JP2009191130A - 自動車塗装面用コーティング剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車塗装面に対し効率的に膜を形成し、初期撥水性を付与すると同時にその効果を長期にわたって継続することができ、また経時による汚れ付着を抑えることができる自動車塗装面用コーティング剤の提供。
【解決手段】(A)アルキル鎖長の異なるアルキルトリアルコキシシランおよびまたはアルキルトリクロロシランの混合物の加水分解縮合物、および(B)組成物を硬化するのに十分な量の硬化触媒からなる自動車塗装面用コーティング剤組成物であって、該混合物のアルキル基の20〜90モル%が炭素数1〜3のアルキル基であり、残余のアルキル基の10〜80モル%が炭素数4〜12のアルキル基であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】(A)アルキル鎖長の異なるアルキルトリアルコキシシランおよびまたはアルキルトリクロロシランの混合物の加水分解縮合物、および(B)組成物を硬化するのに十分な量の硬化触媒からなる自動車塗装面用コーティング剤組成物であって、該混合物のアルキル基の20〜90モル%が炭素数1〜3のアルキル基であり、残余のアルキル基の10〜80モル%が炭素数4〜12のアルキル基であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、自動車塗装面に対し撥水性を付与し、汚れ付着を低減させ、その効果が長きにわたって持続する自動車塗装面用コーティング剤組成物に関する。
これまで、シラン化合物やオルガノポリシロキサンなどの有機ケイ素化合物は表面改質剤として各種基材に塗布することにより、表面に耐熱性や耐候性を与え、艶や撥水性能を与えることが知られている。特に室温硬化型のアルコキシ基を有するシランの加水分解縮合物は基材表面に室温で硬化皮膜を形成することができることから、熱を加えることができない用途での使用が広がっている。自動車の塗装表面上に対しては撥水機能や艶を与える目的でワックスや水系エマルションによる撥水剤が広く知られているが、近年、撥水性能だけでなく耐候性付与や汚れ付着を低減させる保護剤として、シラン化合物やオルガノポリシロキサンを含有するコーティング剤が提案されている。
例えば、常温硬化型シリコーンレジンとイソプロピルアルコールと水を含むつや出し剤が(特許文献1参照)、湿気硬化型ポリシロキサンとスズ触媒、溶剤、シリコーンオイルを含む自動車用つや出し剤が(特許文献2参照)、アルコキシ基を有するフルオロアルキル基含有アルコキシシラン、加水分解用触媒、アルコール、炭化水素系溶剤、揮発性シリコーンを含む撥水剤が(特許文献3参照)公知である。
これら従来技術による組成物は、自動車塗装面に使用した場合、初期に撥水性や艶を与えることはできるがその効果は持続性に乏しく、また汚れ付着低減効果の持続性で更なる向上が求められていたのである。
本発明は、上記の事情に鑑み、自動車塗装面に対し効率的に膜を形成し、初期撥水性を付与すると同時にその効果を長期にわたって継続することができ、また経時による汚れ付着を抑えることができる自動車塗装面用コーティング剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、自動車塗装面用コーティング剤の有機ケイ素化合物の構造、組成について鋭意研究を重ねた結果、特定のアルキル鎖長のアルキルトリアルコキシシランまたはアルキルトリクロロシランの混合物の加水分解縮合物であって、ケイ素原子に結合したアルキル基の鎖長が分子内または分子間で異なるものと、硬化触媒を組み合わせた組成物により課題が解決されることを見出し、本発明をなすに至った。すなわち本発明は、
[1](A)アルキルトリアルコキシシランおよびまたはアルキルトリクロロシランのアルキル鎖長の異なるものの混合物の加水分解縮合物、および(B)組成物を硬化するのに十分な量の硬化触媒からなり、該混合物のケイ素原子に結合したアルキル基の20〜90モル%が同一または異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基であり、残余のアルキル基の10〜80モル%が同一でも異なっていてもよい炭素数4〜12のアルキル基であることを特徴とする自動車塗装面用コーティング剤組成物。
[2](A)の加水分解縮合物の粘度が5〜100mPa・sである[1]に記載の組成物。
[3](A)の加水分解縮合物100重量部に対して、(C)乾式シリカを0.1〜30重量部含有する[1]または[2]のいずれかに記載の組成物。
[1](A)アルキルトリアルコキシシランおよびまたはアルキルトリクロロシランのアルキル鎖長の異なるものの混合物の加水分解縮合物、および(B)組成物を硬化するのに十分な量の硬化触媒からなり、該混合物のケイ素原子に結合したアルキル基の20〜90モル%が同一または異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基であり、残余のアルキル基の10〜80モル%が同一でも異なっていてもよい炭素数4〜12のアルキル基であることを特徴とする自動車塗装面用コーティング剤組成物。
[2](A)の加水分解縮合物の粘度が5〜100mPa・sである[1]に記載の組成物。
[3](A)の加水分解縮合物100重量部に対して、(C)乾式シリカを0.1〜30重量部含有する[1]または[2]のいずれかに記載の組成物。
本発明の組成物は、自動車塗装面に対し効率的に膜を形成し、初期撥水性を塗装面に与え、長期にわたりその撥水性能を維持すると共に汚れ付着低減に対する耐久性を高めるという効果を奏する。
以下、本願発明について具体的に説明する。本発明の(A)成分である加水分解縮合物は、一般式(1)で表わされるアルキルトリアルコキシシランおよびまたはアルキルトリクロロシランのアルキル鎖長の異なるものの混合物を加水分解縮合して得られるものである。
R1Si(X)3 (1)
式(1)中のR1は同一または異なっていてもよい炭素数1〜12のアルキル基であり、XはOR2で示されるアルコキシ基または塩素原子である。
R1Si(X)3 (1)
式(1)中のR1は同一または異なっていてもよい炭素数1〜12のアルキル基であり、XはOR2で示されるアルコキシ基または塩素原子である。
式(1)中のR1の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等であって、これらアルキル基は直鎖であっても分岐であってもよい。混合物として、R1の20〜90モル%は、炭素数1〜3の短鎖アルキル基から選択され、R1の残余の10〜80モル%は、炭素数4〜12の長鎖アルキル基となるように選択されることが必要である。短鎖または長鎖のアルキル基は、各々1種または2種以上であってよい。炭素数が4以上の長鎖アルキル基を含まないと撥水性能が十分ではないという問題があり、また長鎖アルキル基の炭素数が12以上になると立体障害により縮合硬化速度が遅くなるため膜を形成しにくく、また未硬化の部分がある場合、膜強度の低下になるため好ましくない。また含まれる炭素数4〜12の長鎖アルキル基のモル%が10モル%以下であると十分な撥水性を発現することができず好ましくなく、80モル%を超えると加水分解が起こりにくく皮膜を形成することが出来ないため、常温硬化型の自動車塗装面用コーティング剤として問題がある。炭素数1〜3の短鎖アルキル基の好ましいものはメチル基であり、炭素数4〜12の長鎖アルキル基の好ましいものは炭素数5〜10のアルキル基である。
式(1)中のXが一般式OR2で表されるアルコキシ基である場合、R2の例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基のような炭素数1〜6のアルキル基であり、分子中で同一または異なっていてもよい。これらのなかでも好ましいR2は炭素数1または2のアルキル基である。一般式(1)のXは、一部に水酸基を含んでいてもよい。
本発明の(A)の加水分解縮合物は、アルキルアルコキシシラン類またはアルキルクロロシラン類を触媒の存在下で加水分解縮合するという、当業者には公知の方法によって製造することができる。アルキルアルコキシシラン類の加水分解縮合は、メタノール、エタノールやプロパノールなどのアルコール類、および水の存在下に、トルエンなどの炭化水素溶剤を用い、アルカリまたは酸触媒により加水分解と縮合を同時に行い、触媒を中和した後にアルコール類や溶剤を溜去することにより得られる。アルキルクロロシラン類の加水分解縮合の場合には、加水分解により発生する塩化水素が触媒となり、アルキルアルコキシシランの場合と同様にして製造される。未反応のアルキルトリアルコキシシラン、あるいはアルキルトリクロロシランを用いた場合に副生するアルキルトリアルコキシシランは、少量残留しても本発明の効果を特に妨げない。
一般的にアルキル鎖長の長いアルキルアルコキシシラン類またはアルキルクロロシラン類から得られる加水分解縮合物は、高い撥水性を発現するが汚れ付着を助長し、特に長期での汚れ耐久性を損ねることが、反対にアルキル鎖長が短いと、縮合率が高く硬い皮膜を作ることが出来るため汚れ付着に対する耐性には優れるが、撥水性が劣るということが知られている。本発明の特定のアルキル鎖長の組合わせの加水分解縮合物を用いることにより、短鎖および長鎖の両方の相反した性能効果の中間点よりは、高い撥水性を発現し、かつ、汚れ付着に対しても優れた効果を維持するという相乗効果をあげることができる。本発明で用いられるシランはアルキルトリアルコキシシランまたはアルキルトリクロロシランの3官能性シランであるが、ジアルキルジアルコキシシランまたはジアルキルジクロロシランの2官能性シランであると3次元網目構造をとることができないため、得られた加水分解縮合物から形成される膜が弱いという問題がある。またテトラアルコキシシランのような4官能性のシランを用いるとアルキル基を含むことが出来ないため、撥水性を発現しにくい。また縮合反応基が4つあるため縮合に時間がかかる、未硬化のアルコキシ基や加水分解後の水酸基が残りやすく撥水性が劣るという問題がある。ただし3官能性シラン以外のシランは本発明の目的を損ねない範囲で少量用いることができる。
このようなアルキルトリアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。アルキルトリクロロシランの具体例としては、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ペンチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシシラン、ヘプチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン等があげられる。これらのアルキル基は直鎖であっても分岐していてもよい。
(A)の加水分解縮合物の粘度は5〜100mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは5〜50mPa・sである。粘度が5mPa・s以下であると塗装面上に施工した時、薄塗りになってしまい膜を作るのに十分な量にならないことから艶感が乏しくなるという問題がある。また粘度100mPa・s以上であると施工が重くなり、均一に施工することが困難になるため斑ができやすくなるという問題がある。
本発明の自動車塗装面用コーティング組成物中、(B)成分の硬化触媒は室温で(A)成分の縮合硬化反応を促進し、皮膜を硬化させるものである。このような触媒として、アルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレート等のカルボン酸の金属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミン塩;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミンのようなアミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物等があるが、縮合反応の促進に有効なものであれば、特に制限はない。このような硬化触媒の使用量は、縮合反応を促進するに十分な量を用いるが、その使用量は、例えば、チタニウム化合物の場合は、(A)成分100重量部に対して、0.5〜5重量部である。
本発明の自動車塗装面用コーティング組成物中に、更に乾式シリカを配合することが出来る。乾式シリカは当業者には公知の方法により製造されたものが使用でき、例えば気化させた四塩化ケイ素と水素を混合させたものを1000〜1200℃以上にて空気中で燃焼させ10nm程度の非常に微細な粒子を得る燃焼法により合成される乾式シリカ、乾式シリカを疎水化表面処理剤および水蒸気を不活性のキャリアーガスとともに約400℃に加熱し、乾式シリカ表面の親水性であるシラノール基と疎水化表面処理剤を反応させ合成される疎水性乾式シリカ等が挙げられる。疎水化表面処理剤としてはオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等があげられる。本発明において、乾式シリカは特に疎水性乾式シリカが好適に用いられる。これらのシリカは1種単独でも2種以上併用してもよい。
本発明において、乾式シリカは初期および持続性のある撥水性を向上させる成分である。一般に微粒子粉により基材に均一な凸凹を形成させ、ハスの葉効果により撥水性を付与する効果は知られているが、本発明においても乾式シリカを配合することによりハスの葉効果が塗装板上で形成され、その効果により撥水性が向上していることが考えられる。また均一な凸凹を形成しておらずハスの葉効果を形成していない場合であっても、乾式シリカにより疎水性基の数が相対的に増えることにより、撥水性が向上していることが考えられる。
乾式シリカは(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部配合されていることが必要である。0.1重量部未満では、乾式シリカ添加量が十分でないため撥水性向上効果が出ず、また30重量部より多くすると、粒子が表面で目立つようになるため美観を損ねという問題や、系全体の粘度が高まるため、作業性が悪くなるという問題が生じる。
乾式シリカの配合は、アルキルトリアルコキシシランまたはアルキルトリクロロシランの縮合時に添加することもできるし、縮合後に添加することもできる。混合方法に特に制限はなく、通常の方法で混合することができる。
本発明の自動車塗装面用コーティング剤組成物は取り扱いの容易さから各種有機溶媒で希釈して使用できる。有機溶媒の種類は成分(A)、(B)を溶解または分散するものであれば特に限定されないが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体;ヘキサン、ヘプタン、n−オクタン、iso−オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンなどの脂肪族系炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素類;ケロシン、ミネラルスピリット、流動パラフィン、工業ガソリン等の石油系溶剤類;オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状メチルシロキサン類;低粘度のジメチルポリシロキサン等のシリコーン系溶剤等が挙げられる。
本発明の自動車塗装面用コーティング剤組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、レベリング剤、増粘剤、殺カビ剤、殺菌剤、香料、防錆剤、光触媒及び消泡剤等を副次的に添加することができる。
本発明の自動車塗装面用コーティング剤組成物は、室温下、ホモミキサー、ウルトラディスパーザー、高圧ホモジナイザー、スリーワンモーターなどの攪拌機を用いて、攪拌混合することにより製造することができる。
本発明の自動車塗装面用コーティング剤組成物は、自動車塗装面に対して、刷毛、布、スポンジ、不織布、紙などで直接塗布してもよいし、またスプレーなどを用いることができる。また、乾燥および硬化の方法としては、室温下に放置して乾燥させても良いし、屋外乾燥、加熱乾燥によっても良い。
本発明の自動車塗装面用コーティング剤組成物は、自動車塗装面の他に自動車のガラス、タイヤ、サイドミラー、リアミラーやタイル、ガラス等の硬質基材のコーティング剤としても使用することができる。
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中で行う評価方法は以下の通りである。
<粘度測定>
加水分解縮合物(A)の粘度を25℃恒温下で測定した。ブルックフィールド社製 BROOKFIELD DV−II +Pro コーンプレート型を用い、試料(約0.5ml)をセットし、トルクが約50%になるようにせん断速度とコーンプレート(CP−40またはCP−52)を設定し、回転開始2分後の数値を粘度測定値とした。
加水分解縮合物(A)の粘度を25℃恒温下で測定した。ブルックフィールド社製 BROOKFIELD DV−II +Pro コーンプレート型を用い、試料(約0.5ml)をセットし、トルクが約50%になるようにせん断速度とコーンプレート(CP−40またはCP−52)を設定し、回転開始2分後の数値を粘度測定値とした。
<試験片への塗布方法>
自動車塗装面用コーティング剤組成物10重量部をミネラルスピリット90重量部で希釈した調整液を用いた。カチオン電着塗装片面メラミン焼き付け塗装板(JIS G3141(SPCC、SD)0.8mm×70mm×150mm)を試験片とし(試験片初期接触角;82°)、希釈した調整液(約1ml)をスポンジで塗布し、軽くタオルで拭いた後、室温で20分間放置する。放置後乾いたタオルでよく拭き上げ、室温で一晩放置し調整液を硬化させた。出来上がった試験片を塗布後試験片とした。
自動車塗装面用コーティング剤組成物10重量部をミネラルスピリット90重量部で希釈した調整液を用いた。カチオン電着塗装片面メラミン焼き付け塗装板(JIS G3141(SPCC、SD)0.8mm×70mm×150mm)を試験片とし(試験片初期接触角;82°)、希釈した調整液(約1ml)をスポンジで塗布し、軽くタオルで拭いた後、室温で20分間放置する。放置後乾いたタオルでよく拭き上げ、室温で一晩放置し調整液を硬化させた。出来上がった試験片を塗布後試験片とした。
<初期撥水性評価方法>
塗布後試験片の初期撥水性を接触角の測定により求めた。接触角測定器(協和界面科学(株) 接触角計 CA−X150型、測定条件;室温、滴下蒸留水滴;約1.8μL)で塗布後試験片中央部の任意の3点の接触角(°)を測定し、平均値を求めた。
評価基準は次のとおりである。
◎ (優れた撥水性):接触角が95°以上
○(良好な撥水性):接触角が85°以上95°未満
×(撥水性に劣る):接触角が85°未満
塗布後試験片の初期撥水性を接触角の測定により求めた。接触角測定器(協和界面科学(株) 接触角計 CA−X150型、測定条件;室温、滴下蒸留水滴;約1.8μL)で塗布後試験片中央部の任意の3点の接触角(°)を測定し、平均値を求めた。
評価基準は次のとおりである。
◎ (優れた撥水性):接触角が95°以上
○(良好な撥水性):接触角が85°以上95°未満
×(撥水性に劣る):接触角が85°未満
<撥水持続性評価方法>
初期撥水性評価後の塗布後試験片を、屋外に設置した架台に地面に対し直角になるように取り付け、自然環境下で6ヶ月間曝露する。曝露後試験片表面のホコリを水道水流水下で軽く落とし、表面が乾いた後、接触角測定により撥水持続性を評価した。接触角(°)は接触角測定器(協和界面科学(株) 接触角計 CA−X150型、測定条件;室温、滴下蒸留水滴;約1.8μL)で試験片中央部の任意の3点を測定し、平均値を求めた。評価基準は初期撥水性評価基準と同様である。
初期撥水性評価後の塗布後試験片を、屋外に設置した架台に地面に対し直角になるように取り付け、自然環境下で6ヶ月間曝露する。曝露後試験片表面のホコリを水道水流水下で軽く落とし、表面が乾いた後、接触角測定により撥水持続性を評価した。接触角(°)は接触角測定器(協和界面科学(株) 接触角計 CA−X150型、測定条件;室温、滴下蒸留水滴;約1.8μL)で試験片中央部の任意の3点を測定し、平均値を求めた。評価基準は初期撥水性評価基準と同様である。
<汚れ付着評価方法>
塗布後試験片の明度をあらかじめ色差計(東京電色(有)、色差計 MODEL TC−PIII、測定条件:室温)で測定しておく。屋外に設置した架台に地面に対し直角になるように塗布後試験片を取り付け、自然環境下で6ヶ月間曝露する。曝露後試験片表面のホコリを水道水流水下で軽く落とし、表面が乾いた後、色差計にて試験片の明度を測定し、未処理品の明度を100としたときの汚れ付着率を下記計算式により算出した。
汚れ付着率(%)=100X((曝露後測定値)−(曝露前測定値))/((未処理品曝露後測定値)−(未処理品曝露前測定値))
評価基準は次の通りである。
○:汚れ付着率140%未満
×:汚れ付着率140%以上
汚れ付着率が130%を超えると目視で色の違いが表れ始め、150%を超えると完全に表面が黒くなっている様を観察することができる。
塗布後試験片の明度をあらかじめ色差計(東京電色(有)、色差計 MODEL TC−PIII、測定条件:室温)で測定しておく。屋外に設置した架台に地面に対し直角になるように塗布後試験片を取り付け、自然環境下で6ヶ月間曝露する。曝露後試験片表面のホコリを水道水流水下で軽く落とし、表面が乾いた後、色差計にて試験片の明度を測定し、未処理品の明度を100としたときの汚れ付着率を下記計算式により算出した。
汚れ付着率(%)=100X((曝露後測定値)−(曝露前測定値))/((未処理品曝露後測定値)−(未処理品曝露前測定値))
評価基準は次の通りである。
○:汚れ付着率140%未満
×:汚れ付着率140%以上
汚れ付着率が130%を超えると目視で色の違いが表れ始め、150%を超えると完全に表面が黒くなっている様を観察することができる。
[実施例1]
アルキルトリメトキシシラン(アルキル基はオクチル基:20モル%、メチル基:80モル%)の加水分解縮合物(粘度 28mPa・s)、硬化触媒(テトラブチルチタネート)を表1にあるように配合した組成物を用い、試験片への塗布方法に準じ、塗布後試験片を得た。初期撥水性評価方法、撥水持続性評価方法、汚れ付着評価方法に従い評価を行った評価結果を表2に示す。
アルキルトリメトキシシラン(アルキル基はオクチル基:20モル%、メチル基:80モル%)の加水分解縮合物(粘度 28mPa・s)、硬化触媒(テトラブチルチタネート)を表1にあるように配合した組成物を用い、試験片への塗布方法に準じ、塗布後試験片を得た。初期撥水性評価方法、撥水持続性評価方法、汚れ付着評価方法に従い評価を行った評価結果を表2に示す。
[実施例2]
アルキルトリメトキシシラン(アルキル基はオクチル基:20モル%、メチル基:80モル%)の加水分解縮合物(粘度 28mPa・s)、硬化触媒(テトラブチルチタネート)、乾式シリカ(表面疎水化シリカ。疎水化率99.5%以上)を表1にあるように配合した組成物を用い、試験片への塗布方法に準じ、塗布後試験片を得た。初期撥水性評価方法、撥水持続性評価方法、汚れ付着評価方法に従い評価を行った評価結果を表2に示す。
アルキルトリメトキシシラン(アルキル基はオクチル基:20モル%、メチル基:80モル%)の加水分解縮合物(粘度 28mPa・s)、硬化触媒(テトラブチルチタネート)、乾式シリカ(表面疎水化シリカ。疎水化率99.5%以上)を表1にあるように配合した組成物を用い、試験片への塗布方法に準じ、塗布後試験片を得た。初期撥水性評価方法、撥水持続性評価方法、汚れ付着評価方法に従い評価を行った評価結果を表2に示す。
[比較例1]
アルキルトリメトキシシラン(アルキル基はメチル基:100モル%)の加水分解縮合物(粘度 26mPa・s)、硬化触媒(テトラブチルチタネート)を表1にあるように配合した組成物を用い、試験片への塗布方法に準じ、塗布後試験片を得た。初期撥水性評価方法、撥水持続性評価方法、汚れ付着評価方法に従い評価を行った評価結果を表2に示す。
アルキルトリメトキシシラン(アルキル基はメチル基:100モル%)の加水分解縮合物(粘度 26mPa・s)、硬化触媒(テトラブチルチタネート)を表1にあるように配合した組成物を用い、試験片への塗布方法に準じ、塗布後試験片を得た。初期撥水性評価方法、撥水持続性評価方法、汚れ付着評価方法に従い評価を行った評価結果を表2に示す。
本発明の自動車塗装面用コーティング剤により、初期撥水性を塗装面に与え、長期にわたってその撥水性能を維持すると共に汚れ付着低減に対する耐久性を高めることができ、有用である。
Claims (3)
- (A)アルキルトリアルコキシシランおよびまたはアルキルトリクロロシランのアルキル鎖長の異なるものの混合物の加水分解縮合物、および(B)組成物を硬化するのに十分な量の硬化触媒からなり、該混合物のケイ素原子に結合したアルキル基の20〜90モル%が同一または異なっていてもよい炭素数1〜3のアルキル基であり、残余のアルキル基の10〜80モル%が同一でも異なっていてもよい炭素数4〜12のアルキル基であることを特徴とする自動車塗装面用コーティング剤組成物。
- (A)の加水分解縮合物の粘度が5〜100mPa・sである請求項1または2のいずれかに記載の組成物。
- (A)の加水分解縮合物100重量部に対して、(C)乾式シリカを0.1〜30重量部含有する請求項1または2のいずれかに記載の組成物。
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