JP2009235153A - 非水系インク組成物およびインクジェット記録方法 - Google Patents

非水系インク組成物およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Seiji Mochizuki
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Abstract

【課題】白色の黄味を抑制し、かつ、印刷物の商品価値の上で好ましいとされるわずかに青味を帯びた白色の画像を記録することができる非水系インク組成物、およびインクジェット記録方法を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る非水系インク組成物は、中空樹脂粒子と、シアン顔料およびシアン染料から選択される少なくとも1種の色材と、を含有する非水系インク組成物であって、前記中空樹脂粒子と前記色材との質量比は、1:0.000001〜1:0.0001であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水系インク組成物およびインクジェット記録方法に関する。
従来から、印刷分野等において白色インクが使用されている。この白色インクには、高い隠蔽性および着色力が要求される。例えば、有色媒体または透明媒体への印刷では、色材の隠蔽性が低いと、印刷媒体の色などの背景が透けてしまい、色再現性が劣る結果となる。そのため、まず有色媒体または透明媒体上に白色インクを塗布し、その上に他色インクを塗布することにより隠蔽性を高めている。以上のように、白色インクの使用量は他色に比べて非常に多く、確実に需要が増加している。
ところで、インクジェット記録用インクは、従来の印刷方式に比べて簡便かつコンパクトであることから利用が拡大している。従来のインクジェット記録用白色インクは、白色顔料として、二酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物粒子を使用していたため、分散安定性に劣り、顔料が沈降しやすいという問題があった。沈降した顔料が凝固すると、インクジェットノズルに目詰まりが発生し、印刷画像が不鮮明となったり、あるいは印刷抜けが生じることがある。このような課題を解決するために、中空状の樹脂粒子を含有する白色インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、中空状の樹脂粒子を含有する白色インクでは、その印刷物が黄味を帯びた白色となってしまい、印刷物の商品価値の上で好ましくないという問題があった。
特開2007−211176号公報
本発明の目的は、白色の黄味を抑制し、かつ、印刷物の商品価値の上で好ましいとされるわずかに青味を帯びた白色の画像を記録することができる非水系インク組成物、およびインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明に係る非水系インク組成物は、中空樹脂粒子と、シアン顔料およびシアン染料から選択される少なくとも1種の色材と、を含有する非水系インク組成物であって、前記中空樹脂粒子と前記色材との質量比は、1:0.000001〜1:0.0001であることを特徴とする。
上記非水系インク組成物によれば、白色の黄味を抑制し、かつ、印刷物の商品価値の上で好ましいとされるわずかに青味を帯びた白色の画像を記録することができる。
本発明に係る非水系インク組成物において、前記中空樹脂粒子を構成する樹脂は、スチレン−アクリル共重合体であることができる。
本発明に係る非水系インク組成物において、前記中空樹脂粒子の内径は、100〜700nmであることができる。
本発明に係る非水系インク組成物において、前記中空樹脂粒子の外径は、200〜900nmであることができる。
本発明に係る非水系インク組成物において、前記中空樹脂粒子の含有量は、5〜20質
量%であることができる。
本発明に係る非水系インク組成物において、さらに、アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種を含有することができる。
本発明に係る非水系インク組成物において、前記ラクトンは、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンから選択される少なくとも1種であることができる。
本発明に係るインクジェット記録方法は、上記の非水系インク組成物を用いて画像を形成することを特徴とする。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
1.非水系インク組成物
本実施形態に係る非水系インク組成物は、中空樹脂粒子と、シアン顔料およびシアン染料から選択される少なくとも1種の色材と、を含有する非水系インク組成物であって、前記中空樹脂粒子と前記色材との質量比は、1:0.000001〜1:0.0001である。
1.1 中空樹脂粒子
本実施形態に係る非水系インク組成物は、白色有機顔料として中空樹脂粒子を含有している。この中空樹脂粒子は、その内部に空洞を有し、かつ、その外殻が液体等の流動体を透過できる構造となっている。したがって、該中空樹脂粒子が非水系インク組成物中に存在する場合には、内部の空洞は有機溶媒で満たされることになる。有機溶媒で満たされた粒子は、外部の有機溶媒とほぼ等しい比重を有するため、非水系インク組成物中で沈降することなく分散安定性を保つことができる。これにより、非水系インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性を高めることができる。
また、本実施形態に係る非水系インク組成物を、紙その他の記録媒体上に吐出させると、粒子の内部の有機溶媒が乾燥時に抜けることにより空洞となる。粒子が内部に空気を含有することにより、粒子は屈折率の異なる樹脂層および空気層を形成し、入射光を効果的に散乱させるため、白色を呈することができる。
中空樹脂粒子の外径は、好ましくは200〜900nmであり、より好ましくは400〜800nmである。外径が900nmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがある。一方、外径が200nm未満であると、白色度が不足する傾向にある。
中空樹脂粒子の外径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
中空樹脂粒子の内径は、好ましくは100〜700nmであり、より好ましくは250〜700nmである。内径が上記範囲外であると、入射光を散乱する効果が損なわれるため、白色度が不足する傾向にある。
上記中空樹脂粒子の含有量(固形分)は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは
5〜20質量%であり、より好ましくは8〜15質量%である。中空樹脂粒子の含有量(固形分)が20質量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、5質量%未満であると、白色度が不足する傾向にある。
上記中空樹脂粒子の調製方法は、特に制限されるものではなく、公知の様々な方法を適用することができる。例えば、米国特許第4880465号明細書、特開2003−313481号公報、さらに、米国特許第5229209号、同第4594363号、同第4427836号、または同第4089800号の各明細書に記載されている。また、種々の中空粒子が市販されている。さらに、前記中空樹脂粒子の調製方法や空洞サイズもしくは外径の設計方法も公知であり、例えば、前記の各文献に記載されている。中空樹脂粒子の調製方法としては、代表的には、通常の乳化重合法に従って調製される。また、個々の中空樹脂粒子を有機系の溶媒(後記参照)に分散させた安定な分散系として調製することができ、こうして得られた分散液は、通常の顔料インク組成物を調製する際に必要とされる粉砕操作や磨砕操作を必要とせずに、良好な分散性が付与され、例えば、インクジェット記録用のインク組成物の調製に利用することができる。
上記の乳化重合法に適用可能なビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられ、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ビニルモノマーとして、二官能性ビニルモノマーを用いることもできる。二官能性ビニルモノマーとして、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。上記単官能性ビニルモノマーと上記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
本実施形態に用いられる中空樹脂粒子を構成する樹脂は、スチレン−アクリルエステル、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−アクリルアミド−アクリル酸エチルなどのスチレン−アクリル共重合体であることが好ましい。非水系インク組成物において、中空樹脂粒子は耐溶剤性が要求されるが、この点においてスチレン−アクリル共重合体は優れているからである。特許第3897129号の明細書にはポリエステル系樹脂から構成された中空樹脂粒子が記載されているが、スチレン−アクリル共重合体の方が耐溶剤性に優れており、本実施形態に用いられる中空樹脂粒子として適している。
上記中空樹脂粒子を有機系の溶媒に分散させた分散系(以下、「中空樹脂エマルジョン」ともいう。)として調製することもできる。有機系の溶媒として、好ましくは極性有機溶媒、例えば、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)を用いることができる。より好ましい有機系の溶媒として、国際公開第200
2/055619号パンフレットに記載されているような、常温常圧下で液体のジエチレングリコール化合物またはジプロピレングリコール化合物との混合物などが挙げられる。具体的には、ジエチレングリコールジエチルエーテルとジプロピレングリコールモノエチルエーテルとを併用することができ、また、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレンジメチルエーテル、テトラエチレンモノブチルエーテルなどを用いることができる。
1.2 シアン顔料、シアン染料
本実施形態に係る非水系インク組成物は、シアン顔料およびシアン染料から選択される少なくとも1種の色材を含有している。シアン顔料またはシアン染料を単独で用いるか、あるいはそれらの2種またはそれ以上を組み合わせて使用することもできる。
シアン顔料としては、例えば、銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:3、15:4、15:6)、アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。これらの顔料は、長期に亘り物理的・化学的性質が安定で、各種化学薬品・熱・光・ガスに対して耐久性があること、および色相が鮮明で着色力・色濃度が高く、色再現性が良いことから好ましく用いられる。
シアン染料としては、例えば、Direct Blue 199、Acid Blue
9、Acid Blue 92などが挙げられる。
なお、顔料については、本願発明に適用される範囲として、粒径10〜200nmの範囲であることが好ましい。また、染料および顔料のλmaxとモル吸光度を規定することによって、最適な色材を選択することもできる。
本実施形態に係る非水系インク組成物において、前記中空樹脂粒子と前記色材との質量比は、好ましくは1:0.000001〜1:0.0001、より好ましくは1:0.000005〜1:0.00005である。中空樹脂粒子と色材との質量比が上記範囲内にあると、白色の黄味が抑制された、印刷物の商品価値の上で好ましいとされるわずかに青味を帯びた白色の画像を記録することができる。ここで、「印刷物の商品価値の上で好ましいとされるわずかに青味を帯びた白色」とは、具体的には、分光光度計(例えば、GRETAG−Macbeth社製、「SPM−50」)を用いて記録物の測定を行った場合に、L*値が65以上であって、−2<a*値<−0.5、−2<b*値<−0.5を満たす色彩のことをいう。中空樹脂粒子と色材との質量比が1:0.000001よりも小さいと、中空樹脂粒子を含有する白色インクに特有の黄味を抑制することができない場合がある。一方、中空樹脂粒子と色材との質量比が1:0.0001よりも大きいと、青味が強くなりすぎる場合がある。
1.3 有機溶剤
本実施形態に係る非水系インク組成物は、有機溶剤として、常温常圧下で液体のアルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、アルキレングリコール化合物を含有することがより好ましい。
アルキレングリコール化合物は、国際公開第2002/055619パンフレットに記載されているような、エチレングリコール化合物またはプロピレングリコール化合物であることが好ましい。
エチレングリコール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテ
ル、ポリエチレングリコールジエーテルが挙げられ、好ましくはジエチレングリコールである。
また、プロピレングリコール化合物としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールジエーテルが挙げられ、好ましくはジプロピレングリコールである。
前記ジエチレングリコール化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表されるジエチレングリコール化合物を用いることができる。
Figure 2009235153
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、またはR13CO基であり、R13は炭素数1〜4のアルキル基である。)
本明細書において、「炭素数1〜4のアルキル基」は、直鎖状または分枝状のアルキル基であることができ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、またはtert−ブチル基であることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることができるジエチレングリコール化合物として、例えば、ジエチレングリコール;ジエチレングリコールエーテル(特に、アルキルエーテル)、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテル;または、ジエチレングリコールエステル、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート、若しくはジエチレングリコールモノアセテートが挙げられる。これらの中では、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、若しくはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましい。
前記ラクトンとしては、炭素原子数6以下のラクトンが好ましく、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンおよびε−カプロラクトンであることが好ましい。
また、前記ジプロピレングリコール化合物としては、例えば、一般式(2)で表されるジプロピレングリコール化合物を用いることができる。
Figure 2009235153
(式中、R21およびR22は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、またはR23CO基であり、R23は炭素数1〜4のアルキル基である。)
本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることができるジプロピレングリコール化合物として、例えば、ジプロピレングリコール;またはジプロピレングリコールエーテル(特に、アルキルエーテル)、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、若しくはジプロピレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることのできるジエチレングリコール化合物、ジプロピレングリコール化合物、およびラクトンは、それらの沸点が常圧下で、それぞれ好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上である。
また、ジエチレングリコール化合物およびジプロピレングリコール化合物は、それらの20℃での蒸気圧が、好ましくは1hPa以下、より好ましくは0.7hPa以下である。上記のような高沸点および低蒸気圧の条件を満たすジエチレングリコール化合物およびジプロピレングリコール化合物を用いることにより、局所的排気設備または排ガス処理設備を設ける負担が軽減され、作業環境の向上が可能となり、また周辺環境への環境負荷も軽減することが可能となる。
本実施形態に係る非水系インク組成物においては、前記ジエチレングリコール化合物を含有することが好ましく、その含有量は、印刷特性によって適宜選択することができるが、インク組成物全体の質量に対して20質量%〜80質量%であることが好ましい。
本実施形態に係る非水系インク組成物においては、有機溶媒として、前記ジエチレングリコール化合物、前記ジプロピレングリコール化合物、前記ラクトンないしはそれらの混合物に加えて、さらに、常温常圧下で液体であり、下記一般式(3)で表されるポリエチレングリコールモノエーテル化合物を含むことができる。
Figure 2009235153
(式中、R31は、炭素数1〜6のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基)であり、nは、3〜6の整数である。)
本明細書において、「炭素数1〜6のアルキル基」は、直鎖状または分枝状のアルキル基であることができ、例えば、前記「炭素数1〜4のアルキル基」に加えて、直鎖状または分枝状のペンチル基、または直鎖状または分枝状のへキシル基であることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることができるポリエチレングリコール化合物は、その沸点が常圧下で、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上である。また、本実施形態に係る非水系インク組成物において用いることができるポリエチレングリコールモノエーテル化合物は、その引火点が、好ましくは100℃以上、より好ましくは130℃以上である。このようなポリエチレングリコールモノエーテル化合物を用いることにより、非水系インク組成物に揮発抑制性を付与することができる。例えば、インクカートリッジからプリンタヘッドへインク組成物を輸送するチューブ内でのインク組成物の蒸発を抑制することにより、チューブ内での固形分の体積を防止ないし軽減することができる。
ポリエチレングリコールモノエーテル化合物としては、例えば、トリエチレングリコールモノエーテル化合物(例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、またはトリエチレングリコールモノブチルエーテル)、あるいは、前記一般式(3)においてnが4〜6であるポリエチレングリコールモノエーテル化合物(特に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)の混合物、例えば、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルと、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテルと、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルとの混合物が挙げられる。
本発明に係る非水系インク組成物においては、有機溶媒として、その他の有機溶媒を含有することができる。
その他の有機溶媒としては、好ましくは極性有機溶媒、例えば、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、またはフッ化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、またはシクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、またはプロピオン酸エチル等)、またはエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、またはジオキサン等)等を用いることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物が、ジエチレングリコール化合物、ジプロピレングリコール化合物、およびラクトンの少なくともいずれか1種を含み、ポリエチレングリコールモノエーテル化合物を含まない場合には、ジエチレングリコール化合物、ジプロピレングリコール化合物、およびラクトンの総量が、全有機溶媒成分の75質量%以上を占めることが好ましい。
また、本実施形態に係る非水系インク組成物が、ジエチレングリコール化合物、ジプロピレングリコール化合物、ラクトンおよびポリエチレングリコールモノエーテル化合物の総量は、全有機溶媒成分の80質量%以上を占めることが好ましい。
1.4 界面活性剤
本実施形態に係る非水系インク組成物は、シリコーン系界面活性剤または非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン誘導体を含むことが好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましく、具体例として、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。また、ポリオキシエチレン誘導体としては、アセチレングリコール系界面活性剤を用いることができ、その具体例として、サーフィノール104、82、465、485またはTG(Air Products and Chemicals. Inc.製)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(日信化学社製)が挙げられ、その他の市販品として、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(日油社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学社製)、ノイゲンCX−100(第一工業製薬社製)が挙げられる。
前記のポリオキシエチレン誘導体としては、常温常圧下で液体の化合物が好ましい。ポリオキシエチレン誘導体としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル(例えば、ニッサンノニオンP−208;日油社製)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(例えば、ニッサンノニオンE−202S、E−205S;日油社製)、またはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル(例えば、ニッサンノニオンHS−204.5、HS−206、HS−208;日油社製)、ソルビタンモノエステル、例えば、ソルビタンモノカプリレート(例えば、ニッサンノニオンCP−08R;日油社製)、ソルビタンモノラウレート(例えば、ニッサンノニオンLP−20R;日油社製)、ポリオキシエチレンソルビタンモノエステル、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(例えば、ニッサンノニオンOT−221;日油社製)、ポリカルボン酸系高分子活性剤(フローレンG−700;共栄社化学社製)、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル(例えば、エマルゲン707、709;花王社製)、テトラグリセリンオレート(例えば、ポエムJ−4581;理研ビタミン社製)、ノニルフェニルエトキシレート(例えば、アデカトールNP−620、NP−650、NP−660、NP−67
5、NP−683、NP−686;旭電化工業社製)、脂肪族リン酸エステル(例えば、アデカコールCS−141E、TS−230E;旭電化工業社製)、ソルビタンセスキオレート(例えば、ソルゲン30;第一工業製薬社製)、ソルビタンモノオレート(例えば、ソルゲン40;第一工業製薬社製)、ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート(例えば、ソルゲンTW−20;第一工業製薬社製)、ポリエチレングリコールソルビタンモノオレート(例えば、ソルゲンTW−80;第一工業製薬社製)が挙げられる。さらには、ポリオキシエチレン誘導体としてアセチレングリコール系界面活性剤を用いることができる。アセチレングリコール系界面活性剤の好ましい具体例としては、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009235153
(式中、0≦p+q≦50であり、R41、R42、R43、およびR44はそれぞれ独立してアルキル基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。)
前記一般式(4)で表される化合物の中で、特に好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。前記一般式(4)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてはサーフィノール104、82、465、485、またはTG(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(いずれも日信化学社製の商品名)が挙げられる。
また、ポリオキシエチレン誘導体として、その他の市販品を利用することも可能であり、その具体例としては、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(日油社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学社製)、エマルゲンA−90、A−60(花王社製)、またはノイゲンCX−100(第一工業製薬社製)が挙げられる。
本実施形態に係る非水系インク組成物において、ポリオキシエチレン誘導体の含有量は、付与すべき再溶解性によって適宜選択することができるが、インク組成物中の色材(特には顔料)の含有量100質量部に対して、好ましくは5〜200質量部、より好ましくは30〜120質量部である。
1.5 分散剤
本実施形態に係る非水系インク組成物は、分散剤を含むことが好ましい。分散剤としては、通常の非水系インク組成物、特にはインクジェット記録用非水系インク組成物において用いられている任意の分散剤を用いることができ、特には有機溶剤の溶解度パラメーターが8〜11のときに、有効に作用する分散剤を用いることが好ましい。このような分散剤としては、市販品を利用することも可能であり、その具体例としては、ポリエステル系高分子化合物(ヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7000、T−8000、T−8350P、T−8000E;武生ファインケミカル社製)、solsperse20
000、24000、32000、32500、33500、34000、35200(アビシア社製)、disperbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、192(ビック・ケミー社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(共栄社化学社製)、アジスパーPB821、PB711(味の素社製)、LP4010、LP4050、LP4055、POLYMER400、401、402、403、450、451、453(EFKAケミカルズ社製)が挙げられる。
本実施形態に係る非水系インク組成物において、分散剤の含有量は、分散すべき色材によって適宜選択することができるが、インク組成物中の色材(特には顔料)の含有量100質量部に対して、好ましくは5〜200質量部、より好ましくは30〜120質量部である。
1.6 その他の添加剤
本実施形態に係る非水系インク組成物は、通常の非水系インク組成物に含まれているその他の添加剤を含むことができる。このような添加剤の一つとして、安定剤(例えば、酸化防止剤または紫外線吸収剤)が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、BHA(2,3−ブチル−4−オキシアニソール)またはBHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)を用いることができ、紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、またはベンゾトリアゾール系化合物を用いることができる。
さらに、バインダー樹脂によって、非水系インク組成物の粘度を調整することができる。非水系インク組成物の粘度(温度20℃における粘度)は、例えば、10mPa・s、より好ましくは5mPa・sである。バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、繊維系樹脂(例えば、セルロースアセテートブチレート)、またはビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体を用いることができる。なお、バインダー樹脂は、その添加量により、記録媒体への色材の定着性をさらに良好にすることもできる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、公知の慣用方法によって調製することができる。最初に、シアン顔料、分散剤、および前記ジエチレングリコール化合物と前記プロピレングリコール化合物との混合物(一部分)を混合した後、ボールミル、ビーズミル、超音波、またはジェットミル等で顔料分散液を調製し、所望のインク特性を有するように調整する。続いて、バインダー樹脂、前記ジエチレングリコール化合物と前記ジプロピレングリコール化合物との混合物(残量)、中空樹脂粒子分散液およびその他の添加剤(例えば、分散助剤や粘度調整剤)を攪拌下に加えて非水系インク組成物を得ることができる。あるいは、色材として顔料と染料とを併用し、前記油性顔料インク組成物の調製法と同様な方法によって、非水系インク組成物を得ることができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、特に限定されるものではないが、例えば、その表面張力は、好ましくは20〜50mN/mである。表面張力が20mN/m未満になると、インク組成物がインクジェット記録用プリンタヘッドの表面に濡れ広がるか、または滲み出してしまい、インク滴の吐出が困難となることがあり、表面張力が50mN/mを超えると、記録媒体の表面において濡れ広がらず、良好な印刷ができないことがある。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、撥インク処理された吐出ノズル表面に対して不活性であるという利点を有する。したがって、本発明に係る非水系インク組成物は、例えば、撥インク処理された吐出ノズル表面を有するインクジェット記録用プリンタヘッドから吐出させるインクジェット記録方法に有利に用いることができる。また、従来の油性インクを撥インク処理ヘッドに用いた際の欠点、すなわち、撥インク処理ヘッドにおいて
濡れ広がる現象、吐出が不安定になる現象、あるいはヘッドを腐食させる現象を防止することができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、ノズルプレート表層部分に撥インク処理が施されてなるインクジェット記録ヘッドへの利用においても好適に用いることができる。本実施形態に係る非水系インク組成物と撥インク処理が施されたインクジェット記録ヘッドとの組み合わせにより、インクの飛行曲がりが発生し難く、記録紙上に良好な画像を記録することができる。本発明の非水系インク組成物によれば、撥インク処理が施されたノズルプレートの表面状態を長期に亘って良好な状態に維持することができ、長期インク吐出安定性を実現することができる。
本実施形態に係る非水系インク組成物は、各種インクジェット記録方式に適用することができる。すなわち、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電界制御方式、ピエゾ素子の駆動圧力を利用してインクを吐出させるドロップ・オン・デマンド方式(または圧力パルス方式)、さらには高熱によって気泡を形成し、成長させることによって生じる圧力を利用してインクを吐出させるバブルまたはサーマルジェット方式等の各種インクジェット記録方式に適用することができる。しかしながら、ピエゾ素子の駆動圧力を利用してインクを吐出させるドロップ・オン・デマンド方式に適用するのが好ましく、この方式によって印刷を実行すると、吐出安定性に優れ、色滲みやカラーブリードのない高精細な画像を得ることができ、しかも耐熱性や耐水性にも優れている。
さらに、本実施形態に係る非水系インク組成物を用いると、大型インクジェット記録装置によって、例えば、A0版程度の大型記録媒体に優れた画像を形成することができる。
2.インクセット
本実施形態に係るインクセットは、少なくとも1種類の上記非水系インク組成物を備えたものである。
上記の非水系インク組成物をそれぞれ単独または複数備えたインクセットとしてもよいし、さらに一または複数の他のインク組成物を備えたインクセットとしてもよい。インクジェット記録用インクセットに備えることができる他のインク組成物としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエロー、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、バイオレット等のカラーインク組成物、ブラックインク組成物、ライトブラックインク組成物等が挙げられる。
3.インクカートリッジ
本実施形態に係るインクカートリッジは、上記のインクセットを備えている。これによれば、上記の非水系インク組成物を備えたインクセットを容易に運搬することができる。
4.インクジェット記録方法
本実施形態に係るインクジェット記録方法は、インクジェット記録装置により、上記非水系インク組成物の液滴を記録媒体上に吐出し、該液滴を記録媒体上に付着させて記録を行うものである。インクジェット記録装置を用いると、一定量の非水系インク組成物を記録媒体上に吐出することができる。
上記の記録方法に用いられるインクジェット記録方式としては、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電界制御方式、ピエゾ素子の駆動圧力を利用してインクを吐出させるドロップ・オン・デマンド方式(または圧力パルス方式)、高熱によって気泡を形成し成長させることによって生じる圧力を利用してインクを吐出させるバブルまたはサーマルジェット方式等が挙げられる。
本発明はまた、上記のインクジェット記録方法によって、画像が形成された記録物を提供することができる。本発明に係る記録物によれば、白色の黄味を抑制し、かつ、印刷物の商品価値の上で好ましいとされるわずかに青味を帯びた白色の画像が記録された記録物を得ることができる。
5.実施例
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明に範囲を限定するものではない。
5.1 白色インク組成物の調製
(1)重合体粒子の製法
2Lの反応容器に、スチレン100質量部、α−メチルスチレンダイマー1質量部、t−ドデシルメルカプタン14質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8質量部、過硫酸カリウム1.0質量部および水200質量部を入れ、窒素ガス中で撹拌し、80℃まで加温して6時間乳化重合を行った。これにより、得られた重合体粒子は、平均粒径250nmであった。
(2)中空樹脂エマルジョンの製法
上記方法にて得られた重合体粒子の10質量部(固形分換算)とともにラウリル硫酸ナトリウム0.3質量部、過硫酸カリウム0.5質量部、および水400質量部を反応容器に入れ、そこにジビニルベンゼン11.6質量部(純度55質量%;残余が1官能ビニルモノマーのもの)、エチルビニルベンゼン8.4質量部、メタクリル酸5質量部、およびメタクリル酸メチル75質量部の混合物による架橋重合性モノマー組成物を添加し、30℃で1時間撹拌し、さらに70℃で5時間撹拌しながら乳化重合処理を行い、水系分散液を得た。得られたものを粒度分析計(日機装社製、マイクロトラックUPA)で測定したところ、粒径は520nmであり、別途、透過型電子顕微鏡で観察したところ中空樹脂微粒子であった。こうして得られたエマルジョンを中空樹脂エマルジョンとする。
(3)中空樹脂エマルジョンのDEGDE分散液の調製
得られた中空樹脂エマルジョンを遠心分離法によって水分と分離し、40℃にて3日間、減圧乾燥を行うことによりさらに水分を除去した。得られた中空樹脂エマルジョンを丸底フラスコへ秤量し、固形分濃度が20質量%となるようにジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGDE)を添加し、マグネチックスターラーを用いて24時間撹拌を行った。引き続き、超音波洗浄槽に中空樹脂エマルジョンのDEGDE分散液の入った丸底フラスコを設置し、超音波分散を行いながらアスピレーターにて8時間減圧脱気処理を行うことによって、中空樹脂エマルジョン中の空気をDEGDEで完全に置換した。得られた分散液を中空樹脂エマルジョンのDEGDE分散液とした。
(4)シアン顔料分散液の調製
C.I.ピグメントブルー15:3を15質量部、分散剤(フローレンDOPA−33、共栄社化学社製)9質量部、ジエチレングリコールジエチルエーテル残量からなる混合物を、ディゾルバーを用いて1時間混合撹拌した後、直径2mmのジルコニアビーズを充填したサンドミルにて予備分散を行い、顔料粒子の平均粒子径が5μm以下になるまで予備分散を行った。引き続き、顔料分散液をセパレータで分離し、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填したサンドミルを用いて、平均粒子径が200nm以下になるまで分散処理を行った。
(5)白色インク組成物の調製
上記のようにして得られた中空樹脂エマルジョンのDEGDE分散液およびシアン顔料
分散液を用いて、表1に記載の組成となるように白色インク組成物1〜8を調製した。すなわち、各素材を所定量秤量し、マグネチックスターラーで30分間撹拌して十分に混合した後、樹脂エマルジョンN−2043−60MEX(固形分濃度を15質量%へ調製したもの)を添加し、さらに30分間撹拌して十分に混合した。その後、中空樹脂エマルジョンのDEGDE分散液およびシアン顔料分散液を添加してさらに1時間混合撹拌した。得られた生成物を10μmのPTFE製メンブランフィルターを用いてろ過を行い、白色インク組成物1〜8とした。
Figure 2009235153
表1において、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルは、日本乳化剤社製のものを用いた。また、γ−ブチロラクトンは、関東
化学社製のものを用いた。なお、単位は質量%である。
5.2 白色度の評価
インクジェットプリンターSP−300V(ローランドD.G.社製)を用い、白色インク組成物1をブラック列に充填し、加熱温度40℃にてベタ画像印刷を行った。記録媒体には、A4サイズにカットした透明PVCフィルム「LLSPC137(桜井社製)」を用いた。引き続き、ブラック列に白色インク組成物2〜8を順次充填し、同様の方法によりベタ画像印刷を行った。その後、常温にて8時間記録媒体を乾燥させてから印刷面の白色度測定を行った。
白色度測定は、分光光度計(GRETAG−Macbeth社製、AG Type Spectrolino)を用い、白色基準基板上でL*値、a*値、およびb*値を測定することにより評価した。ここで、L*値は白色度の指標であり数値が大きいほど白色度に優れるが、a*値およびb*値は、−2<a*<−0.5かつ−2<b*<−0.5である場合に、白色の黄味が抑制された、印刷物の商品価値の上で好ましいとされるわずかに青味を帯びた白色の画像が得られる。表2に白色度測定の結果を示す。
Figure 2009235153
表2の結果より、白色インク組成物3〜7を用いた実施例1〜5では、a*値およびb*値が上記範囲内となり、白色の黄味が抑制され印刷物の商品価値の上で好ましいとされるわずかに青味を帯びた白色の画像が得られた。
一方、白色インク組成物1を用いた比較例1では、a*値およびb*値が共に上記範囲外となり、白色の黄味の残存する印刷物の商品価値の上で好ましくないとされる白色の画像が得られた。
白色インク組成物2を用いた比較例2では、b*値が上記範囲外となり、白色の黄味は抑制されたが、やや青味の強い印刷物の商品価値の上で好ましくないとされる白色の画像が得られた。
シアン顔料を含有しない白色インク組成物8を用いた比較例3では、a*値が上記範囲外となり、白色の黄味の残存する印刷物の商品価値の上で好ましくないとされる白色の画
像が得られた。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (8)

  1. 中空樹脂粒子と、
    シアン顔料およびシアン染料から選択される少なくとも1種の色材と、
    を含有する非水系インク組成物であって、
    前記中空樹脂粒子と前記色材との質量比は、1:0.000001〜1:0.0001である、非水系インク組成物。
  2. 請求項1に記載の非水系インク組成物において、
    前記中空樹脂粒子を構成する樹脂は、スチレン−アクリル共重合体である、非水系インク組成物。
  3. 請求項1または2に記載の非水系インク組成物において、
    前記中空樹脂粒子の内径は、100〜700nmである、非水系インク組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の非水系インク組成物において、
    前記中空樹脂粒子の外径は、200〜900nmである、非水系インク組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の非水系インク組成物において、
    前記中空樹脂粒子の含有量は、5〜20質量%である、非水系インク組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の非水系インク組成物において、
    さらに、アルキレングリコール化合物およびラクトンから選択される少なくとも1種を含有する、非水系インク組成物。
  7. 請求項6に記載の非水系インク組成物において、
    前記ラクトンは、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンから選択される少なくとも1種である、非水系インク組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の非水系インク組成物を用いて画像を形成する、インクジェット記録方法。
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