JP2009238669A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】固体高分子電解質膜が乾燥し易い状況下において、固体高分子電解質膜の乾燥による発電性能を抑制できるコンパクトな燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】本発明によれば、膜乾燥度推定手段により推定される固体高分子電解質膜の乾燥度合いが所定レベルを超える場合には、冷却制御手段によって、冷媒循環経路を循環する冷媒による冷却と、液体水供給手段により液体水を霧状に噴射して空気極へ該液体水を供給することによる冷却とを併用して燃料電池が冷却される。よって、膜乾燥度推定手段により推定される固体高分子電解質膜の乾燥度合いが所定レベルを超える場合に、冷媒循環経路を循環する冷媒による冷却と、液体水供給手段による冷却を併用することによって、燃料電池を十分に冷却できるだけでなく、固体高分子電解質膜が保湿され、固体高分子電解質膜の乾燥による発電性能の低下を防止することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、固体高分子型の燃料電池を含む燃料電池システムに関する。
固体高分子型燃料電池の単位セルは、燃料極(水素極、アノード極)と空気極(酸素極、カソード極)との間に固体高分子電解質膜を挟持した構成を有し、燃料極へ供給される燃料ガス(例えば、水素)と空気極へ供給される酸化剤ガス(例えば、空気)とを電気化学的に反応させることにより発電を行う。
このような固体高分子型燃料電池(以下、単に「燃料電池」と称する)を含む燃料電池システムは、燃料電池が発電に伴って発熱するので、燃料電池を運転に適した温度となるよう冷却する冷却機構が設けられている。冷却機構としては、例えば、特開2003−109637号公報(特許文献1)に記載されるような、冷却媒体を循環させて燃料電池を冷却する冷却機構が一般的である。
特開2003−109637号公報
しかしながら、特許文献1に記載される冷却機構は、固体高分子電解質膜が乾燥し易い状況下において、固体高分子電解質膜の乾燥を防ぐことができず、発電性能の低下を防ぐことができない問題点があった。また、その一方で、燃料電池を含む燃料電池システムを車両に搭載することを想定した場合に、燃料電池システム全体のコンパクト化に対する要求が高い。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、固体高分子電解質膜が乾燥し易い状況下において、固体高分子電解質膜の乾燥による発電性能を抑制できるコンパクトな燃料電池システムを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池システムは、固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する燃料極及び空気極とを含んで構成される燃料電池をセパレータを挟んで積層した燃料電池スタックと、燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料ガス供給手段と、系外から取り入れた空気を前記空気極へ常圧で供給する酸化剤ガス供給手段と、前記セパレータ内に冷媒を循環させる冷媒循環経路と、前記冷媒を冷却する冷却手段と、前記空気極へ空気と共に霧状の液体水を供給することにより前記燃料電池を冷却する液体水供給手段と、前記固体高分子電解質膜の乾燥度合いを推定する膜乾燥度推定手段と、前記膜乾燥度推定手段により推定される前記固体高分子電解質膜の乾燥度合いが所定レベル以下である場合には、前記冷却手段により冷却された冷媒を前記冷媒循環経路を循環させることによって前記燃料電池の冷却を行い、前記膜乾燥度推定手段により推定される前記固体高分子電解質膜の乾燥度合いが所定レベルを超える場合には、前記冷媒循環経路を循環する冷媒による前記燃料電池の冷却と前記液体水供給手段による前記燃料電池の冷却とを併用する冷却制御手段と、を備えている。
請求項2記載の燃料電池システムは、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記液体水供給手段によって前記空気極へ供給する液体水を貯留する貯水手段と、前記燃料電池における前記空気極から排出された排気を熱交換によって冷却すると共に該排気から水分を凝縮して液体水として分離する熱交換器と、前記熱交換器から液体水を回収して前記貯水手段へ戻す水回収手段と、前記冷却手段により冷却された冷媒を、前記熱交換器を冷却する冷媒として循環する第2の冷媒循環経路と、を備えている。
請求項3記載の燃料電池システムは、請求項1記載の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池における前記空気極から排出された排気を熱交換によって冷却する冷却部と、その冷却部による冷却に伴う水分の凝縮によって該排気から分離された液体水を貯留する貯水部とを有し、前記液体水供給手段によって前記空気極へ供給する液体水を貯留する貯水手段と、前記冷却手段により冷却された冷媒を、前記貯水手段の冷却部を冷却する冷媒として循環する第2の冷媒循環経路と、を備えている。
請求項1記載の燃料電池システムによれば、固体高分子型燃料電池の燃料極には、燃料ガス供給手段によって燃料ガスが供給される一方で、空気極には、酸化剤ガス供給手段によって常圧の空気が供給される。その結果、燃料電池は、燃料ガスと空気との電気化学的反応により発電する。
この請求項1記載の燃料電池システムによれば、膜乾燥度推定手段により推定される固体高分子電解質膜の乾燥度合いが所定レベル以下である場合には、冷却制御手段によって、冷却手段により冷却された冷媒を、冷媒循環経路により燃料電池スタックのセパレータ内に循環させて燃料電池を冷却する。
一方で、膜乾燥度推定手段により推定される固体高分子電解質膜の乾燥度合いが所定レベルを超える場合には、冷却制御手段によって、冷媒循環経路によりセパレータ内を循環する冷媒による冷却と、液体水供給手段により液体水を霧状に噴射して空気極へ該液体水を供給することによる冷却とを併用し、燃料電池を冷却する。
ここで、液体水供給手段による冷却は、空気極へ供給された霧状の液体水の蒸発潜熱によるものであり、空気極の表面や周囲の空気から潜熱を奪うので、固体高分子電解質膜から水分の蒸発を防止することができ、冷却作用と共に、固体高分子電解質膜を保湿する作用を有する。
よって、膜乾燥度推定手段により推定される固体高分子電解質膜の乾燥度合いが所定レベルを超える場合に、冷媒循環経路を循環する冷媒による冷却と、液体水供給手段による冷却を併用することによって、燃料電池を十分に冷却できるだけでなく、固体高分子電解質膜が保湿され、固体高分子電解質膜の乾燥による発電性能の低下を防止することができるという効果がある。
また、液体水供給手段により空気極へ霧状に噴射された(噴霧された)液体水が、燃料電池(空気極)の冷却作用と固体高分子電解質膜の保湿作用との両作用を呈するので、燃料電池システムの大型化を抑制することができ、コンパクトな空間内に収めることが可能であるという効果がある。
請求項2記載の燃料電池システムによれば、請求項1記載の燃料電池システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。燃料電池における空気極から排出された排気は、熱交換器において、熱交換によって冷却されると共に、排気中の水分が凝縮されて液体水として分離される。熱交換器において分離された液体水は、水回収手段により、液体水供給手段によって空気極へ供給する液体水を貯留する貯水手段へ戻される。それによって、液体水供給手段によって燃料電池を冷却及び保湿するための液体水を、水回収手段によって該空気極から排出される排気から回収して循環する系が構成される。
ここで、請求項2記載の燃料電池システムによれば、熱交換器を冷却する冷媒を循環する第2の冷媒循環経路が設けられているので、熱交換器における排気の冷却効率を高めることができ、それに伴って、排気からの液体水(凝縮水)の回収効率を高めることができる。よって、液体水供給手段により燃料電池の空気極へ供給される液体水の量が、燃料電池の冷却や固体高分子電解質膜の保湿を行うのに不十分な量となることを防止することができるので、発電性能の低下をより有効に防止することができるという効果がある。
また、この第2の冷媒循環経路を循環する冷媒の冷却は、燃料電池を冷却する冷媒循環経路を循環する冷媒の冷却を行う冷却手段と同じ冷却手段によって行われる。よって、熱交換器を冷却するための冷媒を冷却する専用の冷却手段を設ける必要がなく、燃料電池システムの大型化を抑制することができ、コンパクトな空間内に収めることが可能であるという効果がある。
請求項3記載の燃料電池システムによれば、請求項1記載の燃料電池システムの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。燃料電池における空気極から排出された排気は、貯水手段の冷却部において、熱交換によって冷却され、該冷却部による冷却に伴う水分の凝縮によって排気から分離された液体水が、同じく貯水手段の貯水部に貯留される。この貯水手段の貯水部に貯留される液体水は、液体水供給手段によって空気極へ供給する液体水として使用される。
よって、貯水手段の冷却部において排気から分離された液体水を貯水手段の貯水部に貯留して回収し、液体水供給手段によって燃料電池を冷却及び保湿するために液体水として再利用する液体水の循環系が構成される。
ここで、請求項3記載の燃料電池システムによれば、貯水手段の冷却部を冷却する冷媒を循環する第2の冷媒循環経路が設けられているので、該冷却部における排気の冷却効率を高めることができ、それに伴って、排気からの液体水(凝縮水)の回収効率を高めることができる。よって、液体水供給手段により燃料電池の空気極へ供給される液体水の量が、燃料電池の冷却や固体高分子電解質膜の保湿を行うのに不十分な量となることを防止することができるので、発電性能の低下をより有効に防止することができるという効果がある。
また、この第2の冷媒循環経路を循環する冷媒の冷却は、燃料電池を冷却する冷媒循環経路を循環する冷媒の冷却を行う冷却手段と同じ冷却手段によって行われる。よって、熱交換器を冷却するための冷媒を冷却する専用の冷却手段を設ける必要がなく、燃料電池システムの大型化を抑制することができ、コンパクトな空間内に収めることが可能であるという効果がある。
さらに、貯水手段は、空気極から排出される排気から液体水を分離する機能(冷却部)と、分離された液体水を貯留する機能(貯水部)とを合わせ持つので、空気極から排出される排気から液体水を分離するための装置と、分離された液体水を貯留するための装置を別々に設ける必要がない。よって、燃料電池システムのコンパクト化に有用であるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の燃料電池システムである燃料電池システム100の一実施形態(第1実施形態)を示すブロック図である。
この燃料電池システム100は、燃料電池スタック40と、燃料ガスとしての水素ガスを、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10(図2参照)の燃料極(水素極、アノード極)13(図2参照)へ供給するための水素ガス供給系50と、酸化剤ガスとしての空気を、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10の空気極(酸素極、カソード極)12(図2参照)へ供給するための空気供給系60と、水冷式の冷却機構である水冷系120と、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10の空気極12へ霧状の液体水を供給して単位セル10を冷却し加湿(保湿)する水供給系80と、燃料電池スタック40(各単位セル10の空気極12)から排出される排気を系外へ排出する排気系110とを備えている。
なお、図1に示す燃料電池システム100では、空気(供給空気、排気)の流通経路(空気供給路63、空気排出路111)を最も太い実線により表しており、水素ガスの流通経路(水素ガス供給流路51)を次に太い実線で表しており、水の流通経路(導水路81a、給水路81b)を点線で表しており、水冷系120を構成する経路(冷却水循環路121a、冷却水循環路121b)を太い点線で表している。
燃料電池スタック40は、単位セル10(図2参照)の複数個を、導電性のセパレータ20を介して厚み方向に積層し、隣接する単位セル間を電気的に直列接続した構成とされている。
水素ガス供給系50は、本発明の燃料電池システムを構成する燃料ガス供給手段に該当し、水素源となる水素ボンベ(図示せず)から供給される水素ガスの流量を調整する電磁弁(図示せず)を含む水素ガス供給流路51を介して、燃料電池スタック40のガス取入口41から図示されない水素ガス流路に接続されて、かかる水素ガス流路に水素ガスを供給する。なお、この水素ガス供給系50は、燃料電池スタック40から排出された未反応水素ガスを、図示されない経路を介して水素ガス供給流路に戻して循環できるように構成されている。
空気供給系60は、給気経路である空気供給路63と、燃料電池スタック40における図示されない空気流路の上流側に設けられ、空気供給路63の出口側の端部が接続される空気マニホールド62とを含んで構成される。空気供給路63には、系外から空気(外気)を取り入れる側から、空気の流通する方向に向かって順に、外気温センサSE1と、フィルタ64と、シロッコファンやターボファンなどの空気ファン61とが設けられている。なお、この空気供給系60は、本発明の燃料電池システムを構成する酸化剤ガス供給手段に該当する。
かかる空気供給系60は、空気ファン61を駆動させることにより、系外から取り入れた空気を、空気供給路63及び空気マニホールド62を介して、燃料電池スタック40の空気流路へ供給する。
排気系110は、燃料電池スタック40における空気流路の下流側に設けられた図示されない排気マニホールドに一端側が接続される空気排出路111を含んで構成される。
この空気排出路111の経路上には、燃料電池スタック40の側から空気(排気)の流通方向に向かって、熱交換器としての凝縮器112と、フィルタ113とが順に設けられ、フィルタ113を通過した排気が系外へと排出される。
凝縮器112は、後述する冷却水循環路121bを循環する冷却水との熱交換によって排気を冷却し、排気中に含まれる水分を凝縮により分離して回収するものである。燃料電池スタック40から排出された排気は、この凝縮器112へと流入し、該排気中に含まれる水分が液体水として分離され、後述する水供給系80により回収されて水タンク82へと戻される。
水冷系120は、燃料電池スタック40を冷却する冷媒としての冷却水を循環させる冷媒循環経路としての冷却水循環路121aを含んで構成される。冷却水循環路121aは、燃料電池スタック40におけるセパレータ20(図2参照)内に冷却水を導き、燃料電池スタック40を冷却する。この冷却水循環路121aには、冷却水を燃料電池スタック40へ圧送する循環ポンプ123が設けられている。また、冷却水循環路121aには、燃料電池スタック40から下流側(冷却水の流通方向側)に向かって順に、冷却水を冷却する冷却手段としてのラジエータ122と、循環電磁弁124とが順に設けられている。
また、水冷系120は、凝縮器112を冷却する冷媒としての冷却水を循環させる第2の冷媒循環経路としての冷却水循環路121bとを含んで構成される。この冷却水循環路121bは、ラジエータ122の下流側にて冷却水循環路121aから分岐し、凝縮器112を経由し、循環ポンプ123の上流側にて冷却水循環路121aと合流するように設けられている。この冷却循環路121bは、循環電磁弁125が設けられている。
ラジエータ122により冷却された冷却水は、循環ポンプ123による圧送により、冷却水循環路121aと冷却水循環路121bとの両方を流通し、それぞれ、燃料電池スタック40と凝縮器112とを冷却(水冷)する。なお、冷媒としては、冷却水に限定されず、種々の冷媒となり得る流体(液体、気体)を使用できる。
このように、本実施形態の燃料電池システム100は、燃料電池スタック40を水冷式の冷却機構によって冷却できるように構成されている。詳細は後述するが、本実施形態の燃料電池システム100は、燃料電池スタック40がドライとなる状況(即ち、固体高分子電解質膜11が乾燥し易い状況)が生じるまでは、加湿を行うことなく、冷却水循環路121aを循環する冷却水により冷却を行って運転(水冷無加湿運転)される。
また、本実施形態の燃料電池システム100は、冷却水循環路121bを循環する冷却水によって凝縮器112を冷却するので、排気の冷却効率が高く、排気からの水分の回収効率も高い。
水供給系80は、貯水手段としての水タンク82と、その水タンク82に一端側が接続され、水タンク82に貯留されている水を燃料電池スタック40へ供給するための給水路81bを含んで構成される。なお、この水供給系80における給水路81bは、本発明の燃料電池システムを構成する液体水供給手段に該当する。
水タンク82は、燃料電池スタック40へ冷却水及び加湿水(保湿水)となる水を供給するための水を貯留するものである。なお、この水タンク82には、水位センサSE4(図3参照)と水温センサ(図示せず)とが設けられている。
給水路81bには、水タンク81の側から水の流通方向に向かって、フィルタ84と、給水ポンプ85と、水供給電磁弁86と、給水路81bからの水の出口となるノズル83とが順に設けられている。
ノズル83の先端は、空気マニホールド62に向けられており、給水路81bを介して水タンク82から導かれた水は、ノズル83の先端から噴射される。ノズル83から空気マニホールド62へ向けて噴射された水は、空気供給系60を流通する供給空気の流れによって霧状となって燃料電池スタック40へ送り込まれる。
この霧状に噴射された水は、各単位セル10(図2参照)の空気極12へと流れ込み、燃料電池スタック40に対する冷却水及び加湿水(保湿水)として作用する。即ち、本実施形態の燃料電池システム100は、液体水を噴霧することによって、燃料電池スタック40(空気極12)を冷却すると共に、固体個分子電解質膜11(図2参照)を保湿できる直噴水タイプの燃料電池システムとして構成されるものである。
このように、本実施形態の燃料電池システム100は、上述した水冷系120によって燃料電池スタック40を冷却できるだけでなく、水供給系80によって燃料電池スタック40を冷却することもできる。
詳細は後述するが、本実施形態では、水冷系120による燃料電池スタック40の冷却を基本とし、燃料電池スタック40がドライとなる状況(即ち、固体高分子電解質膜11が乾燥し易い状況)が生じた場合に、水冷系120による冷却と水供給系80による冷却とを併用する構成とされている。かかる構成により、固体高分子電解質膜11の乾燥による発電性能の低下を有効に防止することができる。
また、図1に示すように、水供給系80は、凝縮器112により回収された水を水タンク82へ導く導水路81aを含んでいる。導水路81aは、その一端側が凝縮器112に接続され、他端側が水タンク82に接続された経路であり、この導水路81aには、回収ポンプ88が設けられている。なお、この水供給系80における導水路81aは、本発明の燃料電池システムを構成する水回収手段に該当する。
このように、水供給系80は、水タンク82に貯留される液体水を、給水路81bを介して燃料電池スタック40の冷却水及び加湿水として供給し、燃料電池スタック40から排出される排気中に含まれる水分を凝縮器112によって凝縮して液体水として分離し、かかる水を、導水路81aを介して水タンク82に戻す循環系として構成されている。
また、水供給系80は、給水路81bから分岐し、給水路81内の水を抜くための排水路81cを有している。この排水路81cには、水抜きの際に開放される水抜き用電磁弁87が設けられている。
以上のように構成された燃料電池システム100を運転する場合には、空気ファン61を駆動させ、系外から取り入れた外気(空気)を燃料電池スタック40の空気流路内へ供給すると共に、水供給系80の給水ポンプ85を駆動させて水を供給する。一方で、水素ガス供給系50における図示されない電磁弁を調整し、水素ガスを所定の圧力として燃料電池スタック40の水素ガス流路内へ供給する。
その結果、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10にて水素と酸素とによる電気化学的な水生成反応(電極反応)が行われ、生じた電流が図示されない負荷系(モータなど)へ流れる。
かかる燃料電池システム100の運転中は、水冷系120の冷却水循環路121aを循環する冷却水によって燃料電池スタック40が冷却される。また、水供給系80により霧状の液体水を燃料電池スタック40に供給することにより、各単位セル10を冷却及び加湿(保湿)することができる。
また、図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム100は、燃料電池システム100の運転を制御する制御装置70をさらに有している。なお、この制御装置70の詳細な構成については、図3を参照して後述する。
次に、図2を参照して、燃料電池スタック40を構成する単位セル10について説明する。図2は、単位セル10を模式的に示す断面図である。図2に示すように、単位セル10は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)15と、その膜電極接合体15における空気極12側に設けられた空気流路16と、膜電極接合体15における燃料極13側に設けられた水素ガス流路17と、空気流路16及び水素ガス流路17の外面側に配された導電性のセパレータ20と、シール材21とから構成される。
膜電極接合体15は、固体高分子電解質膜11と、その固体高分子電解質11の両面を挟持する空気極12及び燃料極13とから構成される積層体である。固体高分子電解質膜11としては、例えば、Nafion(登録商標:デュポン社製)やAciplex(登録商標:旭化成(株)製)など、固体高分子型燃料電池に適用可能な固体高分子電解質膜を使用することができる。
空気極12は、固体高分子電解質膜11に当接する触媒層12aと、その触媒層12aにおける固体高分子電解質膜11とは反対側の面に当接する拡散層12bとから構成される。
また、燃料極13は、固体高分子電解質膜11に当接する触媒層13aと、その触媒層13aにおける固体高分子電解質膜11とは反対側の面に当接する拡散層13bとから構成される。
触媒層12aは、固体高分子電解質膜11に当接されて空気極12における電極反応を促進するための層であり、固体高分子電解質膜11における他方の面に当接する燃料極13の触媒層13aと共に、酸素と水素との水生成反応を促進する。触媒層12a,13aとしては、例えば、カーボン粒子にプラチナなどの触媒が担持された触媒担持カーボンと電解質とを含んで構成された触媒層を採用することができる。
拡散層12b,13bは、ガス拡散が可能なカーボン製の織物やカーボン製の紙等の多孔質基材から構成されるものであり、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボン繊維からなる不織布等を用いることができる。
空気流路16は、空気供給系60(図1参照)により供給された空気を流通させる流路であり、空気は紙面上側から下側方向(矢印A方向)に流通し、排出される。一方、水素ガス流路17は、水素供給系50により供給された水素ガスを流通させる流路である。水素ガスは、図示されない供給口から水素ガス流路17へ供給され、例えば、紙面手前側から奥側(紙面垂直方向)に流通して、図示されない排出口から排出される。
空気流路16に空気を供給し、水素ガス流路17に水素ガスを供給することにより、膜電極接合体15において酸素と水素との電気化学的反応が生じる。なお、空気流路16及び水素ガス流路17の具体的な構成は省略するが、これらの流路16,17は、導電性材料により構成されており、膜電極接合体15(空気極12、燃料極13)とセパレータ20とは電気的に接続されている。
次に、図3を参照して、本実施形態の燃料電池システム100に搭載され、この燃料電池システム100の運転を制御する制御装置70について説明する。図3は、制御装置70の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御装置70は、中央演算処理装置であるCPU71と、CPU71により実行される制御プログラムや固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリであるROM72と、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するRAM73と、これらのCPU71、ROM72、及びRAM73とバスライン74を介して接続される入出力ポート75とから主に構成される。
図3に示すように、入出力ポート75には、系外から取り入れた外気の温度を検出する外気温センサSE1と、燃料電池スタック40の出力電圧を検出する電圧センサSE2と、燃料電池スタック40の出力電流を検出する電流センサSE3と、水位センサSE4とが接続されている。
また、入出力ポート75には、水タンク82に貯留される液体水を、給水路81bを介してノズル83へ送り込む給水ポンプ85と、給水路81bの開度を調整する水供給電磁弁86と、空気ファン61とが接続されている。
制御装置70のCPU71は、入出力ポート75を介して各センサSE1〜SE3の検出値が入力されると、その検出値に基づく電圧制御値を制御対象(給水ポンプ85、水供給電磁弁86、空気ファン61)へ出力して各制御対象の動作を制御する。
なお、この制御装置70には、図示されない配線によって、燃料電池システム100に含まれるその他のセンサや、燃料電池システム100に含まれるその他電磁弁(例えば、水抜き用電磁弁87など)や、燃料電池システム100に含まれるその他のポンプや、図示されない負荷系に含まれるインバータなどにも接続されており、CPU71は、各センサからの検出値の入力に基づいて、制御対象(電磁弁やポンプなど)に対し、燃料電池システム100を運転するための各種制御を行う。
次に、図4(a)及び(b)を参照して、上記構成を有する燃料電池システム100対する運転制御について説明する。
図4(a)は、制御装置70において実行される運転制御処理を示すフローチャートである。この運転制御処理は、燃料電池システム100の運転を制御するための処理であり、制御装置70の電源が投入されている間、CPU71により定期的に繰り返し実行される。なお、この運転制御処理を実行する制御プログラムは、ROM72内に格納されている。
図4(a)に示すように、この運転制御処理では、まず、各センサ(センサSE1〜SE3など)の検出値を取得する(S1)。S1の処理後、空気極12への空気供給に関する制御(例えば、空気ファン61の回転数の制御など)を行う空気供給制御処理を実行し(S2)、燃料極13への水素ガス供給に関する制御(例えば、図示されない供給量調整電磁弁の制御など)を行う水素ガス供給制御処理を実行する(S3)。
S3の処理後、ノズル83からの液体水の噴射を制御する直噴水制御処理を実行する(S4)。なお、この直噴水制御処理(S4)における具体的な制御については、図4(b)を参照して後述する。
直噴水制御処理(S4)の実行後、燃料電池システム100の運転を制御するその他の制御処理を実行し(S5)、この運転制御処理を終了する。なお、その他の制御処理(S21)では、例えば、外気温センサSE1の検出値が、外気温度が低いことを示す場合に、水抜き用電磁弁87を開放して、給水路81内の水を排水路81cから抜く処理である凍結防止処理などが含まれる。
図4(b)は、上述した運転制御処理(図4(a))の中で実行される直噴水制御処理(S4)を示すフローチャートである。この直噴水制御処理(S4)では、まず、燃料電池スタック40がドライとなる状況であるか否かを判定するドライ判定を行う(S41)。
このS41の処理にて行うドライ判定の1つとして、外気温センサSE1の検出値が示す外気温度と、電圧センサSE2の検出値及び電流センサSE3の検出値により得られる燃料電池スタック40の出力とに基づく判定が用いられる。
ここで、図5は、外気温度と、燃料電池スタック40の出力と、燃料電池スタック40がドライとなる状況の発生との相関を模式的に示す相関図である。この図5に示す相関図において、縦軸は、外気温度を示す軸であり、上側に向かう程、外気温度が高いことを示す。一方で、横軸は、燃料電池スタック40の出力を示す軸であり、向かって右側に向かう程、高出力であることを示す。
この図5において、外気温度が高く、燃料電池スタック40が高出力である側に位置する斜線のハッチング領域が、燃料電池スタック40がドライとなる状況を示す領域(ドライ領域)である。つまり、燃料電池スタック40は、外気温度が高く、燃料電池スタック40が高出力である場合に、燃料電池スタック40がドライとなる状況が生じる。
S41の処理では、外気温センサSE1、電圧センサSE2、及び電流センサSE3の検出値に基づき、現状がドライ領域にある場合に、燃料電池スタック40がドライとなる状況(即ち、固体高分子電解質膜11が乾燥し易い状況)であると判定される。
また、このドライ判定には、外気温、及び、電流、電圧の代わりに、例えば、中央部に位置する単位セル10の抵抗値を用いてもよい。なお、例えば、燃料電池システム100の起動時や、燃料電池スタック40が低負荷と無負荷とを繰り返した場合などに燃料電池の単位セルの抵抗が閾値を上回る場合があるため、これらもドライ判定とすることがある。
図4(b)に戻って説明する。S41の処理後、燃料電池スタック40がドライとなる状況であるか否かを確認する(S42)。S42の処理により確認した結果、燃料電池スタック40がドライとなる状況である場合には(S42:Yes)、直噴水の供給、即ち、水供給電磁弁86の開放及び給水ポンプ85の駆動によるノズル83からの液体水の噴霧を行い(S43)、この直噴水制御処理(S4)を終了する。
一方で、S42の処理により確認した結果、燃料電池スタック40がドライとなる状況でない場合には(S42:No)、直噴水の供給をせず(S44)、この直噴水制御処理(S4)を終了する。なお、直噴水の供給を停止する場合には、水供給電磁弁86の閉鎖と給水ポンプ85の停止とを行う。
よって、この直噴水制御処理(S4)によれば、燃料電池スタック40がドライとなる状況が生じていなければ、直噴水の供給をせず、この場合には、水冷系120(冷却水循環路121a)を循環する冷却水によってのみ冷却する水冷無加湿運転が行われる。
その一方で、燃料電池スタック40がドライとなる状況が生じると、その場合には、ノズル83からの液体水の噴霧(直噴水の供給)が行われ、水冷系120による冷却と水供給系80による冷却とを併用する運転が行われる。なお、この直噴水制御処理(S4)におけるS41の処理は、本発明における膜乾燥度推定手段に該当し、S42〜S44の処理は、本発明における冷却制御手段に該当する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システム100によれば、燃料電池スタック40がドライとなる状況(即ち、固体高分子電解質膜11が乾燥し易い状況)が生じた場合には、水冷系120による冷却と水供給系80による冷却とを併用する運転が行われる。
ここで、水供給系80による冷却は、空気極12へ供給された霧状の液体水の蒸発潜熱に起因する。即ち、空気極12へ供給された霧状の液体水は、空気極12の表面や周囲の空気から潜熱を奪うことによって空気極12を冷却するので、固体高分子電解質膜11からの水分の蒸発を防止することができる。よって、この水供給系80による冷却は、冷却作用だけでなく、固体高分子電解質膜を保湿する作用を有する。
従って、 燃料電池スタック40がドライとなる状況において、水冷系120による冷却と水供給系80による冷却とを併用する運転を行うことにより、燃料電池スタック40を十分に冷却できるだけでなく、固体高分子電解質膜11が保湿され、固体高分子電解質膜11の乾燥による発電性能の低下を防止することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム100によれば、冷却水循環路121bを循環する冷却水によって凝縮器112が冷却されるので、排気の冷却効率が高く、排気からの水分の回収効率が高い。よって、水タンク82に貯留される液体水の量を十分に確保することができ、水供給系80により供給される直噴水(ノズル83から噴霧される液体水)の量が、燃料電池スタック40の冷却や、固体高分子電解質膜11の保湿を行うのに不十分な量となることを防止することができる。そのため、発電性能の低下がより有効に防止される。
また、本実施形態の燃料電池システム100によれば、水供給手段80による空気極12へ噴霧された直噴水が、燃料電池スタック40(空気極12)の冷却作用と、固体高分子電解質膜11の保湿作用との両作用を呈する。よって、高温の環境下で効果的に燃料電池スタック40の高出力を引き出すことができる。また、冷却水循環路121bを循環する冷却水(即ち、凝縮器112を冷却する冷却水)は、冷却水循環路121bを循環する冷却水(即ち、燃料電池スタック40を冷却する冷却水)と共に、ラジエータ122によって冷却されるので、冷却水循環路121bを循環する冷却水を冷却する専用の冷却装置を設ける必要がない。従って、燃料電池システム100の大型化が抑制され、燃料電池システム100をコンパクトな空間内に収めることが可能となる。
次に、図6及び図7を参照して、第2実施形態について説明する。上記した第1実施形態では、凝縮器112により排気から水分を凝縮し、分離された液体水を水タンク82に貯留する構成であったのに対し、この第2実施形態では、排気から水分を凝縮し液体水として分離する機能と、分離された液体水を貯留する機能との両方を合わせ持つ水トラップタンク89を用いる。なお、上記した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図6は、第2実施形態の燃料電池システム200を示すブロック図である。図6に示すように、第2実施形態の燃料電池システム200は、燃料電池スタック40と空気排出路111との間に、水供給系80の一部である貯水手段としての水トラップタンク89が設けられている。なお、水トラップタンク89の具体的な構成については、図7を参照して後述する。
この第2実施形態では、上記第1実施形態では凝縮器111を冷却するために使用された冷却水循環路121bを、水トラップタンク89を冷却するために使用する。よって、図6に示すように、冷却水循環路121bは、ラジエータ122の下流側にて冷却水循環路121aから分岐し、水トラップタンク89を経由し、循環ポンプ123の上流側にて冷却水循環路121aと合流するように設けられている。なお、この第2実施形態においても、冷却水循環路121bは、本発明の燃料電池システムを構成する第2の冷媒循環経路に該当する。
なお、第2実施形態の燃料電池システム200の運転を制御する制御装置70は、上記した第1実施形態と同様に、直噴水制御処理(図4(b)参照)を実行し、燃料電池スタック40がドライとなる状況が生じていない場合には、水冷無加湿運転を行い、燃料電池スタック40がドライとなる状況が生じた場合には、水冷系120による冷却と水供給系80による冷却とを併用する運転を行うように燃料電池システム200を制御する。
図7は、水トラップタンク89を模式的に示す断面図である。図7に示すように、水トラップタンク89は、燃料電池スタック40の下方に、各単位セル10が積層された発電部40aの下方が少なくとも開放され、発電部40a(より具体的には、各単位セル10の空気極12)から排出された排気を受けるトレイ形状のタンクである。
図7に示すように、水トラップタンク89の外周には、冷却部としての中空部89aが設けられている。この中空部89aには、冷却水循環路121bに連通する連通部89a1,89a2が設けられており、連通部89a1には、冷却水循環路121bにおけるラジエータ122側に接続され、連通部89a2には、冷却水循環路121bにおける循環ポンプ123側に接続されている。即ち、水トラップタンク89の中空部89aは、冷却水循環路121bの一部となって、ラジエータ122により冷却された冷却水が流通される。
このように、水トラップタンク89の外周に設けられた中空部89aを冷却水が流通することにより、燃料電池スタック40から排出された排気が水トラップタンク89の内部で冷却される。その結果、排気の水分が凝縮されて、水トラップタンク89の内壁側に形成された貯留部としての空間89bに液体水Wとして貯留される。
水トラップタンク89における空間89bの底側には、給水路81bに連通する排水口89cが形成されている。よって、給水ポンプ85を駆動させると、空間89bに貯留される液体水W(即ち、排気から凝縮された液体水)は、排水口89cから流出し、ノズル83へと圧送されて、ノズル83から空気マニホールド62に向けて霧状に噴射される。
水トラップタンク89には、空気排出路111に連通する開口部89dが形成されており、燃料電池スタック40から排出された排気は、最終的に、この開口部89dを経て、空気排出路111へと排出される。
なお、水トラップタンク89における開口部89d側には、空間89bの底側が開口された隔壁89eが設けられている。この隔壁89eには、開口部89dに対応する位置にバタフライバルブ89fが設けられている。
バタフライバルブ89fは、空間89bに貯留される液体水Wが満水でない場合には閉鎖されているように制御手段70によって制御される。よって、水トラップタンク89が満水でない場合には、燃料電池スタック40から排出される排気は、隔壁89eと空間89bの底側との間の開口を経て、開口部89dへと流れる。
従って、バタフライバルブ89fを閉じた状態では、排気が中空部89aを流通する冷却水によって冷却され易く、排気からの水分の凝縮が促進され、貯水量の増加に貢献する。
一方で、バタフライバルブ89fは、空間89bに貯留される液体水Wが満水である場合に制御手段70の制御によって開放され、燃料電池スタック40から排出される排気は、主に、バタフライバルブ89fを経て、開口部89dへと流れる。よって、トラップタンク89が満水の場合には、燃料電池スタック40からの排気を主にバタフライバルブ89fから排出することにより、水トラップタンク89から液体水がオーバーフローすることを防止する。
また、水トラップタンク89には、空間89bに貯留された液体水Wの水位を検出する水位センサSE4や、液体水Wの温度を検出する直噴水温センサ(図示せず)や、中空部89aを流通する冷却水の温度を検出する冷却水温センサ(図示せず)などのセンサが設けられている。
以上説明したように、第2実施形態の燃料電池システム200によれば、排気から水分を凝縮し液体水Wとして分離する機能(中空部89a)と、分離された液体水Wを貯留する機能(空間89b)との両方を合わせ持つ水トラップタンク89を使用するので、凝縮器と水タンクとを別々に設ける必要がない。よって、固体高分子電解質膜11の乾燥を防いで発電性能の低下を防止できる燃料電池システムを、よりコンパクトに構成することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1実施形態では、凝縮器112により排気から凝縮した液体水を水タンク82に貯留し、ノズル83へ供給する水として利用する構成としたが、これに換えて、又は、これに加えて、車載エアコンの凝縮水をタンクに貯留し、この貯留水をノズル83へ供給する水として利用する構成としてもよい。
また、上記第2実施形態では、水トラップタンク89の外周に中空部89aを設け、この中空部89aに冷却水を流通させることにより、排気中の水分を凝縮させる構成としたが、これに換えて、又は、これに加えて、水トラップタンク89の内周側に冷却水循環路121bを通し、排気中の水分を凝縮する構成としてもよい。
また、上記各実施形態において、水タンク82又は水トラップタンク89に貯留される液体水の量が少ない場合には、循環電磁弁125の開度を上げて冷却水循環路121bを流通する冷却水の量を増大させたり、空気ファン61の回転数を下げて燃料電池スタック40へ供給する空気の量を低減させたりする制御を行う構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、外気温度や燃料電池スタックの出力などのパラメータに基づき、間接的に固体高分子電解質膜11の乾燥度合い(即ち、ドライな状況であるか否か)を推定する構成としたが、固体高分子電解質膜11の含水量又は抵抗値を直接測定することによって固体高分子電解質膜11の乾燥度合いを推定する構成としてもよい。
本発明の燃料電池システムである燃料電池システムの第1実施形態を示すブロック図である。 単位セルを模式的に示す断面図である。 制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は、制御装置において実行される運転制御処理を示すフローチャートであり、(b)は、(a)の運転制御処理の中で実行される直噴水制御処理を示すフローチャートである。 外気温度と、燃料電池スタックの出力と、燃料電池スタックがドライとなる状況の発生との相関を模式的に示す相関図である。 第2実施形態の燃料電池システムを示すブロック図である。 水トラップタンクを模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 単位セル(燃料電池)
11 固体高分子電解質膜
12 空気極
13 燃料極
40 燃料電池スタック
50 水素供給系(燃料ガス供給手段)
60 空気供給系(酸化剤ガス供給手段)
81a 導水路(水回収手段)
81b 給水路(液体水供給手段)
82 水タンク(貯水手段)
89 水トラップタンク(貯水手段)
89a 中空部(貯水手段の一部,冷却部)
89b 空間(貯水手段の一部,貯水部)
100 燃料電池システム
112 凝縮器(熱交換器)
121a 冷却水循環路(冷媒循環経路)
121b 冷却水循環路(第2の冷媒循環経路)
122 ラジエータ(冷却手段)
S41 膜乾燥度推定手段
S42〜S44 冷却制御手段

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する燃料極及び空気極とを含んで構成される燃料電池をセパレータを挟んで積層した燃料電池スタックと、
    燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料ガス供給手段と、
    系外から取り入れた空気を前記空気極へ常圧で供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記セパレータ内に冷媒を循環させる冷媒循環経路と、
    前記冷媒を冷却する冷却手段と、
    前記空気極へ空気と共に霧状の液体水を供給することにより前記燃料電池を冷却する液体水供給手段と、
    前記固体高分子電解質膜の乾燥度合いを推定する膜乾燥度推定手段と、
    前記膜乾燥度推定手段により推定される前記固体高分子電解質膜の乾燥度合いが所定レベル以下である場合には、前記冷却手段により冷却された冷媒を前記冷媒循環経路を循環させることによって前記燃料電池の冷却を行い、前記膜乾燥度推定手段により推定される前記固体高分子電解質膜の乾燥度合いが所定レベルを超える場合には、前記冷媒循環経路を循環する冷媒による前記燃料電池の冷却と前記液体水供給手段による前記燃料電池の冷却とを併用する冷却制御手段と、を備えていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記液体水供給手段によって前記空気極へ供給する液体水を貯留する貯水手段と、
    前記燃料電池における前記空気極から排出された排気を熱交換によって冷却すると共に該排気から水分を凝縮して液体水として分離する熱交換器と、
    前記熱交換器から液体水を回収して前記貯水手段へ戻す水回収手段と、
    前記冷却手段により冷却された冷媒を、前記熱交換器を冷却する冷媒として循環する第2の冷媒循環経路と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池における前記空気極から排出された排気を熱交換によって冷却する冷却部と、その冷却部による冷却に伴う水分の凝縮によって該排気から分離された液体水を貯留する貯水部とを有し、前記液体水供給手段によって前記空気極へ供給する液体水を貯留する貯水手段と、
    前記冷却手段により冷却された冷媒を、前記貯水手段の冷却部を冷却する冷媒として循環する第2の冷媒循環経路と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。



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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011222307A (ja) * 2010-04-09 2011-11-04 Denso Corp 燃料電池システム
KR101838509B1 (ko) 2016-03-09 2018-03-14 현대자동차주식회사 연료전지 스택 냉각수의 물부족 감지 방법 및 이를 적용한 시스템
JP2018181688A (ja) * 2017-04-18 2018-11-15 株式会社デンソー 燃料電池システム
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