JP2009220306A - ダイス、およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物の造粒方法 - Google Patents

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正彦 浅野
Kunihiro Ouchi
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Daikoku Chin
台國 陳
Kifu Baku
毅夫 莫
Meiketsu Lin
明杰 林
志昌 ▲くん▼
Shisho Kun
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Abstract

【課題】スクリュー押出機で溶融混練された熱可塑性樹脂組成物が、ダイアダプター内部で滞留することにより熱で劣化し、炭化物を生じさせることを抑制するダイスが装着された押出機を用いて、熱可塑性樹脂組成物を造粒する方法を提供する。
【解決手段】スクリュー押出機の先端に接合されるダイフランジ3、ダイフランジ3とダイ1を連結するダイアダプター2、および前記ダイアダプター2に接合され、小孔を配置されたダイ1から構成されるダイスであり:前記装着によって、前記スクリュー押出機のスクリューヘッドが、前記ダイス内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路に挿入され、かつ前記挿入されたスクリューヘッドの先端と、前記ダイアダプターの上流先端と前記ダイとの接触面との距離が20mm以下となり;かつ前記ダイスの内部に挿入されるスクリューヘッドの体積に対する、前記ダイス内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路の容積は3倍以下である、ダイス。
【選択図】図1

Description

本発明は、押出機に装着されるダイスに関する。また、該ダイスが装着された押出機を用いて、熱可塑性樹脂組成物を造粒する方法に関する。
スクリュー押出機で熱可塑性樹脂組成物を造粒するときに、スクリュー押出機の内部で熱可塑性樹脂組成物を溶融混練する。溶融混練された熱可塑性樹脂組成物は、スクリューでダイスに輸送されて、さらにダイスに配置された穴を通して押し出される。この輸送において、溶融混練物がダイアダプターの内部で長時間滞留すると、ダイスの内壁面付近の樹脂が熱により劣化して、内壁面に炭化物が付着する。内壁面に付着した炭化物は、樹脂組成物の造粒中に剥がれて製造される造粒物に混入することがあり、製品である造粒物の品質を低下させるなどの不具合を生じさせていた。前記壁面に付着した炭化物が造粒物に混入することを防ぐためには、造粒操作を頻繁に停止して、押出機のダイスを分解して清掃を行う必要がある。これは、造粒の生産性を低下させるという問題を生じさせる。
このような問題に対して、結晶性樹脂または結晶性樹脂組成物を押し出すときの温度条件などを調整して、ダイ部の滞留による樹脂の劣化による物性低下を抑制する技術が提案されている(特許文献1を参照)。また、造粒機内の樹脂をブレーカープレートに形成された複数の穴を通して外部へ押し出す際に、そのブレーカープレートに形成された穴を内部から外部へ放射状に傾斜させることにより、造粒機内の樹脂流路での溶融樹脂の滞留を減らすことが提案されている(特許文献2を参照)。
しかしながら、これらの技術よっては、特にエンジニアリングプラスチックスなどの、高融点で成形温度が高い熱可塑性樹脂の造粒では、十分な効果が得られない場合がある。
特開2002−307427号公報 特開平10−119116号公報
本発明は、スクリュー押出機で溶融混練された熱可塑性樹脂組成物が、ダイアダプター内部で滞留することにより熱で劣化し、炭化物を生じさせることを抑制することを目的とする。それにより、生じた炭化物がダイスの内壁面に付着したり、それが剥離して造粒物に混入したりすることを抑制する。またダイスの内壁面に付着した炭化物を、ダイスの分解清掃により除去する作業を不要として、生産効率の低下を防ぐ。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、押出機に装着されるダイスの形状(ダイス内部の形状やダイに配された小孔)を特定の形状とした。これにより、加熱と押出機のスクリューによる機械的操作とで可塑化されて溶融した樹脂が、押出機のスクリュー先端部からダイに移行するまでの間に、ダイアダプター壁面などに付着して滞留しにくくなることを見いだした。またそれにより、前記溶融した樹脂が、スムーズにダイに配された小孔まで移行することができることを見出した。その結果、従来のダイアダプターで問題であった炭化物の発生を極めて低減させて、本発明を完成させた。
すなわち本発明の第一は、以下に示すダイスに関する。
[1] 熱可塑性樹脂組成物を押し出し造粒するためのスクリュー押出機の先端に装着されるダイスであって、
前記スクリュー押出機の先端に接合されるダイフランジ、前記ダイフランジとダイを連結するダイアダプター、および前記ダイアダプターに接合され、小孔を配置されたダイから構成され、
前記装着によって、前記スクリュー押出機のスクリューヘッドが、前記ダイス内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路に挿入され、かつ前記挿入されたスクリューヘッドの先端と、前記ダイアダプターの上流端と前記ダイとの接触面との距離が20mm以下となり、
前記ダイスの内部に挿入されるスクリューヘッドの体積に対する、前記ダイス内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路の容積は3倍以下である、ダイス。
[2] 前記ダイアダプター内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路において、
前記流路の上流側流路の横方向の最長幅をL、下流側流路の横方向の最長幅をlとしたとき、l/L < 1であり、かつ
前記流路の上流側流路の縦方向の最長幅をH、下流側流路の縦方向の最長幅をhとしたとき、h/H < 1である、[1]に記載のダイス。
[3] 前記ダイが、上段列および下段列のそれぞれに配列されたn個の小孔、ならびに前記列の列方向の両側それぞれに配置された1個ずつの小孔を備え、
前記列の列方向の両側それぞれに配置された小孔を通して押し出される熱可塑性樹脂組成物の合計流量をQp;前記上段列に配列されたn個の小孔を通して押し出される熱可塑性樹脂の合計流量をQu;前記下段列に配列されたn個の小孔を通して押し出される熱組成樹脂の合計流量をQlとしたとき、
Qp/2の、(Qu+Ql)/2nに対する比率が、0.7〜1.4であり、
前記ダイ内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路の、上流側の前記列の列方向の最長幅をM;前記列方向の両側それぞれに配置された小孔同士の最長距離をmとしたとき;M−m≦10mmである、[1]または[2]に記載のダイス。
本発明の第二は、以下に示す熱可塑性樹脂組成物の造粒物を製造する方法に関する。
[4] [1]〜[3]のいずれかに記載のダイスを装着されたスクリュー押出機で、溶融混練された熱可塑性樹脂組成物を、前記ダイに配置された小孔を通して押し出すステップ、および前記押し出された熱可塑性樹脂組成物を切断するステップを備える、熱可塑性樹脂組成物の造粒物の製造方法。
[5] 前記熱可塑性樹脂組成物が、融点200〜400℃の熱可塑性樹脂を含む、[4]に記載の製造方法。
[6] 前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、ポリイミドからなる群から選択される少なくとも1種である、[4]または[5]に記載の製造方法。
[7] 前記熱可塑性樹脂組成物が、繊維状の強化材および/または難燃剤を含む、[4]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
本発明のダイスを用いることにより、ダイアダプターなどの内部の滞留部で生じる炭化物の発生を著しく低減することができ、かつダイスの内壁に炭化物が付着しにくくなる。よって、内壁に付着した炭化物の剥離による造粒物への混入を大幅に減らせるため造粒物の品質を向上させることができる。さらに、押出機の分解による清掃の頻度を減らすことができ、長期間の連続生産が可能となり、工業的に極めて価値がある。
本発明のダイス、および該ダイスを装着した押出機を使用した熱可塑性樹脂組成物の造粒方法について説明する。
[本発明のダイス]
以下、図面に基づいて本発明のダイスについて説明する。
図1には、本発明のダイスが装着されたスクリュー押出機の先端部の断面が示される。図1に示されるスクリュー押出機先端部は、ダイ1と、ダイアダプター2と、ダイフランジ3から構成されるダイスと、輸送機能のないスクリューヘッド4とを有する。ダイスの内部には、押し出される熱可塑性樹脂が通過する流路が形成されている。またダイ1には、複数の小孔5が設けられている。A−A’面は、ダイフランジ3とダイアダプター2との接触面であり、一方、B−B’面は、ダイアダプター2の上流端とダイ1との接触面である。
本発明のダイス内部は、押し出される熱可塑性樹脂組成物が通過する流路である。造粒される樹脂は、矢印Xの方向に向かって流れる。ダイス内部の流路の容積は、輸送機能のないスクリューヘッド4の体積を1としたときに、通常は3以下であり、好ましくは2.5以下であり、さらに好ましくは2以下である。スクリューヘッド4の体積に対して、熱可塑性樹脂組成物が通過するダイス内部の容積が3を超えると、ダイス内部に滞留した樹脂が熱により劣化しやすいため、好ましくない。「ダイス内部の流路の容積」とは、スクリューヘッドが挿入されていない、ダイス自体の内部容積である。
ダイスが押出機に装着されると、スクリューヘッド4はダイス内部に挿入され、ダイス内部のデッドスペースを少なくする。スクリューヘッド4の位置は移動しないので、ダイス内部での相対位置も固定されている。したがって、ダイス内部で占める容積も一定となる。図2は、スクリューヘッド4の側面図である。スクリューヘッド4の体積とは、ダイス内部に収容される部分(図1参照)の体積を意味し、図2に示されるように、Gの範囲の部分の体積を意味する。
また、ダイ1とダイアダプター2との接触面B−B’と、スクリューヘッド4の先端との距離Dは、通常20mm以下であり、好ましくは15mm以下であり、さらに好ましくは10mm以下である。接触面B−B’と、スクリューの先端との距離が20mmを超えると、スクリュー先端付近に滞留した樹脂が、熱により劣化し好ましくない。
図3−1は、分離したダイ1を下流から見た図(矢印Xの方向からみた図)である。図3−2は、図1に示されたスクリュー押出機の先端部の正面図(矢印Yの方向からみた図)であり、ダイ1とダイアダプター2とが示されている。
図3−1および図3−2に示されるダイ1は、上段列および下段列のそれぞれに配列されたn個の小孔(10−1〜10−n、および11−1〜11−n)、および前記列の列方向の両側それぞれに配列され1個ずつの小孔(12および12’)を備え、それらの小孔を通して熱可塑性樹脂組成物が押し出される。
ここで、前記列の列方向の両側それぞれに配列され1個ずつの小孔(12および12’)を通して押し出される熱可塑性樹脂組成物の合計流量をQpとし;上段列に配列された小孔(10−1〜10−n)を通して押し出される熱可塑性樹脂組成物の合計流量をQuとし;下段列に配列された小孔(11−1〜11−n)の合計流量をQlとしたとき、「Qp/2」の「(Qu+Ql)/2n」に対する比率が、0.7〜1.4であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましく、0.9〜1.2であることがさらに好ましい。
「Qp/2」の「(Qu+Ql)/2n」に対する比率が、0.7未満であるか、または1.4を超えると、小孔12および12’を通して押し出される樹脂組成物の流量と、小孔10−1〜10−nおよび11−1〜11−nを通して押し出される樹脂組成物の流量とのバランスが崩れるので、安定したストランドを引くことができなくなる。
さらに図3−1に示されるように、ダイ1の内部の上流側の流路の列方向(小孔10−1〜10−n、および小孔11−1〜11−nの配列方向)の最長幅をMとし;図3−2に示されるように、前記列の列方向の両側それぞれに配列された1個ずつの小孔12と小孔12’同士の距離をmとしたとき、Mとmの差「M−m」が10mm以下であることが好ましく、6mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。M−mが10mmを超えると、小孔12および小孔12’に樹脂が滞留し、熱により劣化しやすくなるため、好ましくない。
図4−1は、図1に示されるダイアダプター2を下流(矢印X方向)から見た図である。一方、図4−2は、図1に示されるダイアダプター2を下流方向(矢印Y方向)から見た図である。図4−1および図4−2に示されるように、ダイアダプター2の内部には樹脂組成物の流路が形成されている。
図4−1に示されるように、ダイアダプター2の内部の上流側流路の横方向の最大幅をL、縦方向の最大幅をHとする。また図4−2に示されるように、ダイアダプター2の内部の下流側流路の横方向の最大幅をl、縦方向の最大幅をhとする。
このときに、l/Lおよびh/Hのいずれもが1より小さい(つまり上流側の流路幅が、下流側の流路幅よりも大きい)ことが好ましい。さらに、l/Lが0.9より小さく、かつh/Hが0.8より小さいことがより好ましく;l/Lが0.8より小さく、かつh/Hが0.7より小さいことがさらに好ましい。
l/Lが1以上であり、またはh/Hが1以上であると、上流側流路の容積が、下流側流路の容積よりも大きくなるので、ダイアダプター2の内部の流路を通過する熱可塑性樹脂の流速が遅くなる。そのため、ダイス内部に滞留した樹脂が熱により劣化しやすくなり、好ましくない。
本発明のダイスはスクリュー押出機の先端部に装着して、熱可塑性樹脂組成物を造粒するために使用することができる。
[熱可塑性樹脂組成物]
本発明のダイスが装着されたスクリュー押出機を用いて造粒される熱可塑性樹脂組成物には、熱可塑性樹脂に、強化剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、消泡剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、増粘剤、耐熱安定剤、耐候安定剤などの添加剤が、適宜に配合されていることが好ましい。これらの添加剤は、目的に応じて選択することができ、本発明の目的を損なわない範囲内で用いることができる。
熱可塑性樹脂組成物に含まれる強化剤の例には、繊維状、粉状、板状、針状、クロス状、マット状等の種々の形状を有する強化剤が含まれるが、特に繊維状の強化剤が好ましい。繊維状の強化剤は、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、セラミック繊維、ウォラストナイト、炭素繊維、金属炭化物繊維、金属硬化物繊維などの無機繊維、また有機繊維でありうる。これらの繊維状充填剤の表面は、シラン系化合物等で表面処理されていてもよい。これらの中では耐熱性の点から無機繊維、特にガラス繊維が好ましい。強化剤の添加量は、使用する熱可塑性樹脂の種類および目的にもよるが、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01〜400質量部、好ましくは0.1〜200質量部である。それにより熱可塑性樹脂の剛性および耐熱性を改良することができる。
また、熱可塑性樹脂組成物に含まれる難燃剤は、樹脂に難燃性を付与できるものであればよい。難燃剤の例には、有機系難燃剤と無機系難燃剤が含まれる。有機系難燃剤としては、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤などが好ましく、無機難燃剤としては、水和金属化合物、金属化合物、金属酸化物などが好ましい。
また、臭素系難燃剤や塩素系難燃剤と、難燃助剤とを組合わせて用いてもよい。難燃助剤の例には、酸化アンチモンやアンチモン酸ナトリウム等のアンチモン化合物;酸化マグネシウム等の金属酸化物;ホウ酸亜鉛などの金属ホウ酸塩;酸化亜鉛、錫酸亜鉛、燐酸亜鉛等の亜鉛化合物;モリブデン化合物などが含まれる。特に難燃助剤は、アンチモン酸ナトリウムとホウ酸亜鉛が好ましい。
難燃剤の添加量は、押し出し造粒される熱可塑性樹脂組成物の種類および目的にもよるが、熱可塑性樹脂100質量部に対して10〜200質量部、好ましくは20〜100質量部である。れにより、難燃性の高い熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。さらにこれらの難燃剤とともに、ドリップ防止剤等が添加されてもよい。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂は、剪断発熱や熱を加えることによって可塑化する樹脂であればよく、特に限定されない。熱可塑性樹脂の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリルスチレン共重合体、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、熱可塑性ポリイミドなどが含まれる。これらの樹脂を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のダイスを装着した押出機は、特に、エンジニアリングプラスチックスなどの高融点であって、成形加工温度の高い熱可塑性樹脂の押し出し造粒に好適である。高融点の熱可塑性樹脂の融点は、通常は200〜450℃であり、210〜400℃であることが好ましく、220〜350℃であることがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂は、具体的にはポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、または熱可塑性ポリイミドが好ましく、なかでもポリアミドが好ましい。ポリアミドの例には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド46などの脂肪族ポリアミド;ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミド10T、ポリアミドMXD6等の半芳香族ポリアミド;およびこれらの共重合体などが含まれる。
[本発明の熱可塑性樹脂組成物の造粒物の製造方法]
本発明の熱可塑性樹脂組成物の造粒に使用する押出機は、一軸スクリュー、または二軸以上のスクリュー、またはこれらを組合わせたスクリューを有する。二軸スクリューを有する場合には、それぞれの軸の回転方向は反対でも同じでもよく、また噛み合い型でも非噛み合い型でもよい。軸の形状はパラレルタイプでもコニカルタイプでもよい。さらに、スクリュー押出機を多段に組合わせたタンデム方式でもよい。
これらのスクリュー押出機の先端部に本発明のダイスを装着して、熱可塑性樹脂組成物を造粒して、造粒物を製造することができる。具体的には、まずパウダー状熱可塑性樹脂、ペレット状熱可塑性樹脂、または溶融後に固化した樹脂を粉砕等した熱可塑性樹脂に、目的に応じて安定剤、充填剤、難燃剤、顔料などの添加剤を混合する。混合は、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダーなどを用いて行えばよい。
得られた混合物を、本発明のダイスを装着したスクリュー押出機に供給する。押出機で加熱またはスクリューによる機械的操作で可塑化されて溶融した熱可塑性樹脂は、押出機のスクリュー軸の回転によりスクリューヘッドの先端まで輸送される。スクリューヘッドの先端にまで輸送された熱可塑性樹脂組成物は、圧力によってダイフランジ、ダイアダプターおよびダイの内部(流路)を通り、ダイに配置された小孔を通して押し出される。押し出された樹脂組成物をカッターで切断することにより、造粒物を得ることができる。
以下、実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらによって限定されない。
[ダイス]
図1〜図4で表される形状のダイスを準備した。
スクリューヘッドの体積を31mmとして、熱可塑性樹脂組成物が通過するダイス内部の容積を55.8mmとして、その比を1.8とした。また、ダイとダイアダプターとの接触面と、スクリューヘッドの先端の距離を6mmに設定した。
また、ダイアダプターの上流部の流路の横方向の最長幅Lを85.5mmとして、下流側の流路の横方向の最長幅lを72.5mmとして、l/Lを0.85とした。さらに、ダイアダプターの上流流路の縦方向の最長幅Hを47mmとして、下流流路の縦方向の最長幅hを15mmとして、h/Hを0.32とした。
ダイには、上段列に10個の小孔、下段列に10個の小孔と、両側にそれぞれ1個の各孔を配置した。このとき「Qp/2」と「Qu+Ql/10」の比率は1.01となった。
さらにダイの上流側流路の横方向の最長幅Mを72.5mmとして、一方、下流側流路の列の両側にそれぞれ配置された2つの小孔同士の距離mを64mmとして、M−m=8.5mmとした。
[黒色炭化物を含む造粒物の数の評価]
ペレット5kgを白色のデコラ板上に広げ、目視にて10分間観察して、直径0.6mm以上の黒色の異物を含むペレットの個数を測定した。
[実施例1]
準備したダイスを装着した二軸押出機(日本製鋼所社製 TEX−44α)の原料ホッパーに、変性ポリアミド6T(極限粘度0.8dl/g、融点320℃)42質量部、臭素系難燃剤24質量部、アンチモン酸ソーダ4質量部を配合した混合物を供給した。さらにサイドフィーダーから、ガラス繊維30質量部を供給して、ガラス繊維によって強化された難燃性ポリアミド樹脂組成物を得た。
押出機内の組成物を、ダイの小孔から吐出させて造粒操作を行い、造粒物を製造した。吐出速度を200kg/時間に設定した。造粒開始直後、1トン製造時、2トン製造時、3トン製造時および5トン製造時に、それぞれ造粒ペレット5kgを採取した。採取した造粒ペレットを白色のデコラ板上に広げて、目視にて10分間観察して樹脂の劣化による黒色の炭化物を含む造粒ペレットの個数を測定して評価した。その評価結果を表1に示す。
また、樹脂組成物の造粒物を5トン製造後に、分子量24万〜26万のポリスチレンを用いて、二軸押出機内部をパージした。ダイを外して、ダイアダプターとダイフランジを開放した。ダイおよびダイアダプター内部を目視にて確認した。ダイアダプターの壁面、およびダイ内部に付着した炭化物は認められなかった。
[比較例1]
スクリューヘッドの体積を31mmとして、熱可塑性樹脂組成物が通過するダイス内部の容積を161mmとして、その比率を4以上とした。ダイとダイアダプターとの接触面と、スクリューヘッドの先端との距離を40mmに設定した。ダイアダプター内部の上流側の流路の横方向の最長幅Lを85.5mmとして、下流側の流路の横方向の最長幅をlを85.5mmとして、l/Lを1とした。さらに、ダイアダプター内部の上流側の流路の縦方向の最長幅Hを47mmとして、下流側の流路の縦方向の最長幅hを47mmとして、h/Hを1とした。
ダイには、横1列の12個の孔を配置した。ダイ内部の上流側流路の横方向の最長幅Mを87mmとして、下流側の列の両側にそれぞれ配置された2つの小孔同士の距離mを64mmとして、M−mを23mmとした。
実施例1と同様に造粒物を製造した。樹脂の劣化による黒色の炭化物を含む造粒物の個数を測定した。評価結果を表1に示す。さらに、実施例1と同様に押出機内部をパージした後にダイを外して、ダイアダプターとダイフランジを開放して、ダイアダプター内を目視にて観察したところ、ダイアダプターの壁面に厚さ5〜10mmの黒色の炭化物が付着しており、かつダイ内部にも多くの黒色炭化物が付着していた。
Figure 2009220306
本発明のダイスは、熱可塑性樹脂、特に融点の高いエンジニアリングプラスチックスの造粒において、押出造粒機に装着されたダイスの内部の滞留部で発生する炭化物を低減することができる。したがって、ダイスの内壁に付着した炭化物が剥離して造粒物へ混入することを防止する。さらに、押出機等の設備の分解清掃の頻度を減らすことができ、工業的に極めて価値がある。
ダイ、ダイアダプターおよびダイフランジから構成されるダイスと、スクリューヘッドとからなる押出機先端部の断面図である。 図1に示されるスクリューヘッドの側面図である。 図1のダイを下流(X方向)から見た図である。 図1のダイを上流(Y方向)から見た図である。 図1のダイアダプターのA−A’断面を、下流(X方向)から見たダイアダプターの図である。 図1のダイアダプターのB−B’断面を、上流(Y方向)から見た図である。
符号の説明
1 ダイ
2 ダイアダプター
3 ダイフランジ
4 スクリューヘッド
5 小孔
10−1〜10−n 小孔
11−1〜11−n 小孔
12,12’ 小孔

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂組成物を押し出し造粒するためのスクリュー押出機の先端に装着されるダイスであって、
    前記スクリュー押出機の先端に接合されるダイフランジ、前記ダイフランジとダイを連結するダイアダプター、および前記ダイアダプターに接合され、小孔を配置されたダイから構成され、
    前記装着によって、前記スクリュー押出機のスクリューヘッドが、前記ダイス内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路に挿入され、かつ前記挿入されたスクリューヘッドの先端と、前記ダイアダプターの上流端と前記ダイとの接触面との距離が20mm以下となり、
    前記ダイスの内部に挿入されるスクリューヘッドの体積に対する、前記ダイス内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路の容積は3倍以下である、ダイス。
  2. 前記ダイアダプター内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路において、
    前記流路の上流側流路の横方向の最長幅をL、下流側流路の横方向の最長幅をlとしたとき、l/L < 1であり、かつ
    前記流路の上流側流路の縦方向の最長幅をH、下流側流路の縦方向の最長幅をhとしたとき、h/H < 1である、請求項1に記載のダイス。
  3. 前記ダイが、上段列および下段列のそれぞれに配列されたn個の小孔、ならびに前記列の列方向の両側それぞれに配置された1個ずつの小孔を備え、
    前記列の列方向の両側それぞれに配置された小孔を通して押し出される熱可塑性樹脂組成物の合計流量をQp;前記上段列に配列されたn個の小孔を通して押し出される熱可塑性樹脂の合計流量をQu;前記下段列に配列されたn個の小孔を通して押し出される熱組成樹脂の合計流量をQlとしたとき、
    Qp/2の、(Qu+Ql)/2nに対する比率が、0.7〜1.4であり、
    前記ダイ内部の前記熱可塑性樹脂組成物の流路の、上流側の前記列の列方向の最長幅をM;前記列方向の両側それぞれに配置された小孔同士の最長距離をmとしたとき;M−m≦10mmである、
    請求項1または2に記載のダイス。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のダイスを装着されたスクリュー押出機で、溶融混練された熱可塑性樹脂組成物を、前記ダイに配置された小孔を通して押し出すステップ、
    前記押し出された熱可塑性樹脂組成物を切断するステップを備える、
    熱可塑性樹脂組成物の造粒物の製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物が、融点200〜400℃の熱可塑性樹脂を含む、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、ポリイミドからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂組成物が、繊維状の強化材および/または難燃剤を含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
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