JP2009191117A - 液晶エラストマーおよびそれを用いたアクチュエータ - Google Patents

液晶エラストマーおよびそれを用いたアクチュエータ Download PDF

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Hitoshi Nishida
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Abstract

【課題】 アクチュエータを構成した場合に、比較的小さな印加電圧でも大きな変位量を得ることのできる液晶エラストマーを提供する。また、この液晶エラストマーを用いたアクチュエータを提供する。
【解決手段】 液晶エラストマーは、所定の液晶性アクリレートモノマー(A)と、アクリレートモノマー(B)と、架橋基を有するモノマー(C)と、を共重合させた共重合体を架橋させてなる。この液晶エラストマーから誘電膜20を作製し、誘電膜20を挟んで複数の電極21a、21bを配置してアクチュエータ1を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、印加される電圧の変化により伸縮する液晶エラストマー、およびそれを用いたアクチュエータに関する。
産業用、介護用等のロボット、医療機器、マイクロマシン等の分野では、柔軟性が高く、小型で軽量なアクチュエータの必要性が高まっている。このようなアクチュエータ材料として、例えば、導電性高分子、イオン導電性高分子(ICPF)、誘電体エラストマー等の種々のポリマーが提案されている。なかでも、誘電体エラストマーを用いたアクチュエータは、小型化しやすく、低コストで作製できるため有用である(例えば、特許文献1参照)。一方、外部からの電場の付与、除去により分子配向が変化する液晶を、アクチュエータ材料として利用する試みもなされている(例えば、特許文献2、3参照)。
特表2003−506858号公報 特開平3−5720号公報 特開2003−205496号公報
例えば、一対の電極間に誘電体エラストマーからなる誘電膜を介装してアクチュエータを構成した場合、電極間への印加電圧を大きくすると、電極間の静電引力が大きくなる。このため、電極間に挟まれた誘電膜は膜厚方向から圧縮され、誘電膜の膜厚は薄くなる。膜厚が薄くなると、その分、誘電膜は電極面に対して平行方向に伸長する。反対に、電極間への印加電圧を小さくすると、電極間の静電引力が小さくなる。このため、誘電膜に対する膜厚方向からの圧縮力が小さくなり、誘電膜の弾性復元力により膜厚は厚くなる。膜厚が厚くなると、その分、誘電膜は電極面に対して平行方向に収縮する。このように、アクチュエータは、誘電膜を伸長、収縮させることによって、駆動対象部材を駆動させる。
上記特許文献1に示されているように、アクチュエータの誘電膜としては、シリコーンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が使用されている。しかし、所望の変位量を得るためには、電極間の静電引力を大きくしなければならない。つまり、印加電圧を大きくする必要がある。また、上記特許文献2、3に示されている液晶エラストマーを用いたアクチュエータにおいても、充分な変位量は得られていない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、アクチュエータを構成した場合に、比較的小さな印加電圧でも、大きな変位量を得ることのできる液晶エラストマーを提供することを課題とする。また、その液晶エラストマーを用いて、比較的小さな印加電圧でも大きな変位量が得られるアクチュエータを提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の液晶エラストマーは、以下の一般式(A)〜(C)で表される三種類のモノマーの共重合体を架橋させて得られることを特徴とする(請求項1に対応)。
Figure 2009191117
Figure 2009191117
Figure 2009191117
一般式(A)で表されるモノマー(以下適宜「モノマー(A)」と称す)は、メソゲン基(高剛性であって液晶性を発現する分子鎖)を有する液晶性アクリレートモノマーである。また、一般式(B)で表されるモノマー(以下適宜「モノマー(B)」と称す)は、アクリレートモノマーである。一般式(C)で表されるモノマー(以下適宜「モノマー(C)」と称す)は、架橋基を有するモノマーである。これら三種類のモノマーを共重合し、さらに架橋して製造される本発明の液晶エラストマーは、エラストマーの骨格にアクリル構造を有する。つまり、エラストマーの骨格に極性基(カルボニル基)を有するため、極性基を有しないものと比較して誘電率が大きくなる。このため、本発明の液晶エラストマーを介して電極を配置して電圧を印加すると、電極間に生じる静電引力は大きくなる。これにより、本発明の液晶エラストマーは、電極面に対して平行方向に大きく伸長変形する。
一方、モノマー(A)のメソゲン基は、誘電異方性が負である。したがって、上記同様に本発明の液晶エラストマーに電圧を印加した場合、メソゲン基の長手方向と、電場方向(一方の電極から他方の電極方向)と、が略垂直になるように、メソゲン基が配向する。つまり、電圧印加時に、メソゲン基の長手方向と電極面とが平行になるよう、メソゲン基が配向し凝集するため、本発明の液晶エラストマーの厚さ(電極間距離)は薄くなる。その分、本発明の液晶エラストマーは、電極面に対して平行方向に伸長変形する。また、メソゲン基において、ベンゼン環と炭素鎖[−(CH−]との間には、酸素(O)が介在している。酸素と炭素との結合部分(C−O−C)は柔軟性が高く、屈曲しやすい。このため、ベンゼン環を含む液晶分子の配向を妨げにくい。
このように、本発明の液晶エラストマーによると、静電引力による変形方向と液晶の配向による変形方向とが略一致する。したがって、本発明の液晶エラストマーを用いてアクチュエータを構成すると、骨格のアクリル構造に起因する電歪力の向上効果に、側鎖の液晶部分に起因する配向力が加わって、比較的小さな印加電圧でも大きな変位量を得ることができる。
(2)また、本発明のアクチュエータは、上記本発明の液晶エラストマーからなる誘電膜と、該誘電膜を介して配置されている複数の電極と、を備え、該電極間への印加電圧に応じて該誘電膜が伸縮することを特徴とする(請求項5に対応)。
本発明のアクチュエータは、上記本発明の液晶エラストマーからなる誘電膜を備える。このため、本発明のアクチュエータによると、比較的小さな印加電圧で大きな変位量を得ることができる。
以下、本発明の液晶エラストマー、およびそれを用いたアクチュエータについて、それぞれ詳細に説明する。
<液晶エラストマー>
本発明の液晶エラストマーは、モノマー(A)〜(C)の共重合体を架橋させてなる。モノマー(A)は、液晶性アクリレートモノマーであり、以下の一般式(A)で表される。
Figure 2009191117
なかでも、一般式(A)において、R2を炭素数1〜3のアルコキシ基、lを4〜6、(p,q)=(1,1)、(1,2)、(2,1)としたものが望ましい。例えば、以下の構造式(A1)、(A2)で表されるモノマーが好適である。特に、構造式(A2)で表されるモノマーは、双極子による静電引力が大きいことに加え、メソゲン基(液晶)の凝集力が大きいという理由から好適である。
Figure 2009191117
Figure 2009191117
モノマー(B)は、アクリレートモノマーであり、以下の一般式(B)で表される。
Figure 2009191117
モノマー(B)は、例えば、アクリル酸とアルコールとのエステル化反応により、製造することができる。一般式(B)において、R1を水素、m=3〜7としたものが望ましい。特に、R1を水素、m=3〜5としたものが好適である。例えば、以下の構造式(B1)で表されるモノマー(R1は水素、m=3)は、双極子による静電引力と柔軟性とのバランスに優れるため好適である。
Figure 2009191117
モノマー(C)は、架橋基を有するモノマーであり、以下の一般式(C)で表される。
Figure 2009191117
なかでも、一般式(C)において、R1を水素、X2をメチレン基またはカルボニル基、X3を酸素、または炭素数1、2のメチレン鎖、X4を炭素数1、2のメチレン鎖、R3を水酸基またはエポキシ基、としたものが望ましい。特に、以下の構造式(C1)で表されるモノマーが望ましい。
Figure 2009191117
上記モノマー(A)〜(C)の各々から少なくとも一つのモノマーを選択し、これらを共重合させる。共重合は、各モノマーを溶媒に溶解し、所定の重合開始剤を添加して行えばよい。各モノマーの繰り返し単位は、ランダム重合、ブロック重合等のいかなる重合形態であってもよい。モノマー(A)〜(C)の配合比(重量比)は、特に限定されるものではない。例えば、モノマー(A)〜(C)を、得られる共重合体(液晶ポリマー)における繰り返し単位(n:m:l)が、n:m:l=1〜5:45〜94:1〜5(n+m+l=100)となるよう配合することが望ましい(モノマー(A)〜(C)を順にn:m:lとする)。
モノマー(A)〜(C)の共重合体を架橋させる際には、モノマー(C)の架橋基に応じて、既に公知の架橋剤等を使用すればよい。例えば、硫黄系、ポリアミン系、有機カルボン酸アンモニウム系、トリアジン/ジチオカルバミン酸金属塩系、イソシアヌル酸系、多官能イソシアネート系等の架橋剤を用いることができる。例えば、架橋基が水酸基(−OH)の場合には、多官能イソシアネート系化合物から選択するとよい。なかでも、高分子量の多官能イソシアネート系化合物、具体的には、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)等の高分子量のポリオール成分を含む多官能イソシアネート系化合物が好適である。高分子量の架橋剤を用いた場合、架橋部分が長くなる。これにより、液晶エラストマーの伸びが大きくなり、電圧を印加した時の変位量をより大きくすることができる。
また、本発明の液晶エラストマーは、上記モノマー(A)〜(C)の共重合体を架橋させたものに、さらに、誘電異方性が負の低分子液晶が混合されていてもよい。この場合、液晶の配向性が向上し、より大きな変位量を得ることができる。低分子液晶は、誘電異方性が負のものであれば、その種類が特に限定されるものではない。モノマー(A)のメソゲン基と同じ構造を有するものでもよく、異なるものでもよい。モノマー(A)のメソゲン基に近い構造のものを使用すると、液晶の配向状態が一様になりやすく、より大きな配向効果が得られるため好適である。例えば、以下の一般式(D)で表される化合物から選ばれる一種以上を用いるとよい。
Figure 2009191117
なかでも、一般式(D)において、X6をエステル基、R4を炭素数1のアルコキシ基、n=4,5、(p,q)=(1,1)、(1,2)、(2,1)としたものが望ましい。例えば、モノマー(A)として、前出の構造式(A1)のモノマーを採用した場合には、そのメソゲン基に近い構造を有する以下の構造式(D1)で表される化合物を用いるとよい。
Figure 2009191117
本発明の液晶エラストマーを用いてアクチュエータを構成する場合、本発明の液晶エラストマーからなる薄膜(誘電膜)を製造し、該誘電膜を挟んで複数の電極を配置すればよい。誘電膜は、例えば、次のようにして製造すればよい。第一の方法としては、モノマー(A)〜(C)から合成された共重合体を、(必要に応じて低分子液晶を加えて)金型に充填し、所定の条件下でプレス架橋する。また、第二の方法としては、まず、モノマー(A)〜(C)から合成された共重合体と、必要に応じて加えられた低分子液晶と、を所定の溶媒に溶解する。この溶液へ架橋剤を加え、攪拌、混合して液状組成物を調製する。次に、調製した液状組成物を基材上に塗布し、乾燥させて溶媒を蒸発させた後、架橋する。
以下、本発明の液晶エラストマーを用いたアクチュエータ、すなわち本発明のアクチュエータの実施形態について説明する。
<アクチュエータ>
図1に、本実施形態のアクチュエータの断面模式図を示す。(a)はオフ状態、(b)はオン状態を各々示す。図1に示すように、アクチュエータ1は、誘電膜20と電極21a、21bとを備えている。誘電膜20は、本発明の液晶エラストマーからなる。電極21a、21bは、誘電膜20の表裏に、それぞれ固定されている。電極21a、21bは、導線を介して電源22に接続されている。オフ状態からオン状態に切り替える際は、一対の電極21a、21b間に電圧を印加する。電圧の印加により、誘電膜20の膜厚は薄くなり、その分だけ、図(b)中白抜き矢印で示すように、電極21a、21b面に対して平行方向に伸長する。これにより、アクチュエータ1は、図中横および上下方向の駆動力を出力する。
ここで、誘電膜20は、本発明の液晶エラストマーからなる。誘電膜20において、静電引力による変形方向と液晶の配向による変形方向とは略一致している。したがって、印加電圧に対する誘電膜20の変位量は大きくなる。つまり、アクチュエータ1によると、比較的小さな印加電圧でも大きな変位量を得ることができる。
本発明のアクチュエータにおいても、上述した本発明の液晶エラストマーの好適な態様を採用することが望ましい。また、誘電膜の厚さは、アクチュエータの用途等に応じて適宜決定すればよい。例えば、アクチュエータの小型化、低電位駆動化、および変位量を大きくする等の観点からは、誘電膜の厚さは薄い方が望ましい。この場合、絶縁破壊性等をも考慮して、誘電膜の厚さを、1μm以上1000μm(1mm)以下とすることが望ましい。より好適な範囲は、5μm以上200μm以下である。また、本発明の誘電膜を面延在方向に延伸した状態で取り付けると、誘電膜の絶縁破壊強度が向上し、より大きな変位量を得ることができる。
電極の材質は、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素材料や金属からなる導電材に、バインダーとしてオイルやエラストマーを混合したペーストまたは塗料を塗布した電極、あるいは炭素材料や金属等をメッシュ状に編んだ電極等を使用することができる。電極は、誘電膜の伸縮に応じて伸縮可能であることが望ましい。電極が、誘電膜と共に伸縮すると、誘電膜の変形が電極によって妨げられにくく、所望の変位量を得やすくなる。
また、複数の誘電膜と電極とを交互に積層させた積層構造とすると、より大きな力を発生させることができる。これにより、アクチュエータの出力が大きくなり、駆動対象部材をより大きな力で駆動させることができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<共重合体(液晶ポリマー)の製造>
(1)モノマーAの合成
モノマー(A)として、前出の構造式(A1)で表されるモノマー(A1)を合成した。合成過程を以下の式(I)に示す。
Figure 2009191117
まず、4−ヒドロキシ安息香酸17g、ヨウ化カリウム(KI)0.23g、水酸化カリウム(KOH)17g、6−ブロモ−1−ヘキサノール25gを溶解したエタノール溶液を、7時間還流した。その後、エタノールを減圧下で留去し、残渣を水に溶解した。この水溶液に、氷冷下で6規定(N)の塩酸水溶液を加え、水溶液のpHを3とした。生成した沈殿物を濾取し、pHが7になるまで水で洗浄した。洗浄後の沈殿物を乾燥後、メタノールにより再結晶させて中間体(イ)を18g得た。
次に、中間体(イ)18gを、トルエンスルホン酸2.8g、ハイドロキノン4.4gと共に、メタクリル酸102mlとクロロホルム145mlとの混合溶液に溶解し、10時間還流した。還流後の溶液にクロロホルムを加え、水で10回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、溶媒を留去し、エタノールにより再結晶させて中間体(ロ)を21g得た。
次に、中間体(ロ)16g、メトキシフェノール7.1g、ジメチルアミノピリジン(DMAP)1.9gを、テトラヒドロフラン(THF)200mlに溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)15gを加えた。一昼夜撹拌した後、THFを減圧下で留去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、有機層を、1Nの塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を留去し、エタノールにより再結晶させて目的とするモノマー(A1)17gを得た。
(2)共重合
モノマー(B)として、前出の構造式(B1)で表されるモノマー(B1):東京化成工業社製「アクリル酸ブチル」を準備した。また、モノマー(C)として、前出の構造式(C1)で表されるモノマー(C1):東京化成工業社製「アクリル酸2−ヒドロキシエチル」を準備した。
[2−1]合成したモノマー(A1)と、モノマー(B1)と、モノマー(C1)と、を共重合させて、以下の式(II)の右辺に示す構造の共重合体(液晶ポリマー)を製造した。
Figure 2009191117
すなわち、モノマー(A1)1.56g、モノマー(B1)3.37g、モノマー(C1)0.07mg、および重合開始剤のアゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)4.3mgを、ベンゼン6.6mlに溶解し、凍結溶解法を繰り返して脱気した。高真空下に反応容器を溶封し、60℃で20時間撹拌した。反応溶液をクロロホルムで希釈し、メタノールに注ぎ込み、デカントして生成物を得た。さらに、再沈殿により精製を行い、目的とする液晶ポリマーを得た。得られた液晶ポリマーを実施例1の液晶ポリマーとした。
[2−2]モノマー(B1)の配合量を4.65g、モノマー(C1)の配合量を0.1mgに変更した以外は、上記[2−1]と同様にして液晶ポリマーを製造した。得られた液晶ポリマーを実施例2の液晶ポリマーとした。実施例2の液晶ポリマーにおける繰り返し単位(前出の式(II)の右辺参照)の比は、l:m:n=9:89:2である。
[2−3]モノマー(B1)の配合量を0.58g、モノマー(C1)の配合量を0.02mgに変更した以外は、上記[2−1]と同様にして液晶ポリマーを製造した。得られた液晶ポリマーを実施例3の液晶ポリマーとした。実施例3の液晶ポリマーにおける繰り返し単位(前出の式(II)の右辺参照)の比は、l:m:n=43:55:2である。
<液晶エラストマーの製造>
(1)上記実施例1の液晶ポリマーをトルエンに溶解し、さらに以下の構造式(E)で表される架橋剤(ケムチュラ社製「アジプレン」)を混合して、液状組成物とした。架橋剤の配合量は、液晶ポリマーの水酸基に対して等モルのイソシアネート基になるよう調整した。
Figure 2009191117
液状組成物を、バーコート法により基材上に塗布した。風乾後、165℃下で1時間加熱して、以下の構造式(F)で表される液晶エラストマーを得た。得られた液晶エラストマーを実施例1の液晶エラストマー膜とした。
Figure 2009191117
(2)上記実施例2の液晶ポリマーと、前出の構造式(D1)で表される低分子液晶と、をトルエンに溶解し、さらに上記(1)と同様の架橋剤を混合して、液状組成物とした。ここで、低分子液晶(D1)は、次のように合成した。合成過程を以下の式(III)に示す。
Figure 2009191117
すなわち、p-アンス酸10g、4−n−ブチルフェノール9.4g、ジメチルアミノピリジン(DMAP)2.3gを、テトラヒドロフラン(THF)200mlに溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)18gを加えた。一昼夜撹拌した後、THFを減圧下で留去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、有機層を、1Nの塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を留去し、ヘキサンにより再結晶させて目的とする低分子液晶(D1)14gを得た。
低分子液晶は、実施例2の液晶ポリマーの100重量部に対して100重量部混合した。また、架橋剤の配合量は、液晶ポリマーの水酸基に対して等モルのイソシアネート基になるよう調整した。液状組成物をバーコート法により基材上に塗布し、上記(1)と同様にして、液晶エラストマーを得た。得られた液晶エラストマーを実施例2の液晶エラストマー膜とした。
(3)上記実施例3の液晶ポリマーと、上記(2)と同様の低分子液晶(D1)と、をトルエンに溶解し、さらに上記(1)と同様の架橋剤を混合して、液状組成物とした。低分子液晶は、実施例3の液晶ポリマーの100重量部に対して50重量部混合した。また、架橋剤の配合量は、液晶ポリマーの水酸基に対して等モルのイソシアネート基になるよう調整した。液状組成物をバーコート法により基材上に塗布し、上記(1)と同様にして、液晶エラストマーを得た。得られた液晶エラストマーを実施例3の液晶エラストマー膜とした。
<アクチュエータの評価>
製造した実施例1〜3の液晶エラストマー膜を各々誘電膜としてアクチュエータを構成し、同アクチュエータの変位量を測定した。
(1)実験装置および実験方法
まず、実験装置および実験方法について説明する。実施例1〜3の液晶エラストマー膜から、所定の大きさの誘電膜を作製した。作製した誘電膜の上下面に、シリコーンオイルにカーボンナノチューブを分散させた導電性ペーストを塗布して電極を形成し、アクチュエータを作製した。以下、作製されたアクチュエータを、誘電膜の種類に対応させて、実施例1〜3のアクチュエータと称す。また、従来のアクリルゴムからなる誘電膜を用いて、同様にアクチュエータを作製し、比較例のアクチュエータとした。図2に、作製したアクチュエータの上面図を示す。図3に、図2中III−III断面図を示す。
図2、図3に示すように、アクチュエータ3は、誘電膜30と一対の電極31a、31bとを備えている。誘電膜30は、直径30mmの円形の薄膜状を呈している。誘電膜30は、延伸率50%で二軸方向に延伸された状態で配置されている。ここで、延伸率は、次式(1)により算出した値である。
延伸率(%)={√(S/S)−1}×100・・・(1)
[S:延伸前(自然状態)の誘電膜面積、S:延伸後の誘電膜面積]
一対の電極31a、31bは、誘電膜30を挟んで上下方向に対向するよう配置されている。電極31a、31bは、直径約15mmの円形の薄膜状を呈しており、各々、誘電膜30と略同心円状に配置されている。電極31aの外周縁には、拡径方向に突出する端子部310aが形成されている。端子部310aは矩形板状を呈している。同様に、電極31bの外周縁には、拡径方向に突出する端子部310bが形成されている。端子部310bは矩形板状を呈している。端子部310bは、端子部310aに対して、180°対向する位置に配置されている。端子部310a、310bは、各々、導線を介して電源4に接続されている。
電極31a、31b間に電圧を印加すると、電極31a、31b間に静電引力が生じて、誘電膜30を圧縮する。これにより、誘電膜30の厚さは薄くなり、拡径方向に伸長する。この時、電極31a、31bも、誘電膜30と一体となって拡径方向に伸長する。電極31aには、予め、マーカー50が取り付けられている。マーカー50の変位を、変位計5により測定し、アクチュエータ3の変位量とした。
(2)実験結果
以下、実験結果について説明する。まず、図4に、実施例1および比較例の各アクチュエータにおける印加電圧に対する変位率を示す。変位率は次式(2)により算出した。図4の縦軸は、変位率を基準値aの倍数で示している(後出の図5についても同じ)。
変位率(%)=(変位量/電極の半径)×100・・・(2)
図4のグラフに示すように、実施例1のアクチュエータの変位率は、比較例のアクチュエータと同等レベルであった。一方、図5に、両アクチュエータの変位率と共に、変位率から算出された2次関数曲線を点線で示す。図5に示すように、比較例のアクチュエータの変位率を結ぶ変位率曲線は、2次関数曲線と一致した。これは、電極間の静電引力に起因しているためと考えられる。これに対して、実施例1のアクチュエータの変位率を結ぶ変位率曲線は、2次関数曲線と一致しなかった。これは、実施例1のアクチュエータの変位率曲線が、二つの傾きを持つためと考えられる。一つは、液晶エラストマーの骨格のアクリル構造による電極間の静電引力に起因するものであり、もう一つは、液晶部分の配向に起因するものである。このように、実施例1のアクチュエータでは、静電引力による変位と液晶部分の配向による変位との両方が発現されていることがわかる。
次に、実施例2、3および比較例の各アクチュエータにおける印加電圧に対する変位率を図6に示す。変位率は上記式(2)により算出し、図6の縦軸は、変位率を基準値aの倍数で示している。図6に示すように、低分子液晶を含有した液晶エラストマーを誘電膜とした実施例2、3のアクチュエータによると、比較例のアクチュエータに対して、印加電圧が小さい場合に変位量が大きくなった。このように、低分子液晶を含有した本発明の液晶エラストマーによると、印加電圧に対する変位量をより大きくすることができ裁判所ることが確認された。
本発明の液晶エラストマーは、例えば、産業、医療、福祉ロボット用の人工筋肉、電子部品冷却用や医療用等の小型ポンプ、医療用器具等に用いられるアクチュエータに有用である。また、本発明の液晶エラストマーを用いたアクチュエータは、モータ等機械式アクチュエータおよび圧電素子アクチュエータ等のすべてのアクチュエータの代替として利用することができる。
本発明の一実施形態のアクチュエータの断面模式図であって、(a)はオフ状態、(b)はオン状態を各々示す。 評価実験に使用したアクチュエータの上面図である。 図2中のIII−III断面図である。 実施例1および比較例の各アクチュエータにおける印加電圧に対する変位率を示すグラフである。 図4における変位率の近似曲線を示すグラフである。 実施例2、3および比較例の各アクチュエータにおける印加電圧に対する変位率を示すグラフである。
符号の説明
1:アクチュエータ 20:誘電膜 21a、21b:電極 22:電源
3:アクチュエータ 30:誘電膜 31a、31b:電極
310a、310b:端子部 4:電源 5:変位計 50:マーカー

Claims (5)

  1. 以下の一般式(A)〜(C)で表される三種類のモノマーの共重合体を架橋させて得られる液晶エラストマー。
    Figure 2009191117
    Figure 2009191117
    Figure 2009191117
  2. 高分子量の多官能イソシアネート系化合物から選ばれる一種以上の架橋剤により架橋されている請求項1に記載の液晶エラストマー。
  3. さらに、誘電異方性が負の低分子液晶が混合されてなる請求項1または請求項2に記載の液晶エラストマー。
  4. 前記低分子液晶は、以下の一般式(D)で表される化合物から選ばれる一種以上である請求項3に記載の液晶エラストマー。
    Figure 2009191117
  5. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の液晶エラストマーからなる誘電膜と、
    該誘電膜を介して配置されている複数の電極と、を備え、
    該電極間への印加電圧に応じて該誘電膜が伸縮するアクチュエータ。
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