JP2009220023A - 複合半透膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い溶質除去性、高い水透過性とともに高い耐久性を有する複合半透膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 微多孔性支持膜上に多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合によってポリアミド分離機能層を形成する工程Aと、前記ポリアミド分離機能層をヒドラジンと接触させてヒドラジドととする工程Bと、その後、ヒドラジドと反応して酸アジドを生成する試薬に接触させる工程Cを含む製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液状混合物の選択的分離に有用な複合半透膜の製造方法に関する。本発明によって得られる複合半透膜は例えば海水やかん水の淡水化に好適に用いることができる。
混合物の分離に関して、溶媒(例えば水)に溶解した物質(例えば塩類)を除くための技術には様々なものがあるが、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして膜分離法の利用が拡大している。膜分離法に使用される膜には、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜などがあり、これらの膜は、例えば海水、かん水、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられている。
現在市販されている逆浸透膜およびナノろ過膜の大部分は複合半透膜であり、多孔性支持膜上にゲル層とポリマーを架橋した活性層を有するものと、多孔性支持膜上でモノマーを重縮合した活性層を有するものの2種類がある。なかでも、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応によって得られる架橋ポリアミドからなる分離機能層を多孔性支持膜上に被覆して得られる複合半透膜は、透過性や選択分離性の高い分離膜として広く用いられている。しかしながら、資源の枯渇・高騰、環境保全の観点から、さらに省エネルギーを意図した高透水性を実現する簡便な膜の処理方法、製造方法が望まれている。
透水性を向上させるための処理方法として、例えば、亜硝酸による後処理方法(特許文献1)や塩素による後処理方法(特許文献2)が知られている。
特開昭63−175604号公報 特開昭63−54905号公報
本発明は、高い溶質除去性、高い水透過性とともに高い耐久性を有する複合半透膜の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、以下の構成をとる。すなわち、
(1)ポリアミド分離機能層を有する複合半透膜の製造方法であって、微多孔性支持膜上に多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合によってポリアミド分離機能層を形成する工程Aと、前記ポリアミド分離機能層をヒドラジンと接触させてヒドラジドととする工程Bと、その後、ヒドラジドと反応して酸アジドを生成する試薬に接触させる工程Bを含むことを特徴とする複合半透膜の製造方法。
(2)前記ヒドラジドと反応して酸アジドを生成する試薬が亜硝酸および/またはその塩を含む水溶液である(1)に記載の複合半透膜の製造方法。
(3)工程Cの後に40℃以上100℃以下の温度で熱水処理する工程Dを含む(1)または(2)に記載の複合半透膜の製造方法。
本発明によれば、高い溶質除去性と高い水透過性を有し、さらに高い耐久性を併せ持つ複合半透膜を得ることができる。
本発明に係る複合半透膜は、微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を形成してなる複合半透膜である。
本発明において微多孔性支持膜は、実質的にイオン等の分離性能を有さず、実質的に分離性能を有する分離機能層に強度を与えるためのものである。孔のサイズや分布は特に限定されないが、例えば、均一で微細な孔、あるいは分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面まで徐々に大きな微細孔をもち、かつ、分離機能層が形成される側の表面で微細孔の大きさが0.1nm以上100nm以下であるような支持膜が好ましい
微多孔性支持膜に使用する材料やその形状は特に限定されないが、例えばポリエステルまたは芳香族ポリアミドから選ばれる少なくとも一種を主成分とする布帛により強化されたポリスルホンや酢酸セルロースやポリ塩化ビニル、あるいはそれらを混合したものが好ましく使用される。使用される素材としては、化学的、機械的、熱的に安定性の高いポリスルホンを使用するのが特に好ましい。
具体的には、次の化学式に示す繰り返し単位からなるポリスルホンを用いると、孔径が制御しやすく、寸法安定性が高いため好ましい。
Figure 2009220023
例えば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を、密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させることによって、表面の大部分が直径数10nm以下の微細な孔を有した微多孔性支持膜を得ることができる。
上記の多孔性支持体および基材の厚みは、複合半透膜の強度およびそれをエレメントにしたときの充填密度に影響を与える。十分な機械的強度および充填密度を得るためには、50〜300μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは100〜250μmの範囲内である。また、多孔性支持体の厚みは、10〜200μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは30〜100μmの範囲内である。
多孔性支持膜形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間顕微鏡により観察できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材から多孔質支持体を剥がした後、これを凍結割断法で切断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金または白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3〜6kVの加速電圧で高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、日立製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。得られた電子顕微鏡写真から多孔性支持体の膜厚や表面孔径を決定する。なお、本発明における厚みや孔径は平均値を意味するものである。
分離機能層を構成するポリアミドは、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合により形成することができる。多官能アミンまたは多官能酸ハロゲン化物成分の少なくとも一方が3官能以上の化合物を含んでいることが好ましい。
分離機能層の厚みは、十分な分離性能および透過水量を得るために、通常0.01〜1μmの範囲内、好ましくは0.1〜0.5μmの範囲内である。
ここで、多官能アミンとは、一分子中に少なくとも2個の一級および/または二級アミノ基を有するアミンをいい、例えば、2個のアミノ基がオルト位やメタ位、パラ位のいずれかの位置関係でベンゼンに結合したフェニレンジアミン、キシリレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸などの芳香族多官能アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの脂肪族アミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、1,3−ビスピペリジルプロパン、4−アミノメチルピペラジンなどの脂環式多官能アミン等を挙げることができる。中でも、膜の選択分離性や透過性、耐熱性を考慮すると、一分子中に2〜4個の一級および/または二級アミノ基を有する芳香族多官能アミンであることが好ましく、このような多官能芳香族アミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンが好適に用いられる。中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさから、m−フェニレンジアミン(以下、m−PDAと記す)を用いることがより好ましい。これらの多官能アミンは、単独で用いても、2種以上を同時に用いてもよい。
多官能酸ハロゲン化物とは、一分子中に少なくとも2個のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロゲン化物をいう。例えば、3官能酸ハロゲン化物では、トリメシン酸クロリド、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリクロリド、1,2,4−シクロブタントリカルボン酸トリクロリドなどを挙げることができ、2官能酸ハロゲン化物では、ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、アゾベンゼンジカルボン酸ジクロリド、テレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリド、ナフタレンジカルボン酸クロリドなどの芳香族2官能酸ハロゲン化物、アジポイルクロリド、セバコイルクロリドなどの脂肪族2官能酸ハロゲン化物、シクロペンタンジカルボン酸ジクロリド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロリド、テトラヒドロフランジカルボン酸ジクロリドなどの脂環式2官能酸ハロゲン化物を挙げることができる。多官能アミンとの反応性を考慮すると、多官能酸ハロゲン化物は多官能酸塩化物であることが好ましく、また、膜の選択分離性、耐熱性を考慮すると、一分子中に2〜4個の塩化カルボニル基を有する多官能芳香族酸塩化物であることが好ましい。中でも、入手の容易性や取り扱いのしやすさの観点から、トリメシン酸クロリドを用いるとより好ましい。これらの多官能酸ハロゲン化物は、単独で用いても、2種以上を同時に用いてもよい。
次に、本発明の複合半透膜の製造方法について説明する。
複合半透膜における分離機能層は、例えば、前述の多官能アミンを含有する水溶液と、多官能酸ハロゲン化物を含有する、水と非混和性の有機溶媒溶液とを用い、微多孔性支持膜の表面で界面重縮合を行うことによりその骨格を形成できる。
ここで、多官能アミン水溶液における多官能アミンの濃度は0.1〜20重量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15重量%の範囲内である。この範囲であると十分な塩除去性能および透水性を得ることができる。多官能アミン水溶液には、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との反応を妨害しないものであれば、界面活性剤や有機溶媒、アルカリ性化合物、酸化防止剤などが含まれていてもよい。界面活性剤は、多孔性支持膜表面の濡れ性を向上させ、アミン水溶液と非極性溶媒との間の界面張力を減少させる効果があり、有機溶媒は界面重縮合反応の触媒として働くことがあり、添加することにより界面重宿合反応を効率よく行える場合がある。
界面重縮合を多孔性支持膜上で行うために、まず、上述の多官能アミン水溶液を多孔性支持膜に接触させる。接触は、多孔性支持膜面上に均一にかつ連続的に行うことが好ましい。具体的には、例えば、多官能アミン水溶液を多孔性支持膜にコーティングする方法や多孔性支持膜を多官能アミン水溶液に浸漬する方法を挙げることができる。多孔性支持膜と多官能アミン水溶液との接触時間は、1〜10分間の範囲内であることが好ましく、1〜3分間の範囲内であるとさらに好ましい。
多官能アミン水溶液を多孔性支持膜に接触させた後は、膜上に液滴が残らないように十分に液切りする。十分に液切りすることで、膜形成後に液滴残存部分が膜欠点となって膜性能が低下することを防ぐことができる。液切りの方法としては、例えば、特開平2−78428号公報に記載されているように、多官能アミン水溶液接触後の多孔性支持膜を垂直方向に把持して過剰の水溶液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの気流を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。また、液切り後、膜面を乾燥させて水溶液の水分を一部除去することもできる。
次いで、多官能アミン水溶液接触後の支持膜に、多官能酸ハロゲン化物を含む有機溶媒溶液を接触させ、界面重縮合により架橋ポリアミド分離機能層の骨格を形成させる。
有機溶媒溶液中の多官能酸ハロゲン化物の濃度は、0.01〜10重量%の範囲内であると好ましく、0.02〜2.0重量%の範囲内であるとさらに好ましい。0.01重量%以上とすることで十分な反応速度が得られ、また、10重量%以下とすることで副反応の発生を抑制することができるためである。さらに、この有機溶媒溶液にDMFのようなアシル化触媒を含有させると、界面重縮合が促進され、さらに好ましい。
有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ酸ハロゲン化物を溶解し、微多孔性支持膜を破壊しないものが望ましく、アミノ化合物および酸ハロゲン化物に対して不活性であるものであればよい。好ましい例として、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカンなどの炭化水素化合物が挙げられる。
多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液のアミノ化合物水溶液相への接触の方法は、多官能アミン水溶液の微多孔性支持膜への被覆方法と同様に行えばよい。
上述したように、酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液を接触させて界面重縮合を行い、多孔性支持膜上に架橋ポリアミドを含む分離機能層を形成したあとは、余剰の溶媒を液切りするとよい。液切りの方法は、例えば、膜を垂直方向に把持して過剰の有機溶媒を自然流下して除去する方法を用いることができる。この場合、垂直方向に把持する時間としては、1〜5分間の間にあることが好ましく、1〜3分間であるとより好ましい。短すぎると分離機能層が完全に形成せず、長すぎると有機溶媒が過乾燥となり欠点が発生しやすく、性能低下を起こしやすい場合がある。
次いで、形成したポリアミド分離機能層をヒドラジンに接触させ、ヒドラジドとする。無水ヒドラジンは毒物であるので、安全性の面から水和物を使用するのが好ましい。ヒドラジンは水やアルコールの溶液として用いてもよい。ヒドラジンとの接触時間は1秒〜10分間の範囲であることが好ましく、10秒〜5分間であるとより好ましい。短すぎると反応が十分に進行せず、長すぎると生産効率が低下してしまう場合がある。
次いで、ヒドラジンとしたポリアミド分離機能層に、ヒドラジドと反応して酸アジドを生成する試薬を接触させる。
本発明の、ヒドラジドと反応して酸アジドを生成する試薬としては、亜硝酸およびその塩、ニトロシル化合物などの水溶液が挙げられる。亜硝酸やニトロシル化合物の水溶液は気体を発生して分解しやすいので、例えば、亜硝酸塩と酸性溶液との反応によって亜硝酸を逐次生成するのが好ましい。一般に、亜硝酸塩は水素イオンと反応して亜硝酸を生成するが、20℃の水溶液ではpHが7以下、好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下で効率よく生成する。中でも、取り扱いの簡便性から水溶液中で塩酸または硫酸と反応させた亜硝酸ナトリウムの水溶液が特に好ましい。
ヒドラジドと反応して酸アジドを生成する試薬中の亜硝酸や亜硝酸塩の濃度は、20℃において0.01〜1重量%の範囲であると好ましい。0.01%よりも低い濃度では十分な効果が得られず、1%よりも高い濃度では溶液の取り扱いが困難となる場合がある。
上述の方法により得られた複合半透膜は、40〜100℃の範囲内、好ましくは60〜100℃の範囲内で1〜10分間、より好ましくは2〜8分間熱水処理する工程などを付加することで、複合半透膜の溶質阻止性能や透水性をより一層向上させることができる。
また、得られた複合半透膜をさらに酸性水溶液で処理することも性能向上のために効果的である。pH1〜3の酸性水溶液に1〜30分間、より好ましくは1〜10分間接触させると良い。
このように形成される本発明の複合半透膜は、プラスチックネットなどの原水流路材と、トリコットなどの透過水流路材と、必要に応じて耐圧性を高めるためのフィルムと共に、多数の孔を穿設した筒状の集水管の周りに巻回され、スパイラル型の複合半透膜エレメントとして好適に用いられる。さらに、このエレメントを直列または並列に接続して圧力容器に収納した複合半透膜モジュールとすることもできる。
また、上記の複合半透膜やそのエレメント、モジュールは、それらに原水を供給するポンプや、その原水を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、原水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
流体分離装置の操作圧力は高い方がホウ素除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、複合半透膜の耐久性を考慮すると、複合半透膜に被処理水を透過する際の操作圧力は、1.0MPa以上、10MPa以下が好ましい。供給水温度は、高くなるとホウ素除去率が低下する場合があるが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上、45℃以下が好ましい。また、供給水pHは、高くなると供給水中のホウ素がホウ酸イオンに解離するためホウ素除去率が向上するが、海水などの高塩濃度の供給水の場合、マグネシウムなどのスケールが発生する恐れがあり、また、高pH運転による膜の劣化が懸念されるため、中性領域での運転が好ましい。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例および比較例における膜の特性は、複合半透膜に、温度25℃、pH6.5に調整した海水(TDS濃度約3.5%)を操作圧力5.5MPaで供給して膜ろ過処理を行ない、透過水、供給水の水質を測定することにより求めた。
(脱塩率(TDS除去率))
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
(膜透過流束)
供給水(海水)が膜透過した水量を、膜面1平方メートル当たり、1日あたりの透水量(立方メートル)でもって表した(m/m・日)。
(TDS透過係数)
「膜処理技術大系」、上巻、p171、中垣 正幸 監修,フジテクノシステム(1991)記載の以下の計算式から求めた。
TDS透過係数(m/s)={(100−TDS除去率)/TDS除去率}×膜透過流束×115.7×10−7
(膜組成評価方法)
分離機能層中における上記式(1)で表される置換基の存在は、分離機能層を支持膜から剥離させたものに対して、固体NMRスペクトルを測定したり、あるいは強アルカリ水溶液で加熱することにより加水分解した試料のHPLC測定やH−NMRスペクトル測定をしたりすることによって分析ができる。
(実施例1)
ポリエステル不織布(通気度0.5〜1cc/cm・sec)上にポリスルホンの15.3重量%DMF溶液を200μmの厚みで室温(25℃)でキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって微多孔性支持膜を作製した。
このようにして得られた微多孔性支持膜(厚さ210〜215μm)を、m−PDAの3.4重量%水溶液中に2分間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、トリメシン酸クロリド(以下TMCという)0.15重量%を含むn−デカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に、膜から余分な溶液を除去するために膜を1分間垂直に把持して液切りした。その後、ヒドラジン1水和物を10%含むイソプロピルアルコール溶液を表面が完全に濡れるように塗布して2分間静置し、窒素を吹き付けて余分な溶液を除去した。次いで、硫酸でpH3に調整した0.3重量%の亜硝酸ナトリウムを含む水溶液に1分間浸漬し、90℃の熱水で2分間処理して複合半透膜を得た。
得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、TDS除去率はそれぞれ表1に示す値であった。
(比較例1)
ポリアミド分離機能層をヒドラジンと接触させないこと、および、亜硝酸ナトリウム水溶液と接触させないこと以外は実施例1と同様の工程により膜を作成した。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
ポリアミド分離機能層を亜硝酸ナトリウムと接触させないこと以外は実施例1と同様の工程により膜を作成した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
ポリアミド分離機能層をヒドラジンと接触させないこと以外は実施例1と同様の工程により膜を作成した。評価結果を表1に示す。
Figure 2009220023
本発明の処理方法および製造方法は、特に、かん水や海水の脱塩に有用な半透膜の製造に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. ポリアミド分離機能層を有する複合半透膜の製造方法であって、微多孔性支持膜上に多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合によってポリアミド分離機能層を形成する工程Aと、前記ポリアミド分離機能層をヒドラジンと接触させてヒドラジドとする工程Bと、その後、ヒドラジドと反応して酸アジドを生成する試薬に接触させる工程Cを含むことを特徴とする複合半透膜の製造方法。
  2. 前記ヒドラジドと反応して酸アジドを生成する試薬が亜硝酸および/またはその塩を含む水溶液である請求項1に記載の複合半透膜の製造方法。
  3. 工程Cの後に40℃以上100℃以下の温度で熱水処理する工程Dを含む請求項1または2に記載の複合半透膜の製造方法。
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