーブン中に48時間静置した。
4)静置後、荷重53を取り除き、筒51を持ち上げた。
5)図3bに示すように、筒51を持ち上げても充填されている試料50が抜け(落下し)なかったので、鉄板52の中央部を強く押して試料50を抜け(落下)させた。
6)図3cに示すように、抜け(落下し)た試料の状態(塊の状態)を目視にて評価した。
なお、評価基準を次の表2に示す。
互着試験の結果としては、表2の評点で、実施例1は6点、実施例2は5点、実施例3は5点、及び、比較例は4点であった。
上記互着試験の結果より、厚さが2μm以上のHPMCの皮膜を全面に有する実施例(全て)は、HPMCの皮膜を有さない比較例と違い、試料が互いに接着しにくくなった(評点5点以上)。特に皮膜の厚さが6μm以上である実施例1は、比較例より、互着試験の評点で2点(4点から6点に)向上した。
本発明の実施例によれば、次の(a)〜(e)の効果か得られる。
(a)貯蔵時等において、ペレット状のゴム材料10が互いに接着しにくくなり、互着を防止できる。
(b)互着が防止できることにより、ゴム材料10の計量工程の自動化が図れる。
(c)ポリエチレンの皮膜を設けたものと違い、加硫後のゴムの圧縮永久ひずみへの悪影響がなくなる。
(d)図4に示すように、粉砕工程及び塗布・乾燥工程のみの簡易な設備で製造できることから、工程の簡略化が図れる。
(e)水溶液の塗布により皮膜を設けることから、作業環境の悪化が生じない。
(a)貯蔵時等において、ペレット状のゴム材料10が互いに接着しにくくなり、互着を防止できる。
(b)互着が防止できることにより、ゴム材料10の計量工程の自動化が図れる。
(c)ポリエチレンの皮膜を設けたものと違い、加硫後のゴムの圧縮永久ひずみへの悪影響がなくなる。
(d)図4に示すように、粉砕工程及び塗布・乾燥工程のみの簡易な設備で製造できることから、工程の簡略化が図れる。
(e)水溶液の塗布により皮膜を設けることから、作業環境の悪化が生じない。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
10 ゴム材料
11 エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム
12 皮膜
11 エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム
12 皮膜
Claims (5)
- 加硫処理が行われていないゴム材料であって、
メチルセルロース又はメチルセルロース誘導体からなる皮膜を全面に有し、ペレット状であることを特徴とするゴム材料。 - 前記皮膜の厚さが0.5〜30μmである請求項1記載のゴム材料。
- 前記ゴム材料がエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの原料ゴムである請求項1又は2記載のゴム材料。
- 前記ゴム材料がエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴムの配合ゴムである請求項1又は2記載のゴム材料。
- 加硫処理が行われていないゴム材料をペレット状に粉砕し、
前記ゴム材料にメチルセルロース又はメチルセルロース誘導体の水溶液を塗布した後、
前記ゴム材料を乾燥して表面にメチルセルロース又はメチルセルロース誘導体からなる皮膜を設けることを特徴とするゴム材料の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008093218A JP2009242690A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | ゴム材料及びその製造方法 |
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JP2008093218A JP2009242690A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | ゴム材料及びその製造方法 |
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2008
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