JP2009206117A - ディスプレイ用フィルターの製造方法 - Google Patents

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高代志 桐本
Tadashi Yoshioka
忠司 吉岡
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Abstract

【課題】
生産性が高く、低価格化を実現できるディスプレイ用フィルターの製造方法を提供する。
【解決手段】
長尺基材の長手方向に、導電性メッシュと該導電性メッシュ上に見当一致した黒色レジスト層とが連続的に形成されたディスプレイ用フィルターの製造方法であって、長尺基材上に金属薄膜を形成する工程、該金属薄膜上に感光性黒色レジスト層を積層する工程、該感光性黒色レジスト層をレーザーでメッシュパターン状に露光する工程、該感光性黒色レジスト層を現像する工程、該金属薄膜をエッチングする工程を有する、ディスプレイ用フィルターの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、低価格化を実現するために有用なディスプレイ用フィルターの製造方法に関する。
液晶ディスプレイ(以下、LCD)、プラズマディスプレイ(以下、PDP)などのディスプレイは、明瞭なフルカラー表示が可能な表示装置である。ディスプレイには、通常、外光の反射の防止、ディスプレイから発生する電磁波の遮蔽、ディスプレイの保護などを目的とした前面フィルター(以降、単にディスプレイ用フィルターと称す)がディスプレイの視認側に配置される。特にPDPはその構造や動作原理上、強度な電磁波が発生するため、人体や他の機器に与える影響が懸念されており、電磁波遮蔽機能と反射防止機能等の光学機能が付与されたディスプレイ用フィルターが通常用いられている。
上記したディスプレイ用フィルターに用いられる導電層としては、電磁波遮蔽性能や製造コスト等の観点から、導電性メッシュが好ましく用いられている。
従来から一般的に知られている導電性メッシュの製造方法としては、イ)基材に銅箔などの金属箔を、接着剤を介して積層した後、レジスト層を積層し、所望のパターンのフォトマスクを介して露光後、現像、エッチング、レジスト剥離するフォトリソグラフ法を利用した方法(例えば、特許文献1)、ロ)メッキの触媒核を含有するインキでメッシュパターンに印刷した後メッキする方法(例えば特許文献2)、ハ)感光性銀塩を用いてメッシュパターンを形成した後メッキする方法(特許文献3)、ニ)PVA等の溶剤に可溶な樹脂でドット状パターンを印刷した上にメッキや蒸着で金属薄膜を形成した後PVAを除去する方法(特許文献4)、ホ)基材上に真空蒸着法等で銅などの金属薄膜を形成し、金属薄膜上にレジスト層を積層し、以降上記イ)と同様にフォトリソグラフ法を利用して導電性メッシュを作製する方法(特許文献5)等が挙げられる。
上記の製造方法の中でも、イ)及びホ)のフォトリソグラフ法を利用する方法は、導電性が高く、かつ比較的線幅の小さい高精細な導電性メッシュが作製できるという利点がある。高精細な導電性メッシュは、モアレ発生や透過率低下を抑制する上で有効である。その反面、上記のフォトリソグラフ法を利用する方法は、工程数が多いという問題、及びパターン露光がフォトマスクを介して行われることによる種々の問題がある。
上記のパターン露光がフォトマスクを介して行われることによる種々の問題点としては、1)フォトマスクが必要であること、2)線幅や線ピッチ等の導電性メッシュの仕様、あるいはディスプレイ用フィルターのサイズが変更になると使用するフォトマスクも変更しなければならないこと(汎用性がないこと)、3)フォトマスクを用いて得られる1単位の導電性メッシュの中に1個の重大欠陥が存在するだけで、丸々1単位の導電性メッシュが欠陥品となり、極めて非効率であること、4)露光がフォトマスク単位で行われるために、長尺基材の長手方向に導電性メッシュのメッシュパターンを途切れることなく連続して形成することができない(連続メッシュを形成することができないこと)、という問題がある。
上記4)の長尺基材の長手方向に導電性メッシュのメッシュパターンを途切れることなく連続して形成する、即ち、連続メッシュを形成する技術的意義としては、1)導電性メッシュに重大欠陥が発生しても、その欠陥部分のみを除去できること、2)さまざまなサイズのディスプレイ用フィルターに対して容易に対応できること、3)導電性メッシュ上にハードコート層や反射防止層等の機能層を直接に塗工形成するとき、長尺基材の長手方向(機能層の塗工方向)に、メッシュパターンが途切れることなく連続して形成されているので、機能層の連続塗工に有利であること(フォトマスクを用いて作製した導電性メッシュは、アース用電極の確保のために、通常、導電性メッシュの周辺4辺に金属ベタ部が形成されており、メッシュパターン部分と金属ベタ部分が混在しているために機能層の連続塗工には不利である)等が挙げられる。
上述したように、フォトマスクを用いたフォトリソグラフ法は、高精細な導電性メッシュが得られるという反面、種々の問題点を有している。
また、導電性メッシュには、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属が一般的に用いられているが、これらの金属で形成された導電性メッシュの表面は金属光沢があり、これによって画像のコントラストが低下するという問題が発生する。特に、導電性メッシュ上に、ハードコート層や反射防止層等の機能層のみしか存在しないディスプレイ用フィルターの場合は、導電性メッシュの金属光沢による影響はより深刻であった。
上記の導電性メッシュの金属光沢を抑制するために、導電性メッシュ表面を黒化処理することが、通常行われている。
しかしながら、導電性メッシュを黒化処理することによって形成された黒化処理層は、脆く、脱落しやすいという特性を持っている。係る特性は、本発明が対象とするディスプレイ用フィルターを製造する際の後工程において、反射防止層やハードコート層等の機能層を導電性メッシュ上に塗工形成する場合に、導電性メッシュが生産ラインの搬送ロール等に接触し、黒化処理層の一部が剥離し、搬送ロール等の生産ラインを汚染するという問題を招く。
また、導電性メッシュを黒化処理することは、処理工程が少なくとも1つ増加することを意味し(通常は黒化処理の前にレジスト層を剥離除去する工程を有するので、黒化処理工程と合わせて2工程の増加となる)、生産性の観点から好ましくないことである。
上記黒化処理に代えて、黒色レジスト層を用いて金属メッシュパターンを形成し、黒色レジスト層を剥離せずに残して、黒色レジスト層を黒化処理層の代わりに用いることが提案されている(特許文献6)。
しかしながら、上記した特許文献6には、レーザーで露光すること、及び連続メッシュを形成することは開示されていない。また、同文献には、黒色レジスト上に、反射防止層やハードコート層等の機能層を塗工形成することは開示されていない。
一方、電磁波遮蔽を目的としたディスプレイ用フィルターは、ディスプレイから発生する電磁波を有効に遮蔽するために、通常、ディスプレイ用フィルターをディスプレイに装着しディスプレイ筐体に組み立てたときに、導電性メッシュの少なくとも一部と筐体の外部電極とを電気的に接続するための電極(アース用電極)が、ディスプレイ用フィルターの周辺部(ディスプレイの画像表示領域の外側)に設けられる。
従来から一般的に使用されている、2枚の基材からなるディスプレイ用フィルター、即ち、プラスチックフィルム上に反射防止機能等の機能層が積層された光学機能性フィルムと、プラスチックフィルム上に導電層(電磁波遮蔽層)が設けられた電磁波遮蔽フィルムとが粘着剤層を介して貼合されたフィルターの場合は、光学機能性フィルムと電磁波遮蔽フィルムをシート同士で貼合するときに、電磁波遮蔽フィルムシートに対して、光学機能性フィルムシートのサイズを小さく設計することによって、両シートが貼合されて得られたディスプレイ用フィルターシートの4辺には、電磁波遮蔽フィルムシートの導電層が剥き出しになった部分が形成される。この導電層が剥き出しになった部分がディスプレイ用フィルターの電極として利用される。
近年、ディスプレイの低価格化に伴ってディスプレイ用フィルターも低価格化を余儀なくされている。上記したような2枚の基材からなるディスプレイ用フィルターに対して、基材(例えばプラスチックフィルム)を1枚のみにすることによって低価格化が可能となる。このような1枚の基材からなるディスプレイ用フィルターを実現するための1つの手段として、基材上に設けられた導電層(導電性メッシュ)上に、反射防止層、防眩層、ハードコート層等の機能層を直接に塗工形成することが知られている(例えば特許文献7)。
しかしながら、上記の1枚の基材からなるディスプレイ用フィルターは、上記した2枚基材からなるフィルターのように、貼合時に、導電性メッシュ(導電層)の剥き出し電極を形成することはできない。
そこで、ディスプレイ用フィルターの電極形成にレーザーを用いることが提案されている(特許文献8)。このレーザーを用いる方法は、導電性メッシュ上の反射防止層等の機能層を除去して導電性メッシュの一部を露出させる方法である。
しかしながら、特許文献8には、レーザーを用いた電極形成において、導電性メッシュの黒化処理に代えて黒色レジスト層を用いることの優位性については開示されていない。
特許第3388682号公報 特開2006−173189号公報 特開2004−221564号公報 特開2007−142080号公報 特開2005−268688号公報 特開平9−293989号公報 特開2007−140282号公報 WO2007/023828号公報
従って、本発明の目的は、上記した従来技術鑑み、生産性が高く、低価格化を実現できるディスプレイ用フィルターの製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、ディスプレイ筐体(外部電極)と導通する電極を、ディスプレイ用フィルターに容易にかつ生産性よく形成することができる、ディスプレイ用フィルターの製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1)長尺基材の長手方向に、導電性メッシュと該導電性メッシュ上に見当一致した黒色レジスト層とが連続的に形成されたディスプレイ用フィルターの製造方法であって、長尺基材上に金属薄膜を形成する工程、該金属薄膜上に感光性黒色レジスト層を積層する工程、該感光性黒色レジスト層をレーザーでメッシュパターン状に露光する工程、該感光性黒色レジスト層を現像する工程、該金属薄膜をエッチングする工程を有する、ディスプレイ用フィルターの製造方法。
2)前記導電性メッシュの厚みが0.3〜5μmである、上記1)に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
3)前記基材上に金属薄膜を形成する工程が、基材上に気相製膜法を用いて金属薄膜を形成する工程である、上記1)または2)に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
4)前記感光性黒色レジスト層の光学濃度が0.5〜8である、上記1)〜3)のいずれか1項に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
5)前記感光性黒色レジスト層の厚みが0.5〜3μmである、上記1)〜4)のいずれか1項に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
6)更に、黒色レジスト層を被覆するように、機能性表面層を塗工形成する工程を有する、上記1)〜5)のいずれか1項に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
7)前記機能性表面層が、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能及び防汚機能の中から選ばれる少なくとも1つの機能を有する機能層である、上記6)に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
8)前記黒色レジスト層を被覆する機能性表面層のうちの、黒色レジスト層の細線部上に形成された機能性表面層の厚み(L)が0.5〜5μmである、上記6)または7)に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
9)更に、前記機能性表面層側からレーザーを照射し、機能層と黒色レジスト層を除去して、導電性メッシュの露出部を形成する工程を有する、上記6)〜8)のいずれか1項に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
本発明によれば、従来のディスプレイ用フィルターの製造方法に比べて、生産性の向上と大幅な低価格化が実現できる。また、本発明によれば、従来の導電性メッシュの黒化処理層による、生産ライン(機能層の塗工ライン)の汚染がなく、また、機能層の塗工性が改良される。また、本発明の好ましい態様によれば、ディスプレイ用フィルターへの電極形成が容易となる。
本発明に係るディスプレイ用フィルターは、長尺基材の長手方向に、導電性メッシュと該導電性メッシュ上に見当一致した黒色レジスト層が連続的に形成されたものであり、係るディスプレイ用フィルターの製造方法は、長尺基材上に金属薄膜を形成する工程、該金属薄膜上に感光性黒色レジスト層を積層する工程、該感光性黒色レジスト層をレーザーでメッシュパターン状に露光する工程、該感光性黒色レジスト層を現像する工程、該金属薄膜をエッチングする工程を有する。
ここで、長尺基材の長手方向に、導電性メッシュ及び該導電性メッシュと見当一致した黒色レジスト層とが連続的に形成されるとは、長尺基材の長手方向に、導電性メッシュと黒色レジスト層からなるメッシュパターンが途切れることなく連続に形成されていることを意味する。長尺基材の幅方向についても、同様に導電性メッシュと黒色レジスト層のメッシュパターンが連続的に形成される。以降、上記の連続的に形成されたメッシュパターンを連続メッシュと称す。
また本発明において、導電性メッシュと黒色レジスト層は見当一致した状態で配置されるとは、本発明のディスプレイ用フィルターの製造方法において、金属薄膜上に感光性黒色レジスト層を積層し、該感光性黒色レジスト層をレーザーでメッシュパターンに露光し、現像することによって、金属薄膜上にメッシュパターンの黒色レジスト層が形成され、次いで、黒色レジスト層が被覆されていない部分の金属薄膜をエッチングすることによって、金属薄膜からなる導電性メッシュが形成され、該導電性メッシュ上に黒色レジストが配置した状態を言う。
(長尺基材)
本発明に係る長尺基材とは、最終製品となる単一のディスプレイ用フィルターが長手方向に少なくとも10枚取れる程度の長さを有する基材であることを意味し、長尺基材の長手方向の長さとしては、例えば、10m以上が好ましく、30m以上がより好ましく、特に50m以上が好ましい。長尺基材の長さの上限は、重量、取り扱い性、及び製造装置への負荷等の観点から、3000m程度である。長尺基材の幅方向の長さは、42インチのディスプレイ(表示画面サイズ520mm×930mm)に適用されるディスプレイ用フィルターの短辺側(通常550〜560mm)の長さ以上であることが好ましく、従って600mm以上であることがより好ましい。
より高い生産効率を得るためには、長尺基材の幅方向に最終製品となるディスプレイ用フィルターが多面取り(2〜4面取り)できることが好ましく、例えば、幅が1200mm程度の長尺基材を用いることによって、42インチ用ディスプレイ用フィルターの短辺側が2面取りできるようになる。
長尺基材の幅方向長さの上限は、導電性メッシュの製造設備や機能層の塗工設備の許容幅を考慮し、2000mm程度が適当である。
長尺基材は、通常、ロール形態で供給及び加工されるために、ロール形態での取り扱いや製造に適するという観点からプラスチックフィルムが好ましい。
係るプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂およびセルロース樹脂が好ましく、特にポリエステル樹脂が好ましく用いられる。プラスチックフィルムの厚みとしては、50〜300μmの範囲が適当であるが、コストの観点およびディスプレイ用積層体の剛性を確保するという観点から90〜250μmの範囲が特に好ましい。
本発明に用いられるプラスチックフィルムは、導電性メッシュあるいは後述する近赤外線遮蔽層等との密着性(接着強度)の強化のための下引き層(プライマー層)を設けておくことが好ましい。
(ディスプレイ用フィルターの製造方法)
以下、本発明のディスプレイ用フィルターの製造方法について、順を追って説明する。
(金属薄膜形成工程)
先ず、金属薄膜形成工程で、長尺基材(以降、単に基材と称す)上に金属薄膜を形成する。基材上に金属薄膜を形成する方法としては、基材上に接着剤を介して銅箔等の金属箔を積層する方法、基材上にメッキ法で金属薄膜を形成する方法、基材上に気相製膜法で金属薄膜を形成する方法が挙げられる。これらの金属薄膜形成方法の中でも、比較的厚みが小さい金属薄膜を、安定的に均一に、かつ低コストで形成することができる気相製膜法が好ましく用いられる。また、気相製膜法は、基材上に接着剤層を介在せずに金属薄膜を形成することができるので、後述する機能層の塗工工程において均一な塗工性を確保するという観点からも有利であり、上記理由(接着剤を介在しない)により、透明度の高い(ヘイズ値が低い)導電性メッシュを作製することができる。
上記の気相製膜法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、真空蒸着、化学蒸着等が挙げられ、これらの1あるいは2以上の方法を組み合わせて用いることができる。本発明では、スパッタリング、イオンプレーティング、及び真空蒸着が好ましく、特にスパッタリング及び真空蒸着が好ましい。
金属薄膜を形成するための金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、クロム、チタンなどの金属の内、1種または2種以上を組み合わせた合金あるいは多層のものを使用できる。これらの中でも、良好な電磁波シールド性が得られ、メッシュパターン加工が容易で、かつ低価格であるなどの点から、銅が好ましく用いられる。
金属薄膜として銅を用いる場合は、ニッケル、クロム、ニクロム等の金属を下地層として形成した後に、主層として銅層を形成することが好ましい。上記の下地層は、本発明に係る金属薄膜の一部であり、その下地層の厚みとしては、5〜100nmの範囲が好ましく、10〜50nmの範囲がより好ましい。上記の下地層を設けることによって、基材と銅層との密着性が向上する。
基材上に形成される金属薄膜の厚みとしては、金属薄膜をエッチング加工して形成される導電性メッシュ上に機能層を均一に塗工形成するという観点から、金属薄膜の厚みは小さい方が好ましく、従って5μm以下が好ましく、4μm以下がより好ましく、特に3.5μm以下が好ましい。金属薄膜の厚みの下限としては、良好な電磁波遮蔽性能を確保するという観点から、0.3μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、特に1.5μm以上が好ましい。
(感光性黒色レジスト層の積層工程)
上記のようにして、基材上に金属薄膜を形成した後、金属薄膜上に感光性黒色レジスト層を積層する。金属薄膜上に感光性黒色レジスト層を積層する方法としては、レジストフィルムを貼り付ける方法、あるいは液状レジストを塗工する方法を用いることができる。液状レジストを塗工する方式としては、例えば、ディップコーティング法、スピンコート法、スリットダイコート法、グラビアコート法、リーバースコート法、ロッドコート法、バーコート法、スプレー法、ロールコーティング法等の公知のウェットコーティング法を用いることができる。
金属薄膜上に積層される感光性黒色レジスト層の厚み(乾燥膜厚)は、導電性メッシュの金属光沢を抑制するのに十分な光学濃度を確保するという観点、及び後述する機能層の塗工工程における塗工性を確保するという観点から、0.5〜3μmの範囲が好ましく、0.5〜2μmの範囲がより好ましい。感光性黒色レジスト層の厚みが0.5μmより小さくなると十分な光学濃度を得るのが難しくなり、厚みが3μmより大きくなると機能層の塗工性が低下する。
本発明に係る感光性黒色レジスト層は、次の工程にてレーザーで露光される。従って、本発明に用いられる感光性黒色レジスト層としては、レーザーによって露光された部分が硬化し未露光部分が現像によって溶解するネガレジスト、あるいは逆に露光部分が現像によって溶解するポジレジストを用いることができる。レジスト層の現像処理における環境問題を考慮すると、アルカリ現像型レジストが好ましい。
本発明に係る感光性黒色レジスト層(以降、単に黒色レジスト層と称す)としては、レジストを構成する樹脂中に、黒色顔料、あるいは赤顔料、青顔料及び緑顔料の混合物を含有させることによって調製することができる。
黒顔料としては、Color Index No.ピグメントブラック7、カーボンブラック、チタンブラック、金属酸化物等が使用できる。これらの顔料は1種のみで使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。赤色顔料としてはColor Index No.ピグメントレッド(以下、PRと略す)9、97、122、123、149、168、177、180、192、215、254等が、緑色顔料としてはColor Index No.ピグメントグリーン(以下、PGと略す)7、36等が、青色顔料としてはColor Index No.ピグメントブルー(以下、PBと略す)15:3、15:4、15:6、21、22、60、64等が挙げられる。
上記した、黒色レジストを得るための顔料としては、チタンブラック、カーボンブラックが好ましく、特に、高い感光特性が得られることから、チタンブラックが好ましい。
上記した顔料の粒子径としては、顔料の分散性やレジストの塗工性を考慮して、平均一次粒子径が5〜400nmの範囲のものが好ましく、10〜200nmの範囲のものがより好ましく、特に10〜100nmの範囲のものが好ましい。
上記した顔料の含有量は、黒色レジスト層の全成分(有機溶剤を除いた不揮発成分総量)に対して、5〜80質量%の範囲が好ましく、10〜70質量%の範囲がより好ましい。顔料の含有量が少なすぎると、光学濃度(OD値)が低くなり、導電性メッシュの金属光沢を十分に抑制することができなくなる。一方、顔料の含有量が多くなりすぎると、黒色レジスト層の硬化性低下、金属薄膜との接着性低下、塗工性の低下が起こりやすくなる。
本発明に係る黒色レジスト層は、光学濃度が、0.5以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、特に1.5以上が好ましい。黒色レジスト層の光学濃度を0.5以上、好ましくは1.0以上、更に1.5以上にすることによって、導電性メッシュの金属光沢を十分に抑制することができる。
黒色レジスト層の光学濃度の上限は8.0程度であるが、黒色レジスト層の光学濃度を高くするとレーザー露光時の感度が低下するので、ある程度の感度を確保するという観点から、光学濃度は5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましい。
ここで、黒色レジスト層の光学濃度(OD値)は、例えば顕微分光器(大塚電子製MCPD2000)を用いて下記の関係式より求めることができる。
光学濃度(OD値) =log10 (I0/I)
式中、I0は入射光強度、I は透過光強度である。
本発明に用いられる黒色レジスト層は、レーザー光に感光して硬化等の化学反応を生起するものであり、上記した顔料と樹脂成分を含み、樹脂成分はレーザー光によって反応する感光成分で構成される。光照射された樹脂が現像液への溶解速度のあがるポジ型と、光照射された樹脂が硬化して現像液への溶解速度の下がるネガ型があり、どちらも使用することが可能であるが、可視光で感光成分の透明性の高いネガ型樹脂が好ましく用いられる。
黒色レジスト層をメッシュパターン状に露光するのに用いられるレーザーとしては、紫外から近赤外領域の光を発振するレーザー光源を用いることができる。例えば、UVアルゴンガスレーザー(364nm)、固体UVレーザー(350〜380nm)、青紫半導体レーザー(390〜430nm)、アルゴンイオンレーザー(488nm)、FD−YAGレーザー(532nm)、近赤外半導体レーザー(832nm)、YAGレーザー(1064nm)等が挙げられる。
これらのレーザー光源の中でも、黄色照明のような明室環境下での作業が可能であり、また、レジストの感度が得られやすい、UVレーザーや青紫半導体レーザーが好ましく用いられる。
本発明に係る黒色レジスト層を構成する樹脂成分としては、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の材料が好ましく用いられる。
上記した樹脂成分の例として、アクリル系樹脂について詳しく述べる。感光性アクリル系樹脂としては、感光性を持たせるため、少なくともアクリル系ポリマー、アクリル系多官能モノマーあるいはオリゴマー、光重合開始剤を含有させた構成とすることができる。さらにエポキシを加えた、いわゆるアクリルエポキシ樹脂も用いることができる。
使用できるアクリル系ポリマーとしては、特に限定はないが、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体を好ましく用いることができる。不飽和カルボン酸の例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、あるいは酸無水物などがあげられる。
共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nープロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン、それぞれ末端にアクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリシリコーンなどのマクロモノマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、側鎖にエチレン性不飽和基を付加したアクリル系ポリマーを用いると、加工の際の感度がよくなるので好ましく用いることができる。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基のようなものがある。このような側鎖をアクリル系(共)重合体に付加させる方法としては、アクリル系(共)重合体のカルボキシル基や水酸基などを有する場合には、これらにグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸またはメタクリル酸クロライドを付加反応させる方法が一般的である。その他、イソシアネートを利用してエチレン性不飽和基を有する化合物を付加させることもできる。ここでいうグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸またはメタクリル酸クロライドとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテル、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどが挙げられる
多官能モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレートのようなオリゴマー、あるいはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらは単独または混合して用いることができる。また、次にあげるような単官能モノマーも併用することができ、例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどがあり、これらの2種以上の混合物、あるいはその他の化合物との混合物などが用いられる。これらの多官能及び単官能モノマーやオリゴマーの選択と組み合わせにより、レジストの感度や加工性の特性をコントロールすることが可能である。特に、硬度を高くするにはアクリレート化合物よりメタクリレート化合物が好ましく、また、感度を上げるためには、官能基が3以上ある化合物が好ましい。また、メラミン類、グアナミン類などもアクリル系モノマーの代わりに好ましく用いることができる。
光重合開始剤としては、特に限定はなく、公知のものが使用でき、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などがあげられる。また、その他のアセトフェノン系化合物、イミダゾール系化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、リン系化合物、トリアジン系化合物、ハロゲン化炭化水素誘導体、有機ホウ素酸塩化合物あるいはチタネート等の無機系光重合開始剤なども好ましく用いることができる。また、p−ジメチルアミノ安息香酸エステルなどの増感助剤を添加すると、さらに感度を向上させることができ好ましい。また、これらの光重合開始剤は2種類以上を併用して用いることもできる。
光重合開始剤の含有量としては、黒色レジスト層の全成分に対して、1〜25質量%の範囲が適当である。
黒色レジスト層には、更に、露光に用いられるレーザー光源の発振波長を吸収する増感色素を含有することができる。例えば、青紫半導体レーザーを用いる場合は、増感色素として、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、トリアリールアミン系化合物、アクリドン系化合物、イミダゾール/オキサゾール/チアゾール系化合物などを用いることができる。
本発明に係る黒色レジスト層を構成する樹脂成分の含有量は、黒色レジスト層の全成分に対して20〜90質量%の範囲が好ましく、30〜80質量%の範囲がより好ましい。樹脂成分の含有量が少なすぎると、黒色レジスト層の硬化性低下や金属薄膜との接着性低下が起こりやすくなり、また樹脂成分の量が多くなりすぎると、黒色レジスト層の光学濃度(OD値)が低くなり、導電性メッシュの金属光沢を十分に抑制することができなくなる。
また、樹脂成分を黒色レジスト層の全成分に対して20質量%以上含有することによって、後述するレーザー照射による黒色レジスト層の除去を容易にすることができる。
上記した黒色レジスト層は、樹脂成分として、光重合開始剤を含有する、所謂、光重合性ネガ型感光性樹脂を用いた例であるが、他の感光性樹脂として、化学増幅ネガ型感光性樹脂、化学増幅ポジ型感光性樹脂を用いることができる。
上記の化学増幅ネガ型感光性樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂、酸性条件下でアルカリ可溶性樹脂に作用する架橋剤、及び酸発生剤を含有する組成物を挙げることができる。
上記のアルカリ可溶性樹脂としては、現像時に未露光部がアルカリ可溶性となり、アルカリ現像液に溶出するものであれば良く特に限定されないが、通常、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール類、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、スチレン-無水マレイン酸樹脂並びに、アクリル酸、ビニルアルコール又はビニルフェノールを単量体単位として含む重合体、或いはこれらの誘導体などが用いられる。
上記の酸性条件下でアルカリ可溶性樹脂に作用する架橋剤としては、酸性条件下でアルカリ可溶性樹脂と架橋反応する化合物であれば良く特に限定されないが、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリルもしくは尿素にホルマリンを作用させた化合物またはそれらのアルキル変性化合物、エポキシ化合物、レゾール化合物等が挙げられる。
上記の酸発生剤としては、感光性樹脂組成物がレーザー照射を受けたときに、酸を生成する化合物であって、例えば、ハロゲン置換アルカン、ハロメチル化s−トリアジン誘導体等のハロゲン含有化合物類、オニウム塩類、及びスルホン化合物類等が挙げられる。
上記した化学増幅ポジ型感光性樹脂としては、酸分解性基含有重合体、及び酸発生剤を含有する組成物を挙げることができる。
上記の酸分解性基含有重合体としては、感光性樹脂組成物がレーザー照射を受けたときに、活性化合物としての酸発生剤が生成する酸によって分解し、重合体自体にアルカリ可溶性を付与するような酸分解性基を含有する重合体であれば良く特に限定されるものではない。その酸分解性基としては、具体的には、メトキシ基、i-プロポキシ基、t-ブトキシ基等の炭素数1〜15のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、1-メトキシエトキシ基、1-エトキシエトキシ基、1-シクロヘキシルオキシエトキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシアルコキシ基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、i-プロポキシカルボニルオキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシ基等の2〜15のアルコキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシメトキシ基、i-プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシメトキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシカルボニルオキシアルコキシ基等が挙げられる。
上記酸分解性基を含有する重合体としては、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、及びポリビニルフェノール樹脂等のフェノール性水酸基含有樹脂のフェノール性水酸基の少なくとも一部をエーテル化或いはエステル化して前記酸分解性基を導入した樹脂が挙げられる。
上記の酸発生剤は、前述の化学増幅ネガ型感光性樹脂を構成する酸発生剤と同様のものが用いられる。
(レーザー露光工程)
金属薄膜上に積層された感光性黒色レジスト層は、レーザーでメッシュパターン状に露光される。係る露光工程に用いられるレーザー光源は、前述した通りである。
係るレーザー露光工程は、連続メッシュを得るための1つの方式として、金属薄膜と感光性黒色レジスト層が積層された基材を、湾曲した露光ステージ上において、前記基材を連続的に搬送しながら、レーザービームで走査露光する方式を用いることができる。
上記のレーザービーム走査露光装置としては、特開2000−39677号公報に記載のキャプスタン方式のレーザー走査露光装置を用いることができ、更に、前記キャプスタン方式においてポリゴンミラーの回転によるビーム走査の代わりに特開2004−1244号公報に記載のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を光ビーム走査系に用いることができる。
(感光性黒色レジスト層の現像工程)
黒色レジスト層は、レーザー露光後、現像されて、メッシュパターンのエッチングレジストパターンとなる。
係る現像工程に用いられる現像液としては、アルカリ現像液が好ましい。係るアルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の水溶液、アルカリ金属の水酸化物の水溶液等を挙げることができ、具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化物を、0.5〜5質量%含有するアルカリ性水溶液を用いることができる。現像温度は、10〜50℃程度が適当であり、20〜40℃の範囲が好ましい。
(金属薄膜のエッチング工程)
上記のようにして、金属薄膜上に黒色レジスト層からなるエッチングレジストパターンを形成した後、黒色レジスト層が被覆されていない部分の金属薄膜をエッチング(金属箔を溶解除去)する。
係るエッチング工程に用いられるエッチング方法としては、ケミカルエッチング法が挙げられる。係るエッチング法に用いられるエッチング液としては、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、アルカリエッチング液等がある。
(導電性メッシュ)
上述した、金属薄膜形成工程、感光性黒色レジスト層の積層工程、レーザー露光工程、現像工程、及びエッチング工程を経て、基材上に金属薄膜からなる導電性メッシュが形成され、同時に導電性メッシュ上に該導電性メッシュと見当一致した黒色レジストが配置されたメッシュパターンが形成される。
従来から一般的に用いられている、フォトリソグラフ法を利用した導電性メッシュの製造方法、即ち、金属薄膜上にレジスト層を積層し、フォトマスクを介して露光する方式は、フォトマスクの大きさの範囲の露光を繰り返し行う、所謂、枚葉露光方式であることから、フォトマスク単位にメッシュが途切れたものしか作製できず、本発明が目指す連続メッシュを作製することはできなかった。
これに対して、本発明のレーザーを用いた露光方式は、金属薄膜と感光性黒色レジスト層が積層された基材の長手方向に、連続的に露光することができることから、連続メッシュの作製が可能となった。
連続メッシュを形成する技術的意義としては、1)導電性メッシュに重大欠陥が発生しても、その欠陥部分のみを除去できるので、歩留まりが大幅に向上すること、2)さまざまなサイズのディスプレイ用フィルターに対して容易に対応できること、3)導電性メッシュ上に機能層を直接に塗工形成するとき、基材の長手方向(機能層の塗工方向)に、メッシュパターンが途切れることなく連続して形成されているので、機能層の連続塗工に有利であること(フォトマスクを用いて作製した導電性メッシュは、アース部確保のために、通常、導電性メッシュの周辺4辺に金属ベタ部が形成されており、メッシュパターン部分と金属ベタ部分が混在しているために機能層の連続塗工には不利である)等が挙げられる。
本発明において、黒色レジスト層を用いることによって、導電性メッシュの黒化処理工程及び黒化処理前のレジスト層の剥離工程を省略することができ、大幅に生産性が向上する。また、導電性メッシュを黒化処理すると、黒化処理部分は導電性が低くなるために、導電性メッシュの厚みを、黒化処理層の厚みを考慮して、大きめに設定する必要があり、原料コストや金属薄膜の形成に要する時間が増大するという不利益を招く。
また、導電性メッシュを黒化処理することによって形成された黒化処理層は、脆く、脱落しやすいという特性を持っているため、後工程において、導電性メッシュ上に機能層を塗工形成する場合に、導電性メッシュが生産ラインの搬送ロール等に接触し、黒化処理層の一部が剥離し、搬送ロール等の生産ラインを汚染するという問題を招くが、本発明の黒色レジスト層を用いることによって、上記問題を回避することができる。
本発明に係る導電性メッシュは、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽するためのものである。導電性メッシュの表面抵抗値は、低い方が好ましく、3Ω/□以下が好ましく、1Ω/□以下がより好ましく、特に0.5Ω/□以下が好ましい。表面抵抗の下限値は0.01Ω/□程度である。表面抵抗値は、4端子法により測定することができる。
導電性メッシュの厚みは、後述する機能層を均一に塗工形成するという観点、及び導電性メッシュの側面(導電性メッシュを構成する細線の側面)からの金属光沢の影響を軽減するという観点から、5μm以下が好ましく、4μm以下がより好ましく、特に3.5μm以下が好ましい。導電性メッシュの厚みの下限としては、良好な電磁波遮蔽性能を確保するという観点から、0.3μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、特に1.5μm以上が好ましい。
本発明は、黒色レジスト層を用いることによって、導電性メッシュの黒化処理を省略することができることは上述した通りであるが、黒化処理された導電性メッシュ上に黒色レジスト層を設けることができる。勿論、本発明は、黒化処理を全く施さないことが最も好ましいが、以下に述べるように、黒化処理と黒色レジスト層を併用することもできる。
黒化処理された導電性メッシュを用いる場合は、基材上に形成された金属薄膜をメッシュパターンに加工する前に、金属薄膜に黒化処理を施す必要がある。ここで、金属薄膜に施される黒化処理は、従来の金属光沢を抑制するのに十分な黒化処理に比べて、黒化処理条件を緩くすることができる。即ち、黒化処理層と黒色レジスト層の合計で、導電性メッシュの金属光沢を抑制することになるので、黒化処理層の黒化濃度は、従来のものに比べて低くてもよく、黒化処理条件を緩和することができる。これによって、黒化処理に係るコストを低減することができる。また、黒化処理層と黒色レジスト層を併用することによって、黒色レジスト層の光学濃度も、黒化処理層を有しない場合に比べて、低くすることができる。また、黒化処理層上に黒色レジスト層を設けることによって、黒化処理層の脱落を防止することができる。
導電性メッシュの金属光沢には、導電性メッシュを構成する細線部の表面のみではなく、細線部の側面も影響することが考えられるが、黒色レジスト層を用いる本発明の導電性メッシュは、メッシュの細線部側面の金属光沢は抑制することができない。しかしながら、本発明は、前述したように、導電性メッシュの厚みを小さくすることによって、導電性メッシュの細線部側面の金属光沢の影響を軽微とすることができる。
導電性メッシュのメッシュパターンの形状としては、例えば、正方形、長方形、菱形等からなる格子状メッシュパターン、三角形、5角形以上の多角形からなるメッシュパターン、円形、楕円形からなるメッシュパターン、前記の複合形状からなるメッシュパターン、及びランダムメッシュパターンが挙げられる。
導電性メッシュの線幅(W)及び線ピッチ(P)は、ディスプレイ用フィルターをディスプレイパネルに装着したときに発生するモアレを効果的に抑制し、また透過率の低下を抑制するという観点から、線幅(W)は10μm未満が好ましく、8μm以下がより好ましく、特に7μm以下が好ましい。線幅の下限は、生産工程における断線を回避するという観点、及び低い表面抵抗値を確保するという観点から、3μm以上が好ましい。
線ピッチ(P)は、モアレ抑制の観点から、160μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、特に130μm以下が好ましい。線ピッチの下限は、高い透過率を確保するという観点から、50μm以上が好ましく、70μm以上がより好ましい。
(機能性表面層の塗工工程)
基材上に、導電性メッシュと、該導電性メッシュと見当一致した黒色レジスト層が形成された後、黒色レジスト層を被覆するように、機能性表面層を塗工形成することが好ましい。
上記の機能性表面層(以降、単に機能層と称す)は、本発明のディスプレイ用フィルターをディスプレイの前面に装着したときに、視認側(鑑賞者側)の最表面となる層である。係る機能層は、保護機能及び/または光学機能を有することが好ましく、係る機能としては、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能、防汚機能等がある。上記機能層は、導電性メッシュの上に設けられた黒色レジスト層を被覆するように積層される。機能層は、黒色レジスト層上に直接に塗工形成されるのが好ましい。
本発明に係る機能層としては、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能及び防汚機能の中から選ばれる少なくとも1つの機能を有する機能層であることが好ましく、より好ましくは、反射防止機能、防眩機能、及びハードコート機能の中から選ばれる少なくとも1つの機能を有する機能層である。特に、少なくともハードコート機能を有する機能層であることが好ましい。
機能層は単一層であっても複数層で構成されていてもよく、また複数の機能を併せ持つ層であってもよい。以下に機能層を構成する、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能及び防汚機能を有する層について具体的に説明する。
(反射防止層)
反射防止機能を有する層(反射防止層)は、ディスプレイの画像表示に影響を与える蛍光灯などの外光の反射や映り込みを防止するものである。反射防止層は、表面の視感反射率が5%以下であることが好ましく、4%以下がより好ましく、特に3%以下であることが好ましい。ここで視感反射率は、分光光度計等を使用して可視領域波長(380〜780nm)の反射率を測定し、CIE1931システムに準じて計算された視感反射率(Y)である。
このような反射防止層としては、高屈折率層と低屈折率層とを低屈折率層が視認側になるように2層以上積層したものを用いることができる。高屈折率層の屈折率は1.5〜1.7の範囲が好ましく、特に1.55〜1.69の範囲が好ましい。低屈折率層の屈折率は1.25〜1.49の範囲が好ましく、特に1.3〜1.45の範囲が好ましい。
高屈折率層を形成する材料としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどを重合硬化させたもの、あるいはシリコーン系、メラミン系、エポキシ系の架橋性樹脂原料を架橋硬化させたもの等の有機系材料、酸化インジウムを主成分としこれに二酸化チタンなどを少量含ませたもの、あるいはAl2 3 、MgO、TiO2 等の無機系材料が挙げられる。これらの中でも、有機系材料が好ましく用いられる。以下に本発明の高屈折率層の好ましい態様を説明する。
本発明において、高屈折率層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂、含リン系樹脂、含スルフィド樹脂、含ハロゲン樹脂などの樹脂成分を単体または混合系で用いることが出来るが、特に、硬度と耐久性などの点から、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂を用いるのが好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点から、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂が好ましい。特に、(メタ)アクリレート系樹脂は、活性エネルギー線照射によって容易にラジカル重合が起こり、形成される膜の耐溶剤性や硬度が向上するので好ましい。
かかる(メタ)アクリレート系樹脂として、例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌル酸エステルトリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
高屈折率層には、更にカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等の酸性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(モノマー)を使用することができる。具体的には、酸性官能基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸などの不飽和カルボン酸、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のリン酸(メタ)アクリル酸エステル、2−スルホエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他、アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合などの極性を持った結合を有する(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。
高屈折率層には、塗布した樹脂成分の硬化を進めるために開始剤を含有させてもよい。該開始剤としては、塗布した樹脂成分を、ラジカル反応、アニオン反応、カチオン反応等による重合および/または架橋反応を開始あるいは促進せしめるものであり、従来から公知の各種光重合開始剤が使用可能である。
かかる光重合開始剤としては、具体的には、ソジウムメチルジチオカーバメイトサルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノサルファイド及びジサルファイド等のサルファイド類や、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体や、ヒドラゾン、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や、ベンゼンジアゾニウム塩等のジアゾ化合物や、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアントラキノン等の芳香族カルボニル化合物や、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、D−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、p−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピル等のジアルキルアミノ安息香酸エステルや、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物や、9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジン等のアクリジン誘導体や、9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフェナジン等のフェナジン誘導体や、6,4’,4”−トリメトキシ−2、3−ジフェニルキノキサリン等のキノキサリン誘導体や、2,4,5−トリフェニルイミダゾイル二量体、2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリフェニルピリリウム四弗化ホウ素塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、3,3’−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等が挙げられる。
また、高屈折率層には、上記開始剤の酸素阻害による感度の低下を防止するために、光重合開始剤にアミン化合物を共存させてもよい。このようなアミン化合物としては、例えば、脂肪族アミン化合物や、芳香族アミン化合物等の不揮発性のものであれば、特に限定されないが、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が好ましい。
高屈折率層は、高屈折率化のために、高屈折率成分の分子や原子を含んだ樹脂あるいは金属酸化物微粒子を用いることが好ましい。
上記の屈折率を向上させる樹脂に含まれる分子及び原子としては、F以外のハロゲン原子、S、N、Pの原子、芳香族環等が挙げられる。
上記の金属酸化物微粒子としては、屈折率が1.6〜2.7程度のものが好ましく、例えば、錫含有酸化アンチモン粒子(ATO)、亜鉛含有酸化アンチモン粒子、錫含有酸化インジウム粒子(ITO)、酸化亜鉛/酸化アルミニウム粒子、酸化アンチモン粒子等が挙げられる。これらの中でも、錫含有酸化インジウム粒子(ITO)、錫含有酸化アンチモン粒子(ATO)が好ましく用いられる。
かかる金属酸化物粒子は、平均粒子径(BET法により測定される非表面積(JIS R1626:1996年)に基づく球相当径分布から計算される算術平均粒子径(JIS Z8819−1:1999年およびZ8819−2:2001年)が0.5μm以下の粒子が好適に使用されるが、より好ましくは、0.001〜0.3μm、更に好ましくは0.005〜0.2μmの粒子径のものが用いられる。該平均粒子径が、0.5μmを超えると高屈折率層の透明性を低下させることがあり、0.001μm未満では、該粒子が凝集し易くヘイズ値が増大する場合がある。高屈折率層中の金属酸化物粒子の含有量は、樹脂成分100質量%に対して、0.1〜20質量%の範囲が好ましい。
更に、高屈折率層には、重合禁止剤、硬化触媒、酸化防止剤、分散剤等の各種添加剤を含有することができる。
高屈折率層の厚みは、0.01〜1μmの範囲が好ましく、0.05〜0.5μmの範囲がより好ましい。
反射防止層を構成する低屈折率層は、含フッ素ポリマー、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル、含フッ素シリコーン等の有機系材料、MgF2 、CaF2 、SiO2 等の無機系材料で構成することができる。以下に低屈折率層の好ましい態様を例示する。
低屈折率層の1つの好ましい態様として、MgF2やSiO2等の薄膜を真空蒸着法やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法により形成する方法、或いはSiO2ゾルを含むゾル液からSiO2ゲル膜を形成する方法等が挙げられる。
低屈折率層の他の好ましい態様として、シリカ系微粒子と結合してなるシロキサンポリマーを主成分とする構成を採用することができる。なお、ここで言う「結合」とは、シリカ系微粒子のシリカ成分とマトリックスのシロキサンポリマーが反応して均質化している状態を意味する。シリカ系微粒子と結合してなるシロキサンポリマーは、該シリカ系微粒子の存在下、多官能性シラン化合物を溶剤中、酸触媒により、公知の加水分解反応によって、一旦シラノール化合物を形成し、公知の縮合反応を利用することによって得ることができる。
かかる多官能性シラン化合物としては、多官能性フッ素含有シラン化合物を含むことが低屈折率化、防汚性の点から好ましく、トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロメチルエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシランなどの3官能性フッ素含有シラン化合物、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシランなどの2官能性フッ素含有シラン化合物などが挙げられ、いずれも好適に用いられるが、表面硬度の観点から、トリフルオロメチルメトキシシラン、トリフルオロメチルエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシランが、より好ましい。
多官能性シラン化合物として多官能性フッ素非含有シラン化合物を用いることができる。かかる多官能性フッ素非含有シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシシプロピルトリメトキシシランなどの3官能性シラン化合物、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシランなどの2官能性シラン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの4官能性シラン化合物などが挙げられ、いずれも好適に用いられるが、表面硬度の観点からビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが、より好ましい。
また、上述のシリカ系微粒子としては、平均粒子径1nm〜200nmのシリカ系微粒子であることが好ましく、特に好ましくは、平均粒子径1nm〜70nmである。平均粒子径が1nmを下回ると、マトリックス材料との結合が不十分となり、硬度が低下することがある。一方、平均粒子径が200nmを越えると、粒子を多く導入して生じる粒子間の空隙の発生が少なくなり、低屈折率化の効果が十分発現しないことがある。さらに、かかるシリカ系微粒子の中でも、内部に空洞を有する構造のものが、屈折率を低下させるために、特に好ましく使用される。
かかる内部に空洞を有するシリカ系微粒子とは、外殻によって包囲された空洞部を有するシリカ系微粒子、多数の空洞部を有する多孔質のシリカ系微粒子等が挙げられ、いずれも好適に用いられる。このような例としては例えば、特許第3272111号公報に開示されている方法によって製造でき、微粒子内部の空洞の占める体積、すなわち微粒子の空隙率としては、5%以上が好ましく、30%以上がさらに好ましい。空隙率は、例えば、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。また、該微粒子自体の屈折率は、1.20〜1.40であるのが好ましく、1.20〜1.35であるのがより好ましい。このようなシリカ系微粒子としては、例えば特開2001−233611号公報に開示されているものや、特許第3272111号公報等の一般に市販されているものを挙げることができる。
低屈折率層の厚みは、0.01〜0.4μmの範囲が好ましく、0.02〜0.2μmの範囲がより好ましい。
(防眩層)
防眩機能を有する層(防眩層)は、画像のギラツキを防止するものであり、表面に微小な凹凸を有する膜が好ましく用いられる。防眩層としては、例えば、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂に粒子を分散させた塗工液を塗布及び硬化させたもの、あるいは、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂を塗工し、所望の表面状態を有する型を押し付けて凹凸を形成した後に硬化させたものなどが用いられる。防眩層は、ヘイズ値(JIS K 7136;2000年)が0.5〜20%であることが好ましい。
また、本発明は、導電性メッシュのメッシュパターンの上に機能層が塗工されるので、メッシュパターンの凹凸を利用して、塗工された機能層表面に凹凸を持たせ、防眩機能を発現することができる。
防眩機能を有効に発現するためには、防眩層表面の中心線平均粗さRa値は、100〜500nmの範囲が好ましい。ここで、中心線平均粗さRa値は、JIS B0601−1982の規定に基づき、表面粗さ測定器SE−3400((株)小坂研究所製)を用いて測定することができる。
防眩層の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲が適当であり、1〜8μmの範囲がより好ましい。
本発明の機能層として、反射防止機能と防眩機能を併せ持つ層を用いることは好ましい態様の1つである。
(ハードコート層)
ハードコート機能を有する層(ハードコート層)は、傷防止のために設けられる。ハードコート層は硬度が高いことが好ましく、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度が、1H以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。
ハードコート層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂または熱硬化型のアクリル系樹脂とは、重合硬化成分として多官能アクリレート、アクリルオリゴマーあるいは反応性希釈剤を含む組成物である。その他に必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤等を含有しているものを用いてもよい。
アクリルオリゴマーとは、アクリル系樹脂骨格に反応性のアクリル基が結合されたものを始めとして、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートなどであり、また、メラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格にアクリル基を結合したものなども用いることができる。
また、反応性希釈剤とは、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
また、市販されている多官能アクリル系硬化塗料としては、三菱レイヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム(登録商標)”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール(登録商標)”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC(登録商標)”シリーズなど)、東亜合成化学工業株式会社;(商品名“アロニックス(登録商標)”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(商品名“ブレンマー(登録商標)”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD(登録商標)”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズ、“ライトアクリレート”シリーズなど)などの製品を利用することができる。
ハードコート層形成組成物を構成するアクリル化合物の代表的なものを例示すると、1分子中に3個以上、より好ましくは4個以上、さらに好ましくは5個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの少なくとも1種と、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の少なくとも1種とからなる混合物を主たる構成成分とし、活性エネルギー線硬化または熱硬化によって得られるハードコート層が、硬度、耐摩耗性および可撓性に優れている点で好ましく用いられる。(メタ)アクリロイルオキシ基が多すぎる場合には、単量体は高粘度となり取り扱いし難くなり、また、高分子量とならざるを得なくなって塗布液として用いることが困難となるので、1分子中の(メタ)アクリロイルオキシ基は好ましくは10個以下である。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーとしては、1分子中に3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が、3個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物などを挙げることができる。具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。これらの単量体およびプレポリマーは、1種または2種以上を混合して使用することができる。特にこれらの内、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物は、後述するイソシアネートとの併用により、ハードコート層と隣接層との接着性を向上させることができるので特に好ましい。
これらの1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して20〜90質量%が好ましく、より好ましくは30〜80質量%、最も好ましくは30〜70質量%である。
上記1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して20質量%未満の場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜を得るという点で不十分な場合がある。また、上記1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単量体およびプレポリマーの使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して90質量%を超える場合は、硬化による収縮が大きく、硬化被膜に歪が残ったり、被膜の可撓性が低下したり、硬化被膜側に大きくカールするなどの不都合を招く場合がある。
また、これらの内、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して10〜80質量%が好ましく、より好ましくは20〜70質量%、最も好ましくは30〜60質量%である。少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して10質量%未満の場合には、ハードコート層とその隣接層との接着性を向上させる効果が小さい場合がある。少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して80質量%を超える場合は、ハードコート層内の架橋密度が低下して、ハードコート層の硬度が低下する傾向がある。
次に、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、ラジカル重合性のある通常の単量体ならば特に限定されずに使用することができる。
また、分子内に2個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、下記(a)〜(f)の(メタ)アクリレート等を用いることができる。
すなわち、(a)炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど;
(b)ポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリレート酸ジエステル類:ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど;
(c)多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなど;
(d)ビスフェノールAあるいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類:2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロポキシフェニル)プロパンなど;
(e)ジイソシアネート化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物に、さらにアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート類など、および;
(f)分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物にアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られる分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート類など。
分子内に1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−およびi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、sec−、およびt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドンなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上混合して使用してもよい。
これらの1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合は、ハードコート層形成組成物総量に対して10〜50質量%が好ましく、より好ましくは20〜40質量%である。1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して50質量%を超える場合には、十分な耐摩耗性を有する硬化被膜が得られにくくなる場合がある。また、1分子中に1〜2個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の使用割合が、ハードコート層形成組成物総量に対して10質量%未満の場合には、被膜の可撓性が低下したり、基材フィルム上に設けた積層膜との接着性が低下する場合がある。
本発明において、ハードコート形成組成物を硬化させる方法としては、例えば、活性エネルギー線として紫外線を照射する方法や高温加熱法等を用いることができる。これらの方法を用いる場合には、前記ハードコート層形成組成物に、光重合開始剤または熱重合開始剤等を加えることが望ましい。
光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。また、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。
光重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、ハードコート層形成組成物総量に対して0.01〜10質量%が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。また220度以上の高温で熱硬化させる場合には、熱重合開始剤の添加は必ずしも必要ではない。
本発明におけるハードコート層形成組成物は、ポリイソシアネート化合物を含有していることが好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、水添MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート等の少なくとも2量体以上のものが挙げられる。これらポリイソシアネート化合物は、単独または2種以上を混合して使用することができる。
これらのポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体は、前記したハードコート層形成組成物に混合されて塗布される。上記ポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体の配合量は、接着性、表面硬度、耐湿熱性および虹彩模様低減の点で、ハードコート層形成組成物総量に対し、好ましくは0.5〜50質量%、より好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは3〜20質量%である。上記ポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体の配合量が、ハードコート層形成組成物総量に対して0.5質量%未満の場合には、接着性向上効果が不足したり、虹彩模様の低減が不十分な場合があり、またポリイソシアネート化合物および/またはその誘導体の配合量が、ハードコート層形成組成物総量に対して50質量%を超えると、表面硬度が低下する場合がある。
上記ポリイソシアネートを添加したハードコート層形成組成物は、その硬化効率を高める目的で有機金属系触媒を含有させることも好ましい。
有機金属系触媒は、特に限定されるものではなく、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機4A族元素(チタン、ジルコニウムまたはハフニウム)化合物などが挙げられるが、安全性を考慮した場合、非錫系金属触媒である有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、および、有機チタン化合物から選ばれたものが好ましく適用される。有機錫化合物としては、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウリレートなどのジブチル錫脂肪酸塩、ジオクチル錫ジラウリレートなどのジオクチル錫脂肪酸塩が例示できる。
有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ハフニウム化合物、有機チタン化合物としては、これらの金属のオルトエステルとβ−ケトエステル(βジケトン)の反応生成物が例示され、具体的にはジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、アルミニウムテトラ−n−プロポキシド、アルミニウムテトライソプロポキシド、アルミニウムテトラ−n−ブトキシドなどの金属オルトエステルと、アセチルアセトン、メチルアセテート、エチルアセトアセテート、n−プロピルアセトアセテート、イソプロピルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテートなどのβケトエステル(βジケトン)との反応生成物を挙げることができる。金属オルトエステルとβジケトエステル(βジケトン)の混合モル比率は4:1〜1:4程度が好ましく、より好ましくは2:1〜1:4である。4:1より金属オルトエステルが多い場合は触媒の反応性が高すぎてポットライフが短くなりやすく、1:4よりβジケトエステルが多い場合は触媒活性が低下するため好ましい態様では無い。上記有機金属系触媒の配合量は、ハードコート形成組成物総量に対して0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.01〜2質量%である。上記有機金属系触媒の配合量が、ハードコート形成組成物総量に対して0.001質量%より少ない場合には触媒添加効果が低く、10質量%より多くすることは経済的見地から好ましくない。
上記したハードコート層形成組成物の好ましい態様としては、ハードコート層形成組成物総量に対して、少なくともひとつの水酸基を有する多官能アクリレート化合物10〜80質量%、イソシアネート化合物1〜30質量%および必要に応じて有機金属系触媒0.001から10質量%の範囲とするのが望ましい。さらに必要に応じて1〜2個のエチレン性不飽和結合を有する単量体を0質量%以上50質量%以下添加しても良い。
本発明において、ハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤などを用いることができる。
シリコーン系レベリング剤としては、ポリジメチルシロキサンを基本骨格とし、ポリオキシアルキレン基が付加されたものが好ましく、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(例えば東レダウコーニング(株)製SH190)が好適である。
またハードコート層上にさらに積層膜を設ける場合には、接着性を阻害しないアクリル系レベリング剤を適用するのが好ましい。このようなレベリング剤としては「ARUFON−UP1000シリーズ、UH2000シリーズ、UC3000シリーズ(商品名):東亜合成化学(株)製)などを好ましく用いることができる。レベリング剤の添加量はハードコート形成組成物総量に対して、0.01〜5質量%の範囲とするのが望ましい。
本発明で用いられる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波が挙げられ、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。またさらに、電子線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点で有利である。
本発明で用いられる熱硬化に必要な熱としては、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターあるいは遠赤外線ヒーターなどを用いて温度を少なくとも140℃以上に加温された空気、不活性ガスを、スリットノズルを用いて基材、塗膜に吹きあてることにより与えられる熱が挙げられ、中でも200度以上に加温された空気による熱が好ましく、さらに好ましくは200度以上に加温された窒素による熱であることが、硬化速度が早いので好ましい。
ハードコート層の厚みは、0.5〜10μmが好ましく、より好ましくは1〜8μmである。ハードコート層の厚みが0.5μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために、表面硬度が十分でなく、傷が付きやすくなる傾向にある。一方、ハードコート層の厚みが10μmを超えると、硬化時の重合収縮により、カールが発生しやすくなる。
ハードコート層には、前述した反射防止層を構成する高屈折率層としての機能を付与することができる。ハードコート層の高屈折率化は、ハードコート層形成用樹脂組成物中に、前述した高屈折率層に用いられる、高屈折率成分の分子や原子を含んだ樹脂、あるいは金属酸化物微粒子を添加することにより図られる。
(防汚層)
防汚機能を有する層(防汚層)は、ディスプレイ用フィルターに、人が指で触ることによって油脂性物質が付着するのを防止したり、大気中のごみや埃が付着するのを防止したり、あるいはこれらの付着物が付着しても除去しやすくするための層である。かかる防汚層としては、例えば、フッ素系コート剤、シリコーン系コート剤、シリコン・フッ素系コート剤等が用いられる。防汚層の厚さは、1〜10nmの範囲が好ましい。
(機能層の構成例)
前述したように本発明の機能層は単一層であっても、複数層であってもよい。複数構成の機能層としては、a)ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、b)高屈折率ハードコート層/低屈折率層、c)ハードコート層/防眩層、d)ハードコート層/防眩性反射防止層、等が例示される。尚、上記a)〜d)の構成において、右側に記載の層が視認側に配置される。防汚層を設ける場合は、視認側の最表面に設けるのが好ましい。
また、機能層が単一層の場合は、複数の機能を併せ持つのが好ましい。かかる単一層の例としては、e)反射防止性ハードコート層(反射防止機能とハードコート機能を有する単一層)、f)防眩性ハードコート層(防眩機能とハードコート機能を有する単一層、g)防眩性反射防止ハードコート層(防眩機能と反射防止機能とハードコート機能を有する単一層)、h)防眩性反射防止層(防眩機能と反射防止機能を有する単一層)、i)防汚性ハードコート層(防汚機能とハードコート機能を有する単一層)等が例示される。
(機能層の塗工形成)
本発明において、機能層は、導電性メッシュ上に形成された黒色レジスト層を被覆するように、直接に塗工形成するのが好ましい。この場合、導電性メッシュと黒色レジスト層からなるメッシュパターンを構成する細線部と、細線に囲まれた開口部とを埋めて、黒色レジスト層を被覆するためには、機能層はある程度の厚みが必要である。しかし、前述したように、比較的厚みの小さい導電性メッシュ(例えば、厚みが5μm以下)と比較的厚みの小さい黒色レジスト層(例えば、厚みが3μm以下)を用いることによって、機能層の厚みを小さくすることが可能となる。機能層の厚みを小さくすることによって、原材料コストの低減、及び機能層の塗工速度や乾燥速度の増大が図られ、生産コストが大幅に低減する。特に、機能層としてハードコート機能を含む層を塗工形成する場合、機能層の厚みを小さくすることは、ハードコート層の重合収縮によってディスプレイ用フィルターがカールすることを抑制できるという利点がある。
図1は、本発明に係るディスプレイ用フィルターの一例の模式断面図であり、基材4の上に、導電性メッシュと黒色レジスト層からなるメッシュパターン(以降、レジスト積層導電性メッシュと称す)3が形成され、レジスト積層導電性メッシュ3上に機能層2が積層されている。ここで、機能層2は、レジスト積層導電性メッシュ3を構成する細線部3aに囲まれた開口部3bを埋めて、かつ細線部3aを被覆するように塗工形成されている。
機能層2がレジスト積層導電性メッシュ3を完全に被覆するように機能層2を塗工形成するためには、機能層2の合計厚み(図1の符号N)は、レジスト積層導電性メッシュ3の厚み(図1の符号A)に対して130%以上が好ましく、150%以上がより好ましい。ここで機能層2の合計厚み(N)は、上記したように機能層はレジスト積層導電性メッシュの開口部を埋めてかつ細線部を被覆するように塗工形成されるので、レジスト積層導電性メッシュの厚み(A)(細線部3aの厚みに相当)と細線部上に形成された機能層の厚み(L)との和である。上記したように、レジスト積層導電性メッシュの厚み(A)に対して機能層の合計厚み(N)を大きくすることによってレジスト積層導電性メッシュの凹凸面を十分に埋めて均一化することができる。
上記の観点から、レジスト積層導電性メッシュの厚み(A)は、0.8〜8μmの範囲が好ましく、1.5〜6μmの範囲がより好ましく、特に2〜5μmの範囲が好ましい。また、機能層の合計厚み(N)としては、2〜10μmの範囲が好ましく、特に3〜8μmの範囲が好ましい。また、レジスト積層導電性メッシュの細線部上に形成された機能層の厚み(L)は、0.5〜5μmの範囲が好ましく、1〜4μmの範囲がより好ましい。
上記した、導電性メッシュ、黒色レジスト層、レジスト積層導電性メッシュ及び機能層の厚みは、走査型電子顕微鏡によるディスプレイ用フィルターの拡大断面写真から求めることができる。
レジスト積層導電性メッシュ上に機能層を塗工形成するための塗工方式としては、ディップコーティング法、スピンコート法、スリットダイコート法、グラビアコート法、リーバースコート法、ロッドコート法、バーコート法、スプレー法、ロールコーティング法等の公知のウェットコーティング法を用いることができる。
(他の機能層)
本発明のディスプレイ用フィルターには、更に近赤外線遮蔽機能、色調調整機能、あるいは可視光透過率調整機能を付与するのが好ましい。
近赤外線遮蔽機能は、波長800〜1100nmの範囲における光線透過率の最大値が15%以下となるように調整するのが好ましい。近赤外線遮蔽機能は、基材、機能層、あるいは後述する接着層に近赤外線吸収剤を混錬、分散することによって付与してもよいし、近赤外線遮蔽層を新たに設けてもよい。近赤外線遮蔽機能は、近赤外線吸収剤を用いることによって、あるいは導電性薄膜のような金属の自由電子によって近赤外線を反射する層を設けることによって付与することができる。本発明においては、近赤外線吸収剤を樹脂バインダー中に分散もしくは溶解した塗料を塗布乾燥して形成した近赤外線遮蔽層を用いること、あるいは機能層や接着層に上記近赤外線吸収剤を含有させる態様が好ましく用いられる。近赤外線吸収剤としては、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系化合物、ジイモニウム系化合物等の有機系近赤外線吸収剤、あるいは酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、硫化亜鉛、セシウム含有酸化タングステン等の無機系近赤外線吸収剤を用いることができる。
上記した近赤外線遮蔽層を新たに設ける場合は、基材と導電性メッシュとの間、もしくは基材に対して導電性メッシュとは反対面に、基材に塗工形成して設けることができる。
近赤外線遮蔽機能を基材より視認側に付与する場合は、耐光性に優れる無機系近赤外線吸収剤を用いるのが好ましい。
色調調整機能は、ディスプレイから発光される特定波長の光を吸収して色純度や白色度を向上させるための機能である。特に赤色発光の色純度を低下させるオレンジ光を遮蔽するのが好ましく、波長580〜620nmの範囲に吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。更に、白色度を向上させるために波長480〜500nmに吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。色調調整機能は、上記した波長の光を吸収する色素を含有する層を新たに設けてもよいし、上述の近赤外線遮蔽層、機能層あるいは接着層に色素を含有させてもよい。
可視光透過率調整機能は、可視光の透過率を調整するための機能であり、染料や顔料を含有させて調整することができる。可視光透過率調整機能は、基材、近赤外線遮蔽層、機能層、あるいは接着層に付与してもよいし、新たに透過率調整層を設けてもよい。
上述した色調調整機能を有する層及び可視光透過率調整機能を有する層をそれぞれ新たに設ける場合、これらの層は基材と導電性メッシュとの間、もしくは基材に対して導電性メッシュとは反対面に設けることができる。
本発明のディスプレイ用フィルターは、ディスプレイに直接、あるいはガラス板、アクリル板、ポリカーボネート板等の公知の高剛性基板を介して装着することができる。本発明のディスプレイ用フィルターには、ディスプレイあるいは高剛性基板に貼り付けるための接着層を設けるのが好ましい。上記高剛性基板としては、厚みが1〜3mm程度のガラス板が好ましい。
接着層は基材に対して導電性メッシュとは反対面側の最表面に設けられる。接着層には、前述したように近赤外線遮蔽機能、色調調整機能、あるいは可視光透過率調整機能を付与することができる。また、接着層に、ディスプレイを衝撃から保護するための衝撃緩和機能を付与することは好ましい態様である。接着層に衝撃緩和機能を付与するには、接着層の厚みを50μm以上にすることが好ましく、100μm以上がより好ましく、上限の厚みは、接着層のコーティング適性を考慮して500μm以下が好ましい。
接着層には、公知の接着材あるいは粘着材を用いることができる。粘着材としては、アクリル、シリコン、ウレタン、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニルなどが挙げられる。接着材としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1、2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1、3−ブタジエン、ポリ−1、3−ブタジエンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート 、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂などが挙げられる。
(ディスプレイ用フィルターの構成例)
本発明に係るディスプレイ用フィルターは、基材が1枚のみのプラスチックフィルムから構成されるのが好ましい。係るディスプレイ用フィルターの構成としては、粘着層/近赤外線遮蔽層/プラスチックフィルム/導電性メッシュ(黒色レジスト層を含む)/機能層を順に有する構成が好ましい。近赤外線遮蔽層は、色調調整機能を併せ持つのが好ましい。
図1は、上記構成のディスプレイ用フィルターの模式断面図である。図1において、ディスプレイ用フィルター1は、プラスチックフィルムからなる基材4の一方の面にレジスト積層導電性メッシュ3が形成され、レジスト積層導電性メッシュ3上に機能層2が直接に積層されており、基材4の他方の面には近赤外線遮蔽層5及び粘着剤層6が順次積層された構成になっている。
(電極形成工程)
本発明が対象とするディスプレイ用フィルターは、ディスプレイから発生する電磁波を有効に遮蔽するために、通常、ディスプレイ用フィルターをディスプレイに装着しディスプレイ筐体に組み立てたときに、導電性メッシュの少なくとも一部と筐体の外部電極とを電気的に接続するための電極が、ディスプレイ用フィルターの周辺部(ディスプレイの画像表示領域の外側)に設けられる。
従来から一般的に使用されている、2枚の基材からなるディスプレイ用フィルター、即ち、プラスチックフィルム上に反射防止機能等の機能層が積層された光学機能性フィルムと、プラスチックフィルム上に導電層(電磁波遮蔽層)が設けられた電磁波遮蔽フィルムとが粘着剤層を介して貼合されたフィルターの場合は、光学機能性フィルムと電磁波遮蔽フィルムをシート同士で貼合するときに、電磁波遮蔽フィルムシートに対して、光学機能性フィルムシートのサイズを小さく設計することによって、両シートが貼合されて得られたディスプレイ用フィルターシートの4辺には、電磁波遮蔽フィルムシートの導電層が剥き出しになった部分が形成される。この導電層が剥き出しになった部分がディスプレイ用フィルターの電極として利用される。
しかしながら、本発明が対象とするディスプレイ用フィルターは、導電性メッシュ上に形成された黒色レジスト層を被覆するように、基材を介在せずに機能層が積層されるのが好ましい態様であるので、上記した2枚基材からなるフィルターのように、貼合時に、レジスト積層導電性メッシュ(導電層)の剥き出し電極を形成することはできない場合がある。
そこで、本発明に係るディスプレイ用フィルターの特徴、即ち、レジスト積層導電性メッシュ上には、薄膜の機能層のみしか存在しない、という特徴を生かした電極形成方法を検討し、レーザーを用いて、レジスト積層導電性メッシュ上の機能層を蒸発、燃焼させて除去する方法が最適であること見いだした。
詳細には、本発明に係るディスプレイ用フィルターの電極は、ディスプレイ用フィルターの機能層側表面からレーザーを照射し、機能層を除去して空隙を形成し、導電性メッシュを露出させることによって形成される。このとき、機能層と一緒に導電性メッシュ上に積層された黒色レジスト層も除去される。上記のようにして形成された導電性メッシュの露出部が電極となる。以下に、本発明のディスプレイ用フィルターに形成される電極について詳細に説明する。
本発明において、電極はディスプレイ用フィルターの周辺部の少なくとも一部に設けられるが、ここで、ディスプレイ用フィルターの周辺部とは、かかるディスプレイ用フィルターをディスプレイに設置した際に、ディスプレイの画像表示領域の外周に相当する部分のことを言い、好ましくはディスプレイ用フィルターの端部から1mm以上内側で、画像表示領域に相当する部分から1mm以上外側の範囲である。
本発明が対象とするディスプレイ用フィルターは通常長方形であり、それに用いられるでも長方形である。電極は、少なくとも対向する2辺の端縁部に設けるのが好ましく、ディスプレイ用フィルターの4辺の端縁部にそれぞれ形成するのがより好ましい。電極は、ディスプレイ用フィルターの側辺に略平行に直線状に細長く溝状に形成するのが好ましい。電極の幅は、4mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、更に2mm以下が好ましい。電極の幅の下限としては、0.3mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましい。電極の幅が4mmを越えて大きくなると、導電性メッシュの露出面が大きくなり導電性メッシュが酸化劣化しやすくなるという問題、後述するように生産効率が低下するという問題、及び後述するように電極に導電性材料を配置したときに導電性材料が剥離しやすくなるという問題が生じる場合がある。一方、電極の幅が0.3mmより小さくなるとディスプレイ筐体(外部電極)との導通が不十分になり十分な電磁波遮蔽効果が得られない場合がある。
ディスプレイ用フィルターの1辺における電極の長さは、辺の長さに対して10%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、特に50%以上が好ましい。上記の比率は高い方が電磁波遮蔽性能の観点から好ましい。本発明における電極は、ディスプレイ用フィルターを上面から見たときに平面形状としては、細長い溝状であることが好ましく、その形状は、直線状に連続したものであってもよいし、破線状の不連続なものであってもよい。後者の不連続な電極の場合は合計の長さが上記比率の対象となる。
以下、本発明のディスプレイ用フィルターに形成される電極について、図面を用いて詳細に説明する。図2は本発明のディスプレイ用フィルターの一例の平面図、図3は図2のA−Aの模式断面図である。ディスプレイ用フィルターの周辺部には、4辺の側辺に略平行に直線状に細長い電極7が設けられている。このディスプレイ用フィルターは、基材4の上に、導電性メッシュ31とその上に積層された黒色レジスト層32からなるレジスト積層導電性メッシュ3を有し、レジスト積層導電性メッシュ3の上に機能層2が積層されている。基材4の反対面には近赤外線遮蔽層5、及び接着層6が積層されている。図3において、電極7は、機能層側表面からレーザーを照射して機能層2を除去し、導電性メッシュ3に達する空隙を設けることによって形成されている。このとき、レーザーの照射によって、機能層2と一緒に黒色レジスト層32が除去される。空隙の内部には導電性メッシュ3が露出しており、この露出した部分が電極7となる。
図4は、電極7を直線状に不連続(破線状)に設けた態様の平面図である。ディスプレイ用フィルターの周辺部に、4辺の側辺に略平行に電極7が破線状に設けられている。電極を破線状に設ける場合は、1辺当たりの電極部分の数は3〜50個が好ましく、5〜40個の範囲がより好ましい。1辺当たりの電極部分の合計の長さ(A)と電極部分と電極部分の距離(間隔)の合計長さ(B)の比率(A/B)は、0.2〜20の範囲が好ましく、0.5〜10の範囲がより好ましい。
次に、レーザーを用いた電極の形成方法について説明する。本発明に係るディスプレイ用フィルターの電極は、ディスプレイ用フィルターの機能層側表面からレーザーを照射し、機能層を除去して空隙を形成し、導電性メッシュを露出させることによって形成されることが好ましい。レーザーを用いることによって、機能層に非接触で機能層を除去することができ、また機能層等を機械的及び物理的に剥離することなく除去することができる。
また、レーザーを照射する方法は、機能層をほぼ一定の幅で除去できること、及び空隙の深さ方向の制御が精度よくできるという利点がある。このようなレーザーの出力源としては、ヨウ素、YAG、COなどがあるが、特にCOレーザーは、金属からなる導電性メッシュは破壊せずに有機物を主成分とする機能層を蒸発・燃焼させて除去することができるという点で好ましい。
機能層を除去する方法として、ナイフ等のカッター刃を用いて積層体表面から切り込みを入れる方法があるが、この方法では本発明における好ましい態様の電極、即ち0.3mm以上の幅の電極は形成できないので導通が取れないこと、及び導電性メッシュが切断されて導通が不十分になるという問題がある。機能層を除去する他の方法として、超音波半田コテを用いて機能層を除去する方法があるが、この方法は高温のコテ先を積層体に接触させるので積層体のプラスチックフィルムが熱変形を起こす可能性があること、及び導電性メッシュの露出を完全にかつ安定的に行うことが難しいという問題がある。更に他の方法として、ドライエッチングする方法があるが、この方法は装置が大がかりとなること、及び操作中に高温となりディスプレイ用フィルターが変形することがある。
上述に鑑み、導電性メッシュの上に積層された機能層を除去して、導電性メッシュが露出した電極を得るための空隙の形成方法として、レーザーを用いる方法が極めて有益であることを見いだした。
機能層側表面からレーザーを照射して、機能層と黒色レジスト層を除去して導電性メッシュに達する空隙を形成する場合、空隙の幅及び深さは、レーザーの焦点位置、レーザーの出力、及びレーザーの走査速度(ヘードスピード)を調整することによって制御することができる。空隙の幅(上述した電極の幅に相当する)は、更に走査回数を調整することによって制御することができるが、1回の走査でも本発明が所望とする空隙を形成することができる。空隙の幅は4mm以下が好ましいことは前述した通りであるが、幅が4mmを越える空隙を形成するためにはレーザーの操作回数を多くしたり、レーザーの焦点位置をずらしたりする必要があり、前者の場合は生産効率の低下を招き、また後者の場合は空隙の縁部の機能層が十分に除去されずに空隙の縁部に機能層の蒸発あるいは燃焼しきれなかった分解物残渣が付着するという不都合を招く場合がある。
また、レーザーを用いて機能層と黒色レジスト層を除去する方法は、機能層と黒色レジスト層が蒸発あるいは燃焼して除去されるので、レーザーを照射した部分の導電性メッシュを完全に露出することが可能となる。
本発明では、上記したように機能層と黒色レジスト層を除去して空隙を形成し、導電性メッシュの露出部を電極とすることによって、アース効率を十分に確保することができる。本発明のディスプレイ用フィルターは、導電性メッシュの上にはプラスチックフィルム及び接着剤層は存在しないので、導電性メッシュ表面からフィルターの機能層側最表面までの距離が従来の一般的なディスプレイ用フィルターに比べて大幅に小さいので、電極の幅(空隙の幅)が4mm以下、好ましくは3mm以下、更には2mm以下であっても、外部電極との導通が十分に得られる。即ち、導電性メッシュ表面から最表面までの距離を十分に小さくすることによって、電極の幅、即ち空隙の幅を小さくすることが可能となる。
上記観点から、導電性メッシュ表面から機能層側最表面までの距離、即ち、図1の(L)と導電性メッシュ上に積層された黒色レジスト層の厚みの合計が、8μm以下が好ましく、7μm以下がより好ましく、更に6μm以下が好ましく、特に5μm以下が好ましい。上記の下限の厚みは2μm程度である。
上記の導電性メッシュ表面から機能層側最表面までの距離を小さくするには、レジスト積層導電性メッシュ3の厚み(A)を、0.8〜8μmの範囲、好ましくは1.5〜6μmの範囲、更には2〜5μmの範囲とし、レジスト積層導電性メッシュの細線部上に形成された機能層の厚み(L)を、0.5〜5μmの範囲、更には1〜4μmの範囲とすることが好ましい。
また、レーザーによる空隙形成の観点からも、導電性メッシュ表面から機能層側最表面までの距離を小さくすることは、レーザー照射によって蒸発、燃焼させる有機物の絶対量が小さくなることであり、これによってレーザー照射による空隙形成時に発生する有機物の分解物残渣の量が少なくなるので、分解物残渣によるディスプレイ用フィルターの電極部周辺への汚染や周辺機器のへの汚染が軽減できるという利点がある。
また、本発明のディスプレイ用フィルターの1つの特徴は、導電性メッシュの金属光沢抑制のために黒色レジスト層を用いることであり、これによって、従来の黒化処理を省略することができるという利点があるが、これに加えて、黒化処理層に代えて黒色レジスト層を用いることは、上記したレーザー照射による電極形成の観点からも有益である。
導電性メッシュを黒化処理することによって、導電性メッシュの表面に形成された黒化処理層は、通常、導電性メッシュを形成する金属の酸化物であり、この金属酸化物は導電性が低く、導電性メッシュが露出した電極を形成するときには、金属酸化物は除去する必要がある。しかし、金属酸化物は、上記した有機物(樹脂)を構成成分とする機能層や黒色レジスト層と違って、レーザーで容易に除去することができない。金属酸化物を除去するためにはレーザー照射条件を強力にする必要があり、これによって導電性メッシュも破壊される場合がある。従って、レーザーでの電極形成を安定的に精度よく行う上で、黒化処理層に代えて黒色レジスト層を用いることは有益である。
上記したレーザーによる電極形成において、ディスプレイ用フィルターの機能層側表面に、更にカバーフィルムを有する、カバーフィルム付きディスプレイ用フィルターを用いて、カバーフィルム表面からレーザーを照射して導電性メッシュに達する空隙を形成し、導電性メッシュが露出した電極を形成することが好ましい。
上記カバーフィルムは機能層を保護する等の目的で設けられるものであり、最終的には剥離除去されるものである。カバーフィルム表面からレーザーを照射して空隙形成することによって、空隙形成時に発生する有機物の分解物残渣がディスプレイ用フィルターへ再付着するのを防止するという利点がある。
上述した、レーザー加工による分解物残渣の発生量、レーザー照射装置の低価格化、及び空隙形成の精度を考慮し、カバーフィルムの厚み(積層のための粘着層が必要な場合は粘着層を含む)は20〜80μmの範囲が好ましい。
本発明に用いられるカバーフィルムとしては、各種プラスチックフィルムを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリアセチルセルロースフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、エポキシ系フィルム、ポリウレタンフィルム等が挙げられ、これらの中でもポリエステルフィルムやポリオレフィンフィルムが好ましく用いられる。
カバーフィルムは、最終的にはディスプレイ用フィルターから剥離除去されるので、剥離可能な粘着材または接着材が用いられる。あるいは、カバーフィルムとして粘着性を有するフィルムを用いる場合には、粘着材等は不要である。カバーフィルムはディスプレイ用フィルターをディスプレイに装着する前もしくは装着した後に剥離除去するのが好ましい。
図5は、ディスプレイ用フィルターの機能層表面に、更にカバーフィルムを有するカバーフィルム付きディスプレイ用フィルターの電極部分の模式断面図である。電極7は、カバーフィルム8から導電性メッシュ31に達する空隙をレーザー照射で形成し、導電性メッシュ31を露出させることによって形成されている。
本発明のディスプレイ用フィルターは、前述したように、導電性メッシュを露出させることによって形成された電極で十分に外部電極との導通を取ることができるが、導電性メッシュの露出部に更に導電性材料を配置することによって電極を形成することができる。この場合、導電性メッシュの露出部と導電性材料とで電極が形成される。
前述したように、電極を形成するための導電性メッシュの露出部の幅(電極幅)は、4mm以下とすることが好ましく、これによって導電性メッシュの空気酸化等による劣化を抑制することができるが、導電性メッシュの露出部に導電性材料、例えば、後述する導電性ペーストやはんだ等の流動性の導電性材料、あるいは導電性粘着テープを配置することによって、更に導電性メッシュ露出部の空気酸化等による劣化を抑制できるという利点がある。
導電性メッシュの露出部に導電性材料を配置する1つの態様として、露出部に導電性ペーストやはんだ等の流動性の導電性材料(以降、導電性ペースト等と称す)を塗布あるいは充填する態様がある。導電性ペーストとしては、銀、金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、あるいは銀とそれ以外の金属の合金などを含有する金属ペーストを用いることができる。
導電性メッシュの露出部に導電性材料を配置する他の態様として、露出部に挿入することができるように加工された導電性固体を配置する態様がある。導電性固体としては導電性金属あるいは非導電体の表面に導電性金属を被覆したものが用いられる。
導電性メッシュの露出部をレーザーで形成する方法は、導電性メッシュを破壊せずに導電性メッシュの開口部を通して導電層の下側の層まで達する空隙を形成することができる。この空隙に導電性ペースト等の流動性の導電性材料を塗布あるいは充填することによって導電性メッシュの下側にも導電性ペースト等が入り込み、その結果、導電性メッシュと導電性ペースト等の導電性材料との接触面積が増大し、導電性メッシュと外部電極との導通を更に安定的に確保することができる。
導電性メッシュの露出部に導電性材料を配置する更に他の態様として、導電性粘着テープを露出部の上から貼り付ける態様がある。導電性粘着テープを貼り付けた後にヒートシーラー等で導電性粘着テープを加熱加圧するのが好ましい。本発明のディスプレイ用フィルターは、導電性メッシュ表面から機能層最表面までの距離が小さいため、導電性粘着テープを加熱加圧することで、導電性粘着テープを導電性メッシュと接触させることができる。導電性粘着テープは、金属箔の一方の面に導電性粒子を分散させた粘着層を設けたものであって、この粘着層には、アクリル系、ゴム系、シリコン系粘着剤や、エポキシ系、フェノール系樹脂に硬化剤を配合したものを用いることができるが、特に架橋型導電粘着剤であるエチレン−酢酸ビニル系共重合体を主成分とするポリマーとその架橋剤とを含む後架橋型接着層であるものが好ましい。
図6は、導電性メッシュの露出部に導電性材料を配置したディスプレイ用フィルターの模式断面図である。導電性メッシュ31の露出部に導電性ペースト等からなる導電性材料9が塗布されて電極7が形成されている。
上記した、導電性メッシュの露出部に導電性ペーストやはんだ等の流動性の導電性材料を配置する工程は、カバーフィルムが存在する状態で行うのが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
以下の要領で、接着層/近赤外線遮蔽層/基材(PETフィルム)/導電性メッシュ/黒色レジスト層/機能層(ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層)からなるディスプレイ用フィルターを作製した。
<基材>
基材として、厚み100μm、幅1000mm、長さ100mのロール状PETフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標))を用いた。
<導電性メッシュの形成>
上記基材の一方の面に、幅980mm、長さ90mに渡って、スパッタリング法によりニッケル層(厚み0.02μm)を連続的に形成し、更にその上に、厚みが2.5μmの銅層を真空蒸着法により連続的に形成した。次いで、この銅層の表面に、下記の感光性の黒色レジスト層を厚み(乾燥膜厚)が1μmとなるように塗工し、積層した。この感光性黒色レジスト層の光学濃度(OD値)は、2.2であった。
次いで、金属薄膜及び感光性黒色レジスト層が積層された基材を連続搬送しながら、405nmの青紫半導体レーザーを用いて格子状パターンに走査露光した。続いてアルカリ現像液を用いて現像処理を施して、メッシュパターンの黒色レジスト層を形成した。次いで、塩化第2鉄溶液によりエッチング処理し、線幅7μm、線ピッチ150μm、厚みが2.5μmの導電性メッシュを得た。
このようにして作製された、導電性メッシュと黒色レジスト層からなるメッシュパターン(レジスト積層導電性メッシュ)の合計の厚みは、3.5μmであった。
<黒色レジスト層>
三菱マテリアル(株)製チタンブラック13M−T(窒化チタン)21.1質量部、大同化成(株)製の酸性処理カーボンブラック9930CF 31.16質量部、Degussa(株)製のカーボンブラックPRINTEX25 31.16質量部、“ソルスパース(登録商標)”12000(アビシヤ(株)製)1.68質量部とアクリルポリマー(下記参照)の3―メチル―3―メトキシブタノール45質量%溶液56.14質量部、ビックケミ・ジャパン(株)製“Disperbyk(登録商標)”167(分散剤) 24.29質量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート751.1質量部を秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて2500rpmで3時間分散し、顔料濃度16.843質量%の顔料分散液を得た。
この顔料分散液57.74質量部にアクリルポリマー(下記参照)の3―メチル―3―メトキシブタノール45質量%溶液0.63質量部、ビスフェノキシエタノールフルオレン系4官能アクリレート化合物(下記参照)の3−メチル−3−メトキシ−ブチルアセテート30質量%溶液7.56質量部、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製DPHA)の3−メチル−3−メトキシ−ブチルアセテート30質量%溶液3.24質量部、光重合開始剤として“イルガキュア(登録商標)”379 0.24質量部、旭電化工業(株)“アデカ(登録商標)オプトマー”N−1919 1.47質量部およびN,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン0.19質量部、接着性改良剤としてビニルトリメトキシシラン0.14質量部、シリコーン系界面活性剤のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10質量%溶液0.28質量部を3―メチル―3−メトキシ−ブチルアセテート28.51質量部に溶解した溶液を添加、混合し、黒色レジスト層用塗工液を調製した。
上記の黒色レジスト層用塗工液における黒色顔料の含有比率は、有機溶剤を除く黒色レジスト層の全成分に対して、28質量%である。
<アクリルポリマー>
特許第3120476号公報の実施例1に記載の方法により、メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体(重量組成比33/34/33)を合成後、グリシジルメタクリレート33重量部を付加させ、精製水で再沈、濾過、乾燥することにより、平均分子量(Mw)9,000、酸価70(mgKOH/g:JIS K−5407による)の特性を有するアクリルポリマー(P1)粉末を得た。
<ビスフェノキシエタノールフルオレン系4官能アクリレート化合物>
先ず、容器に、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル296質量部(エポキシ当量296g/eq)、ジメチルベンジルアミン3.4質量部、p−メトキシフェノール0.34質量部、アクリル酸72.06質量部(1モル)を仕込み、20ml/分の流速で空気を吹き込みながら昇温し、110〜120℃の温度で反応させた。この間、酸価を測定し、2.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が目標に達するまで10時間を要した。これによってビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレートを得た。
次いで、容器に、上記で合成したビスフェノキシエタノールフルオレン型アクリレート184.0質量部(水酸基当量368g/eq、計算値)、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート100質量部、トリエチルアミン26.6質量部(0.263モル)を仕込み溶解させ水浴で冷却した後、イソフタルクロライド25.38質量部(0.125モル:水酸基の半分を酸塩化物と反応させるのに必要な量)を3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート100質量部に溶解した溶液を滴下し加えた。さらに室温で2時間反応させ、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート267.3質量部で希釈後、生じた白色沈殿を加圧濾過し、ビスフェノキシエタノールフルオレン系4官能アクリレート化合物の30質量%の溶液を得た。
<機能層の塗工>
上記にようにして、PETフィルム上に形成された導電性メッシュと黒色レジスト層からなるメッシュパターン(レジスト積層導電性メッシュ)の上に、下記のハードコート層、高屈折率層、及び低屈折率層を順次塗工した。
<ハードコート層>
市販のハードコート剤(JSR製“デソライトZ7528”)をイソプロピルアルコールで固形分濃度30質量%に希釈した塗料を、マイクログラビアコーターで塗工し、80℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させてハードコート層を設けた。ハードコート層の厚み(乾燥、硬化後の厚み)は、レジスト積層導電性メッシュの細線部上の厚み(L)が3μmとなるように調整した。
<高屈折率層>
錫含有酸化インジウム粒子(ITO)6質量部、多官能アクリレート2質量部、メタノール18質量部とポリプロピレングリコールモノエチルエーテル54質量部、イソプロピルアルコール20質量部の混合物を攪拌して塗膜屈折率1.67の高屈折率塗料を調製した。この塗料をハードコート層上にマイクログラビアコーターを用いて塗工し、80℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して、塗工層を硬化させ、厚さ約0.1μmの高屈折率層を形成した。
<低屈折率層>
一次粒子径50nmの外殻を有する中空シリカ粒子(空隙率40%)144質量部、イソプロピルアルコール560質量部からなるシリカスラリーを準備し、メチルトリメトキシシラン219質量部、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン158質量部、上述シリカスラリー704質量部、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル713質量部を攪拌混合し、燐酸1質量部と水130質量部を配合して、30℃±10℃で攪拌しながら60分加水分解し、さらに温度を80℃±5℃に上げて60分攪拌しながら重合し、シリカ粒子含有ポリマーを得た。
次に、このシリカ粒子含有ポリマー1200質量部、イソプロピルアルコール5244質量部を攪拌混合した後、硬化触媒としてアセトキシアルミニウムを15質量部添加して再度攪拌混合し、屈折率1.35の塗料を調整した。
この塗料を高屈折率層上に小径グラビアコーターで塗工し、130℃で乾燥、硬化して、厚さ約0.1μmの低屈折率層を形成した。
<近赤外線遮蔽層の積層>
前記PETフィルムの機能層が塗工形成された面とは反対面に、オレンジ光遮蔽機能を併せ持つ近赤外線遮蔽層(近赤外線吸収色素としてのフタロシアニン系色素とジイモニウム系色素、およびオレンジ光吸収色素としてのテトラアザポルフィリン系色素をアクリル系樹脂に混合した塗料を、乾燥膜厚みが12μmになるように塗工した層)を設けた。
<接着層の積層>
セパレートフィルム上に紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂(日立化成ポリマー(株)製のハイボン(登録商標))をスリットダイコーターで、厚みが300μmになるように塗布した後、UV照射装置を用いて塗布膜を硬化し、続いてセパレートフィルムを貼り付けて、セパレートフィルムにサンドウィッチされた接着層を得た。次に、上記で作製した積層体の近赤外線遮蔽層の上に、一方のセパレートフィルムを剥離しながら接着層を積層した。
(実施例2)
機能層を下記の防眩性ハードコート層の単一層に代える以外は、実施例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。
<防眩性ハードコート層>
市販のハードコート剤(JSR製 オプスター(登録商標)Z7534)をメチルエチルケトンで固形分濃度が50質量%になるように希釈し、更に平均粒子径が1.5μmのアクリル系微粒子(綜研化学製 ケミスノー(登録商標)MXシリーズ)を上記ハードコート剤の固形分に対して1質量%添加して、防眩性ハードコート層用の塗料を調製した。
(比較例1)
実施例1の導電性メッシュ形成方法に代えて、下記の導電性メッシュ形成方法を用いる以外は、実施例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。このディスプレイ用フィルターは、導電性メッシュは黒化処理されており、導電性メッシュ上には黒色レジスト層は有しないものである。
<導電性メッシュの形成>
実施例1と同様にして、基材上にニッケル層(厚み0.02μm)と銅層(4μm)形成した。次いで、この銅層の表面に、実施例1の黒色レジスト層から黒色顔料を除いたレジスト層(乾燥膜厚1μm)を積層し、実施例1と同様にして、露光、現像、エッチングし、最後に、アルカリ剥離液で処理してレジスト層を剥離して、線幅7μm、線ピッチ150μm、厚みが4μmの導電性メッシュを得た。次いで、酸化処理剤(メルテックス(株)製 エンプレート MB―438A/B/純水=8/13/79の割合で調整)を用いて、導電性メッシュを黒化処理した。
(比較例2)
実施例1の導電性メッシュ形成方法に代えて、下記の導電層(導電性メッシュの周辺4辺に金属ベタ部を有する)の形成方法を用いる以外は、実施例1と同様にしてディスプレイ用フィルターを作製した。このディスプレイ用フィルターは、導電性メッシュは黒化処理されており、導電性メッシュ上には黒色レジスト層は有しないものである。
<導電性メッシュと金属ベタ部からなる導電層の形成>
実施例1と同じ基材上に、厚み10μm銅箔をドライラミネート用2液タイプ接着剤(東洋モートン(株)製 主剤AD−76P1/硬化剤CAT−10L)を用いてラミネートし、銅箔ラミネートフィルムを得た。次いで、この銅層の表面に、市販のアルカリ現像型ネガレジストフィルム(厚みが10μmで黒顔料は含まない)を積層し、フォトマスク(長方形のメッシュパターン領域の周辺4辺にそれぞれ幅15mmの開口部を有する)を介して紫外線露光した。このフォトマスク単位の露光を5mmの間隔で基材の長手方向に繰り返し実施した。
続いて、アルカリ現像液を用いて現像処理を行った後、塩化第2鉄溶液によりエッチング処理を行った。最後に、アルカリ剥離液で処理してレジスト層を剥離して、線幅10μm、線ピッチ250μm、厚みが10μmの導電性メッシュと銅ベタ部を有する導電層を得た。
このようにして作製された導電層は、長方形の導電性メッシュ領域の周辺4辺にそれぞれ幅15mmの銅ベタ部を有する。次いで、酸化処理剤(メルテックス(株)製 エンプレート MB―438A/B/純水=8/13/79の割合で調整)を用いて、導電性メッシュ部と銅ベタ部を黒化処理した。
<各ディスプレイ用フィルターの評価>
1)導電性メッシュの金属光沢、及びプラズマディスプレイに各ディスプレイ用フィルターを装着したときの明所コントラストの目視評価
本発明の黒色レジスト層が積層された実施例1、2は、従来の黒化処理が施された比較例1、2と同等以上に金属光沢は抑制されており、明所での画像コントラストは低下せず良好であった。
2)機能層の塗工工程における評価
本発明の黒色レジスト層が積層された実施例1、2は、機能層の塗工性は問題なく良好であった。
導電性メッシュに黒化処理を施した比較例1、2は、機能層の塗工工程における搬送ローラ等に黒化処理層の一部が剥離して付着し、搬送ローラ等を汚染させていた。
また、従来の、厚みが10μmの銅箔及びフォトマスク露光方式によって形成された、導電性メッシュと金属ベタ部(銅ベタ部)からなる導電層を用いた比較例2は、厚みが10μmと大きい銅ベタ部の存在、及び5mmのマスク露光間隔の存在により、導電層表面が大きな凹凸を有していること、及び基材と導電層との間に接着剤層が介在していることにより、機能層の塗工性が低下し、機能層の塗工面に塗工ムラが発生した。
3)生産性
本発明の黒色レジスト層が積層された実施例1、2は、導電性メッシュに黒化処理を施した比較例1、2に比べて、黒化処理工程、レジスト層の剥離工程が不要となり、導電性メッシュの生産時間が大幅に短縮された。
また、導電性メッシュに黒化処理を施した比較例1は、導電性が黒化処理によって低下した分を補うために金属薄膜の厚みを大きくする必要があり、原料コスト及び金属薄膜の形成時間が増大し、生産性を低下させた。
また、フォトマスク露光方式を用いた比較例2は、フォトマスク露光単位で作製された導電層に重大欠陥が1個でも発生すると、フォトマスク露光1単位(最終のディスプレイ用フィルター1枚に相当)が丸々欠陥品となる。これに対して、本発明の実施例1、2は、レーザー露光で連続メッシュを作製しているので、欠陥部分を外して最終ディスプレイ用フィルター単位を切り出すことができるので、大幅に生産歩留まりが向上した。
(実施例3)
<電極の形成>
上記のようにして作成した実施例1のディスプレイ用フィルター(長尺基材からなるディスプレイ用フィルター;長尺フィルター)から、最終製品となる42インチサイズ用ディスプレイ用フィルターを切り出した。長尺フィルターの幅方向に42インチサイズ用ディスプレイ用フィルターの長辺側(964mm)、長尺フィルターの長手方向に短辺側(554mm)が配置するようにシート状に切断した。
次いで、このシート状ディスプレイ用フィルターをレーザーカッター(コマックス製のCOレーザーカッター)に固定して、シート状ディスプレイ用フィルターの4辺にそれぞれ端部から10mm内側に、機能層側表面から直線状にレーザーを照射して、機能層及び黒色レジスト層を除去して導電性メッシュを露出させた。
導電性メッシュの露出部の幅は0.8mmで、露出部の長さは、長辺側で930mm、短辺側で520mmであった。
<アース性能の評価>
厚み1mm、幅2cmのアルミ板の一方の面に、スポンジの周辺に導電性繊維で織った布を巻き付けたガスケットを導電性接着材で接合して、簡易的な筐体(外部電極)を作製した。
次に厚み3mmのアクリル板の上に、上記で作製したディスプレイ用フィルターを設置した後、ディスプレイ用フィルターの4辺の端部に上記の簡易的筐体を配置しクランプでアクリル板に固定した。アクリル板と簡易的筐体の距離が一定になるようにクランプの締め付けを調整した。
次に、マルチ計測器(株)製の抵抗測定器「ポケットマルチメーター」を使用し、簡易的筐体のアルミ板に端針を当てて対向する2辺の電極間の導通性を確認した。
その結果、導通があり、アースがとれることを確認した。
(実施例4)
<電極に導電性ペーストの塗布>
実施例3で形成した電極(導電性メッシュの露出部)に、導電性ペースト(藤倉化成(株)製の銀ペースト「ドータイト」(登録商標))をディスペンサーで塗布した。
上記と同様にしてアース性能を評価した。その結果、対向する2辺の電極間に導通があり、アースがとれることを確認した。
(実施例5)
<電極に導電性粘着テープの貼り付け>
実施例3で形成した電極(導電性メッシュの露出部)に、導電性粘着テープを貼り付け、ヒートシーラーで加熱加圧した。
このようにして作製したディスプレイ用フィルターを上記と同様にしてアース性能を評価した。その結果、対向する2辺の電極間に導通があり、アースがとれることを確認した。
本発明のディスプレイ用フィルターの一例の模式断面図。 電極が形成された本発明のディスプレイ用フィルターの一例の平面図。 図3のA−Aの模式断面図。 電極が形成された本発明のディスプレイ用フィルターの一例の平面図。 カバーフィルムを有する本発明のディスプレイ用フィルターの一例の模式断面図。 電極が形成された本発明のディスプレイ用フィルターの一例の平面図。
符号の説明
1 本発明のディスプレイ用フィルター
2 機能層
3 レジスト積層導電性メッシュ
4 基材
5 近赤外線遮蔽層
6 接着層
7 電極
8 カバーフィルム
9 導電性材料
31 導電性メッシュ
32 黒色レジスト層
P 導電性メッシュの線ピッチ
W 導電性メッシュの線幅

Claims (9)

  1. 長尺基材の長手方向に、導電性メッシュと該導電性メッシュ上に見当一致した黒色レジスト層とが連続的に形成されたディスプレイ用フィルターの製造方法であって、
    長尺基材上に金属薄膜を形成する工程、該金属薄膜上に感光性黒色レジスト層を積層する工程、該感光性黒色レジスト層をレーザーでメッシュパターン状に露光する工程、該感光性黒色レジスト層を現像する工程、該金属薄膜をエッチングする工程を有する、ディスプレイ用フィルターの製造方法。
  2. 前記導電性メッシュの厚みが0.3〜5μmである、請求項1に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
  3. 前記基材上に金属薄膜を形成する工程が、基材上に気相製膜法を用いて金属薄膜を形成する工程である、請求項1または2に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
  4. 前記感光性黒色レジスト層の光学濃度が0.5〜8である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
  5. 前記感光性黒色レジスト層の厚みが0.5〜3μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
  6. 更に、黒色レジスト層を被覆するように、機能性表面層を塗工形成する工程を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
  7. 前記機能性表面層が、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能及び防汚機能の中から選ばれる少なくとも1つの機能を有する機能層である、請求項6に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
  8. 前記黒色レジスト層を被覆する機能性表面層のうちの、黒色レジスト層の細線部上に形成された機能性表面層の厚み(L)が0.5〜5μmである、請求項6または7に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
  9. 更に、前記機能性表面層側からレーザーを照射し、機能層と黒色レジスト層を除去して、導電性メッシュの露出部を形成する工程を有する、請求項6〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用フィルターの製造方法。
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