JP2009191348A - プレコート鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加工後の光沢低下を抑制することができるプレコート鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】 重量%で、C:0.007%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、S:0.02%以下、N:0.007%以下、Ti:0.05〜0.2%および/またはNb:0.05〜0.2%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の組成を有する鋳片を(Ar3点−20)〜940℃の仕上温度で圧延して熱間圧延鋼板とし、600〜730℃で巻取る(a1〜a4)。該熱間圧延鋼板を酸洗し、圧延率60〜90%で圧延して冷間圧延鋼板とする(a5,a6)。該冷間圧延鋼板を700〜950℃で焼鈍する(a7)。焼鈍後に得られる鋼板は、結晶粒径が20μm以下、かつr値が1.5以上であり、この鋼板にめっきおよび塗装をしてプレコート鋼板とする(a8,a9)。
【選択図】 図1
Description
鋼板の結晶粒径を20μm以下にし、かつランクフォード値を1.5以上にするために、
重量%で、
C:0.007%以下、
Si:0.5%以下、
Mn:1.0%以下、
S:0.02%以下、
N:0.007%以下、
Ti:0.05〜0.2%および/またはNb:0.05〜0.2%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の組成を有する鋼塊または鋳片を、仕上温度が(Ar3点−20)〜940℃、巻取温度が600〜730℃で熱間圧延して熱間圧延鋼板とし、
該熱間圧延鋼板を圧延率60〜90%で冷間圧延して冷間圧延鋼板とし、
該冷間圧延鋼板を700〜950℃で焼鈍することを特徴とする。
C:0.007%以下
C含有量の低減に伴って加工性は向上する。しかし、極低Cとするには脱炭に長時間を要し、生産性低下の原因となる。そこで、粗面化を防止し得る加工性向上効果を発現できる程度にまで低減すればよいものとし、0.007%以下とした。
Siは、強度向上に有効である。しかし、0.5%を超えて添加すると、強度が高くなるけれども、加工性およびめっき性が低下するので、0.5%以下とした。
Mnは、Sとの親和力が高くMnSを形成し易いので、Sによる熱間および冷間の脆化を抑制するのに有効である。しかし、1.0%を超えて添加してもSとの結合による脆化抑制の効果が飽和するので、1.0%以下とした。
Sは、熱間および冷間の脆化を起こすので、低減することが望ましい。しかし、Mnの添加によりSの悪影響を緩和することができるので、0.02%以下であれば含まれてもよい。
Nは、加工性を悪くするので、極力少ない方が望ましい。したがって、0.007%以下とした。
Tiは、鋼中の固溶C、S、Nを析出物として固定することにより加工性を向上する。この効果を発現させるには、0.05%以上の添加が必要である。しかし、0.2%を超えて添加しても加工性向上効果は飽和する。したがって、0.05〜0.2%とした。
Nbは、鋼中の固溶C、Nを析出物として固定することにより加工性を向上する。この効果を発現させるには、0.05%以上の添加が必要である。しかし、0.2%を超えて添加しても加工性向上効果は飽和する。したがって、0.05〜0.2%とした。
Bは、粒界に偏析して粒界強度を向上する。粒界強度向上効果を発現させるには0.00002%以上の添加が必要である。しかし、0.001%を超えて添加しても効果が飽和するとともに、延性が低下する。したがって、0.00002〜0.001%とした。
結晶粒径:20μm以下
結晶粒径を20μm以下とすることによって、たとえば深絞り成形加工を受けた場合でも、鋼板の表面が粗面化することを防止できる。鋼板の表面が粗面化しないとき、塗膜にも凹凸が発生しないので、プレコート鋼板の光沢低下発生を防止することができる。しかし、結晶粒径が20μmを超えると、たとえば深絞り成形加工を受けた場合、鋼板の表面に粗面化が生じる。この粗面化に塗膜が追従して塗膜の表面に凹凸を生じ、プレコート鋼板に光沢低下が発生する。なお、結晶粒径の測定は、たとえば日本工業規格(JIS)G0552に規定される切断法に準じて行うことができる。
r値を1.5以上にすることによって、良好な深絞り性を確保することができる。r値は、焼鈍後の冷間圧延鋼板からJIS Z2201に規定される5号引張試験片を採取し、引張試験機で15%の伸びを与えた状態で測定した値である。なお、r値は方向性を有するので、下記式(1)で与えられる各方向から採取した試験片による値の平均値として求める。
r=(r0+2r45+r90)/4 ・・・(1)
ここで、r0:圧延方向に対して平行方向に採取した試験片から求めたr値
r45:圧延方向に対して45度方向に採取した試験片から求めたr値
r90:圧延方向に対して直角方向に採取した試験片から求めたr値
光沢保持率=引張試験後の光沢度/引張試験前の光沢度×100・・・(2)
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
表1に重量%で示す組成を有する供試材No.1〜21をそれぞれ溶製し、鋳型に鋳造して30kg鋼塊を製造した。なお、表1に示す組成以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。鋼塊を熱間鍛造して厚さ30mmのスラブとした。スラブを1050〜1180℃に加熱し、その加熱したスラブを厚さ4.0mmまで熱間圧延して熱間圧延鋼板とした。供試材No.1〜21は、そのAr3点がいずれも890℃未満であることから、熱間圧延仕上温度を(Ar3点−20)℃以上の920℃とした。
実施例2では、大規模生産設備により製造した供試材による試験結果を説明する。表4に重量%で示す組成を有する供試材No.22乃至24をそれぞれ溶製した。なお、表4に示す組成以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。溶製は、高炉溶銑を使用し、概略転炉および脱ガス炉により成分調整して行った。得られた溶鋼を連続鋳造して厚さ200mmの鋳片を製造した。各供試材についてAr3点および再結晶温度を表5に示す。
Claims (2)
- 鋼板の片面または両面に塗膜層を有するプレコート鋼板の製造方法において、
鋼板の結晶粒径を20μm以下にし、かつランクフォード値を1.5以上にするために、
重量%で、
C:0.007%以下、
Si:0.5%以下、
Mn:1.0%以下、
S:0.02%以下、
N:0.007%以下、
Ti:0.05〜0.2%および/またはNb:0.05〜0.2%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物の組成を有する鋼塊または鋳片を、仕上温度が(Ar3点−20)〜940℃、巻取温度が600〜730℃で熱間圧延して熱間圧延鋼板とし、
該熱間圧延鋼板を圧延率60〜90%で冷間圧延して冷間圧延鋼板とし、
該冷間圧延鋼板を700〜950℃で焼鈍することを特徴とするプレコート鋼板の製造方法。 - 鋼塊または鋳片に、さらに重量%でB:0.00002〜0.001%を含有させることを特徴とする請求項1記載のプレコート鋼板の製造方法。
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JP2010248626A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-11-04 | Kobe Steel Ltd | 高熱伝導性放熱鋼板 |
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