JP2009204791A - 光導波路および光学材料用組成物 - Google Patents

光導波路および光学材料用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性に優れ、光損失が少ない光導波路、および光学材料用組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】コア層とクラッド層とを有する光導波路であって、該コア層または該クラッド層がカゴ型構造を有する化合物を含む組成物を用いて形成される光導波路。
【選択図】なし

Description

本発明は、光損失が少なく、優れた耐熱性を有し、種々の光集積回路または光配線板に利用できる光導波路、および光学材料用組成物に関するものである。
近年、半導体集積回路の微細化と共に、金属配線の抵抗・容量(RC)遅延による伝送速度の限界、および充放電による消費電力の増大が課題になっている。本課題を解決する為に半導体集積回路内に光導波路を形成し、光による配線構造が広く検討されている(例えば非特許文献1)。具体的には、電気回路基板上の銅による電気配線の一部を光導波路による光配線に置き換え、電気信号の代わりに光信号を利用することなどが挙げられる。なお、光配線は、コア層とクラッド層の屈折率差を利用し光を伝搬させるものである。
従来、光導波路の材質としては石英が広く用いられていた。しかし、石英系光導波路の製造には、石英膜の形成に長時間がかかり、かつ1000℃程度と高温の加熱処理が必要であった。そのため、マイグレーションなどの問題から400℃程度までの耐熱性しか有しない金属配線を用いた集積回路に組み合わせることが困難であった。そこで、簡便な作製法が選択できる高分子系光導波路の検討が多数行われている。
例えば、ポリスチレンなどの透明性の優れた高分子材料をコア層とした光導波路が作製されている(特許文献1)が、耐熱性が不足し使用環境が限定される。特に、半導体集積回路への応用などを考慮すると350℃以上の耐熱性が必要とされていた。一方、優れた耐熱性を有するポリイミドを用いて光導波路を作製する試みもなされている(特許文献2、特許文献3)。しかし、その特異な分子構造に起因した吸収により光損失が大きくなる場合があった。
横山新、「LSIにおける光配線」、応用物理、応用物理学会、第76巻、第11号、p.1238−1245 特開平02−181103号公報 特開2002−173532号公報 特開2005−165063号公報
本発明は、上記問題点に鑑みて鋭意工夫されたもので、耐熱性に優れ、光損失が少ない光導波路、および光導波路などに好適に用いることができる光学材料用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、上記課題が下記の<1>〜<7>の構成により解決されることを見出した。
<1> コア層とクラッド層とを有する光導波路であって、該コア層または該クラッド層がカゴ型構造を有する化合物を含む組成物を用いて形成される光導波路。
<2> 前記カゴ型構造を有する化合物が、一般式(1)〜一般式(6)のいずれかで表される化合物の重合体である<1>に記載の光導波路。
Figure 2009204791

(一般式(1)〜一般式(6)中、X〜Xは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基を表す。Y〜Yは、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、またはシリル基を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜16の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜15の整数を表す。m、m、mおよびmは、それぞれ独立に1〜15の整数を表す。n、n、nおよびnは、それぞれ独立に0〜14の整数を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜20の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜19の整数を表す。)
<3> 前記組成物が、さらに一般式(7)で表される化合物を含む<1>または<2>に記載の光導波路。
Figure 2009204791

(一般式(7)中、Arはn価の芳香族炭化水素基を表す。nは2〜4の整数を表す。mは1または2の整数を表す。)
<4> 前記コア層または前記クラッド層の一方が、ポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物を用いて形成される<1>〜<3>のいずれかに記載の光導波路。
<5> <1>〜<4>のいずれかに記載の光導波路を有する光学デバイス。
<6> <1>〜<4>のいずれかに記載の光導波路を有する半導体集積回路。
<7> カゴ型構造を有する化合物と一般式(7)で表される化合物とを含む光学材料用組成物。
Figure 2009204791

(一般式(7)中、Arはn価の芳香族炭化水素基を表す。nは2〜4の整数を表す。mは1または2の整数を表す。)
<8> 前記カゴ型構造を有する化合物が、一般式(1)〜一般式(6)のいずれかで表される化合物の重合体である<7>に記載の光学材料用組成物。
Figure 2009204791

(一般式(1)〜一般式(6)中、X〜Xは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基を表す。Y〜Yは、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、またはシリル基を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜16の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜15の整数を表す。m、m、mおよびmは、それぞれ独立に1〜15の整数を表す。n、n、nおよびnは、それぞれ独立に0〜14の整数を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜20の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜19の整数を表す。)
<9> 光導波路に用いる、<7>または<8>に記載の光学材料用組成物。
本発明によれば、耐熱性に優れ、光損失の少ない光導波路が得られ、半導体集積回路上での光導波路などに好適に利用できると共に、光学材料に好適に使用できる光学材料用組成物が得られる。
以下に、本発明に係る光導波路および光学材料用組成物について詳細に説明する。
本発明の光導波路は、コア層とクラッド層とを有する光導波路であって、該コア層または該クラッド層がカゴ構造を有する化合物を含む組成物を用いて形成される。
<カゴ構造を有する化合物>
本発明に用いられる「カゴ型構造」とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような構造を指す。例えば、アダマンタン構造はカゴ型構造と考えられる。対照的にノルボルナン(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)などの単一架橋を有する環状構造は、単一架橋した環状化合物の環が容積を定めないことから、カゴ型構造とは考えられない。
本発明のカゴ型構造は飽和、不飽和結合のいずれを含んでいてもよく、酸素、窒素、硫黄などのヘテロ原子を含んでもよいが、透明性の観点から飽和炭化水素が好ましい。
本発明においてカゴ型構造は、好ましくはアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、ドデカヘドランであり、より好ましくはアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタンであり、耐熱性と光学特性の観点からビアダマンタン、ジアマンタンが好ましい。これらの構造は、ダイヤモンド構造と類似しており、非常に透明性が高く樹脂構造中に導入することで光損失を下げる効果がある。
本発明におけるカゴ型構造は1つ以上の置換基を有していてもよく、置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状のアルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、炭素数2〜10のアルケニル基(ビニル、プロペニルなど)、炭素数2〜10のアルキニル基(エチニル、フェニルエチニルなど)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなど)、炭素数2〜10のアシル基(ベンゾイルなど)、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニルなど)、炭素数1〜10のカルバモイル基(N,N−ジエチルカルバモイルなど)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(フェノキシなど)、炭素数6〜20のアリールスルホニル基(フェニルスルホニルなど)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリルなど)などが挙げられる。
本発明におけるカゴ型構造は2〜4価であることが好ましい。このとき、カゴ型構造に結合する基は1価以上の置換基でも2価以上の連結基でもよい。カゴ型構造は好ましくは、2または3価であり、特に好ましくは2価である。ここで「価」とは、結合手の数の意である。
本発明に用いるカゴ型構造を有する化合物とは、低分子化合物であっても高分子化合物(例えば、ポリマー)であってもよいが、好ましくは高分子化合物で、より好ましくはカゴ型構造を有するモノマーの重合体である。カゴ型構造を有するモノマーは、重合可能な炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有することが好ましい。重合体は、ホモポリマーでもコポリマーでもよく、例えば、カゴ型構造を有するモノマーの単独重合体、カゴ型構造を有するモノマーと他の重合性化合物との共重合体、2種以上のカゴ型構造を有するモノマーの共重合体などが挙げられる。カゴ型構造を有する化合物が高分子化合物である場合、その質量平均分子量(Mw)は好ましくは1000〜500000、より好ましくは5000〜200000、特に好ましくは10000〜100000である。カゴ型構造を有する化合物が低分子化合物である場合、その分子量は好ましくは150〜3000、より好ましくは200〜2000、特に好ましくは220〜1000である。なお、カゴ型構造を有する化合物は、1種で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明のカゴ型構造を有する化合物としては、例えば特開平11−322929号、特開2003−12802号、特開2004−18593号記載のポリベンゾオキサゾール、特開2001−2899号に記載のキノリン樹脂、特表2003−530464号、特表2004−535497号、特表2004−504424号、特表2004−504455号、特表2005−501131号、特表2005−516382号、特表2005−514479号、特表2005−522528号、特開2000−100808号、米国特許6509415号に記載のポリアリール樹脂、特開平11−214382号、特開2001−332542号、特開2003−252982号、特開2003−292878号、特開2004−2787号、特開2004−67877号、特開2004−59444号に記載のポリアダマンタン、特開2003−252992号、特開2004−26850号に記載のポリイミド等が挙げられる。
本発明のカゴ型構造を有する化合物は、重合可能な炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有するモノマーの重合体であることが好ましい。さらには、一般式(1)〜一般式(6)のいずれかで表される化合物の重合体であることがより好ましい。
Figure 2009204791

(一般式(1)〜一般式(6)中、X〜Xは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基を表す。Y〜Yは、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、またはシリル基を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜16の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜15の整数を表す。m、m、mおよびmは、それぞれ独立に1〜15の整数を表す。n、n、nおよびnは、それぞれ独立に0〜14の整数を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜20の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜19の整数を表す。)
一般式(1)〜一般式(6)中、X〜Xはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシルなど)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10、例えば、ビニル、アリル、2−ブテン−1−イルなど)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜10、例えば、エチニル、プロパルギル、1−ブチン−4−イルなど)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、例えば、フェニル、p−トリル、1−ナフチルなど)、シリル基(好ましくは炭素数0〜20、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、ジエトキシメチルシリル、ジメトキシメチルシリルなど)、アシル基(好ましくは炭素数2〜10、例えば、アセチル、イソブチリル、ベンゾイルなど)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜10、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイルなど)を表す。このうち、好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数0〜20のシリル基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数6〜20のアリール基であり、特に好ましくは水素原子である。
一般式(1)〜一般式(6)中、Y〜Yはそれぞれ独立に、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20)またはシリル基(好ましくは炭素数0〜20)を表し、より好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、特に好ましくはアルキル基(メチル基など)である。
一般式(1)〜一般式(6)中、X〜X、Y〜Yはさらに別の置換基で置換されていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子)、直鎖、分岐、環状のアルキル基(炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基で、メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ビアダマンチル、ジアマンチルなど)、アルキニル基(炭素数2〜10のアルキニル基で、エチニル、フェニルエチニルなど)、アリール基(炭素数6〜10のアリール基で、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなど)、アシル基(炭素数1〜10のアシル基で、アセチル、ベンゾイルなど)、アリールオキシ基(炭素数6〜10のアリールオキシ基で、フェノキシなど)、アリールスルホニル基(炭素数6〜10のアリールスルホニル基で、フェニルスルホニルなど)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(炭素数1〜10のシリル基で、トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリルなど)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基で、メトキシカルボニルなど)、カルバモイル基(炭素数1〜10のカルバモイル基で、カルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイルなど)などが挙げられる。
およびmは、それぞれ独立に1〜16の整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。n1およびnはそれぞれ独立に0〜15の整数を表し、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。m、m、mおよびmは、それぞれ独立に1〜15の整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。n、n、nおよびnは、それぞれ独立に0〜14の整数を表し、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。mおよびmは、それぞれ独立に1〜20の整数を表し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは2である。nおよびnは、それぞれ独立に0〜19の整数を表し、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
本発明のカゴ型構造を有するモノマーは、好ましくは一般式(2)、一般式(3)、一般式(5)、一般式(6)で表される化合物であり、より好ましくは一般式(2)、一般式(3)で表される化合物であり、特に好ましくは一般式(3)で表される化合物である。
以下に本発明で使用できるカゴ構造を有するモノマーの具体例を記載するが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2009204791

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本発明に用いられるカゴ型構造を有するモノマーのうち、例えば、炭素−炭素三重結合を有するモノマーは、市販のジアマンタンを原料として、臭化アルミニウム触媒存在下または非存在下で臭素と反応させて臭素原子を所望の位置に導入、続けて臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化鉄などのルイス酸の存在下で臭化ビニルとフリーデルクラフツ反応させて2,2−ジブロモエチル基を導入、続けて強塩基で脱HBr化してエチニル基に変換することで合成することができる。具体的にはMacromolecules, 1991年 24巻 5266〜5268頁、 1995年 28巻 5554〜5560頁、Journal of Organic Chemistry, 39, 2995−3003 (1974)などに記載された方法に準じて合成することができる。また、炭素−炭素二重結合を有するモノマーは、エチニル基を有するモノマーを水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)などで還元することによって容易に得ることができる。また、末端アセチレン基の水素原子をブチルリチウムなどでアニオン化して、これにハロゲン化アルキルやハロゲン化シリルを反応させることによって、アルキル基やシリル基を導入することが出来る。
<重合反応>
上述のモノマーの重合反応は、モノマーに置換した重合性基によって起こる。ここで重合性基とは、モノマーを重合せしめる反応性の置換基を指す。該重合反応としてはどのような重合反応でもよいが、例えばラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、開環重合、重縮合、重付加、付加縮合、遷移金属触媒重合などが挙げられる。
本発明のモノマーの重合反応は、非金属の重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。例えば、重合可能な炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有するモノマーを、加熱によって炭素ラジカルや酸素ラジカルなどの遊離ラジカルを発生して活性を示す重合開始剤存在下で重合することが出来る。
重合開始剤としては、有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられるが、特に有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサHなどのケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMHなどのパーオキシケタール類、パーブチルH−69などのハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルDなどのジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBWなどのジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルLなどのパーオキシエステル類、パーロイルTCPなどのパーオキシジカーボネートなどが好ましく用いられる。
有機アゾ系化合物としては、和光純薬工業株式会社で市販されているV−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70などのアゾニトリル化合物類、VA−080、VA−085、VA−086、VF−096、VAm−110、VAm−111などのアゾアミド化合物類、VA−044、VA−061などの環状アゾアミジン化合物類、V−50、VA−057などのアゾアミジン化合物類などが好ましく用いられる。
本発明の重合開始剤は、1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。本発明の重合開始剤の使用量は、モノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
本発明のモノマーの重合反応は、遷移金属触媒存在下で行うこともできる。例えば、重合可能な炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有するモノマーを、例えばPd(PPh)、Pd(OAc)などのPd系触媒、Ziegler−Natta触媒、ニッケルアセチルアセトネートなどのNi系触媒、WClなどのW系触媒、MoClなどのMo系触媒、TaClなどのTa系触媒、NbClなどのNb系触媒、Rh系触媒、Pt系触媒などを用いて重合することが好ましい。
本発明の遷移金属触媒は、1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。本発明の遷移金属触媒の使用量は、モノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
本発明におけるカゴ型構造は、ポリマー中にペンダント基として置換していてよく、ポリマー主鎖の一部となっていてもよいが、ポリマー主鎖の一部となっている形態がより好ましい。ここで、ポリマー主鎖の一部になっている形態とは、本ポリマーからカゴ構造を除去するとポリマー鎖が切断されることを意味する。この形態においては、カゴ型構造は直接単結合するかまたは適当な2価の連結基によって連結される。連結基の例としては例えば、−C(R11)(R12)−、−C(R13)=C(R14)−、−C≡C−、アリーレン基、−CO−、−O−、−SO−、−N(R15)−、−Si(R16)(R17)−またはこれらを組み合わせた基が挙げられる。ここで、R11〜R17はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール基を表す。これらの連結基は置換基で置換されていてもよく、例えば前述の置換基が好ましい例として挙げられる。この中でより好ましい連結基は、−C(R11)(R12)−、−CH=CH−、−C≡C−、アリーレン基、−O−、−Si(R16)(R17)−またはこれらを組み合わせた基であり、特に好ましいものは、耐熱性および光学特性の見地から−C(R11)(R12)−、−CH=CH−である。
重合反応で使用する溶媒は、原料モノマーが必要な濃度で溶解可能であり、かつ得られる重合体から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用してもよい。例えば、水やメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶剤、アルコールアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエートなどのエステル系溶剤、ジブチルエーテル、アニソールなどのエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンなどのハロゲン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤などが利用できる。これらの中でより好ましい溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アニソール、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、より好ましくはテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、アニソール、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、特に好ましくはγ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンである。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。反応液中のモノマーの濃度は、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。
本発明における重合反応の最適な条件は、重合開始剤、モノマー、溶媒の種類、濃度等によって異なるが、好ましくは内温0℃〜200℃、より好ましくは50℃〜170℃、特に好ましくは100℃〜150℃で、好ましくは1〜50時間、より好ましくは2〜20時間、特に好ましくは3〜10時間の範囲である。
また、酸素による重合開始剤の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴンなど)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
重合して得られるポリマーの質量平均分子量の好ましい範囲は、1000〜500000、より好ましくは5000〜300000、特に好ましくは10000〜200000である。
本発明のカゴ構造を有する化合物は、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
本発明のカゴ構造を有する化合物は、有機溶剤へ十分な溶解性を有することが好ましい。好ましい溶解度は、25℃でシクロヘキサノンまたはアニソールに3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上である。
<一般式(7)で表される化合物>
本発明に係る光導波路では、耐熱性および光学特性の観点から、一般式(7)で表される化合物を併用するのが好ましい。該化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。該化合物は、使用する組成物の屈折率など光学特性の調整に好適に用いることができる。つまり、上述のカゴ型構造を有する化合物と共に使用し、その組成比を制御することにより、任意の屈折率を有する組成物を得ることができる。一般に、異種の化合物を併用すると相分離などが起こり、光学特性などが悪化することが知られている。しかし、該化合物とカゴ型構造を有する化合物、特に一般式(1)〜一般式(6)のいずれかで表される化合物の重合体と併用すると、透明性や屈折率など良好な光学特性を示すと共に、耐熱性もより向上する。
Figure 2009204791

(一般式(7)中、Arはn価の芳香族炭化水素基を表す。nは2〜4の整数を表す。mは1または2の整数を表す。)
一般式(7)中、Arはn価の芳香族炭化水素基を表し、芳香族性を有するものであれば特に制限されるものではないが、炭素数6〜30が好ましく、さらに炭素数6〜25が好ましく、特に炭素数6〜12が好ましい。具体例としては、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基、フェナントレン環基、テトラセン環基、ピレン環基などが挙げられるが、中でもベンゼン環基が好ましい。
一般式(7)中、nは2〜4の整数を表し、好ましくは2または3であり、特に好ましくは3である。mは1または2の整数を表し、好ましくは1である。
一般式(7)で表される化合物のなかで、一般式(8)で表される化合物が好ましい。なお、一般式(8)中のnおよびmは、一般式(7)のものと同義である。
Figure 2009204791
以下に、本発明に用いることができる一般式(7)で表される化合物の具体例を記載するが、本発明はこれらに限定はされない。
Figure 2009204791
本発明のカゴ型構造を有する化合物を含む組成物中における一般式(7)で表される化合物の含有量は、使用目的により適宜最適な比が選択されるが、カゴ型構造を有する化合物100質量部に対して、10〜100質量部が好ましい。上記範囲内であれば、耐熱性と光学特性のバランスがより優れた光学材料、特に光導波路が得られる。
本発明のカゴ型構造を有する化合物を含む組成物には、上記の成分の他に、必要に応じて、密着助剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤などを添加することもできる。
カゴ型構造を有する化合物を含む組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、カゴ型構造を有する化合物、一般式(7)で表される化合物ならびに必要に応じて上記各任意成分を入れ、混合ミキサーなどのかくはん機を用いて十分にかくはんする方法を用いることができる。
<ポリベンゾオキサゾール前駆体>
本発明の光導波路においてコア層またはクラッド層の一方を、ポリベンゾオキサゾール前駆体、特に一般式(9)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物を用いて形成してもよい。例えば、コア層が上述のカゴ型構造を有する化合物を含む組成物で形成され、クラッド層がポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物で形成された光導波路を得ることができる。ポリベンゾオキサゾール樹脂は耐熱性に優れることから、上述のようにコア層またはクラッド層がポリベンゾオキサゾール樹脂で形成された光導波路は耐熱用途、電子部品用途に好適に使用できる。
Figure 2009204791

(一般式(9)中、Xは2価の未ハロゲン化有機基を表す。Yは、一般式(10)〜一般式(14)で表される基からなる群より選ばれる基を表す。lは1〜1000の整数を表す。)
Figure 2009204791

(一般式(10)〜一般式(12)中、R21〜R38はそれぞれ独立に、水素原子または1価の未ハロゲン化有機基を表す。一般式(12)中、Zは単結合、−O−、−SO−、または2価の未ハロゲン化有機基を表す。)
Figure 2009204791

(一般式(13)中、nは4〜12の整数を表す。)
Figure 2009204791
一般式(8)中、Xは2価の未ハロゲン化有機基を表し、好ましくは一般式(15)〜一般式(17)で表される基からなる群より選択される基である。
Figure 2009204791

(一般式(15)〜一般式(17)中、R41〜R58は、それぞれ独立に水素原子または未ハロゲン化有機基を表す。一般式(17)中、Zは単結合、−O−、−SO−、または2価の有機基を表す。)
一般式(10)〜一般式(12)中、R21〜R38はそれぞれ独立に、水素原子または1価の未ハロゲン化有機基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アリール基(好ましくはフェニル基、ナフチル基)であり、より好ましくは水素原子である。
一般式(12)中、Zは単結合、−O−、−SO−、または2価の未ハロゲン化有機基を表し、好ましくは単結合、−O−、−SO−、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10)であり、より好ましくは−O−、−SO−である。
一般式(13)中、nは4〜12の整数を表し、好ましくは1〜5である。
一般式(15)〜一般式(17)中、R41〜R58は、それぞれ独立に水素原子または未ハロゲン化有機基を表し、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基(好ましくはフェニル基、ナフチル基など)であり、より好ましくは水素原子である。
一般式(17)中、Zは単結合、−O−、−SO−、または2価の有機基を表し、好ましくは単結合、−O−、−SO−、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10)であり、より好ましくは−O−、−SO−である。
本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前駆体は、ビスアミノフェノール化合物もしくはジアミノジヒドロキシ化合物、またはそれらのエステル化物やエーテル化物などの誘導体と、ジカルボン酸との反応により得られる。反応の方法としては、酸クロリド法、活性化エステル法またはポリリン酸もしくはジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱水縮合剤の存在下での縮合反応などが挙げられる。
本発明に用いるポリベンゾキサゾール前駆体の合成に用いるビスアミノフェノール化合物およびジアミノヒドロキシ化合物としては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ビフェニル、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、2,7−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジアミノ−3,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシナフタレン、3,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシナフタレン、1,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス−((4−アミノ−3−ヒドロキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス−((3−アミノ−4−ヒドロキシ)フェニル)フルオレンなどや、これらの化合物のベンゼン環上の任意の水素原子をフッ素原子、塩素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、ビニル基、アリル基、エチニル基、フェニルエチニル基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基のいずれかに置換したものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジアミノジヒドロキシ化合物およびビスアミノフェノール化合物は、単独、または複数を組み合わせて使用することができる。
また、本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前駆体の合成に用いるジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、テトラフルオロコハク酸、ヘキサフルオログルタル酸、オクタフルオロアジピン酸、パーフルオロピメリン酸、パーフルオロスベリン酸、パーフルオロアゼライン酸、パーフルオロセバシン酸、1,9−パーフルオロノナンジカルボン酸、パーフルオロドデカン二酸、パーフルオロトリデカン二酸、1,12−パーフルオロドデカンジカルボン酸、テトラクロロコハク酸、ヘキサクロログルタル酸、オクタクロロアジピン酸、パークロロピメリン酸、パークロロスベリン酸、パークロロアゼライン酸、パークロロセバシン酸、1,9−パークロロノナンジカルボン酸、パークロロドデカン二酸、パークロロトリデカン二酸、1,12−パークロロドデカンジカルボン酸、1,4−パーフルオロシクロヘキサンジカルボン酸、1,3−パーフルオロシクロヘキサンジカルボン酸、1,2−パーフルオロシクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−パークロロシクロヘキサンジカルボン酸、1,3−パークロロシクロヘキサンジカルボン酸、1,2−パークロロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、3,3’−ジカルボキシビフェニル、
3,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−オキシビス安息香酸、3,3’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸、2,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸、2,3’−オキシビス安息香酸、ビス(4−カルボキシフェニル)−スルフィド、ビス(3−カルボキシフェニル)−スルフィド、ビス(4−カルボキシフェニル)−スルホン、ビス(3−カルボキシフェニル)−スルホン、ビス(4−カルボキシフェニル)−ケトン、ビス(3−カルボキシフェニル)−ケトン、ビス(4−カルボキシフェニル)−メタン、ビス(3−カルボキシフェニル)−メタン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、1,4−ジカルボキシナフタレン、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、1,8−ジカルボキシナフタレン、2,5−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン、2,7−ジカルボキシナフタレン、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−カルボキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−カルボキシプロピル)テトラフェニルジシロキサン、α,ω−ビス(3−カルボキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−カルボキシプロピル)ポリジフェニルシロキサンなどや、これらの化合物のベンゼン環上の任意の水素原子をフッ素原子、塩素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、ビニル基、アリル基、エチニル基、フェニルエチニル基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基のいずれかに置換したものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は、単独、または複数を組み合わせて使用することができる。
本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前駆体の製造方法としては、一例として、酸クロリド法による合成の例を挙げる。まず、上記ジカルボン酸を、N,N−ジメチルホルムアミドなどの触媒存在下、室温から75℃で、過剰量の塩化チオニルと反応させる。その後、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により、留去する。その後、残査をヘキサンなどの溶媒で再結晶することにより、酸クロリドであるジカルボン酸クロリドを得ることができる。次いで、上記ビスアミノフェノール化合物もしくはジアミノジヒドロキシ化合物を、N−メチル−2−ピロリドンなどの極性溶媒に溶解し、ピリジンなどの酸受容剤存在下で、上記で得たジカルボン酸クロリドと、−30℃から室温で反応することにより、ポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることができる。この前駆体は、加熱などにより閉環し、ポリベンゾオキサゾール樹脂となる。
一般式(9)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物は、光損失の観点から、一般式(18)で示されるビスベンゾオキサゾール前駆体を含むことが好ましい。ビスベンゾオキサゾール前駆体を含むことにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂の特徴である耐熱性、電気特性などの特性を維持しながら、ビスベンゾオキサゾールの炭素−炭素不飽和結合に起因した架橋により機械的強度が向上する。
Figure 2009204791

(一般式(18)中、Zは有機基を表す。Eは炭素−炭素不飽和結合を有する有機基を表す。)
一般式(18)中、Zは有機基を表し、好ましくは芳香族炭化水素基(炭素数6〜30が好ましく、炭素数6〜12がより好ましい。例えば、ベンゼン環基、ナフタレン環基、アントラセン環基などが挙げられる。)である。
一般式(18)中、Eは炭素−炭素不飽和結合を有する有機基を表し、好ましくは炭素−炭素二重結合を有する有機基であり、さらに好ましくはアルケニル基(炭素数2〜10が好ましく、炭素数2〜6がより好ましい。例えば、ビニル基、アリル基などが挙げられる。)である。
一般式(9)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物中における一般式(18)で示されるビスベンゾオキサゾール前駆体の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、ポリベンゾオキサゾール前駆体100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、光損失および強靭性のバランスから10〜50質量部がさらに好ましい。含有量が少なすぎると、組成物から得られる強靭性、耐溶剤性が不十分になる。含有量が多すぎると、光導波路における光損失に悪影響を及ぼすばかりか、膜が硬くなりすぎて逆効果になってしまうため好ましくない。
本発明に用いる一般式(18)で表されるビスベンゾオキサゾール前駆体は、前記のビスアミノフェノール化合物もしくはジアミノジヒドロキシ化合物、またはそれらのエステル化物やエーテル化物などの誘導体と、反応性の炭素−炭素不飽和結合を有するモノカルボン酸とから、前記のポリベンゾオキサゾール前駆体と同様の方法によって得ることができる。この化合物は閉環するとビスベンゾオキサゾール樹脂になるが、特に熱閉環をした場合には、その温度条件により、樹脂構造の末端に有する反応性の不飽和結合が反応し、ポリマーネットワーク構造を形成する。このネットワーク構造が強靭性および耐溶剤性に寄与すると考えられる。
また、本発明に用いる一般式(18)で表されるビスベンゾオキサゾール前駆体の合成に用いる反応性の炭素−炭素不飽和結合を有するモノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−メチル−アクリル酸、けい皮酸、フェニルプロピオリックアシッド、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、2−エチニル安息香酸、3−エチニル安息香酸、4−エチニル安息香酸、2−フェニルエチニル安息香酸、3−フェニルエチニル安息香酸、4−フェニルエチニル安息香酸、2−ペンテノイックアシッド、4−ペンテノイックアシッド、2−ヘキセノイックアシッド、3−ヘキセノイックアシッド、5−ヘキセノイックアシッド、1,2,3,6−テトラヒドロ安息香酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−5−ビニル−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−6−ビニル−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−7−ビニル−2−カルボン酸などや、これらの化合物のカルボン酸が有する水素原子以外の任意の水素原子をフッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基のいずれかに置換したものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのモノカルボン酸は、単独、または複数を組み合わせて使用することができる。
また、本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物に、感光剤のナフトキノンジアジド化合物を含有することでポジ型の感光性組成物として用いることが可能である。また、側鎖にメタクリロイル基のような光架橋性基を有する基があるモノマーを用いた場合は、光開始剤を用いることでネガ型感光性組成物として用いることが可能である。
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物には、上記の成分の他に、必要に応じて、密着助剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤などを添加することもできる。
ポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ビスベンゾオキサゾール前駆体ならびに必要に応じて上記各任意成分を入れ、混合ミキサーなどのかくはん機を用いて十分にかくはんする方法を用いることができる。
上述の本発明に係る組成物(カゴ型構造を有する化合物を含む組成物、ポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物など)には、不純物としての金属含量が充分に少ないことが好ましい。組成物の金属濃度はICP−MS法にて高感度に測定可能であり、その場合の遷移金属以外の金属含有量は好ましくは30ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは300ppb以下である。また、遷移金属に関しては酸化を促進する触媒能が高く、プリベーク、熱硬化プロセスにおいて酸化反応によって本発明で得られた膜の誘電率を上げてしまうという観点から、含有量がより少ないほうがよく、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
組成物の金属濃度は、本発明の組成物より得られた膜に対して全反射蛍光X線測定を行うことによっても評価できる。X線源としてW線を用いた場合、金属元素としてK、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pdが観測可能であり、それぞれ100×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×1010cm−2以下、特に好ましくは10×1010cm−2以下である。また、ハロゲンであるBrも観測可能であり、残存量は10000×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは1000×1010cm−2以下、特に好ましくは400×1010cm−2以下である。また、ハロゲンとしてClも観測可能であるが、CVD装置、エッチング装置などへダメージを与えるという観点から残存量は100×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×1010cm−2以下、特に好ましくは10×1010cm−2以下である。
上述の本発明の組成物には、得られる特性(光学特性、耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性など)を損なわない範囲で、ラジカル発生剤、コロイド状シリカ、界面活性剤、シランカップリング剤、密着剤などの添加剤を配合してもよい。
ラジカル発生剤とは、熱または光エネルギーの照射によって炭素、酸素、窒素等の原子のラジカルを発生する化合物を指し、硬膜反応を促進する機能を有するものである。
本発明では、目的を損なわない範囲で、いかなるコロイド状シリカを使用してもよい。例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒もしくは水に分散した分散液であり、通常、平均粒径5〜30nm、好ましくは10〜20nm、固形分濃度が5〜40重量%程度のものである
本発明では、目的を損なわない範囲で、いかなる界面活性剤を使用してもよい。例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられ、さらにシリコーン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が挙げられる。本発明で使用する界面活性剤は、一種類でもよいし、二種類以上でもよい。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。
使用する界面活性剤の添加量は、組成物の全量に対して0.01〜1質量%であることが好ましく、0.1〜0.5質量%であることがさらに好ましい。
本発明において、シリコーン系界面活性剤とは、少なくとも1原子のSi原子を含む界面活性剤である。本発明に使用するシリコーン系界面活性剤としては、目的を損なわない範囲で、いかなるシリコーン系界面活性剤でもよく、アルキレンオキシドおよびジメチルシロキサンを含む構造であることが好ましい。下記化学式を含む構造であることがさらに好ましい。
Figure 2009204791
一般式(19)中Rは、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、xは1〜20の整数である。p、qはそれぞれ独立に2〜100の整数である。複数のRは同じでも異なっていてもよい。
本発明に使用するシリコーン系界面活性剤としては、例えばBYK306、BYK307(ビックケミー社製)、SH7PA、SH21PA、SH28PA、SH30PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、TroysolS366(トロイケミカル社製)などを挙げることができる。
本発明に使用するノニオン系界面活性剤としては、いかなるノニオン系界面活性剤でもよい。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリオキシエチレン類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などを挙げることができる。
本発明に使用する含フッ素系界面活性剤としては、目的を損なわない範囲で、いかなる含フッ素系界面活性剤でもよい。例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシドなどが挙げられる。
本発明に使用するアクリル系界面活性剤としては、いかなるアクリル系界面活性剤でもよい。例えば、(メタ)アクリル酸系共重合体などが挙げられる。
本発明では、目的を損なわない範囲で、いかなるシランカップリング剤を使用してもよい。例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。本発明で使用するシランカップリング剤は、一種類でもよいし、二種類以上でもよい。
本発明では、目的を損なわない範囲で、いかなる密着促進剤を使用してもよい。例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル) −3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル) −3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、チオ尿素化合物などを挙げることができる。官能性シランカップリング剤が密着促進剤として好ましい。密着促進剤の好ましい使用量は、全固形分100質量部に対して10質量部以下、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。なお、全固形分とは、組成物から有機溶媒などを除いたコア層またはクラッド層を形成する固形分を指す。
上述の本発明に係る組成物は、有機溶媒に溶解させ、塗布液として用いてもよい。例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール,1−メトキシー2−プロパノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン,シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロールなどのエーテル系溶剤、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
より好ましい塗布溶剤は、テトラヒドロフラン、1−メトキシ−2−プロパノール、プロパノール、アセチルアセトン,シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル,乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンであり、特に好ましくはテトラヒドロフラン、1−メトキシー2−プロパノール,シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル,γ−ブチロラクトン、t−ブチルベンゼン,アニソール、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンである。塗布液として使用の際には、組成物の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは2〜15質量%であり、特に好ましくは3〜10質量%である。なお、固形分とは、組成物より形成されるコア層またはクラッド層を構成する固形分を指す。
なお、塗布液と使用する場合、組成物はフィルターろ過により、不溶物、ゲル状成分などを除いてから膜形成に用いることが好ましい。その際に用いるフィルターの孔径は0.001〜0.2μmが好ましく、孔径0.005〜0.05μmがより好ましく、孔径孔径0.005〜0.03μmが最も好ましい。フィルターの材質はPTFE、ポリエチレン、ナイロンが好ましく、ポリエチレンおよびナイロンが、より好ましい。
<光導波路>
本発明の光導波路は、コア層とクラッド層を有し、好ましくは、基材と、該基材上に形成された下部クラッド層と、下部クラッド層の上面の一部に形成されたコア層と、コア層を埋設するように下部クラッド層上に形成された上部クラッド層とからなる。ここで、少なくともコア層またはクラッド層は、本発明のカゴ型構造を有する化合物を含む組成物、好ましくはさらに一般式(7)が含まれる組成物を用いて形成される。コア層およびクラッド層の材料および形状は、使用される材料の屈折率の関係が光導波路に要求される条件を満足することなどを考慮して選択される。また、シングルモード光導波路を作製する場合は、光損失を少なくするという観点から、コア層とクラッド層との屈折率差0.3〜1.5%が好ましい。マルチモード光導波路を作製する場合は、光損失を少なくするという観点から、屈折率差が好ましくは1.0%以上である。なお、上述の屈折率差は、コア層の材料の屈折率nとクラッド層の材料の屈折率nを用いて、(n−n)/n×100(%)として表すことができる。
屈折率の調整は、例えば、組成物の構成原料の種類等を適宜選択することにより行うことができる。具体的には、屈折率の差が適切な値となるようなカゴ型構造を有する化合物を含む組成物と他の組成物を選択した上で、屈折率の高い組成物をコア層として用い、他の組成物をクラッド層(下部クラッド層および上部クラッド層)として用いればよい。上述のように一般式(7)で表される化合物を用いることにより、カゴ型構造を有する化合物を含む組成物の屈折率を任意に制御することができる。コア層またはクラッド層の一方に使用される他の組成物は、特に限定されないが、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂などが挙げられ、耐熱性などの観点からポリベンゾオキサゾール樹脂が好ましい。
また、本発明の好ましい態様の一つとして、コア層およびクラッド層がともにカゴ型構造を有する化合物を含む組成物より形成される光導波路が挙げられる。該態様においては、さらに一般式(7)で表される化合物を用いることにより、容易にコア層とクラッド層との屈折率差を制御することができる。該態様では、コア層とクラッド層とで用いる材料の構造が似ていることから両者の密着性がよくなり、剥がれなどが起こり難くなる。
なお、上述のように光導波路が下部クラッド層と上部クラッド層とを有する場合は、両者を構成する材料は同一でも、異なっていてもよいが、同一の材料を用いることは、経済的に有利であり、製造管理も容易となるため、好ましい。
本発明に係る光導波路においては、コア層とクラッド層との材料間の633nmにおける屈折率差が0.02以上あることが好ましい。
<光導波路の製造方法>
本発明に係る光導波路の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。一例として、埋め込み型シングルモード光導波路の製造方法について、図1を参照しつつ説明する。まず、まず、シリコンウエハなどの基板1の上に、下部クラッド用として、組成物をスピンコートなどの方法により塗布し樹脂層を形成し、加熱硬化して、下部クラッド層2とする。次に、下部クラッド層2の上に、下部クラッド層の材料よりも屈折率が高い組成物を用い、下部クラッド層2を形成したときと同様の方法で、コア層3を形成する。次に、コア層3の上に、コアパターンを形成するためのマスク層4を形成する(図1(a))。マスク層用材料としては、Al、Tiなどの金属、SiO2、スピオングラス(SOG)、Si含有レジスト、感光性ポリベンゾオキサゾールなどを用いることができる。次いで、マスク層4の上に、レジストを塗布して、プリベーク、露光、現像、アフターベークを行い、パターニングされたレジスト層5を得る(図1(b))。次に、レジスト層5で保護されていないマスク層4をエッチングで除去(図1(c))した後、レジスト層5をエッチング液で除去し、マスク層4で保護されていない部分のコア層3をドライエッチングにより除去する(図1(d))。マスク層4にSi含有レジストや感光性ポリベンゾオキサゾールを用いた場合には、フォトレジストを使用する必要はない。次に、残ったマスク層4を、ドライエッチングやはく離液を用いることにより除去する(図1(e))。更に、この上に、前記下部クラッド層と同じ組成物を用い、下部クラッド層2を形成したときと同様の方法で、上部クラッド層6を形成する(図1(f))。以上のようにして特性の良好な光導波路を作製できる。
上述の基板1の材料としては、特に限定するものではなく従来公知のもの、例えば、石英ガラス板、シリコンウエハ、セラミック基板、ガラスエポキシ樹脂基板や、ポリイミドフィルムやポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルム、銅箔やステンレス箔などの金属箔など、膜厚の薄い柔軟性に富む材料があげられる。
上述の組成物を塗布する方法は、厚みが均一でかつ表面が平滑になるものであれば特に限定されず、例えば、スピンコート法、スプレー法、ロールコート法、インクジェット法などの方法を採用することができる。中でも、生産性の観点から、スピンコート法が好ましい。スピンコート法の条件は、使用する組成物材料などにより適宜選択される。塗布後に、必要に応じて、加熱工程を設けてもよい。硬化膜を得るための加熱、乾燥条件としては、適用される基材、および使用する化合物に応じて適宜選択されるが、100〜400℃の温度で、0.5〜10分間の処理を行うことが好ましい。特に好ましい温度としては、100〜250℃が好ましく、さらに好ましくは、100〜200℃である。加熱処理は数回に分けて行ってもよい。この加熱処理は、酸素による熱酸化を防ぐために、窒素雰囲気下、低濃度酸素下または大気圧10トール以下で行うことが特に好ましい。なお、層が厚すぎると急激な溶媒の蒸発により層の表面が荒れたりすること。クラックなどが発生する場合があるので、上述の塗布と加熱処理を数回繰り返して積層形成してもよい。
上述のレジスト膜の露光には、レジスト材料により適宜選択され特に限定されるものではないが、光源の工業的な汎用性の観点から、紫外線を含む光が用いられる。光の照射装置としては、例えば、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプなどが用いられる。
本発明の光導波路は、例えば、直線光導波路、曲がり光導波路、交差光導波路、Y分岐光導波路、スラブ光導波路として用いることができる。また、多様の目的に使用することができ、光学デバイスへ好適に用いることができる。光学デバイスとは、光記録装置や撮像装置などを含めた広範な光学機器を意味する。具体的には、光スイッチ、光減衰器、光アイソレータ、光分岐器,光合波器,光アンプ,波長変換器,光スプリッタなどが挙げられる。なかでも、優れた耐熱性と光学特性を併せ持つことから、半導体集積回路(特に、シリコン基板上)へ好適に用いることができ、なかでも光配線として好適に用いることができる。
本発明のカゴ型構造を有する化合物と一般式(7)で表される化合物とを含む組成物は、優れた耐熱性、光学特性をもつことから、光学材料用途へと好適に用いることができる。例えば、光スイッチ、光コネクタ、光回路部品、光学素子などのファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止剤、接着剤などが挙げられる。なかでも、CCDやCMOSなどのイメージセンサーのレンズや、光導波路へと好適に用いることができる。特に、優れた耐熱性を有していることから半導体プロセスへの親和性が高く、半導体集積回路上の光導波路(光配線)へと好適に用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により制約されるものではない。
以下のGPC測定は、Waters2695およびShodex製GPCカラムKF−805Lを使用し、カラム温度40℃で、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流量で測定を行い、Mw、Mnは標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて計算した。
(合成例1)
Macromolecules, 5266(1991)に記載の合成法に従って、4,9−ジエチニルジアマンタンを合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.22g、t−ブチルベンゼン10mlを窒素気流下内温150℃で7時間攪拌、重合した。反応液を室温にした後、イソプロピルアルコール60mlに添加、析出した固体を濾過して、イソプロピルアルコールで十分に洗浄した。質量平均分子量(Mw)15000の化合物(A)を得た。
(合成例2)
窒素気流下、三つ口フラスコに市販の3−エチニルアニリン19質量部、テトラヒドロフラン(THF)107質量部およびトリエチルアミン27.4質量部を反応容器に入れ、均一になるまで攪拌した。その容器を氷浴下で冷却しながら、市販のトリメソイルクロリド13質量部をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌した。反応後、反応液に酢酸エチルを加え、1N HNO水溶液および水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、以下の化合物(B)を得た。
Figure 2009204791
(合成例3)
市販の1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼン544.4質量部(1.0mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン 2178質量部に溶解し、ピリジン 193.8質量部(2.45mol)を添加後、乾燥窒素下、−15℃で、 N−メチル−2−ピロリドン796質量部に 公知の方法で作成したイソフタル酸ジクロリド198.9質量部(0.98mol)を溶解したものを、30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、室温で5時間かく拌した。その後、反応溶液を大量のイオン交換水に滴下し再沈殿し、沈殿物を集め、乾燥することにより、ポリベンゾオキサゾール前駆体化合物(C)を得た。
(合成例4)
イソフタル酸ジクロリドの代わりに塩化アクリロイルを用い、ピリジンの添加量を塩化アクリロイルの1.25倍モルにしたこと以外は、合成例3の場合と同様の方法によりビスベンゾオキサゾール前駆体化合物(D)を得た。
(合成例5)
市販の1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼン544.4質量部(1.0mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン 2178質量部に溶解し、ピリジン 193.8質量部(2.45mol)を添加後、乾燥窒素下、−15℃で、 N−メチル−2−ピロリドン796質量部に イソフタル酸ジクロリド178.6質量部(0.88mol)とスベリン酸ジクロリド21.1質量部(0.1mol)を溶解したものを、30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、室温で5時間かく拌した。その後、反応溶液を大量のイオン交換水に滴下し再沈殿し、沈殿物を集め、乾燥することにより、ポリベンゾオキサゾール前駆体化合物(E)を得た。
(塗布液作成例1)
化合物(A)2質量部をシクロヘキサノン18質量部に溶解し、0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過し、塗布液1を得た。
(塗布液作成例2)
化合物(A)1.8質量部および化合物(B)0.2質量部をシクロヘキサノン18質量部に溶解し、0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過し、塗布液2を得た。
(塗布液作成例3)
化合物(A)1.0質量部および化合物(B) 1.0質量部をシクロヘキサノン18質量部に溶解し、0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過し、塗布液3を得た。
(塗布液作成例4)
化合物(C)1.9質量部および化合物(D)0.1質量部をN−メチル−2−ピロリドン18質量部に溶解し、1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過し、塗布液4を得た。
(塗布液作成例5)
化合物(E)1.9質量部および化合物(D)0.1質量部をN−メチル−2−ピロリドン18質量部に溶解し、1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過し、塗布液5を得た。
塗布液1〜5をそれぞれ4インチSiウエハー上にスピンコートし、窒素気流中110℃/1分、窒素気流中200℃/1分、窒素雰囲気中400℃/1時間の加熱を実施しSiウエハー上に500nmの膜を得た。反射測定型膜厚計F−20(フィルメトリクス社製)を用いて波長633nmにおける屈折率を測定したところ表1の結果を得た。
Figure 2009204791
(実施例1)
塗布液1をACT8SOD(東京エレクトロン製)を用いてスピンコート法により、シリコン基板上に塗布し、低酸素濃度熱板DLB(東京エレクトロン製)を用いて窒素中350℃/10分の加熱を実施した。スピンコートと加熱工程を繰り返すことにより重ね塗りを実施して8μmの膜厚の膜を得て下部クラッド層とした。該膜の上に塗布液2を用いて下部クラッド層と同様の方法でフィルム化しコア層とした。次に、前記コア層上に膜厚0.3μmのアルミニウム層を蒸着し、マスク層を形成した。さらに、前記アルミニウム層上に、ポジ型フォトレジスト(オーリン製、商品名HPR204)を、ACT8SOD(東京エレクトロン製)を用いてスピンコート法により塗布した後、約95℃でプリベークを行った。次に、パターン形成用のフォトマスク(Ti)を配置し、超高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した後、ポジ型レジスト用現像液(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.26規定水溶液)を用いて現像した。その後、135℃でポストベークを行った。これにより、線幅8μmを有する直線状のレジストパターンが得られた。次に、アルミニウム層のウエットエッチングを行い、レジストパターンをアルミニウム層に転写した。更に、パターニングされたアルミニウム層をマスクとして、コア層をドライエッチングにより加工した。次に、アルミニウム層をエッチング液で除去した。更に、コア層が露出した面上に、塗布液1を、下部クラッド層と同様の方法でフィルム化し、上部クラッド層とした。最後に、光導波路の両端を、ダイシングソーで切り落として、光の入出射端面を形成した。このようにして、シリコン基板上に埋め込み型シングルモード光導波路が得られた。
上記光導波路の光伝搬損失を、カットバック法で測定したところ、波長1.3μmで0.1dB/cm、1.55μmで0.2dB/cmであった。
(実施例2および比較例1)
実施例1と同様の方法で、以下の表2に従って、コア層およびクラッド層に塗布液3〜5を用いて、光導波路を作成し、実施例1と同様の評価を行った。かご型構造を有する化合物を含む組成物を用いると光伝搬損失の小さな優れた性能の光導波路が得られることがわかった。また、本発明にかかる化合物は上述のように400℃/1hという高温プロセスに耐えうる耐熱性を有しており、半導体プロセスなどに好適に用いることができる。
Figure 2009204791
本発明による埋め込み型光導波路の作成方法の一例を示す工程図である。
符号の説明
1 基板
2 下部クラッド層
3 コア層
4 コアパターンを形成するためのマスク層
5 レジスト層
6 上部クラッド層

Claims (9)

  1. コア層とクラッド層とを有する光導波路であって、該コア層または該クラッド層がカゴ型構造を有する化合物を含む組成物を用いて形成される光導波路。
  2. 前記カゴ型構造を有する化合物が、一般式(1)〜一般式(6)のいずれかで表される化合物の重合体である請求項1に記載の光導波路。
    Figure 2009204791

    (一般式(1)〜一般式(6)中、X〜Xは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基を表す。Y〜Yは、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、またはシリル基を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜16の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜15の整数を表す。m、m、mおよびmは、それぞれ独立に1〜15の整数を表す。n、n、nおよびnは、それぞれ独立に0〜14の整数を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜20の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜19の整数を表す。)
  3. 前記組成物が、さらに一般式(7)で表される化合物を含む請求項1または2に記載の光導波路。
    Figure 2009204791

    (一般式(7)中、Arはn価の芳香族炭化水素基を表す。nは2〜4の整数を表す。mは1または2の整数を表す。)
  4. 前記コア層または前記クラッド層の一方が、ポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物を用いて形成される請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路を有する光学デバイス。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路を有する半導体集積回路。
  7. カゴ型構造を有する化合物と一般式(7)で表される化合物とを含む光学材料用組成物。
    Figure 2009204791

    (一般式(7)中、Arはn価の芳香族炭化水素基を表す。nは2〜4の整数を表す。mは1または2の整数を表す。)
  8. 前記カゴ型構造を有する化合物が、一般式(1)〜一般式(6)のいずれかで表される化合物の重合体である請求項7に記載の光学材料用組成物。
    Figure 2009204791

    (一般式(1)〜一般式(6)中、X〜Xは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、またはカルバモイル基を表す。Y〜Yは、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アリール基、またはシリル基を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜16の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜15の整数を表す。m、m、mおよびmは、それぞれ独立に1〜15の整数を表す。n、n、nおよびnは、それぞれ独立に0〜14の整数を表す。mおよびmは、それぞれ独立に1〜20の整数を表す。nおよびnは、それぞれ独立に0〜19の整数を表す。)
  9. 光導波路に用いる、請求項7または8に記載の光学材料用組成物。
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CN102262254A (zh) * 2010-05-26 2011-11-30 Jsr株式会社 近红外线截止滤光片和使用近红外线截止滤光片的装置

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