JP2009236093A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】全負荷トルク向上に適した燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関10の筒内(燃焼室)25に連通する吸気ポート18aに配設された燃料噴射弁20から燃料を噴射すると共に、噴射された燃料が、吸気ポート及び筒内間を開閉する吸気バルブ21の開期間Tにおいて、吸気ポートを流れる吸入空気と共に筒内に流入するように燃料噴射を実施する燃料噴射制御装置において、燃料噴射弁20から噴射する燃料噴射量Qに基づいて、燃料噴射弁20による噴射開始時期θINJst及び噴射終了時期θINJendを制御する燃料噴射制御手段であって、開期間Tのうち、吸気バルブ21を通過する吸入空気の流量が最大流量領域となる特定期間Tmaxに応じて、特定期間Tmax内に筒内25への燃料噴射量の流入が完了する時期に対応する、噴射終了時期θINJendに補正する燃料噴射制御手段を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料噴射制御装置に関し、例えば内燃機関の制御装置において燃料噴射弁から噴射した噴射燃料を吸入空気と混合して燃焼させる燃料噴射制御装置に適用して好適なものである。
従来、内燃機関の制御装置としては、各気筒に搭載の吸気バルブの開弁期間(以下、吸気弁開弁期間という)に応じて特定気筒へ燃料を噴射供給する燃料噴射弁の開弁及び閉弁動作を制御する燃料噴射制御装置が知られている(特許文献1等参照)。
このような燃料噴射制御装置の一種として特許文献1に開示の装置では、上記特定気筒の吸気弁開弁期間のうちの閉弁完了時期に応じて燃料噴射弁からの燃料噴射の終了時期を決定している。
また、燃料噴射制御装置の別の一種として特許文献2に開示の装置では、吸気弁開弁期間において吸気バルブを通過して気筒の燃焼室(以下、単に気筒内という)に流入する吸入空気の流速が閾値を越える期間のうちの当初1/3に相当する特定期間区分内に、噴射燃料が気筒内へ流入するように、燃料噴射弁の噴射終了時期を決定している。この技術では、上記特定期間区分内に噴射燃料を気筒内へ流入させるために、噴射燃料の燃料圧を高める増圧装置を備えている。
特開平4−303141号公報 特開平11−30142号公報
噴射燃料と混合し可燃空気となる吸入空気の気筒内への充填量によって内燃機関の発生するトルクがほぼ決定され、そのトルクは、燃料の気化潜熱による冷却効果によって吸入空気の充填量が増加されることによりトルク向上することになるが、特許文献1及び特許文献2による従来技術の装置では、高回転全負荷時のトルク向上が実現できないという懸念がある。即ち、特許文献1による上記装置では、条件によらず吸気弁開弁期間の閉弁完了時期まで燃料の気筒内への流入が継続するため、吸気バルブの閉弁時にあっても気化が未完了の燃料が残る可能性があり、目標とする吸入空気の充填量が得られず、ひいてはトルク向上が実現できないおそれがある。
また、特許文献2による上記装置では、噴射燃料の燃料圧を高める上記増圧装置により単位時間当たりの燃料流量を高めることは可能である。しかしながら、過給装置使用時などの高出力を狙う場合には多量の噴射燃料量が必要となるため、そのような増圧装置には、燃料圧を相当高めることを更に要求され、場合によってはその燃料圧の昇圧不足により特定期間区分中に燃料噴射が終了しないおそれがある。
発明者は、そのような増圧装置や噴射率を可変にてきる特殊な燃料噴射弁を備えた燃料噴射装置は高価なシステムとなるため、増圧装置や上記特殊な燃料噴射弁を有しない燃料噴射装置を検討している。そのような装置に、特許文献2による特定期間区分中に燃料噴射を噴射終了させるという技術を適用すると、特定期間区分中に噴射が終了しないだけでなく、吸気弁開弁期間中に噴射が完了できず、ひいてはトルク向上可能な噴射期間を決定できないという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、全負荷トルク向上に適した燃料噴射制御装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1乃至7記載の発明では、内燃機関の燃焼室に連通する吸気ポートに配設された燃料噴射弁を有し、燃料噴射弁から燃料を噴射すると共に、噴射された燃料が、吸気ポートと燃焼室との間を開閉する吸気バルブの開期間において、吸気ポートを流れる吸入空気と共に燃焼室に流入するように燃料噴射を実施する燃料噴射制御装置において、
燃料噴射弁から噴射する燃料噴射量に基づいて、燃料噴射弁による噴射開始時期及び噴射終了時期を制御する燃料噴射制御手段であって、
開期間のうち、吸気バルブを通過する吸入空気の流量が最大流量領域となる特定期間に応じて、特定期間内に燃焼室への燃料噴射量の流入が完了する時期に対応する、噴射終了時期に補正する燃料噴射制御手段を備えていることを特徴とする。
このような構成によると、吸気ポートと燃焼室との間を開閉する吸気バルブの開期間において、吸気バルブを通過する吸入空気の流量が最大流量領域となる特定期間に応じて、燃焼室へ供給する燃料噴射量を噴射する燃料噴射弁による噴射終了時期を補正する燃料噴射制御手段を備え、燃料噴射制御手段は、特定期間内までに前記燃焼室への前記燃料噴射量の流入が完了する時期を考慮して、補正された噴射開始時期及び噴射終了時期に基づいて燃料噴射を実施することになる。
それにより、燃料の一部が気化未完了のまま燃焼室へ流入することがあったとしても、最大流量領域にある吸入空気の流量を利用して、気化未完了の燃料の速やかな気化促進と、燃料の気化潜熱による冷却効果による吸入空気の充填率を有効に高めることができる。
燃料が流入完了する特定期間は、吸入空気の流量が最大流量領域にあるので、そのような比較的高い流速を有する吸入空気とのせん断作用により、未完了の燃料が速やかに気化されるからである。そして、燃料の冷却効果により燃焼室内に流入している吸入空気を冷却し、密度を高めて吸入空気容積を小さくすることになるが、上記比較的高い流速を有する吸入空気により、速やかに吸入空気の充填率を有効に高めることができるからである。
しかも、上記燃料噴射制御手段では、補正された噴射終了時期に対し、燃料噴射量に相当する噴射期間に応じて噴射開始時期がオフセットされるだけであるので、燃料圧を増圧する増圧装置等の特殊な装置は必要がない。
以上の請求項1に記載の発明によれは、多量の燃料噴射量を必要とする高回転全負荷等の全負荷領域において、そのような燃料噴射量を燃料噴射弁から噴射し、当該燃料の冷却効果により吸入空気の充填率を有効に高めることができるので、全負荷トルク向上に適した燃料噴射制御装置が得られる。
また、請求項2に記載の発明では、最大流量領域は、開期間における吸入空気の流量が、最大流量の大きさの85%以上の流量範囲にあることを特徴とする。
かかる発明では、吸入空気の慣性力により吸気バルブが開弁しても、吸入空気の流動遅れが生じることになる。そのような吸入空気の流動特性を考慮して最大流量となる最大流量時期を精度よく算出または推定することが必ずしも容易ではないという懸念がある。
しかしながら、上記構成に加えて、最大流量領域を、吸入空気の流量が、最大流量の大きさの85%以上の流量範囲で設定する構成としているので、最大流量領域を算出または推定するという演算手段が比較的容易にでき、ひいては全負荷トルク向上に適した比較的簡素な制御装置を実現することができる。
しかも、上記燃料噴射制御手段は、吸入空気の流量における最大流量領域に係わる特定期間に基づいて燃料噴射弁による燃料噴射を実行するものであるので、従来技術のように吸気バルブの開期間のうちの閉弁時期、及び開期間のうちの、適合により決定する必要がある流速の閾値で定義される開期間区分の当初の1/3区分という吸気バルブの機械的な開範囲のいずれかによって、燃料噴射弁による燃料噴射を実行する必要はないのである。例えば内燃機関の回転領域に関係なく適用可能であると共に、上記適合に伴う適合工数の低減が可能となるのである。
また、請求項3に記載の発明では、吸気ポートに設けられ、開期間において吸気バルブを通過する吸入空気の流量を検出する吸入空気流量検出手段と、を備えていることを特徴とする。
このような構成によると、吸気ポートに、吸入空気の流量を検出する吸入空気流量検出手段を設けているので、吸気ポートにおいて吸入空気流量検出手段が設置される設置位置と、吸気バルブとの間の吸入空気の到達時間を考慮することで、実質的に吸気バルブを通過する吸入空気の流量を検出することができる。
また、請求項4に記載の発明では、吸気ポートに設けられ、吸入空気の圧力としての吸気ポート圧を検出する吸入空気圧力検出手段と、燃焼室に設けられ、燃焼室内の圧力としての筒内圧を検出する筒内圧力検出手段と、吸気バルブの開期間において吸気ポート圧と筒内圧の差圧を算出し、差圧及び吸気バルブの開口量に基づいて吸入空気の流量を演算する吸入空気流量演算手段と、を備えていることを特徴とする。
このような構成によると、吸気ポート及び燃焼室に、それぞれ、吸気ポート圧を検出する吸入空気圧力検出手段、及び筒内圧を検出する筒内圧力検出手段を設けると共に、吸気ポート圧及び筒内圧の両者の差圧を算出し、吸気バルブを吸入空気が通過するときの絞り量である吸気バルブの開口量と当該差圧に基づいて演算するので、開期間において吸気バルブを通過する吸入空気の流量を精度よく推定することができる。
また、請求項5に記載の発明では、吸気バルブを通過した吸入空気が燃焼室に流入するまでの吸入空気の挙動を模擬したモデルを有するエンジンモデルであって、吸気ポートにおいて検出する吸入空気流量、及び検出する吸入空気圧力の少なくともいずれかに基づいて燃焼室へ流入する吸入空気の流量を演算するエンジンモデルの演算手段と、を備えていることを特徴とする。
このような構成によると、上記構成に加えて、吸気バルブを通過した吸入空気が燃焼室に流入するまでの吸入空気の挙動を模擬したモデルを有するエンジンモデルを用いて、燃焼室へ流入する吸入空気の流量を演算するエンジンモデルの演算手段を設けているので、エンジンモデルの演算手段によって吸気バルブを通過する吸入空気の流量が最大流量領域となる特定期間を決定することができる。
請求項3乃至5に記載のいずれかの燃料噴射制御装置では、内燃機関の燃焼サイクルにおいて吸気ポートを流動する例えば新規空気(以下、単に「新気」という)などの吸入空気の流量特性を検出または推定する構成としたが、請求項6に記載の発明のように、燃料噴射弁とは異なる作動流体を噴射する流体噴射弁を吸気ポートに設け、かつ、流体噴射弁から、作動流体としての不活性気体、空気、及び排気ガスの少なくともいずれかを、吸気ポートを流れる吸入空気に向けて噴射するという構成としてもよい。
このような構成の請求項6に記載の発明によれば、吸気バルブの開期間において、流体噴射弁から、窒素などの不活性気体、空気、及び排気ガスの少なくともいずれかを噴射することができる。それによって、吸気バルブを通過する吸入空気の流量特性を、意図的に変えることができるのである。例えば開期間のうちいずれかの目標期間区分に、最大流量領域が存在するという流量特性に変更することが自由に行なえる。
また、流体噴射弁は、請求項7に記載の如く、燃料噴射弁より上流側に配置されていることが好ましい。
これによると、流体噴射弁は、下流側に配置されかつ燃料噴射弁から噴射される噴射燃料に向けて、上記作動流体を噴射することができる。そのような作動流体は、噴射燃料を巻き込みながら、燃料を燃焼室に効果的に押し込むことができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符合を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1〜図5は本実施形態による燃料噴射制御装置を示している。図2及び図3は燃料噴射弁10による燃料噴射制御に係わる特徴的構成を示しており、図2は吸気バルブを通過する吸入空気の流量が特定流量領域において、筒内への燃料流入の完了タイミングを当該領域に連動させるという特徴構成を説明するための吸気系モデルを示している。図3〜図5は燃料噴射制御装置の制御回路(ECU)で実行される制御処理を示している。
図1に示すように、内燃機関であるエンジン10において、吸気管11の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、このエアクリーナ12の下流側には、「吸入空気流量検出手段」としての、吸入空気量を検出するための熱式エアフロメータ13が設けられている。
この熱式エアフロメータ14は、吸入空気の流れの中に配置される熱線(図示せず)と吸気温度センサ(図示せず)が内蔵され、吸入空気で冷やされる熱線の温度と吸気温度との温度差を一定に保つように熱線への供給電流が制御される。これにより、吸入空気流量に応じて変化する熱線の放熱量に応じて熱線への供給電流が変化し、この供給電流に応じた電圧信号が吸入空気流量信号として出力される。
この熱式エアフロメータ13の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ15によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ15に内蔵されたスロットル開度センサにより検出されるようになっている。スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16には、「吸気圧力検出手段」としての、吸気管11内の圧力を検出するための吸気圧力センサ17が設けられている。
また、サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されており、吸気マニホールド18において各気筒の吸気ポート18a周辺には、「燃料噴射手段」としての、燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁20が取り付けられている。エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられている。
シリンダブロック23には円筒状のシリンダ内壁面23aが形成されると共にその下方にクランクケース23bが形成されており、シリンダ内壁面23a内にはピストン24が図中の上下方向に摺動可能に収容されている。クランクケース23bの下部には「潤滑油」としてのエンジンオイルを貯留するためのオイルパンが形成されている。そして、シリンダ内壁面23aと、ピストン24の上端面と、シリンダヘッド26の内周面により燃焼室(以下、単に「筒内」という)25が区画形成されている。
エンジン10の運転に際し吸気バルブ21が開放されると、燃料噴射弁20による噴射燃料と、吸入空気との混合気が燃焼室25内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排ガスが排気管27に排出される。吸気バルブ21及び排気バルブ22にはそれぞれ、「可変駆動弁装置」としての、各バルブ21、22のバルブタイミング(開閉時期)を可変とする可変バルブタイミング装置28、29が設けられている。可変バルブタイミング装置28、29は、吸気側、排気側のカム軸位相をそれぞれクランク軸に対して可変とするものであり、カム軸位相の変更に伴うバルブタイミングの変更により、例えば図2(a)に示すように吸排気バルブ21が共に開状態となる期間を示すオーバーラップ量OLが調整されるようになっている。但し本実施例では、便宜上、吸気バルブ21のバルブタイミングのみを可変に制御するものとして説明する。即ち、吸気バルブ21は、最遅角状態からの進角量を吸気バルブタイミングとして記載する。可変動弁装置としては、吸気バルブ21の開タイミングと閉タイミングとを各々個別に制御できるものであってもよい。
エンジン10のシリンダヘッド26には気筒毎に「点火手段」としての点火プラグ30が取り付けられており、点火プラグ30には、点火コイル等よりなる点火装置(図示略)を通じて、目標(所望)とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ30の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室25内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
排気管27には、排出ガス中のCO、HC、NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒31が設けられ、この触媒31の上流側には排ガスを検出対象として混合気の空燃比(または酸素濃度)を検出するための空燃比センサ(O2(酸素)センサ等)32が設けられている。また、エンジン10のシリンダブロック23には、冷却水温を検出する冷却水温センサ33や、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ34が取り付けられている。
上述した各種センサの出力は、エンジン制御装置としての制御回路(以下、ECUという)40に入力される。ECU40は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁20の燃料噴射量、及びこの燃料噴射量Qを形成する噴射開始時期θINJst及び噴射終了時期θINJendの制御と、点火プラグ30による点火時期の制御と、吸気バルブ21のバルブタイミングの制御などの各種の構成要素の制御を実行する。
また、上記ECU40は、上記ROMに記憶された筒内吸入空気(充填空気ともいう)流量演算プログラムを実行することで、吸入系モデルによる筒内への吸入空気流量を演算する演算手段としての役割を果たす。
この吸入系モデルは、エンジン10の一燃焼サイクル(即ち吸気行程、圧縮行程、燃焼(膨張)行程、及び排気行程)のうち、排気行程の一部がオーバーラップする吸気行程において、スロットルバルブ14からエンジン10の吸気口までの吸気通路を流れる吸入空気の挙動を模擬するモデルであり、ECU40は、例えば車両の運転者の要求量(図示しないアクセル操作によるスロットル操作量)に応じたスロットル開度に基づいてスロットルバルブ14を通過する空気流量を演算し、この空気流量に、低負荷状態等時の場合には回転速度制御(例えば、ISC制御)のためにECU40で実施されるバイパス空気流量を加算して、エンジン10の吸気ポート18a、即ち開状態の吸気バルブ21を通過する吸入空気流量を算出する。
さらに、上記ECU40は、吸気バルブ21の開期間T(図2(e)参照)において、吸気バルブ21を通過する吸入空気流量のうち、図2(d)に示すほぼ最大流量となる領域(以下、最大流量領域という)を算出し、上記開期間Tのうち、当該最大流量領域に対応する特定区分(以下、特定期間という)Tamax、Tbmaxを導き出す(特定する)のである。
また、上記ECU40は、上述の燃料噴射弁20の噴射開始時期θINJst及び噴射終了時期θINJendを制御し、目標とする燃料噴射量Qを筒内25へ供給するが、上記特定期間Tamax、Tbmax内に、燃料噴射量Q分の大きさの燃料が筒内へ流入するように、少なくとも上記噴射終了時期θINJendを補正する。
なお、噴射開始時期θINJstは、補正された噴射終了時期θINJendから、燃料噴射量Qに応じた燃料噴射期間θτを差し引いた時期としてオフセットされる。燃料噴射期間θτは、目標とする燃料噴射量Qに応じて燃料噴射弁10の噴射特性で決定されるものであり、例えば図示しない燃料を噴射する噴孔、並びに噴孔を開閉する弁部材のリフトによる開口特性によって決まる。
次に、上述の構成を有する燃料噴射装置の作動について、ECU40で実行されるプログラムの制御処理に従って説明する。図3は筒内25への燃料流入を、吸入空気の「特定流量領域」としての最大流量領域に連動させる制御処理を示しており、また図4は図3中の吸入空気流量を演算する制御ルーチン、及び図5は図3中の燃料噴射弁20による燃料噴射の基本制御ルーチンを示している。
図1に示すように、S100(Sはステップ)では、ECU40は、燃料噴射弁20を駆動制御し、燃料噴射の主たる基本特性としての燃料噴射量に係わる制御要素の制御値を仮決定する。即ち、図5に示すS110では、ECU40はエンジン10の運転状態を読み込む。具体的には、ECU40は、エンジン10の運転状態を各種センサの情報に基づいて検出し、当該運転状態を示す各種の状態値を読み込む。例えば検出した運転状態に基づいて、エンジン回転数Ne、エンジン負荷L等が読み込まれる。
S120では、ECU40は、これらのエンジン回転数Ne及びエンジン負荷L等のエンジン状態値に基づいて、当該運転状態に最適な燃料噴射量Qを算出する。更に、算出された燃料噴射量Qに基づいて、上記燃料噴射弁10を駆動制御する制御要素である燃料噴射期間θτを決定し、また燃料噴射期間θτに対応して噴射開始時期θINJst及び噴射終了時期θINJendを仮決定する。ここで、噴射開始時期θINJst及び噴射終了時期θINJendを仮決定するとは、エンジン回転数Ne及びエンジン負荷L等の基本的な運転状態の状態値のみで決定することをいい、吸気系モデルによる吸入空気流量という後述で演算される情報値を考慮せず、決定されているからである。
なお、以下の説明では、燃料噴射期間θτ、噴射開始時期θINJst、及び噴射終了時期θINJendにおいて、運転状態が低回転全負荷時の場合、及び高回転全負荷時の場合を、それぞれ「a」、「b」という添え字を付して区別する。例えば高回転全負荷時の場合には、添え字「b」を挿入し、燃料噴射期間θbτ、噴射開始時期θINJbst、及び噴射終了時期θINJbendとするものとする。
上述のS120の制御処理を実行すると、図2に示すS200へ移行する。S200では、ECU40は、上述の吸気系モデルに基づき、吸気バルブ21を通過する吸入空気の流量を演算する。即ち、図4に示すS210では、ECU40はエンジン10の運転状態を読み込み、検出した運転状態に基づいて、エンジン回転数Ne、エンジン負荷L、及び可変駆動弁装置28による吸気バルブ21の開閉タイミング等が読み込まれる。
S220では、スロットル開度に基づいてスロットルバルブ14を通過する吸入空気の流量(以下、単に「スロットル吸入空気流量」という)が算出され、算出されたスロットル吸入空気流量に基づいて、吸気バルブ21を通過する吸入空気の流量が図2中の横軸で示されるクランク角で時系列的に算出される。
ここで、上記運転状態が低回転全負荷時、及び高回転全負荷時などの全負荷時の場合には、吸気バルブ21を通過する吸入空気流量は、スロットル吸入空気流量と実質的にほぼ同じとなる。また、吸気ポート18a側で局所的に生じる「筒内25から吸気バルブ21を介した吸気ポート18aへの吹き返し」等の挙動の影響による上記吸入空気流量の挙動については、吸気系モデルを含むエンジンモデルを用いる場合の方が更に精度が得られる。図2(d)の吸入空気流量において、順流は吸気ポート18aから筒内25へ流入する方向への流れをいい、逆流は上記吹き返し方向の流れをいう。
上述のS220の制御処理を実行すると、図2に示すS300へ移行する。S300では、吸気バルブ21を通過する吸入空気の最大流量領域を導き出す(特定する)。具体的にはS220において吸気バルブ21を通過する吸入空気の流量をクランク角で時系列的に算出したので、その算出結果に基づいて、最大流量Vamax、Vbmaxを含む略最大流量となる領域を特定するのである。さらに、最大流量領域に対応する特定期間Tamax、Tbmax内までに、筒内25への燃料流入完了を達成させるために必要な、上記燃料噴射弁20の噴射終了時期θINJaend、θINJbendを算出する。
本実施形態では、上記最大流量領域を、流量が最大流量Vamax、Vbmaxの大きさの85%以上の流量範囲にあるものと定義した。
また、本実施形態では、図2(d)に示すように、特定期間Tamax、Tbmax内のうち、最大流量Vamax、Vbmaxに対応するクランク角度位置に、筒内25への燃料流入完了を同期させるようにしている。
言い換えると、図2(d)中の一点鎖線で示される低回転全負荷時では、低回転側であり、吸入空気の慣性力の影響が小さいので、吸気バルブ21のバルブタイミングによる「開口量」としての開口面積特性により、図2(a)中のバルブリフト量特性に概ね相似する吸入空気流量特性となる。そのような低回転全負荷時の場合の吸入空気流量特性では、図2(b)の筒内体積及び図2(c)の筒内圧に示す中間域で、最大流量Vamaxが発生することになる。そして、ECU40は、図2(fa)に示す燃料流入完了時期を、上記最大流量Vamax時のクランク角度に合わせるようにしている。
また、図2(d)中の実線で示される高回転全負荷時では、高回転側であり吸入空気の慣性力の影響を比較的大きく受けるため、吸気バルブ21が開弁しても開弁当初は吸入空気が筒内25へ流入されにくくなる。言い換えると、燃料流入の特性に、吸入空気というガス慣性による流動遅れが生じることになる。しかしながら、吸入空気が一端流動し出すと、高回転側ではそのガス流速が速いため、図2(d)の如く二段階に極値が生じ、2番目の極値で、開期間T中の最大流量Vbmaxが形成されることになる。
この高回転全負荷時での最大流量Vbmaxが発生するクランク角度位置は、上記低回転全負荷時での最大流量Vamaxにおけるクランク角度位置に比べて大きくはなるが、開期間T内であり、かつ吸気バルブ21の閉弁時期よりも所定のクランク角度の間隔を置いて、最大流量Vbmaxが発生している。
そして、ECU40は、図2(fb)に示す燃料流入完了時期を、上記最大流量Vbmax時のクランク角度に合わせるようにしている。
上述のS300の制御処理を実行すると、S400へ移行し、S400では、燃料噴射弁20による燃料噴射に係わる仮決定であった噴射開始時期θINJst、及び噴射終了時期θINJendを、S300の演算結果に基づいて補正する。
言い換えると、S300にて最大流量Vamax、Vbmaxと燃料流入完了とを同期させるために必要な噴射終了時期として、図2(ga)及び図2(gb)に示す噴射終了時期θINJaend、θINJbendを決定すると、S400へ移行し、当該S400では、S100にて仮決定した噴射開始時期θINJast、θINJbst、及び噴射終了時期θINJaend、θINJbendを、S300で決定した噴射終了時期θINJaend、θINJbendに基づいて噴射開始時期θINJast、θINJbstも補正することにより、燃料噴射弁20の制御要素である噴射開始時期θINJast、θINJbst、及び噴射終了時期θINJaend、θINJbend、これらに対応の燃料噴射期間θτの全てが決定されるのである。
これにより、最大流量領域にある吸入空気流量を利用するので、燃料の気化潜熱による冷却効果による吸入空気の充填率を有効に高めることができる。また、燃料の一部が気化未完了のまま筒内25へ流入することがあったとしても、最大流量領域にある吸入空気流量を利用して、気化未完了の燃料の速やかな気化促進と、燃料の気化潜熱による冷却効果による吸入空気の充填率を有効に高めることができる。
燃料が流入完了する上記特定期間Tamax、Tbmaxは、吸入空気流量が最大流量領域にあるので、そのような比較的高い流速を有する吸入空気とのせん断作用により、未完了の燃料が速やかに気化されるからである。そして、燃料の冷却効果により筒内25に流入している吸入空気を冷却し、密度を高めて吸入空気容積を小さくすることになるが、上記比較的高い流速を有する吸入空気によって、速やかに吸入空気の充填率を有効に高めることができるからである。
しかも、燃料噴射弁20を駆動制御して燃料噴射を制御するという燃料噴射制御手段では、補正された噴射終了時期θINJaend、θINJbendに対し、燃料噴射量Qに相当する噴射期間θτ分だけ噴射開始時期θINJast、θINJbstをオフセットするだけでよく、吸気バルブ21の開弁後に燃料噴射弁10からの噴射燃料が吸気バルブ21へ到達するようにするという制限はない。したがって、そのような燃料噴射制御手段を有する本発明の装置では、燃料圧を増圧する増圧装置等の特殊な装置は必要がない。
以上の構成によれは、多量の燃料噴射量Qを必要とする高回転全負荷等の全負荷領域において、そのような燃料噴射量Qを燃料噴射弁20から噴射し、当該燃料の冷却効果により吸入空気の充填率を有効に高めることができるので、全負荷トルク向上に適した燃料噴射制御装置が得られるのである。
また、以上説明した実施形態では、燃料流入の完了時期を、最大流量Vamax、Vbmax時にほぼ同期させる構成としたが、以下の構成であってもよい。
即ち、最大流量領域に対応する特定期間Tamax、Tbmax内のいずれかのクランク角度位置を、燃料流入の完了時期に同期するタイミングとして設定する構成とする。
最大流量領域は、流量が最大流量Vamax、Vbmaxの大きさの85%以上の流量範囲にあるものと定義している。これによれば、最大流量領域では、最大流量Vamax、Vbmax時とほぼ同じ吸入空気流量による性能が得られるからである。言い換えると、最大流量領域に対応する特定期間Tamax、Tbmax内のいずれかのクランク角度位置を、燃料流入の完了時期に同期するタイミングとして設定することで、当該クランク角度位置での吸入空気流量即ち燃料流入の完了時期での吸入空気流量は、最大流量の85%以上の大きさという最大流量とほぼ同じ流量が確保される。
さて、かかる発明では、吸入空気のガス慣性により吸気バルブ開弁時、筒内の吸入空気の流動遅れが生じることになる。そのような吸入空気の流動特性を考慮して最大流量Vamax、Vbmaxとなる最大流量時期を精度よく算出または推定することが、必ずしも容易ではないという懸念がある。
しかしながら、上述の如く、「最大流量領域を、吸入空気の流量が、最大流量Vamax、Vbmaxの大きさの85%以上の流量範囲で設定する」構成とすることで、最大流量領域を算出または推定するという演算手段が比較的容易にできるので、全負荷トルク向上に適した比較的簡素な制御装置を実現することができる。
しかも、上記燃料噴射制御手段は、吸入空気の流量における最大流量領域に係わる特定期間Tamax、Tbmaxに基づいて燃料噴射弁20による燃料噴射を実行するものであるので、従来技術のように吸気バルブ21の開期間Tのうちの閉弁時期、及び開期間Tのうちの、適合により決定する必要がある流速の閾値で定義される開期間区分の当初の1/3区分という吸気バルブ21の機械的な開範囲のいずれかによって、燃料噴射弁20による燃料噴射を実行する必要はないのである。そのような燃料噴射制御手段を有する本発明の装置は、エンジン10の回転領域に関係なく適用可能であると共に、上記適合に伴う適合工数の低減が可能となるのである。
(第2実施形態)
第2実施形態を図6に示す。第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態では、ECU40のROMに記憶の演算プログラムには、吸気系モデルに加えて、燃料系モデル、燃焼系モデル等のエンジンの機能モデル(以下、単に「エンジンモデル」という)による演算手段を有している。
燃料系モデルは、エンジンへの燃料の供給を模擬するモデルであり、筒内25へ流入した燃料量を充填燃料量を算出するものである。燃料系モデルは、例えば燃料噴射弁20より噴射された燃料(燃料噴霧)のうち、吸気ポート18aの内周に付着した燃料部分(第1条件の燃料部分)と、付着しなかった燃料部分(第2条件の燃料部分)を想定するものである。
第1条件の燃料部分では、ECU40は、吸気ポートの温度に基づいて吸気ポート18a内周に付着する燃料の付着率と吸気ポート18a内周から蒸発する燃料の蒸発率とを演算する。そして、燃料噴射量Qと吸気ポート18a内周への燃料の付着率とに基づいて、吸気ポート18a内周に付着した燃料量と付着しなかった燃料量とを演算し、吸気ポート18a内周に付着した燃料量と蒸発率とに基づいて、吸気ポート18a内周からの燃料の蒸発量を演算し、この蒸発量と吸気ポート18a内周に付着しなかった燃料量とを加算して筒内充填燃料量を算出するのである。
また、燃焼系モデルは、エンジン10の燃焼状態を模擬するモデルであり、上記吸気系モデルで演算された筒内25への吸入空気流量、上記燃料系モデルで演算された筒内充填燃料量、またECU40で演算された点火時期、シリンダ内壁面23aの壁温に基づいて発熱量を演算するものである。
こうした構成によると、吸気バルブ21を通過した吸入空気が筒内25に流入するまでの吸入空気の挙動を模擬した吸気系モデルを有するエンジンモデルを用いており、そのようなエンジンモデルには、筒内25へ流入する吸入空気流量を演算する演算手段を設けているので、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
しかも、ECU40において、上述のようなエンジンモデルを用いることで、少なくとも燃料系モデル及び燃焼系モデルなどの機能モデルの演算結果を、吸気系モデルの演算結果に連携させることが可能となる。それ故に、エンジンモデルの演算手段によって吸気バルブを通過する吸入空気の流量が最大流量領域となる特定期間Tamax、Tbmaxを特定する確実性を向上させ、これにより特定期間Tamax、Tbmaxを精度よく決定することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態を図7に示す。第3実施形態は第1実施形態の変形例である。第3実施形態では、吸気ポート18a内を流動する吸入空気の流量を直接的に検出するのではなく、当該吸入空気の特定箇所間での差圧を利用し、当該差圧に基づいて間接的に吸入空気流量を検出する構成とした一例を示すものである。
図7に示すように、「吸気圧力検出手段」としての吸気ポート圧力センサ60が、サージタンク16ではなく、吸気マニホールド18に設けられている。また、エンジン10の筒内(燃焼室)25の圧力を検出する「筒内圧力検出手段」としての筒内圧力センサ50が筒内25に取り付けられている。筒内圧力センサ50は、点火プラグ30と同様にシリンダヘッドに取り付けられ、例えば図中の如く筒内圧力センサ50及び点火プラグ30を有する点火装置から構成されるユニット130であっても、筒内圧力センサ50と、点火プラグ30を有する点火装置とが別体でシリンダヘッドに取り付けられていてもよい。
ECU40のROMに記憶の演算プログラムは、上記エンジンモデルによる演算手段と、両センサ50、60により検出された差圧を算出し、当該差圧と、開期間Tにおける吸気バルブ21の開口量に基づいて、吸気バルブを通過する吸入空気の流量を演算する演算手段(以下、差圧式吸入空気流量演算手段という)として役割を果たす。
このように構成しても、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。さらに、本実施形態では、吸気ポート18a側の吸気マニホールド18及び筒内25に、それぞれ、吸気ポート圧を検出する吸入空気圧力検出手段60、及び筒内圧を検出する筒内圧力検出手段50を設けると共に、吸気ポート圧及び筒内圧の両者の差圧を算出し、吸気バルブ21を吸入空気が通過するときの絞り量である吸気バルブ21の開口量と当該差圧に基づいて演算するので、開期間Tにおいて吸気バルブ21を通過する吸入空気流量を、精度よく推定することができるのである。
しかも、上記差圧による吸入空気流量の算出方法は、流量に係わる流量状態値または流量指標値により直接的に吸入空気流量の算出方法に比べて、流量検出における応答性に優れている。したがって、高回転全負荷時に適用する場合に、特に、トルク向上に適した燃料噴射制御装置が容易に得易くなる。
(第4実施形態)
第4実施形態を図8に示す。第4実施形態は第1実施形態の変形例である。第4実施形態では、吸気マニホールド18に、「吸入空気流量検出手段」としての熱式エアフロメータ113を設ける構成とする一例を示すものである。
図8に示すように、熱式エアフロメータ113が吸気ポート18a側の吸気マニホールド18に設けられているので、吸気ポート18aにおいて熱式エアフロメータ113が設置される設置位置と、吸気バルブ21との間の吸入空気の到達時間を考慮することで、実質的に吸気バルブ21を通過する吸入空気流量を、精度よく検出することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態を図9に示す。第5実施形態は第1実施形態の変形例である。第5実施形態では、吸気ポート18aに「燃料噴射手段」としての燃料噴射弁20と別個に、「空気噴射手段」としての流体噴射弁70を設けた一例を示すものである。
図9に示すように、流体噴射弁70が吸気ポート18aに取り付けられ、燃料噴射弁20の上流側に配置されている。流体噴射弁70は、空気を圧縮する空気圧縮源としてのエアポンプ80に接続され、エアポンプ80で加圧された空気が供給される。流体噴射弁70はECU40に駆動制御される電磁駆動式の流体噴射弁であり、ECU40により駆動制御されることにより、空気等の作動流体を噴射するものである。
上記作動流体としては、空気に限らず、窒素などの不活性気体、及び排気ガスのいずれであってもよい。
このような構成によると、吸気バルブ21の開期間Tにおいて、流体噴射弁70から、窒素などの不活性気体、空気、及び排気ガスの少なくともいずれかを噴射することができる。空気などの作動流体は空気と同じ気体であるため、吸入空気を実質的に増やしたことになる。それによって、吸気バルブ21を通過する吸入空気の流量特性を、意図的に変えることができる。例えば開期間Tのうちいずれかの目標期間区分に、最大流量領域が存在するという流量特性への変更が自由に行なえる。
しかも、本実施形態では、流体噴射弁70を燃料噴射弁20より上流側に配置する構成としているので、流体噴射弁70は、下流側に配置されかつ燃料噴射弁20から噴射される噴射燃料に向けて、上記作動流体を噴射することができる。そのような作動流体は、噴射燃料を巻き込みながら、燃料を筒内25に効果的に押し込むことができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置を適用した内燃機関の制御装置の全体構成を示す模式図である。 図1の内燃機関の制御装置において吸気ポート、吸気バルブ、及び筒内(燃焼室)へ流入する燃料及び吸入空気の挙動モデルを示す模式図であって、図2(a)は吸気バルブのバルブリフト、図2(b)は筒内体積、図2(c)は筒内圧、図2(d)は吸気バルブを通過する吸入空気の流量、図2(e)は吸気バルブの開期間、図2(fa)及び(fb)はそれぞれ低回転全負荷時及び高回転全負荷時における筒内への燃料の流入タイミング、図2(ga)及び(gb)はそれぞれ低回転全負荷時及び高回転全負荷時における燃料噴射弁による燃料噴射タイミングを示す特性図である。 図1中のECUで実行される制御方法を示す図であって、吸入空気の最大流量領域に応じた筒内への燃料流入タイミングとする燃料噴射制御を実施するための制御処理を示すフローチャートである。 図3中の吸入空気の流量を演算する制御処理を示すフローチャートである。 図3中の燃料噴射弁による燃料噴射の基本制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係わる燃料噴射装置を示す模式図である。 第3実施形態に係わる燃料噴射装置を示す模式図である。 第4実施形態に係わる燃料噴射装置を示す模式図である。 第5実施形態に係わる燃料噴射装置を示す模式図である。
符号の説明
10 エンジン(内燃機関)
11 吸気管(吸気通路)
13 熱式エアフロメータ(吸入空気流量検出手段)
14 スロットルバルブ
16 サージタンク(吸気通路)
17 吸気圧力センサ(吸気圧力検出手段)
18 吸気マニホールド
18a 吸気ポート
20 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
21 吸気バルブ
22 排気バルブ
23 シリンダブロック
23a シリンダ内壁面
24 ピストン
25 燃焼室
26 シリンダヘッド
28、28 可変バルブタイミング装置(可変動弁装置)
40 ECU(制御回路、エンジン制御装置)

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃焼室に連通する吸気ポートに配設された燃料噴射弁を有し、前記燃料噴射弁から燃料を噴射すると共に、当該噴射された燃料が、前記吸気ポートと前記燃焼室との間を開閉する吸気バルブの開期間において、前記吸気ポートを流れる吸入空気と共に前記燃焼室に流入するように燃料噴射を実施する燃料噴射制御装置において、
    前記燃料噴射弁から噴射する燃料噴射量に基づいて、前記燃料噴射弁による噴射開始時期及び噴射終了時期を制御する燃料噴射制御手段であって、
    前記開期間のうち、前記吸気バルブを通過する吸入空気の流量が最大流量領域となる特定期間に応じて、前記特定期間内に前記燃焼室への前記燃料噴射量の流入が完了する時期に対応する、前記噴射終了時期に補正する燃料噴射制御手段を備えていることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記最大流量領域は、前記開期間における吸入空気の流量が、最大流量の大きさの85%以上の流量範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記吸気ポートに設けられ、前記開期間において前記吸気バルブを通過する吸入空気の流量を検出する吸入空気流量検出手段と、を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記吸気ポートに設けられ、吸入空気の圧力としての吸気ポート圧を検出する吸入空気圧力検出手段と、
    前記燃焼室に設けられ、前記燃焼室内の圧力としての筒内圧を検出する筒内圧力検出手段と、
    前記吸気バルブの前記開期間において前記吸気ポート圧と前記筒内圧の差圧を算出し、前記差圧及び前記吸気バルブの開口量に基づいて吸入空気の流量を演算する吸入空気流量演算手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記吸気バルブを通過した吸入空気が前記燃焼室に流入するまでの吸入空気の挙動を模擬したモデルを有するエンジンモデルであって、前記吸気ポートにおいて検出する吸入空気流量、及び検出する吸入空気圧力の少なくともいずれかに基づいて前記燃焼室へ流入する吸入空気の流量を演算するエンジンモデルの演算手段と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  6. 前記吸気ポートに設けられ、前記燃料噴射弁とは異なる作動流体を噴射する流体噴射弁を備え、
    前記流体噴射弁は、前記吸気ポートを流れる吸入空気に向けて、前記作動流体としての不活性気体、空気、及び排気ガスの少なくともいずれかを噴射することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  7. 前記吸気ポートにおいて、前記流体噴射弁は、前記燃料噴射弁より上流側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の燃料噴射制御装置。
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