JP2009199746A - 発熱ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極端子を樹脂系導電性接着剤で構成する発熱ガラスにおいて、樹脂系導電性接着剤のフィラーどうしの接合を確実にして導通の信頼性を向上させて大きな電流を安定に流せるようにする。
【解決手段】ガラス板10の表面に透明導電膜16を形成する。透明導電膜16の表面の対向位置に導電性接着剤18a,20aを塗布し硬化させて給電用電極端子対18,20を形成する。両電極端子間18,20に電圧を印加し透明導電膜16に通電して透明導電膜16を発熱させる。導電性接着剤18a,20aは有機系樹脂と導電性フィラーとを含有する。導電性フィラーは基材に鉛フリーハンダをメッキした主導電性フィラー26と、主導電性フィラー26よりも体積が小さく粒径が0.1〜1μmの鉛フリーハンダボールからなる補助フィラー28と、補助フィラー28よりも体積が小さく粒径が1〜50nmの鉛フリーハンダからなるナノ粒子補助フィラー30とで構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は電極端子を樹脂系導電性接着剤で構成した発熱ガラスおよびその製造方法に関し、樹脂系導電性接着剤のフィラーどうしの接合を確実にして導通の信頼性を向上させて大きな電流を安定に流せるようにしたものである。
発熱ガラスはガラス板の表面に透明導電膜を形成し、該透明導電膜に通電し発熱させることによりガラス板を昇温して結露防止等の機能を発現させるようにしたものである。発熱ガラスは例えば発熱複層ガラスとして構成される。発熱複層ガラスの構成例を図2に示す。2枚のガラス板10,12が枠状のスペーサ14を挟んで対向配置され一体化されている。一方(通常は室内側)のガラス板10の他方のガラス板12との対向面にはITO(酸化インジウムスズ)、SnO2(酸化スズ)等による透明導電膜16が形成されている。透明導電膜16の表面の相対向する両端位置に給電端子(バスバー部、集電部)を構成する電極端子対18,20が形成されている。電極端子対18,20は例えば、透明導電膜16の表面の相対向する両端位置にペースト状の導電性接着剤18a,20aをスクリーン印刷等で塗布しその上に平編銅線18b,20bを載せ、導電性接着剤18a,20aを硬化させることで相互に接合して形成する。電極端子対18,20の平編銅線18b,20bにはリード線22,24がそれぞれハンダ付けされる。リード線22,24間に電圧を印加して透明導電膜16に通電することにより該透明導電膜16が発熱しガラス板10が昇温する。
導電性接着剤について説明する。導電性接着剤の一例として有機系樹脂よりなるバインダーと、錫および/または錫合金の導電性フィラーと、金および/または銀、またはそれらの合金の粉体、またはそれらの金属をメッキした粉体フィラーからなる導電性接着剤が提案されている(例えば特許文献1参照)。この導電性接着剤は熱硬化性樹脂を配合することにより150〜250℃に加熱することで樹脂成分が収縮するのに伴い、樹脂中の導電性フィラーどうしが接触し導電性を生じるものである。
また鉛フリーハンダを主導電材料として、熱可塑性樹脂と金属粉末および金属繊維とを配合した導電性接着剤が提案されている(例えば特許文献2参照)。この導電性接着剤は鉛フリーハンダの粉末どうしが融着して「接合」するため、「接触」よりも強固に接続することになり、導電性に優れている。
また有機系樹脂と導電性フィラーとからなる導電性接着剤として、導電性フィラーを、基材に鉛フリーハンダをメッキした主導電性フィラーと、主導電性フィラーの体積よりも小さくかつ基材に鉛フリーハンダをメッキした粒径が0.1〜1μmの補助フィラーと、主導電性フィラーの体積よりも小さく粒径が0.1〜1μmの鉛フリーハンダボールとで構成したものが提案されている(例えば特許文献3参照)。この導電性接着剤によれば、補助フィラーおよび鉛フリーハンダボールが主導電性フィラーの間に入り込み、接着時の加熱により、主導電性フィラーの鉛フリーハンダメッキどうしが補助フィラーおよび鉛フリーハンダボールを介して融着しやすくなるので、抵抗を小さくでき、電気的に安定な接続を実現できる。
特開2000−309773号公報 特開2000−357413号公報 特開2005−26187号公報
しかしながら特許文献1記載の導電性接着剤は電子機器やAM、FM、TV等のアンテナ等を形成した自動車用窓ガラスの電極端子に用いる場合等比較的小さな電流を流す場合は問題ないが、発熱ガラスのように5A以上の大きな電流を流す場合は導電性フィラーの接触部が発熱して高温になるため、導電性フィラーの表面の酸化が促進されて接触抵抗値が高くなり、さらに導電性フィラーが高温となる悪循環に陥る。また導電性フィラーが高温になることにより、介在する熱硬化樹脂が燃えて炭化し、接着能力が低下する。そしてこれらの減少を繰り返して最後は短絡する。
また特許文献2記載の導電性接着剤は、熱可塑性樹脂が35〜75重量%と導電性接着剤全体に対して重量が大きく抵抗値が大きいため、1A以上の電流に対して特許文献1記載のものと同様の現象が起きる。
また特許文献3記載の導電性接着剤は特許文献1,2記載のものに比べて大きな電流を流せるものの、フィラーどうしの接合をより確実にして導通の信頼性をより向上させてより大きな電流を安定に流せるようにすることが望まれる。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、電極端子を樹脂系導電性接着剤で構成する場合に、フィラーどうしの接合を確実にして導通の信頼性を向上させて大きな電流を安定に流せるようにした発熱ガラスおよびその製造方法を提供しようとするものである。
この発明の発熱ガラスはガラス板の表面に透明導電膜を形成し、該透明導電膜の表面の対向位置に導電性接着剤を塗布し硬化させて給電用電極端子対を形成し、該両電極端子間に電圧を印加し前記透明導電膜に通電して該透明導電膜を発熱させる発熱ガラスにおいて、前記導電性接着剤は有機系樹脂と導電性フィラーとを含有し、かつ該導電性フィラーは、基材に鉛フリーハンダをメッキした主導電性フィラーと、該主導電性フィラーよりも体積が小さく粒径が0.1〜1μmの鉛フリーハンダボールからなる補助フィラーと、該補助フィラーよりも体積が小さく粒径が1〜50nmの鉛フリーハンダからなるナノ粒子補助フィラーとで構成されることを特徴とするものである。
この発明の発熱ガラスによれば電極端子を構成する導電性接着剤として、特許文献3記載の導電性接着剤から、基材に鉛フリーハンダをメッキした粒径が0.1〜1μmの補助フィラーを削除し代わりに粒径が1〜50nmの鉛フリーハンダからなるナノ粒子補助フィラーを追加した組成のものを用いることにより(この発明の補助フィラーは特許文献3記載の導電性接着剤の鉛フリーハンダボールに相当)、特許文献3記載の導電性接着剤に比べて補助フィラーおよびナノ粒子補助フィラーが主導電性フィラーの間により入り込み易くなり、しかもナノ粒子補助フィラーは鉛フリーハンダの微細粒子であるがゆえに熱により溶融しやすくなり、フィラーどうしの接合を確実にして導通の信頼性を向上させることができる。これにより大きな電流を安定に流すことができる。特にこの発明によれば、特許文献3の補助フィラー(基材に鉛フリーハンダをメッキした粒径が0.1〜1μmのフィラー)を無くしたので、導電性接着剤におけるフィラー全体の含有量を変更せずに分ナノ粒子補助フィラーを含有させることができる。また特許文献3の鉛フリーハンダボール(粒径が0.1〜1μmのフィラー)を補助フィラーとして残したので、主導電性フィラーとナノ粒子補助フィラーだけで導電性フィラーを構成する場合に比べて、導通の信頼性を確保しつつ高価なナノ粒子補助フィラーの使用量を削減することができる。
この発明の発熱ガラスにおいて前記主導電性フィラーは鱗片形状または楕円形状をなし、その短径が1〜10μm、好ましくは3〜7μmであるものとすることができる。また前記導電性接着剤は、前記有機系樹脂を10〜20重量%、前記主導電性フィラーを50〜85重量%、前記補助フィラーとナノ粒子補助フィラーとの合計を5〜40重量%好ましくは5〜25重量%の割合で含むものとすることができる。また前記主導電性フィラーは熱伝導率が250〜500W/m℃である前記基材に鉛フリーハンダをメッキしたものとすることができる。また前記主導電性フィラーの鉛フリーハンダメッキは、融点が230℃以下で、主成分がBi−Sn、In−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag、Sn−Cuから選ばれるハンダとすることができる。また前記補助フィラーは、融点が230℃以下で、主成分がBi−Sn、In−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag、Sn−Cu、Agから選ばれるハンダとすることができる。また前記ナノ粒子補助フィラーは、融点が230℃以下で、主成分がBi−Sn、In−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag、Sn−Cu、Agから選ばれるハンダとすることができる。また前記導電性接着剤は、前記有機系樹脂と前記主導電性フィラーと前記補助フィラーと前記ナノ粒子補助フィラーの合計100重量部に対して、分散剤を1〜5重量%の割合で含むことができる。
この発明の発熱ガラスの製造方法はガラス板の表面に透明導電膜を形成し、該透明導電膜の表面の対向位置に導電性接着剤を塗布し硬化させて給電用電極端子対を形成する発熱ガラスの製造方法において、前記導電性接着剤として、有機系樹脂と導電性フィラーとを含有し、かつ該導電性フィラーが、基材に鉛フリーハンダをメッキした主導電性フィラーと、該主導電性フィラーよりも体積が小さく粒径が0.1〜1μmの鉛フリーハンダボールからなる補助フィラーと、該補助フィラーよりも体積が小さく粒径が1〜50nmの鉛フリーハンダからなるナノ粒子補助フィラーとで構成されるものを用いることを特徴とするものである。
この発明の実施の形態を以下説明する。この発明による発熱ガラスの全体構成は例えば前出の図2の発熱複層ガラスと同様の構成とすることができる。すなわち図2の発熱複層ガラスは2枚のガラス板10,12が枠状のスペーサ14を挟んで対向配置され一体化されている。一方(通常は室内側)のガラス板10の他方のガラス板12との対向面にはITO、SnO2等による透明導電膜16が形成されている。透明導電膜16の表面の相対向する両端位置に給電端子を構成する電極端子対18,20が形成されている。電極端子対18,20は例えば、透明導電膜16の表面の相対向する両端位置にペースト状の導電性接着剤18a,20aをスクリーン印刷等で塗布しその上に平編銅線18b,20bを載せ、導電性接着剤18a,20aを硬化させることで相互に接合して形成する。電極端子対18,20の平編銅線18b,20bにはリード線22,24がそれぞれハンダ付けされる。リード線22,24間に電圧を印加して透明導電膜16に通電することにより該透明導電膜16が発熱しガラス板10が昇温する。
導電性接着剤18a,20aの組成について説明する。導電性接着剤18a,20aを構成する導電性接着剤ペーストは有機系樹脂よりなるバインダー中に3種類の導電性フィラーを混在させて構成される。透明導電膜16の表面に塗布した導電性接着剤ペースト内の状態を図1に模式的に示す。導電性接着剤ペーストのバインダー25中には3種類の導電性フィラーが混在した状態で含まれている。この3種類の導電性フィラーは、基材に鉛フリーハンダをメッキした主導電性フィラー26と、主導電性フィラー26よりも体積が小さい鉛フリーハンダボールからなる補助フィラー28と、補助フィラー28よりも体積が小さい鉛フリーハンダからなるナノ粒子補助フィラー30である。
上記の組成の導電性接着剤をガラス板10の透明導電膜16の表面の電極端子対18,20を構成する位置に塗布し硬化させて透明導電膜16に接着させる。この接着時の熱(バインダー25が熱硬化性樹脂の場合は加熱炉で加熱して硬化させる際の熱、熱可塑性樹脂の場合は樹脂の溶融熱)により主導電性フィラー26の鉛フリーハンダメッキが溶融し、主導電性フィラー26どうしが融着する。また補助フィラー28、ナノ粒子補助フィラー30も溶融し、主導電性フィラー26どうしの融着を補助する。これにより主導電性フィラー26どうしが電気的に接続される。この融着の際にナノ粒子補助フィラー30は、鉛フリーハンダの微細粒子であるがゆえに主導電性フィラーおよび補助フィラーの間により入り込み易くなり、しかも微細粒子であるがゆえに比較的低温でも溶融しやすくなり、主導電性フィラー26どうしの融着を確実にして導通の信頼性を向上させることができる。これにより大きな電流を安定に流すことができるようになる。
導電性接着剤に含まれる3種類のフィラー26,28,30の配合割合は、接触抵抗を小さくするため、主導電性フィラー26は50重量%以上、85重量%以下とするのが好ましい。すなわち主導電性フィラー26が50重量%未満になると、主導電性フィラー26どうしが接触し難くなり、導通が悪くなる。また主導電性フィラー26が85重量%より多くなると、有機系樹脂成分が少量となり、接着面(透明導電膜16の表面)との密着強度が低下してしまう。また主導電性フィラー26の表面の鉛フリーハンダメッキの厚さは0.5〜2μmであることが好ましい。すなわち0.5μm未満であると主導電性フィラー26どうしの融着が難しくなり、接触抵抗が高くなる。また2μmより厚くなると主導電性フィラー26の熱伝導率が低くなってしまう。また主導電性フィラー26の形状は鱗片形状または楕円形状が好ましい。鱗片形状または楕円形状とすることにより、球状とした場合よりも主導電性フィラー26どうしの接触面積を大きくすることができ、主導電性フィラー26どうしの融着を促進し、接触抵抗を小さくできる。主導電性フィラー26の鱗片形状または楕円形状の短径は1〜10μm、好ましくは3〜7μmである。
主導電性フィラー26の基材としては熱伝導率が高い(250〜500W/m℃)材料が好ましく、例えば銀、金、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属材料やSiC(炭化ケイ素)、AlN(窒化アルミニウム)等が挙げられる。主導電性フィラー26の鉛フリーハンダメッキとしては融点が230℃以下で酸化し難いBi−Sn系、In−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Cu系の鉛フリーハンダが挙げられる。主導電性フィラー26の鉛フリーハンダメッキは上記から選ばれた鉛フリーハンダをバレル法により基材にコーティングすることができる。
補助フィラー28およびナノ粒子補助フィラーの材料としては融点が230℃以下で酸化し難いBi−Sn系、In−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Cu系、Ag系の鉛フリーハンダが挙げられる。補助フィラー28とナノ粒子補助フィラー30は両者の合計は5〜40重量%とするのが好ましい。すなわち5重量%未満であると主導電性フィラー26どうしが十分に融着することができない。また40重量%より多いと導電接着剤の熱伝導率が小さくなるため、充分な放熱ができず酸化してしまうおそれがある。さらに言えば補助フィラー28およびナノ粒子補助フィラー30は粒径が細かいため酸化が生じやすく、また2次粒子としての凝集があるため両者の合計は特に5〜25重量%が好ましい。補助フィラー28は粒径が0.1〜1μmの球状に形成されている。ナノ粒子補助フィラー30は粒径が1〜50nmの球状に形成されている。
有機系硬化剤を含むバインダー25は10重量%以上、25重量%以下が好ましい。すなわち10重量%未満であるとフィラーの割合が高くなり接着面(透明導電膜16の表面)との密着強度が極端に劣化する。また25重量%より多くなると、主導電性フィラー26相互間にバインダー25が過剰に入り込み、主導電性フィラー26どうしが融着し難くなり、接触抵抗が高まってしまう。バインダー25の材料としては熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂が利用できる。熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
バインダー25の材料に熱硬化性樹脂を使用する場合、各フィラー26,28,30の鉛フリーハンダとしては、融点が樹脂の硬化温度よりも20〜30℃低いものを選択することが好ましい。これにより導電性接着剤を塗布し硬化させるための加熱によって鉛フリーハンダが溶融し、主導電性フィラー26どうしを良好に融着させることができる。熱硬化性樹脂の硬化温度よりも融点が高い鉛フリーハンダを使用すると、主導電性フィラーどうしを融着させるためには熱硬化性樹脂の硬化温度よりも高い温度での加熱が必要となり、樹脂を劣化させてしまう。また融点が低すぎる鉛フリーハンダを選択すると、電流が流れたときに発生する熱により、低い温度でも溶融してしまうため接触抵抗が不安定になる。
また主導電性フィラー26として粒径が小さいものを選択した場合は、凝集しやすくかつ酸化しやすいため、分散剤、還元剤を添加することが好ましい。その場合バインダー25と主導電性フィラー26と補助フィラー28とナノ粒子補助フィラー30の合計100重量部に対して分散剤を1〜5重量%の割合で添加する。
またバインダー25と主導電性フィラー26と補助フィラー28とナノ粒子補助フィラー30の合計100重量部に対して酸化防止剤、酸性物質またはロジン(松脂)からなるフラックスを3〜5重量%の割合で添加してもよい。すなわち樹脂バインダー25の加熱温度で主導電性フィラー26の鉛フリーハンダメッキおよび補助フィラー28、ナノ粒子補助フィラー30は接触から融着過程に入るが、各フィラー26,28,30の表面の鉛フリーハンダが比較的強固な酸化膜を有する場合があり、該表面を化学的に活性化しハンダの濡れ性を助長する必要がある。酸化防止剤、酸化物質またはロジンからなるフラックスは酸化膜の除去能力が大きくハンダの濡れ性もよくなる。特にロジンは127℃で溶融しその活性は約315℃まで持続するので、化学的、物理的にも理想的なフラックスである。ロジンの活性成分であるアビエチン酸は固体では不活性であるがそれが加熱されて溶融状態になると活性を呈し、それが冷却されると再び不活性になり、この発明で利用される導電性接着剤に添加するフラックスとして好適に利用することができる。
以下の材料(a)、(b)、(c)、(d)を混合し(合計100重量%)、さらにロジン系フラックス等を加えて導電性接着剤を調整した。
(a)バインダー25:エポキシ樹脂系バインダー。20重量%
(b)主導電性フィラー26:銀で構成される基材に融点が138℃の60Sn40Biハンダをメッキして構成。短径は3〜5μm。60重量%
(c)補助フィラー28:融点が138℃の60Sn40Biで構成される鉛フリーハンダボール。粒径は1μm。12重量%
(d)ナノ粒子補助フィラー30:融点が138℃の60Sn40Biで構成される鉛フリーハンダボール。粒径は50nm。8重量%。
調整された導電性接着剤をガラス板10(図2)の透明導電膜16の所定箇所に塗布し(導電性接着剤18a,20a)、接続端子として平編銅線18b,20bを導電性接着剤18a,20aの上に搭載して、加熱炉にて230℃で20分間加熱処理した。その後大気中に放置して十分冷却し、十分な密着が確認された後直流電流30Aを印加した。その結果端子部分での樹脂の温度は70℃と低く、抵抗値も0.7mΩと低く、100時間印加後でも短絡しなかった。
以下の材料(a)、(b)、(c)、(d)を混合し(合計100重量%)、さらにロジン系フラックス等を加えて導電性接着剤を調整した。
(a)バインダー25:エポキシ樹脂系バインダー。12重量%
(b)主導電性フィラー26:銀で構成される基材に融点が117℃の48Sn52Inハンダをメッキして構成。短径は3〜5μm。70重量%
(c)補助フィラー28:融点が117℃の48Sn52Inで構成される鉛フリーハンダボール。粒径は1μm。8重量%
(d)ナノ粒子補助フィラー30:融点が117℃の48Sn52Inで構成される鉛フリーハンダボール。粒径は50nm。8重量%。
調整された導電性接着剤をガラス板10(図2)の透明導電膜16の所定箇所に塗布し(導電性接着剤18a,20a)、接続端子として平編銅線18b,20bを導電性接着剤18a,20aの上に搭載して、加熱炉にて200℃で20分間加熱処理した。その後大気中に放置して十分冷却し、十分な密着が確認された後直流電流30Aを印加した。その結果端子部分での樹脂の温度は70℃と低く、抵抗値も0.7mΩと低く、100時間印加後でも短絡しなかった。
比較例
以下の材料(a)、(b)、(c)、(d)を混合し(合計100重量%)、さらにロジン系フラックス等を加えて特許文献3記載の導電性接着剤を調整した。
(a)バインダー:エポキシ樹脂系バインダー。20重量%
(b)主導電性フィラー:銀で構成される基材に60Sn40Biハンダをメッキして構成。短径は3〜5μm。60重量%
(c)補助フィラー:銀で構成される基材に60Sn40Biハンダをメッキして構成。粒径1μm。15重量%
(d)鉛フリーハンダボール:60Sn40Biで構成される鉛フリーハンダボール。粒径1μm。5重量%。
調整された導電性接着剤をガラス板10(図2)の透明導電膜16の所定箇所に塗布し(導電性接着剤18a,20a)、接続端子として平編銅線18b,20bを導電性接着剤18a,20aの上に搭載して、加熱炉にて250℃で20分間加熱処理した。その後大気中に放置して十分冷却し、十分な密着が確認された後直流電流30Aを印加した。その結果端子部分での樹脂の温度は105℃と高く、抵抗値も1.5mΩと低く、12時間印加後で短絡した。破壊試験の結果と材料分析結果から、主導電フィラーと補助フィラー間での固着が不十分であり、信頼性が不完全であることが確認できた。
この発明で使用される導電性接着剤を構成する導電性接着剤ペースト内の状態を示す模式図である。 この発明の発熱ガラスの実施の形態を示す図で、(a)は断面側面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
符号の説明
10,12…ガラス板、14…スペーサ、16…透明導電膜、18,20…電極端子対、18a,20a…導電性接着剤、18b,20b…平編銅線、22,24…リード線、25…バインダー、26…主導電性フィラー、28…補助フィラー、30…ナノ粒子補助フィラー

Claims (9)

  1. ガラス板の表面に透明導電膜を形成し、該透明導電膜の表面の対向位置に導電性接着剤を塗布し硬化させて給電用電極端子対を形成し、該両電極端子間に電圧を印加し前記透明導電膜に通電して該透明導電膜を発熱させる発熱ガラスにおいて、
    前記導電性接着剤は有機系樹脂と導電性フィラーとを含有し、かつ該導電性フィラーは、基材に鉛フリーハンダをメッキした主導電性フィラーと、該主導電性フィラーよりも体積が小さく粒径が0.1〜1μmの鉛フリーハンダボールからなる補助フィラーと、該補助フィラーよりも体積が小さく粒径が1〜50nmの鉛フリーハンダからなるナノ粒子補助フィラーとで構成される
    ことを特徴とする発熱ガラス。
  2. 前記主導電性フィラーは鱗片形状または楕円形状をなし、その短径が1〜10μm、好ましくは3〜7μmである請求項1記載の発熱ガラス。
  3. 前記導電性接着剤は、前記有機系樹脂を10〜25重量%、前記主導電性フィラーを50〜85重量%、前記補助フィラーとナノ粒子補助フィラーとの合計を5〜40重量%好ましくは5〜25重量%の割合で含む請求項1または2記載の発熱ガラス。
  4. 前記主導電性フィラーは熱伝導率が250〜500W/m℃である前記基材に鉛フリーハンダをメッキしたものである請求項1から3のいずれか1つに記載の発熱ガラス。
  5. 前記主導電性フィラーの鉛フリーハンダメッキは、融点が230℃以下で、主成分がBi−Sn、In−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag、Sn−Cuから選ばれるハンダである請求項1〜4のいずれか1つに記載の発熱ガラス。
  6. 前記補助フィラーは、融点が230℃以下で、主成分がBi−Sn、In−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag、Sn−Cu、Agから選ばれるハンダである請求項1〜5のいずれか1つに記載の発熱ガラス。
  7. 前記ナノ粒子補助フィラーは、融点が230℃以下で、主成分がBi−Sn、In−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Ag、Sn−Cu、Agから選ばれるハンダである請求項1〜5のいずれか1つに記載の発熱ガラス。
  8. 前記導電性接着剤は、前記有機系樹脂と前記主導電性フィラーと前記補助フィラーと前記ナノ粒子補助フィラーの合計100重量部に対して、分散剤を1〜5重量%の割合で含む請求項1から7のいずれか1つに記載の発熱ガラス。
  9. ガラス板の表面に透明導電膜を形成し、該透明導電膜の表面の対向位置に導電性接着剤を塗布し硬化させて給電用電極端子対を形成する発熱ガラスの製造方法において、
    前記導電性接着剤として、有機系樹脂と導電性フィラーとを含有し、かつ該導電性フィラーが、基材に鉛フリーハンダをメッキした主導電性フィラーと、該主導電性フィラーよりも体積が小さく粒径が0.1〜1μmの鉛フリーハンダボールからなる補助フィラーと、該補助フィラーよりも体積が小さく粒径が1〜50nmの鉛フリーハンダからなるナノ粒子補助フィラーとで構成されるものを用いる
    ことを特徴とする発熱ガラスの製造方法。
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