JP2009218392A - 金属コア多層プリント配線板 - Google Patents

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泰 木原
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博 折戸
Yoshimasa Suzuki
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Abstract

【課題】スルーホールまたはインナーバイアホールのめっきに対して、高温、低温の温度サイクルの厳しい環境下においても導通信頼性の高い、厚肉導体を用いた金属コア多層プリント配線板を提供する。
【解決手段】内層の配線パターン導体層11と、外層の配線パターン導体層14及び15とを備え、内層の配線パターン導体層11と外層の配線パターン導体層14との間に絶縁層12と、内層の配線パターン導体層11と外層の配線パターン導体層15との間に絶縁層13とを備えた金属コア多層プリント配線板10において、内層の配線パターン導体層11の厚さをL1とし、絶縁層12及び13の厚さをL2及びL3とし、外層の配線パターン導体層14及び外層の配線パターン導体層15の厚さをL4及びL5とするとき、金属コア多層プリント配線板10は、L1≦L2≦L1×2及びL1≦L3≦L1×2の条件を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属コアを内部に有する金属コア多層プリント配線板に関する。特に、スルーホールまたはインナーバイアホールのめっきに対して、高温、低温の温度サイクルの厳しい環境下においても導通信頼性の高い、厚肉導体を用いた金属コア多層プリント配線板に関する。
配線パターン導体層が積層されたプリント基板において、所望の配線パターン導体層(以下本明細書においては、特に必要のない限り、単に「導体層」と称する)を電気的に相互接続する方法としてバイアホールが用いられる(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。バイアホールの形成方法としては、プリント基板の厚さ方向に貫通孔(スルーホール)をあけ、貫通孔壁面に厚さ20μm〜30μmの銅めっきを施し、所望の導体層の層間を電気的に接続する方法が一般的に用いられる。尚、プリント基板は、ガラス繊維とエポキシ樹脂をベースとした絶縁材料が用いられ、導体層として電解銅箔が用いられ、バイアホールには上述した銅めっきが施されている。
従来から、プリント基板の電気的特性として課題となっているのは、バイアホールに施された薄膜の銅めっき導体の疲労破断である。銅めっきの疲労破断発生のメカニズムは、高温、低温の温度サイクル環境下における絶縁材料と銅めっきとの熱膨張差によるものである。
高温、低温の環境下において、絶縁材料は銅めっきよりも大きく膨張したり、収縮したりする。そのため、銅めっきは自己の生ずる膨張、収縮より大きな歪を受け、温度サイクルの増加によりその歪が蓄積して疲労破断を生ずることとなる。
特に、自動車のエンジンルームに適用されるプリント基板は、熱的信頼性において高いレベルが求められ、冷熱衝撃試験においては、−40℃〜145℃の広い温度レンジで、1000サイクル以上での信頼性確保が求められる。
銅めっきの破断寿命を長くする方法としては、絶縁材料の熱応力を低下させることが効果的であり、その方法としては、絶縁材料の熱膨張係数の低減、弾性率の低減を図る方法がある。
また、他の方法としては、プリント配線板の幾何学構造による方法もある。この方法は、絶縁材料が粘弾性の性質を有することを利用するもので、絶縁材料の熱変形挙動を、スルーホール銅めっきに負担の掛からない場所に多く発生させることにより、銅めっきに生ずる歪を低減させる方法である。
この方法は、粘弾性(剛性)、熱膨張係数の異なる絶縁材料と導体層の幾何学的な配置による方法である。例えば、基板厚さが同様な2つの多層プリント配線板があり、その2つの配線板の内層導体の厚さが異なる場合、両者の配線板のスルーホールめっきに生ずる熱応力は異なるレベルを示し、冷熱衝撃試験での導通寿命も異なる特性を示す。即ち、配線板の内層導体の厚さにより、絶縁材料の熱応力を低下させる方法である。
特開平8−162765号公報 特開平6−224561号公報
近年、例えば、自動車において、制御の電動化、ハイブリッドカー用モータなど、大電流化される電装部品が使用されている。プリント基板の大電流化は、導体層の厚さを厚くすることで対応しており、汎用銅箔である厚さ18μm〜35μmを超える、70μm以上の厚さの厚肉銅箔が用いられている。
汎用銅箔を用いた多層プリント配線板は、導体層間に絶縁材料(プリプレグ)の規格品1枚を用いると、内層の導体層の厚さは基板厚さの3分の1以下で、基板厚さの大部分は、絶縁材料である絶縁層の厚さとなり、導体層の厚さがプアな基板構造となる。尚、基板厚さとは、表面の導体層及び裏面の導体層を除いた厚さ、即ち、内層の導体層の厚さと絶縁層の厚さを合計した厚さである。
一方、厚肉銅箔を用いた多層プリント配線板は、上記と同様に、導体層間に絶縁材料(プリプレグ)の規格品1枚を用いると、内層の導体層の厚さは基板厚さの2分の1以下で、汎用銅箔を用いた多層プリント配線板よりも基板厚さに絶縁層の厚さが占める割合が減少し、導体層の厚さがリッチな基板構造となる。
しかしながら、導体層の厚さがリッチな基板構造となると、冷熱衝撃環境下では、絶縁材料と導体材料との剛性の差に起因して、スルーホールめっきに局所的に大きな熱応力が発生してしまうという問題点があった。即ち、スルーホールに施された薄膜のめっきに対する導通寿命が短くなり熱的信頼性を損なうという問題点があった。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、スルーホールまたはインナーバイアホールのめっきに対して、高温、低温の温度サイクルの厳しい環境下においても導通信頼性の高い、厚肉導体を用いた金属コア多層プリント配線板を提供することを目的とする。
上述した従来の問題点を解決すべく下記の発明を提供する。
本発明の第1の態様にかかる金属コア多層プリント配線板は、絶縁層を介して積層される複数の配線パターン導体層を、表面と裏面と少なくとも1つの内層に備える金属コア多層プリント配線板であって、前記配線パターン導体層を貫き、所望の前記配線パターン導体層間をめっき膜により電気的に接続するスルーホール、または、内層の所望の前記配線パターン導体層間をめっき膜により電気的に接続するインナーバイアホールを備え、前記スルーホールまたは前記インナーバイアホールにより貫かれる内層の全ての前記絶縁層において、当該絶縁層の厚さをLとし、当該絶縁層の両面に隣接する内層の前記配線パターン導体層の厚さの大きい方の値をLmaxとするとき、Lmax≦L≦(Lmax)×2の条件を満足することを特徴とする。
導体層間に存在する絶縁層の厚さと当該絶縁層の両面に隣接する内層の配線パターン導体層の厚さを上述した条件を満足するように形成することにより、内層の配線パターン導体層として厚肉銅箔を備えた金属コア多層プリント配線板において、冷熱衝撃環境下で、スルーホールまたはインナーバイアホールのめっきの熱応力を最小とすることができる。従って、高温、低温の温度サイクルの厳しい環境下においても、金属コア多層プリント配線板のスルーホールまたはインナーバイアホールのめっきに対して、破断寿命を長くし、導通信頼性を向上させることができる。
ここで、導体層の厚さには、スルーホールまたはインナーバイアホールのめっきが表面に施されている導体層においては、めっき厚を含めた厚さを配線パターン導体層の厚さとする。また、全ての絶縁層に対して、上述の条件を満足させる。例えば、外層の配線パターン導体層a1と内層の配線パターン導体層a2の間に絶縁層b1が存在し、内層の配線パターン導体層a2と内層の配線パターン導体層a3の間に絶縁層b2が存在し、内層の配線パターン導体層a3と外層の配線パターン導体層a4の間に絶縁層b3が存在する場合に、下記の条件を満足するように構成する。
La2≦Lb1≦(La2)×2
max(La2,La3)≦Lb2≦(max(La2,La3))×2
La3≦Lb3≦(La3)×2
ここで、La2及びLa3は、内層の配線パターン導体層a2及び内層の配線パターン導体層a3の厚さであり、Lb1、Lb2及びLb3は、絶縁層b1、絶縁層b2及び絶縁層b3の厚さである。
本発明の第2の態様にかかる金属コア多層プリント配線板は、本発明の第1の態様にかかる金属コア多層プリント配線板において、前記絶縁層の絶縁材料は、厚さ方向の熱膨張係数が45ppm/℃以上であり、かつ、縦弾性係数が6GPa以上であることを特徴とする。
絶縁材料の厚さ方向の熱膨張係数及び縦弾性係数を上述した条件となるようにすることにより、スルーホールまたはインナーバイアホールのめっきの熱応力をより低下させることができる。
本発明の第3の態様にかかる金属コア多層プリント配線板は、本発明の第1または2の態様にかかる金属コア多層プリント配線板において、前記スルーホールまたは前記インナーバイアホールは、穴径が直径0.6mm以下であり、かつ、前記スルーホールまたは前記インナーバイアホールの壁面のめっき厚さが20μm〜30μmであることを特徴とする。
スルーホールまたはインナーバイアホールの穴径及び壁面のめっき厚さを上述した条件となるようにすることにより、スルーホールまたはインナーバイアホールのめっきの熱応力をより低下させることができる。
本発明の第4の態様にかかる金属コア多層プリント配線板は、本発明の第1から3のいずれか1つの態様にかかる金属コア多層プリント配線板において、内層の前記配線パターン導体層の厚さは、100μm以上であり、かつ、400μm以下であることを特徴とする。
内層の配線パターン導体層の厚さを上述した条件となるようにすることにより、スルーホールまたはインナーバイアホールのめっきの熱応力をより低下させることができる。
本発明によれば、内層の配線パターン導体層として厚肉銅箔を備えた金属コア多層プリント配線板において、冷熱衝撃環境下で、スルーホールまたはインナーバイアホールのめっきの熱応力を最小とすることができる。従って、高温、低温の温度サイクルの厳しい環境下においても、金属コア多層プリント配線板のスルーホールまたはインナーバイアホールのめっきに対して、破断寿命を長くし、導通信頼性を向上させることができる。
この発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なもので置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
図1は、本発明を適用可能な金属コア多層プリント配線板の厚さ方向の部分概略断面図である。ここでは、導体層が3層からなる3層プリント配線板を例に挙げて説明する。また、表面及び裏面の導体層の配線パターンのみを接続させたスルーホールと、内層、表面及び裏面の導体層の配線パターンを接続させたスルーホールと、を備えた金属コア多層プリント配線板の例である。
図1に示すように、金属コア多層プリント配線板10は、内層の導体層11と、表面及び裏面(以下、「外層」と称する)の導体層14及び15とを備え、内層の導体層11と外層の導体層14との間に絶縁層12と、内層の導体層11と外層の導体層15との間に絶縁層13とを備えた、外層の導体層14、絶縁層12、内層の導体層11、絶縁層13、外層の導体層15の順に積層された構成となっている。
内層の導体層11は、圧延銅箔でできており、外層の導体層14及び15は、銅箔でできている。また、絶縁層12及び13は、ガラス布エポキシ樹脂でできている。尚、内層の導体層11の厚さは、100μm以上であり、かつ、400μm以下である。また、絶縁層12及び13の絶縁材料は、厚さ方向の熱膨張係数が45ppm/℃以上であり、かつ、縦弾性係数が6GPa以上である。
また、金属コア多層プリント配線板10には、厚さ方向に金属コア多層プリント配線板10の表裏を貫くスルーホール21及び22が形成されている。スルーホール21及び22の壁面には銅めっきが施されている。スルーホール21は、外層の導体層14及び外層の導体層15を銅めっき膜25により電気的に接続し、スルーホール22は、内層の導体層11、外層の導体層14及び外層の導体層15を銅めっき膜26により電気的に接続している。即ち、スルーホール21は外層の配線パターンのみを接続させたスルーホールであり、スルーホール22は内層及び外層の配線パターンを接続させたスルーホールである。
尚、スルーホール21は、内層の導体層11と同一層内にある絶縁層12及び13から流れ出たエポキシ樹脂が充填されている絶縁埋め込み部31を貫き、外層の導体層14と外層の導体層15とを銅めっき膜25により電気的に接続している。即ち、絶縁埋め込み部31により、銅めっき膜25と内層の導体層11との間が電気的に絶縁されている。
また、スルーホール21及び22は、穴径が直径0.6mm以下であり、かつ、壁面の銅めっき膜25及び26のめっき厚さが20μm〜30μmである。また、絶縁埋め込み部31の絶縁材料は、厚さ方向の熱膨張係数が45ppm/℃以上であり、かつ、縦弾性係数が6GPa以上である。
内層の導体層11の厚さをL1とし、絶縁層12及び13の厚さをL2及びL3とし、外層の導体層14及び外層の導体層15の厚さをL4及びL5とするとき、金属コア多層プリント配線板10は、下記の2つの条件を満足する。尚、外層の導体層14及び外層の導体層15の厚さには、銅めっき膜25及び26のめっき厚も含まれている。また、厚さは、L4≦L5≦L1である。
(条件1) L1≦L2≦L1×2
(条件2) L1≦L3≦L1×2
金属コア多層プリント配線板10を上述したような構成にすることにより、冷熱衝撃環境下で、スルーホール21及び22の銅めっき膜25及び26の熱応力を最小とすることができる。従って、高温、低温の温度サイクルの厳しい環境下においても、金属コア多層プリント配線板10のスルーホール21及び22の銅めっき膜25及び26に対して、破断寿命を長くし、導通信頼性を向上させることができる。
上述した金属コア多層プリント配線板10は3層プリント配線板であったが、4層以上の金属コア多層プリント配線板においても、導体層間にある絶縁層の厚さをLとし、該絶縁層の両面に隣接する内層の導体層の厚さの大きい方の厚さをLmaxとするとき、Lmax≦L≦(Lmax)×2の条件を満足することにより、冷熱衝撃環境下で、スルーホールのめっきの熱応力を最小とすることができる。従って、高温、低温の温度サイクルの厳しい環境下においても、金属コア多層プリント配線板のスルーホールのめっきに対して、破断寿命を長くし、導通信頼性を向上させることができる。
次に、インナーバイアホールのある金属コア多層プリント配線板について説明する。図2は、本発明を適用可能な別の金属コア多層プリント配線板の厚さ方向の部分概略断面図である。ここでは、導体層が4層からなる4層プリント配線板を例に挙げて説明する。
図2に示すように、金属コア多層プリント配線板60は、内層の導体層61及び62と、外層の導体層66及び67とを備え、内層の導体層61と外層の導体層66との間に絶縁層63と、内層の導体層61と62との間に絶縁層64と、内層の導体層62と外層の導体層67との間に絶縁層65とを備えた、外層の導体層66、絶縁層63、内層の導体層61、絶縁層64、内層の導体層62、絶縁層65、外層の導体層67の順に積層された構成となっている。
内層の導体層61及び62は、圧延銅箔でできており、外層の導体層66及び67は、銅箔でできている。また、絶縁層63、64及び65は、ガラス布エポキシ樹脂でできている。尚、内層の導体層61及び62は、100μm以上であり、かつ、400μm以下である。また、絶縁層63、64及び65は、厚さ方向の熱膨張係数が45ppm/℃以上であり、かつ、縦弾性係数が6GPa以上である。
また、金属コア多層プリント配線板60には、厚さ方向に金属コア多層プリント配線板60の表裏を貫くスルーホール71と、インナーバイアホール72が形成されている。スルーホール71とインナーバイアホール72の壁面には銅めっきが施されている。スルーホール71は、外層の導体層66、外層の導体層67及び内層の導体層62を銅めっき膜75により電気的に接続している。また、インナーバイアホール72は、内層の導体層61及び内層の導体層62を銅めっき膜76により電気的に接続している。
尚、スルーホール71は、内層の導体層61と同一層内にある絶縁層63及び64から流れ出たエポキシ樹脂が充填されている絶縁埋め込み部81を貫き、外層の導体層66、外層の導体層67及び内層の導体層62を銅めっき膜75により電気的に接続している。即ち、絶縁埋め込み部81により、銅めっき膜75と内層の導体層61との間が電気的に絶縁されている。また、インナーバイアホール72の内部の絶縁埋め込み部82は、絶縁層63及び65から流れ出たエポキシ樹脂が充填されている。
また、スルーホール71とインナーバイアホール72は、穴径が直径0.6mm以下であり、かつ、壁面の銅めっき膜75及び76のめっき厚さが20μm〜30μmである。また、絶縁埋め込み部81及び82の絶縁材料は、厚さ方向の熱膨張係数が45ppm/℃以上であり、かつ、縦弾性係数が6GPa以上である。
内層の導体層61及び62の厚さをそれぞれH1及びH2とし、絶縁層63、64及び65の厚さをそれぞれH3、H4及びH5とし、外層の導体層66及び67の厚さをそれぞれH6及びH7とするとき、金属コア多層プリント配線板60は、下記の3つの条件を満足する。尚、外層の導体層66及び67の厚さには、それぞれ銅めっき膜75及び76のめっき厚も含まれている。また、厚さは、H6≦H7≦H1≦H2である。
(条件1) H1≦H3≦H1×2
(条件2) H2≦H4≦H2×2
(条件3) H2≦H5≦H2×2
金属コア多層プリント配線板60を上述したような構成にすることにより、冷熱衝撃環境下で、スルーホール71とインナーバイアホール72の銅めっき膜75及び76の熱応力を最小とすることができる。従って、高温、低温の温度サイクルの厳しい環境下においても、金属コア多層プリント配線板60のスルーホール71とインナーバイアホール72の銅めっき膜75及び76に対して、破断寿命を長くし、導通信頼性を向上させることができる。
上述した金属コア多層プリント配線板60は4層プリント配線板であったが、5層以上の金属コア多層プリント配線板においても、導体層間にある絶縁層の厚さをLとし、該絶縁層の両面に隣接する内層の導体層の厚さの大きい方の厚さをLmaxとするとき、Lmax≦L≦(Lmax)×2の条件を満足することにより、冷熱衝撃環境下で、スルーホールとインナーバイアホールのめっきの熱応力を最小とすることができる。従って、高温、低温の温度サイクルの厳しい環境下においても、金属コア多層プリント配線板のスルーホールとインナーバイアホールのめっきに対して、破断寿命を長くし、導通信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の好適な金属コア多層プリント配線板の実施例を説明する。
金属コア多層プリント配線板において、スルーホールのめっきに対する熱応力解析及び冷熱衝撃試験をした結果を説明する。使用した金属コア多層プリント配線板は、図1に示した導体層が3層からなる金属コア多層プリント配線板10である。
金属コア多層プリント配線板10の内層の導体層11は、圧延銅箔でできており、内層の導体層の厚さL1は200μmである。金属コア多層プリント配線板10の外層の導体層14及び15は、銅箔でできており、外層の導体層の厚さL4及びL5は20.7μm〜30.7μmである。尚、外層の導体層の厚さL4及びL5は、銅箔の厚さ0.7μmに、スルーホール21の銅めっき膜25のめっき厚20μm〜30μmを加算した値である。
金属コア多層プリント配線板10の絶縁層12及び13は、ガラス布エポキシ樹脂でできており、厚さ方向の熱膨張係数が45ppm/℃であり、かつ、縦弾性係数が6〜25GPaである。また、絶縁層12及び13の厚さL2及びL3は、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、及び、0.6mmの6水準である。
金属コア多層プリント配線板10のスルーホール21の銅めっき膜25は、無電解銅めっき及び硫酸銅電解めっきにて、めっきが施され、無電解銅めっき及び硫酸銅電解めっきによる合計しためっき厚は、20μm〜30μmである。また、めっき後のスルーホール21の穴径(内径)は、直径0.4mm〜0.6mmである。また、スルーホール21のランドサイズ(ランド幅)は、0.5mmである。
上述した金属コア多層プリント配線板10を使用して、冷熱衝撃試験の温度レンジである−40℃〜145℃の温度レンジの環境下において、スルーホール21の銅めっき膜25に生ずる熱応力を、有限要素法を用いて解析した。図3は、絶縁層12及び13の厚さL2及びL3の違いによるスルーホール21の銅めっき膜25に生ずる熱応力の解析結果を示した図である。図3の縦軸には、スルーホール21の銅めっき膜25に生ずる熱応力の応力比を示し、横軸には、絶縁層の厚さを示している。尚、スルーホール21の銅めっき膜25に生ずる熱応力の応力比は、絶縁層の厚さL2及びL3が0.1mmのときのスルーホール21の銅めっき膜25に生ずる熱応力を1とした値である。
図3に示したように、絶縁層の厚さL2及びL3が0.2mm〜0.45mmの範囲で、スルーホール21の銅めっき膜25に生ずる熱応力が最小になることがわかった。即ち、スルーホールの銅めっきに生ずる熱応力が最小となる絶縁層の最適な厚さは、内層の導体層の厚さと同等な厚さから内層の導体層の厚さの2倍の厚さまでの範囲であることがわかった。
次に、絶縁層の厚さL2及びL3が、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、及び、0.6mmの6水準において、冷熱衝撃試験を実施した。図4は、絶縁層の厚さL2及びL3の各水準における冷熱衝撃試験の結果を示した図である。ここで、信頼性試験条件として、−40℃〜145℃の温度レンジの環境下において試験を行った。また、判定基準は、スルーホール21の試験前の導通抵抗値に対する試験後の導通抵抗値の変動率が、10%以下の場合を「合格(○)」とし、10%を超える場合を「不合格(×)」とした。
図4に示すように、絶縁層の厚さL2及びL3が0.1mmの場合は、500サイクル以上において、不合格であった。絶縁層の厚さL2及びL3が0.2mmの場合は、1000サイクルまでは合格であったが2000サイクルでは不合格であった。絶縁層の厚さL2及びL3が0.3mmの場合は、2000サイクルまで合格であった。絶縁層の厚さL2及びL3が0.4mmの場合は、1000サイクルまでは合格であったが2000サイクルでは不合格であった。絶縁層の厚さL2及びL3が0.5mmの場合は、500サイクルまでは合格であったが1000サイクル以上では不合格であった。絶縁層の厚さL2及びL3が0.6mmの場合は、500サイクル以上において、不合格であった。
この結果、信頼性において高いレベルである1000サイクルまで、合格したのは、絶縁層の厚さL2及びL3が0.2mm、0.3mm、及び0.4mmのときであった。即ち、冷熱衝撃試験において、熱的信頼性の高い絶縁層の厚さは、内層の導体層の厚さと同等な厚さから内層の導体層の厚さの2倍の厚さまでの範囲であることがわかった。
上述した図3及び図4の結果より、スルーホールの銅めっきに生ずる熱応力が最小となり、更に、冷熱衝撃試験において、熱的信頼性の高くなる絶縁層の厚さは、内層の導体層の厚さと同等な厚さから内層の導体層の厚さの2倍の厚さまでの範囲であることがわかった。
本発明を適用可能な金属コア多層プリント配線板の厚さ方向の部分概略断面図である。 本発明を適用可能な別の金属コア多層プリント配線板の厚さ方向の部分概略断面図である。 絶縁層12及び13の厚さの違いによるスルーホール21の銅めっき膜25に生ずる熱応力の解析結果を示した図である。 絶縁層の厚さの各水準における冷熱衝撃試験の結果を示した図である。
符号の説明
10、60 金属コア多層プリント配線板
11、61、62 内層の導体層(配線パターン導体層)
12、13、63、64、65 絶縁層
14、15、66、67 外層の導体層(配線パターン導体層)
21、22、71 スルーホール
25、26、75、76 銅めっき膜
31、81、82 絶縁埋め込み部
72 インナーバイアホール

Claims (4)

  1. 絶縁層を介して積層される複数の配線パターン導体層を、表面と裏面と少なくとも1つの内層に備える金属コア多層プリント配線板であって、
    前記配線パターン導体層を貫き、所望の前記配線パターン導体層間をめっき膜により電気的に接続するスルーホール、または、内層の所望の前記配線パターン導体層間をめっき膜により電気的に接続するインナーバイアホールを備え、
    前記スルーホールまたは前記インナーバイアホールにより貫かれる内層の全ての前記絶縁層において、当該絶縁層の厚さをLとし、当該絶縁層の両面に隣接する内層の前記配線パターン導体層の厚さの大きい方の値をLmaxとするとき、
    Lmax≦L≦(Lmax)×2
    の条件を満足することを特徴とする金属コア多層プリント配線板。
  2. 前記絶縁層の絶縁材料は、厚さ方向の熱膨張係数が45ppm/℃以上であり、かつ、縦弾性係数が6GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の金属コア多層プリント配線板。
  3. 前記スルーホールまたは前記インナーバイアホールは、穴径が直径0.6mm以下であり、かつ、前記スルーホールまたは前記インナーバイアホールの壁面のめっき厚さが20μm〜30μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属コア多層プリント配線板。
  4. 内層の前記配線パターン導体層の厚さは、100μm以上であり、かつ、400μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属コア多層プリント配線板。


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