JP2009220452A - 液体吐出装置 - Google Patents

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JP2009220452A
JP2009220452A JP2008068417A JP2008068417A JP2009220452A JP 2009220452 A JP2009220452 A JP 2009220452A JP 2008068417 A JP2008068417 A JP 2008068417A JP 2008068417 A JP2008068417 A JP 2008068417A JP 2009220452 A JP2009220452 A JP 2009220452A
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Hideki Kojima
英揮 小島
Kinya Matsuzawa
欣也 松澤
Hiroichi Sekino
博一 関野
Kaneo Yoda
兼雄 依田
Hiroyuki Aizawa
弘之 相澤
Seiichi Taniguchi
誠一 谷口
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Abstract

【課題】画像劣化を防止すること。
【解決手段】液体を媒体に吐出する複数のヘッドと、前記ヘッドの液体吐出面を前記媒体に対して傾ける傾斜機構と、前記傾斜機構を用いて、前記複数のヘッドのうちの少なくとも1つの前記ヘッドの前記液体吐出面の前記媒体に対する傾きを調整することによって、その前記ヘッドの前記液体吐出面の傾きを別の前記ヘッドの前記液体吐出面に対して調整する制御部と、を有する液体吐出装置である。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
液体吐出装置の一つとして、紙や布、フィルム等の各種媒体にヘッドからインク(液体)を吐出して画像を印刷するインクジェットプリンタが知られている。また、インクジェットプリンタにおいて、高速印刷・高解像度印刷を実現するために、複数のヘッドを有するプリンタが提案されている。但し、このようなプリンタでは、ヘッド間の位置合わせが高精度に行われないと、印刷画像にスジが現れてしまう。
そこで、圧電アクチュエータを用いて、ヘッドを搬送方向やヘッドの配列方向に平行移動し、高精度にヘッドの位置調整を行い、各ヘッドにより形成されるドットの位置調整を行う方法が提案されている。(例えば、特許文献1を参照)
特開2005−254493号公報
しかし、圧電アクチュエータの変位量は小さく、また、上記に記載されたプリンタのようにヘッドを平行移動するだけでは、ヘッドの位置調整には限界が生じる。その結果、各ヘッドにより形成されるドット位置を補正しきれず、画質が劣化してしまう。
そこで、画質劣化を防止することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、液体を媒体に吐出する複数のヘッドと、前記ヘッドの液体吐出面を前記媒体に対して傾ける傾斜機構と、前記傾斜機構を用いて、前記複数のヘッドのうちの少なくとも1つの前記ヘッドの前記液体吐出面の前記媒体に対する傾きを調整することによって、その前記ヘッドの前記液体吐出面の傾きを別の前記ヘッドの前記液体吐出面に対して調整する制御部と、を有する液体吐出装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、液体を媒体に吐出する複数のヘッドと、前記ヘッドの液体吐出面を前記媒体に対して傾ける傾斜機構と、前記傾斜機構を用いて、前記複数のヘッドのうちの少なくとも1つの前記ヘッドの前記液体吐出面の前記媒体に対する傾きを調整することによって、その前記ヘッドの前記液体吐出面の傾きを別の前記ヘッドの前記液体吐出面に対して調整する制御部と、を有する液体吐出装置を実現すること。
このような液体吐出装置によれば、複数のヘッドにおいて、あるヘッドの液体吐出面に対する別のヘッドの液体吐出面の傾きを調整することができ、その結果、別のヘッドから吐出される液体の着弾位置に対する、そのヘッドから吐出される液体の着弾位置も調整することができる。例えば、液体吐出装置がプリンタである場合には、各ヘッドにより形成される画像の位置関係を調整でき、画質劣化を防止できる。そして、液体吐出面を傾斜させることによって、より広範囲に液体の着弾位置を調整することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記ヘッドは、前記ヘッドの前記液体吐出面が前記媒体に対して傾く際の第1支点と第2支点を有し、前記傾斜機構は、前記第1支点に対する前記媒体表面の垂直方向の前記第2支点の位置を変化させることにより、前記ヘッドの前記液体吐出面を前記媒体に対して傾けること。
このような液体吐出装置によれば、ヘッドの液体吐出面を媒体に対して傾かせることができる。
かかる液体吐出装置であって、前記第1支点から前記第2支点までの直線距離よりも、前記第1支点から前記媒体までの前記垂直方向の距離の方が長いこと。
このような液体吐出装置によれば、より広範囲にヘッドから吐出される液体の着弾位置を調整することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記第1支点から前記媒体までの前記垂直方向の距離と、前記第2支点から前記媒体までの前記垂直方向の距離は、前記ヘッドの前記液体吐出面から前記媒体までの前記垂直方向の距離よりも長いこと。
このような液体吐出装置によれば、液体吐出面と媒体との間隔に制約があったとしても、より広範囲にヘッドから吐出される液体の着弾位置を調整することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記傾斜機構は、圧電アクチュエータを用いて、前記第1支点に対する前記垂直方向の前記第2支点の位置を変化させること。
このような液体吐出装置によれば、高精度に液体の着弾位置を調整することができる。
かかる液体吐出装置であって、前記ヘッドは液体を吐出する複数のノズルを有し、前記複数のノズルは所定方向に沿ってノズル列を構成し、前記ノズル列と前記媒体は前記所定方向と交差する方向に相対移動し、前記ノズルから吐出された液体の前記所定方向における前記媒体上の着弾位置を、前記傾斜機構を用いて、前記複数のヘッドのうちの少なくとも1つの前記ヘッドの前記液体吐出面を前記媒体に対して前記所定方向に傾けることにより調整し、前記ノズルから吐出された液体の前記交差する方向における前記媒体上の着弾位置を、前記ノズルから液体が吐出されるタイミングをずらすことにより調整すること。
このような液体吐出装置によれば、液体の着弾位置を、所定方向および交差する方向に、調整することができ、また、傾斜機構の数を削減できる。
かかる液体吐出装置であって、前記ヘッドは、前記ヘッドの前記液体吐出面が前記媒体に対して傾く際の第1支点と、第2支点と、前記第1支点と前記第2支点と同一直線上に位置しない第3支点と、を有し、前記傾斜機構は、前記第1支点に対する前記媒体表面の垂直方向の前記第2支点の位置を変化させ、前記第1支点に対する前記垂直方向の前記第3支点の位置を変化させることにより、前記ヘッドの前記液体吐出面を前記媒体に対して傾けること。
このような液体吐出装置によれば、傾斜機構の数を削減できる。
また、液体を吐出する複数のヘッドと、前記媒体表面の垂直方向を軸に前記ヘッドを回転させる回転機構と、前記回転機構を用いて、前記複数のヘッドのうちの少なくとも1つの前記ヘッドの前記垂直方向と交差する方向に対する角度を調整することによって、別の前記ヘッドから吐出される液体の前記媒体上の着弾位置に対する、その前記ヘッドから吐出される液体の前記媒体上の着弾位置を調整する制御部と、を有する液体吐出装置を実現すること。
このような液体吐出装置によれば、例えば、プリンタであれば画質劣化を防止できる。また、例えば、ヘッドが、所定方向にノズルが並んだノズル列を有し、あるヘッドのノズル列が別のヘッドのノズル列に対して傾いている場合に、仮に、ヘッドを平行移動させて、そのヘッドのノズル列の傾きを調整しようとしても限界が生じる。そのため、垂直方向を軸にヘッドを回転させることで、より正確に液体の着弾位置を調整することができる。
===ラインヘッドプリンタについて===
以下、液体吐出装置をインクジェットプリンタとし、また、インクジェットプリンタの中のラインヘッドプリンタ(プリンタ1)を例に挙げて実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のプリンタ1の全体構成ブロック図である。図2は、搬送ユニット20及びヘッドユニット30等の側面図である。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ10により、各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット30)を制御し、用紙Sに画像を形成する。また、プリンタ1内の状況を検出器群40が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラ10は各ユニットを制御する。
コントローラ10は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、メモリ13に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路14により各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には搬送方向に所定の搬送量で用紙Sを搬送させる搬送機構である。この搬送ユニット20は、図2に示すように、給紙ローラ21と、搬送ローラ22,23と、搬送ベルト24とを有する。給紙ローラ21は、給紙トレイ25に積層された用紙Sを、搬送ベルト24上に給紙するためのローラである。搬送ローラ22,23は、回転することにより、輪状の搬送ベルト24を図2に示す矢印の方向に回転させる。そして、搬送ベルト24の回転に伴い、搬送ベルト24上の用紙Sが搬送される。搬送ローラ22,23によって搬送された用紙Sは、排紙トレイ26上に排出される。
ヘッドユニット30は、用紙にインクを吐出するためのものであり、複数のヘッド31を有する。ヘッド31の下面には、インク吐出部であるノズルが複数設けられる。そして、各ノズルには、インクが入った圧力室(不図示)と、圧力室の容量を変化させてインクを吐出させるための駆動素子(ピエゾ素子)が設けられている。駆動素子に駆動信号が印加されることにより、駆動素子は変形し、その変形に伴って圧力室が膨張・収縮することによりインクが吐出される。
このようなラインヘッドプリンタでは、コントローラ10が印刷データを受信すると、コントローラ10は、まず、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ベルト24上まで送る。用紙Sは搬送ベルト24上を一定速度で停まることなく搬送され、ヘッドユニット30の下を通る。ヘッドユニット30の下を用紙Sが通る間に、各ノズルからインクが断続的に吐出される。その結果、用紙S上には搬送方向に沿った複数のドットからなるドット列が形成され、画像が印刷される。
===濃度むらの発生について===
図3は、ヘッドユニット30のノズル面(液体吐出面に相当)32A〜32Gと、プリンタ1が有する複数のヘッド31が誤差なく取り付けられた場合に印刷される画像P1を示す図である。本実施形態のヘッドユニット30には、7個のヘッド31A〜31Gが設けられ、各ヘッド31が搬送方向と交差する紙幅方向に千鳥状に並んで配置されている。各ヘッド31の下面には、イエローインクノズル列Yと、マゼンタインクノズル列Mと、シアンインクノズル列Cと、ブラックインクノズル列Kが形成されている。なお、図中に示すノズル面は、下方から見たノズルの配置ではなく、ヘッドユニット30を仮想的に上方から見た際のノズルの配置を示すとする。
また、各ノズル列は180個のノズルを備え、各ノズルは紙幅方向に一定間隔180dpiで整列しているとする。このような場合、紙幅方向に並ぶ2つのヘッド(例えばヘッド31Aとヘッド31B)のうちの左側のヘッド(ヘッド31B)の最も右側のノズルと、右側のヘッド(ヘッド31A)の最も左側のノズルとの間隔が180dpiとなるように、各ヘッド31が配置されている。即ち、YMCK用のノズルが紙幅方向にそれぞれ180dpiの間隔で並んでいる。
このようにノズルが配列されたヘッドユニット30の下を用紙Sが搬送方向に沿って搬送され、用紙Sの搬送中にノズルからインクが吐出されることで、画像が印刷される。例えば、紙幅方向に180dpiで並んだノズルから所定時間おきにインクが吐出されると、図3に示すような一定濃度の画像P1が印刷される。しかし、複数のヘッド31を有するプリンタ1では、製造工程におけるヘッド31の取付誤差などにより、ヘッド31の相互の間隔が所定の間隔よりも広すぎたり狭すぎたりしてしまう虞がある。
図4Aは、右から2番目のヘッド31Bが所定位置(点線部)よりも紙幅方向の右側にずれて取り付けられたプリンタにより印刷される画像P2を示す図である。ヘッド31Bが設計上の正しい取付位置(以下、所定位置という)よりも右側にずれて取付けられることで、ヘッド31Aのノズルとヘッド31Bのノズルの間隔が所定の間隔よりも狭くなってしまう(又はヘッド31Aのノズルとヘッド31Bのノズルの紙幅方向の位置が重なってしまう)。その結果、ヘッド31Aにより形成されるドットとヘッド31Bにより形成されるドットの間隔が狭くなり過ぎて(又は重なり)、他の領域よりも濃く視認される領域が発生してしまう。一方、ヘッド31Bが所定位置よりも右側にずれて取付けられることで、ヘッド31Bのノズルとヘッド31Cのノズルの間隔が所定の間隔よりも広くなってしまう。その結果、ヘッド31Bにより形成されるドットとヘッド31Cにより形成されるドットの間隔が広くなり過ぎて、他の領域よりも淡く視認される領域が発生してしまう。なお、図4Aでは、濃い領域と淡い領域を説明の為に大きく描いているが、実際のヘッド31の取付誤差は微小であり、濃い領域や淡い領域は印刷された画像上にスジとなって現れ、画質劣化の原因となる。
図4Bは、ヘッド31Bが所定位置(点線部)よりも搬送方向の下流側にずれて取り付けられたときに印刷されるドット列を示す図である。本実施形態のプリンタ1では、搬送方向の上流側に位置するヘッド31A,31C,31E,31G(以下、上流側ヘッドという)により形成されるドット列と、搬送方向の下流側に位置するヘッド31B,31D,31F(以下、下流側ヘッドという)により形成されるドット列とが、紙幅方向に一列に並ぶように、まず、上流側ヘッドのノズルから同時に液体を吐出させる。その後、上流側ヘッドと下流側ヘッドの搬送方向の間隔L1だけ用紙Sが搬送された後に、下流側ヘッドのノズルからも同時に液体を吐出させる。そうすると、ヘッド31A〜31Gが所定位置に取り付けられている場合には、紙幅方向に沿ったドット列が形成される。しかし、図4Bに示すように、ヘッド31Bが所定位置よりも搬送方向の下流側にずれて取り付けられた場合、ヘッド31Bにより形成されるドットだけ、他のヘッドにより形成されるドットよりも搬送方向の下流側に形成されてしまう。このように印刷画像のうちの一部の画像が他の画像からずれて印刷されると、画質が劣化してしまう。
つまり、高速化・高解像度化のために、複数のヘッド31を有するラインヘッドプリンタ等では、複数のヘッド31の相互の位置関係によって、各ヘッドにより形成されるドットの位置関係も変わってくる。そのため、ヘッド31が1つでも所定位置からずれて取り付けられてしまうと、そのヘッド31と他のヘッド31により形成されるドットの位置関係が印刷データ上の位置関係とは異なってしまい、画質劣化が起こってしまう。例えば、印刷データ上では紙幅方向に一列に沿ったドット列を形成しようとしても、図4Bに示すようにヘッド31Bの取付誤差により、紙幅方向に一列に沿ったドット列が形成されなくなってしまう。また、図4Aと図4Bではヘッド31が紙幅方向または搬送方向にずれて取り付けられた場合について説明しているが、これに限らず、例えば、ノズル面32が用紙Sに対して傾いて取り付けられてしまった場合、ノズルから吐出されるインク滴の飛翔方向が変わり、印刷データにて指示された位置とは異なる位置にドットが形成されてしまい、画質劣化の原因となる。
つまり、本実施形態では、複数のヘッド31を有するプリンタにおいて、ヘッド31の取付誤差などにより、各ヘッド31により形成されるドットの位置関係が印刷データ上のドットの位置関係からずれて、画質劣化が発生してしまうことを抑制することを目的とする。
===第1実施形態:ドット形成位置の調整===
第1実施形態では、複数のヘッド31により形成されるドットの相互の位置関係を調整し、画質劣化を抑制する。そのために、ヘッド31の取付位置を調整し、複数のヘッド31により形成されるドットの相互の位置関係を調整する。ところで、プリンタ1のノズルは、高解像度の画像を印刷するために、微小間隔(本実施形態では180dpi)で並んでいる。そのため、ヘッド31の取付位置の調整量も微小となり、高精度に行う必要がある。そこで、第1実施形態では、ねじ等を用いて機械的にヘッド31の取付位置を調整するのではなく、圧電アクチュエータを用いてヘッド31の取付位置を調整する。圧電アクチュエータは、駆動電圧を印加することにより、印加した駆動電圧に応じて伸縮する圧電素子を有する。圧電素子には図示しない一端の電極と他端の電極が設けられており、両方の電極によって圧電素子に電圧を印加し、一方向の電圧を印加したときに圧電素子は伸び、他方向の電圧を印加したときに圧電素子は縮む。この圧電素子の伸縮によりヘッド31の取付位置を調整する。なお、圧電素子としては、PZT,PbTiOなどの圧電セラミックを用いるとよい。
図5は、ヘッド31の取付位置調整の比較例を示す図である。まず、本実施形態とは異なるヘッド31の取付位置調整の方法を比較例として説明する。比較例では、ヘッド31の紙幅方向における左右の側端に接着するように圧電素子51’が設けられている。ここで、ヘッド31が所定位置よりも左側にずれて取り付けられてしまったとする(点線部)。その結果、ヘッド31により形成されるドットは印刷データにて指示された位置よりも左側にずれて形成されてしまう。そこで、比較例では、左側の圧電素子51’を伸ばし、右側の圧電素子51’を縮ませて、ヘッド31を紙幅方向の右側に平行移動させる。そうすることで、左側にずれて形成されるドットが右側に形成されるように補正できる。即ち、印刷データにて指示された位置に近付くようにドット形成位置を補正できる。その結果、画質劣化を改善できる。
このように、圧電素子(圧電アクチュエータ)を用いることで、ヘッド31の取付位置を高精度に調整できる反面、圧電素子の変位量は微小である。そのため、ヘッド31の取付位置を平行移動させてドット形成位置を調整する方法では、ドット形成位置の補正量に限界が生じてしまう。例えば、図5に示す圧電素子51’の最大変位量を「長さL2/2」とし、2つの圧電素子51’の合計最大変位量を「長さL2」とすると、ヘッド31の最大移動量は‘L2/2’となり、平行移動するヘッド31により形成されるドットの最大補正量も‘L2/2’となる。そのため、比較例のようにヘッド31を平行移動させてドット形成位置を補正する方法では、ヘッド31の取付誤差が大きいと、ドット形成位置を補正しきれず、画質劣化の改善効果が低い。
そこで、この第1実施形態では、複数のヘッド31により形成されるドットの相互の位置関係を、高精度に、且つ、広範囲に調整することを目的とする。
図6は、ヘッド傾斜機構50を示す図であり、図7は、第1実施形態のドット形成位置の調整方法を示す図である。第1実施形態では、図示するように、ヘッド31のノズル面32を用紙(水平面)に対して傾斜させることで、ノズルから吐出されるインク滴の飛翔方向を変え、ドット形成位置を調整する。例えば、図7に示すように中央のヘッド31が所定位置よりも左側にずれて取付けられたため、印刷データにて指示された位置よりも左側にずれてドットが形成されるとする。このとき、中央のヘッド31から吐出されるインク滴の一部と左側のヘッド31から吐出されるインク滴の一部とが重なりあって、濃く印刷され、逆に、中央のヘッド31と右側ヘッド31の間には空間が空きすぎて、淡く印刷される。そこで、第1実施形態では、ノズル面32が用紙Sに対して右上がりに傾斜するようにヘッド31の取付位置を調整し、ノズルから吐出されるインク滴は、用紙S(水平面)に対する垂直方向(以下、Z方向という)よりも右側に傾斜して飛翔する。そうすると、ヘッド31が左側にずれて取付けられてドット形成位置が左側にずれた分だけ、ドット形成位置を右側に補正することができる。つまり、ノズル面32を傾斜させることによって、印刷データにて指示された位置にドット形成位置を補正することができる。
このように、ドット形成位置を補正したいヘッド31のノズル面32は傾斜させ、ドット形成位置を補正しないヘッド31のノズル面32は傾斜させないというように、各ヘッド31のノズル面32の傾きを個別に調整する。即ち、複数のヘッド31間のドット形成位置のずれを補正する場合に、プリンタ1が有する複数のヘッド31のうちの少なくとも1つのヘッド31のノズル面32を用紙S(水平面)に対して傾斜させる。その結果、別のヘッド31のノズル面32に対するそのヘッド31のノズル面32の傾きが変わり、別のヘッド31のドット形成位置に対する、そのヘッド31のドット形成位置を調整できる。
このように、複数のヘッド31を有するプリンタにおいて、少なくとも1つのヘッド31のノズル面32を用紙Sに対して傾かせることで、各ヘッド31により形成されるドットの相互の位置関係を補正することができ、画質劣化が防止される。また、ヘッド31の取付け誤差に限らず、ヘッドに形成されるノズル位置の製造誤差によるドット形成位置のズレも、ヘッド31のノズル面32を用紙Sに対して傾かせることで、補正できる。
第1実施形態のプリンタ1は、ノズル面32が用紙S(水平面)に対して傾斜するように、ヘッド31の取付位置を調整するために、傾斜機構50(ドット形成位置調整機構)を備える。例えば、図6では、ノズル面32を用紙S(水平面)に対して紙幅方向に傾斜させるために、ヘッド31の紙幅方向の右側に右側傾斜機構50Rを設け、左側に左側傾斜機構50Lを設けている。また、各傾斜機構50は、圧電素子51と支持体52を有している。
圧電素子51の下端部はヘッド固定プレート33に接着されて固定されており、圧電素子51の上端部は、ヘッド31が傾斜する支点(第1支点,第2支点に相当)となる支持体52を介して、ヘッド31と繋がっている。このように支持体52を設けることで、ヘッド31が傾斜することによりヘッド31全体に加わる応力が緩和される。なお、ヘッド固定プレート33には、図3に示すように複数のヘッド31A〜31Gが固定されており、各ヘッド31のノズル面32が用紙S側に露出するように開口している。このような構成において、一方向の電圧の印加による圧電素子51の伸びに連動してヘッド31の一端側が上方に移動する。一方、他方向の電圧の印加による圧電素子51の縮みに連動して、ヘッド31の他端側が下方に移動し、ノズル面32を用紙Sに対して傾斜させることができる(第1支点に対する第2支点のZ方向の位置を変化させることにより、ヘッドのノズル面32を媒体に対して傾ける)。また、圧電素子51に電圧が供給されない場合には、圧電素子51は伸縮しない状態となっている。
そして、第1実施形態では、図6に示すように、傾斜機構50間の距離L4よりも、ノズル面32を傾斜させる基準面34から用紙Sまでの距離L5を長くする。ノズル面32を傾斜させる基準面34とは、支持体52R,52Lにおける第1支点と第2支点を通過する面であってノズル面32と平行なノズル面であり、ノズル面32をノズル面32に対して垂直方向に平行移動した軌跡とが交わる面である。よって、基準面34の微小な傾きを考えた場合、基準面34から用紙Sまでの距離「L5」は、第1支点から媒体までのZ方向の距離及び第2支点から媒体までのZ方向の距離程度となる。ここで、圧電素子51の伸縮により、支持体52を介して基準面34が傾斜し、基準面34が傾斜することによってノズル面32も傾斜する。図6では、右側傾斜機構50Rの支持体52Rと左側傾斜機構50Lの支持体52Lとの距離「L4」よりも、基準面34から用紙Sまでの距離「L5」を長くしている(支持体52Rに支えられるヘッド31の第1支点から、支持体52Lに支えられるヘッド31の第2支点までの直線距離よりも、第1支点から媒体までのZ方向の距離の方が長い)。例えば、2つの圧電素子の合計最大変位量を「L2」とし、基準面34の右側端部が左側端部よりも上方にL2だけ高い位置に位置するとき、基準面34が最大に傾斜することになる。そして、最大に傾斜した基準面34の中央のノズルから吐出されたインク滴の着弾位置と、中央のノズルの紙幅方向における位置との差を「L3」とする。この長さL3が、紙幅方向におけるドット形成位置の最大補正量となる。
このときの基準面34と水平面の角度が、Z方向に対してインク滴が飛翔する角度となる。即ち、図中の「長さL4と長さL2の比率」が、「長さL5と長さL3の比率」と等しい。そのため、傾斜機構50間の距離L4よりも、ノズル面32を傾斜させる基準面34から用紙Sまでの距離L5を長くすることで、ドット形成位置の最大補正量L3を圧電素子51の合計最大変位量L2よりも大きくすることができる。比較例では(図5)、1つの圧電素子の最大変位量L2/2と同じ長さしかドット形成位置を補正することができないのに対して、第1実施形態では、ドット形成位置を2つの圧電素子の最大変位量L2よりも長く補正することができる。つまり、比較例よりも第1実施形態の方が広範囲にドット形成位置を補正することができ、ヘッド31を平行移動させるだけでは補正しきれなかったドット形成位置も第1実施形態では補正することができるため、画質劣化をより低減できる。
また、基準面34を傾斜させる際に支点(第1支点)となる右側の支持体52Rから媒体までのZ方向の距離と、同じく基準面34を傾斜させる際に支点(第2支点)となる左側の支持体52Lから媒体までのZ方向の距離は、ノズル面32から媒体までのZ方向の距離よりも長い。即ち、ノズル面32よりも基準面34の方がZ方向の上方に位置する。そうすることで、ノズル面32を傾斜機構50により傾斜させる場合(即ち、ノズル面32が傾斜の基準面となる場合)に比べて、基準面から用紙Sまでの距離(L5)を長く確保できるため、ドット形成位置を広範囲に補正することができる。また、ヘッド固定プレート33や圧電素子51により、基準面34をノズル面32よりもZ方向の上方に位置させているので、基準面から用紙Sまでの距離(L5)を長く確保しながらノズル面32を媒体に比較的近づけることもできる。このように、ノズル面32と媒体の間隔に制約があったとしても、ドット形成位置を広範囲に補正することができる。
図8Aと図8Bは、ノズル面32が紙幅方向に対して傾斜する様子を示す図である。補正前のドット形成位置よりも右側にドットが形成されるように補正する場合には、図8Aに示すように、右側傾斜機構50Rの圧電素子51Rを伸ばし、左側傾斜機構50Lの圧電素子51Lを縮ませる。そうして、ノズル面32の右側が高くなり左側が低くなるように、ノズル面32を傾斜させ、ノズルから吐出されるインク滴を右側に向かって飛翔させる。このノズル面32の位置を「左傾斜位置」とする。逆に、補正前のドット形成位置よりも左側にドットが形成されるように補正する場合には、図8Bに示すように、右側傾斜機構50Rの圧電素子51Rを縮め、左側傾斜機構50Lの圧電素子51Lを伸ばすことで、ノズル面32の右側が低くなり左側が高くなるように、ノズル面32を傾斜させ、ノズルから吐出されるインク滴を左側に向かって飛翔させる。このノズル面32の位置を「右傾斜位置」とする。
図8Cと図8Dは、ノズル面32が搬送方向に対して傾斜する様子を示す図である。補正前のドット形成位置よりも搬送方向の下流側にドットが形成されるように補正する場合には、図8Cに示すように、下流側傾斜機構50Dの圧電素子51Dを伸ばし、上流側傾斜機構50Uの圧電素子51Uを縮めることで、ノズル面32の上流側が低くなり、下流側が高くなるように、ノズル面32を傾斜させ、ノズルから吐出されるインク滴を下流側に向かって飛翔させる。このノズル面32の位置を「上流傾斜位置」とする。逆に、補正前のドット形成位置よりも搬送方向の上流側にドットが形成されるように補正する場合には、図8Dに示すように、下流側傾斜機構50Dの圧電素子51Dを縮め、上流側傾斜機構50Uの圧電素子51Uを伸ばすことで、ノズル面32の上流側が高くなり、下流側が低くなるように、ノズル面32を傾斜させ、ノズルから吐出されるインク滴を上流側に向かって飛翔させる。このノズル面32の位置を「下流傾斜位置」とする。
図9は、ノズル面32を傾斜させる基準面34,34’の長さの違いによるドット形成位置の補正量の違いを示す概略図である。基準面34,34’の一端側を他端側よりも長さL2だけ上方に位置させたとき、基準面34が短い方(即ち、傾斜機構50の間隔が狭い方)が、基準面34’が長い方(即ち、傾斜機構50の間隔が広い方)よりも、水平面に対する基準面34の傾斜角度が大きくなるため、ドット形成位置の補正量を大きくすることができる。つまり、傾斜機構50の間隔が狭いほど、ドット形成位置の補正量を大きくすることができる。
また、第1実施形態では、複数のヘッド31を有するラインヘッドプリンタ1において、各ヘッド31の相互の位置関係のズレによって生じる画質劣化を抑制するために、傾斜機構を用いて各ヘッド31を水平面に対して傾斜させ、ドット形成位置を補正する。複数のヘッド31を有するラインヘッドプリンタでは、1つのヘッド31のノズル列の長さが比較的に短いため、各ヘッド31を傾斜させるための傾斜機構50の間隔が比較的に狭くなる。つまり、複数のヘッド31を有するラインヘッドプリンタ1では、変位量の小さい圧電素子を用いた傾斜機構50であっても、傾斜機構50の間隔が比較的に狭いため、広範囲にドット形成位置を補正できるといえる。
次に傾斜機構50の配置例を示す。
<<傾斜機構の配置例1>>
図10は、傾斜機構50の配置例1を示す図である。配置例1では、各ヘッド31が、右側傾斜機構50R,左側傾斜機構50L,上流側傾斜機構50U,下流側傾斜機構50Dを備える。そのため、各ヘッド31のノズル面32を、用紙Sに対して、搬送方向および紙幅方向に個別に傾斜させることができる。また、図中では、右側傾斜機構50Rと左側傾斜機構50Lが紙幅方向に沿った一直線上に位置し、上流側傾斜機構50U,下流側傾斜機構50Dが搬送方向に沿った一直線上に位置している。そうすることで、図9にて前述しているように、傾斜機構50の間隔を出来る限り狭くすることができ、ドット形成位置の補正量を大きくできる。
図11は、一部のヘッド31が所定位置からずれて取り付けられたプリンタ1のノズル面32と、そのプリンタ1により形成されたテストパターンTを示す図である。ここで、ドット形成位置を補正するために、ノズル面32の傾斜角度を調整する方法について説明する。製造工程などにおいて、ヘッド31が取付けられたプリンタ1にて実際にテストパターンTを印刷させる。テストパターンTとは、用紙Sが搬送方向の上流側から搬送され、上流側ヘッド31A,31C,31E,31Gと用紙Sが対向した時に、上流側ヘッドの、例えば、ブラックインクノズル列Kから、同時にインクを吐出させる。その結果、紙幅方向に並んだドット列が形成される。その後、上流側ヘッドと下流側ヘッド31B,31D,31Fとの間隔L1だけ用紙Sが搬送された時に、今度は下流側ヘッドのブラックノズル列Kから同時にインクを吐出させる。最後に、用紙Sに形成されたテストパターンTを、画像読取手段などを用いて、読み取らせる。画像読取手段として、例えば、プリンタ1の外部装置であるスキャナを用いても良いし、ヘッド31の下流側にCCDセンサを設けても良い。
全てのヘッド31が所定位置に取り付けられている場合には、テストパターンTとして、紙幅方向に一列に所定間隔(180dpi)でドットが並んだドット列が読み取られる。一方、ヘッド31が所定位置からずれて取付けられたプリンタ1により形成されたテストパターンTでは、ドットが、搬送方向にずれたり、紙幅方向に所定間隔で並んでいなかったりする。
例えば、図11に示すテストパターンTでは、ヘッド31Bにより形成されたドットは他のヘッド31により形成されたドットに比べて搬送方向の下流側に長さβだけずれて形成されている。一方、ヘッド31Bにより形成されたドットとヘッド31Cにより形成されたドットとの間隔は、所定間隔180dpiよりも長さαだけ広い間隔となっている。また、ヘッド31Cにより形成されたドットとヘッド31Dにより形成されたドットの一部が重なって形成されている。このテストパターンT結果より、ヘッド31Bにより形成されるドットを長さβだけ搬送方向の上流側に形成されるように補正し、ヘッド31Cにより形成されるドットを長さαだけ紙幅方向の右側に形成されるように補正する必要があることが分かる。このように、プリンタ1に実際にテストパターンTを印刷させることによって、各ヘッド31により形成されるドットの位置関係を知ることができる。そして、他のヘッド31により形成されるドット(又は印刷データにて指示された位置)からドットがずれて形成されるヘッド31のドット形成位置の補正量を知ることができ、ノズル面32の水平面に対する傾斜角度も決定する。
図12Aは、ヘッド31Bのドット形成位置の補正の様子を示す図である。ヘッド31Bのドット形成位置が長さβだけ搬送方向の上流側にずれるように、上流側傾斜機構50Uと下流側傾斜機構50Dを調整し、ヘッド31Bのノズル面32を「下流側傾斜位置(図8D)」にする。なお、水平面(用紙S)に対するノズル面32の傾斜角度は、ドット形成位置の補正量(ここでは長さβ)に応じて決定すればよい。その結果、ヘッド31Bのノズルから吐出されるインク滴は上流側に向かって飛翔するため、補正前のドット形成位置よりも上流側にドットを形成することができ、ヘッド31Bのドットのずれ量βを補正することができる。
図12Bは、ヘッド31Cのドット形成位置の補正の様子を示す図である。ヘッド31Cのドット形成位置が長さαだけ紙幅方向の右側にずれるように、右側傾斜機構50Rと左側傾斜機構50Lを調整し、ヘッド31Cのノズル面32を「左傾斜位置(図8A)」にする。その結果、ヘッド31Cのノズルから吐出されるインク滴は右側に向かって飛翔するため、補正前のドット形成位置よりも右側にドットを形成することができ、ヘッド31Cのずれ量αを補正することができる。
このように傾斜機構50を用いてノズル面32を傾斜させ、ドット形成位置を補正することで、紙幅方向に所定間隔180dpiにて並んだ一列のドット列を形成することがで、画質劣化を防止することができる。
図13Aおよび図13Bは、複数のヘッド31によりドット形成位置を補正する様子を示す図である。図12では、所定位置からずれて取付けられたヘッド31B,31Cのノズル面32のみを傾斜させることで、ドット形成位置を補正しているが、これに限らない。前述のように圧電素子51の変位量は微小である。そのため、ヘッド31の取付け誤差が大きく、所定位置からずれて取付けられたヘッド31のノズル面32だけを傾斜させるだけでは、ドット形成位置の補正量が不十分な場合も考えられる。そこで、取付誤差のないヘッド31のノズル面32も傾斜させる。そうして、取付誤差のあるヘッド31のドット形成位置と取付誤差のないヘッド31のドット形成位置とのずれをなくすことで、画質劣化を防止する。
例えば、ヘッド31Bのドット形成位置を搬送方向の上流側に長さβだけずらしたいときに、図13Aに示すように、ヘッド31Bのノズル面32だけを傾斜させるのではなく、他の下流側ヘッド31D,31Fのノズル面32も傾斜させる。ヘッド31Bのドット形成位置が上流側に長さ0.7βだけずれるように、ヘッド31Bのノズル面32を傾斜させ、ヘッド31D,31Fのドット形成位置が下流側に0.3βだけずれるように、ヘッド31D,31Fのノズル面32を傾斜させる。即ち、ヘッド31Bのドット形成位置とヘッド31D,31Fのドット形成位置との「ズレ量β」を、ヘッド31Bとヘッド31D,31Fの双方のノズル面32を傾斜させることにより補正する。その結果、下流側ヘッド31B,31D,31Fにより形成されるドット列は、搬送方向にずれることなく、紙幅方向に一列に形成され、画質劣化を防止できる。但し、ヘッド31Dとヘッド31Fのドット形成位置が印刷データにて指示された位置とすると、下流側ヘッドにより印刷される画像が搬送方向の下流側に全体的に0.3βだけずれて形成されることになる。しかし、ヘッド31の取付誤差βは微小であるため問題はない。
また、上流側ヘッドにより形成されるドットと下流側ヘッドにより形成されるドットが、紙幅方向に一列に並ぶように、インクの吐出タイミングや用紙Sの搬送速度が予め設定されている。そのため、下流側ヘッドのドット形成位置だけ、搬送方向の下流側に0.3βだけずれて形成されるようにしてしまうと、上流側ヘッドと下流側ヘッドにより形成されるドットがずれてしまう。そのため、上流側ヘッド31A,31C,31E,31Gのノズル面32も傾斜させ、上流側ヘッドのドット形成位置も下流側に0.3βだけずれるように補正する。そうすることで、全てのヘッド31により形成されるドット列は搬送方向にずれることなく紙幅方向に一列に形成され、画質劣化を防止できる。
同様に図13Bに示すように、紙幅方向の左側に長さαだけずれて形成されるヘッド31Cのドット形成位置を、ヘッド31Cのノズル面32だけを傾斜させるのではなく、他のヘッド31のノズル面32も傾斜させる。例えば、ヘッド31Cのドット形成位置を紙幅方向の右側に長さ0.7αだけずらし、他のヘッド31のドット形成位置が左側に長さ0.3αだけずれるようにする。即ち、ヘッド31Cのドット形成位置とヘッド31Bのドット形成位置との間隔が所定間隔180dpiよりも「ズレ量α」だけ広い分を、ヘッド31Bとヘッド31Cの双方のノズル面32を傾斜させることにより補正する。そうすると、印刷画像全体が左側に0.3αだけずれることになるため、ヘッド31C以外のヘッド31により形成されるドットが左側に0.3αだけずれるように、ノズル面32の傾斜角度を調整する。その結果、紙幅方向に所定間隔180dpiで並んだドット列が形成されるため、画質劣化を防止できる。
このように取付誤差のあるヘッド31のドット形成位置の補正を、取付誤差のあるヘッド31とその他のヘッド31により補正することで、各ヘッド31のドット形成位置の補正量を小さくでき、各ヘッド31のノズル面32の傾斜角度も小さくすることができる。そのため、変位量に限界のある圧電素子51を使用する傾斜機構50であっても、画質劣化を防止できる。
図14は、テストパターンTの結果の他の例を示す図である。図11のテストパターンTでは、一部のヘッド31B,31Cにより形成されるドットのみが他のヘッド31により形成されるドット(又は印刷データにて指示された位置)からずれて形成される場合を例示している。しかし、実際には、多くのドットが、印刷データにて指示された位置(一点鎖線)から搬送方向の上流側または下流側にずれて形成される場合が考えられる。また、図14に示すテストパターンTでは、印刷データ上にて指示された位置(データ上の位置)から上流側にずれて形成されるドットよりも、データ上の位置から下流側にずれて形成されるドットの方が多い。このような場合、搬送方向における、各ヘッド31により形成されるドットの平均位置を算出する。図14では、データ上の位置よりも搬送方向の下流側が平均位置となる。そして、その平均位置に各ヘッド31のドットが形成されるように、ノズル面32の用紙S(水平面)に対する搬送方向の傾斜角度を調整する。
このように、平均位置にドットが形成されるように各ヘッド31のドット形成位置を補正する方が、データ上の位置にドットが形成されるように各ヘッド31のドット形成位置を補正するよりも、ドット形成位置の補正量を小さくすることができる。そのため、変異量の小さい圧電素子を用いた傾斜機構50であっても、ドット形成位置を補正することができる。但し、印刷される画像が印刷データにて指示された位置からずれるが、ヘッド31の取付誤差は微小であるため問題ない。
図15は、ノズル面32とドットの補正方向の関係を示す図である。搬送方向および紙幅方向にドット形成位置を補正する場合には、ノズル面32を用紙S(水平面)に対して、搬送方向に傾斜させ、且つ、紙幅方向に傾斜させる必要がある。図15では、ドット形成位置を、紙幅方向の左側および搬送方向の下流側にずらす様子を示している。このような場合、ノズル面32の右側(点A,点C)がノズル面32の左側(点B,点D)よりもZ方向の位置が低くなり、且つ、ノズル面の上流側(点A,点B)がノズル面の下流側(点C,点D)よりも低くなるように、ノズル面32を傾斜させる必要がある。そのため、各傾斜機構50の圧電素子51の伸縮量の調整が複雑となる。そこで、例えば、あるヘッド31Aのドット形成位置が他のヘッド31B〜Gのドット形成位置よりも、搬送方向および紙幅方向にずれている場合には、そのヘッド31Aのノズル面32だけを傾斜させて、そのヘッド31Aのドット形成位置を補正するのではなく、そのヘッド31Aと他のヘッド31B〜Gにより、そのヘッド31Aのドット形成位置を補正してもよい。例えば、そのヘッド31Aのノズル面32を搬送方向に傾斜させて、そのヘッド31Aの搬送方向のドット形成位置のズレ量を補正し、他のヘッド31B〜31Gのノズル面32を紙幅方向に傾斜させて、そのヘッド31Aの紙幅方向のドット形成位置のズレ量を補正してもよい。そうすると、各ヘッド31のノズル面32を紙幅方向または搬送方向のどちらかに傾斜させればよく、傾斜機構50の調整が容易となる。
また、第1実施形態では、ノズル面32を傾斜させてドット形成位置を補正するため、ノズル面32におけるノズルの位置によって、ノズルと用紙Sの距離が異なってくる。図15では、点Aに位置するノズルよりも点Dに位置するノズルの方が、用紙Sまでの距離が長い。ノズル面32の傾斜によりインク滴はZ方向に対して角度を持って飛翔するため、ノズルと用紙Sの距離が長い方が、インク滴が着弾するまでのノズルからの移動量が大きくなる。即ち、点Aに位置するノズルよりも点Dに位置するノズルの方がドット形成位置の補正量が大きくなる。そのため、同じノズル面32に属するノズルであっても位置によって、ドット形成位置の補正量が若干異なる。また、ノズル面32の中央に位置するノズルと用紙Sとの距離が、そのノズル面32に属する各ノズルと用紙Sとの距離の平均値となる。そこで、ノズル面32の中央に位置するノズルにより形成されるドットの補正量が、そのヘッド31(ノズル面32)が補正するべきドット形成位置の補正量となるように、ノズル面32の傾斜角度を決定するとよい。
仮に、点Aに位置するノズルにより形成されるドットの補正量が、そのヘッド31のドット形成位置の補正量となるように、ノズル面32の傾斜角度を決定してしまうと、点Dに位置するノズルにより形成されるドットの補正量が大きくなり過ぎてしまう。逆に、点Dに位置するノズルにより形成されるドットの補正量が、そのヘッド31のドット形成位置の補正量となるように、ノズル面32の傾斜角度を決定してしまうと、点Aに位置するノズルにより形成されるドットの補正量が小さくなり過ぎてしまう。そのため、ノズル面32の中央に位置するノズルを基準にノズル面32の傾斜角度を決定することで、ヘッド31が補正するべきドット形成位置の補正量と、ヘッド31が有する各ノズル面32のドット形成位置の補正量との差を出来るだけ小さくすることができ、画質劣化をより防止できる。
また、製造工程に限らず、ユーザーの下においても、画質が劣化してきたときなどにテストパターンTを印刷させ、各ヘッド31のドット形成位置の補正量を再度算出し、ノズル面32の傾斜角度などを調整してもよい。この場合、プリンタ1がテストパターンTを読み取るための画像読取手段を有することが好ましい。
また、傾斜機構50の圧電素子51に電圧が供給されなくなると、圧電素子51の伸縮状態は元に戻ってしまう。そのため、プリンタ1の電源オフ時に圧電素子51に電圧を供給しなくなると、調整したノズル面32の傾斜角度がもとに戻ってしまう。そこで、電源オフ時にはプリンタ1内のバッテリー等を用いて圧電素子51に電圧を供給し続け、調整したノズル面32の傾斜角度が常に保持されるようにするとよい。これに限らず、電源オフ時には、圧電素子51に電圧を供給せず、圧電素子51の伸縮状態を下に戻してもよい。この場合、各ヘッド31の圧電素子51の伸縮量(または、圧電素子51を伸縮させるための信号)をプリンタ1のメモリ13等に記憶させておけばよい。そして、プリンタ1の電源を入れた際に、コントローラ10(制御部に相当)等は、メモリ13に記憶されている圧電素子51の伸縮量(信号)に基づいて、ノズル面32の傾斜位置に調整するとよい。そうすることで、電力消費を抑えられる。
<<傾斜機構の配置例2>>
図16Aは、傾斜機構50の配置例2を示す図である。配置例2では、各ヘッド31が、右側傾斜機構50R,左側傾斜機構50Lを備える。即ち、各ヘッド31のノズル面32を用紙Sに対して紙幅方向に傾斜させることができ、紙幅方向(所定方向に相当)にずれるドット形成位置を補正することはできる。
しかし、配置例2では、上流側傾斜機構50U,下流側傾斜機構50Dを備えないため、搬送方向(交差する方向に相当)にずれて形成されるドットを、ノズル面32を傾斜させることによって補正することはできない。そこで、配置例2では、搬送方向にドット形成位置(液体の媒体上の着弾位置)がずれるヘッド31のインク吐出タイミングを調整し、各ヘッド31の搬送方向におけるドット形成位置を補正する。
図16Bは、インク吐出のタイミングをずらすための駆動信号DRVを示す図である。インクが充填された圧力室内の圧力が変化することにより、各ノズルからインクが吐出される。ノズルごとに1つの圧力室が対応付けられており、圧力室内の圧力は駆動素子(例えばピエゾ素子)が変形することにより変化する。駆動素子は駆動信号DRVが有する駆動パルスW1,W2が印加されることにより変形する。また、駆動パルスW1,W2はラッチ信号LATにタイミングに応じて発生される。
この配置例2では、各ノズルに対応付けられた駆動素子に印加される駆動パルスのタイミングを調整することにより、搬送方向のドット形成位置を補正する。例えば、図11に示すヘッド31Bのように搬送方向の下流側にずれてドットが形成される場合、他のヘッド31に用いる駆動信号DRV(1)に対して駆動パルスW1,W2の発生するタイミングが遅れている駆動信号DRV(2)をヘッド31Bに用いるとよい。その結果、ヘッド31Bのノズルの駆動素子に駆動パルスW1,W2が印加されるタイミングが、他のヘッド31のノズルの駆動素子に駆動パルスW1,W2が印加されるタイミングよりも時間Δtだけ遅くなる。即ち、他のヘッド31のノズルからインクが吐出された後に、時間Δtだけ遅れて、ヘッド31Bのノズルからインクが吐出される。こうすることで、ヘッド31Bのドット形成位置を上流側にずらすことができる。
なお、駆動素子に駆動パルスが印加されるタイミングをずらし時間Δtを変化させることで、ドット形成位置の補正量を調整できる。また、ドット形成位置を搬送方向の下流側にずらしたい場合には、駆動素子に駆動パルスが印加されるタイミングを他のヘッド31よりも早めればよい。
このように、上流側傾斜機構50Uと下流側傾斜機構50Dを備えていないプリンタ1であっても、ノズルからインクが吐出されるタイミングを調整することで、搬送方向のドット形成位置のずれを補正することができ、画質劣化を防止できる。また、配置例2では配置例1に比べて傾斜機構50の数を減らすことができ、低コスト化、省スペース化を図れる。他に、電源オン時に圧電素子51の伸縮量を調整する場合には、その調整作業を削減することができ、また、各ヘッド31の圧電素子51の伸縮量を記憶するメモリ容量を削減できる。
<<傾斜機構の配置例3>>
図17は、傾斜機構50の配置例3を示す図である。この配置例3では、各ヘッド31が傾斜機構50を3個ずつ有する。同一直線上にない3点により1つの平面を決定することができる。そのため、3個の傾斜機構50(1)〜50(3)が全て同一直線上に並ばないように傾斜機構50を配置し、各傾斜機構50(1)〜50(3)の圧電素子51のZ方向の伸縮量を調整することで、水平面に対してノズル面32を傾斜させることができる(なお、傾斜機構50(1)〜50(3)の支持体52に支えられた支点が第1支点〜第3支点に相当する)。
例えば、ヘッド31Aのドット形成位置を紙幅方向の右側にずらしたい場合には、傾斜機構50(1)の圧電素子51を傾斜機構50(3)の圧電素子51よりも伸ばし、傾斜機構50(3)の圧電素子51を傾斜機構50(2)の圧電素子51よりも伸ばせばよい。その結果、ノズル面32を「左傾斜位置(図8A)」に傾斜させることができ、ノズルからのインク滴が右側に飛翔するため、ドット形成位置を右側にずらすことができる。逆に、ヘッド31Aのドット形成位置を紙幅方向の左側にずらしたい場合には、傾斜機構50(2)の圧電素子が一番伸び、傾斜機構50(1)の圧電素子が一番縮むようにするとよい(このように、第1支点に対する第2支点のZ方向の位置を変化させ、第1支点に対する第3支点のZ方向の位置を変化させることにより、ヘッド31のノズル面を媒体に対して傾ける)。
また、ヘッド31Aのドット形成位置を搬送方向の上流側にずらしたい場合には、傾斜機構50(1),50(2)の圧電素子を伸ばし、傾斜機構50(3)の圧電素子を縮ませることで、ノズル面32を「下流傾斜位置(図8D)」に傾斜させることができ、ノズルからのインク滴が上流側に飛翔するため、ドット形成位置を上流側にずらすことができる。逆に、ヘッド31Aのドット形成位置を搬送方向の下流側にずらしたい場合には、傾斜機構50(1),50(2)の圧電素子を縮ませ、傾斜機構50(3)の圧電素子を伸ばすとよい。
このように3個の傾斜機構50(1)〜50(3)により、ノズル面32の傾斜位置を調整し、搬送方向および紙幅方向のドット形成位置を補正することができ、画質劣化を防止できる。そして、4個の傾斜機構50を有する配置例1に比べて、傾斜機構50の数を減らすことができるため、低コスト化、省スペース化を図れる。また、電源オン時に圧電素子51の伸縮量を調整する作業を削減でき、各ヘッド31の圧電素子51の伸縮量を記憶するメモリ容量も削減できる。
また、配置例3では、上流側ヘッド31A,31C,31E,31Gは、それぞれ上流側の側辺に2個の傾斜機構50を備え、下流側の側辺に1個の傾斜機構50を備える。逆に、下流側ヘッド31B,31D,31Fは、上流側の側辺に1個の傾斜機構を備え、下流側の側辺に2個の傾斜機構を備える。そうすることで、プリンタ1全体において、傾斜機構50が均等に配置されるため、傾斜機構50を設けるスペースを確保し易い。
また、ヘッド31の搬送方向における側辺に傾斜機構50を設けなくとも、3個の傾斜機構50が全て同一直線上に配置されなければ、用紙Sに対するノズル面32の傾斜位置を決定することができ、ドット形成位置を補正することができる。そのため、ヘッド31の角部に傾斜機構50を設けても良いし、ヘッド31の紙幅方向における側辺に傾斜機構50を設けても良い。
配置例3では、例えば、ヘッド31Aにおいて、下流側の側辺に設けられた1個の傾斜機構50(3)は下流側の側辺の中央に配置され、上流側の側辺に設けられた2個の傾斜機構50(1),50(2)は、ヘッド31の角部ではなく、上流側の側辺の中央に寄って配置されている。このように3個の傾斜機構50を配置することで、傾斜機構50間の距離を出来る限り狭くできる。前述の図9に示すように、傾斜機構50の間隔が狭いほど、ドット形成位置の補正量を大きくすることができる。そのため、図17に示すように3個の傾斜機構50を配置することで、変位量に限界のある圧電素子51を使用する傾斜機構50であっても、広範囲にドット形成位置を補正することができる。
<<傾斜機構の配置例4>>
図18は、傾斜機構50の配置例4を示す図である。この配置例4では、上流側ヘッド31A,31C,31E,31Gは、ノズル面32を用紙S(水平面)に対して紙幅方向に傾斜させるための右側傾斜機構と50Rと左側傾斜機構50Lを備え、ノズル面32を搬送方向に傾斜させるための上流側傾斜機構50Uと下流側傾斜機構50Dを備えている。しかし、下流側ヘッド31B,31D,31Fは傾斜機構50を備えていない。即ち、配置例4では、紙幅方向に千鳥に隣り合うヘッド31のうちの一方のヘッド31が傾斜機構を備えている。なお、上流側ヘッドは4つの傾斜機構50を備えているが、これに限らず、配置例2のように搬送方向のドット形成位置はインクの吐出タイミングにより調整してもよく、また、配置例3のように3つの傾斜機構50を備えさせてもよい。
図19Aは、傾斜機構50を有する上流側ヘッド31Aのドット形成位置の補正の様子を示す図である。図示するようにヘッド31Aが紙幅方向の右側にずれて取付けられ、他のヘッド31により形成されるドット間隔は180dpiであるところを、ヘッド31Aとヘッド31Bにより形成されるドット間隔は200dpiであったとする。そこで、ヘッド31Aのドット形成位置を左側に20dpiずらすために、ヘッド31A自身の傾斜機構50を用いてノズル面32を傾斜させ、ヘッド31Aのドット形成位置を補正すればよい。その結果、全てのヘッド31により形成されるドット間隔が等しくなり(180dpi)、画質劣化を防止することができる。
図19Bは、傾斜機構50を有さない下流側ヘッド31Bのドット形成位置の補正の様子を示す図である。図示するようにヘッド31Bが紙幅方向の右側にずれて取付けられ、他のヘッド31により形成されるドット間隔は180dpiであるところを、ヘッド31Aとヘッド31Bにより形成されるドット間隔は160dpiと狭く、一方、ヘッド31Bとヘッド31Cにより形成されるドット間隔は200dpiと広いとする。ヘッド31Bが傾斜機構50を備えていれば、ヘッド31Bのドット形成位置をずらして補正することができるが、ヘッド31Bは傾斜機構を備えていない。そこで、ヘッド31Bと紙幅方向に隣り合うヘッド31Aとヘッド31Cのドット形成位置を補正し、各ヘッド31により形成されるドット間隔を調整する。
そこで、まず、ヘッド31Aのノズル面32を傾斜させ、ドット形成位置を紙幅方向の右側に20dpiずらす。そうすることで、ヘッド31Aとヘッド31Bにより形成されるドット間隔を180dpiとすることができる。次に、ヘッド31Cのドット形成位置を紙幅方向の右側にずらすことで、ヘッド31Bとヘッド31Cにより形成されるドット間隔を狭めることができる。但し、ここでヘッド31Bとヘッド31Cにより形成されるドット間隔を180dpiにするために、ヘッド31Cのドット形成位置を右側に20dpiずらしてしまうと、ヘッド31Cとヘッド31Dにより形成されるドット間隔が200dpiと広くなりすぎてしまう。しかし、ヘッド31Dにはヘッド31Bと同様に傾斜機構50が備えられていないため、ヘッド31Dとヘッド31Cのドット間隔を縮めることができない。そこで、ヘッド31Bとヘッド31Cのドット間隔と、ヘッド31Cとヘッド31Dのドット間隔が等しくなるように、ヘッド31Cのドット形成位置を右側に10dpiずらすとよい。その結果、ヘッド31Bとヘッド31Cのドット間隔と、ヘッド31Cとヘッド31Dのドット間隔は、190dpiと等しくなり、他のヘッド31のドット間隔180dpiに近づけることができる。そして、ヘッド31Bとヘッド31Cのドット間隔が200dpiであったときに比べて、画質劣化を低減できる。このように、紙幅方向に隣り合うヘッド31のうちの一方のヘッド31にのみ傾斜機構50を備えさせると、紙幅方向のドット間隔を完全に等しくすることが出来ない場合があるが、紙幅方向のドット間隔が出来る限り等しくなるように補正でき、画質劣化を低減できる。
この配置例4のように紙幅方向に並ぶヘッド31のうちの一方に傾斜機構50を設けることで、画質劣化を低減でき、また、傾斜機構50の数を配置例1などに比べて削減すことができる。そのため、低コスト化、省スペース化を図れる。また、電源オン時に圧電素子51の伸縮量を調整する作業を削減でき、各ヘッド31の圧電素子51の伸縮量を記憶するメモリ容量も削減できる。
図20は、紙幅方向に隣り合うヘッド31のノズルの一部が重なるプリンタ1を示す図である。図20では、例えば、ヘッド31Aの最も左側のノズルとヘッド31Bの最も右側のノズルの紙幅方向の位置が等しく、ヘッド31の取付誤差が無い場合には、どちらか一方を使用する。黒丸(●)ノズルは使用するノズルを示す、白丸(○)ノズルは使用しないノズルを示す。そして、ヘッド31Bが紙幅方向の右側にずれた場合には、ヘッド31Aとヘッド31Bにより形成されるドットの一部が重なり、ヘッド31Bとヘッド31Cにより形成されるドット間隔が空きすぎてしまう。
前述の図19Bでは、ヘッド31Bとヘッド31Dが傾斜機構50を備えていないため、ヘッド31Bとヘッド31Cのドット間隔とヘッド31Cとヘッド31Dのドット間隔が等しくなるように補正している。但し、完全に補正しきれてはいない。一方、図20では、紙幅方向の位置が重なるノズルを設けているため、ヘッド31Bとヘッド31Cの最も左側のノズルを使用することで、ヘッド31Bとヘッド31C及びヘッド31Cとヘッド31Dのドット間隔を、他のヘッド31のドット間隔と等しくできる。
つまり、配置例4のように紙幅方向に隣り合うヘッド31の一方だけに傾斜機構50を設ける場合には、紙幅方向のドット間隔を完全に一定にできないときがある。そのため、紙幅方向に隣り合うヘッド31の一部のノズルの紙幅方向の位置が重なるようにすることで、画質劣化をより低減できる。
<<傾斜機構の配置例5>>
図21Aは、傾斜機構50と回転機構60を備えたヘッド31を示す図である。配置例5のヘッド31は、ノズル面32を用紙S(水平面)に対して傾斜させる傾斜機構50の他に、ノズル面32を、Z方向(媒体表面の垂直方向)を軸として回転させる回転機構60(ドット形成位置調整機構)を備える。回転機構60は、支持体52に支えられた固定テーブル61と、固定テーブル61に対してZ方向を軸として回転する回転テーブル62を有する。固定テーブル61と回転テーブル62にはノズル面32が用紙S側に露出するように開口部が設けられている。その開口にノズル面32(ヘッド31の下部)が挿入され、ヘッド31が固定されている。そして、回転テーブル62と共にヘッド31(ノズル面32)を、固定テーブル61に対してZ方向を軸に回転させる(以下、Z軸回転という)。なお、回転テーブル62は、電磁モータとギアの組み合わせにより回転させるとよい。但し、これに限らず、例えば、圧電素子を用いた超音波モータにより回転させてもよい。
図21Bは、ノズル面32が紙幅方向に対して傾いて取り付けられたプリンタ1のノズル面と、そのプリンタ1に印刷された画像P3を示す図である。ヘッド31Bのノズル面32が紙幅方向に対して上流側に傾くということは、ノズル列YMCKも紙幅方向に対して上流側に傾くということである。そのため、紙幅方向に所定幅の画像を印刷しようとしても、図中の画像P3のように、ヘッド31Bにより形成される画像が他のヘッド31により形成される画像に対して傾斜し、画質劣化が起こってしまう。
そこで、この配置例5では、回転機構60によりヘッド31(ノズル面32)をZ軸回転させ、ノズル列が紙幅方向に沿うように補正し、紙幅方向に対するドット形成位置の傾きを補正する。図21Bのヘッド31Bでは、回転機構60によりノズル面を矢印の方向に回転させ、ノズル列が紙幅方向に沿うように補正する。その結果、画質劣化を防止できる。つまり、この配置例5では、傾斜機構50を用いてノズル面32を用紙Sに対して傾斜させ、紙幅方向および搬送方向のドット形成位置を補正するだけでなく、回転機構60を用いて、紙幅方向に対するノズル面32(ノズル列)の傾きを補正できるため、より高画質な画像を印刷できる。
図22Aは、ヘッド31のノズル面32を紙幅方向に傾斜させた様子を示す図であり、図22Bは、ノズル面32を紙幅方向に傾斜させたときに形成されるドット列を示す図である。図22Aに示すように、ノズル面32を傾斜させることによって、右側に位置するノズルの方が左側に位置するノズルよりも用紙Sまでの距離が長くなる。ラインヘッドプリンタでは、搬送方向に一定速度にて搬送される用紙Sに対してノズルからインクが吐出される。左側のノズルほど用紙Sまでの距離が短いため、ノズルから吐出されたインク滴が用紙Sに早く着弾し、搬送方向の下流側にドットが形成される。逆に右側のノズルほど用紙Sまでの距離が長いため、ノズルから吐出されたインク滴が用紙Sに着弾するまでに用紙Sが搬送され、搬送方向の上流側にドットが形成される。そのため、用紙Sに対してノズル面32が紙幅方向に傾斜したヘッド31のノズルから一斉にインクを吐出すると、図22Bに示すように、紙幅方向に対して傾いたドット列が形成される。そこで、回転機構60を用いて、ノズル列のうちの右側のノズルが左側のノズルよりも下流側に位置するように、ノズル面32をZ軸回転させることで、図22Bのようなドット列の傾きを補正できる。
つまり、ノズル面32を傾斜させてドット形成位置を補正する第1実施形態のプリンタ1では、ノズル面32をZ軸回転させる回転機構60も備えることで、ノズル面32を傾斜させることにより発生するドット列の紙幅方向に対する傾きを、回転機構60により補正することができ、画質劣化をより防止できる。
===第2実施形態:ヘッド位置の補正===
図23は、第2実施形態のヘッド31の回転機構60を示す図である。第1実施形態のヘッド31は、水平面(用紙S)に対してノズル面32を紙幅方向または搬送方向に傾斜させるために傾斜機構50を備えているが、第2実施形態のヘッド31は、傾斜機構50を備えず、回転機構60を備えるとする。固定テーブル61と回転テーブル62にはノズル面32が用紙S側に露出するように開口部が設けられ、固定テーブル61は、ヘッド固定プレート33に固定されている。そして、固定テーブル61に対して回転テーブル62がZ軸回転することにより、ノズル面32もZ軸回転し、ノズル列の紙幅方向に対する傾きを補正することができる。また、ヘッド31の取付け誤差に限らず、ノズル列が紙幅方向に対して傾いて製造されることによるドット形成位置のズレも、ヘッド31のノズル面32をZ軸回転することで補正できる。
このようなプリンタ1によれば、図21Bに示すように、ノズル面32が紙幅方向に対して傾いて取付けられたヘッド31Bを、回転機構60を用いてノズル列が紙幅方向に沿うように補正でき、画質劣化を防止できる。第1実施形態にて示している比較例(図5)のドット形成位置調整のように、ヘッド31を紙幅方向または搬送方向に平行移動させるだけでは、図21Bに示すような、紙幅方向に対して傾いたノズル列により形成される画像を補正することができない。
以上をまとめると、第2実施形態では、回転機構60を用いて、複数のヘッド31のうちの少なくとも1つのヘッドのZ方向と交差する方向(例えば紙幅方向)に対する角度を調整することによって、別のヘッドのドット形成位置に対する、そのヘッドのドット形成位置を調整する。その結果、より広範囲にドット形成位置を補正できる。
但し、第2実施形態のヘッド31は傾斜機構50を備えていないため、ノズル面32を傾斜させて、紙幅方向および搬送方向にドット形成位置を補正することができない。そこで、搬送方向のドット形成位置を補正するためには、配置例2にて説明しているように、ノズルからのインク吐出タイミングを調整するとよい。また、配置例4にて説明しているように、紙幅方向に隣り合うヘッド31において、紙幅方向の位置が重なるノズルを複数設けることで、紙幅方向のドット形成位置を補正するとよい。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンタを有する印刷システムについて記載されているが、ドット形成位置の補正方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
〈傾斜機構・回転機構について〉
前述の実施形態では、ドット形成位置を高精度に補正するために、圧電アクチュエータを用いて、ノズル面32を傾斜させたり、Z軸回転させたりしているが、これに限らない。ねじ等を用いて機械的に、ノズル面32を傾斜させたり、Z軸回転させたりしてもよい。
〈傾斜機構50のその他の配置例〉
前述の実施形態では、図10に示すように、ヘッド31の紙幅方向における左右の側端部上と、搬送方向における上流側と下流側の側端部上に、傾斜機構50を配置し、傾斜機構50の間隔を狭くし、ドット形成位置の補正量を出来るだけ大きくしているが、これに限らない。例えば、図24に示すようにヘッド31の角部、即ち、対角線上に傾斜機構50を配置してもよい。そうすると、図10の傾斜機構50の配置に比べて、傾斜機構50間の距離が長くなるため、ドット形成位置の補正量が小さくなる。図9に示すように傾斜機構50の間隔が短いほど、圧電素子の同じ変位量L2に対するノズル面32の傾斜角が大きくなる。これは、言い換えれば、傾斜機構50の間隔が長いほど、ノズル面32を同じ角度に傾斜させるときの圧電素子の変位量が大きくなる。そのため、傾斜機構50の間隔が長い方が、圧電素子の伸縮誤差に対するノズル面32の傾斜角度の誤差が小さくなり、より正確な角度にノズル面32を傾斜させることができる。
〈複数ヘッドを有するシリアル式のプリンタについて〉
前述の実施形態では、紙幅方向に千鳥状に配置されたヘッド31の下を、用紙が搬送方向に停まることなく搬送されるラインヘッドプリンタを例に挙げているが、これに限らない。例えば、高解像度・高速印刷のために、複数のヘッド31を有するシリアル式のプリンタ(画像形成動作と用紙の搬送動作を交互に繰り返すプリンタ)であっても、本発明を適用することができる。複数のヘッド31により形成されるドット位置を、各ヘッド31が有する(又は隣り合うヘッド31の少なくとも一方のヘッドが有する)傾斜機構により、各ヘッド31のノズル面32を個別に傾斜させることによって、ドット形成位置を補正することで、画質劣化を防止できる。
〈液体吐出装置について〉
前述の実施形態では、液体吐出方法を実施する液体吐出装置(一部)としてインクジェットプリンタを例示していたが、これに限らない。液体吐出装置であれば、プリンタ(印刷装置)ではなく、様々な工業用装置に適用可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置、回路基板製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。
また、液体の吐出方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより液体を吐出するピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によって液体を吐出させるサーマル方式でもよい。
本実施形態のプリンタの全体構成ブロック図である。 搬送ユニット及びヘッドユニット等の側面図である。 ヘッドユニットのノズル面を示す図である。 図4A及び図4Bはヘッドが所定位置からずれて取り付けられたプリンタにより印刷される画像を示す図である。 ヘッドの取付位置調整の比較例を示す図である。 ヘッド傾斜機構を示す図である。 第1実施形態のドット形成位置の調整方法を示す図である。 図8Aと図8Bはノズル面が紙幅方向に対して傾斜する様子を示す図である。 基準面の長さの違いによるドット形成位置の補正量の違いを示す概略図である。 傾斜機構の配置例1を示す図である。 一部のヘッドが所定位置からずれて取り付けられたプリンタにより形成されたテストパターンを示す図である。 図12Aはヘッドのドット形成位置の補正の様子を示す図であり、図12Bはヘッドのドット形成位置の補正の様子を示す図である。 図13Aおよび図13Bは複数のヘッドによりドット形成位置を補正する様子を示す図である。 テストパターン結果の他の例を示す図である。 ノズル面とドットの補正方向の関係を示す図である。 図16Aは傾斜機構の配置例2を示す図であり、図16Bはインク吐出のタイミングをずらすための駆動信号を示す図である。 傾斜機構の配置例3を示す図である。 傾斜機構の配置例4を示す図である。 図19Aは傾斜機構を有するヘッドの補正の様子を示す図であり、図19Bは傾斜機構を有さないヘッドの補正の様子を示す図である。 紙幅方向に隣り合うヘッドのノズルの一部が重なるプリンタを示す図である。 図21Aは、傾斜機構50と回転機構60を備えたヘッド31を示す図である。図21Bは、ノズル面32が紙幅方向に対して傾いて取り付けられたプリンタ1のノズル面と、そのプリンタ1に印刷された画像P3を示す図である。 図22Aはヘッドのノズル面を紙幅方向に傾斜させた様子を示す図であり、図22Bはノズル面を紙幅方向に傾斜させたときに形成されるドット列を示す図である。 第2実施形態のヘッドの回転機構を示す図である。 傾斜機構の別の配置例を示す図である。
符号の説明
1 プリンタ、10 コントローラ、11 インターフェース部、12 CPU、
13 メモリ、14 ユニット制御回路、20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、
22 搬送ローラ、23 搬送ローラ、24 搬送ベルト、25 給紙トレイ、
26 排紙トレイ、30 ヘッドユニット、31 ヘッド、32 ノズル面、
33 ヘッド固定プレート、34 基準面、40 検出器群、50 傾斜機構、
51 圧電素子、52 支持体、60 回転機構、61 固定テーブル、
62 回転テーブル、110 コンピュータ

Claims (8)

  1. 液体を媒体に吐出する複数のヘッドと、
    前記ヘッドの液体吐出面を前記媒体に対して傾ける傾斜機構と、
    前記傾斜機構を用いて、前記複数のヘッドのうちの少なくとも1つの前記ヘッドの前記液体吐出面の前記媒体に対する傾きを調整することによって、その前記ヘッドの前記液体吐出面の傾きを別の前記ヘッドの前記液体吐出面に対して調整する制御部と、
    を有する液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記ヘッドは、前記ヘッドの前記液体吐出面が前記媒体に対して傾く際の第1支点と第2支点を有し、
    前記傾斜機構は、前記第1支点に対する前記媒体表面の垂直方向の前記第2支点の位置を変化させることにより、前記ヘッドの前記液体吐出面を前記媒体に対して傾ける、
    液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記第1支点から前記第2支点までの直線距離よりも、前記第1支点から前記媒体までの前記垂直方向の距離の方が長い液体吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置であって、
    前記第1支点から前記媒体までの前記垂直方向の距離と、前記第2支点から前記媒体までの前記垂直方向の距離は、前記ヘッドの前記液体吐出面から前記媒体までの前記垂直方向の距離よりも長い液体吐出装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記傾斜機構は、圧電アクチュエータを用いて、前記第1支点に対する前記垂直方向の前記第2支点の位置を変化させる液体吐出装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記ヘッドは液体を吐出する複数のノズルを有し、
    前記複数のノズルは所定方向に沿ってノズル列を構成し、
    前記ノズル列と前記媒体は前記所定方向と交差する方向に相対移動し、
    前記ノズルから吐出された液体の前記所定方向における前記媒体上の着弾位置を、前記傾斜機構を用いて、前記複数のヘッドのうちの少なくとも1つの前記ヘッドの前記液体吐出面を前記媒体に対して前記所定方向に傾けることにより調整し、
    前記ノズルから吐出された液体の前記交差する方向における前記媒体上の着弾位置を、前記ノズルから液体が吐出されるタイミングをずらすことにより調整する、
    液体吐出装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体吐出装置であって、
    前記ヘッドは、前記ヘッドの前記液体吐出面が前記媒体に対して傾く際の第1支点と、第2支点と、前記第1支点と前記第2支点と同一直線上に位置しない第3支点と、を有し、
    前記傾斜機構は、前記第1支点に対する前記媒体表面の垂直方向の前記第2支点の位置を変化させ、前記第1支点に対する前記垂直方向の前記第3支点の位置を変化させることにより、前記ヘッドの前記液体吐出面を前記媒体に対して傾ける、
    液体吐出装置。
  8. 液体を吐出する複数のヘッドと、
    前記媒体表面の垂直方向を軸に前記ヘッドを回転させる回転機構と、
    前記回転機構を用いて、前記複数のヘッドのうちの少なくとも1つの前記ヘッドの前記垂直方向と交差する方向に対する角度を調整することによって、別の前記ヘッドから吐出される液体の前記媒体上の着弾位置に対する、その前記ヘッドから吐出される液体の前記媒体上の着弾位置を調整する制御部と、
    を有する液体吐出装置。
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