JP2009196855A - 超高強度無収縮グラウト材及び超高強度無収縮グラウト材硬化体 - Google Patents

超高強度無収縮グラウト材及び超高強度無収縮グラウト材硬化体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い強度発現性を有し、水結合材比が18.0%以下の超高強度領域においても160N/mmを超える圧縮強度を得ることが可能な超高強度無収縮グラウト材及び超高強度無収縮グラウト材硬化体を提供する。
【解決手段】本発明の超高強度無収縮グラウト材は、エーライト含有量が60重量%以上かつ70重量%以下でありかつブレーン比表面積が4000cm/g以上かつ6500cm/g以下のセメントAと、ビーライト含有量が35重量%以上かつ60重量%以下でありかつブレーン比表面積が3000cm/g以上かつ4000cm/g以下のセメントBと、膨張材と、BET法による比表面積が1m/g以上かつ20m/g以下のシリカ質微粉末とからなる水硬性結合材と、最大粒径が1.2mm以下、絶乾密度が2.90g/cm以上かつ吸水率が0.90%以下の人造高密度細骨材と、化学混和剤とを含有した。
【選択図】なし

Description

本発明は、超高強度無収縮グラウト材及び超高強度無収縮グラウト材硬化体に関し、更に詳しくは、従来のグラウト材と比べて高い強度発現性、特に、水結合材比が18.0%以下の超高強度領域においては160N/mmを超える圧縮強度を得ることが可能な超高強度無収縮グラウト材、及び、この超高強度無収縮グラウト材を水と混練し養生した超高強度無収縮グラウト材硬化体に関するものである。
無収縮グラウト(充填)材とは、機械設備、土木・建築構造物等の接合部分、例えば、機械・橋梁等のアンカープレートの固定、プレキャスト部材の接合、支承部分等の複雑な間隙を充填し、複雑な上部構造物からの荷重を基礎部に均一に伝達させるために用いられるモルタル材料であり、近年、構造物の大型化および高強度化に伴って、無収縮グラウト材に対しても、従来の優れた流動性や無収縮性を確保しつつ、160N/mmを超える圧縮強度が求められている。
ところで、一般に、モルタル製品やコンクリート構造体等の圧縮強度は、それに含まれる骨材の品質、特に細骨材の品質に大きく左右される。通常、細骨材としては、天然産の川砂、山砂(陸砂)、海砂、砕砂等が使用されているが、産地、母岩種、ロット等により品質が大きくばらつくという問題が避けられない。特に、圧縮強度が160N/mmを超えるような極めて強度の高い領域では、供試体や構造物等に品質の悪い細骨材が混入すると、外部から応力が加わった場合に品質の悪い細骨材を含む部分に応力が集中し、本来発揮(期待)されるはずの強度より低い強度で破壊してしまう、つまり、品質の悪い細骨材が構造上の欠陥となってしまうこととなる。
また同様に、細骨材の密度、粒子の形状、最大粒径、粒度分布、吸水率等の物性により、無収縮グラウト材の流動性も大きく左右され、特に、天然産の細骨材を使用した場合、無収縮グラウト材の流動性は用いられた細骨材の品質に大きく左右される。
そこで、圧壊強度(硬度)や耐摩耗性が高くかつ品質の安定している細骨材として、高炉スラグ細骨材、フェロクロムスラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、銅スラグ細骨材、電気炉酸化スラグ等のスラグ細骨材を用いた様々な技術が提案されている。
例えば、水硬性物質(セメント)、シリカダスト(シリカヒューム)やシリカ質ダスト等の超微粉、高性能減水剤、粒径5mm程度以下に粉砕したフェロクロムスラグ粉砕品及び水を主成分とした超高強度セメント組成物(特許文献1)、セメント及び水等と混練することによりコンクリートあるいはモルタルの構成材料として用いられる細骨材の一部または全部をスラグ球あるいはスラグ亜球により構成した細骨材(特許文献2)、直径5mm以下に風砕して球状化したフェロクロムスラグ、フェロニッケルスラグ、シリコンマンガンスラグ、フェロマンガンスラグ等のフェロアロイスラグを、砂と混合してコンクリート用骨材とするフェロアロイスラグの利用方法(特許文献3)、風砕製法によるフェロニッケルスラグを粒径2.5mm以下、かつ、その細骨材中の混入率を30%以上に調合した高流動コンクリート用細骨材(特許文献4)、天然鉱物質微粉末または人工鉱物質微粉末からなる鉱物質微粉末、及び、粒径0.3〜5mmのフェロニッケルスラグ細骨材等の微粒分の欠如した細骨材を用いた流動性と強度発現に優れたモルタル及びコンクリート組成物(特許文献5)、セメント、粒状セメントクリンカー、減水剤、比重が2.7以上の骨材、超微粉等から構成される高強度モルタル組成物(特許文献6)等が提案されている。
これらの技術によれば、強度や流動性に優れたモルタルあるいはコンクリートが得られ、また、これまで用途が限られていたフェロクロムスラグ、フェロニッケルスラグ、シリコンマンガンスラグ、フェロマンガンスラグ等のフェロアロイスラグを細骨材として有効利用することができるという効果がある。
特許第2653402号公報 特開平5−32439号公報 特開平5−262542号公報 特開平8−325047号公報 特開平9−52744号公報 特開2005−119885号公報
ところで、従来の公知技術においては、いずれの細骨材も、その最大粒径が2.5〜5mmであったり、あるいは特殊な球状化処理を施しているために、これらの細骨材を用いた無収縮グラウト材を水結合材比18.0%以下の超高強度領域にて養生・硬化させた硬化体では、圧縮強度が頭打ちとなり、160N/mmを超える圧縮強度を得るには不十分であるという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、従来の無収縮グラウト材と比べて高い強度発現性を有し、しかも、水結合材比が18.0%以下の超高強度領域においても160N/mmを超える圧縮強度を得ることが可能な超高強度無収縮グラウト材及び超高強度無収縮グラウト材硬化体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、エーライト含有量が60重量%以上かつ70重量%以下でありかつブレーン比表面積が4000cm/g以上かつ6500cm/g以下のセメントAと、ビーライト含有量が35重量%以上かつ60重量%以下でありかつブレーン比表面積が3000cm/g以上かつ4000cm/g以下のセメントBと、膨張材と、BET法による比表面積が1m/g以上かつ20m/g以下のシリカ質微粉末からなる水硬性結合材と、最大粒径が1.2mm以下、絶乾密度が2.90g/cm以上かつ吸水率が0.90%以下の人造高密度細骨材と、化学混和剤とを含有した超高強度無収縮グラウト材を、水結合材比18.0%以下にて水と混練し養生させれば、圧縮強度が160N/mm以上の超高強度無収縮グラウト材硬化体を容易に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の超高強度無収縮グラウト材は、エーライト含有量が60重量%以上かつ70重量%以下でありかつブレーン比表面積が4000cm/g以上かつ6500cm/g以下のセメントAと、ビーライト含有量が35重量%以上かつ60重量%以下でありかつブレーン比表面積が3000cm/g以上かつ4000cm/g以下のセメントBと、膨張材と、BET法による比表面積が1m/g以上かつ20m/g以下のシリカ質微粉末とからなる水硬性結合材と、最大粒径が1.2mm以下、絶乾密度が2.90g/cm以上かつ吸水率が0.90%以下の人造高密度細骨材と、化学混和剤とを含有してなることを特徴とする。
前記水硬性結合材は、前記セメントAを5重量%以上かつ15重量%以下、前記セメントBを60重量%以上かつ70重量%以下、前記膨張材を3重量%以上かつ7重量%以下、前記シリカ質微粉末を10重量%以上かつ30重量%以下の割合で混合してなることが好ましい。
前記人造高密度細骨材は、フェロニッケルスラグ細骨材、銅スラグ細骨材、電気炉酸化スラグ細骨材の群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
前記人造高密度細骨材の単位容積及び前記水硬性結合材の単位容積の比率は、0.60以上かつ1.20以下であることが好ましい。
本発明の超高強度無収縮グラウト材硬化体は、本発明の超高強度無収縮グラウト材を水結合材比18.0%以下にて水と混練し養生してなる超高強度無収縮グラウト材硬化体であって、
この超高強度無収縮グラウト材硬化体の圧縮強度は、20℃にて28日間、あるいは、5℃以上にてグラウト材の凝結が終結した後から60℃以上かつ80℃以下の加熱養生にて24時間、のいずれかの条件にて養生した場合、160N/mm以上であることを特徴とする。
本発明の超高強度無収縮グラウト材によれば、エーライト含有量が60重量%以上かつ70重量%以下でありかつブレーン比表面積が4000cm/g以上かつ6500cm/g以下のセメントAと、ビーライト含有量が35重量%以上かつ60重量%以下でありかつブレーン比表面積が3000cm/g以上かつ4000cm/g以下のセメントBと、膨張材と、BET法による比表面積が1m/g以上かつ20m/g以下のシリカ質微粉末とからなる水硬性結合材と、最大粒径が1.2mm以下、絶乾密度が2.90g/cm以上かつ吸水率が0.90%以下の人造高密度細骨材と、化学混和剤とを含有したので、従来の無収縮グラウト材と比べて強度発現性が優れたものとなっている。
また、水結合材比が18.0%以下の超高強度領域においては、160N/mmを超える圧縮強度を得ることができ、従来の無収縮グラウト材と比べて圧縮強度に優れたものとなっている。
本発明の超高強度無収縮グラウト材硬化体によれば、20℃にて28日間、あるいは、5℃以上にてグラウト材の凝結が終結した後から60℃以上かつ80℃以下の加熱養生にて24時間、のいずれかの条件にて養生した場合の硬化体の圧縮強度を160N/mm以上としたので、水結合材比が18.0%以下の超高強度領域においても160N/mmを超える圧縮強度を容易に得ることができる。しかも、この圧縮強度は、長期に亘って保持することが可能であるから、長期信頼性に優れたものとなる。
したがって、従来の無収縮グラウト材を用いた場合と比べて圧縮強度に優れ、かつ長期信頼性に優れた超高強度無収縮グラウト材硬化体を提供することができる。
本発明の超高強度無収縮グラウト材及び超高強度無収縮グラウト材硬化体の最良の形態について説明する。
なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の超高強度無収縮グラウト材は、エーライト含有量が60重量%以上かつ70重量%以下でありかつブレーン比表面積が4000cm/g以上かつ6500cm/g以下のセメントAと、ビーライト含有量が35重量%以上かつ60重量%以下でありかつブレーン比表面積が3000cm/g以上かつ4000cm/g以下のセメントBと、膨張材と、BET法による比表面積が1m/g以上かつ20m/g以下のシリカ質微粉末とからなる水硬性結合材と、最大粒径が1.2mm以下、絶乾密度が2.90g/cm以上かつ吸水率が0.90%以下の人造高密度細骨材と、化学混和剤とを含有してなる超高強度無収縮グラウト材である。
ここで、本実施形態の超高強度無収縮グラウト材について、詳細に説明する。
セメントAとしては、エーライト(CS:3CaO・SiO/珪酸三カルシウム)含有量が60重量%以上かつ70重量%以下であり、かつブレーン比表面積が4000cm/g以上かつ6500cm/g以下の早強ポルトランドセメントまたは超早強ポルトランドセメントが挙げられる。
セメントBとしては、ビーライト(CS:2CaO・SiO/珪酸二カルシウム)含有量が35重量%以上かつ60重量%以下であり、かつブレーン比表面積が3000cm/g以上かつ4000cm/g以下の低熱ポルトランドセメントまたは中庸熱セメントが挙げられる。
本実施形態の超高強度無収縮グラウト材を得るためには、セメントAには安価な早強ポルトランドセメントを、セメントBにはビーライトを多く含有する低熱ポルトランドセメントを、使用することが特に好ましい。
また、このセメントAの水硬性結合材中の混合率は、5重量%以上かつ15重量%以下が好ましく、10重量%がより好ましい。
一方、セメントBの水硬性結合材中の混合率は、60重量%以上かつ70重量%以下が好ましく、65重量%がより好ましい。
セメントA及びBの水硬性結合材中の混合率が上記の範囲を外れた場合、無収縮グラウト材硬化体とした場合に、その圧縮強度が低下して160N/mm以上に保持することが困難になるからであり、また、場合によっては流動性が大幅に低下し、実用性が大幅に低下してしまうからである。
膨張材としては、日本工業規格JIS A 6202「コンクリート用膨張材」に適合するカルシウムサルフォアルミネート系(エトリンガイト系)、石灰−カルシウムサルフォアルミネート複合系の膨張材が好適に用いられる。
また、膨張材の水硬性結合材中の混合率は、3重量%以上かつ7重量%以下が好ましく、5重量%がより好ましい。
膨張材の水硬性結合材中の混合率が上記の範囲を外れた場合、この膨張材を含む無収縮グラウト材を養生・硬化して無収縮グラウト材硬化体とした場合に、その収縮量を保証できないか、あるいは異常膨張してしまうから好ましくない。
シリカ質微粉末は、BET法による比表面積が1m/g以上かつ20m/g以下のシリカ質微粉末、例えば、電融ジルコニアを製造する際に副生成物として得られるジルコニア起源シリカ質微粉末、ケイ素またはフェロシリコンを製造する際に副生成物として得られるシリカフューム、シリカガラスを製造する際に副生成物として得られるシリカ質微粉末、ケイ素または二酸化ケイ素から合成される非晶質シリカ質微粉末、粒径10μm以下に分級または微粉砕されポゾラン活性を高めたフライアッシュ等が挙げられる。
実際には、超高強度無収縮グラウト材に要求される仕様や価格を考慮した上で、上記の様々なシリカ質微粉末から1種を選択し、または2種以上を選択・混合して使用する。
特に、本実施形態の超高強度無収縮グラウト材に用いて好適なシリカ質微粉末としては、SiOの含有率が85%以上でありかつBET法による比表面積が1m/g以上かつ20m/g以下のジルコニア起源シリカ質微粉末、シリコン起源シリカフュームが挙げられる。
このシリカ質微粉末の水硬性結合材中の混合率は、10重量%以上かつ30重量%以下が好ましく、15重量%以上かつ20重量%以下がより好ましい。
このシリカ質微粉末の水硬性結合材中の混合率が上記の範囲を外れた場合、そのシリカ質微粉末を含む無収縮グラウト材を養生・硬化して無収縮グラウト材硬化体とした場合に、その圧縮強度が低下して160N/mm以上に保持することが困難になるからであり、また、場合によっては練混ぜが困難になり、実用性が大幅に低下してしまうからである。
このように、本実施形態の水硬性結合材は、上記のセメントA、セメントB、膨張材及びシリカ質微粉末を合わせたものである。
人造高密度細骨材は、超高強度発現性および高流動性を付与するための細骨材であり、硬度が高く、耐摩耗性に優れ、最大粒径が1.2mm以下、絶乾密度が2.90g/cm以上、吸水率が0.90%以下、好ましくは0.70%以下である。
ここで、この人造高密度細骨材の最大粒径、絶乾密度及び吸水率のうちいずれか1つが上記の範囲を外れると、その人造高密度細骨材を含む無収縮グラウト材を硬化体とした場合に、圧縮強度または流動性が大きく低下してしまうので好ましくない。
この人造高密度細骨材としては、例えば、フェロニッケルスラグ細骨材(日本工業規格JIS A 5011−2のFNS1.2適合品)、銅スラグ細骨材(日本工業規格JIS A 5011−3のCUS1.2適合品)、電気炉酸化スラグ細骨材(日本工業規格JIS A 5011−4のEFS1.2のNまたはH適合品)の群から選択される1種または2種以上を混合して使用することができる。
また、この人造高密度細骨材は、乾燥状態のものは、予め水硬性結合材や粉末状の化学混和剤等とプレミックスして使用することができるので好ましい。
本実施形態の超高強度無収縮グラウト材に占める人造高密度細骨材の単位容積及び水硬性結合材の単位容積の比率は、0.60以上かつ1.20以下が好ましく、より好ましくは0.80以上かつ1.00以下である。
この人造高密度細骨材の単位容積及び水硬性結合材の単位容積の比率が上記の範囲を外れると、無収縮グラウト材としての流動性が低下したり、あるいは、この無収縮グラウト材を養生・硬化して無収縮グラウト材硬化体とした場合に、その収縮が大きくなり、実用性が大幅に低下してしまうからである。
化学混和剤としては、減水率の高い一般的なポリカルボン酸系高性能減水剤、メラミンスルホン酸系高性能減水剤等の減水剤が好適に用いられ、必要に応じてポリオキシアルキレンアルキルエーテル系等の消泡剤を併用することが好ましい。
この減水剤の添加量は、超高強度無収縮グラウト材の目標とする流動性に合わせて適宜調整するが、一般的な添加量としては、セメントA及びB、膨張材及びシリカ質微粉末からなる水硬性結合材の全体量に対して0.3重量%以上かつ3.0重量%以下の範囲で添加することが好ましい。
また、消泡剤の添加量は、超高強度無収縮グラウト材の目標とする空気量に合わせて適宜調整するが、一般的な添加量としては、セメントA及びB、膨張材及びシリカ質微粉末からなる水硬性結合材の全体量に対して0.01重量%以上かつ0.1重量%以下の範囲で添加することが好ましい。
この化学混和剤(減水剤及び消泡剤)の形状としては、粉体状、液体状のいずれをも使用することができる。特に、粉体状のものは、予め水硬性結合材や乾燥させた人造高密度細骨材等とプレミックスして使用することができるので好ましい。
なお、本実施形態の超高強度無収縮グラウト材に種々の性能を付加するために、増粘剤、収縮低減剤、合成樹脂粉末、合成樹脂繊維、金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリマー、モノマー、オリゴマー、石灰石微粉末、流動化剤、凝結促進剤、凝結遅延剤の群から選択される1種または2種以上を添加しても良い。
次に、本実施形態の超高強度無収縮グラウト材硬化体について説明する。
本実施形態の超高強度無収縮グラウト材硬化体は、本実施形態の超高強度無収縮グラウト材を水結合材比18.0%以下にて水と混練し養生してなる超高強度無収縮グラウト材硬化体であり、この超高強度無収縮グラウト材硬化体の圧縮強度が、20℃にて28日間、あるいは、5℃以上にてグラウト材の凝結が終結した後から60℃以上かつ80℃以下の加熱養生にて24時間、のいずれかの条件にて養生した場合に160N/mm以上となる硬化体である。
上記の水結合材比、すなわち、上記のセメントA及びB、膨張材、シリカ質微粉末からなる水硬性結合材と練混ぜ水(化学混和剤は水とみなす)の重量比は、18.0%以下が好ましい。
ここで、この超高強度無収縮グラウト材の水結合材比を18.0%以下とした理由は、水結合材比が18.0%を超えると、この超高強度無収縮グラウト材を水と混練し養生することにより得られた超高強度無収縮グラウト材硬化体の圧縮強度が160N/mmを下回ってしまうからである。
この超高強度無収縮グラウト材を水結合材比18.0%以下にて水と混練し、得られたモルタルを、20℃にて28日間、あるいは、5℃以上にてグラウト材の凝結が終結した後から60℃以上かつ80℃以下の加熱養生にて24時間、のいずれかの条件にて養生し、超高強度無収縮グラウト材硬化体とする。
このようにして得られた超高強度無収縮グラウト材硬化体の圧縮強度は、常に160N/mm以上を保持している。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
ここでは、セメント、膨張材、シリカ質微粉末、人造高密度細骨材、天然細骨材、化学混和剤、消泡剤及び水として、下記のものを用いた。
「セメントA」
早強ポルトランドセメント(CS含有量64%、CS含有量7%、絶乾密度3.15g/cm、ブレーン比表面積4400cm/g、住友大阪セメント(株)製)(以下HCと略記)
「セメントB」
低熱ポルトランドセメント(CS含有量26%、CS含有量56%、絶乾密度3.24g/cm、ブレーン比表面積3400cm/g、住友大阪セメント(株)製)(以下LCと略記)
「膨張材」
カルシウムサルフォアルミネート系膨張材:SACS(絶乾密度2.93g/cm、ブレーン比表面積2900cm/g、住友大阪セメント(株)製)(以下、EXと略記)
「シリカ質微粉末」
ジルコニア起源シリカ質微粉末:SF−SILICAFUME(SiO含有量94.7%、絶乾密度2.26g/cm、BET比表面積9.1m/g、巴工業(株)社製)(以下、ZSFと略記)
「人造高密度細骨材A」
1.2mmフェロニッケルスラグ細骨材(JIS A 5011−2のFNS1.2適合品、最大粒径1.2mm以下、絶乾密度3.01g/cm、吸水率0.7%、FM:2.21)(以下、FNS1.2と略記)
「人造高密度細骨材B」
5mmフェロニッケルスラグ細骨材(JIS A 5011−2のFNS5適合品、最大粒径5mm以下、絶乾密度2.97g/cm、吸水率0.9%、FM:2.47)(以下、FNS5と略記)
「人造高密度細骨材C」
1.2mm銅スラグ細骨材(JIS A 5011−3のCUS1.2適合品、最大粒径1.2mm以下、絶乾密度3.35g/cm、吸水率0.9%、FM:2.24)(以下、CUS1.2と略記)
「人造高密度細骨材D」
5mm銅スラグ細骨材(JIS A 5011−3のCUS5適合品、最大粒径5mm以下、絶乾密度3.30g/cm、吸水率1.2%、FM:2.64)(以下、CUS5と略記)
「人造高密度細骨材E」
1.2mm電気炉酸化スラグ細骨材(JIS A 5011−4のEFS1.2N適合品、最大粒径1.2mm以下、絶乾密度3.52g/cm、吸水率1.0%、FM:2.89)(以下、EFS1.2と略記)
「人造高密度細骨材F」
5mm電気炉酸化スラグ細骨材(JIS A 5011−4のEFS5N適合品、最大粒径5mm以下、絶乾密度3.49g/cm、吸水率1.7%、FM:3.10)(以下、EFS5と略記)
「天然細骨材G」
愛知県産乾燥珪砂4号及び7号の混合砂(最大粒径1.2mm以下、絶乾密度2.66g/cm、吸水率0.7%、FM:2.46)(以下、SS1.2と略記)
「天然細骨材H」
千葉県産山砂(最大粒径1.2mm以下、絶乾密度2.56g/cm、吸水率2.28%、FM:2.18)(以下、HS1.2と略記)
「化学混和剤」
ポリカルボン酸系高性能減水剤:シーカメント1200N(日本シーカ(株)社製)(以下、SPと略記)
「消泡剤」
シーカアンチフォームW(日本シーカ(株)社製)
「水」
上水道水
上記のセメント、膨張材、シリカ質微粉末、人造高密度細骨材あるいは天然細骨材、高性能減水剤、消泡剤及び水を用いて、実施例及び比較例の超高強度無収縮グラウト材を作製した。
表1に、実施例及び比較例各々の超高強度無収縮グラウト材の組成を示す。
これらの超高強度無収縮グラウト材においては、全ての組成において目標空気量を2%の一定値とし、細骨材の種類、水結合材比、水硬性結合材の混合比率、細骨材及び水硬性結合材の単位容積比、化学混和剤の添加量を下記のとおりとした。
実施例1〜3及び比較例1〜5では、細骨材の種類が全て異なるが、水結合材比を18.0%、水硬性結合材中のセメントA(HC)の混合率を10重量%、セメントB(LC)の混合率を65重量%、膨張材(EX)の混合率を5重量%、シリカ質微粉末(ZSF)の混合率を20重量%、細骨材及び水硬性結合材の単位容積比を1.00、高性能減水剤(SP)の添加量を水硬性結合材に対して1.7重量%、消泡剤の添加量を水硬性結合材に対して0.06重量%とした。
実施例4では、水硬性結合材中のセメントA(HC)の混合率を5重量%、セメントB(LC)の混合率を70重量%とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
実施例5では、水硬性結合材中のセメントA(HC)の混合率を15重量%、セメントB(LC)の混合率を60重量%とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
比較例6では、水硬性結合材中のセメントA(HC)の混合率を0重量%、セメントB(LC)の混合率を75重量%とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
比較例7では、水硬性結合材中のセメントA(HC)の混合率を20重量%、セメントB(LC)の混合率を55重量%とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
比較例8では、水硬性結合材中のセメントA(HC)の混合率を12重量%、セメントB(LC)の混合率を78重量%、シリカ質微粉末(ZSF)の混合率を5重量%とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
比較例9では、水硬性結合材中のセメントA(HC)の混合率を8重量%、セメントB(LC)の混合率を52重量%、シリカ質微粉末(ZSF)の混合率を35重量%とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
比較例10では、水硬性結合材中のセメントA(HC)の混合率を10.7重量%、セメントB(LC)の混合率を69.3重量%、膨張材(EX)の混合率を0重量%とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
比較例11では、水硬性結合材中のセメントA(HC)の混合率を9.3重量%、セメントB(LC)の混合率を60.7重量%、膨張材(EX)の混合率を10重量%とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
比較例12では、細骨材及び水硬性結合材の単位容積比を1.30とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
比較例13では、細骨材及び水硬性結合材の単位容積比を0.50とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
比較例14では、水結合材比を20.0%、高性能減水剤(SP)の添加量を水硬性結合材に対して1.3重量%、消泡剤の添加量を水硬性結合材に対して0.05重量%とした以外は、実施例1と同じ条件とした。
なお、高性能減水剤及び消泡剤については、練混ぜ水とみなして水量を補正した。
Figure 2009196855
次に、実施例1〜5及び比較例1〜14各々の超高強度無収縮グラウト材の練混ぜ試験を行った。
20℃の恒温室内にて、表1に示す組成となるようにセメントA及びB、膨張材、シリカ質微粉末、細骨材、練混ぜ水、高性能減水剤及び消泡剤を容量20Lの硬質ポリエチレン容器に投入し、電動式ハンドミキサーを用いて90秒間、高速攪拌(練混ぜ)を行った。なお、1バッチの練混ぜ量は5Lの一定値とした。
練上がり後、直ちに、土木学会規準JSCE−F 541−1999「充てんモルタルの流動性試験方法」に準拠し、J14漏斗の流下時間を測定し、超高強度無収縮グラウト材の流動性を評価した。
また、実施例1〜5及び比較例1〜14各々の超高強度無収縮グラウト材を一定条件下で養生硬化させ、土木学会規準JSCE−F 542−1999「充てんモルタルのブリーディング率及び膨張率試験方法」に準拠し、超高強度無収縮グラウト材のブリーディング率及び膨張収縮率(材齢7日)、さらに各々の圧縮強度を測定した。
測定用の供試体として、直径50mm×高さ100mmの円柱供試体を18本ずつ作製した。これらの供試体は、水の蒸発を防ぐために、脱型する直前まで供試体の頭部をビニールフィルム及び輪ゴムで密封し、20℃の恒温室内にて注水24時間後まで封緘養生した。
これらの供試体のうち12本は、注水24時間後で脱型し、所定の材齢まで20℃の水中にて標準養生した。また、残りの6本は、注水24時間後から供試体の頭部を密封したまま型枠ごと70℃の温水中に浸漬して24時間加熱養生し、注水48時間後に温水から取り出し、空気中にて室温になるまで放冷した後、脱型した。
超高強度無収縮グラウト材硬化体の圧縮強度は、日本工業規格JIS A 1108「コンクリートの圧縮試験方法」に準じて測定した。ここでは、1材齢の供試体数を6本とし、測定した供試体数6本の圧縮強度データから変動係数を算出した。また、圧縮強度の測定材齢は、標準養生の場合は7日、28日の2種類とし、70℃にて加熱養生した場合は材齢2日とした。なお、全ての供試体について、圧縮試験を行う直前に両端面の研磨を行った。
実施例1〜5及び比較例1〜14各々のJ14漏斗の流下時間、ブリーディング率、圧縮強度及び膨張収縮率の測定結果を表2〜表4に示す。
Figure 2009196855
Figure 2009196855
Figure 2009196855
これらの測定結果によれば、実施例1〜3では、得られた無収縮グラウト材のJ14漏斗の流下時間が12〜13秒であり、流動性は良好であった。また、圧縮強度も20℃標準養生の材齢28日では168〜171N/mm、70℃加熱養生の材齢2日では182N/mmと非常に良好であった。特にFNS1.2を使用した実施例1の圧縮強度が最も高かった。
一方、比較例1〜3では、無収縮グラウト材の流動性は同等であったが、圧縮強度は、実施例1〜3より低かった。また、比較例4は珪砂を、比較例5は山砂を、それぞれ使用したために、無収縮グラウト材の流動性及び圧縮強度のいずれもが実施例1〜3より著しく低く、特に、20℃標準養生の材齢28日では、160N/mmを下回るものであった。
実施例4、5は、セメントA(HC)の混合率を5重量%または15重量%とした場合であるが、得られた無収縮グラウト材の流動性は良好であり、圧縮強度も20℃標準養生の材齢28日では167〜175N/mm、70℃加熱養生の材齢2日では175〜179N/mmと良好であった。
一方、比較例6では、セメントA(HC)の混合率を0重量%、セメントB(LC)の混合率を75重量%としたために、無収縮グラウト材の流動性は実施例1よりやや優れていたが、圧縮強度は実施例1より低く、特に70℃加熱養生の材齢2日で160N/mmを下回っていた。
比較例7では、セメントA(HC)の混合率を20重量%、セメントB(LC)の混合率を55重量%としたために、無収縮グラウト材の圧縮強度は実施例1よりやや優れていたが、流動性は実施例1より著しく低いものであった。
比較例8では、シリカ質微粉末(ZSF)の混合率を5重量%としたために、無収縮グラウト材の圧縮強度は実施例1より低く、20℃標準養生の材齢28日が160N/mmを下回っていた。さらに、流動性は劣悪で、J14漏斗を流下しなかった。
比較例9では、シリカ質微粉末(ZSF)の混合率を35重量%としたために、無収縮グラウト材の流動性は実施例1より良好であったが、圧縮強度は実施例1より低く、20℃標準養生の材齢28日が160N/mmを下回っていた。
比較例10では、膨張材(EX)の混合率を0重量%としたために、無収縮グラウト材の流動性及び圧縮強度は実施例1と同等であったが、材齢7日の膨張収縮率が−0.4%と大きく収縮しており、無収縮グラウト材の規格を外れたものであった。
比較例11では、膨張材(EX)の混合率を10重量%としたために、無収縮グラウト材の圧縮強度は実施例1と同等であったが、材齢7日の膨張収縮率が+0.9%と大きく膨張しており、無収縮グラウト材の品質として問題があるものであった。
比較例12では、無収縮グラウト材の圧縮強度は実施例1と同等であったが、細骨材及び水硬性結合材の単位容積比を1.30としたために、細骨材の量が多く、流動性は実施例1より著しく低いものであった。
比較例13では、無収縮グラウト材の流動性及び圧縮強度は実施例1と同等であったが、細骨材及び水硬性結合材の単位容積比を0.50としたために、結合材ペースト量が多く、材齢7日の膨張収縮率が−0.2%と収縮しており、無収縮グラウト材の規格を外れたものであった。
比較例14は、水結合材比を20.0%としたものであるが、無収縮グラウト材の流動性は実施例1より良好であったものの、圧縮強度は実施例1より低く、20℃にて標準養生した場合、160N/mmを下回っていた。
以上説明したように、最大粒径1.2mmの人造高密度細骨材(フェロニッケルスラグ細骨材、銅スラグ細骨材、電気炉酸化スラグ細骨材)を使用したグラウト材は、最大粒径5mmの人造高密度細骨材または最大粒径1.2mmの天然細骨材(珪砂、山砂)を使用したグラウト材より優れた流動性と圧縮強度が得られ、さらに圧縮強度の変動係数が大幅に小さいことが分かった。
セメントA(HC)の水硬性結合材に対する混合率が5重量%未満の場合は、グラウト材硬化体の圧縮強度が低く、また、セメントA(HC)の水硬性結合材に対する混合率が15重量%を超える場合は、練り上った直後のグラウト材の流動性が大きく低下し、いずれも実用性に問題があることが分かった。
膨張材(EX)の水硬性結合材に対する混合率が3重量%未満の場合では、グラウト材硬化体の収縮率が大きく、また、混合率が7重量%を超える場合では、反対にグラウト材硬化体の膨張率が大きくなり過ぎてしまい、実用性に問題があることが分かった。
シリカ質微粉末(ZSF)の水硬性結合材に対する混合率が10重量%未満の場合では、練混ぜが困難になって実用性が低下し、また、混合率が30重量%を超える場合では、グラウト材硬化体の圧縮強度の低下が大きいことが分かった。
細骨材及び水硬性結合材の単位容積比が0.6未満の場合では、グラウト材硬化体の収縮率が大きくなり、また、単位容積比が1.2を超える場合では、練り上がった直後のグラウト材の流動性が低下するため、実用性が大幅に低下することが分かった。
さらに、20℃における標準養生の材齢28日及び70℃における加熱養生の材齢2日のいずれにおいても、圧縮強度が160N/mmを上回るためには、水結合材比が18.0%以下であることが必須要件であることが分かった。
なお、ブリーディング率は、実施例1〜5、比較例1〜14のいずれにおいても規準を満足していた。

Claims (5)

  1. エーライト含有量が60重量%以上かつ70重量%以下でありかつブレーン比表面積が4000cm/g以上かつ6500cm/g以下のセメントAと、ビーライト含有量が35重量%以上かつ60重量%以下でありかつブレーン比表面積が3000cm/g以上かつ4000cm/g以下のセメントBと、膨張材と、BET法による比表面積が1m/g以上かつ20m/g以下のシリカ質微粉末とからなる水硬性結合材と、
    最大粒径が1.2mm以下、絶乾密度が2.90g/cm以上かつ吸水率が0.90%以下の人造高密度細骨材と、
    化学混和剤とを含有してなることを特徴とする超高強度無収縮グラウト材。
  2. 前記水硬性結合材は、前記セメントAを5重量%以上かつ15重量%以下、前記セメントBを60重量%以上かつ70重量%以下、前記膨張材を3重量%以上かつ7重量%以下、前記シリカ質微粉末を10重量%以上かつ30重量%以下の割合で混合してなることを特徴とする請求項1記載の超高強度無収縮グラウト材。
  3. 前記人造高密度細骨材は、フェロニッケルスラグ細骨材、銅スラグ細骨材、電気炉酸化スラグ細骨材の群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の超高強度無収縮グラウト材。
  4. 前記人造高密度細骨材の単位容積及び前記水硬性結合材の単位容積の比率は、0.60以上かつ1.20以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載の超高強度無収縮グラウト材。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の超高強度無収縮グラウト材を水結合材比18.0%以下にて水と混練し養生してなる超高強度無収縮グラウト材硬化体であって、
    この超高強度無収縮グラウト材硬化体の圧縮強度は、20℃にて28日間、あるいは、5℃以上にてグラウト材の凝結が終結した後から60℃以上かつ80℃以下の加熱養生にて24時間、のいずれかの条件にて養生した場合、160N/mm以上であることを特徴とする超高強度無収縮グラウト材硬化体。
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