JP2009240776A - 骨固定装置 - Google Patents

Abstract

【課題】骨または椎骨の動的安定化のための、可撓性ロッドを用い簡略化された設計の骨固定装置を提供する。
【解決手段】骨または椎骨中に固定するための骨固定部６と、接続要素３を受容するための受部７と、少なくとも部分的に可撓性材料から作られる接続要素３と、接続要素３を受部７内に固定するための固定要素５とを備え、スリーブ４が、受部内の接続要素３の周りに設けられる、骨固定装置が提供される。
【選択図】図１

Description

この発明は、骨または椎骨の動的安定化のための骨固定装置に関する。

欧州特許第１７５９６４６号 Ａ１は、充填片およびクランプ要素によって椎弓根ねじの受部にクランプされる可撓性ロッドを用いる椎骨の動的安定化のための脊椎インプラントを開示する。この椎弓根ねじは、いわゆる単軸椎弓根ねじである。

欧州特許第１７９５１３４号 Ａ１は、可撓性ロッドとともに用いるための多軸ねじを開示する。圧力要素および充填片は、可撓性ロッドを互いの間にクランプし、これにより可撓性ロッドの材料の、ロッドの長手方向の軸に沿った方向へのフロー（flow）が最小化される。

既知の骨固定装置は、特に可撓性ロッドとともに用いられるように構成される。

欧州特許出願公開第１７５９６４６号明細書 欧州特許出願公開第１７９５１３４号明細書

この発明の目的は、骨または椎骨の動的安定化のための、可撓性ロッドを用い簡略化された設計の骨固定装置を提供することである。

この目的は、請求項１に記載の骨固定装置によって達成される。この発明のさらなる発展は、従属項に記載される。

この骨固定装置は、可撓性ロッドをクランプするようには特に構成されるべきでない既知の単軸または多軸ねじとともに可撓性ロッドを用いることを可能にする。この可撓性ロッドのクランプは、たとえば留めねじなどの既知の固定要素によって達成される。

金属ロッドとともに用いられる既知の単軸または多軸ねじは、可撓性ロッドとともに用いることができるように改良され得る。

直径が異なるロッドを同一の受部に用いることを可能にするために、可撓性ロッドをクランプするスリーブは、さまざまな寸法にすることができる。

この発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に関連して実施例の詳細な説明から明らかとなるであろう。

第１の実施例に従う骨固定装置の立面斜視図である。 図１の骨固定装置の組立状態を示す図である。 ロッドの長手方向軸に垂直に断面を取った、図２の骨固定装置の組立状態の断面図である。 スリーブの斜視図である。 Ａ−Ａ線に沿って断面を取った、スリーブの断面図である。 第２の実施例に従う骨固定装置の立面斜視図である。 図６の骨固定装置の組立状態の斜視図である。 ロッド軸に垂直な平面に断面を取った、図７の骨固定装置の断面図である。

図面を参照して、図１から図３は、ロッドを備える単軸椎弓根ねじからなる骨固定装置１の第１の実施例を示す。骨固定装置１は、骨固定要素２と、可撓性ロッド３と、スリーブ４と、固定要素５とを含む。骨固定要素２は、骨または椎骨中に固定するためのねじ付きシャフト６と、受部７とを含む。受部７は、本質的に円筒形の形状で、同軸ボア１１と、２つの自由脚部９および１０を形成する本質的にＵ字型の窪み８とを有する。自由脚部９、１０には、内部ねじ山１２が設けられる。第１の実施例において、受部７とねじ付きシャフト６は一体化されて作られる。ねじ付きシャフト６の受部７に関する角度位置は、この例においては同軸に固定されるので、単軸ねじが形成される。固定要素５は、脚部９と脚部１０の間に捩じ込むことができる留めねじである。

ロッド３は、おおむね円形の断面を有し、部分的にまたは完全に可撓性である。たとえば、ロッドは、たとえばエラストマー材料である生体適合プラスチック材料から作ることができる。この材料は、ポリウレタンまたはポリカーボネートウレタン（ＰＣＵ）系ポリマーにすることができる。

特に図１から図４においてわかるように、スリーブ４は、実質的に円筒形であり、受部７のＵ字型の窪み８にちょうど嵌る大きさにされる外径Ｄを有する。内径ｄは、スリーブをロッドの上に配置することができるようにロッド３の直径Ｄ_Rよりもわずかに大きい。これに代えて、スリーブを予め張力が加えられた状態でロッドの上に配置することができるように、スリーブの内径ｄの大きさを、ロッドの直径と等しいまたはわずかに小さくすることができる。スリーブを受部７に挿入すると、スリーブが、Ｕ字型の窪みの底部の上に載るように、スリーブ４の長さＬは、受部７の直径と少なくとも同じ大きさである。

スリーブ４は、第１の端部から第２の端部へ延在するスリット１５をさらに含む。スリット１５の幅は、スリーブ４がロッド３を取囲み、スリーブに作用する圧力による力が無い場合に、スリットが開いており、第１の幅であるような大きさにされる。圧力が固定要素を経由してスリーブ４に加えられると、スリーブは圧縮され、スリットは、第１の幅よりも小さい第２の幅になる。スリーブ４は、ロッドの材料と比較して非可撓性である材料から作られる。たとえば、スリーブ４は、ステンレス鋼またはチタンなどの生体適合金属から、または炭素充填ＰＥＥＫまたは他の合成材料などの剛性のポリマーから作られる。スリット１５は、スリーブ４が圧縮されることによりスリットの幅を減少させることができるように、スリーブ４に弾性を与える。スリット１５は、スリーブ４をロッドに嵌めることも可能にする。

スリーブ４の内壁上に、円周方向に延在する複数のリブ状の突起１６が設けられる。この実施例に示すように、リブ状の突起は、ロッドの表面を損傷しないように丸みを付けられている。

特に図３においてわかるように、組立状態において、スリーブ４は、スリット１５が受部の脚部９、１０のうち１つに対面するように、すなわちねじ軸に実質的に垂直であるように、受部７内のロッド上で配向される。

使用に際して、少なくとも２つの骨固定要素２が、近接する椎骨または骨部に捩じ込ま
れる。次に、可撓性ロッド３に、これら骨固定要素２間の距離に対応する距離をおいてスリーブ４が設けられる。ロッド３と複数のスリーブとは、予め組立てるか、手術中にロッド上に取付けるかいずれかが可能である。スリーブ４は、スリーブ上に圧力が加えられない限りロッド軸に沿ってずらすことができる。したがって、外科医は、スリーブの位置をロッド上で調整することができる。

次に、ロッドは、スリーブとともに骨固定要素それぞれの受部に挿入され、固定ねじ５が脚部の間に捩じ込まれる。固定ねじは、締められると図３に示すようにスリーブの上に押圧され、これによりスリーブ４を圧縮するので、スリット１５の幅が減少する。ロッド３の材料はフロー（flow）し始め、リブ状の突起１６がロッドを押圧することを可能にし、これにより、ロッド３とスリーブ４の内壁との間に形状合致接続が形成される。ロッドの一体構造は損なわれない。同時に、スリーブ４は、Ｕ字型の窪みの底部の上に押圧されるため、ロッドが受部７にしっかりと保持される。

第２の実施例を、図６から図８を参照して次に説明する。骨固定装置１′の第２の実施例は、ねじ付きシャフト２１と球の一部の形状のねじ頭２２とを有する骨固定要素２０を含む多軸骨ねじを備える。ねじ頭２２は、骨固定要素の捩じ込みを可能にするために、ねじ付きシャフト２１と反対側に、窪み２３を有する。

骨固定装置１′は、受部２４をさらに含む。受部２４は、第１の端部２５と、第１の端部と反対側に第２の端部２６と、第２の端部２６から第１の端部２５に延在し、図８に示すように第２の端部２５に向かって先細になりねじ頭２２のための台座を提供する同軸ボア２７とを有する。受部２４は、ロッド３を受容するための通路を提供する実質的にＵ字型の窪み２８をさらに有する。Ｕ字型の窪み２８によって、固定要素５と協働する内部ねじ山３１を含む２つの自由脚部２９、３０が形成される。

おおむね円筒形の構造の、圧力要素３２が設けられる。圧力要素３２の外径は、ボア２７の内径よりもわずかにだけ小さく、圧力要素３２を受部に挿入し、受部の中で軸方向に移動させることを可能にする。第２の端部２５に面する下側に、圧力要素３２は、骨固定要素の球形のねじ頭２２の半径に対応する半径を有する球形の窪み３３を含む。反対側に、圧力要素は、同軸ボア２７の軸を横断して延在する円筒形の窪み３４を有する。この窪みの横径は、スリーブ４を備えるロッド３がこの窪みに挿入されその中を案内されることができるような大きさにされる。円筒形の窪み３４の深さは、組立状態においてスリーブ４を備えるロッド３が挿入され固定ねじ５によって押し下げられると、圧力要素３４がねじ頭２２上に圧力を加えるような大きさにされる。加えて、圧力要素３２は、工具をその中を通して案内するための同軸ボア３５を有する。

使用に際して、骨固定装置は、骨固定要素２０が受部２４に軸回転可能に保持されるとともに、円筒形の窪み３４が受部のＵ字型の窪み２８と同軸であるように圧力要素３２が挿入される状態で、予め組立てられる。少なくとも２つの骨固定要素が、近接する椎骨または骨部に捩じ込まれ、次に、スリーブ４を取り付けられたロッド３が、Ｕ字型の窪みに挿入される。スリーブ４は、第１の実施例と同様に、スリット１５が横方向に配向されるように配向される。固定ねじ５が受部に挿入され締められると、固定ねじは圧力をスリーブ上に加え、これによりスリーブを圧縮し、ロッドをクランプする。残りの圧力による力は、スリーブを経由して圧力要素に伝達され、圧力要素は次に骨固定要素のねじ頭２２を押圧し、ねじ頭を受部２４に関して予め調整された角度関係に固定する。第１の実施例においてと同様に、スリーブの内壁のリブ状の突起１６は、可撓性ロッド３とスリーブ４と間の部分的形状合致接続をもたらし、これは、ロッドをしっかりとクランプし、ロッドの材料がロッドの軸に沿った方向にフロー（flow）することを防止する。

実施例のいくつかの変形例が考えられる。リブ状の突起の代わりに、他の形状を設けることができる。たとえば、突起は、複数の小さな球形の突起にすることができ、または任意の他の形状を有することができる。また、突起と窪みの組合せも可能である。

スリーブの内壁は、可撓性ロッドの把持を強化する粗くされた表面を有することができる。粗くされた表面は、突起に加えてまたは突起の代わりに設けることができる。

所定の大きさの受部の中に、直径が異なるさまざまなロッドを取り付けることができるように、スリーブ４は、さまざまな壁の厚さおよび内径にすることができる。

頂部負荷タイプの多軸ねじである、説明した多軸ねじに代えて、底部負荷タイプなどの他の種類の多軸ねじを用いることができる。単一の固定ねじ５に代えて、二部固定要素、外側ナットなどを含む任意の他の固定要素を用いることができる。ねじ付きシャフトに代えて、フック、開口部を備えカニューレを挿入されるシャフト、かえし要素（barb element）のあるシャフトなどの任意の他の種類のシャフトを用いることができる。

ロッドに代えて、任意の他の種類の接続要素が考えられ、たとえば、２つの骨固定要素の可撓性接続のために用いられるエラストマー・ループである。

３ 接続要素、４ スリーブ、５ 固定要素、６，２１ 骨固定部、７，２４ 受部、８，２８ Ｕ字型の窪み、９，１０，２９，３０ 自由脚部、１５ スリット、１６ 突起

Claims (14)

1. 骨固定装置であって、
   骨または椎骨中に固定するための骨固定部（６，２１）と、
   接続要素（３）を受容するための受部（７，２４）と、
   少なくとも部分的に可撓性材料から作られる接続要素（３）と、
   前記接続要素（３）を前記受部（７，２４）内に固定するための固定要素（５）とを備え、
   スリーブ（４）が、前記受部内の前記接続要素（３）の周りに設けられることを特徴とする、骨固定装置。
2. 前記スリーブ（４）は、前記スリーブの壁を通って一方の端部から反対側の端部に延在するスリット（１５）を含む、請求項１に記載の骨固定装置。
3. 前記スリーブ（４）の内壁は、突起（１６）を含む、請求項１または２に記載の骨固定装置。
4. 前記突起（１６）は、円周方向のリブとして成形される、請求項３に記載の骨固定装置。
5. 前記スリーブ（４）の内径は、前記接続要素（３）の外径よりわずかに大きい、請求項１から４のいずれかに記載の骨固定装置。
6. 前記スリーブ（４）は、金属または別の剛質材料から作られる、請求項１から５のいずれかに記載の骨固定装置。
7. 前記接続要素（３）は、ロッドである、請求項１から６のいずれかに記載の骨固定装置。
8. 前記接続要素は、少なくとも部分的にエラストマー材料から作られる、請求項１から７のいずれかに記載の骨固定装置。
9. 前記受部（７，２４）は、実質的に円筒形であり、２つの自由脚部（９，１０；２９，３０）を形成するＵ字型の窪み（８，２８）を含む、請求項１から８のいずれかに記載の骨固定装置。
10. 前記固定要素（５）は、留めねじである、請求項１から９のいずれかに記載の骨固定装置。
11. 前記骨固定部（６）と前記受部（７）とは、単軸的に接続される、請求項１から１０のいずれかに記載の骨固定装置。
12. 前記骨固定部（２１）と前記受部（２４）は、軸回転可能に接続される、請求項１から１１のいずれかに記載の骨固定装置。
13. 前記スリット（１５）は、前記固定要素（５）によって加えられる圧力による力の方向に垂直な方向に開く、請求項２から１２のいずれかに記載の骨固定装置。
14. 前記スリーブの内側表面は、表面粗さを含む、請求項１から１３のいずれかに記載の骨固定装置。

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