JP2009217907A - 光ピックアップ光学系及び対物レンズ - Google Patents

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友範 金井
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Abstract

【課題】光ピックアップ光学系の大型化を招来することなく、より容易に製造することができ、且つ、温度変化に伴う性能劣化を防止することができる光ピックアップ光学系及び対物レンズを提供する。
【解決手段】対物レンズ5の入射面と出射面の少なくとも一方を、複数の領域51に分割した。また、複数の領域51は、光ディスク200の情報記録面上へ光束を集光する複数の集光領域52と、光ディスク200の情報記録面上へ光束を集光しない複数の非集光領域53とを有している。また、非集光領域53を、光束が対物レンズ5における光ディスク200の開口数未満の範囲を透過して当該光ディスク200の情報記録面上に集光するように、設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ピックアップ光学系及び対物レンズに関し、特に、プラスティックにより形成された光学素子における温度変化による性能劣化を抑制する光ピックアップ光学系及び対物レンズに関する。
近年、BD(Blu-ray Disc)やHDDVD(High Definition Digital Versatile Disc;以下、HDと称する。)などの高密度に情報が記録可能な光ディスクが製品化されてきている。BDやHDでは、波長405nmの青紫色半導体レーザを用いて記録再生が行われる。
また、2層型BDの場合、1層あたり25GBの情報が記録される。従って、2層型BDは、DVDの約5倍の容量を持っている。また、開口数(NA:Numerical Aperture)が0.85である対物レンズを用いて、BDに情報が記録される。
BDに用いられる対物レンズのNAはHD等の他の光ディスクに比べて大きい。そのため、温度変化や波長変化に伴って収差が増大しやすく、光スポットが劣化しやすい。
また、一般的に、ガラス材料の温度変化に伴う屈折率の変化量は、1×10−6(1/℃)のオーダーであるのに対し、プラスティック材料の温度変化に伴う屈折率の変化量は1×10−4(1/℃)のオーダーである。従って、プラスティック材料の温度変化に伴う屈折率の変化量は、ガラス材料に比べて、10倍から100倍大きい。そのため、一般的に、BD専用の対物レンズは、温度変動時に屈折率変化及び形状変化の小さいガラス材料を用いて形成される。しかし、一般的に、ガラス材料よりプラスティック材料の方が、生産性、コスト、軽量化の点で優れている。そのため、プラスティック材料により形成したレンズにおける温度変化等による性能劣化の防止が強く望まれている。
光ピックアップ光学系や対物レンズ光学系に用いられるレンズにおける温度変化や波長変化による性能劣化を防止する技術がいくつか提案されている。例えば、特許文献1に記載の光ピックアップ光学系では、プラスティック材料により形成されたレンズを用いて2群2枚の対物レンズ光学系を構成し、温度変化に伴う波面収差の増大を低減している。
また、特許文献2に記載の光ピックアップ光学系では、2群構成のカップリングレンズを光軸方向に移動させることにより、温度変化や波長変化により発生する球面収差を補正している。
また、特許文献3に記載の光ピックアップ光学系では、回折構造を有する収差補正用光学素子を光源と対物レンズとの間に配置して、当該収差補正用光学素子において発生する回折現象を利用して温度変化に伴う球面収差の発生を補正している。
特開2003−248956号公報 特開2002−197712号公報 特開2003−322794号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光ピックアップ光学系では、2枚2群構成の対物レンズ光学系を用いているため、作動距離(ワーキングディスタンス)が短くなってしまうという問題がある。特許文献1に記載の光ピックアップ光学系において、作動距離を長くするためには、焦点距離を長くしなければならない。焦点距離を長くすると光ピックアップ光学系を大きくなってしまう。
また、特許文献2に記載の光ピックアップ光学系では、カップリングレンズに可動機構を設けているため、光ピックアップ光学系が大型化してしまう。
また、特許文献3に記載の光ピックアップ光学系では、収差補正用光学素子の表面に回折構造を形成している。回折構造を形成するには、多くの輪帯段差を精度よく光学素子の表面に設ける必要がある。そして、NAが大きいBD専用の対物レンズの面形状は外周側ほど急に傾斜する。そのため、このような回折構造をBD専用の対物レンズの表面に形成すると、外周側ではサグ量の変化が急激となり、回折構造を精度よく形成することが困難になる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、光ピックアップ光学系の大型化を招来することなく、より容易に製造することができ、且つ、温度変化に伴う性能劣化を防止することができる光ピックアップ光学系及び対物レンズを提供することを目的とする。
本発明にかかる光ピックアップ光学系は、光学素子を有し、光束を光記録媒体の情報記録面上に集光させる光ピックアップ光学系であって、前記光学素子の入射面と出射面の少なくとも一方は、複数の領域に分割され、前記複数の領域は、前記光記録媒体の情報記録面上へ光束を集光する複数の集光領域と、前記光記録媒体の情報記録面上へ光束を集光しない複数の非集光領域とを有し、前記非集光領域は、光束が前記光学素子における前記光記録媒体の開口数未満の範囲を透過して当該光記録媒体の情報記録面上に集光するように、設けられているものである。
本発明においては、光束が前記光学素子における前記光記録媒体の開口数未満の範囲を透過して当該光記録媒体の情報記録面上に集光するように、非集光領域が設けられる。そのため、光記録媒体の情報記録面上におけるスポットサイズを、当該光記録媒体の開口数により規定されるスポットサイズよりも小さくすることができる。温度変化による球面収差は開口数の4乗に比例する。従って、本発明にかかる光ピックアップ光学系では、温度変化による球面収差を低減することができる。
また、非集光領域を複数備えることにより、光スポットのサイドローブの増大を抑制することができる。
また、光ピックアップ光学系にもともと備えられている光学素子に非集光領域を形成するだけでよい。そのため、光ピックアップ光学系の大型化を招来することもない。また、開口数を小さくすることができるため、光学素子の製造を容易にすることができる。
また、前記複数の領域は、光軸を同心とする輪帯状の領域であることが好ましい。
また、前記集光領域と前記非集光領域とは、次の式で規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が5%以下となるように、設けられていることが好ましい。

・・・・・・(3)

J1(X):第1種1次ベッセル関数
n1:集光領域の数
n2:非集光領域の数
ai:i番目の集光領域における最大光線高さ
bj:j番目の非集光領域における最大光線高さ
c:情報記録面上の光軸から垂直方向の高さ
f:焦点距離
0:メインローブ(0次リング)の半径
λ1:光束の波長
さらに、前記集光領域と前記非集光領域とは、前記点像強度I(c)が3%以下となるように設けられていることがより好ましい。
さらに、前記複数の領域は、前記光記録媒体の光源側に設けられる対物レンズの入射面と出射面の少なくとも一方に形成されていることが好ましい。
または、前記複数の領域は、前記光記録媒体の光源側に設けられる対物レンズと光源との間に位置する前記光学素子の入射面と出射面の少なくとも一方に形成されていることが好ましい。
また、前記非集光領域は、前記集光領域の面形状と異なる面形状に形成されていることが好ましい。
さらに、また、前記光学素子の入射面と出射面の少なくとも一方は、段差により、複数の領域に分割されており、隣り合う前記領域において、内側の前記領域に対して、外側の前記領域のサグ量が大きくなるように、前記段差が形成されていることが好ましい。
これにより、光学素子を金型成形により形成した場合に、光学素子を金型から外しやすくなる。
また、前記非集光領域は、光束を反射させる性質、又は、光束を吸収する性質、又は、光束を散乱させる性質を有することが好ましい。
さらに、前記光学素子は、樹脂により形成されることが好ましい。
本発明にかかる対物レンズは、光束を光記録媒体の情報記録面上に集光させる対物レンズであって、前記対物レンズの入射面と出射面の少なくとも一方は、複数の領域に分割され、前記複数の領域は、前記光記録媒体の情報記録面上へ光束を集光する複数の集光領域と、前記光記録媒体の情報記録面上へ光束を集光しない複数の非集光領域とを有し、前記非集光領域は、光束が前記対物レンズにおける前記光記録媒体の開口数未満の範囲を透過して当該光記録媒体の情報記録面上に集光するように、設けられているものである。
本発明においては、光束が前記対物レンズにおける前記光記録媒体の開口数未満の範囲を透過して当該光記録媒体の情報記録面上に集光するように、非集光領域が設けられる。そのため、光記録媒体の情報記録面上におけるスポットサイズを、当該光記録媒体の開口数により規定されるスポットサイズよりも小さくすることができる。温度変化による球面収差は開口数の4乗に比例する。従って、本発明にかかる対物レンズでは、温度変化による球面収差を低減することができる。
また、非集光領域を複数備えることにより、光スポットのサイドローブの増大を抑制することができる。
また、光ピックアップ光学系にもともと備えられている対物レンズに非集光領域を形成するだけでよい。そのため、光ピックアップ光学系の大型化を招来することもない。また、開口数を小さくすることができるため、対物レンズの製造を容易にすることができる。
また、前記複数の領域は、光軸を同心とする輪帯状の領域であることが好ましい。
また、前記集光領域と前記非集光領域とは、次の式で規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が5%以下となるように、設けられていることが好ましい。

・・・・・・(4)
J1(X):第1種1次ベッセル関数
n1:集光領域の数
n2:非集光領域の数
ai:i番目の集光領域における最大光線高さ
bj:j番目の非集光領域における最大光線高さ
c:情報記録面上の光軸から垂直方向の高さ
f:焦点距離
0:メインローブ(0次リング)の半径
λ1:光束の波長
さらに、前記集光領域と前記非集光領域とは、前記点像強度I(c)が3%以下となるように設けられていることがより好ましい。
さらに、前記非集光領域は、前記集光領域の面形状と異なる面形状に形成されていることが好ましい。
さらに、また、前記対物レンズの入射面と出射面の少なくとも一方は、段差により、複数の領域に分割されており、隣り合う前記領域において、内側の前記領域に対して、外側の前記領域のサグ量が大きくなるように、前記段差が形成されていることが好ましい。
これにより、対物レンズを金型成形により形成した場合に、対物レンズを金型から外しやすくなる。
また、前記非集光領域は、光束を反射させる性質、又は、光束を吸収する性質、又は、光束を散乱させる性質を有することが好ましい。
さらに、前記対物レンズは、樹脂により形成されることが好ましい。
本発明により、光ピックアップ光学系の大型化を招来することなく、より容易に製造することができ、且つ、温度変化に伴う性能劣化を防止することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップ光学系100の一例を示したものである。光ピックアップ光学系100は、レーザ光源1(光源)、ビームスプリッタ2、カップリングレンズ3、1/4波長板4、対物レンズ5(光学素子)、検出レンズ6、光検出器7等を備えている。
レーザ光源1は、レーザーダイオード等を備える。また、レーザ光源1から出射されたレーザ光の光路上にビームスプリッタ2が設けられている。
ビームスプリッタ2より出射したレーザ光の光路上にカップリングレンズ3が設けられている。カップリングレンズ3は、レーザ光源1から出射されたレーザ光の発散角度を変換する。
カップリングレンズ3を透過したレーザ光の光路上に1/4波長板4が設けられている。さらに、1/4波長板4を透過したレーザ光の光路上に対物レンズ5が設けられている。そして、円偏向の平行光束が対物レンズ5に入射するようになっている。
図2の左側に、対物レンズ5の入射面側から見た図を示し、図2の右側に、対物レンズ5と光ディスク200(光記録媒体)の側面図を示す。図2に示すように、対物レンズ5は、光ディスク200のレーザ光源1側の直近に設けられている。また、対物レンズ5の入射面は、複数の領域51(後述)に分割されている。なお、対物レンズ5の出射面が複数の領域51に分割されていても良い。また、対物レンズ5の入射面と出射面の両方が複数の領域51に分割されていても良い。
また、複数の領域51は、光ディスク200の情報記録面上に光束を集光する複数の集光領域52と、光ディスク200の情報記録面上に光束を集光しない複数の非集光領域53とを有している。
また、対物レンズ5は、ガラス素材から形成されてもよいし、プラスティック素材から形成されてもよい。しかし、成形がより容易なプラスティック素材から形成されるのが好ましい。
対物レンズ5は、集光領域52に入射した光束を光ディスク200の情報記録面に回折限界近くまで集光させる機能を有する。対物レンズ5は、さらに、光ディスク200の情報記録面で反射されたレーザ光を検出レンズ6及び光検出器7に導く機能も有する。
次に、レーザ光源1から出射されたレーザ光が光ディスク200の情報記録面で反射され光検出器7に検出されるまでの挙動について説明する。レーザ光源1から出射されたレーザ光はビームスプリッタ2を透過してカップリングレンズ3に入射する。
カップリングレンズ3は、レーザ光源1から出射されたレーザ光を発散光から略平行光に変換する。
カップリングレンズ3を透過したレーザ光は1/4波長板4を透過して、対物レンズ5に入射される。対物レンズ5は、集光領域52に入射したレーザ光を光ディスク200の情報記録面に回折限界近くまで集光させる。
光ディスク200の情報記録面で反射されたレーザ光は、対物レンズ5、1/4波長板4、カップリングレンズ3、ビームスプリッタ2、検出レンズ6を介して光検出器7に入射し、検出される。光検出器7は、当該レーザ光を検出し、光電変換することによって、フォーカスサーボ信号、トラックサーボ信号、再生信号などを生成する。
次に、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップ光学系100の対物レンズ5について詳細に説明する。
図2に示すように、複数の領域51は、光軸を同心とする輪帯状の領域である。
集光領域52と非集光領域53とは、面形状が異なっていることにより形状的に区別されていてもよい。そして、非集光領域53は、集光領域52と異なる面形状を有することにより、集光領域52の収束位置と異なる位置に光束を収束させてもよい。
また、集光領域52と非集光領域53とは、隣り合う集光領域52と非集光領域53との間に段差が設けられていることにより、形状的に区別されていてもよい。そして、非集光領域53は、当該段差により、透過する光束に位相差を発生させることにより、集光領域52の収束位置と異なる位置に光束を収束させてもよい。
また、非集光領域53は、光束を反射させる性質、又は、光束を吸収する性質、又は、光束を散乱させる性質を有していてもよい。具体的には、非集光領域53は、対物レンズ5の入射面に光束不透過膜を貼付することにより形成されて、光束を反射又は吸収又は散乱してもよい。
非集光領域53の面形状は、球面、非球面、平面形状の何れかである。なお、光ディスク200が2つ以上の情報記録面を有する多層ディスクである場合、非集光領域53の面形状は、他方の情報記録面に光束を集光しないように形成されることが望ましい。
非集光領域53の面形状は、非球面形状である場合には、以下に示す数式(5)により規定される。

・・・・・・・・・(5)
ここで、Zj(h)は、光軸からの高さhとなる非球面上の座標点と、当該非球面を光軸まで延長した場合における光軸上での接平面との距離(サグ量)、Cは、当該非球面の光軸上における曲率(1/(曲率半径))、Kは、コーニック係数、A、A、A、A10、A12、A14、A16は、4次から16次までの非球面係数、Bは、光軸からの高さhとなる非球面を光軸まで延長した場合における当該非球面と光軸との交点と、最も内側の領域51と光軸との交点との距離(光軸上シフト量)である。
また、集光領域52の面形状は、球面、或いは、非球面形状である。具体的には、集光領域52の面形状は、非球面形状である場合には、数式(5)により規定される。
対物レンズ5に非集光領域53が設けられる数は任意であるが、複数であることが望ましい。対物レンズ5の温度変化ΔTに伴って発生する球面収差量ΔWSAは、対物レンズ5の像側開口数NAの4乗に比例する。そのため、NAを小さくすればΔWSAを抑制することができる。
BDのNAは0.85である。BDのNAは、BDを記録再生するために必要なスポットサイズに基づいて定められている。そして、BDのスポットサイズの理論値(1/e)は、波長λ=405nmの青紫色レーザのレーザ光源1を用いた場合、0.82×λ/NA=0.82×0.405/0.85=0.391μm程度である。従って、光ディスク200の記録再生に必要なスポットサイズを得ていれば、NAは小さくても、実使用上問題はない。
光ディスク200の記録再生に必要なスポットサイズよりも小さいスポットサイズを得る高分解能化技術は、例えば、Max Born, Emil Wolf、草川 徹、"光学の原理II"、第7版、東海大学出版会、p.218に記載されている。この高分解能化技術は、レンズの中心部を遮光し、円環状の透過領域を形成することにより、同じNAの通常の円形開口レンズで得られる分解能よりも高い分解能を得る技術である。換言すれば、この技術は、同じNAの通常の円形開口レンズの光スポットよりも、スポットサイズを小さくする技術である。
しかし、この技術は、スポットサイズを小さくすることができるが、サイドローブを増大させてしまう。光ディスク200では、情報が記録されているピットが密に形成されている。そのため、サイドローブが大きすぎると、隣接するピットからの回折光の影響が取り込まれてしまう。これにより、クロストークや符号間干渉による再生信号の劣化を招いてしまう。
そこで、本発明の実施の形態にかかる対物レンズ5では、サイドローブの増大を抑制するために、複数の非集光領域53を適切な位置に設けるとともに、各非集光領域53の幅を適切な大きさに調整した。具体的には、光束が、対物レンズ5の光ディスク200のNA未満の範囲を透過して、光ディスク200の情報記録面上に集光するように、非集光領域53を設けた。
これにより、円環状の集光領域52を複数形成することができる。そのため、スポットサイズとサイドローブの増大をほとんど招来することなく、NAを小さくすることができる。
なお、円環状の集光領域52を有していれば、対物レンズ5の最も内側の円形の領域が集光領域52となっていても、スポットサイズ及びサイドローブを増大させることなく、NAを小さくすることができる。
また、対物レンズ5の焦点距離をf、対物レンズ5の有効径φをとすると、近似的に、NA=φ/2fが成り立つ。従って、NAを小さくするということは、有効径を小さくすることである。換言すれば、複数の非集光領域53を設けることにより、対物レンズ5を透過する光束の径を、当該対物レンズ5のNAよりも小さくすることができる。BD用の対物レンズ5のNAは比較的大きいため、BD用の対物レンズ5の面形状は外周側ほど急に傾斜する。そのため、BD用の対物レンズ5の外周部分の成形が困難となってしまう可能性がある。しかし、対物レンズ5に複数の非集光領域53を設けることにより、NAを小さくすることができる。これにより、対物レンズ5の外周部分の面形状の傾斜を緩くすることができ、成形性を向上することができる。
なお、対物レンズ5において非集光領域53が占める面積が大きくなると、対物レンズ5に入射する光束の光スポット形成に利用される光量が小さくなってしまう。そのため、非集光領域53の面積はできるだけ小さいことが好ましい。特に、(集光領域52の面積)≧(非集光領域53の面積)であることが好ましい。また、非集光領域53を設けることにより低下してしまう光スポットの光量は、レーザ光源1のパワーを上げることにより補うことができる。
より具体的には、複数の集光領域52と非集光領域53とを、次の数式(6)で規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が5%以下、より好ましくは3%以下となるように、設けた。
・・・・・・(6)
J1(X):第1種1次ベッセル関数
n1:集光領域の数
n2:非集光領域の数
ai:i番目の集光領域における最大光線高さ
bj:j番目の非集光領域における最大光線高さ
c:情報記録面上の光軸から垂直方向の高さ
f:焦点距離
0:メインローブ(0次リング)の半径
λ1:光束の波長
次に、数式(6)の導出について説明する。よく知られているように、レンズの焦点面上における点像強度分布は、波面のフラウンホーファー回折像で与えられる。円径開口の場合のフラウンホーファー回折は、数式(7)で示されることが知られている(例えば、光学技術ハンドブック(2002年9月20日版)120頁の2.3.35式及び2.3.36式を参照)。
・・・・・・(7)
数式(7)において、Jn(x)はn次のベッセル関数、S=πaは開口の面積、Aは入射平面波の振幅、θは開口面の法線から測った回折角、rは開口面の原点から観測点までの距離、λは光の波長である。
ここで、かかる課題を解決の説明を容易化するために、数式(7)を単純化する。ここで考察すべきパラメータは、第一領域(集光領域)と第二領域(非集光領域)の境界位置、焦点距離、焦点面の点像強度分布であるため、その他は、固定パラメータとすると、数式(8)のように表すことができる。
・・・・・・(8)
J1(X):第1種1次ベッセル関数
a:開口半径
c:情報記録面上の光軸から垂直方向の高さ
f:焦点距離
ここで、光を集光させない第二の領域は、レンズ面をマスクした場合と同様に扱えるため、バビネの原理(例えば、光学技術ハンドブック(2002年9月20日版)117頁参照)が適用可能である。この原理を用いると、第一領域と第二領域を有する対物レンズ光学系の振幅分布u(c)は、円径開口の場合のフラウンホーファー回折を表す数式(8)に基づき、以下の数式(9)によって表すことができる。
・・・・・・(9)
n1:第一の領域数(集光領域数)
n2:第二の領域数(非集光領域数)
ai:光軸から見て第一の領域から第二の領域への境界の光線高さ または 第一の領域の最大光線高さ
j:光軸から見て第二の領域から第一の領域への境界の光線高さまたは第二の領域の最大光線高さ
点像強度分布I(c)は、振幅分布u(c)の2乗であるから、数式(10)のように表すことができる。
・・・・・・(10)
ここで、サイドローブは、メインローブ(0次リング)に対するエネルギーとして定義できるため、メインローブの中心強度で規格化すると、数式(11)のように表すことができる。
・・・・・・(11)
ここで、図22〜図26を用いて、スポット形状の強度分布及び振幅分布の求め方について説明する。図22は、輪帯半径1の外周によって囲まれ、光軸を中心とする円領域を集光領域とした場合の強度分布及び振幅分布を示すグラフである。前述のように、強度分布は、振幅分布の2乗である。図23は、輪帯半径0.7の外周によって囲まれ、光軸を中心とする円領域を集光領域とした場合の強度分布及び振幅分布を示すグラフである。
図24は、2輪帯が形成されたレンズの強度分布及び振幅分布を示すグラフである。外側の輪帯領域が使用部すなわち集光領域であり、内側の半径0.7の領域が不使用の遮蔽部すなわち非集光領域である。このレンズの振幅分布は、図22に示す輪帯半径1の領域の振幅分布から図23に示す輪帯半径0.7の領域の振幅分布を差し引くことにより求めることができる。
図25は、輪帯半径0.3の外周によって囲まれ、光軸を中心とする円領域を集光領域とした場合の強度分布及び振幅分布を示すグラフである。
図26は、3輪帯が形成されたレンズの強度分布及び振幅分布を示すグラフである。このレンズの振幅分布は、図24に示す2輪帯が形成されたレンズの振幅分布に、図25に示す輪帯半径0.3の領域の振幅分布を加算することによって求めることができる。図26において、最も外側の輪帯領域と、最も内側の半径0.3の領域が使用部すなわち集光領域であり、その間の領域が不使用の遮蔽部すなわち非集光領域である。それぞれの強度分布については、振幅分布を2乗することによって求めることができる。
この点像強度分布I(c)のメインローブ以外の部分の点像強度を小さくなるようにa、bを選択することにより、サイドローブの少ない良好な対物レンズ光学系を提供することができる。
領域分割がなく無収差の専用レンズであって、円径開口の場合は、数式(8)より1次サイドローブの点像強度は1.75%である。光学系の構造にもよるが、メインローブ以外の部分(サインカーブ)の点像強度を5%以下、好ましくは、2.2%以下、さらに好ましくは、円径開口の場合(無収差専用レンズ)と同じ1.75%以下とすることがジッター低減の観点から好ましい。
そして、ここで得られた数式(11)は、数式(6)と同じものである。従って、数式(6)で規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が5%以下、より好ましくは3%以下となるように、集光領域52及び非集光領域53を設ければよい。これにより、確実に、サイドローブの増大を防ぐことができる。具体的には、数式(6)により規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が5%以下、より好ましくは3%以下となるように、a、bを選択する。a、bを選択すれば、領域分割位置が定まる。これにより、複数の非集光領域53を適切な位置に設けるとともに、各非集光領域53の幅を適切な大きさに調整することができる。よって、サイドローブの増大を確実に抑制することができる。
また、本発明の実施の形態にかかる対物レンズ5では、隣り合う領域51において、内側の領域51に対して、外側の領域51のサグ量(Zj(h))が大きくなるように、段差が形成されていることが好ましい。
樹脂を金型で成形してレンズを作る場合、冷却過程で、樹脂が収縮する。そのため、図3(a)に示すように、光軸に近い内側の領域51に対して、外側の領域51のサグ量が小さくなるように段差が形成されていると、樹脂が金型に張り付きやすく、離型不良が生じ、段差部が欠けてしまう可能性がある。
また、図3(a)に示すように、光軸に近い内側の領域51に対して、外側の領域51のサグ量が小さくなるように段差が形成されていると、集光領域52において屈折した光が段差部に入射してしまい、光量が低下する可能性もある。
一方、図3(b)に示すように、光軸に近い内側の領域51に対して、外側の領域51のサグ量が大きくなるように段差が形成されている場合、離型不良を防止でき、光量低下も防ぐことができる。
ここで、非集光領域53が、光束を透過させる場合であっても、集光領域52の収束位置と異なる位置に光束を収束させればよい。そのため、非集光領域53の面形状をどのような面形状にするかについては集光領域52比べて自由度がある。従って、図3(b)に示すように、何れの段差においても、光軸に近い内側の領域51に対して外側の領域51のサグ量が大きくなるように段差を形成しても、集光領域52の収束位置と異なる位置に光束を収束させるように非集光領域53の面形状を形成することは可能である。
また、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップ光学系100は、図2に示す対物レンズ5の代わりに、図4に示す対物レンズ光学系10を備えていても良い。
対物レンズ光学系10は、領域分割素子8、対物レンズ9等を備えている。図4の左側に、領域分割素子8の入射面側から見た図を示し、図4の右側に、対物レンズ光学系10の側面図を示す。図4に示すように、対物レンズ9のレーザ光源1側に領域分割素子8が設けられている。また、領域分割素子8と対物レンズ9とは、鏡筒11により一体的に保持されている。そして、フォーカスサーボ時、及びトラッキングサーボ時には、領域分割素子8と対物レンズ9とが一体となって図示されないアクチュエータにより動作される。
領域分割素子8の入射面は、複数の領域81(後述)に分割されている。なお、領域分割素子8の出射面が複数の領域81に分割されていても良い。また、領域分割素子8の入射面と出射面の両方が複数の領域81に分割されていても良い。
また、複数の領域81は、光ディスク200の情報記録面上に光束を集光する複数の集光領域82と、光ディスク200の情報記録面上に光束を集光しない複数の非集光領域83とを有している。
また、領域分割素子8は、ガラス素材から形成されてもよいし、プラスティック素材から形成されてもよい。しかし、成形がより容易なプラスティック素材から形成されるのが好ましい。
対物レンズ9は、両面非球面レンズであり、光ディスク200の情報記録面上に光束を良好に集光する。また、対物レンズ9は、ガラス素材、プラスティック素材の何れによっても形成されてよい。
次に、本発明の実施の形態にかかる対物レンズ光学系10の領域分割素子8について詳細に説明する。
図4に示すように、複数の領域81は、光軸を同心とする輪帯状の領域である。
集光領域82と非集光領域83とは、面形状が異なっていることにより形状的に区別されていてもよい。また、集光領域82と非集光領域83とは、隣り合う集光領域82と非集光領域83との間に段差が設けられていることにより、形状的に区別されていてもよい。これにより、非集光領域83は、集光領域82の収束位置と異なる位置に光束を収束させてもよい。
また、非集光領域83は、光束を反射させる性質、又は、光束を吸収する性質、又は、光束を散乱させる性質を有していてもよい。具体的には、非集光領域83は、領域分割素子8の入射面に光束不透過膜を貼付することにより形成されて、光束を反射又は吸収又は散乱してもよい。
非集光領域83の面形状は、球面、非球面、平面形状の何れかである。なお、光ディスク200が2つ以上の情報記録面を有する多層ディスクである場合、非集光領域83の面形状は、他方の情報記録面に光束を集光しないように形成されることが望ましい。
非集光領域83の面形状は、非球面形状である場合には、数式(5)により規定される。
また、集光領域82の面形状は、球面、或いは、非球面形状である。具体的には、集光領域82の面形状は、非球面形状である場合には、数式(5)により規定される。
領域分割素子8に非集光領域83が設けられる数は任意であるが、複数であることが望ましい。領域分割素子8に、複数の非集光領域83を適切な位置に設けるとともに、各非集光領域83の幅を適切な大きさに調整した。具体的には、光束が、領域分割素子8の光ディスク200のNA未満の範囲を透過して、光ディスク200の情報記録面上に集光するように、非集光領域83を設けた。
これにより、円環状の集光領域82を複数形成することができる。そのため、スポットサイズとサイドローブの増大をほとんど招来することなく、NAを小さくすることができる。
なお、円環状の集光領域82を有していれば、領域分割素子8の最も内側の円形の領域が集光領域82となっていても、スポットサイズ及びサイドローブを増大させることなく、NAを小さくすることができる。
なお、領域分割素子8において非集光領域83が占める面積が大きくなると、領域分割素子8に入射する光束の光スポット形成に利用される光量が小さくなってしまう。そのため、非集光領域83の面積はできるだけ小さいことが好ましい。特に、(集光領域82の面積)≧(非集光領域83の面積)であることが好ましい。また、非集光領域83を設けることにより低下してしまう光スポットの光量は、レーザ光源1のパワーを上げることにより補うことができる。
また、本発明の実施の形態にかかる領域分割素子8では、隣り合う領域81において、内側の領域81に対して、外側の領域81のサグ量(Zj(h))が大きくなるように、段差が形成されていることが好ましい。これにより、離型不良を防止でき、光量低下も防ぐことができる。
以上に説明した本実施の形態にかかる光ピックアップ光学系100によれば、対物レンズ5の入射面と出射面の少なくとも一方は、複数の領域51に分割されている。また、複数の領域51は、光ディスク200の情報記録面上へ光束を集光する複数の集光領域52と、光ディスク200の情報記録面上へ光束を集光しない複数の非集光領域53とを有している。そして、非集光領域53は、光束が対物レンズ5における光ディスク200の開口数未満の範囲を透過して当該光ディスク200の情報記録面上に集光するように、設けられている。
これにより、光束が対物レンズ5における光ディスク200の開口数未満の範囲を透過して当該光ディスク200の情報記録面上に集光するように、非集光領域53が設けられる。そのため、光ディスク200の情報記録面上におけるスポットサイズを、当該光ディスク200の開口数により規定されるスポットサイズよりも小さくすることができる。温度変化による球面収差は開口数の4乗に比例する。従って、本実施形態にかかる光ピックアップ光学系100では、温度変化による球面収差を低減することができる。
また、非集光領域53を複数備えることにより、光スポットのサイドローブの増大を抑制することができる。
また、光ピックアップ光学系100にもともと備えられている対物レンズ5に非集光領域51を形成するだけでよい。そのため、光ピックアップ光学系100の大型化を招来することもない。また、開口数を小さくすることができるため、対物レンズ5の製造を容易にすることができる。
具体的には、集光領域52と非集光領域53とは、数式(6)で規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が5%以下、より好ましくは3%以下となるように、設けられている。
これにより、複数の非集光領域53を適切な位置に設けるとともに、各非集光領域53の幅を適切な大きさに調整することができる。よって、サイドローブの増大を確実に抑制することができる。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップ光学系100によれば、領域分割素子8の入射面と出射面の少なくとも一方は、複数の領域81に分割されている。また、複数の領域81は、光ディスク200の情報記録面上へ光束を集光する複数の集光領域82と、光ディスク200の情報記録面上へ光束を集光しない複数の非集光領域83とを有している。そして、非集光領域83は、光束が領域分割素子8における光ディスク200の開口数未満の範囲を透過して当該光ディスク200の情報記録面上に集光するように、設けられている。
これにより、光束が領域分割素子8における光ディスク200の開口数未満の範囲を透過して当該光ディスク200の情報記録面上に集光するように、非集光領域83が設けられる。そのため、光ディスク200の情報記録面上におけるスポットサイズを、当該光ディスク200の開口数により規定されるスポットサイズよりも小さくすることができる。温度変化による球面収差は開口数の4乗に比例する。従って、本実施形態にかかる光ピックアップ光学系では、温度変化による球面収差を低減することができる。
また、非集光領域83を複数備えることにより、光スポットのサイドローブの増大を抑制することができる。
また、対物レンズ光学系10にもともと備えられている領域分割素子8に非集光領域81を形成するだけでよい。そのため、対物レンズ光学系10の大型化を招来することもない。また、開口数を小さくすることができるため、領域分割素子8の製造を容易にすることができる。
[実施例1]
次に、本発明の実施例1について説明する。本発明の実施例1にかかる光ピックアップ光学系100では、対物レンズ5の入射面側(光源側)の面に、複数の集光領域52と複数の非集光領域53を設けている。図5の表に、実施例1にかかる光ピックアップ光学系100の設計結果を示す。また、図6の表に、実施例1にかかる光ピックアップ光学系100のレンズデータを示す。また、図7の表に、実施例1にかかる対物レンズ5の面形状データを示す。また、図8の表に、対物レンズ5における領域分割位置を示す。
図5に示すように、実施例1にかかる対物レンズ5は、BD用の対物レンズである。対物レンズ5の有効径を2.28mm、NA(像側開口数)を0.81とした。一般に、BD用の対物レンズ5のNAは0.85である。また、NAが0.85の場合、実施例1の焦点距離f=1.41mmにおいては、対物レンズ5の有効径は2.4mmとなる。従って、実施例1にかかる対物レンズ5では、複数の非集光領域53を有することにより、NAが一般のBD専用の対物レンズに比べて小さくなっている。
また、実施例1にかかる光ピックアップ光学系100を、光ディスク200の基板厚を0.1mmとして設計した。なお、光ディスク200が2層ディスクである場合、各層の基板厚は、それぞれ0.1mmと0.075mmである。この場合には、光ディスク200の基板厚を0.1mmと0.075mmの中間の基板厚として設計を行えばよい。これにより、各層の基板厚と設計基板厚とのズレに基づく球面収差量が小さくなり、当該球面収差を補正する機構が複雑にならなくて済む。
また、光源波長(設計波長)を405nmとして光ピックアップ光学系100を設計した。
また、図6の表において、面番号1、2、3、4、5、6は、それぞれ、物体面(レーザ光源)、絞り面、対物レンズ5の入射面(対物レンズ光源側面)、対物レンズ5の出射面(対物レンズディスク側面)、光ディスク200の基板面(ディスク基板)、情報記録面である。そして、図6では、各面における面形状、面間距離、屈折率を示している。
また、図6に示すように、対物レンズ5は、波長λ=405nmのときの屈折率が1.5206であるプラスティックにより形成されている。また、対物レンズ5は、無限遠から光束が入射された場合、即ち、略平行光束が入射された場合に、最適に光ディスク200の情報記録面に集光するように形成されている。実際の光ピックアップ光学系100において、レーザ光源1と対物レンズ5との間にカップリングレンズ3を配設することにより、略平行光束を対物レンズ5に入射させることができる。なお、対物レンズ5の入射光束が発散光束であっても、本発明は適用可能である。
集光領域52と非集光領域53は、対物レンズ5の入射面に設けられている。具体的には、対物レンズ5の入射面は、集光領域52と非集光領域53との面形状を異ならせることにより、各領域51に分割されている。また、対物レンズ5の入射面は、段差により、各領域51に分割されている。
非集光領域53は、集光領域52と異なる面形状を有している。そのため、非集光領域53は、集光領域52と異なる屈折力を有する。これにより、非集光領域53は、集光領域52と異なる位置に光束を集光させる。
具体的には、実施例1にかかる対物レンズ5の集光領域52、非集光領域53、及び、出射面の面形状は、数式(5)と、図7に示すデータに基づいて規定される。
図7に示すように、実施例1にかかる対物レンズ5では、集光領域52と非集光領域53との間では、曲率半径のみが異なる。その他の係数の値は、集光領域52と非集光領域53との間では同じである。
また、対物レンズ5の出射面は、単一の非球面形状となっている。なお、対物レンズ5の出射面を複数の領域51に分割しても良い。また、対物レンズ5の入射面及び出射面の両方を複数の領域51に分割しても良い。
また、図8において、領域分割位置は、光軸からの距離により表されている。領域分割位置は、数式(6)により規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が3%以下となるように、定められている。実施例1にかかる対物レンズ5では、集光領域52と非集光領域53とが、光軸側から交互に3つずつ並んでいる。本実施例1にかかる対物レンズ5は、形成する領域51の数が少ない。そのため、面形状が急に傾斜する外周部においても、領域51を容易に形成することができる。
図9のグラフに、実施例1における光スポットの強度分布を示す。図9より、光ディスク200における光スポットの1/eスポット径は0.392μmであり、サイドローブの強度は、中心強度を1とした場合、0.02であった。一般に、サイドローブの強度が0.03以上となると、クロストークや符号間干渉が無視できなくなる。そのため、サイドローブの強度は0.03以下であることが望ましい。本実施例1にかかる光ピックアップ光学系100では、サイドローブの強度が0.03以下であるため、良好にサイドローブが抑制されている。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について説明する。本発明の実施例2にかかる光ピックアップ光学系100では、対物レンズ5の入射面側(光源側)の面に、複数の集光領域52と複数の非集光領域53を設けている。図10の表に、実施例2にかかる対物レンズ5の面形状データを示す。また、図11の表に、対物レンズ5における領域分割位置(段差位置)と、実施例1の対物レンズ5における段差量Δd、実施例2の対物レンズ5における段差量Δdを示す。
なお、実施例2にかかる光ピックアップ光学系100の設計結果、光ピックアップ光学系100のレンズデータは、実施例1の図5の表、図6の表に表すものと同じである。
集光領域52と非集光領域53は、対物レンズ5の入射面に設けられている。具体的には、対物レンズ5の入射面は、集光領域52と非集光領域53との面形状を異ならせることにより、各領域51に分割されている。また、対物レンズ5の入射面は、段差により、各領域51に分割されている。
実施例2にかかる対物レンズ5の集光領域52、非集光領域53、及び、出射面の面形状は、数式(5)と、図10に示すデータに基づいて規定される。
図10に示すように、実施例2にかかる対物レンズ5では、実施例1と同様に、集光領域52と非集光領域53との間では、曲率半径が異なる。また、実施例2にかかる対物レンズ5では、隣り合う領域51において、光軸に近い内側の領域51に対して、外側の領域51のサグ量が大きくなるように、第3領域(非集光領域)と第5領域(非集光領域)の光軸上シフト量(B)を調節している。その他の係数の値は、集光領域52と非集光領域53との間では同じである。
また、対物レンズ5の出射面は、単一の非球面形状となっている。なお、対物レンズ5の出射面を複数の領域51に分割しても良い。また、対物レンズ5の入射面及び出射面の両方を複数の領域51に分割しても良い。
また、図11において、領域分割位置は、光軸からの距離により表されている。領域分割位置は、数式(6)により規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が3%以下となるように、定められている。実施例2にかかる対物レンズ5では、実施例1と同様に、集光領域52と非集光領域53とが、光軸側から交互に3つずつ並んでいる。従って、本実施例2にかかる対物レンズ5は、実施例1と同様に、形成する領域51の数が少ない。そのため、面形状が急に傾斜する外周部においても、領域51を容易に形成することができる。
また、図11において、段差量Δdは、当該段差が位置する段差の外側の領域51のサグ量から内側の領域51のサグ量を減じることにより求めた。従って、段差量Δdが正の値であるとき、内側の領域51に対して、外側の領域51のサグ量が大きくなるように、段差が形成されている。実施例2にかかる対物レンズ5では、段差量Δdが全て正の値である。従って、実施例2にかかる対物レンズ5では、隣り合う領域51において、光軸に近い内側の領域51に対して、外側の領域51のサグ量が大きくなるように、段差が形成されている。これにより、離型不良を防止でき、光量低下を防ぐことができる。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3について説明する。本発明の実施例3にかかる光ピックアップ光学系100では、対物レンズ5の代わりに、対物レンズ光学系10を設けている。また、対物レンズ光学系10の領域分割素子8の入射面(光源側の面)に、複数の集光領域81と非集光領域83を設けている。図12の表に、実施例3にかかる対物レンズ光学系10の設計結果を示す。また、図13の表に、実施例3にかかる光ピックアップ光学系100のレンズデータを示す。また、図14に示す表に、領域分割素子8における領域分割位置を示す。また、図15の表に、実施例3にかかる対物レンズ9の面形状データを示す。
図12に示すように、実施例3にかかる対物レンズ光学系10は、BD用の対物レンズ光学系10である。対物レンズ9の有効径を2.29mm、NA(像側開口数)を0.81とした。従って、実施例1、2と同様に、実施例3にかかる対物レンズ9では、複数の非集光領域83を有することにより、NAが一般のBD専用の対物レンズに比べて小さくなっている。
また、実施例1、2と同様に、実施例3にかかる対物レンズ光学系10を、光ディスク200の基板厚を0.1mmとして設計した。
また、光源波長(設計波長)を405nmとして対物レンズ光学系10を設計した。
また、図13の表において、面番号1、2、3、4、5、6、7、8は、それぞれ、物体面(レーザ光源)、領域分割素子8の入射面(領域分割素子光源側面)、領域分割素子8の出射面(領域分割素子対物レンズ側面)、絞り面、対物レンズ9の入射面(対物レンズ光源側面)、対物レンズ9の出射面(対物レンズディスク側面)、光ディスク200の基板面(ディスク基板)、情報記録面である。そして、図13では、各面における面形状、面間距離、屈折率を示している。
また、図13に示すように、領域分割素子8及び対物レンズ9は、波長λ=405nmのときの屈折率が1.5206であるプラスティックにより形成されている。また、対物レンズ光学系10は、無限遠から光束が入射された場合、即ち、略平行光束が入射された場合に、最適に光ディスク200の情報記録面に集光するように形成されている。実際の光ピックアップ光学系100において、レーザ光源1と対物レンズ光学系10との間にカップリングレンズ3を配設することにより、略平行光束を対物レンズ5に入射させることができる。なお、対物レンズ光学系10の入射光束が発散収束光束であっても、本発明は適用可能である。
集光領域82と非集光領域83は、領域分割素子8の入射面側に設けられている。また、集光領域82及び非集光領域83の面形状は、光軸に垂直な平面となっている。そして、非集光領域83に相当する面に、光束不透過膜を貼付することにより、非集光領域83が形成されている。なお、集光領域82及び非集光領域83の面形状は、球面、非球面、及び、光軸に垂直でない平面の何れであってもよい。領域分割素子8の各領域81が光軸に垂直な平面である場合、当該平面による反射光束がレーザ光源1に戻ってしまう可能性がある。これにより、ノイズを誘発してしまい、レーザ光源1の安定発振に影響を及ぼす可能性がある。従って、レーザ光源1の安定発振という点では、各領域81の面形状が、球面、非球面、及び、光軸に垂直でない平面の何れかであることが好ましい。また、実施例3では、領域分割素子8の出射面も平面である。従って、レーザ光源1の安定発振という点では、領域分割素子8の出射面が、球面、非球面、及び、光軸に垂直でない平面の何れかであることが好ましい。
また、図14において、領域分割位置は、光軸からの距離により表されている。領域分割位置は、数式(6)により規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が3%以下となるように、定められている。実施例3にかかる領域分割素子8では、集光領域82と非集光領域83とが、光軸側から交互に並んでいる。また、集光領域82は4つ、非集光領域83は3つ形成されている。
対物レンズ9は、BD専用の対物レンズであって、両面非球面レンズである。具体的には、実施例3にかかる対物レンズ9の出射面(R1)及び、出射面(R2)の面形状は、数式(5)と、図15に示すデータに基づいて規定される。
図15に示すように、対物レンズ9の入射面及び出射面は、単一の非球面形状となっている。また、対物レンズ9の入射面と出射面とは、異なる非球面係数を有している。
図16のグラフに、実施例3における光スポットの強度分布を示す。図16より、光ディスク200における光スポットの1/eスポット径は0.393μmであり、サイドローブの強度は、中心強度を1とした場合、0.02であった。本実施例3にかかる光ピックアップ光学系100では、サイドローブの強度が0.03以下であるため、良好にサイドローブが抑制されている。
[比較例1]
次に、比較例1について説明する。比較例1にかかる光ピックアップ光学系では、対物レンズの構成のみが実施例1にかかる光ピックアップ光学系100と異なる。具体的には、比較例1にかかる対物レンズは、BD専用の対物レンズである。また、比較例1にかかる対物レンズの入射面及び出射面は、それぞれ単一の非球面形状となっている。また、比較例1にかかる対物レンズの入射面及び出射面は、光束がBDの情報記録面状にほぼ無収差で集光するような面形状となっている。
図17の表に、比較例1にかかる光ピックアップ光学系の設計結果を示す。また、図18の表に、比較例1にかかる光ピックアップ光学系のレンズデータを示す。また、図19の表に、比較例1にかかる対物レンズの面形状データを示す。
図17に示すように、比較例1の対物レンズの有効径を2.40mm、NA(像側開口数)を0.85とした。
また、比較例1にかかる光ピックアップ光学系を、光ディスク200の基板厚を0.1mmとして設計した。
また、光源波長(設計波長)を405nmとして、比較例1にかかる光ピックアップ光学系を設計した。
また、図18の表において、面番号1、2、3、4、5、6は、それぞれ、物体面(レーザ光源)、絞り面、比較例1にかかる対物レンズの入射面(対物レンズ光源側面)、比較例1にかかる対物レンズの出射面(対物レンズディスク側面)、光ディスク200の基板面(ディスク基板)、情報記録面である。そして、図6では、各面における面形状、面間距離、屈折率を示している。
また、図18に示すように、比較例1にかかる対物レンズは、波長λ=405nmのときの屈折率が1.5206であるプラスティックにより形成されている。また、比較例1にかかる対物レンズは、無限遠から光束が入射された場合、即ち、略平行光束が入射された場合に、最適に光ディスク200の情報記録面に集光するように形成されている。
具体的には、比較例1にかかる対物レンズの出射面(光源側面)及び、出射面(ディスク側面)の面形状は、数式(5)と、図19に示すデータに基づいて規定される。
図19に示すように、対物レンズ9の入射面及び出射面は、単一の非球面形状となっている。また、対物レンズ9の入射面と出射面とは、異なる非球面係数を有している。
図20のグラフに、比較例1における光スポットの強度分布を示す。図20より、光ディスク200における光スポットの1/eスポット径は0.393μmであり、サイドローブの強度は、中心強度を1とした場合、0.02であった。比較例1にかかる光ピックアップ光学系では、サイドローブの強度が0.03以下であるため、良好にサイドローブが抑制されている。
図21のグラフに、実施例1、2、3及び比較例1の各光ピックアップ光学系において、温度変化が生じたときの光スポットの劣化を示す。ここで、光スポットの劣化を中心強度の低下により見積もった。図21のグラフにおいて、縦軸は、中心強度であり、横軸が温度変化量(℃)である。また、設計温度を基準とし、設計温度における温度変化量を0℃、光スポットの中心強度を1とした。なお、実施例及び比較例ともに、光ピックアップ光学系及びディスク基板の全てがプラスティックにより形成されているため、温度上昇時の材料の屈折率変化量は、−1×10−4(1/℃)である。また、レーザ光源1が波長λ=405nmの青紫色半導体レーザの場合、温度変化に伴うレーザ光源1の波長変動は、+0.5(nm/℃)程度である。また、図21において、実施例1を丸印、実施例2をひし形、実施例3を四角、比較例1をバツ印により示した。
図21に示すように、温度変化量が10℃のとき、実施例1、2、3、比較例1の光スポットの中心強度は、それぞれ、0.94、0.95、0.95、0.91である。従って、本発明の実施例1、2、3では、比較例1に比べて、温度変化による光スポットの劣化が抑制されている。
従って、本発明により、対物レンズ5又は対物レンズ光学系10のNAを小さくすることができ、温度変化に伴う光スポットの劣化を抑制することができる。また、基板厚の異なる光ディスク200を記録再生する場合における基板厚差、光ディスク200の記録再生時における光ディスク200の傾き等、温度変化以外の原因による光スポットの劣化に対しても、本発明は有効である。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明の実施の形態にかかる光ピックアップ光学系の一例を示す図である。 本発明にかかる対物レンズを示す図である。 本発明にかかる段差の形状を説明する図である。 本発明にかかる対物レンズ光学系を示す図である。 実施例1にかかる光ピックアップ光学系の設計結果を示す表である。 実施例1にかかる光ピックアップ光学系のレンズデータを示す表である。 実施例1にかかる対物レンズの面形状データを示す表である。 実施例1にかかる対物レンズにおける領域分割位置を示す表である。 実施例1における光ディスク上の光スポットの強度分布を示すグラフである。 実施例2にかかる対物レンズの面形状データを示す表である。 実施例2にかかる対物レンズにおける領域分割位置及び実施例1及び実施例2にかかる対物レンズにおける段差量を示す表である。 実施例3にかかる対物レンズ光学系の設計結果を示す表である。 実施例3にかかる光ピックアップ光学系のレンズデータを示す表である。 実施例3にかかる領域分割素子における領域分割位置を示す表である。 実施例3にかかる対物レンズの面形状データを示す表である。 実施例3における光ディスク上の光スポットの強度分布を示すグラフである。 比較例1にかかる光ピックアップ光学系の設計結果を示す表である。 比較例1にかかる光ピックアップ光学系のレンズデータを示す表である。 比較例1にかかる対物レンズの面形状データを示す表である。 比較例1における光ディスク上の光スポットの強度分布を示すグラフである。 実施例1、2、3及び比較例1の各光ピックアップ光学系において、温度変化が生じたときの光スポットの劣化を示すグラフである。 スポット形状の強度分布及び振幅分布の求め方を示す説明図である。 スポット形状の強度分布及び振幅分布の求め方を示す説明図である。 スポット形状の強度分布及び振幅分布の求め方を示す説明図である。 スポット形状の強度分布及び振幅分布の求め方を示す説明図である。 スポット形状の強度分布及び振幅分布の求め方を示す説明図である。
符号の説明
1 レーザ光源(光源)
5 対物レンズ(光学素子)
51 領域
52 集光領域(領域)
53 非集光領域(領域)
8 領域分割素子(光学素子)
81 領域
82 集光領域(領域)
83 非集光領域(領域)
10 対物レンズ光学系
100 光ピックアップ光学系
200 光ディスク(光記録媒体)

Claims (18)

  1. 光学素子を有し、光束を光記録媒体の情報記録面上に集光させる光ピックアップ光学系であって、
    前記光学素子の入射面と出射面の少なくとも一方は、複数の領域に分割され、
    前記複数の領域は、前記光記録媒体の情報記録面上へ光束を集光する複数の集光領域と、前記光記録媒体の情報記録面上へ光束を集光しない複数の非集光領域とを有し、
    前記非集光領域は、光束が前記光学素子における前記光記録媒体の開口数未満の範囲を透過して当該光記録媒体の情報記録面上に集光するように、設けられている光ピックアップ光学系。
  2. 前記複数の領域は、光軸を同心とする輪帯状の領域である請求項1に記載の光ピックアップ光学系。
  3. 前記集光領域と前記非集光領域とは、次の式で規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が5%以下となるように、設けられている請求項2に記載の光ピックアップ光学系。

    ・・・・・・(1)

    J1(X):第1種1次ベッセル関数
    n1:集光領域の数
    n2:非集光領域の数
    ai:i番目の集光領域における最大光線高さ
    bj:j番目の非集光領域における最大光線高さ
    c:情報記録面上の光軸から垂直方向の高さ
    f:焦点距離
    0:メインローブ(0次リング)の半径
    λ1:光束の波長
  4. 前記集光領域と前記非集光領域とは、前記点像強度I(c)が3%以下となるように設けられている請求項3に記載の光ピックアップ光学系。
  5. 前記複数の領域は、前記光記録媒体の光源側に設けられる対物レンズの入射面と出射面の少なくとも一方に形成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の光ピックアップ光学系。
  6. 前記複数の領域は、前記光記録媒体の光源側に設けられる対物レンズと光源との間に位置する前記光学素子の入射面と出射面の少なくとも一方に形成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の光ピックアップ光学系。
  7. 前記非集光領域は、前記集光領域の面形状と異なる面形状に形成されている請求項1乃至6の何れか一項に記載の光ピックアップ光学系。
  8. 前記光学素子の入射面と出射面の少なくとも一方は、段差により、複数の領域に分割されており、
    隣り合う前記領域において、内側の前記領域に対して、外側の前記領域のサグ量が大きくなるように、前記段差が形成されている請求項1乃至7の何れか一項に記載の光ピックアップ光学系。
  9. 前記非集光領域は、光束を反射させる性質、又は、光束を吸収する性質、又は、光束を散乱させる性質を有する請求項1乃至8の何れか一項に記載の光ピックアップ光学系。
  10. 前記光学素子は、樹脂により形成される請求項1乃至9の何れか一項に記載の光ピックアップ光学系。
  11. 光束を光記録媒体の情報記録面上に集光させる対物レンズであって、
    前記対物レンズの入射面と出射面の少なくとも一方は、複数の領域に分割され、
    前記複数の領域は、前記光記録媒体の情報記録面上へ光束を集光する複数の集光領域と、前記光記録媒体の情報記録面上へ光束を集光しない複数の非集光領域とを有し、
    前記非集光領域は、光束が前記対物レンズにおける前記光記録媒体の開口数未満の範囲を透過して当該光記録媒体の情報記録面上に集光するように、設けられている対物レンズ。
  12. 前記複数の領域は、光軸を同心とする輪帯状の領域である請求項11に記載の対物レンズ。
  13. 前記集光領域と前記非集光領域とは、次の式で規定されるメインローブ以外の点像強度I(c)が5%以下となるように、設けられている請求項12に記載の対物レンズ。
    ・・・・・・(2)
    J1(X):第1種1次ベッセル関数
    n1:集光領域の数
    n2:非集光領域の数
    ai:i番目の集光領域における最大光線高さ
    bj:j番目の非集光領域における最大光線高さ
    c:情報記録面上の光軸から垂直方向の高さ
    f:焦点距離
    0:メインローブ(0次リング)の半径
    λ1:光束の波長
  14. 前記集光領域と前記非集光領域とは、前記点像強度I(c)が3%以下となるように設けられている請求項13に記載の対物レンズ。
  15. 前記非集光領域は、前記集光領域の面形状と異なる面形状に形成されている請求項11乃至14の何れか一項の何れか一項に記載の対物レンズ。
  16. 前記対物レンズの入射面と出射面の少なくとも一方は、段差により、複数の領域に分割されており、
    隣り合う前記領域において、内側の前記領域に対して、外側の前記領域のサグ量が大きくなるように、前記段差が形成されている11乃至15の何れか一項に記載の対物レンズ。
  17. 前記非集光領域は、光束を反射させる性質、又は、光束を吸収する性質、又は、光束を散乱させる性質を有する請求項11乃至16の何れか一項に記載の対物レンズ。
  18. 樹脂により形成される請求項11乃至17の何れか一項に記載の対物レンズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114460715A (zh) * 2020-11-10 2022-05-10 擎亚电子光学 光学成像***及成像装置、合成曲面设计方法及记录介质

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