JP2009214345A - 表面改質射出成形方法及び該表面改質射出成形方法で成形された射出成形体 - Google Patents

表面改質射出成形方法及び該表面改質射出成形方法で成形された射出成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた表面改質性、型転写性を有する表面改質射出成形方法、及び、表面が良好に改質され、かつ、優れた表面外観及び表面平滑性を有する射出成形体を提供すること。
【解決手段】以下の各工程を含む、表面改質射出成形方法;
溶融樹脂を金型キャビティに射出後、前記金型キャビティの意匠側型面から射出成形体の意匠面へ高圧流体を注入する工程(a)及び
前記工程(a)の後に行われ、前記金型キャビティの非意匠側型面から射出成形体の非意匠面へ高圧流体を注入する工程(b)。
【選択図】図1

Description

本発明は、金型内で射出成形体の表面層に耐光性、難燃性、摺動性、導電性等の特性を付与する表面改質射出成形方法、及び、該表面改質射出成形方法により成形された射出成形体に関する。
従来から、合成樹脂製の射出成形体に特性を付与する方法として、所望の特性を有する特性付与剤(以下、改質剤と言う。)を添加した合成樹脂を用いて射出成形する方法が一般に用いられている。この方法では、射出成形体の全部が、改質剤を添加した合成樹脂で構成されるため、特性が射出成形体の表面にだけ要求される場合も特性が不必要な成形体の内部にも改質剤が存在することになり、より多くの改質剤が必要となる。そのため、特性を満足させるために、高価な改質剤を用いざるを得ない場合には、材料コストが高くなる。また、耐熱性の低い改質剤、熱安定性の悪い改質剤を用いた場合には、成形時に改質剤が熱分解、ガス化し、射出成形体の表面改質が十分に行われない、外観不良が生じる、金型にMD(モールド・デポジット、金型付着物)が発生する等の問題が存在していた。
一方、表面だけに特性を付与する方法として、射出成形体を成形後、改質剤を添加した塗料を用いて射出成形体の表面を塗装する方法や、射出成形の際、金型キャビティ内で射出成形体の表面を塗装する方法、所謂、型内塗装射出成形法やインモールド射出成形法(特性を有する層を積層したキャリアフィルムを金型内に挿入し、成形時に特性を有する層を射出成形体の表面に熱転写する方法)等がある。しかしながら、成形後、射出成形体の表面を塗装する方法は、大掛かりの塗装設備が必要な上、形状によっては均一な塗膜を得るのが難しく、また、塗料に溶剤を使用するので環境上好ましくない等の問題を有する。型内塗装射出成形法は、特殊な金型構造、塗装設備が必要であり、射出成形体の形状が限定される等の問題を有する。インモールド射出成形法は特殊フィルムが必要な上、射出成形体の形状が板状に限定される等の問題を有する。
上述の方法に代わる方法として、溶融樹脂を射出する前に改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素で金型キャビティ内を加圧せしめた状態、所謂、カウンタープレッシャーを金型キャビティ内にかけた状態で射出成形することにより、射出過程で射出成形体の表面改質を行なう成形方法(特許文献1)や、溶融樹脂を射出する前に、射出シリンンダー内の溶融樹脂を、型内を流動する際のフローフロント部に相当する溶融樹脂部分に改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を浸透せしめた状態で射出成形して、射出成形体の表面に改質剤が存在する層を形成せしめる方法(特許文献2)、溶融樹脂を射出した後、射出成形体表面の所望の箇所に改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を導入し、表面に改質剤を浸透させた後、保圧や型締め圧によって、又は射出圧縮法によって、成形体の樹脂内圧を上昇させて射出成形体を得る方法(特許文献2)が開示されている。
また、射出成形体表面の外観を向上させる方法として、射出成形終了直後に、射出成形体表面と型面に隙間を作り、その隙間に二酸化炭素を導入し、射出成形体表面に二酸化炭素を十分に溶解せしめて表面層を軟化させた後、樹脂圧を高めることにより成形体表面の型転写性、光沢性を向上させる成形方法(特許文献3)や、射出前に二酸化炭素で金型キャビティ内を満たしておいた状態で溶融樹脂を射出し、次いで射出成形体の非意匠面側を加圧ガスで加圧して射出成形体の意匠面側を型面に押し付けることにより、表面が平滑で、外観に優れる射出成形体を得る成形方法(特許文献4)が開示されている。
特開2003−320556号公報 特許第3964447号公報 特開2002−52583号公報 特開平11−179750号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法によると、溶融樹脂を金型キャビティに射出する前に、改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を金型キャビティ内に導入し、溶融樹脂が型内を流動する過程で射出成形体の表面に超臨界二酸化炭素中の改質剤を含浸せしめるため、溶融樹脂と超臨界二酸化炭素との接触時間が短く、必ずしも、射出成形体表面への改質剤の浸透が十分でなく、射出成形体の表面改質が不十分な場合がある。
また、特許文献2に開示された、溶融樹脂を射出する前に、射出シリンダー内の溶融樹脂の内、型内を流動する際のフローフロント部に相当する溶融樹脂部分に改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を浸透せしめた状態で射出成形して、射出成形体の表面に改質剤が存在する層を形成せしめる方法は、基本的にサンドイッチ成形と同様の原理である。ここで、射出成形体表面の改質剤が存在する層は、サンドイッチ成形のスキン層に相当し、薄くて均一なスキン層、即ち、改質剤が存在する層を得るのが難しく、均一なスキン層を得るには成形体の形状も限定される。また、スキン層には改質剤と共に超臨界二酸化炭素も含有するため、射出時に、フローフロントから二酸化炭素が噴出し、射出成形体の表面を二酸化炭素が走ることにより外観が悪化する等の欠点を有する。そのため、この方法により良好な表面外観を達成するには、射出時のフローフロントからの二酸化炭素の噴出を防ぐために、金型キャビティに高圧ガスでカウンタープレッシャーをかけることが必須となる等の課題がある。
同じく特許文献2には、溶融樹脂を射出した後、射出成形体表面の所望の箇所に、改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を導入し、表面に改質剤を浸透させた後、射出成形体の樹脂内圧を上昇させて射出成形体の表面を型面に押し付ける方法が開示されている。当該文献には、射出成形体の樹脂内圧を上昇させる方法として、射出圧縮が可能な特殊金型を用いる方法や、樹脂保圧、型締め圧をかける方法が挙げられている。しかしながら、樹脂保圧で射出成形体の樹脂内圧を上げる方法は、ゲートを通して射出成形体内部に樹脂圧をかけるため、ゲートから遠い箇所には樹脂圧がかかり難い、また、ゲート径が細いとゲートが早く固化して、樹脂圧が射出成形体の内部に殆どかからない等の問題を有する。また、型締め圧で射出成形体の内部の樹脂圧を上昇させる方法は、圧縮機構を有する特殊な型締め機構が必要である上に、射出成形体の全体を圧縮するため、射出成形体の内部の樹脂圧を均一に上昇させることが難しく、特に非意匠面(裏面)にリブ、厚肉偏肉部等を有する射出成形体では、樹脂収縮による意匠面の部分的なヒケは解消できない等の問題を有する。
さらに、特許文献3、4に開示された成形方法は、いずれも二酸化炭素の樹脂への可塑化効果を用いて射出成形体の表面外観、型再現性を向上させる方法であり、射出成形体の表面に、耐光性、難燃性、摺動性、導電性等の特性を付与させる方法については何等開示していない。
そこで、上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を金型に導入して射出成形体の表面を改質する方法を用い、非意匠面(裏面)にリブ、厚肉偏肉部等を有する射出成形体に対し、優れた表面改質性とヒケのない優れた表面平滑性、外観を付与することを可能とする表面改質射出成形方法、及び該成形方法により成形された射出成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、溶融樹脂を金型キャビティに射出後、前記金型キャビティの意匠側型面から射出成形体の意匠面へ高圧流体を注入する工程(a)と、前記工程(a)の後に行われ、前記金型キャビティの非意匠側型面から射出成形体の非意匠面へ高圧流体を注入する工程(b)と、を含む表面改質射出成形方法が、優れた表面改質性及び型転写性を有することを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
以下の各工程を含む、表面改質射出成形方法;
溶融樹脂を金型キャビティに射出後、前記金型キャビティの意匠側型面から射出成形体の意匠面へ高圧流体を注入する工程(a)及び
前記工程(a)の後に行われ、前記金型キャビティの非意匠側型面から射出成形体の非意匠面へ高圧流体を注入する工程(b)。
[2]
前記工程(a)及び/又は工程(b)に用いる高圧流体が表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素である、上記[1]記載の表面改質射出成形方法。
[3]
前記工程(a)に用いる高圧流体が表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素であり、工程(b)に用いる高圧流体が窒素又は表面改質剤を含まない二酸化炭素である、上記[1]記載の表面改質射出成形方法。
[4]
前記工程(a)に用いる高圧流体が表面改質剤を含まない二酸化炭素であり、工程(b)に用いる高圧流体が表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素である、上記[1]記載の表面改質射出成形方法。
[5]
溶融樹脂を金型キャビティに射出後、前記金型キャビティの非意匠側型面から射出成形体の非意匠面へ表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入する工程(b’)を含む、表面改質射出成形方法。
[6]
溶融樹脂を金型キャビティに射出する前に、前記金型キャビティ内に表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入する工程(c)をさらに含む、上記[1]〜[5]のいずれか記載の表面改質射出成形方法。
[7]
前記表面改質剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び/又はヒンダードアミン系光安定剤である、上記[2]〜[6]のいずれか記載の表面改質射出成形方法。
[8]
前記溶融樹脂は、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂である、上記[1]〜[7]のいずれか記載の表面改質射出成形方法。
[9]
上記[1]〜[8]のいずれか記載の表面改質射出成形方法で成形された、射出成形体。
本発明により、優れた表面改質性、型転写性を有する表面改質射出成形方法を提供することできる。本発明の成形方法は、表面改質性及び型転写性に優れているため、当該方法で成形された射出成形体は、表面が良好に改質されており、かつ、優れた表面外観及び表面平滑性を有する。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
まず、本実施の形態の表面改質射出成形方法(以下、単に本実施の形態の成形方法とも言う。)に用いられる装置について説明する。
以下の、図1〜図6において、本実施の形態の射出成形方法で使用する、金型及び超臨界二酸化炭素発生装置の一例を示す。なお、図1〜図6においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は本実施の形態の成形方法で使用される金型と超臨界二酸化炭素発生装置の一例を示すものである。図1で示すように金型1は固定型1aと可動型1bで構成されており、可動型1bには、射出成形終了後に、射出成形体を突き出すエジェクターピン6が配置されている。また、金型1は金型キャビティ温調用冷却孔7a、7bを有し、金型温度調節機から温調媒体が流れて、成形工程における金型キャビティの温度が調節される。
金型1に溶融樹脂を射出成形して得られる射出成形体2は、非意匠面にリブ3を有する。固定型1a、可動型1bには、高圧流体の注入・排出経路が形成されており、改質溶解タンク10から供給弁VA−1、VB−1、VC−1を経て、表面改質剤(以下、単に改質剤とも言う。)を溶解させた超臨界二酸化炭素、或いは、窒素、改質剤を含まない二酸化炭素が金型内に供給される。弁VA−2、VB−2、VC−2は排出弁である。
図2及び3は意匠側型面2aに設けられる注入口Aの態様例を示す。図2は意匠側型面2aとピン4の間にクリアランスが形成されており、該クリアランスが注入口Aとなる。該クリアランスは溶融樹脂が逆流して入り込むことはないが、高圧流体は通過できる大きさになっている。具体的には0.01〜0.05mmのクリアランスが設けられている。
図4は、意匠側型面2aとピン4の間に形成されるクリアランスの態様例を示す。図4(a)に示すように該クリアランスはピンの周囲に沿って均一にリング状に設けてもよいし、図4(b)、(c)のようにピンの一部を削り取って設けてもよい。図5にピン4の構造の一例を示す。図5に示すようにピン4には高圧流体の逆流漏れを防止するため、シール材4sが設けられている。
図3はピン4の代わりに角状の入れ子を用いた例を示す。注入口Aの形態としては、ピンを用いてクリアランスを設けるのが好ましいが、図3に示すように、入れ子と金型の間にクリアランスを設けてもよい。
以上、注入口Aについて詳細に述べたが、注入口Bも注入口Aと同様の形態で設けることができる。
図6は金型パーティング面(射出成形体のパーティング面)に設けられる、改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を金型キャビティに注入・排出する注入口Cの態様例を示す。金型キャビティの淵(射出成形体の淵)に沿って、5〜7mm離れた外側全周に巾5mm、深さ3mm程度の溝を設け、前記溝と金型キャビティの淵をつなげる巾5〜10mm、深さ0.05〜0.1mmのスリット状の溝(注入口C)を100〜200mmの間隔で設けるマニホールド形態が好ましい。金型キャビティに注入された、改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素の漏洩を防ぐため、溝の外側周囲にはシール材1sが設けられている。本実施の形態の金型キャビティの機密性を保つためのシール材(図1中の1s、4s、5s、6s)としては、ニトリル−ブタジエンゴム製等の耐熱性Oリング等を用いることが好ましい。
図1中の液化二酸化炭素ボンベ8で圧力調整された二酸化炭素は、加熱器9を経て超臨界二酸化炭素となり、改質剤を溶解する改質剤溶解タンク10へ送られる。
[表面改質射出成形方法]
次に、上記装置を用いて実施される、本実施の形態の表面改質射出成形方法について、図中の記号を用いて説明する。
本実施の形態の表面改質射出成形方法は、溶融樹脂を金型キャビティに射出後、前記金型キャビティの意匠側型面2aから射出成形体の意匠面へ高圧流体を注入する工程(a)及び前記工程(a)の後に行われ、前記金型キャビティの非意匠側型面2bから射出成形体の非意匠面へ高圧流体を注入する工程(b)を含む。
本実施の形態において、「高圧流体」とは、表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素、窒素又は表面改質剤を含まない二酸化炭素である。
本実施の形態の成形方法によれば、射出成形体の非意匠面へ高圧流体を注入して、射出成形体の意匠面を型面に押し付けるので、射出成形体の非意匠側にリブ、偏肉部を有する射出成形体であっても、非意匠面に均一に存在する高圧流体の押し付け効果により、冷却過程でリブ、偏肉部に発生する樹脂収縮による部分的なひけが意匠面に発生するのが抑止され、ひけのない、表面平滑性に優れた意匠面を有する射出成形体を得ることが可能となる。
(工程(a))
工程(a)は、溶融樹脂を金型キャビティに射出後、前記金型キャビティの意匠側型面2aから射出成形体の意匠面へ高圧流体を注入する工程である。工程(a)において、高圧流体として、表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を用いると、二酸化炭素の可塑化効果により、射出成形体2の意匠面の表面は軟化する(Tg(ガラス転移温度)が下がる)と同時に、表面に改質剤が良好に浸透する。高圧流体として、改質剤を含まない二酸化炭素を用いると、射出成形体の意匠面には表面を軟化する作用のみ働く。
(工程(b))
工程(a)の後に行われる工程(b)は、金型キャビティの非意匠側型面2bから射出成形体の非意匠面へ高圧流体を注入する工程である。工程(b)を行うことにより、射出成形体2の意匠面を意匠側型面2aに押し付けて、射出成形体2の意匠面の型転写を確実にして意匠面のひけを防止することができる。さらに、高圧流体として、改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を用いると、射出成形体の意匠面のひけを防止する同時に、非意匠面の表面を改質することができる。
工程(a)の高圧流体として表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を用い、工程(b)の高圧流体として窒素、又は表面改質剤を含まない二酸化炭素を用いた場合には、意匠面の表面だけが改質され、かつ、意匠面にひけないの射出成形体が得られる。このような射出成形体は、例えば、意匠面に耐光性を付与した、ボス、リブ等を有する事務機ハウジング等に有用である。
射出成形体の非意匠面だけを改質する場合は、工程(a)は必ずしも必要でない。型転写性を高めるために、工程(a)の高圧流体として二酸化炭素を注入して、意匠面の表面を軟化させてもよいし、工程(a)を省略して、溶融樹脂を金型キャビティに射出後、直ちに工程(b)を行ってもよい。つり本実施の形態は、溶融樹脂を金型キャビティに射出後、前記金型キャビティの非意匠側型面から射出成形体の非意匠面へ表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入する工程(b’)を含む表面改質射出成形方法を包含する。
工程(b)の高圧流体として、表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入すると、非意匠面の表面が改質され、かつ、意匠面にひけのない射出成形体が得られる。このような射出成形体は、例えば、非意匠面に電磁波シールド性を付与した、PDP(プラズマディスプレイ)等の電磁波シールド性が要求される薄型TVのバックカバーに有用である。
以下に、本実施の形態の表面改質射出成形方法を、射出成形体2の意匠面のみを改質する成形方法を例にとって具体的に説明する。
溶融樹脂を金型キャビティに射出する前に、供給弁VA−1、VB−1、VC−1は全て閉じ、排出弁VA−2、VB−2、VC−2は全て開放する。射出終了直後、排出弁VA−2、VB−2、VC−2を全て閉じ、供給弁VA−1を開いて、意匠側型面2aに設けられた注入口Aから射出成形体2の意匠面と意匠側型面2aの間に、表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入して、射出成形体2の意匠面の表面改質をおこなう(工程(a))。
注入口Aからの超臨界二酸化炭素の注入時期は射出終了直後が好ましく、注入時間は特に限定されないが、射出成形体2の意匠面へ改質剤の浸透がなされる最小の時間が好ましい。また、二酸化炭素の超臨界条件は、31℃、7.4MPa以上であるので、少なくとも10MPa以上の注入圧力で、超臨界二酸化炭素を注入することが好ましい。
表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素の注入圧力は、好ましくは8MPa〜15MPa、より好ましくは10Mpa〜12Mpaである。注入圧力が8Mpa以上であると、超臨界二酸化炭素が射出成形体の表面に浸透しやすくなり、射出成形体2の表面改質が良好となる傾向にあるが、15Mpaを超えると、金型キャビティのシールが困難となったり、注入圧力が型締め力、射出圧力に及ぼす影響が大きくなるおそれがあるので好ましくない。
射出成形体2の意匠面への超臨界二酸化炭素の注入圧力は、超臨界圧力状態を保つためにできるだけ速やかに昇圧させるのが好ましい。また、金型温度は超臨界温度である31℃以上にする必要があり、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上に保つ。
工程(a)で、非意匠側型面2bに設けられた注入口Bに通じる排出弁VB−2は閉じた状態でもよいが、好ましくは開いた状態(注入口Bが大気に開放される状態)にして、非意匠面側にトラップされた二酸化炭素を排出することが好ましい。金型キャビティの非意匠側型面2bに滞留する二酸化炭素の残圧を取り除くことにより、注入口Aから表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入した際に、射出成形体2の意匠面と意匠側型面2aの間に隙間ができ易くなる傾向にあるので好ましい。
上記工程(a)により、射出成形体2の意匠面へ改質剤を浸透させた後、供給弁VA−1を閉じ、排出弁VA−2を開く。次いで、排出弁VB−2を閉じ、供給弁VB−1を開いて、非意匠側型面2bに設けられた注入口Bより、高圧流体を注入して、射出成形体2の非意匠面に圧力をかけ、射出成形体2の意匠面全体を意匠側型面2aに押し付ける(工程(b))。
高圧流体を射出成形体2の非意匠面に注入することにより、射出成形体2の非意匠面側にあるリブ3全体に高圧流体の圧力が作用し、リブ3の根元は高圧流体の圧力によって絞り込まれ、リブ3内部の非固化樹脂が流動してリブ3に対面する射出成形体2の意匠面が意匠側型面2aに押し付けられると共に、リブ3の体積収縮による意匠面の部分的なひけの発生が防止される。射出成形体2の意匠面を意匠側型面2aに押し付ける手段として高圧流体を用いることにより、非意匠面にリブ、ボスを多数有する形状、厚肉リブを有する形状、偏肉部を有する形状の射出成形体であっても、意匠面型面2aを良好に転写した、ひけのない優れた表面平滑性を有する射出成形体を得ることができる。
注入口Bから注入する高圧流体としては、別の加圧ガス源から、窒素ガス、又は、改質剤を含まない二酸化炭素を用いる。高圧流体の注入圧力は、高い方が射出成形体の意匠面の型転写性が良好となる傾向にあるが、高すぎると金型キャビティのシールが困難になる等の問題が生ずるおそれがあるので、上記効果が発現する範囲で、できるだけ低い圧力にすることが好ましい。具体的には、1〜15MPaの範囲が好ましく、成形体の肉厚や形状に応じて、注入圧力を選択する。注入時間は射出成形体が固化する(離型後、変形しない)までおこなうのが好ましい。
本実施の形態の表面改質射出成形方法は、上述した工程(a)及び(b)に加えて、溶融樹脂を金型キャビティに射出する前に、前記金型キャビティ内に表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入する工程(c)をさらに含んでいてもよい。
工程(c)においては、溶融樹脂が金型キャビティ内を流動する過程で、その流動先端(フローフロント)が改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素に接触し、フローフロントに改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素が浸透することにより、射出成形体2の表面層に改質剤を含浸させることができる。
具体的には、溶融樹脂を金型キャビティに射出する前に、供給弁VA−1、VB−1と、排出弁VA−2、VB−2、VC−2を閉じた状態で、供給弁VC−1を開けて、金型のパーティング面に設けられた注入口Cから、金型キャビティ内に改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入し、金型キャビティ内を超臨界二酸化炭素で加圧する、所謂、カウンタープレッシャーをかける。この状態で、溶融樹脂を金型キャビティ内に射出する。
二酸化炭素の超臨界条件は、31℃、7.4MPa以上であるので、少なくとも8MPa以上の注入圧力で、カウンタープレッシャーをかける。
改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素のカウンタープレシャーは、上述の工程(a)と同様に、好ましくは8〜15MPa、より好ましくは10〜12Mpaである。カウンタープレッシャーが8Mpa以上であると、溶融樹脂の射出過程で二酸化炭素が溶融樹脂に浸透しやすくなり、射出成形体2の表面改質が良好となる傾向にあるが、15Mpaを超えると、金型キャビティのシールが困難となったり、カウンタープレッシャーが型締め力、射出圧力に及ぼす影響が大きくなるおそれがあるので好ましくない。
本実施の形態の表面改質射出成形方法が工程(c)を含む場合、金型キャビティ内にカウンタープレッシャーをかける工程を追加する分、成形工程が複雑になる傾向にある。しかしながら、溶融樹脂の射出前に金型キャビティ内に超臨界二酸化炭素のカウンタープッレッシャーをかけることにより、溶融樹脂が型内を流動する際にフローフロントが加圧され、溶融樹脂から発生する揮発成分がフローフロントから噴出したり、ガラス繊維等の充填材がフローフロントから露出したりする現象が抑制され、二酸化炭素の樹脂可塑化効果と相まって、より表面外観の良好な射出成形体が得られやすい。
逆に、工程(c)を含まない場合には、成形工程が簡素化される傾向にあるが、溶融樹脂の射出中に、改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素との接触が無いため、射出後に、工程(a)における、意匠側型面2aから注入する改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素の注入時間を長くする必要がある。その分、射出成形体2の非意匠面の冷却が進行しやすいので、工程(b)における、非意匠側型面2bから高圧流体を注入して、射出成形体2の意匠面を意匠側型面2aに押し付けることによる、リブ等の体積収縮による意匠面のひけの発生防止効果が弱まる傾向にある。
本実施の形態の表面改質射出成形方法において、工程(c)を行うか否かは、製品の形状や、製品に要求される外観要求等によって決定することができる。
金型キャビティに射出される溶融樹脂の材料としては、射出成形が可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリスチレン(PS樹脂)、ゴム補強ポリスチレン(HIPS樹脂)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN樹脂)、アクリロニトリル−ブチルアクリレートラバー−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピルラバー−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−塩化ポリエチレン−スチレン共重合体(ACS樹脂)、ABS樹脂(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂、エチレン塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PETP、PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBTP、PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(PC)、PC/ABS、PC/PET、PC/PBT、PC/SAN、PC/LCP等の変性ポリカーボネート等のポリカーボネート系樹脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46等のポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレンコポリマー、ポリオキシメチレンホモポリマー等のポリアセタール(POM)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PSU)等のその他のエンジニアリング樹脂、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、エチルセルロース(EC)等のセルロース誘導体、液晶ポリマー、液晶アロマチックポリエステル等の液晶ポリマー等が挙げられる。
また、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性スチレンブタジエンエラストマー(TSBC)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性塩化ビニルエラストマー(TPVC)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)等の熱可塑性エラストマーを用いてもよい。本実施の形態の成形方法で用いられる溶融樹脂は、上記熱可塑性樹脂を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記の樹脂は変性されていてもよい。
また、要求される特性に応じて、溶融樹脂には、ガラス繊維等の強化充填材や、難燃剤等の添加剤が含まれていてもよい。
本実施の形態の成形方法に用いられる表面改質剤としては、超臨界二酸化炭素に溶解する物質であれば特に限定されず、例えば、比較的分子量の低い紫外線吸収剤、光安定剤等の耐光性改良剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。表面改質剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
表面改質剤の超臨界二酸化炭素への溶解度を向上させたい場合には、超臨界状態の二酸化炭素にエントレーナ、即ち、助剤として例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール等のアルコール類や種々の極性剤を混合させて用いてもよい。
以下に、本実施の形態の成形方法により、射出成形体に耐光性を付与する例について説明する。射出成形体に耐光性を付与するには、表面改質剤として紫外線吸収剤と光安定剤を併用して用いるのが好ましい。紫外線吸収剤は、紫外線を吸収してラジカルの発生を抑制する働きを有し、光安定剤は紫外線により生成したラジカルを捕捉し、不活性にする働きを有するため、両者を併用することで耐光性の改良効果が大きくなる傾向にある。紫外線吸収剤と光安定剤の併用比率は、重量比で紫外線吸収剤/光安定剤=20〜80/80〜20の範囲が好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。中でも、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商標TINUVIN P)が好適に用いられる。
ここで、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールは汎用性が高く、廉価なため、樹脂に添加して耐光性を改良するのに用いられるが、融点が約130℃と低いため、従来の改質剤を添加した樹脂(コンパウンド材)を成形する方法では、射出成形の際にガス化して成形品の外観が悪くなったり、MD(モールド・デポジット、金型付着物)が発生したりする等の問題がある。しかしながら、本実施の形態の成形方法においては、改質剤が高温に曝されることがなく、熱履歴も小さいので、耐熱性が低く、分子量の小さい改質剤を用いても熱分解してガス化するおそれが少ない。従って、射出成形の過程で揮発して改質効果が弱まったり、揮発ガスが成形品の外観不良の原因になったりする等の問題により用いることが困難とされていた改質剤も、本実施の形態の成形方法においては好適に用いることが可能である。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が好ましく、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジーtert−ブチル−4−ヒドロキ−ベンジル)−2−n−ブチルモロネート等が挙げられる。中でも、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(例えば、三共製、商標SANOL LS−70)は汎用性が高く、廉価なため好ましい。上述したように、本実施の形態の成形方法においては、改質剤が高温に曝されることがなく、熱履歴も小さいので、耐熱性が低く、分子量の小さい光安定剤を用いても熱分解してガス化するおそれが少ない。
次に、上述の紫外線吸収剤と光安定剤(HALS)を重量比1対1で混合したものを、超臨界状態(例えば、12MPa、50℃の条件)の二酸化炭素中に曝して、表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を調製する。超臨界二酸化炭素中の表面改質剤の溶解濃度は、特に限定されず、射出成形体を構成する樹脂や、射出成形体に要求される特性によって異なる。例えば、ポリフェニレンエーテルの重量比率が50%のスチレン変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)を用いて、本実施の形態の成形方法でポリカーボネート系樹脂(例えば、PC/ABS)と同等の耐光性を有する射出成形体を得る場合には、超臨界二酸化炭素に溶解させる表面改質剤の量は、二酸化炭素に対して0.5%重量以上、好ましくは1重量%以上である。
本実施の形態の成形方法を用いて得られた射出成形体は、その表面に含浸される表面改質剤は微量であるが、射出成形体の極表面層に偏在している。従って、表面改質剤が効率的に作用し、微量の表面改質剤であっても、優れた特性を射出成形体の表面に付与することが可能となる。このことは、特に、表面改質のために高価な改質剤が要求される場合にコストメリットが大きい。
例えば、射出成形体を構成する樹脂として、スチレン変性ポリフェニレンエーテルを用いた場合、ポリフェニレンエーテル(PPE)の重量比率が大きくなる程、耐光性が極端に悪化し、耐光剤をコンパウンド添加剤として用いる従来の方法(樹脂へ耐光剤を予め混合した状態で射出成形する方法)では、多量の耐光剤が必要となることから、耐光性を充分に改良するのは困難であった。本実施の形態による成形方法では、耐光剤が射出成形体の表面層に偏在し、効率的、かつ、有効的に作用するので、PPE重量比率の大きいスチレン変性ポリフェニレンエーテルであっても、超臨界二酸化炭素中の耐光剤の濃度、超臨界二酸化炭素の注入圧力、成形条件等を調節することによって、射出成形体の表面に優れた耐光性を付与することが可能となる。
また、成形工程毎に排出される表面改質剤が溶解した超臨界二酸化炭素のロス分は、金型内の表面改質剤が溶解した二酸化炭素の注入・排出経路、及び供給弁から金型までの注入配管の容積にほぼ等しく微量である。射出成形体に含浸される表面改質剤が溶解した二酸化炭素の量を無視すると、これらのロス分は射出成形体の大きさ(金型の大きさ)に関係なくほぼ一定である。このことは表面改質に使用される表面改質剤、二酸化炭素のコストは、射出成形体の大きさに関係なくおよそ一定であることを意味する。射出成形体が大きいほど、使用する樹脂重量当りに換算した表面改質コストは下がるので、本実施の形態の成形方法は、大型の射出成形体を得るのに、特に経済的な成形方法であると言える。
本実施の形態の表面改質射出成形方法は、特に耐光性に弱点のある樹脂、例えば、変性PPE樹脂の耐光性を改良するのに有用である。本実施の形態の射出成形方法を適用することにより、従来の改質剤を添加した樹脂(コンパウンド材)を成形する方法では不可能であったレベルの耐光性を経済的に付与することができる。
変性PPE樹脂とは、PPE単独、或いは、PPEとスチレン系樹脂のブレンド物を主成分とする樹脂を意味し、PPEとは構成単位が一般式(1)及び(2)から選ばれる少なくとも1種からなる単独重合体、あるいは共重合体を意味する。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6は、同一又は異なって、炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン又は水素を示す(但し、R5,R6は同時に水素ではない。)。)
PPEの単独重合体としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、及びポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のホモポリマーが挙げられる。
PPEの共重合体としては、例えば、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、あるいは、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエーテル構造を主体とする共重合体が挙げられる。
また、PPEは、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)が、0.10〜2.0の範囲であることが好ましく、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等のα,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性ポリフェニレンエーテル樹脂でもよい。
PPEとしては、例えば、米国特許第3306874号明細書に記載のHayによる第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用いて、例えば2,6−キシレノールを酸化重合することにより容易に製造でき、その他にも、米国特許第3306875号、同第3257357号、同第3257358号の各明細書、特公昭52-17880号、特開昭50-51197号及び同63-152628号の各公報等に記載された方法で容易に製造することができる。
変性PPEは、上記のPPE成分100重量%でも利用可能であるが、PPE/スチレン系樹脂=1〜99重量%/99〜1重量%の割合で構成されたものを用いるのが好ましく、中でも、20〜80重量%/80〜20重量%の割合で構成されたものを用いるのがより好ましい。
スチレン系樹脂としては、スチレン系化合物の単独重合体、2種以上のスチレン系化合物の共重合体及びスチレン系化合物の重合体からなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散したゴム変性スチレン樹脂(ハイインパクトポリスチレン)等が挙げられる。これら重合体を構成するスチレン系化合物としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、スチレン系化合物を2種以上併用して得られる共重合体でもよいが、スチレンを単独で重合して得られるポリスチレンが好ましい。これらの重合体はアタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン等の立体規則構造を有するポリスチレンを好適に用いることができる。
以下に本実施の形態を具体的に説明した実施例及び比較例を例示するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例で使用した樹脂、表面改質剤、耐光性試験条件、成形条件、射出成形体の評価装置等は以下の通りである。
(1)樹脂
変性PPE:旭化成ケミカルズ株式会社製、商標ザイロン500H(荷重たわみ温度120℃、グレー着色品)
(2)表面改質剤
紫外線吸収剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、商標TINUVIN P
光安定剤:三共製、商標SANOL LS−70
(3)耐光性試験条件
キセノン耐候性試験機:ATLAS社製Ci4000
放射照度出力:雨なし340nm:0.3W/m2、暴露時間300時間
(4)成形条件
射出成形機:住友重機械工業社製SG220
射出条件:射出時間3秒
金型温度:60℃
ニ酸化炭素圧入条件
圧力:12MPa
温度:50℃
圧入時期、時間:工程(a) 樹脂射出終了直後、5秒間
:工程(b) 工程(a)終了直後、30秒間
:工程(c) 樹脂射出5秒前、樹脂射出の期間
(5)射出成形体のひけの深さ:後述する図7に示すリブに対応した意匠面(H部)の最大値。
(測定機)
機器名:ミツトヨ製「SURFTEST500」
検出部:ダイヤモンド針接触式センサー(円錐形90°)
先端曲率半径:5μm
(測定条件)
走査速度:2mm/sec
走査距離:4mm
(6)射出成形体の変退色評価
測定機:スガ試験機株式会社製多光源分光測色計「MSC−5N」
測定条件:C光2°視野
(7)射出成形体の表面外観評価
目視評価(光沢、汚れ、粗面度)
図7は、以下の実施例及び比較例で得られた射出成形体の斜視図を示す。
射出成形体は厚さ3mm、大きさが300mm×200mm×30mmで非意匠部(裏面)にリブを有する。図中、Bは射出成形体中の注入口A(意匠面側の高圧ガス注入口)の位置を示し、Cは注入口B(非意匠面側の高圧ガス注入口)の位置を示す。
(実施例1)
図1に示す金型と超臨界二酸化炭素発生装置を用いて、変性PPE(旭化成ケミカルズ(株)製、商標ザイロン500H(荷重たわみ温度120℃、グレー着色品)を表1の成形条件で射出成形し、図7の射出成形体を得た。射出成形体の意匠面の耐光性(変退色)評価結果はΔE=2.2、意匠面リブ部(図7のH部)のひけは1.2μmと、いずれの値も小さく、耐光性が良好であり、かつ、ひけのない表面平滑な射出成形体を得ることができた。
(実施例2)
図1に示す金型と超臨界二酸化炭素発生装置を用いて、変性PPE(旭化成ケミカルズ(株)製、商標ザイロン500H(荷重たわみ温度120℃、グレー着色品)を表1の成形条件で射出成形し、図7の射出成形体を得た。
射出5秒前に金型内キャビティ内に表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素のカウンタープレッシャーをかけたこと以外は実施例1と同様の方法により射出成形を行った。カウンタープレッシャーをかけたことにより、射出成形体の意匠面の耐光性(変退色)評価結果はΔE=0.8とさらに小さくなり、また意匠面リブ部(図7のH部)のひけも0.8μmと小さく、耐光性が良好であり、かつ、ひけのない表面平滑な射出成形体を得ることができた。
(比較例1)
図1に示す金型と超臨界二酸化炭素発生装置を用いて、変性PPE(旭化成ケミカルズ(株)製、商標ザイロン500H(荷重たわみ温度120℃、グレー着色品)を表1の成形条件で射出成形し、図7の射出成形体を得た。
実施例2とは異なり、金型内キャビティ内に表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素のカウンタープレッシャーを、溶融樹脂の射出と同時にかけた。実施例2と比較して、カウンタープレッシャーをかける時期が遅れた分、金型キャビティ内のカウンタープレッシャーの昇圧が遅れ、溶融樹脂の射出中に十分なカウンタープレッシャーがかからなかった。この結果、射出成形体の意匠面の耐光性評価結果はΔE=2.0と、実施例1のΔEの値と殆ど差がなく、カウンタープレッシャーによる耐光性効果が殆ど認められなかった。
さらに、意匠面に表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入、排出後、射出成形体内部の樹脂内圧を高めるため、溶融樹脂を射出した際の圧力と同等の圧力の樹脂保圧を30秒間かけたが、意匠面リブ部のひけは5.3μmとあまり改善されず、ヒケが改善された満足のゆく射出成形体を得ることができなかった。
(比較例2)
図1に示す金型と超臨界二酸化炭素発生装置を用いて、変性PPE(旭化成ケミカルズ(株)製、商標ザイロン500H(荷重たわみ温度120℃、グレー着色品)を表1の成形条件で射出成形し、図7の射出成形体を得た。射出5秒前に金型内キャビティ内に表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素のカウンタープレッシャーをかける工程(工程(c))のみを含む方法であるため、耐光性(変退色)評価結果はΔE=3.7と大きく耐光性の改良が不十分であり、さらに、意匠面リブ部のひけも7.5μmと大きく表面平滑性に劣っていた。
(比較例3)
図1に示す金型と超臨界二酸化炭素発生装置を用いて、変性PPE(旭化成ケミカルズ(株)製、商標ザイロン500H(荷重たわみ温度120℃、グレー着色品)に表面改質剤を予め混合することによりコンパウンド材を調製し、表1の成形条件で射出成形して、図7の射出成形体を得た。表面改質剤が射出シリンダー内で熱分解、ガス化したため、得られた射出成形体の表面外観は白っぽく、表面もガスの影響で粗面であった。射出成形体の意匠面の耐光性(変退色)評価結果はΔE=6.5、意匠面リブ部のひけは7.0μmと、いずれの値も大きく、耐光性及び表面平滑性に劣るものであった。
表1の結果から明らかなように、実施例1の工程(a)及び工程(b)を含む射出成形方法は、表面改質性及び型転写性に優れており、当該方法で成形された射出成形体は優れた耐光性を有し、かつ、ひけの深さが小さく表面平滑性に優れ、表面外観も良好であった。
実施例2の射出成形方法は、実施例1の成形方法に加えて、工程(c)をさらに含むため、実施例1の射出成形体と比較して、より耐光性が改良されていた。
これに対して、比較例1の射出成形方法は、実施例2と同様に工程(c)を含んでいるにも係わらず、工程(c)による耐光性の改良は殆ど見られなかった。また、工程(b)を含んでいないため、得られた射出成形体は、ひけの深さが大きく表面平滑性に劣るものであり、また、比較例2の射出成形方法は、工程(a)及び工程(b)を共に含んでいないため、耐光性と表面平滑性に劣るものであった。
さらに、比較例3の射出成形方法は、従来の、表面改質剤を予め樹脂に混合したコンパウンド材を用いて射出成形を行っているため、得られた射出成形体は、耐光性と表面平滑性に劣り、外観も不良であった。
本発明の表面改質射出成形方法は、射出過程で合成樹脂の表面改質を行うものであり、射出成形体の極表面層に、耐候性、導電性、帯電防止性、摺動性、耐化学薬品性等の特性を付与することができるので、その産業上の利用用途は大きい。特に、大型の射出成形体の表面改質を廉価に行うことができ、リブ、ボス、偏肉等を有する形状の射出成形体であっても、ひけ等の外観不良なく成形することができる。
本実施の形態の射出成形方法で使用される金型と超臨界二酸化炭素発生装置の一例を示したものである。 本実施の形態の射出成形方法で使用される金型への高圧流体注入態様の一例を示したものである。 本実施の形態の射出成形方法で使用される金型への高圧流体注入態様の他の一例を示したものである。 本実施の形態の射出成形方法で使用される金型の高圧流体注入口構造の一例(a)、(b)、(c)を示したものである。 本実施の形態の射出成形方法で使用される金型の高圧流体注入ピンの構造の一例を示したものである。 本実施の形態の射出成形方法で使用される金型への高圧流体注入口構造の他の一例を示したものである。 本実施の形態の射出成形体の一例を示したものである。
符号の説明
A: 注入・排出口
B: 注入・排出口
C: 注入・排出口
1: 金型
2: 射出成形体
2a:意匠側型面
2b:非意匠側型面
3: リブ
4: 高圧流体注入ピン
4s、5s、6s:Oリング
5: 高圧流体注入ピン
6: エジェクターピン
7a、7b:冷却孔
8: 二酸化炭素ボンベ
9: 加熱器
10:改質剤溶解タンク
VA−1、VB−1、VC−1:供給弁
VA−2、VB−2、VC−2:排出弁

Claims (9)

  1. 以下の各工程を含む、表面改質射出成形方法;
    溶融樹脂を金型キャビティに射出後、前記金型キャビティの意匠側型面から射出成形体の意匠面へ高圧流体を注入する工程(a)及び
    前記工程(a)の後に行われ、前記金型キャビティの非意匠側型面から射出成形体の非意匠面へ高圧流体を注入する工程(b)。
  2. 前記工程(a)及び/又は工程(b)に用いる高圧流体が表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素である、請求項1記載の表面改質射出成形方法。
  3. 前記工程(a)に用いる高圧流体が表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素であり、工程(b)に用いる高圧流体が窒素又は表面改質剤を含まない二酸化炭素である、請求項1記載の表面改質射出成形方法。
  4. 前記工程(a)に用いる高圧流体が表面改質剤を含まない二酸化炭素であり、工程(b)に用いる高圧流体が表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素である、請求項1記載の表面改質射出成形方法。
  5. 溶融樹脂を金型キャビティに射出後、前記金型キャビティの非意匠側型面から射出成形体の非意匠面へ表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入する工程(b’)を含む、表面改質射出成形方法。
  6. 溶融樹脂を金型キャビティに射出する前に、前記金型キャビティ内に表面改質剤を溶解させた超臨界二酸化炭素を注入する工程(c)をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の表面改質射出成形方法。
  7. 前記表面改質剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び/又はヒンダードアミン系光安定剤である、請求項2〜6のいずれか1項記載の表面改質射出成形方法。
  8. 前記溶融樹脂は、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂である、請求項1〜7のいずれか1項記載の表面改質射出成形方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の表面改質射出成形方法で成形された、射出成形体。
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