JP2009238978A - セラミック基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セラミックスラリーを用いるセラミック基板の製造方法において、高寸法精度な導体が形成でき、高い電気特性を有するセラミック基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】支持体1の上に導電ペースト2aを塗布して乾燥させた導電層2の上に導電ペースト2aを覆うようにセラミックスラリー3aを塗布するセラミック基板の製造方法において、導電ペースト2aが、溶解度パラメーターの異なる第1の有機バインダーおよび第2の有機バインダーの少なくとも2種を含むとともに、セラミックスラリー3aが、第1の有機バインダーの溶解度パラメーターに近似する溶解度パラメーターを有する溶媒を含んでいる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミック基板の製造方法に関するものであり、特に、セラミックスラリーを塗布したセラミックグリーンシートを積層するセラミック基板の製造方法に関する。
従来、セラミック多層基板は、セラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)の表面に、金属粉末を含有する導電ペーストを印刷するなどして導体パターン層を形成し、次に複数枚の導体パターン層が形成されたグリーンシートを積層して加圧することにより得た積層体を焼成することにより作製されていた。
ところが、グリーンシートの積層数を多くすると、導体パターン層が形成された領域が重なる部分と他の部分では導体パターンの厚みの差が大きくなる。このため、積層されたグリーンシートを厚み方向に加圧した場合、導体パターン層が形成された領域が重なる部分においては加圧力が十分に加わるものの、そうでない部分において加圧力が十分に加わりにくくなるので、不十分な圧着となりやすい。
そして、そのように不十分な圧着により形成された積層体を焼成すると、圧着が不十分な部分でデラミネーション(層間剥離)が発生する可能性があった。
これらの問題に対して、表面に導体層が形成された支持体上にセラミックスラリーを塗布し、乾燥させた後に支持体を剥離することにより、導体層がセラミックグリーンシートに埋設されたものを形成する製法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この製法によれば、導体層がグリーンシートに埋没していてグリーンシートの表面が平坦になることから、グリーンシートを積層した場合に導体層が形成された領域とそうでない部分で厚み差がなくなり、グリーンシートを積層する際に不均一な加圧力によりデラミネーションが発生しないようにできるというものである。
特開平9−283360号公報
しかしながら、支持体上に導体層を形成した後、セラミックスラリーを塗工すると、セラミックスラリー中の溶剤によって導体層が溶解し、セラミックスラリーと混合、同一化し、導体幅が実際に設計した幅よりも広がる(以下、ニジミともいう)という問題を有していた。
電子部品または回路基板の内部に上記のような導体のニジミが存在すると、電気的な容量値や抵抗値が実際の設計値からずれるため、電気特性の規格値を満足することができない場合があるという問題があった。
本発明は、上述の問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、セラミックスラリーを用いるセラミック基板の製造方法において、高寸法精度な導体が形成でき、高い電気特性を有するセラミック基板の製造方法を提供することにある。
本発明のセラミック基板の製造方法は、支持体の上に導電ペーストを塗布する第1塗布工程と、前記支持体の上に前記導電ペーストを覆うようにセラミックスラリーを塗布する第2塗布工程と、前記セラミックスラリーを乾燥させてセラミックグリーンシートを形成する乾燥工程とを有し、前記導電ペーストが、溶解度パラメーターの異なる第1の有機バインダーおよび第2の有機バインダーの少なくとも2種を含むとともに、前記セラミックスラリーが、前記第1の有機バインダーの溶解度パラメーターに近似する溶解度パラメーターを有する溶媒を含んでいることを特徴とするものである。
また、本発明のセラミック基板の製造方法は、前記第1の有機バインダーの溶解度パラメーターと、前記セラミックスラリーに含まれる前記溶媒の溶解度パラメーターとの差が1以下であり、前記第2の有機バインダーの溶解度パラメーターと前記セラミックスラリーに含まれる前記溶媒の溶解度パラメーターとの差が2以上であることを特徴とするものである。
また、本発明のセラミック基板の製造方法は、前記第2の有機バインダーのガラス転移温度が30℃以上であることを特徴とするものである。
また、本発明のセラミック基板の製造方法は、前記乾燥工程の後に、前記セラミックグリーンシートの表面に導電ペーストを塗布する工程と、該導電ペーストを覆うように前記セラミックグリーンシートの表面にセラミックスラリーを塗布する工程と、前記セラミックスラリーを乾燥してセラミックグリーンシート積層体を形成する工程とが所定回数繰り返される工程が含まれていることを特徴とするものである。
また、本発明のセラミック基板の製造方法は、前記乾燥工程の後に得られた前記セラミックグリーンシートを複数積層する工程を有していることを特徴とするものである。
本発明のセラミック基板の製造方法によれば、支持体上に導電ペーストで導体層を形成し、この支持体上にセラミックスラリーを塗布してセラミックグリーンシートを形成し、導体層とセラミックグリーンシートから成る導体層付きセラミックグリーンシートを形成する工程において、導体層に少なくとも2種類の有機バインダーを含有させ、導体層の第1の有機バインダーの溶解度パラメーターと、セラミックスラリーに含まれる溶媒の溶解度パラメーターとが近似する溶解度パラメーターを有することから、セラミックスラリーと導体層の第1の有機バインダーとが溶解し、溶解度の異なる第2の有機バインダーはセラミックスラリーの溶媒に溶解しにくいので、セラミックスラリーと導体層とを強固に接着させることができるとともに、導体層のニジミを防ぐことができる。
また、第1の有機バインダーの溶解度パラメーターとセラミックスラリーに含まれる溶媒の溶解度パラメーターとの差は1以下に、導体層の第2の有機バインダーの溶解度パラメーターとセラミックスラリーに含まれる溶媒の溶解度パラメーターとの差が2以上となるよう設定した場合は、セラミックスラリーに含まれる溶媒は導体層の第1の有機バインダーのみを溶解させることとなる。その結果、セラミックスラリーと導体層とが強固に接着されると同時に導体のニジミを防ぐことが可能となる。
また、本発明のセラミック基板の製造方法において、第2の有機バインダーのガラス転移温度を30℃以上と設定した場合は、第1の有機バインダーが溶解した状態においても導体層は充分な強度を維持することができ、導体層のニジミを防ぐことが可能となる。
また、本発明のセラミック基板の製造方法において、乾燥工程の後に、セラミックグリーンシートの表面に導電ペーストを塗布する工程と、この導電ペーストを覆うようにセラミックグリーンシートの表面にセラミックスラリーを塗布する工程と、セラミックスラリーを乾燥してセラミックグリーンシート積層体を形成する工程とが所定回数繰り返される工程とした場合、導体層が形成された領域が重なる部分とそうでない部分ではその厚み差が少なくなり、導体層周囲や導体層間に空隙を発生させることなくセラミックグリーンシート同士を密着せしめ、セラミック積層体を焼成して得られるセラミック基板にデラミネーションの発生が殆どないものとなる。
また、本発明のセラミック基板の製造方法において、乾燥工程の後に得られたセラミックグリーンシートを複数積層することによっても、導体層が形成された領域が重なる部分とそうでない部分ではその厚み差が少なくなり、導体層周囲や導体層間に空隙を発生させることなくセラミックグリーンシート同士を密着せしめ、セラミック積層体を焼成して得られるセラミック基板にデラミネーションの発生が殆どないものとなる。
また、本発明のセラミック基板の製造方法によれば、セラミックグリーンシートを低圧で積層することができ、セラミックグリーンシートおよびその上に形成された導体パターン形状が変形することは殆どなく、得られるセラミック積層体およびそれを焼成して得られるセラミック基板は高い寸法精度を有したものとなる。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるセラミック基板の製造方法の一例を示す図である。図1において、1は支持体、2aは支持体1の上に塗布された導電ペースト、2は導電ペースト2aを乾燥して得られる導体層、3aは支持体1の上に導体層2を覆うように塗布したセラミックスラリー、3はセラミックスラリー3aを乾燥させて形成されるセラミックグリーンシート、4はセラミックグリーンシート3が積層してなるセラミックグリーンシート積層体である。
まず、図1(a)に示すように、支持体1上に導電ペースト2aを塗布した後に、これを乾燥させることにより導体層2を形成する。次に、図1(b)に示すように、導体層2が形成された支持体1上にセラミックスラリー3aを塗布して後に、これを乾燥させることにより導体層付きセラミックグリーンシート3を形成する。支持体1はポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリイミド系、塩化ビニル系等の有機樹脂からなるフィルム状または板状のものである。
支持体1からの剥離時に導体層付きセラミックグリーンシート3に伸び等の変形が生じてしまうことを抑えるためには離型剤の表面処理層が形成されていることが好ましい。離型剤の種類としては、大別してシリコーン系と、フッ素系、長鎖アルキル基含有系、アルキッド樹脂系、ポリオレフィン樹脂系などを用いることができる。耐熱性、剥離性およびコストの観点から、シリコーン系が望ましい。また、商品形態別にいえば無溶剤型、エマルジョン型、溶剤型のいずれでも使用し得る。
なお、支持体1の表面とは、セラミックグリーンシートの剥離性を考慮して離型剤や帯電防止剤などの表面処理層を支持体1の表面に形成している場合はその表面処理層の表面を意味する。
導電ペースト2aは導体粉末に有機バインダーと溶剤と必要に応じて分散剤とを加えて混合したものをボールミル、三本ロールミル、プラネタリーミキサー、トリミックス等の混練手段により均質に分散した後、溶剤を必要量添加することにより粘度を調整する。
導体粉末の導体材料としては、例えばW(タングステン),Mo(モリブデン),Mn(マンガン),Au(金),Ag(銀),Cu(銅),Pd(パラジウム)およびPt(白金)等の1種または2種以上が挙げられ、その導体粉末はアトマイズ法、還元法等により製造されたものであり、必要により酸化防止、凝集防止等の処理を行なっておく。
導体材料が2種以上の場合は2種類以上の粉末を混合してもよいし、合金、コーティング等により2種以上の材料が一体となった粉末であってもよい。
また、分級等により微粉末または粗粉末を除去し粒度分布を調整したものであってもよい。
有機バインダーとしては、従来導電ペーストに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラール系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
これら有機バインダーのうちから、溶解度パラメーターが異なる第1の有機バインダーおよび第2のバインダーの少なくとも2種を組み合わせ、しかも第1の有機バインダーの溶解度パラメーターはセラミックスラリー3aに用いる溶媒の溶解度パラメーターとの差が少ないものを選択するのが重要である。
このとき具体的には、セラミックスラリー3aに含まれる溶媒の溶解度パラメーターとの差が1以下の第1の有機バインダーと、溶媒の溶解度パラメーターとの差が2以上の第2の有機バインダーとを使用するのがよい。またこのとき、第2の有機バインダーのガラス転移温度を30℃以上とするのがよい。
セラミックスラリー3aに含まれる溶媒の溶解度パラメーターとの差が1以下の第1の有機バインダーとセラミックスラリー3aに含まれる溶媒の溶解度パラメーターとの差が2以上の第2の有機バインダーを両方使用することによって、支持体1に導電ペースト2aを印刷し乾燥して導体層2を形成し、次にセラミックスラリー3aをその上から塗布した際、導体層2に第2の有機バインダーが含まれていることによって、セラミックスラリー3aの溶剤が導体層2に接触しても導体層2の形状が崩れてしまうことを防ぎ、かつ導体層2に第1の有機バインダーが含まれていることによって、導体層2がセラミックスラリー3aをはじくことに起因して、導体層2を形成したグリーンシート3を支持体1からはがす際に、導体層2のグリーンシート3からの剥がれによる、導体層2の欠損を防ぐことができる。
ここで、溶解度パラメーター(Solubility Parameter)とは、有機成分の性質が似通ったものは相溶しやすいという性質をもとに数値化したものであり、SP値とも呼ばれるものである。溶解度パラメーターの値が近いもの同士は溶解しやすいことを示すものであるので、有機成分の溶解力を示す指標として用いられる。
なお、本発明の有機成分の溶解度パラメーターは、講談社出版「溶剤ハンドブック」(浅原昭三ほか編、1976年初版)による溶解度パラメーターのデータを使用した。
導電ペーストの溶剤としては、導体粉末と有機バインダーとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、テルピネオールやブチルカルビトールアセテートおよびフタル酸等の可塑剤などが使用可能であるが、導体層2形成後の溶剤の乾燥性を考慮し、テルピネオール等の低沸点溶剤などが好ましい。また、溶解度パラメーターが異なる第1の有機バインダーおよび第2の有機バインダーを含むので、溶剤の溶解度パラメーターとしてはその中間の値をもつことが好ましく、例えばSP値8.3のイソブチルメタクリル酸エステル重合体を第1のバインダーに、SP値10.7のメタクリル酸エステル重合体を第2のバインダーに使用した場合においては、SP値9の酢酸エチルを選択すればよい。
次に、図1(b)のように、支持体1および導体層2上にセラミックスラリー3aを塗布する。
セラミックスラリーに用いられるセラミック粉末としては、例えばセラミック配線基板であれば、Al粉末,AlN粉末,ガラスセラミック粉末(ガラス粉末とフィラー粉末との混合物)等が挙げられ、積層コンデンサであればBaTiO系,PbTiO系等の複合ペロブスカイト系セラミック粉末が挙げられ、電子部品に要求される特性に合わせて適宜選択される。
ガラスセラミック粉末のガラス成分としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(ただし、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(ただし、MおよびMは同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(ただし、MおよびMは上記と同じである),SiO−B−M O系(ただし、MはLi、NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(ただし、M3は上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等が挙げられる。
また、ガラスセラミック粉末のフィラー粉末としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等のセラミック粉末が挙げられる。
有機バインダーとしては、従来グリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラ−ル系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
焼成工程での分解、揮発性を考慮すると、アクリル系バインダーがより好ましい。
溶剤としては、上記のセラミック粉末と有機バインダーとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、トルエン,ケトン類,アルコール類の有機溶媒や水等が挙げられる。また、上述の如く、導電体層2に含まれる第1の有機バインダーおよび第2の有機バインダーとのSP値に注意して選択する。
セラミックスラリー3aを塗布してグリーンシート3を形成する方法としては、ドクターブレード法,リップコーター法,ダイコーター法等が挙げられる。
特にダイコーター法やスロットコーター法、カーテンコーター法等の押し出し式の方法を用いると、これらは非接触式の塗布方法なので、セラミックスラリー3aの浸透を物理的な力で発生させてしまうことがないため、異方性の無いグリーンシート3を形成することができるのでよい。
なお、必要に応じて上下の層間の導体層2同士を接続するためのビアホール導体やスルーホール導体等の貫通導体を形成してもよい。
これら貫通導体は、パンチング加工やレーザ加工等によりグリーンシート3に形成した貫通孔に、導体材料粉末をペースト化した導電ペースト2aを印刷やプレス充填により埋め込む等の手段によって形成される。
貫通穴加工は、グリーンシート3が厚い場合、パンチング加工を用いる方がグリーンシート3の表裏の貫通穴径に差異を生じることが少なく、好ましい。
また、貫通穴を加工する際、グリーンシート3は支持体1から剥がして行なってもよいが、支持体1上に保持したまま行なうとグリーンシート3の変形を防止できるのでより好ましい。
次に、図1(c)に示すように、図1(b)において塗布したセラミックスラリー3aを乾燥し、セラミックグリーンシート3とした後に、図1(a)に示すようにセラミックグリーンシート3の表面に導電ペースト2aと塗布し、乾燥させてから図1(b)に示すように、その上にセラミックスラリー3aを塗布するという工程を所定回数繰り返すことによってグリーンシート積層体4を得ることができる。図1(c)は、このような処理を3回繰り返すことによって得た、3層のグリーンシート積層体4を示す。
本発明において、導電ペースト2aに含まれる溶剤の溶解度パラメーターは、第1および第2の有機バインダーの各SP値の中間のものが選択されるので、乾燥後に得られた導電体2とセラミックグリーンシート3との密着性は良好なものとなる。
また、導体付きグリーンシート3を前記支持体1から剥がし、導体付きグリーンシート3同士を位置合わせして積み重ね、加熱および加圧して圧着することでグリーンシート積層体4を作製する方法によってグリーンシート積層体4としてもよい。
前記支持体1を剥がす際に必要に応じて加熱等の処理を施すことも可能である。
また、圧着の際の加熱加圧の条件は用いる有機バインダー等の種類や量により異なるが、概ね30〜100℃、2〜20MPaである。
このとき、導体付きグリーンシート3同士の接着性を向上させるために、溶剤と有機バインダーや可塑剤等を混合した接着剤を用いることが好ましい。
そして最後に、グリーンシート積層体4を焼成することにより、本発明のセラミック基板が作製される。
焼成する工程は、有機成分の除去とセラミック粉末の焼結とから成る。
有機成分の除去は、100〜800℃の温度範囲でグリーンシート積層体4を加熱することによって行ない、有機成分を分解、揮発させるものである。
また、焼結温度は、セラミック組成により異なり、約800〜1600℃の範囲内で行なう。
焼成雰囲気は、セラミック粉末や導体材料により異なり、大気中、還元雰囲気中、非酸化性雰囲気中等で行なわれ、有機成分の除去を効果的に行なうために水蒸気等を含ませてもよい。
焼成後のセラミック基板には、その表面に露出した導体層2の表面に、導体層2の腐食防止のために、または半田や金属ワイヤ等の外部基板や電子部品との接続手段の良好な接続のために、Ni(ニッケル)やAuのめっきを施すとよい。
本発明の実施例について以下に詳細に説明する。
まず、アルミナ粉末とアクリル樹脂とを混合してセラミックスラリー3aを作製し、上記と同様に、導電ペースト2aを印刷、乾燥することにより導体層2を形成したPETフィルム支持体1上にセラミックスラリー3aをダイコーター法により厚さ50μmで塗布し、乾燥することにより導体付きセラミックグリーンシート3を作製した。
導体付きセラミックグリーンシート3を作製する手順として、まず、Cu粉末に表1に示す有機バインダーおよび溶剤を添加し、3本ロールを用いて混合することにより導電ペースト2aを作製した。
導電ペースト2aは適宜溶剤を添加することによって、10Pa・sに調整した。
その後、支持体1上に導電ペースト2aをスクリーン印刷にて塗布することにより、幅およびギャップが75μmの導体層2を形成した。
次に、SiO−B−Al系ガラス粉末60質量%およびアルミナ粉末40質量%の無機粉末に、有機バインダーおよび溶剤を添加し、ボールミルにて24時間混合して準備しておいたセラミックスラリー3aを、導体層2を形成した支持体1上に導体層2を覆うように塗布し、60℃の熱風乾燥機により乾燥を行ない、導体層付きセラミックグリーンシート3を得た。
導体付きセラミックグリーンシート3は、支持体1から剥がし、剥がした面の導体箇所を、双眼顕微鏡にて観察することによって、ニジミと剥がれの状態を評価した。
その結果を表1に示す。
Figure 2009238978
双眼顕微鏡での観察は20倍とした。
表1中において、ニジミの欄の「○」はセラミックスラリー3aを塗布後、10分以内に熱風乾燥をさせた場合には不具合はないものの、10分以上放置した際にニジミが観察される場合があったことを示し、剥がれの欄の「○」は熱風乾燥後に加圧することで接着するものの、セラミックグリーンシートと導体間の剥がれが一部に見られたことを示す。一方、導体のニジミまたは剥がれの欄の「◎」は、乾燥条件によらず導体のニジミまたは剥がれがなく、優れていたことを示す。
表1において、本発明の実施例である例1、4,8では、乾燥条件によらず導体のニジミまたは剥がれもなく優れていた。
これに対して、例2,3,5,6、7では、乾燥条件によっては導体のニジミ、または剥がれが発生する場合があった。
このように、セラミックスラリー3aに含まれる溶媒の溶解度パラメーターとの差が1以下の第1の有機バインダーと溶解度パラメーターとの差が2以上の第2の有機バインダーを導体層2に使用することで、セラミックスラリー3aと導体層2とが互いに溶解し、導体層2のニジミの程度を好適なものにすることができ、かつ導体層2を形成したセラミックグリーンシート3を支持体1から剥がした際に、セラミックグリーンシート3からの導体層2の剥がれを防ぐことができる。
次に、アルミナ粉末にアクリル樹脂を混合してセラミックスラリー3aを作製し、上記と同様に、導電ペースト2aを印刷、乾燥することにより導体層2を形成したPETフィルム支持体1上にセラミックスラリー3aをダイコーター法により厚さ50μmで塗布し、乾燥することにより導体付きセラミックグリーンシート3を作製した。
導体付きセラミックグリーンシート3を作製する手順として、まず、Cu粉末に第1のバインダーとしてアクリル酸エステル重合体を加えた後に、表2に示すようなガラス転移点をもつアクリル酸−メタクリル酸共重合体および溶剤としてトルエンを添加し、3本ロールを用いて混合することにより導電ペースト2aを作製した。
導電ペースト2aは適宜溶剤を添加することによって、10Pa・sに調整した。
その後、支持体1上に導電ペースト2aをスクリーン印刷にて塗布することにより、幅およびギャップが75μmの導体層2を形成した。
次に、SiO−B−Al系ガラス粉末60質量%およびアルミナ粉末40質量%の無機粉末に、有機バインダーおよび溶剤を添加し、ボールミルにて24時間混合し、準備しておいたセラミックスラリーを、導体層2を形成した支持体1上に塗布し、熱風乾燥機により乾燥を行ない、導体層2付きセラミックグリーンシート3を得た。
導体層2付きセラミックグリーンシート3は、支持体1から剥がし、剥がした面の導体箇所を、双眼顕微鏡にて観察することによって、ニジミと剥がれの状態を評価した。
その結果を表2に示す。
Figure 2009238978
双眼顕微鏡での観察は20倍とした。
表2中、ニジミの欄の「○」はセラミックスラリー3aを塗布後、10分以内に熱風乾燥をさせた場合には不具合はないものの、10分以上放置した際にニジミが観察される場合があったことを示し、剥がれの欄の「○」は熱風乾燥後に加圧することで接着するものの、セラミックグリーンシートと導体間の剥がれが一部に見られたことを示す。
一方、導体のニジミまたは剥がれの欄の「◎」は、乾燥条件によらず導体のニジミまたは剥がれもなく優れていたことを示す。
表2において、本発明の実施例である例4、5,6では、乾燥条件によらず導体のニジミまたは剥がれもなく優れていた。
これに対して、例1、2、3では、乾燥条件によっては導体の溶け、または剥がれが発生する場合があった。
このように、セラミックスラリー3aに含まれる溶媒の溶解度パラメーターとの差が1以下の第1の有機バインダーと溶解度パラメーターとの差が2以上の第2の有機バインダーを導体層に使用し、第2の有機バインダーのガラス転移温度を30℃以上とすることにより、セラミックスラリー3aと導体層2が互いに溶解し、導体のニジミを防ぐことができ、かつ導体層2を形成したセラミックグリーンシート3を支持体1から剥がした際に、セラミックグリーンシート3からの導体の剥がれを防ぐことができる。
本発明のセラミック基板の製造方法の実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・支持体
2・・・導体層
2a・・導電ペースト
3・・・セラミックグリーンシート
3a・・セラミックスラリー
4・・・セラミックグリーンシート積層体

Claims (5)

  1. 支持体の上に導電ペーストを塗布する第1塗布工程と、前記支持体の上に前記導電ペーストを覆うようにセラミックスラリーを塗布する第2塗布工程と、前記セラミックスラリーを乾燥させてセラミックグリーンシートを形成する乾燥工程とを有し、前記導電ペーストが、溶解度パラメーターの異なる第1の有機バインダーおよび第2の有機バインダーの少なくとも2種を含むとともに、前記セラミックスラリーが、前記第1の有機バインダーの溶解度パラメーターに近似する溶解度パラメーターを有する溶媒を含んでいることを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  2. 前記第1の有機バインダーの溶解度パラメーターと、前記セラミックスラリーに含まれる前記溶媒の溶解度パラメーターとの差が1以下であり、前記第2の有機バインダーの溶解度パラメーターと前記セラミックスラリーに含まれる前記溶媒の溶解度パラメーターとの差が2以上であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック基板の製造方法。
  3. 前記第2の有機バインダーのガラス転移温度が30℃以上であることを特徴とする請求項1または2記載のセラミック基板の製造方法。
  4. 前記乾燥工程の後に、前記セラミックグリーンシートの表面に導電ペーストを塗布する工程と、該導電ペーストを覆うように前記セラミックグリーンシートの表面にセラミックスラリーを塗布する工程と、前記セラミックスラリーを乾燥してセラミックグリーンシート積層体を形成する工程とが所定回数繰り返される工程が含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  5. 前記乾燥工程の後に得られた前記セラミックグリーンシートを複数積層する工程を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
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