JP2009237290A - 光学部材とそれを用いたバックライト・ユニット、ディスプレイ - Google Patents

光学部材とそれを用いたバックライト・ユニット、ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】ディスプレイ用バックライト・ユニットにおける照明光路制御に使用される一体化型の光学部材において、密着性に優れ、高輝度の光学部材を提供する。
【解決手段】第1の光学層1と第2の光学層5が少なくとも1つ以上の固定要素3および粘・接着剤層4を介して少なくとも部分的に接合されている光学部材において、前記粘・接着剤層4が部分的に第1の光学層1の入射面側もしくは第2の光学層5の出射面側のいずれかに接しており、光学部材全体として第1の光学層1の入射面側および第2の光学層5の出射面側のいずれにも接してなることを特徴とする光学部材を使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画素単位での透過/非透過のレンズシートおよびディスプレイ用光学シート、あるいは透明状態/散乱状態に応じて表示パターンが規定される表示素子が配置された液晶パネルを、背面側から照明するバックライトユニット、ディスプレイ装置に関する。
近年、TFT型液晶パネルやSTN型液晶パネルを使用した液晶表示装置は、主としてOA分野のカラーノートPC(パーソナルコンピュータ)を中心に商品化されている。
このような液晶表示装置においては、液晶パネルの背面側(観察者側)に光源を配置し、この光源からの光で液晶パネルを照明する方式、いわゆる、バックライト方式が採用されている。
この種のバックライト方式に採用されているバックライトユニットとしては、大別して冷陰極管(CCFT)等の光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」とがある。
導光板ライトガイド方式のバックライトユニットが搭載された液晶表示装置としては、例えば、図12に示すものが一般に知られている。
これは、上部に偏光板71,73に挟まれた液晶パネル72が設けられ、その下面側に、略長方形板状のPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリル等の透明な基材からなる導光板79が設置されており、該導光板の上面(光射出側)に拡散フィルム(拡散層)78が設けられている。
さらに、この導光板79の下面に、導光板79に導入された光を効率よく上記液晶パネル72方向に均一となるように散乱して反射されるための散乱反射パターン部が印刷などによって設けられる(図示せず)と共に、散乱反射パターン部下方に反射フィルム(反射層)77が設けられている。
また、上記導光板79には、側端部に光源ランプ76が取り付けられており、さらに、光源ランプ76の光を効率よく導光板79中に入射させるべく、光源ランプ76の背面側を覆うようにして高反射率のランプリフレクター81が設けられている。上記散乱反射パターン部は、白色である二酸化チタン(TiO)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した混合物を、所定パターン、例えばドットパターンにて印刷し乾燥、形成したものであり、導光板79内に入射した光に指向性を付与し、光射出面側へと導くようになっており、高輝度化を図るための工夫である。
さらに、最近では、光利用効率をアップして高輝度化を図るべく、図13に示すように、拡散フィルム78と液晶パネル72との間に、光集光機能を備えたプリズムフィルム(プリズム層)74,75を設けることが提案されている。このプリズムフィルム74,75は導光板79の光射出面から射出され、拡散フィルム78で拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させるものである。
しかしながら、図12に例示した装置では、視野角の制御は、拡散フィルム78の拡散性のみに委ねられており、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部は明るく、周辺部に行くほど暗くなる特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。
さらに、図13に例示したプリズムフィルムを用いる装置では、プリズムフィルムの枚数が2枚必要であるため、フィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇する原因にもなっていた。
一方、直下型方式は、導光板の利用が困難な大型の液晶TVなどの表示装置が用いられている。
直下型方式の液晶表示装置としては、図14に例示する装置が一般的に知られている。これにおいては、上部に偏光板71、73に挟まれた液晶パネル72が設けられ、その下面側に、蛍光管等からなる光源51から射出され、拡散フィルム82のような光学シートで拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させるものである。光源51からの光を効率よく照明光として利用するために、光源51の背面には、リフレター52が配置されている。
しかしながら、図14に例示する装置でも、視野角の制御は、拡散フィルム82の拡散性のみに委ねられており、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部は明るく、周辺部に行くほど暗くなる特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。さらに、プリズムフィルムを用いるものでは、プリズムフィルムの枚数が2枚必要であるため、フィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇する原因にもなっていた。
また光源51間の間隔が広すぎると、画面上に輝度ムラが生じやすく、光源51の数を減らせず、消費電力の増加及びコストの増加を招く原因となっていた。
ところで、このような液晶表示装置では、軽量、低消費電力、高輝度、薄型化であることが市場ニーズとして強く要請されており、それに伴い、液晶表示装置に搭載されるバックライトユニットも、軽量、低消費電力、高輝度であることが要求されている。
特に、最近、目覚しい発展をみるカラー液晶表示装置においては、液晶パネルのパネル透過率がモノクロ対応の液晶パネルに比べ格段に低く、そのため、バックライトユニットの輝度向上を図ることが、装置自体の低消費電力を得るために必須となっている。
しかしながら、上述したように従来の装置では、高輝度、低消費電力の要請に充分に応えられているとは言いがたく、ユーザからは、低価格、高輝度、高表示品位で、かつ低消費電力の液晶表示装置を実現できるバックライトユニットの開発が待ち望まれている。
上記の状況に鑑みて本出願人は、例えば、特許文献1のように、液晶パネルと、この液晶パネルに背面側から光を照明する光源手段とを備え、この光源手段に、光源からの光を液晶パネルへと導くレンズ層が設けられ、該レンズ層焦点面近傍に開口をもつ遮光部を有することを特徴とする液晶表示装置を提案している。
上述の特許文献1には、同文献の図1から図3に示されるように、液晶パネルとバックライトユニットの間に、遮光部を有するレンズシートを配置してなる構成が開示されているが、図1から図3のいずれも、レンズシートは液晶パネル側にレンズ部を構成する凹凸形状を有している。
上述のレンズシートを介在させたことによる作用効果は、導光板から射出する光が有する拡散性をレンズ作用により変調して、液晶パネル側にレンズ部を構成する凹凸形状を有している。
上述のレンズシートを介在させたことによる作用効果は、導光板から射出する光が有する拡散性をレンズ作用に変調して、液晶パネル側に方向を揃えて射出させることが可能となる点にある。
加えて、特定箇所に開口を形成したことにより、液晶パネルの画素に入射する光量を選択的に多くすることが可能となり、バックライトの利用効率が向上することと、前記開口の形状を制御することで表示光の視野領域も制御することが可能となることである。
特開2000−284268号公報 特開2006−106197号公報
図11(a)(b)は従来の一体型光学部材の代表的な構成を示す模式図である。第1の光学層1と、第2の光学層5が、固定要素3と粘・接着剤4を介して接合されている。固定要素3があるため、第1の光学層1と第2の光学層5の間に空隙2を得ている。固定要素3は第1の光学層1もしくは第2の光学層5に設けられている。固定要素3を有していない光学層は粘・接着剤4と面全体で接しているが、固定要素3と粘・接着剤4の接合面積は固定要素3を有していない光学層と粘・接着剤4との接合面積に比べ少なく、また個々の接合面積も小さい。一般的に粘・接着剤の密着力は接合面積の縮小により極端に低下するため、固定要素3と粘・接着剤4の接合界面は非常に剥がれ易く、後述の実施例に示すように、実用に耐えうる密着力を有していない。加えて、固定要素3は集光機能低下の要因となるため、接合面積は少なく、小さい方が好ましい。
レンズシートと拡散板を一体化した光学部材では、集光機能を得るためにレンズシートの拡散板との間に空隙を介して接合する必要がある。また、接合方法として粘・接着剤を使用する。さらに、空隙を形成するために図11のようにレンズシートと拡散板の間に固定要素を設ける手法が一般的である。
しかし、この場合、固定要素と粘・接着剤層との接合面積が少ないため、密着力が極端に低い。このため、バックライトの点灯・消灯の温度変化や衝撃でレンズシートと拡散板が容易に剥がれてしまうという問題がある。また、粘・接着剤層が固定要素の側面にくっ付くと光学特性が低下する問題もある。
請求項1の発明は、ディスプレイ用の照明光路制御に用いる光学部材であって、第1の光学層と第2の光学層とからなり、前記第1の光学層または前記第2の光学層のいずれか一方に固定要素を有し、前記第1の光学層の入射面および前記第2の光学層の出射面とを部分的に粘・接着剤層を介して一体化されていることを特徴とする光学部材である。
請求項2の発明は、前記固定要素の面積が、前記第1の光学層の前記入射面もしくは前記第2の光学層の前記出射面の総面積の1%以上50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学部材である。
請求項3の発明は、前記第1の光学層に前記固定要素を有する光学部材であって、隣接する前記固定要素同士の間の距離が250um以下の箇所において、前記粘・接着剤層は、前記隣接する前記固定要素の頂部と前記第2の光学層の前記出射面にのみ接していることを特徴とする、請求項1乃至2に記載の光学部材である。
請求項4の発明は、前記第2の光学層に前記固定要素を有する光学部材であって、隣接する前記固定要素同士の間の距離が250um以下の箇所において、前記粘・接着剤層は、
前記隣接する前記固定要素の頂部と、前記第1の光学層の前記入射面にのみ接していることを特徴とする請求項1乃至2に記載の光学部材である。
請求項5の発明は、前記固定要素の高さに対し、前記粘・接着剤層の厚みが1倍以内であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の光学部材である。
請求項6の発明は、前記固定要素の側面部に前記粘・接着剤層が接していないことを特徴とする請求項1及至5記載の光学部材である。
請求項7の発明は、前記固定要素の表面に遮蔽層を設けたことを特徴とする請求項1乃至6に記載の光学部材である。
請求項8の発明は、前記粘・接着剤層は、貯蔵弾性率が、0.1〜0.5(Mpa/25℃)、損失弾性率が、0.1〜0.4(Mpa/25℃)であることを特徴とする請求項1乃至7に記載の光学部材である。
請求項9の発明は、表示画像を規定する画像表示素子の背面に、光源と、請求項1乃至請求項8の何れかに記載の光学部材を少なくとも備えることを特徴とするディスプレイ用バックライト・ユニットである。
請求項10の発明は、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する液晶表示素子からなる画像表示素子と、光源と、請求項9に記載のバックライト・ユニットを備えることを特徴とするディスプレイである。
本発明では、従来の一体化されていない積層構成からなる光学シートに比べ、機能集約がなされている一体型光学部材でありながら、密着性及び光学特性の優れた光学部材を得ることができる。すなわち、粘・接着剤層の接合面を第1の光学層と第2の光学層にそれぞれ設けることで、より大きな密着力を得ることができる。また、粘・接着剤層を固定要素の側面部に接合させないことで光学特性に優れた光学部材を得ることが可能である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一体型光学部材を使用したディスプレイの構成例を示している。光源15からの光Kは、光学部材10の第2の光学層5に入射する。その後、第2の光学層5の出射面から空隙2、固定要素3、粘・接着剤4を透過もしくは反射し、最終的に第1の光学層1の入射面に到達する。そして、第1の光学層1の出射面から光Lとして出射される。
ここで、バックライト中に光学部材10以外の、例えば拡散フィルム等の光学部材を使用することも可能である。
次に光Lは光学部材10から出射した後、拡散シート13を透過し、偏光板21にはさまれた液晶層19に到達する。ここを透過した光はSから出射し、観察者に視認される。
また、本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置は、前述の光源15と光学部材10とさらにその上に液晶層19を含んだ装置である。この場合は、ディスプレイ装置は液晶表示装置を示すが、これに限らず、上述の光学部材10を含んだ、投射スクリーン装置、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等、画像を光を利用して表示する表示装置であればその種類は問わない。
さらに、例えば、図1においては、光学部材10は、光源15の上に、順に第2の光学層、第1の光学層が形成されているが、光学部材10を光源に対して反対に設置し、光源15の上に、順に第1の光学層、第2の光学層がくるようにしてもよい。この場合、光学部材10は、光源15からの光を第1の光学層に形成されたレンズ等で集光・拡散し、さらに第1の光学層から出射された光は第2の光学層でより拡散されることで光源15のランプイメージを消すことができるので、例えば、光源15の輝度が極めて高くなる場合や光源と液晶パネルの設置間隔が短くなる場合に使用すると特に有効である。
光源15は、図2のディスプレイの画像表示に用いる光を供給するものである。
ここで、本願発明に用いられる光源15としては、以下のようなものが挙げられる。光源15は、CCFL又は発光効率が良いLEDが好ましい。
図2(a)は、携帯電話などのモバイル機器に用いられる、青色に発光する青色LED素子50を、LED用レンズ53内部に塗工された黄色に発光する蛍光体51で覆い、擬似白色に発光する方式の白色LED46である。
この方式では単色のLED素子に蛍光体を覆うだけで擬似白色発光が実現できる利点ある。また本発明に用いる光源1は、上述のものに限らず、一つの単色LED素子に少なくとも1種類以上の蛍光体で覆ったものであってもよい。
次に、図2(b)は、図3(a)のLED用レンズ53にプリズム形状を付加したものである。プリズムを用いることにより、白色LED46から出射される光の配光分布を調整することができる。
図2(c)は、複数の白色LED46を設置したものである。複数の白色LED46を設置することで、一つの白色LED46を用いた場合と比較して輝度が向上する。また、導光板7の大きさも、一つの白色LED46を使用する場合と比較して大きくすることができる。
さらに、複数の白色LED46を最適に設置することで、白色LED46を単体で設置した場合と比較して、光源1からの距離が最も大きい光射出面11の正多角形の各頂部近傍に、効率良く光を導光させることが可能となる。
そのため、光量が最も少ない領域となる上述の光射出面11の正多角形の各頂部近傍と、光量が最も多い領域である光射出面11の中央部近傍との相対的な光量差を小さくすることが出来るため、輝度ムラの低減が可能である。
図3は、擬似白色発光するLEDの他の方式として、単色に発光するLED素子(赤色LED素子48、緑色LED素子49、青色LED素子50)を組み合わせて、擬似白色に発光する方式である。この場合、上述のような図Aの場合と比較して、蛍光体51がLED素子からの発熱で劣化する問題を回避でき、また各LED素子の光量を調節することで任意の色彩を得ることができる。
図4は、単色に発光する単色LED(赤色LED54、緑色LED55、青色LED56)を組み合わせて設置したものである。この場合、図4(b)のように赤色LED54、緑色LED55、青色LED56を一個ずつ組み合わせてもよいし、図4(c)のように、光出力が弱い色(例えば、緑色LED55)を複数個配置して設置してもよい。
また光源1としては上述のLEDに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、単色の半導体レーザー(赤色半導体レーザー57、緑色半導体レーザー58、青色半導体レーザー59)の光を、ファイバ60に通して混色し、半導体レーザー用レンズ61から出射してもよい。
光源15から入射した光Kは、第2の光学層5に入射する。第2の光学層5に入射した光は内部で散乱され、拡散光として出射される。
ここで、第2の光学層5は層内の添加物で拡散性を付与した拡散シート、拡散板などが使用できる。ここで、第2の光学層5の表面には微細な凹凸やレンズが形成されていてもよい。すなわち、表面形状と材料の屈折率の違いで拡散機能を有する光学層が使用できる。
ここで、第2の光学層5が、拡散板の場合は以下のような材料を用いる。
例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ベンジルメタクリレートやMS樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、アクリロニトリルポリスチレン共重合体、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ベンジルメタクリレートやMS樹脂、その他のアクリル系樹脂、あるいはCOP(シクロオレフィンポリマー)、AS(アクリルニトリルポリスチレン共重合体)等の光学的に透明な樹脂からなる平板状部材に光拡散性を付与して形成される。その方法は特に限定されないが、例えば、上記平板状部材の表面に微細凹凸加工や研磨による表面粗化(以降これらを施した面を「砂擦り面」という。)を施して拡散性を付与したり、表面に光を散乱させるシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛等の顔料もしくは樹脂やガラス、ジルコニア等のビーズ類をバインダとともに塗工したり、上記の樹脂中に光を散乱させる前述の顔料、ビーズ類を混練することで形成される。
またPETやPP(ポリプロピレン)等にフィラーを混練後延伸することによりボイドを形成して拡散率を高めた樹脂シートでもよい。
本発明において、拡散板としては、上記の素材を用い、かつ、光拡散性を付与した厚み0.01mm以上5.0mm以下の部材を用いることが好ましい。
拡散板に剛性が必要な場合は、1.0mm以上5.0mm以下の厚みの拡散板が好ましい。拡散板に柔軟性が要求される場合は、0.01mm以上1.0mm以下の厚みの拡散シートが好ましい。
さらに拡散板の表面には凹凸形状を賦型してもよいし、マット状にしてもよい。これにより拡散板から出射する光の均一性をより向上することができる。この場合、凹凸形状は中心線平均粗さRaが3μm〜1,000μmであるプリズム形状、またはレンズ形状が好ましい。プリズム形状の場合、プリズム形状は多角形が好ましく、そのプリズム頂角は40度〜170度、プリズムのピッチは20μm〜700μmが好ましい。またプリズム形状は角錐形状、角錐台形状でもよい。また上述の凹凸形状は、凹凸形状に入射する光の照度または輝度に対応して形状を変化してもよく、例えば、凹凸形状に入射する光の照度または輝度が大きい領域では、上述のプリズム頂角を大きくしてもよい。
さらに、この場合の拡散板の全光線透過率は40%以上98%以下、ヘイズは20%〜100%、吸水率は0.25%以下が好ましい。
また、主となる材質の中に分散された透明粒子を具備していることが好ましく、これら主となる材質の屈折率と透明粒子の屈折率が異なるものである。主となる材質の屈折率と透明粒子の屈折率の差は0.01以上であることが望ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。また、その屈折率差は0.5以下で十分である。前記透明粒子の平均粒径は0.5〜10.0μmであることが望ましい。
また、透明粒子としては、無機酸化物からなる透明粒子又は樹脂からなる透明粒子が使用できる。例えば、無機酸化物からなる透明粒子としてはシリカやアルミナ等からなる粒子を挙げることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体メラミン―ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン―テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。これら透明粒子は、2種類以上を混合して使用してもよい。または、板状の部材は主となる材質中に空気を含む微細な空洞を有した構造をしており、主となる材質と空気の屈折率差で拡散性能を得ても良い。
第2の光学層5は複層構造でもよく、複層構成には透明粒子等が含まれていない透明な樹脂層を含んでいても良い。
上述の第2の光学層5はキャスト法、もしくはインジェクション法で製造される。
上述の第2の光学層5から出射した拡散光は、第1の光学層1へと入射する。
ここで、第1の光学層1としては、所望の光の屈折、透過、反射、偏光作用が得られれば特に限定されない。図6にその具体例を示す。
図6(a)に示しているのは、偏光分離反射シートである。特定の偏光状態の光のみ透過し、他の偏光状態の光を分離して反射することで光の利用効率を上げることができる。
図6(b)に示しているのは、基材上にプリズム構造を有したプリズムシートである。プリズム構造により、正面方向への光を再帰反射し光の利用効率を上げることができる。
図6(c)に示しているのは、頂点に曲面を有したプリズムシートである。プリズムの頂点に曲面を形成することで磨耗体性を向上することができる。
図6(d)に示しているのは、波型構造の形状を賦型したシートである。光の集光とともに、境界線が生じない形状であるため、モアレを低減することが可能である。
図6(e)に示しているのは、レンチキュラーレンズシートである。図6(b)と比較して、サイドローブの低減が可能である。
図6(f)に示しているのは、断面形状が非対称なレンズシートである。例えば、片側は直線形状で形成され、他方は外側に凸状の曲線形状で形成され、前述の直線形状と曲線形状がレンズ頂点部で丸みを帯びて連結している断面形状でもよい。この場合、左右非対称に配光分布を変更することが可能である。
図6(g)に示しているのは、レンズ高さ、またはレンズピッチをランダムにしたレンズシートである。この場合は、モアレの低減が可能となる。高さ、またはピッチをランダムにすることはプリズムシートにも応用してもよい。
図6(h)に示しているのは、背面側、観察者側両方に、レンズが成形されている両面レンズシートである。両面にレンズをつけることで集光効率を向上することができる。
図6(i)に示しているのは、両面レンズシートで1つのレンズに対して片側が複数のレンズである両面レンズシートである。片側のレンズを複数にすることで集光効率を向上することができる。
図6(j)に示しているのは、レンチキュラーレンズシートの頂部に逆V字状の凹部を形成したものである。凹部を形成することで再帰反射をさせ光の利用効率を向上することができる。
図6では、プリズムシート、レンチキュラーレンズシートなどを用いたが、それらの代わりに、プリズムに類する光学素子が規則的に配置されたシートを用いても良い。また、レンズ効果を有する素子、例えば、凹レンズ、凸レンズ、ピラミッド型などの光学素子を規則的に備えるシートをプリズムシートの代わりに用いることもできる。
第1の光学層1の材料は、透明性、耐熱性、機械的強度、製造に耐える耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート―イソフタレート共重合体、テレフタル酸―シクロヘキサンジメタノール―エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、アクリロニトリルポリスチレン共重合体、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン、セルローストリアセテート、セルロースダイアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルムなどがある
また第1の光学層1は、偏光分離反射シートの場合は、異なる屈折率を有する2種類の層を、交互に重ね合わせた多層構造のフィルムを単一軸の方向に引き伸ばすことによって製造してもよい。
プリズムシート、レンズシートなどの場合は当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、出射成形法、キャスト法、あるいは熱プレス成形法によって形成する。この場合において、基材とレンズ部は、同一の材料からなる一つの基材から構成しても良いし、それぞれ別の材料の別の基材から作製してもよい。またレンズ部の反対側の非集光部に段差を設けて、成形してもよい。また厚みは、12μm以上2mmで使用できるが、特に12μm以上500μm以下が好ましい。
またレンズ部をUVや放射線硬化型の樹脂(UVや放射線で硬化する材料を含む樹脂であれば特に種類は限定しない)を用いて成形してもよい。
第1の光学層1は第2の光学層5と同様の主となる材質使用することができ、同様に前述した透明粒子を具備して構成されていてもよい。これら主となる材質の屈折率と透明粒子の屈折率が異なるものである必要がある。主となる材質の屈折率と透明粒子の屈折率の差は0.02以上であることが望ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。また、その屈折率差は0.5以下でよい。また光学層に入射した光を散乱させながら透過させる必要があるため、前記透明粒子の平均粒径は0.5〜10.0μmであることが望ましい。または、主となる材質中に空気を含む微細な空洞を有した構造をしており、主となる材質と空気の屈折率差で拡散性能を得ても良い。
もしくは、第1の光学層1は、前述の基材の片面もしくは両面の表面に微粒子層を塗布したものでもよい。この微粒子層については、例えば、ビーズ、スペーサー等を含有する透明インキが挙げられるが、微粒子層の厚さ、微粒子の種類、大きさに限定はない。
上述の第1の光学層1と第2の光学層5は、固定要素3を介し、粘・接着剤層4により一体化されている。
図7の(a)、(b)は本発明の光学部材の構成例を示す図である。
図7の(a)は、第1の光学層1が固定要素3を具備している構成例を示している。また、図7の(b)は、第2の光学層5が固定要素3を具備している構成例を示す。
この場合、光源15は、第2の光学層5に対して、第1の光学層1とは反対面側に位置している。本発明では粘・接着剤層4は第1の光学層1の入射面および第2の光学層5の出射面に接している。また、空隙2を保持するために、粘・接着剤層4は部分的に第1の光学層1の入射面もしくは第2の光学層5の出射面に接している。
このため、従来構成のように粘・接着剤層4が固定要素3とのみに接している場合と比べ、粘・接着剤層4が固定要素だけでなく、固定要素を有する光学層の入射又は出射面とも接合しているため、従来構成と比較して接合面積が大きく、後述する実施例に示すような強靭な密着を得ることができる。
ところで、図8の(a)、(b)は固定要素の側面に粘・接着剤層4が接触しており、この場合は、第1の光学層1の効果を十分に得ることができない。
図10(a)より、固定要素3の側面部に粘・接着剤層4が接触する場合、固定要素3と、粘・接着剤層4との屈折率差が小さくなるため、拡散光が粘・接着剤層4から固定要素に入射した際にほとんど屈折されずに、拡散光として固定要素3内を伝播する。この際、拡散光の一部(光線A)は、S方向に対して大きな角度を有して、光学層1に入射する。S方向に対して大きな角度を有して入射した場合、光学層1でS方向に偏向されず迷光となってしまうため、光の利用効率が低下する。
一方、図10(b)のように固定要素の側面に粘・接着剤層4が接触しない場合、固定要素3と空隙2の屈折率差は十分大きいため、拡散光が空隙2から固定要素3に入射した際に角度φに集光される。集光された光は、入射位置と対向した位置で、固定要素3から空隙2に出射する。このため、第1の光学層1にS方向に対して大きな角度を有して入射しないため、迷光が発生せず光の利用効率の低下が生じない。
ここで、固定要素3の側面とは、図9より、固定要素の設置されている第1の光学層1の光入射面若しくは第2の光学層5の光出射面から、固定要素3の高さHに対して、30%までの高さをいう。
また、固定要素3の頂部は、粘・接着剤層4と接合する箇所であり固定要素の高さHに対して、5%から70%までの高さまで埋まっていてもよい。
さらに固定要素3の総数に対して6割以上が固定要素3の側面に粘・接着剤層4が接合されていると光学特性は特によくない。
粘・接着剤層4としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘・接着剤が挙げられる。また安定に間隙を確保するために、接・粘着剤層4の中に透明の微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜても良い。
また場合によっては、粘・接着剤層4は両面テープ状のものでも良いし、単層のものでもよい。
さらに、表示領域内に接・粘着剤を使用するため、光の吸収は1%以内でなければならない。1%を超えると光学部材10から射出する積算光量が減少し、光学層によらず正面輝度が低下する。また、固定要素3の高さに対し、粘・接着剤層4の厚みが1倍以内でなければならない。1倍を超えると、粘・接着剤層4が固定要素3を埋めてしまい、空隙が保てなくなる。なお、粘・接着剤の架橋度を増し、硬くすることで埋まりにくい傾向になるが、粘・接着剤の密着力が低下する。厚みが光学要素の1倍を超えても空隙を保つ組成はあるが、架橋度が高すぎるため、実用に耐えうる密着力はない。
また、粘・接着剤層4は、図7に示すように、固定要素3の側面に接着せず、固定要素3を完全に埋めてはならないため、以下の特性を有することが必要となる。粘・接着剤層4は、貯蔵弾性率は、20℃で0.1から0.5Mpaであり、損失弾性率は、20℃で、0.1から0.4Mpaである。
すなわち、貯蔵弾性率が、0.1MPa以下では粘・接着剤層4が固定要素3の側面部についてしまい、また0.5MPa以上では第1の光学層1と第2の光学層5との密着性が悪くなる。損失弾性率が、0.1MPa以下では、粘・接着剤層4が固定要素3の側面部についてしまい、また、0.4MPa以上では、第1の光学層1と第2の光学層5との密着性が悪くなる。
粘・接着剤層4を設ける方法として、コンマコーター等の各種塗工装置、印刷方式、ディスペンサーやスプレーを用いる方法、または筆等を用いた手作業による塗工であってもよい。また、これらの方法を用いてあらかじめ粘・接着剤のドライフィルムを用意し、ドライフィルムを光学層に貼り合せる方法を用いても良い。
次に固定要素3は、第1の光学層1と第2の光学層5の間に空隙を確保するものである。この固定要素3を用いることで、きわめて安定に空気層を、一定の厚みで均一に固定することができるので光学密着、ムラ、ニュートンリングなどの外観特性を向上することもできる。固定要素3は、一定の形状に成形された主となる材質から構成される。
固定要素3の主となる材質として、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネ−ト樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル・スチレン共重合体、ポリメチルペンテン樹脂、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、シクロオレフィンポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいはポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマー又はアクリレート系等からなる放射線硬化性樹脂などの主となる材質が一般的に用いられるが上記の材料以外にも固定要素3の特性を出せる樹脂等も使用することができる。
また主となる材質中には、無機、有機粒子や気泡などを含有して、拡散や着色など他の効果を併せ持たせてもよい。主となる材質中に分散させる粒子として、シリカやアルミナ、酸化チタンやカーボンブラック、ガラスビーズなどの無機物や各種樹脂ビーズ等の有機物などを使用することができる。また透明固定要素3に分散させる各種粒子は固定要素3の表面に反射特性を持たせるなど、局所的に配置させたりするもできる。また樹脂中に気泡などを分散させて粒子の代わりに用いることもできる。これらの主となる材質中に分散させる粒子や気泡は、使用する用途に応じて、複数種類を組み合わせて使用したり、あえて使用しなくてもよい。
固定要素3は第1の光学層1もしくは第2の光学層5に一体成形されていても良い。この場合、材質は各々の光学層と同じか、固定要素3付近は材質や粒子などの添加物の比率を変えても良い。もしくは固定要素3は他の光学層と一体成形されていなくても良い。
固定要素3の高さとしては剛性のないシート状部材の歪みによる光学密着を妨げるため、また屈折率差を得るため間隙を200nm以上保つ必要がある。また固定要素3の高さが2mmを超えると、固定要素3の視認性が上がり、ムラの原因になり、またサイドから光漏れが起こりやすくなるため好ましくない。
固定要素3の接合面積が増加すると、輝度低下の要因となるため、接合面積が第1の光学層1もしくは第2の光学層5の面積の1%以上50%以下とする。1%を下回るとでは本発明によらず実用に耐えうる密着を得るのが事実上不可能であり、50%を超えると輝度低下が大きすぎ、本来の光学部材10としての機能を果たさない。
また固定要素3の形状として一方向に延在したレンチキュラー形状や台形形状、プリズム形状などの線構造や多角錐、円錐(又は多角台錐、円錐台など)や多角柱、円柱などの柱状、直方体や球状(又は半球状)、楕円体などの点構造であってもよい。または格子状でもよいし、これらを組み合わせた形状でも良い。固定要素3の高さが一定であれば側面の形状は不特定の形状であってもよいし、階段状になっていても良い。これらの固定要素3で空隙を確保する場合、上記の1種類の固定要素3構造を全体に使用しても、複数種類の固定要素3構造を組み合わせて使用してもよい。またこれらの固定要素3の配列はストライプ状や点線等の周期的なものでもランダムでもよく、設計に応じて適宜選択される。
また、一つの固定要素3の接地面積は、画像表示時の固定要素3ムラの視認性を低下させるために、一方向に延在したレンチキュラー形状や台形形状、プリズム形状、などの線構造に関しては線幅が200μm以下であることが好ましい。また円錐(又は多角台錐、円錐台など)や多角柱、円柱などの柱状、直方体や球状(又は半球状)、楕円体などの点構造の接地面積を35000μm2以下にすることが好ましい。
更に視認性を向上させるために前記線幅を50μm、面積8000μm2以下にすることがより好ましい。
次に固定要素3の表面は、光を遮蔽する遮蔽表面を有していても良い。光を遮蔽するものであるため、光を反射するものであってり、カーボンブラックのように光を吸収する黒色の層が固定要素3の表面にあってもよい。
複数の反射表面を有する固定要素3を用いる場合について述べる。
反射表面を有する固定要素3の場合は、固定要素3を形成する主となる材質の中に金属粒子または高屈折率透明粒子を練り混ぜて作成することができる。また固定要素3の表面に光反射性の高い銀やアルミウム、ニッケル等の金属を蒸着やスパッタ等の乾式成膜によっても作成できる。
または、透明な固定要素3の表面に高屈折率透明粒子を分散混合してなるインキを塗布することによっても作製できる。尚、上述以外に反射性を有する層の作成方法として、金属粒子または高屈折率透明粒子をバインダーに練りこんだものを転写で形成、又は白箔や金属箔のラミネート形成によっても形成できる。
ここで、高屈折率透明粒子としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、クレー、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛、シリカおよびシリコーンなどが挙げられる。金属粒子または金属箔としては、例えば、アルミニウムや銀が挙げられる。これらの高屈折率透明粒子、金属粒子または金属箔は1種類を使用しても良いし、複数種類を混ぜて使用しても良い。
さらに光反射の機能を有する層による光の吸収は1%以内でなければならない。1%を超えると第1の光学層1から射出する積算光量が減少し、集光の光制御要素によらず軸上輝度が低下する。
また反射機能を有する固定要素3の形状は、上述の反射機能がない固定要素3の場合と同じである。
以上のようにして作製した一体化型の光学部材は従来の一体化型の光学部材に比べ、実用に耐えうる密着力を有している。バックライトに使用する際は、本発明の光学部材や他の光学部材を組み合わせて使用することで所望の表示性能を持つディスプレイを提供することができる。
以下、実施例を記載する。
(第1の光学層の製造方法)
(実施例1)
ピッチ140μm凸シリンドリカルレンズの形状に切削した第1金型ロールを押出し機に近接して配置した。熱可塑性ポリカーボネート樹脂シートを溶融し、上記押出し機により成型し、当該シートが冷却、硬化する前に上記第1金型ロールによって成形して、レンチキュラーレンズを有する光学層を得た。厚みは240umとした。
固定要素3を具備する第1の光学層1は、上記の第1金型ロールに加え、半球状ドットが不規則に配列した第2金型ロールを配置し、同様の方法でレンチキュラーレンズと、その反対面に直径70um、高さ30um、平均ドット間距離250umの半球状凸ドットを有している光学層を得た。光学部材の面積に占める接合面積は8%であった。厚みは240umとした。なお、固定要素3を具備する光学層については、熱可塑性ポリカーボネート樹脂は透明なものと、屈折率1.49、粒径2μmのスチレン粒子を30重量%添加し、曇り度をもたせたもの2種類を使用して作成した。
(第2の光学層の製造方法)
(実施例2)
新日鐵化学のMS200を使用し、板材押出時に固定要素3を直接成形した。すなわち、押出機の一号冷却ロール或いは二号冷却ロールの表面を加工して冷却ロール表面に凹凸の型を加工した。板材押出時に、冷却ロール表面の型により板材に凹凸形状を転写して作製した。固定要素3形状は直径70um、高さ30um、平均ドット間距離250umの半球状凸ドットとした。光学部材の面積に占める接合面積は8%であった。厚みは2mmとした。
(粘着剤の製造方法)
(実施例3)
アクリル系樹脂の粘着剤をファウンテンリバース方式で塗工し、10umの厚みのドライフィルムを得た。また、同様にして粒子径15umのポリスチレンフィラーを20%添加したものも用意し、15umの厚みのドライフィルムを作成した。
(従来構造の光学層の接合)
(実施例4)
各光学層を500mm×800mmにカットし、はじめに固定要素3がない光学層に粘着剤のドライフィルムをラミネートし、続いて固定要素3を具備する光学層をラミネートし、一体型の光学部材を得た。
(実施例5)
各部材を500mm×800mmにカットし、はじめに固定要素3を具備する光学層に粘着剤のドライフィルムをラミネートし、続いて固定要素3がない光学層をラミネートし、一体型の光学部材を得た。固定要素3を具備する光学層に先に粘着剤のドライフィルムをラミネートすることで、粘着剤の一部が自然に固定要素の間に密着し、本発明の構造の光学部材を得ることができる。今回の固定要素3は平均距離が250umの不規則配置としており、この距離を上回る距離の部分については粘着剤が自然に固定要素3の間に密着した。逆にこの距離を下回る部分については粘着剤が固定要素3の間に密着することはまれであった。
(密着力の測定)
(実施例6)
上記の方法で得たサンプルは、材料と接合方法の組み合わせから表1のようになった。これらのサンプルの中心部分を10cm×30cmに切り出し、第1の光学層1をつかみ180°、1000mm/min剥離、幅25mmの条件で剥離試験を行った。結果を表1に示す。
結果から、材料の差にくらべ接合方法の差が非常に大きいことがわかった。第1の光学層1と第2の光学層5ともに固定要素3がない場合、1.7N/25mm以上(測定不能)の剥離強度を示す粘着剤でも、固定要素3を介した場合0.22N/25mmまで落ち込むことが分かった。このレベルの密着力は非常に剥がれ易く、ハンドリングも困難であった。ただし、バックライトに組み込み正面輝度を比較すると、第1の光学層1と第2の光学層5ともに固定要素3がない場合、いずれかに固定要素3があるものに比べて正面輝度が約40%低下し、光学部材としての機能を発現しなかった。すなわち、固定要素1と固定要素3によって保持される空隙2は必須であると判断できる。
次に、第1の光学層1もしくは第2の光学層5のいずれかに固定要素3を具備する組み合わせについて、従来構成と本発明の構成を比較すると、本発明の構成は従来構成に比べ数倍の剥離強度を示した。これは、接合面が固定要素3のみではなく、固定要素3間にもあることで密着が飛躍的に向上したためである。

(信頼性の確認)
(実施例7)
剥離強度が高い本発明の光学部材を80℃の環境に500h投入し、剥がれの様子を観察した。その結果、常温のハンドリングですら困難だった従来構成に比べ、本発明の構成は試験後も剥がれを生じることがなかった。これは、剥離強度の強さによるものと考えられる。
(接着面積とムラ視認性の検証)
(実施例8)
第1の光学層1に固定要素3を形成し、形状は直径70um、高さ30um、半球状凸ドットとし、個数を増減することで、表2に示すような固定要素3を有する面と粘着剤との接着面積を変えた光学部材を用意した。この光学部材を、CCFL光源を有するバックライトに組み込み、液晶パネルをのせて外観に異常がないか確認した。その結果、接着面積が25%を下回ると、接着部分の分布の偏在がムラとして視認された。このことから、接着面積は25%以上であることが望ましい。ただし、光学部材と液晶パネルの間に拡散フィルムを設けるなどすれば、ムラは認識しにくくなるため、光学部材の積層構成によっては問題にならないと考えられる。

本発明の一体型光学部材を用いたディスプレイの構成例を示す説明図。 光源として白色LEDの一例を示す概略図である 光源として白色LEDの一例を示す概略図である。 光源として白色LEDの組み合わせを示す概略図である。 光源として半導体レーザーの一例を示す概略図である。 第1の光学層の一例を示す概略図である。 本発明の一体型光学部材の構成例を示す概略図である。 本発明の一体型光学部材の比較例を示す概略図である。 固定要素3を示す概略図である。 粘・接着剤層4の接着箇所と光線図を示す概略図である。 従来技術に係る一体型光学部材の構成例を示す説明図。 従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。 従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。 従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
符号の説明
1 第1の光学層
2 空隙
3 固定要素
4 粘・接着剤層
5 第2の光学層
10 光学部材
13 拡散シート
15 光源
17 反射板
19 液晶層
21 偏光板
46 白色LED
47 LED用基板
48 赤色LED素子
49 緑色LED素子
50 青色LED素子
51 蛍光体
53 LED用レンズ
54 赤色LED
55 緑色LED
56 青色LED
57 赤色半導体レーザー
58 青色半導体レーザー
59 青色半導体レーザー
60 ファイバ
61 半導体レーザー用レンズ
K 光源からの光
L 光学部材からの出射光
S ディスプレイの視認方向
H 固定要素の高さ

Claims (10)

  1. ディスプレイ用の照明光路制御に用いる光学部材であって、
    第1の光学層と第2の光学層とからなり、
    前記第1の光学層または前記第2の光学層のいずれか一方に固定要素を有し、
    前記第1の光学層の入射面および前記第2の光学層の出射面とを部分的に粘・接着剤層を介して一体化されていることを特徴とする光学部材。
  2. 前記固定要素の面積が、前記第1の光学層の前記入射面もしくは前記第2の光学層の前記出射面の総面積の1%以上50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記第1の光学層に前記固定要素を有する光学部材であって、
    隣接する前記固定要素同士の間の距離が250um以下の箇所において、
    前記粘・接着剤層は、
    前記隣接する前記固定要素の頂部と前記第2の光学層の前記出射面にのみ接していることを特徴とする、請求項1乃至2に記載の光学部材。
  4. 前記第2の光学層に前記固定要素を有する光学部材であって、
    隣接する前記固定要素同士の間の距離が250um以下の箇所において、
    前記粘・接着剤層は、
    前記隣接する前記固定要素の頂部と、
    前記第1の光学層の前記入射面にのみ接していることを特徴とする請求項1乃至2に記載の光学部材。
  5. 前記固定要素の高さに対し、前記粘・接着剤層の厚みが1倍以内であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の光学部材。
  6. 前記固定要素の側面部に前記粘・接着剤層が接していないことを特徴とする請求項1及至5記載の光学部材。
  7. 前記固定要素の表面に遮蔽層を設けたことを特徴とする請求項1乃至6に記載の光学部材。
  8. 前記粘・接着剤層は、貯蔵弾性率が、0.1〜0.5(Mpa/25℃)、損失弾性率が、0.1〜0.4(Mpa/25℃)であることを特徴とする請求項1乃至7に記載の光学部材。
  9. 表示画像を規定する画像表示素子の背面に、
    光源と、請求項1乃至請求項8の何れかに記載の光学部材を少なくとも備えることを特徴とするディスプレイ用バックライト・ユニット。
  10. 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する液晶表示素子からなる画像表示素子と、
    光源と、請求項9に記載のバックライト・ユニットを備えることを特徴とするディスプレイ。
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