JP2009196284A - 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 Download PDF

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Mitsuharu Kaneko
満晴 金子
Junichi Ogawa
淳一 小川
Yukinori Nakajima
之典 中島
Tsuguhisa Miyamoto
嗣久 宮本
Masatoshi Shinomori
正利 篠森
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Abstract

【課題】成形型をコアバックして発泡樹脂成形品を成形する場合に生じる、キャビティに充填した発泡性樹脂の縁部がコアバック中に成形品の内方へ縮退することに起因する発泡樹脂成形品の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題を抑制する。
【解決手段】固定型31と移動型32とで形成したキャビティ33に溶融状態の発泡性樹脂40を充填した後、移動型32をキャビティ容積が増大する方向にコアバックして発泡樹脂成形品50を成形する場合に、移動型32をコアバックした後、型開きする前に、移動型32をキャビティ容積が減少する反コアバック方向に圧縮動させて、キャビティ33内の発泡性樹脂40を発泡状態が維持される範囲内で圧縮し、発泡性樹脂40の縁部をコアバック中にキャビティ33内に発生したキャビティ縁部の空隙93側へ押し出す。
【選択図】図4

Description

本発明は、発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置に関し、樹脂成形の技術分野に属する。
従来、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂やPP(ポリプロピレン)樹脂等を材料にして射出成形等により成形された樹脂成形品が自動車部品等に採用されている。その場合に、断熱性、軽量性、衝撃吸収性等の観点から、樹脂成形品を、例えば二酸化炭素や窒素等の物理発泡剤あるいは炭酸水素ナトリウム等の化学発泡剤を用いて樹脂中に気泡を生成させた多孔質構造の発泡樹脂成形品とすることがある。
このような発泡樹脂成形品は、例えば特許文献1に記載されているように、成形型のキャビティに溶融状態の発泡性樹脂(溶融状態の基材樹脂に未発泡の発泡剤を混合した発泡前の樹脂)を充填した後、少なくとも成形型の一部、例えば、固定型全体、移動型全体、固定型の一部、移動型の一部、又はこれらの組合せをキャビティ容積が増大する方向、より詳しくは、成形品の厚みが増大する方向に移動(コアバック)させて発泡性樹脂の発泡を促進することにより成形される。
このようにして成形された発泡樹脂成形品は、コアバック方向から見たときの形状(以下、便宜上「平面形状」ということがある)がキャビティ形状を維持しつつ、コアバック方向と直交する方向から見たときの形状、すなわち厚みが成形型のコアバックと樹脂の発泡とによりコアバック前に比べて数倍に膨張したものとなる。
特開平11−156881(段落0031)
ところが、本発明者等が成形型のコアバックによる発泡樹脂成形品の成形について詳細に研究・検討していたところ、成形後の発泡樹脂成形品の平面形状の縁部、より具体的には、成形品の外周の縁部をはじめ、成形品の外周に部分的に設けられた切欠きの縁部、あるいは成形品の外周から切り離して成形品の中に設けられた開口の周縁部等が、成形品の肉のある内方へ縮退し、その結果、成形品の平面形状での全体の大きさが目標の大きさよりも小さくなり、開口や切欠きの平面形状での大きさが目標の大きさよりも大きくなるという発泡樹脂成形品の形状不良の問題に遭遇した。
その結果、発泡樹脂成形品の平面形状での寸法精度が低下し、例えば、開口を利用して成形品を相手部材に嵌合しようとしても嵌合が外れたり、切欠きを利用して成形品を相手部材に嵌合や位置決めしようとしてもガタが生じてしまうのである。
このような現象はおよそ次のような原因で起こると考えられる。すなわち、溶融状態の発泡性樹脂をキャビティに充填した後のコアバック時に、キャビティ内の発泡性樹脂の表層部(成形型のキャビティ形成面に接する部分)が十分な伸張性を有していれば、発泡性樹脂は内部の発泡により膨張し、表層部がその発泡内部からの圧力を受けてキャビティ形成面に押し付けられ、コアバックによってキャビティ容積が増大しても、その増大するキャビティに表層部が追従して、コアバック後のキャビティ形状を維持した発泡樹脂成形品が得られることとなる。
ところが、現実には、コアバックを開始する際ないしコアバック中に、成形型のキャビティ形成面に接する発泡性樹脂の表層部が冷却されて伸張性が低下し、内部からの発泡圧力を受けても膨張し難い状態となっている。その結果、コアバックに伴い容積が増大するキャビティに表層部が十分に追従せず、内部からの発泡圧力の受圧面積が相対的に小さい面、つまり成形品の厚みを構成する外周縁部の端面や切欠き縁部の端面あるいは開口周縁部の端面等がコアバック中に成形品の内方へ引き込まれるように移動して縮退するのである。このとき、発泡性樹脂の縁部が縮退した跡として、キャビティ内のキャビティ縁部に空隙が発生することとなる。
本発明は、成形型をコアバックして発泡樹脂成形品を成形する場合に生じる前記問題に対処するもので、キャビティに充填した発泡性樹脂の縁部がコアバック中に成形品の内方へ縮退することに起因する発泡樹脂成形品の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題を抑制することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明では次のような手段を用いる。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、成形型のキャビティに溶融状態の発泡性樹脂を充填する充填工程と、この充填工程の後、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が増大する方向に移動させて発泡性樹脂の発泡を促進するコアバック工程とを有する発泡樹脂成形品の成形方法であって、前記コアバック工程の後、型開き前に、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が減少する方向に移動させてキャビティ内の発泡性樹脂を発泡状態が維持される範囲内で圧縮し、該発泡性樹脂の縁部を前記コアバック工程中にキャビティ内に発生したキャビティ縁部の空隙側へ押し出す圧縮工程が備えられていることを特徴とする。
ここで、「発泡性樹脂の縁部」とは、キャビティ内の発泡性樹脂をコアバック方向から見たときの縁部であって、発泡樹脂成形品の平面形状での縁部を構成することとなる部分である。また、「キャビティ縁部」とは、キャビティをコアバック方向から見たときのキャビティ内の縁部であって、発泡樹脂成形品の平面形状での縁部を成形する部分である。
また、「少なくとも成形型の一部」とは、例えば、固定型全体、移動型全体、固定型の一部、移動型の一部、又はこれらの組合せである。その場合に、コアバック工程で移動させる「少なくとも成形型の一部」と、圧縮工程で移動させる「少なくとも成形型の一部」とは、同じでもよいし、異なっていても構わない。
次に、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、前記成形型として、固定型と移動型の少なくとも一方に発泡樹脂成形品の縁部を成形する分割型が備えられたものを用い、前記圧縮工程では、前記分割型のみをキャビティ容積が減少する方向に移動させることを特徴とする。
ここで、「発泡樹脂成形品の縁部」とは、発泡樹脂成形品をコアバック方向から見たときの縁部である。
次に、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、前記圧縮工程では、発泡性樹脂の縁部がキャビティ縁部の空隙に充満するまで少なくとも成形型の一部又は分割型のみをキャビティ容積が減少する方向に移動させることを特徴とする。
次に、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、前記コアバック工程中にキャビティ内に空隙が発生するキャビティ縁部は、発泡樹脂成形品の外周に設けられた切欠きの縁部を成形するキャビティ縁部及び/又は発泡樹脂成形品の中に設けられた開口の周縁部を成形するキャビティ縁部であることを特徴とする。
次に、本願の請求項5に記載の発明は、前記請求項1から4のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、前記溶融状態の発泡性樹脂は、溶融状態の基材樹脂に物理発泡剤を混合したものであることを特徴とする。
次に、本願の請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、前記物理発泡剤は、超臨界状態の流体であることを特徴とする。
一方、本願の請求項7に記載の発明は、成形型のキャビティに溶融状態の発泡性樹脂を充填する充填手段と、この充填手段による発泡性樹脂の充填の後、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が増大する方向に移動させて発泡性樹脂の発泡を促進するコアバック手段とを有する発泡樹脂成形品の成形装置であって、前記コアバック手段によるコアバックの後、型開き前に、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が減少する方向に移動させてキャビティ内の発泡性樹脂を発泡状態が維持される範囲内で圧縮し、該発泡性樹脂の縁部を前記コアバック手段によるコアバック中にキャビティ内に発生したキャビティ縁部の空隙側へ押し出す圧縮手段が備えられていることを特徴とする。
ここで、「発泡性樹脂の縁部」とは、キャビティ内の発泡性樹脂をコアバック方向から見たときの縁部であって、発泡樹脂成形品の平面形状での縁部を構成することとなる部分である。また、「キャビティ縁部」とは、キャビティをコアバック方向から見たときのキャビティ内の縁部であって、発泡樹脂成形品の平面形状での縁部を成形する部分である。
また、「少なくとも成形型の一部」とは、例えば、固定型全体、移動型全体、固定型の一部、移動型の一部、又はこれらの組合せである。その場合に、コアバック手段が移動させる「少なくとも成形型の一部」と、圧縮手段が移動させる「少なくとも成形型の一部」とは、同じでもよいし、異なっていても構わない。
次に、本願の請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、前記成形型は、固定型と移動型の少なくとも一方に発泡樹脂成形品の縁部を成形する分割型が備えられ、前記圧縮手段は、前記分割型のみをキャビティ容積が減少する方向に移動させることを特徴とする。
ここで、「発泡樹脂成形品の縁部」とは、発泡樹脂成形品をコアバック方向から見たときの縁部である。
次に、本願の請求項9に記載の発明は、前記請求項7又は8に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、前記圧縮手段は、発泡性樹脂の縁部がキャビティ縁部の空隙に充満するまで少なくとも成形型の一部又は分割型のみをキャビティ容積が減少する方向に移動させることを特徴とする。
次に、本願の請求項10に記載の発明は、前記請求項7から9のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、前記コアバック手段によるコアバック中にキャビティ内に空隙が発生するキャビティ縁部は、発泡樹脂成形品の外周に設けられた切欠きの縁部を成形するキャビティ縁部及び/又は発泡樹脂成形品の中に設けられた開口の周縁部を成形するキャビティ縁部であることを特徴とする。
次に、本願の請求項11に記載の発明は、前記請求項7から10のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、前記溶融状態の発泡性樹脂は、溶融状態の基材樹脂に物理発泡剤を混合したものであることを特徴とする。
次に、本願の請求項12に記載の発明は、前記請求項11に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、前記物理発泡剤は、超臨界状態の流体であることを特徴とする。
まず、請求項1、請求項7に記載の発明によれば、成形型をコアバックして発泡樹脂成形品を成形する場合において、成形型をコアバックした後、型開きする前に、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が減少する方向、換言すれば、反コアバック方向に移動させて、キャビティ内の発泡性樹脂を発泡状態が維持される範囲内で圧縮し、該発泡性樹脂の縁部をコアバック中にキャビティ内に発生したキャビティ縁部の空隙側へ押し出すようにしたから、その押し出した分、コアバック中に縮退したキャビティ内の発泡性樹脂の縁部が前記空隙側へ進出することとなる。したがって、たとえコアバック中に発泡性樹脂の縁部が成形品の内方へ縮退しても、その縮退に起因する発泡樹脂成形品の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題が抑制されることとなる。
その場合に、請求項2、請求項8に記載の発明によれば、成形型として、固定型と移動型の少なくとも一方に発泡樹脂成形品の縁部を成形する分割型が備えられたものを用い、この分割型のみをキャビティ容積が減少する方向(反コアバック方向)に移動(圧縮動)させるようにしたから、例えば固定型や移動型の全体を圧縮動させる場合よりも、縮退の問題が起きる発泡性樹脂の縁部のみを効率よく圧縮し、該発泡性樹脂の縁部をキャビティ縁部の空隙側へ効率よく押し出すことが可能となる。
さらに、請求項3、請求項9に記載の発明によれば、発泡性樹脂の縁部がキャビティ縁部の空隙に充満するまで型を圧縮動させるようにしたから、成形された発泡樹脂成形品をコアバック方向から見たときの全体の大きさが目標の大きさに一致し、開口や切欠きの大きさが目標の大きさに一致して、発泡樹脂成形品の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題が確実に解消されることとなる。
次に、請求項4、請求項10に記載の発明によれば、成形品の外周に設けられた切欠き及び/又は成形品の中に設けられた開口の大きさが目標の大きさよりも大きくなるという形状不良の問題が低減又は解消され、ひいては前記切欠き及び/又は開口の平面形状での寸法精度の高い発泡樹脂成形品が得られて、前記開口を利用しての成形品と相手部材との嵌合や、前記切欠きを利用しての成形品と相手部材との嵌合及び位置決め等が良好に行えることとなる。
次に、請求項5、請求項11に記載の発明によれば、発泡剤として物理発泡剤を用いるようにしたから、例えば化学発泡剤等を用いる場合に比べて発泡倍率が高く、コアバック距離が長く、発泡性樹脂の縁部の縮退がより起こり易い状況でありながら、その縮退に起因する発泡樹脂成形品の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題が抑制されることとなる。また、例えば化学発泡剤等を用いる場合に比べて、発泡樹脂成形品の内部の発泡セル径を相対的に小さな径に揃えることができ、発泡樹脂成形品の剛性等の物性を向上させることが可能となる。
その場合に、請求項6、請求項12に記載の発明によれば、物理発泡剤として超臨界状態の流体を用いるようにしたから、発泡倍率がさらに高く、コアバック距離がさらに長く、発泡性樹脂の縁部の縮退がより一層起こり易い状況でありながら、その縮退に起因する発泡樹脂成形品の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題が抑制されることとなる。また、発泡樹脂成形品の内部の発泡セル径をより一層微細な径に揃えることができ、発泡樹脂成形品の剛性等の物性をより一層向上させることが可能となる。以下、発明の最良の実施の形態を通して本発明をさらに詳しく説述する。
図1は、本発明の最良の実施形態に係る発泡樹脂成形品50の成形装置10の全体構成図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック(図中「CB」と記している)工程を示すもの、(c)は本発明の特徴である圧縮工程を示すものである。この成形装置10は、充填手段である射出機20と、成形型30とを備えている。この成形装置10を用いて行う発泡樹脂成形品50の成形動作は、本発明に係る発泡樹脂成形品50の成形方法を構成する。
射出機20は、図1(a)のように型締め状態の成形型30のキャビティ33に、物理発泡剤を含有させた溶融状態の発泡性樹脂40を射出、充填するもので、シリンダ内に例えばPP樹脂等の基材樹脂を投入するためのホッパ21と、シリンダ内で混錬された溶融状態の基材樹脂に対して物理発泡剤としての超臨界状態の流体を供給するためのノズル24とを備えている。超臨界状態の流体は、二酸化炭素又は窒素等の不活性ガスのボンベ22から超臨界流体発生装置23を介して生成される。これにより、溶融状態の基材樹脂に物理発泡剤を混合した溶融状態の発泡性樹脂40が得られる。この発泡性樹脂40は、固定型31に形成された供給通路を経て、型締め状態の成形型30のキャビティ33に射出、充填される。
ここで、超臨界状態の流体とは、気体と液体とが共存できる限界の温度(臨界温度)及び圧力(臨界圧力)を超えた状態にある流体のことで、前記臨界温度は、例えば二酸化炭素で31℃、窒素でマイナス147℃であり、前記臨界圧力は、例えば二酸化炭素で7.4MPa、窒素で3.4MPaである。超臨界状態にある流体は、密度が液体に近似し、流動性が気体に類似する。その結果、溶融状態の基材樹脂中を活発に移動して、樹脂分子の奥深くまで均一に拡散、浸透し、微細発泡の種ないし核になり得るものである。
成形型30は、相互に型締め及び型開きする固定型31と移動型32とで構成されている。移動型32は、型締め及び型開きのために移動する他、キャビティ33の容積が増大する方向(図1において左方向)にコアバック可能、及びキャビティ33の容積が減少する方向(図1において右方向:反コアバック方向)に圧縮動可能に構成されている。そして、移動型32をそのように移動させるためのコアバック手段及び圧縮手段である油圧装置90が備えられている。特に、この移動型32のコアバックにより、内部で発泡セルが成長し、断熱性、軽量性、衝撃吸収性等に優れた多孔質構造の発泡樹脂成形品50が成形されることとなる。
図2は、前記成形装置10で成形された発泡樹脂成形品50の使用例を示す斜視図である。本実施形態の発泡樹脂成形品50は自動車部品であって、相手部材60であるインスツルメントパネルの裏面に組み付けられるベンチレーションダクトである。発泡樹脂成形品50は、外周50xから切り離して成形品50の中に設けられた開口51を有している。そして、その開口51を利用して相手部材60のクリップ爪61に嵌合され、組み付けられる。
次に、図3は、同じく発泡樹脂成形品50の別の使用例を示す斜視図である。この場合、発泡樹脂成形品50は、外周50xに部分的に設けられた切欠き52を有している。そして、その切欠き52を利用して相手部材60の嵌合突起62に嵌合され、位置決めされる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。
まず、図10を参照して、従来一般に成形型をコアバックして発泡樹脂成形品50を成形する場合に生じる問題を、開口51を有する発泡樹脂成形品50を例にして説明する。
図10(a)に示すように、発泡樹脂成形品50の開口51を成形するため、固定型31におけるキャビティ形成面の所定の部位には凹部31aが形成され、移動型32におけるキャビティ形成面の対応する部位には凸部32aが形成されて、凸部32aが凹部31aに突入している。そして、型締め状態の固定型31と移動型32とで形成されるキャビティ33に発泡性樹脂40が充填される(充填工程)。
その後、図10(b)に示すように、キャビティ33の容積が増大する方向、より詳しくは、成形品50の厚みが増大する方向に移動型32がコアバックされる(コアバック工程)。この結果、コアバック方向(図例では上下方向)から見たときの形状がキャビティ形状を維持しつつ、コアバック方向と直交する方向(図例では例えば左右方向)から見たときの形状(すなわち厚み)がコアバック前に比べて数倍に膨張した発泡樹脂成形品50が得られることとなる。
発泡樹脂成形品50は、固定型31及び移動型32のキャビティ形成面に接する表層部91が、発泡セルが成長した発泡内部92を被覆した構造を有している。特に、図例では、移動型32の凸部32aの側面(縦面)に接する樹脂部分が開口51の周縁部(以下、縁部又は周縁部については、コアバック方向から見たときの縁部又は周縁部である。)の端面を形成することとなる。
ところが、現実には、コアバックを開始する際ないしコアバック中に、キャビティ形成面に接する表層部91が冷却されて伸張性が低下し、発泡内部92からの発泡圧力を受けても膨張し難い状態となっている。その結果、図10(c)に示すように、コアバックに伴い容積が増大するキャビティ33に表層部91が十分に追従せず、発泡内部92からの発泡圧力の受圧面積が相対的に小さい面、つまり成形品50の厚みを構成する開口51の周縁部の端面がコアバック時に成形品50の内方へ引き込まれるように移動して縮退するのである。
このとき、発泡性樹脂40の縁部が縮退した跡として、キャビティ33内のキャビティ縁部、より詳しくは、開口51の周縁部の端面と、移動型32の凸部32aの側面(縦面)との間に、空隙93が発生する。
これにより、図11に鎖線で示すように、開口51の平面形状での大きさが目標の大きさ(実線で示す)よりも大きくなってしまい、開口51を利用して成形品50を相手部材60に嵌合し、組み付けようとしても、クリップ爪61が開口51から外れてしまうという不具合が生じるのである。
図10に示す例は、開口51の周縁部が縮退する場合を示したが、同様の問題は、発泡樹脂成形品50の平面形状の他の縁部、例えば、成形品50の外周50xの縁部や、成形品50の外周50xに部分的に設けられた切欠き52の縁部においても起きる。
外周50xの縁部が縮退した場合は、同じく図11に鎖線で示すように、成形品50の平面形状での全体の大きさが目標の大きさ(実線で示す)よりも小さくなってしまう。
切欠き52の縁部が縮退した場合は、同じく図11に鎖線で示すように、切欠き52の平面形状での大きさが目標の大きさ(実線で示す)よりも大きくなってしまい、切欠き52を利用して成形品50を相手部材60に嵌合し、位置決めしようとしても、嵌合突起62が切欠き52から外れたりガタついたりするという不具合が生じるのである。
そこで、本実施形態では、図10(b)に例示した発泡樹脂成形品50、すなわち、平面形状がキャビティ形状を維持し、開口51の平面形状での大きさが目標の大きさである理想の発泡樹脂成形品50を得るために、コアバック工程の後、型開きの前に、図4(c)に示すように、圧縮工程を追加するようにした。
この圧縮工程は、図4の第1の実施形態においては、油圧装置90により、コアバック工程でキャビティ33の容積が増大する方向(図4において上方向)にコアバックさせた移動型32全体を、同じく油圧装置90により、キャビティ33の容積が減少する方向(図4において下方向)に圧縮動させて、キャビティ33内で発泡状態にある発泡性樹脂40をその発泡状態が維持される範囲内で圧縮し、これにより、成形品50の開口51を構成することとなる発泡性樹脂40の縁部を、コアバック工程中にキャビティ33内に発生したキャビティ縁部の空隙93の側へ押し出すことを図った工程である(なお、図1も第1の実施形態を示している)。
ここで、図4(a)の充填工程は図10(a)に同じであり、図4(b)のコアバック工程は図10(c)に同じであるから、ここでは説明を繰り返さない。
図4(c)の圧縮工程では、前述したように、いったんコアバックさせた移動型32全体を反コアバック方向に移動させる。このときの圧縮動距離は、コアバック距離よりも短くする。ただし、圧縮動距離を過度に短くすると、発泡性樹脂40の縁部の空隙93側への押出し量が不足して、開口51の平面形状での大きさが目標の大きさよりも大きくなるという問題が十分に解消されなくなる。
最も好ましくは、図4(c)に示したように、キャビティ33内で発泡状態にある発泡性樹脂40の縁部がキャビティ縁部の空隙93に充満するまで、移動型32全体を反コアバック方向に移動させることである。
以上により、本実施形態では、移動型32をコアバックして発泡樹脂成形品50を成形する場合において、移動型32をコアバックした後、成形型30を型開きする前に、移動型32をキャビティ容積が減少する方向、換言すれば、反コアバック方向に移動させて、キャビティ33内の発泡性樹脂40を発泡状態が維持される範囲内で圧縮し、該発泡性樹脂40の縁部(成形品50の外周50xを構成することとなる縁部、開口51を構成することとなる縁部、又は切欠き52を構成することとなる縁部等)を、コアバック中にキャビティ33内に発生したキャビティ縁部の空隙93側へ押し出すようにしたから、その押し出した分、コアバック中に縮退したキャビティ33内の発泡性樹脂40の前記縁部が前記空隙93側へ進出することとなる。したがって、たとえコアバック中に発泡性樹脂40の前記縁部が成形品50の内方へ縮退しても、その縮退に起因する発泡樹脂成形品50の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題が抑制されることとなる。
その場合に、図4(c)のように、発泡性樹脂40の前記縁部がキャビティ縁部の空隙93に充満するまで移動型32を圧縮動させたときには、成形された発泡樹脂成形品50をコアバック方向から見たときの全体の大きさが目標の大きさに一致し、開口51や切欠き52の大きさが目標の大きさに一致して、発泡樹脂成形品50の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題が確実に解消されることとなる。
そして、成形品50の中に設けられた開口51や成形品50の外周に設けられた切欠き52の大きさが目標の大きさよりも大きくなるという形状不良の問題が低減又は解消されることで、前記開口51や切欠き52の平面形状での寸法精度の高い発泡樹脂成形品50が得られて、前記開口51を利用しての成形品50と相手部材60との嵌合や、前記切欠き52を利用しての成形品50と相手部材60との嵌合及び位置決め等が良好に行えることとなる。
さらに、図1に示した前記ボンベ22、前記超臨界流体発生装置23、及び前記ノズル24を介して溶融状態の基材樹脂に物理発泡剤を混合することにより、キャビティ33に充填する溶融状態の発泡性樹脂40を作製するようにしたから、例えば化学発泡剤等に比べて発泡倍率が高く、コアバック距離が長く、成形品50の縁部の縮退がより起こり易い状況でありながら、その縮退に起因する発泡樹脂成形品50の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題が抑制されることとなる。また、例えば化学発泡剤等に比べて、発泡樹脂成形品50の内部の発泡セル径を相対的に小さな径に揃えることができ、発泡樹脂成形品50の剛性等の物性を向上させることが可能となる。
特に、本実施形態では、前記物理発泡剤として超臨界状態の流体を基材樹脂に混合するようにしたから、発泡倍率がさらに高く、コアバック距離がさらに長く、成形品50の縁部の縮退がより一層起こり易い状況でありながら、その縮退に起因する発泡樹脂成形品50の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題が抑制されることとなる。また、発泡樹脂成形品50の内部の発泡セル径をより一層微細な径に揃えることができ、発泡樹脂成形品50の剛性等の物性をより一層向上させることが可能となる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。
第1実施形態と異なる点は、移動型32に分割型32xを備えた点である。この分割型32xは、発泡樹脂成形品50の縁部を成形するものである。そして、油圧装置90は、移動型32と分割型32xとをそれぞれ個別に移動させることが可能になっており、圧縮工程では、図5(c)に示すように、分割型32xのみを圧縮動させる。その他の構成は第1実施形態とほぼ同様である。例えば、コアバック工程では、図5(b)に示すように、移動型32と分割型32xとを同時一体にコアバックさせる。
この第2実施形態においては、第1実施形態と同様の作用が得られる他、移動型32全体を圧縮動させる場合よりも、縮退の問題が起きる発泡性樹脂40の縁部のみを効率よく圧縮することができ、ひいては発泡性樹脂40の縁部をキャビティ縁部の空隙93側へ効率よく押し出すことができるという利点がある。
次に、図6は、本発明の第3の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。
第2実施形態と異なる点は、図6(a)の充填工程の段階で、先に分割型32xをコアバック後の位置に移動させておき、図6(b)のコアバック工程では、移動型32のみをコアバックさせる点である。その他の構成は第2実施形態とほぼ同様である。例えば、圧縮工程では、図6(c)に示すように、分割型32xのみを圧縮動させる。
この第3実施形態では、分割型32xが最初からコアバック後の位置に移動しているので、充填時のキャビティ容積が相対的に大きく、最初の発泡性樹脂40の充填量が相対的に増え、その結果、第2実施形態よりも、同じ容積の成形品50であって膨張率の低い成形品50が得られる。したがって、基材樹脂に混合する発泡剤として、発泡倍率の相対的に低い化学発泡剤等を使用する場合に好適である。
次に、図7は、本発明の第4の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。
第2実施形態や第3実施形態と異なる点は、図7(c)の圧縮工程の後に得られる発泡樹脂成形品50の縁部に段差がつかず、面一になる点である。そのために、図7(a)の充填工程では、分割型32xを移動型32よりもコアバック方向に所定距離ずらしておき、図7(b)のコアバック工程では、移動型32と分割型32xとを同時一体にコアバックさせる。そして、図7(c)の圧縮工程では、分割型32xを移動型32と面一になるまで圧縮動させる。
この第4実施形態では、縁部に段差が残らない発泡樹脂成形品50が得られるから、縁部に応力集中が起こることを回避することができる。その結果、相手部材60と嵌合された開口51の周縁部や、相手部材60と位置決めされた切欠き52の縁部に、ひび割れや破損が発生することを低減することができる。
発泡樹脂成形品50の縁部に段差を残さない別の例が図8に示す本発明の第5実施形態である。第4実施形態と異なる点は、図8(b)のコアバック工程では、移動型32のみをコアバックさせる点である。そして、図8(c)の圧縮工程では、分割型32xのみを圧縮動させて移動型32と面一にするから、図8(a)の充填工程では、分割型32xを、移動型32のコアバック後の位置よりもさらにコアバック方向に後退した位置まで移動させている。
その結果、第3実施形態と類似して、充填時のキャビティ容積が相対的に大きく、最初の発泡性樹脂40の充填量が相対的に増えるので、第4実施形態よりも、同じ容積の成形品50であって膨張率の低い成形品50が得られる。したがって、基材樹脂に混合する発泡剤として、発泡倍率の相対的に低い化学発泡剤等を使用する場合に好適である。
次に、図9は、本発明の第6の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。
この第6実施形態では、移動型32の凸部32aの側面(縦面)が、図4の第1実施形態のように全部がコアバック方向に平行ではなく、凸部32aの基部が先端部よりも太くなって、凸部32aの側面(縦面)の一部が、基部において傾斜面32yとされている。
これにより、図9(b)に示すように、コアバック工程中に縮退した発泡性樹脂40の端面の形状が比較的平坦な形状となる。これに対し、図4(b)に示すように、移動型32の凸部32aの側面(縦面)の全体がコアバック方向に平行であると、コアバック工程中に縮退した発泡性樹脂40の端面の形状が粗くなる。したがって、この第6実施形態では、特に、圧縮工程で発泡性樹脂40の縁部をキャビティ縁部の空隙93に充満させない場合に、発泡樹脂成形品50の縁部の仕上がりが良好になるという利点がある。
なお、以上の図4〜図9に示す例は、特に、成形品50の開口51を形成するための凹部31aや凸部32aの周辺を示したが、成形品50の外周50xや切欠き52を形成する場合もこれに準じて同様である。
その場合、固定型31に凸部を設け、移動型32に凹部を設けてもよい。
また、以上において、移動型32に代えて、固定型31、移動型32の一部、固定型31の一部、あるいはこれらを組合せて移動させることにより、コアバックを行うようにすることもできる。
また、分割型を固定型31に備えてもよく、あるいは固定型31と移動型32の両方に備えてもよい。
さらに、コアバック工程でコアバックさせる型と、圧縮工程で圧縮動させる型とが異なっていても構わない。
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明は、成形型のキャビティに溶融状態の発泡性樹脂を充填した後、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が増大する方向にコアバックさせて発泡性樹脂の発泡を促進し、これにより発泡樹脂成形品を成形する場合に、前記コアバックの後、型開き前に、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が減少する方向に圧縮動させてキャビティ内の発泡性樹脂を発泡状態が維持される範囲内で圧縮し、該発泡性樹脂の縁部を前記コアバック中にキャビティ内に発生したキャビティ縁部の空隙側へ押し出すようにし、これにより、成形型をコアバックして発泡樹脂成形品を成形する場合に生じる成形品縁部の成形品内方への縮退に起因する、発泡樹脂成形品の形状不良の問題ないし平面形状での寸法精度低下の問題を抑制することが可能な技術であるから、樹脂成形の技術分野において広範な産業上の利用可能性が期待される。
本発明の最良の実施形態に係る発泡樹脂成形品の成形装置の全体構成図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。 前記成形装置で成形された発泡樹脂成形品の使用例を示す斜視図である。 図2に類似して、前記成形装置で成形された発泡樹脂成形品の別の使用例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。 本発明の第2の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。 本発明の第3の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。 本発明の第4の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。 本発明の第5の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。 本発明の第6の実施形態に係る成形型の要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)はコアバック工程を示すもの、(c)は圧縮工程を示すものである。 従来一般の発泡樹脂成形品の成形動作を示す要部断面拡大図であって、(a)は充填工程を示すもの、(b)は理想とするコアバック工程を示すもの、(c)は現実のコアバック工程を示すものである。 図10(c)の現実のコアバック工程の結果得られた発泡樹脂成形品の問題点を示す平面図である。
符号の説明
10 成形装置
20 射出機(充填手段)
24 超臨界流体供給ノズル
30 成形型
31 固定型
32 移動型
32x 分割型
33 キャビティ
40 発泡性樹脂
50 発泡樹脂成形品
50x 外周
51 開口
52 切欠き
90 油圧装置(コアバック手段、圧縮手段)
91 表層部
92 発泡内部
93 空隙

Claims (12)

  1. 成形型のキャビティに溶融状態の発泡性樹脂を充填する充填工程と、
    この充填工程の後、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が増大する方向に移動させて発泡性樹脂の発泡を促進するコアバック工程とを有する発泡樹脂成形品の成形方法であって、
    前記コアバック工程の後、型開き前に、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が減少する方向に移動させてキャビティ内の発泡性樹脂を発泡状態が維持される範囲内で圧縮し、該発泡性樹脂の縁部を前記コアバック工程中にキャビティ内に発生したキャビティ縁部の空隙側へ押し出す圧縮工程が備えられていることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  2. 前記請求項1に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、
    前記成形型として、固定型と移動型の少なくとも一方に発泡樹脂成形品の縁部を成形する分割型が備えられたものを用い、
    前記圧縮工程では、前記分割型のみをキャビティ容積が減少する方向に移動させることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  3. 前記請求項1又は2に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、
    前記圧縮工程では、発泡性樹脂の縁部がキャビティ縁部の空隙に充満するまで少なくとも成形型の一部又は分割型のみをキャビティ容積が減少する方向に移動させることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  4. 前記請求項1から3のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、
    前記コアバック工程中にキャビティ内に空隙が発生するキャビティ縁部は、発泡樹脂成形品の外周に設けられた切欠きの縁部を成形するキャビティ縁部及び/又は発泡樹脂成形品の中に設けられた開口の周縁部を成形するキャビティ縁部であることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  5. 前記請求項1から4のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、
    前記溶融状態の発泡性樹脂は、溶融状態の基材樹脂に物理発泡剤を混合したものであることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  6. 前記請求項5に記載の発泡樹脂成形品の成形方法であって、
    前記物理発泡剤は、超臨界状態の流体であることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  7. 成形型のキャビティに溶融状態の発泡性樹脂を充填する充填手段と、
    この充填手段による発泡性樹脂の充填の後、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が増大する方向に移動させて発泡性樹脂の発泡を促進するコアバック手段とを有する発泡樹脂成形品の成形装置であって、
    前記コアバック手段によるコアバックの後、型開き前に、少なくとも成形型の一部をキャビティ容積が減少する方向に移動させてキャビティ内の発泡性樹脂を発泡状態が維持される範囲内で圧縮し、該発泡性樹脂の縁部を前記コアバック手段によるコアバック中にキャビティ内に発生したキャビティ縁部の空隙側へ押し出す圧縮手段が備えられていることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
  8. 前記請求項7に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、
    前記成形型は、固定型と移動型の少なくとも一方に発泡樹脂成形品の縁部を成形する分割型が備えられ、
    前記圧縮手段は、前記分割型のみをキャビティ容積が減少する方向に移動させることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
  9. 前記請求項7又は8に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、
    前記圧縮手段は、発泡性樹脂の縁部がキャビティ縁部の空隙に充満するまで少なくとも成形型の一部又は分割型のみをキャビティ容積が減少する方向に移動させることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
  10. 前記請求項7から9のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、
    前記コアバック手段によるコアバック中にキャビティ内に空隙が発生するキャビティ縁部は、発泡樹脂成形品の外周に設けられた切欠きの縁部を成形するキャビティ縁部及び/又は発泡樹脂成形品の中に設けられた開口の周縁部を成形するキャビティ縁部であることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
  11. 前記請求項7から10のいずれか1項に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、
    前記溶融状態の発泡性樹脂は、溶融状態の基材樹脂に物理発泡剤を混合したものであることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
  12. 前記請求項11に記載の発泡樹脂成形品の成形装置であって、
    前記物理発泡剤は、超臨界状態の流体であることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
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WO2022220258A1 (ja) 2021-04-15 2022-10-20 株式会社プライムポリマー 射出発泡成形体

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