JP2009209306A - オレフィン類重合用固体触媒成分、その製造方法及び触媒並びにこれを用いたオレフィン類重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マグネシウム化合物(a)、4価のチタンハロゲン化合物(b)および電子供与性化合物(c)を接触し固体生成物を形成し、次いで該固体生成物にアルコール蒸気を含有させた不活性ガスを接触させ、該アルコール蒸気含有不活性ガス接触後の固体生成物に、さらに4価のチタンハロゲン化合物(b)を接触させて得られるオレフィン重合用固体触媒成分、その製造方法及び該固体触媒成分と有機アルミニウム化合物と有機ケイ素化合物とから形成されるオレフィン類重合用触媒。
【選択図】図1
Description
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物および(C)外部電子供与性化合物によって形成されることを特徴とするオレフィン類重合用触媒を提供するものである。
(R3)lC6H4(COOR4)(COOR5) (3)
(式中、R5は炭素数1〜8のアルキル基又はハロゲン原子を示し、R4およびR5は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R4とR5は同一であっても異なってもよく、また、置換基R3の数lは1又は2であり、lが2のとき、R3は同一であっても異なってもよい。)で表わされるものが好ましい。
R6 qSi(NR7R8)r(OR9)4−(q+r) (2)
(式中、qは0、1〜4の整数、rは0、1〜4の整数、但し、q+rは0〜4の整数、R6、R7又はR8は水素原子、炭素数1〜12の直鎖または分岐状アルキル基、置換又は未置換のシクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基のいずれかで、ヘテロ原子を含有してもよく、同一または異なっていてもよい。R9は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、ヘテロ原子を含有してもよく、同一または異なってもよく、R7とR8は結合して環状を形成してもよい。)で表される化合物が挙げられる。
窒素ガスで十分置換され、攪拌器および還流冷却器を具備した容量500ミリリッターの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10g、トルエン50mlおよびフタル酸ジ−n−ブチル2.4mlを投入して懸濁液を形成した。一方、窒素ガスで十分に置換され、攪拌機を具備した容量500mlの丸底フラスコに四塩化チタン30ml及びトルエン20mlを装入して、混合溶液を形成しておき、この混合溶液中に上記懸濁液を添加した。その後、混合溶液を昇温し、90℃で2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた固体生成物を90℃のトルエン100mlで3回洗浄し、次いで新たに四塩化チタン30mlおよびトルエン70mlを加え、112℃に昇温し、2時間攪拌しながら反応させた。その後デカンテーションにて上澄液を除去した後、40℃のn−ヘプタン100mlで5回洗浄した。乾燥した。次に窒素ガスで十分に置換され、攪拌機を具備した容量500mlの丸底フラスコに生成した固体物10g、トルエン70mlを加え、懸濁液を得た。窒素雰囲気下、この懸濁液に0.03g-エタノール/g-固体物になるようにエタノール飽和窒素ガスをバブリングさせて固体生成物と水を接触させた。接触温度は25℃、接触時間は5分であった。バブリングを停止した後、接触後の懸濁液に新たに四塩化チタン30mlを加え、112℃に昇温し、2時間攪拌しながら反応させた。その後デカンテーションにて上澄液を除去した後、40℃のn−ヘプタン100mlで5回洗浄し固体触媒成分を得た。なお、この固体触媒成分中のチタン含有率を測定したところ、3.1重量%であった。
窒素ガスで十分に乾燥し、次いでプロピレンガスで置換された内容積1800mlの攪拌装置付きステンレス製オートクレーブに、n−ヘプタン700mlを装入し、プロピレンガス雰囲気下に保ちつつ、トリエチルアルミニウム2.10mmol、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.21mmol、及び前記固体触媒成分をTiとして0.0053mmol装入し、重合用触媒を形成した。次いで、0.2MPaのプロピレン圧をかけ、攪拌を保ちながら20℃で30分間予備的な重合を行った。その後、150mlの水素を装入し、系内のプロピレン圧を0.7MPaとして70℃で2時間重合を継続した。なお、重合が進行するにつれて低下する圧力は、プロピレンのみを連続的に供給することにより補い、重合中一定の圧力に保持した。上記重合方法に従い、プロピレンの重合を行い、生成された重合体をろ別し、減圧乾燥して固体重合体を得た。一方、ろ液を凝縮して重合溶媒に溶存する重合体を得、その量を(M) とし、固体重合体の量を(N) とする。また、得られた固体重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽出し、n−ヘプタンに不溶解の重合体を得、この量を(P) とする。固体触媒成分当たりの重合活性(Y) を下記式で表す。
(Y)=[ (M) +(N)](g)/固体触媒成分量(g)
(HI)=[ (P) (g)/ [(M)+(N) ] (g) } ×100
0.03g-エタノール/g-固体物に代えて、0.08g-エタノール/g-固体物(実施例2)、0.10g-エタノール/g-固体物(実施例3)、0.01g-エタノール/g-固体物(実施例4)、0.001g-エタノール/g-固体物(実施例5)とした以外は、実施例1と同様に固体触媒成分の調製、重合触媒の形成および重合を行った。重合結果を表1に示した。
エタノールに代えて、2-ブタノール(実施例6)、2-エチル-1-ヘキサノール(実施例7)とした以外は、実施例1と同様に固体触媒成分の調製、重合触媒の形成および重合を行った。重合結果を表1に示した。
固体生成物とアルコール飽和窒素ガスの接触を行わなかったこと、接触後の四塩化チタンを投入しなかったこと以外は、実施例1と同様に固体触媒成分を調製し、重合触媒の形成および重合を行った。その結果を表1に示した。
〈固体触媒成分の調製〉
攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量2000mlの丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウム150g及びトルエン750mlを装入し、懸濁状態とした。次いで、該懸濁溶液を、攪拌機を具備し窒素ガスで充分に置換された、容量3000mlの丸底フラスコ中に予め装入されたトルエン450ml及び四塩化チタン300mlの溶液中に、装入した。次いで、ジ-n- ブチルフタレート54mlを添加し、110℃まで昇温し、その途中で、ジメチルポリシロキサン60mlを添加した。110℃まで昇温後、攪拌しながら2時間反応させた。反応終了後、生成物をトルエンで洗浄し、新たにトルエン1200ml、四塩化チタン300mlを加えて、100℃で2時間攪拌しながら接触反応させた。次いで、生成物をヘプタンで洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体成分を得た。この固体成分中のチタン含有量を測定したところ、1.4重量%であった。
次に、攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに、上記の固体成分10g、ヘプタン50mlを装入し、懸濁溶液とした。次いで、該懸濁溶液中に、予め準備された、ヘプタン50ml中にエタノール0.01mlを添加した混合溶液を全量添加し、50℃で1時間、攪拌しながら接触させて、固体触媒成分を得た。この固体触媒成分を固液分離して、固体中のチタン含有率を測定したところ、1.4重量%であった。
Claims (6)
- マグネシウム化合物(a)、4価のチタンハロゲン化合物(b)およびアルコールを除く電子供与性化合物(c)を接触し固体生成物を形成し、次いで該固体生成物にアルコール蒸気を含有させた不活性ガスを接触させ、該アルコール蒸気含有不活性ガス接触後の固体生成物に、さらに4価のチタンハロゲン化合物(b)を接触させることを特徴とするオレフィン重合用固体触媒成分。
- 前記マグネシウム化合物がジアルコキシマグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
- 前記4価のチタンハロゲン化合物が四塩化チタンであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用固体触媒成分。
- マグネシウム化合物(a)、4価のチタンハロゲン化合物(b)およびアルコールを除く電子供与性化合物(c)を接触し固体生成物を形成し、次いで該固体生成物に水分を含有させた不活性ガスを接触させ、該アルコール蒸気含有不活性ガス接触後の固体生成物に、さらに4価のチタンハロゲン化合物(b)を接触させることを特徴とするオレフィン重合用固体触媒成分の製造方法。
- (A)請求項1〜3に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分、(B)下記一般式(1); R1 pAlQ3−p (1)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数である。)で表される有機アルミニウム化合物および(C)外部電子供与性化合物によって形成されることを特徴とするオレフィン類重合用触媒。 - 請求項5記載のオレフィン類重合用触媒の存在下にオレフィン類の重合を行うことを特徴とするオレフィン類重合体又は共重合体の製造方法。
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